説明

加熱される液体のための自立型ポンプ、およびこれを用いた熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム

熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムが提供される。このシステムは、閉ループ内に収集された熱によって液体を閉ループ内で循環させる。システムはポンプのための外部動力なしに動作しうる。熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムは、過熱される液体のための改良された自立型ポンプを採用しうる。このポンプは、加熱される液体を収容するための気密容器と、加熱される液体のための注入口及び排出口とを含み、改良された自立型ポンプは更に、液体蒸気凝縮還流構造つきの通気チャンネルを有する。熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムは、太陽熱収集器を備えた太陽熱加熱の液体閉ループ自動循環システムであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱される液体のための改良された自立型ポンプに関連している。本開示はまた、改良された自立型ポンプを用いた熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムにも関連している。
【背景技術】
【0002】
自立型ポンプ及び熱駆動式液体自動循環システムは、カナダ特許出願(第02628605号)およびカナダを受理官庁とするPCT出願に開示されている。当該技術および当該技術に基づく製品は、現在良好に作動している。しかしながら、上述した特許出願で用いられている着想は、より普遍的な状況に拡張させることが可能である。このことは、上述した出願中の特許に係る着想が、熱を単に高いところから低いところへ輸送するためだけではなく、熱を同じ高さの場所、もしくはよりも高い場所へと輸送することも可能であることを意味している。本件特許出願は、このトピックにおける我々の研究開発の進展を反映するものである。
【発明の概要】
【0003】
本開示に係るソーラー式加熱システムにて採用される熱駆動式の液体自動循環システムは、下記の利点をシステムにもたらすことが考えられよう。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の自然循環型のユニット式のソーラー式温水器と比較して、新システムは、水タンクを建物の中に設置しながら、ソーラー式収集器を屋根に設置することが可能である。
【0005】
既存の電力ポンプ強制循環式のソーラー式加熱システムと比較して、熱駆動式の太陽熱自動循環システムは、電力ポンプ、拡張タンクおよびコントローラーを必要としない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、自立型ポンプ及び熱駆動式液体自動循環システムに関する要旨である。
【0007】
加熱される液体のために、液体熱収集器と共に使用される自立型ポンプであって、
加熱される液体を収容するための気密の容器を有し、当該容器は、
外部空間と内部空間とを分離するための壁であって、前記内部空間は加熱される液体で部分的に満たされ、且つ液面よりも上に上部空気/蒸気空間を、また液面よりも下に下部液体空間を有する壁と、
前記容器の壁に配置されいずれも前記容器の液面よりも下方に位置する注入口及び排出口であって、前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
液面よりも上にある上部空気/蒸気空間の内部と外気とを連結するために前記容器の壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
を有することを特徴とする自立型ポンプ。
【0008】
前記容器は断熱容器である請求項1に記載のポンプ。
【0009】
前記容器はガラス、もしくはポリマー材からなる透明容器である請求項1に記載のポンプ。
【0010】
前記容器は脱気された容器(evacuated container)である請求項1に記載のポンプ。
【0011】
前記注入口と前記排出口にそれぞれに搭載される注入パイプ及び排出パイプを有し、
注入パイプもしくは排出パイプのいずれかにおける前記容器の外部に延在する部分は、取り外し可能である請求項1に記載のポンプ。
【0012】
前記通気チャンネルは、
前記容器の液面よりも上の前記壁に配置された開口器具と、
前記容器の壁の頂部に搭載された下端、及び取り外し可能なカップ付きの反対側の上端を有するチューブと、
外気と前記容器の液面よりも上の前記内部空間とを連結するためのチューブのために前記壁面に配置された穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を含む請求項1に記載のポンプ。
【0013】
搭載された上向きのチューブは、ガラスもしくはポリマー材からなる透明チューブである請求項6に記載のポンプ。
【0014】
前記通気チャンネルは、
前記容器内の前記液面よりも下の前記壁に配置される開口器具と、
前記容器内の前記液面よりも下の前記開口器具に取付けられる通気チューブであって、前記容器の液面よりも上にある空気/蒸気空間の内部に上向きに延在する通気チューブと、
を含み、
前記通気チューブは、前記容器の壁の外部にある部分を有し、且つ液体蒸気の凝縮および復水の一時的な貯蔵及び還流のために、湾曲した形状、例えばU字もしくはW字型の形状である請求項1に記載のポンプ。
【0015】
前記加熱される液体は水である請求項1に記載のポンプ。
【0016】
前記加熱される液体は不凍液である請求項1に記載のポンプ。
【0017】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされた液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し且つ前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
液体熱収集器と共に使用される加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、当該自立型ポンプは、
加熱される液体を収容するための気密容器であって、その外部空間と内部空間とを分離するための壁を有し、前記内部空間は加熱される液体で部分的に満たされ、液面よりも上に上部空気/蒸気空間を、液面よりも下に下部液体空間を有する気密容器と、
前記容器の前記壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
前記液面よりも上の上部空気/蒸気空間の内部と外気とを連結するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する当該通気チャンネルと、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に連結され、反対側の端部が前記自立型ポンプの前記注入口に連結された第1の導管であって、前記自立型ポンプの前記注入口は前記熱収集器の排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記排出口に連結され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口に連結された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも低くなく、且つ前記第2の導管は、前記熱収集器の位置と比較して高い部分、低い部分、および同じレベル部分の、連続する3つの部分を含む第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【0018】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項11に記載のシステム。
【0019】
前記熱収集器は断熱された熱収集器、例えばボイラーの断熱された水タンクである請求項11に記載のシステム。
【0020】
前記熱収集器の加熱される液体は水である請求項11に記載のシステム。
【0021】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体で部分的に満たされる液体加熱貯蔵タンクと、
を含み、
前記液体加熱貯蔵タンクは、
内部空間を上部空気/蒸気空間と下部加熱液体空間とに分割する加熱される液体の液面と、
いずれも加熱される液体の液面よりも下部にある加熱される液体の注入口及び加熱される液体の排出口であって、加熱される液体の注入口は加熱される液体の排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
液面よりも上にある上部空気/蒸気空間の内部と外気とを接続するために前記貯蔵タンクの前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が液体加熱貯蔵タンクの前記注入口に接続された第1の導管であって、前記加熱貯蔵タンクの前記注入口は前記熱収集器の排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記液体加熱貯蔵タンクの前記排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口と接続された第2の導管であって、前記液体加熱貯蔵タンクの排出口は熱収集器の注入口よりも高くない第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【0022】
前記貯蔵タンクの前記壁に搭載された前記通気チャンネルは、搭載された圧力逃し弁を有する連結器具であり、前記液体加熱貯蔵タンクは圧力タンクである請求項15に記載のシステム。
【0023】
前記熱収集器の前記加熱される液体は水である請求項15に記載のシステム。
【0024】
前記液体貯蔵タンクの前記通気チャンネルは、
前記液体加熱貯蔵タンクの液面よりも上において前記液体加熱貯蔵タンクの壁に配置された開口器具と、
前記液体加熱貯蔵タンクの前記壁の頂部に搭載された下端、及び取外し可能なキャップの付いた反対側の上端を有するチューブと、
前記液体加熱貯蔵タンク内の液面よりも上の前記内部空間と外気とを連結するために前記壁に設けられた前記チューブのための穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を含む請求項15に記載のシステム。
【0025】
搭載された上向きのチューブは、ガラスもしくはポリマー材からなる透明チューブである請求項15に記載のシステム。
【0026】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項15に記載のシステム。
【0027】
前記加熱される液体は水である請求項15に記載のシステム。
【0028】
前記液体加熱貯蔵タンクは、冷却された液体の供給のための液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンと、を有する請求項15に記載のシステム。
【0029】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口を有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
流体加熱貯蔵タンクと、
を含み、前記流体加熱貯蔵タンクは、
一次流体のための貯蔵タンクであって、一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口および二次流体排出口を有する貯蔵タンクと、
液体である二次流体を前記貯蔵タンクを通じ一次流体から隔離して流れさせるために、前記貯蔵タンク内に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ熱交換器を含み、且つ上向きに延在し前記貯蔵タンクの頂部壁に搭載される通気チャンネルを有し、当該通気チャンネルは前記装置の内部で前記二次流体に流体接続し且つ外気に解放される装置と、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口に接続された第1の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口は前記熱交換器の前記排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口と接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口と接続された第2の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【0030】
前記流体貯蔵タンクの前記通気チャンネルは、
前記液体加熱貯蔵タンクの前記壁の頂部に搭載される下端、及び取外し可能なキャップ付きの反対側の上端を有するチューブと、
外気と前記装置の内部の二次流体の液面よりも上の空気/蒸気空間の内部とを連結するための前記チューブのために前記壁に設けられた穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を更に含む請求項23に記載のシステム。
【0031】
流体貯蔵タンクの前記一次液体は水であり、前記二次流体は不凍液である請求項23に記載のシステム。
【0032】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項23に記載のシステム。
【0033】
前記流体加熱貯蔵タンクは、冷却された液体の供給用の液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンとを有する請求項23に記載のシステム。
【0034】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を持つ熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、
前記自立型ポンプは、
液体である加熱された二次流体を収容するための気密容器であって、外部空間と内部空間とを分離する壁を有し、前記内部空間は加熱された二次液体で部分的に満たされ、液面よりも上部に空気/蒸気空間を有し、液面よりも下部に下部液体空間を有する気密容器と、
前記容器の壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の二次液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
外気と前記液面よりも上の空気/蒸気空間の内部とを接続するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
流体加熱貯蔵タンクと、
を備え、
前記流体加熱貯蔵タンクは、
一次流体のための貯蔵タンクであって、一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口及び二次流体排出口を有する貯蔵タンクと、
液体である二次流体を貯蔵タンクを通じて一次流体から隔離して流れさせるために前記貯蔵タンクの内部に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ熱交換器を含み、且つ前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口は前記流体加熱貯蔵タンクの二次流体排出口よりも低くない装置と、
一方の端部が前記熱収集器の排出口に接続され、反対側の端部が前記自立ポンプの前記二次液体注入口に接続された第1の導管であって、前記熱収集器の前記排出口は自立型ポンプの前記二次流体注入口よりも高くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口に接続された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記二次流体排出口は前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口よりも低くない第2の導管と、
一方の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口に接続された第3の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第3の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【0035】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項28に記載のシステム。
【0036】
前記熱貯蔵タンクの前記一次流体は水であり、前記二次液体は不凍液である請求項28に記載のシステム。
【0037】
前記流体加熱貯蔵タンクは冷却された液体の供給のための液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンとを有する請求項28に記載のシステム。
【0038】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされた液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、
前記自立型ポンプは、
液体である加熱された二次流体を収容するための気密容器であって、外部空間と内部空間とを分離する壁を有し、前記内部空間は加熱された二次液体で部分的に満たされ、且つ液面よりも上部の空気/蒸気空間と、液面よりも下部の下部液体空間とを有する気密容器と、
前記容器の前記壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の二次液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
外気と液面よりも上にある空気/蒸気空間の内部とを接続するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
熱交換器と、
を含み、
前記熱交換器は、
一次流体のための流体タンクであって、当該タンクは一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口および二次流体排出口を有する流体タンクと、
液体である二次流体を貯蔵タンクを通じて一次流体から隔離して流れさせるために前記タンク内に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ前記熱交換器の前記二次流体注入口は前記熱交換器の二次流体排出口よりも低くない装置と、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が前記自立ポンプの前記二次液体注入口に接続された第1の導管であって、前記熱収集器の前記排出口は前記自立型ポンプの前記二次流体注入口よりも高くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱交換器の前記二次流体注入口に接続された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記二次流体排出口は前記熱交換器の前記二次流体注入口よりも低くない第2の導管と、
一方の端部が前記熱交換器の前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の注入口に接続された第3の導管であって、前記熱交換器の前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第3の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【0039】
33.前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項32に記載のシステム。
【0040】
34.前記熱交換器の前記一次流体は水であり、二次流体は不凍液である請求項32に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の例示的な実施形態を描写している各図面のうち、図1は簡単な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【図2】図2は図1の自立型ポンプであってその最上部に通気チャンネルが設けられたたものを説明する概念図である。
【図3】図3は図1の自立型ポンプであって別の通気チャンネル構造が設けられたものを説明する概念図である。
【図4】図4は熱交換器を有しない熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【図5】図5は外気に開放された熱交換器を有する熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【図6】図6は太陽熱収集器と熱貯蔵タンクの間に位置する熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【図7】図7は太陽熱収集器と熱貯蔵タンクの間に位置する熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【図8】図8は熱交換器を有する熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムを説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1を参照し、使用状態の例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムが説明されている。システム110は、液体113である熱輸送媒体で完全に満たされた容器112を持つ熱収集器111を含み、当該容器は注入口115と排出口114とを持っており、排出口114は注入口115よりも低くない。
【0043】
加熱される液体のための自立型ポンプ121が、液体熱収集器111と共に用いられる。自立型ポンプ121は、加熱される液体を収容するための気密容器1210を有し、気密容器1210は、外部空間と内部空間とを分離するための壁を有する。当該内部空間は、加熱される液体で部分的に満たされ、これによって液面126(liquid level surface)よりも上に上部空気/蒸気空間127が、また液面126よりも下に下部液体空間125が形成される。当該容器の壁に、注入口122と排出口123とがそれぞれ設置され、これらは共に当該容器の液面126よりも下方に位置する。そして注入口122は排出口123よりも低くない。
【0044】
前記容器121の壁に、通気チャンネル124が設けられ、これによって内部の、液面126よりも上にある上部空気/蒸気空間127と外気とが連結される。当該通気チャンネル124は、液体蒸気凝縮還流構造を持ち、その説明は図2と図3にて行う。
【0045】
第1の導管131が、その一方の端部1311において、熱収集器111の排出口114に連結されている。導管131の反対側の端部は、自立型ポンプ121の注入口122に連結されている。また自立型ポンプ121の注入口122は、熱収集器111の排出口114よりも低くない。これは、熱によって駆動された液体を自立型ポンプ121に向けて上向きに移動させるためである。
【0046】
第2の導管132が、その一方の端部1321において、自立型ポンプ121の排出口123に連結されており、また反対側の端部1322において、熱収集器121の注入口115に連結されている。また、自立型ポンプ121の排出口123は、熱収集器111の注入口115よりも低くない。図1は、第2の導管132の上端部分が熱収集器111よりも高く、下端部分が熱収集器111よりも低く、かつ中間部分が熱収集器111と同じ高さであることを示す。
【0047】
図1において、熱収集器111、導管131、自立型ポンプ121、および導管132によって、加熱される液体の閉ループ回路が形成される。熱収集器111が熱を受け取ると、加熱される液体は上向きに動こうとし、より冷たい液体は反対の方向に動こうとする。加熱される液体は、自立ポンプ121に向かって動き、熱収集器111と導管132の底部にあるより冷たい液体は、その空間を再び満たす(replenishes)。よって、システム110内で循環力が生成され、熱が利用可能である限り、システムの動作が継続的にされる。
【0048】
この例示的な回路は、自立型ポンプを熱収集器の上位に設置することによって、閉ループを形成することが可能であることを示している。この回路では、外部動力ポンプなしで、加熱器がそれよりも高い場所、低い場所、もしくは同じ高さのレベルの場所のいずれかを問わず、そこへ熱を輸送することが可能である。
【0049】
図2を参照し、加熱される液体のための例示的な自立型ポンプ221の使用中の状態が説明されている。このポンプは、加熱される液体を収容するための気密容器2210を含み、外部空間と内部空間とを分離するための壁2211を有する。内部空間は、加熱される液体で部分的に満たされ、液面226よりも上には上部空気/蒸気空間227を、液面226よりも下には下部液体空間225を有する。
【0050】
容器2210の壁2211に、注入口222及び排出口223、及び229又は224及び260をそれぞれ配置し、両方とも当該容器2210の液面226よりも下方に位置し、かつ注入口222は排出口223よりも低くない。通気チャンネルの部品224は、液面226よりも上にある上部空気/蒸気空間227の内部と外気とを連結するために、容器221の壁2211に搭載された連結器具である。液体蒸気凝縮還流構造229もしくは260を有する当該通気チャンネルは、器具224に搭載される。部品229はN字型のチューブである。容器2210からの液体蒸気が、チューブ229内で凝縮され、凝縮液は一時的に内部下端部分2290に貯蔵されうる。自立型ポンプ内の液体が冷却された場合、負圧により凝縮液を容器2210に引き戻すことがあり、よって、閉ループにある液体が保持されうる。これはまた、チューブ229の末端2292がよりも高い位置にある場合に、液体を閉ループ回路に加えるチャンネルでもある。
【0051】
液体蒸気凝縮還流構造260は、器具224に搭載される別種の構造である。これはカップ243付きの透明なチューブ241である。そのチューブ241の壁面に穴224があり、これによって空間227を外気と連結することが可能になる。蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片が、液体蒸気の凝縮および復水の容器への還流のために、通気チューブ241内に配置される。
【0052】
図3を参照し、もう一つの例示的な通気チャンネル321の使用中の状態が説明されている。加熱される液体を収容するための気密容器3210は、外部空間と内部空間とを分離するための壁3211を有する。内部空間は、加熱される液体で部分的に満たされ、液面326よりも上に上部空気/蒸気空間327を、また液面326よりも下に下部液体空間325を有する。当該容器3210の壁3211に、注入口322と排出口323とがそれぞれ配置されている。これらはいずれも、液面326よりも下方に位置する。そして注入口322は、排出口323よりも低くない。
【0053】
内部空間内の液面326よりも上にある内部の上部空気/蒸気空間327と外気とを接続するために、容器の壁に通気チャンネル324が搭載されている。通気チャンネルは、液体蒸気凝縮還流構造を有する。それは、容器の液面326よりも下の壁に開口器具324を含む。容器の液面326よりも下の開口器具324に、通気チューブ329が搭載され、容器の液面326よりも上に位置する内部の空気/蒸気空間327にまで上向きに延在している。当該通気チューブ329は、容器の外部にあり且つ湾曲した形状(例えばU字型)の、部分3290を有する。それは図2で説明したように、液体蒸気の凝縮、および凝縮液3290の一時保管と還流のためのものである。
【0054】
図4を参照し、使用中である例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムが説明されている。当該システムには、熱収集器411、液体加熱貯蔵タンク431および接続導管451と452が含まれる。熱収集器411は二つの太陽熱収集器412と416の結合である。当該熱収集器は、液体である熱輸送媒体413で満たされた容器412を有する。当該容器は、注入口415と排出口414を有する。排出口414は、注入口415よりも低くない。
【0055】
液体加熱貯蔵タンク431は、部分的に加熱される液体で満たされる。当該タンクは、加熱される液体の注入口432と、加熱される液体の排出口433とを有する。これらは両方とも、加熱される液体の液面よりも下部にある。加熱される液体の注入口432は、加熱される液体の排出口433よりも低くない。液面よりも上にある上部空気/蒸気空間の内部と外気とを連結するために、貯蔵タンクの壁に、通気チャンネル437が搭載されている。図2および図3にて説明したとおり、当該通気チャンネルは、液体蒸気凝縮還流構造を有する。第1の導管451は、その一方の端部4511が熱収集器411の排出口4511に連結されており、反対側の端部4512が液体加熱貯蔵タンク431の注入口432に連結されている。注入口432は、熱収集器の排出口414よりも低くない。第2の導管452は、その一方の端部4521が液体加熱貯蔵タンクの排出口433に連結されており、反対側の端部4522が熱収集器の注入口415と連結されている。液体加熱貯蔵タンク431の排出口433は、熱収集器411の注入口415よりも高くない。
【0056】
図4において、熱収集器411、導管451、貯蔵タンク431および導管452は、加熱液体閉ループ回路を形成する。太陽熱収集器411が太陽熱を受けると、加熱される液体は上向きに動こうとし、より冷たい液体は反対の方向に動こうとする。加熱される液体、すなわち水は、貯蔵タンク431に移動し、熱収集器411と導管452の底部にあるより冷たい液体は、その空間を再び満たす。よって、システム410内で循環力が生成され、熱が利用可能である限り、システムの動作が継続的にされる。
【0057】
貯蔵タンク431の器具に搭載される逃し弁が、通気チャンネル437を代替しうる場合がある。この場合、貯蔵タンク431は加圧タンクになる。逃し弁は通気チャンネルになりうる。この種の加圧タンクにおける熱輸送速度は、開放タンクほど良くはない。さらに、逃し弁の頻繁な開閉には安全面の懸念がある。解決策の一つは、異なる始動圧力の設定値を持つ逃し弁を、器具434に加えることである。
【0058】
通常のタンク同様に、貯蔵タンクは、低温液体注入口436、高温液体排出口435、ドレン439、および保護用陽極438を有する。
【0059】
図5を参照し、例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム510の使用中の状態が説明されている。この場合、太陽熱収集器は建物の壁550の外側に配置され、蓄熱タンク531は凍結防止のため室内に設置される。熱収集器510は、液体である熱輸送媒体で完全に満たされた液体容器513を有する。この液体容器513は、注入口515と排出口514とを有する。排出口514は、注入口515よりも低くない。
【0060】
流体加熱貯蔵タンク531は、一次流体のための貯蔵タンクを有する。貯蔵タンクは、一次流体すなわち水、注入口536、一次流体排出口535、二次流体注入口541および二次流体排出口542を有する。貯蔵タンクは更に、液体である二次流体を貯蔵タンクを通じて一次流体から隔離して流れさせるために、貯蔵タンク531の内部に配置された装置540を有する。この装置は、二次流体注入口532と二次流体排出口533とを相互に接続し、且つ熱交換器540を含む。この装置540は、上向きに延在する通気チャンネルを有し、また貯蔵タンク531の頂部壁5311に搭載される。通気チャンネルは、装置の内部で二次流体と流動的に連結され、かつ外気に開放される。
【0061】
第1の導管545が、その一方の端部において、熱収集器511の排出口5452に連結されており、また反対側の端部5451において、流体加熱貯蔵タンク531の二次流体注入口532に連結されている。流体加熱貯蔵タンク531の二次流体注入口532は、熱収集器511の排出口よりも低くない。第2の導管546が、その一方の端部5461において、流体加熱貯蔵タンク531の二次流体排出口533に連結されており、また反対側の端部5462において、熱収集器511の注入口に連結されている。流体加熱貯蔵タンク511の二次流体排出口533は、熱収集器の注入口515よりも高くない。
【0062】
図5において、熱収集器511、導管545、貯蔵タンク531内の装置540、および導管446によって、加熱される液体の閉ループ回路が形成される。太陽熱収集器511が太陽熱を受け取ると、加熱される液体は上向きに動こうとし、より冷たい液体は反対の方向に動こうとする。加熱される液体は、貯蔵タンク531内の装置540に向かって動き、熱収集器511と導管546の底部にあるより冷たい液体は、その空間を再び満たす。よって、システム510内で循環力が生成され、熱が利用可能である限り、システムの動作が継続的にされる。装置540(この例ではフィンチューブである)は、加熱された二次液体にある熱をタンク内の一次流体へと、また冷却された二次液体の戻り分を太陽熱収集器へと、それぞれ輸送する。よって熱輸送処理が完成される。この場合、閉ループ回路は開放されるが、一次流体の回路は閉じられており、加圧される。
【0063】
通常のタンク同様に、貯蔵タンク531は、低温液体注入口536、高温液体排出口535、ドレン539、および保護用陽極538を有する。
【0064】
図6を参照し、例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム610の使用中の状態が説明されている。この場合、自立型ポンプ621が使用され、太陽熱収集器は建物の屋根651に搭載される。
【0065】
このシステムは、太陽熱収集器611、自立型ポンプ621、および熱交換器640付きの貯蔵タンク631、及び接続導管を含む。
【0066】
太陽熱収集器611は、液体の熱輸送媒体613で完全に満たされる液体容器613を有する。液体容器613は、注入口615と排出口614とを有する。排出口614は、注入口615よりも低くない。
【0067】
加熱される液体のための自立型ポンプ621は、加熱された不凍液である二次流体を収容するために、気密容器6210を有する。ポンプ621は、外部空間と内部空間とを分離するための壁を有する。内部空間は、加熱された二次液体で部分的に満たされ、液面626よりも上に上部空気/蒸気空間627を、また液面626よりも下に下部液体空間625を有する。
【0068】
当該容器の壁には、注入口622と排出口623とが配置されている。注入口622と排出口623とは、共に容器6210の二次液体の液面626よりも下方に位置する。注入口622は、排出口623よりも低くない。液面626よりも上にある上部空気/蒸気空間627の内部と外気を連結するために、通気チャンネル624が、容器の壁に搭載されている。当該通気チャンネル624は、液体蒸気凝縮還流構造を持つが、この図では表示されていない。通気チャンネルの詳細の構造については、図2と図3にて詳細に説明した。
【0069】
流体加熱貯蔵タンク631は、一次流体のための貯蔵タンク6312を有する。不凍液体である二次流体を貯蔵タンク631を通じて一次流体から隔離して流れさせるために、貯蔵タンク631は、一次流体注入口636、一次流体排出口635、二次流体注入口632および二次流体排出口633、および貯蔵タンク631の内部に配置された装置640を有する。装置640は、二次流体注入口632と二次流体排出口を相互に接続し、且つ熱交換器を含む。流体加熱貯蔵タンクの二次流体注入口632は、流体加熱貯蔵タンク631の二次流体排出口633よりも低くない。
【0070】
第1の導管648は、その一方の端部6482が熱収集器611の排出口614に連結されており、反対側の端部6481が自立ポンプ621の二次流体注入口622に連結されている。熱収集器611の排出口615は、自立型ポンプ621の二次流体注入口622よりも高くない。第2の導管649は、その一方の端部6451が自立型ポンプ521の二次流体排出口623に連結されており、反対側の端部6492が流体加熱貯蔵タンク631の二次流体注入口632に連結されている。自立型ポンプ621の二次流体排出口623は、流体加熱貯蔵タンク631の二次流体注入口632よりも低くない。第3の導管647は、その一方の端部6471が流体加熱貯蔵タンク631の二次流体排出口633に連結されており、反対側の端部6472が熱収集器611の注入口615に連結されている。流体加熱貯蔵タンク631の二次流体排出口622は、熱収集器611の注入口615よりも高くない。
【0071】
図6において、熱収集器611、導管648、自立型ポンプ621、導管649、貯蔵タンク631および導管647によって、加熱される液体の閉ループ回路が形成される。太陽熱収集器611が太陽熱を受け取ると、加熱される液体は上向きに動こうとし、より冷たい液体は反対の方向に動こうとする。加熱される液体すなわち水は、貯蔵タンク631に向かって動き、熱収集器611および導管647の底部にあるより冷たい液体は、その空間を再び満たす。よって、システム610内で循環力が生成され、熱が利用可能である限り、システムの動作が継続的にされる。
【0072】
図7を参照し、例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム710の使用中の状態が説明されている。図7と図6を比較すると、その違いは、建物の屋根651が建物の壁7501に入れ替わったことである。図6では熱レシーバー610は貯蔵タンク631よりも高いが、図7では熱レシーバー710は貯蔵タンク731と同じ高さにある。タンク731は、各システムでは見られなかった任意的な構成要素である電気ヒーター745及び746を有する。
【0073】
図7と図6とを比較すれば、システム及びその動作を容易に理解することができる。よって、さらなる説明は必要ではない。
【0074】
図8を参照し、例示的な熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム810の使用中の状態が説明されている。当該システムは熱交換器を含むが、蓄熱タンクは含まない。これは、蓄熱タンクが内部取付けの熱交換器を有しないようなエンジニアリングケースのためのものである。
【0075】
このシステムは、熱収集器811、自立型ポンプ821、熱交換器831および接続導管861、862、863を有する。
【0076】
熱収集器811は、断熱材料内の液体容器を有するが、図8には示していない。液体容器は、不凍液である熱輸送媒体で完全に満たされる。液体容器は、注入口815と排出口814とを有する。排出口814は、注入口815よりも低くない。
【0077】
自立型ポンプ621は、前に説明された通りである。それは、図3で説明したような通気チャンネルを有する。
【0078】
熱交換器は以下のものにより構成される:流体タンク8310は一次流体のために設置される。このタンク8310は、一次流体注入口841、一次流体排出口842、二次流体注入口832、及び二次流体排出口833を有する。装置840は、液体である二次流体をタンク8310を通じて、一次流体とは隔離して流れさせるために、タンク8310の内部に配置される。この装置は、二次注入口832を二次排出口833に流体的に接続する。熱交換器831の二次流体注入口841は、当該熱交換器の二次流体排出口842よりも低くない。
【0079】
第1の導管862、第2の導管863及び第3の導管861は、太陽熱収集器811、自立型ポンプ821及び熱交換器831を接続し、これによって熱駆動式の閉ループ液体流回路が構成される。図6について言及された理由で、二次液体を循環させ、且つ太陽熱収集器811から熱交換器631内の一次流体へと熱を輸送する熱駆動式の動力が存在する。
【0080】
上記の議論から、外部動力やポンプなしに、加熱される液体を閉ループ回路の内部で循環させる可能性があるということができる。熱収集器内に受容された熱は、熱収集器の位置よりも高い、低い、あるいは同じ高さの場所に輸送されることができる。上記の結果は熱工業、特に太陽熱水工業において要望されるものである。
【0081】
他の変更は当業者に自明であり、よって本発明は特許請求の範囲に定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱される液体のために、液体熱収集器と共に使用される自立型ポンプであって、
加熱される液体を収容するための気密の容器を有し、当該容器は、
外部空間と内部空間とを分離するための壁であって、前記内部空間は加熱される液体で部分的に満たされ、且つ液面よりも上に上部空気/蒸気空間を、また液面よりも下に下部液体空間を有する壁と、
前記容器の壁に配置されいずれも前記容器の液面よりも下方に位置する注入口及び排出口であって、前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
液面よりも上にある上部空気/蒸気空間の内部と外気とを連結するために前記容器の壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
を有することを特徴とする自立型ポンプ。
【請求項2】
前記容器は断熱容器である請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記容器はガラス、もしくはポリマー材からなる透明容器である請求項1に記載のポンプ。
【請求項4】
前記容器は脱気された容器である請求項1に記載のポンプ。
【請求項5】
前記注入口と前記排出口にそれぞれに搭載される注入パイプ及び排出パイプを有し、
注入パイプもしくは排出パイプのいずれかにおける前記容器の外部に延在する部分は、取り外し可能である請求項1に記載のポンプ。
【請求項6】
前記通気チャンネルは、
前記容器の液面よりも上の前記壁に配置された開口器具と、
前記容器の壁の頂部に搭載された下端、及び取り外し可能なカップ付きの反対側の上端を有するチューブと、
外気と前記容器の液面よりも上の前記内部空間とを連結するためのチューブのために前記壁面に配置された穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を含む請求項1に記載のポンプ。
【請求項7】
搭載された上向きのチューブは、ガラスもしくはポリマー材からなる透明チューブである請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
前記通気チャンネルは、
前記容器内の前記液面よりも下の前記壁に配置される開口器具と、
前記容器内の前記液面よりも下の前記開口器具に取付けられる通気チューブであって、前記容器の液面よりも上にある空気/蒸気空間の内部に上向きに延在する通気チューブと、
を含み、
前記通気チューブは、前記容器の壁の外部にある部分を有し、且つ液体蒸気の凝縮および復水の一時的な貯蔵及び還流のために、湾曲した形状、例えばU字もしくはW字型の形状である請求項1に記載のポンプ。
【請求項9】
前記加熱される液体は水である請求項1に記載のポンプ。
【請求項10】
前記加熱される液体は不凍液である請求項1に記載のポンプ。
【請求項11】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされた液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し且つ前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
液体熱収集器と共に使用される加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、当該自立型ポンプは、
加熱される液体を収容するための気密容器であって、その外部空間と内部空間とを分離するための壁を有し、前記内部空間は加熱される液体で部分的に満たされ、液面よりも上に上部空気/蒸気空間を、液面よりも下に下部液体空間を有する気密容器と、
前記容器の前記壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
前記液面よりも上の上部空気/蒸気空間の内部と外気とを連結するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する当該通気チャンネルと、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に連結され、反対側の端部が前記自立型ポンプの前記注入口に連結された第1の導管であって、前記自立型ポンプの前記注入口は前記熱収集器の排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記排出口に連結され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口に連結された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも低くなく、且つ前記第2の導管は、前記熱収集器の位置と比較して高い部分、低い部分、および同じレベル部分の、連続する3つの部分を含む第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【請求項12】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記熱収集器は断熱された熱収集器、例えばボイラーの断熱された水タンクである請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記熱収集器の加熱される液体は水である請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体で部分的に満たされる液体加熱貯蔵タンクと、
を含み、
前記液体加熱貯蔵タンクは、
内部空間を上部空気/蒸気空間と下部加熱液体空間とに分割する加熱される液体の液面と、
いずれも加熱される液体の液面よりも下部にある加熱される液体の注入口及び加熱される液体の排出口であって、加熱される液体の注入口は加熱される液体の排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
液面よりも上にある上部空気/蒸気空間の内部と外気とを接続するために前記貯蔵タンクの前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が液体加熱貯蔵タンクの前記注入口に接続された第1の導管であって、前記加熱貯蔵タンクの前記注入口は前記熱収集器の排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記液体加熱貯蔵タンクの前記排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口と接続された第2の導管であって、前記液体加熱貯蔵タンクの排出口は熱収集器の注入口よりも高くない第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【請求項16】
前記貯蔵タンクの前記壁に搭載された前記通気チャンネルは、搭載された圧力逃し弁を有する連結器具であり、前記液体加熱貯蔵タンクは圧力タンクである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記熱収集器の前記加熱される液体は水である請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記液体貯蔵タンクの前記通気チャンネルは、
前記液体加熱貯蔵タンクの液面よりも上において前記液体加熱貯蔵タンクの壁に配置された開口器具と、
前記液体加熱貯蔵タンクの前記壁の頂部に搭載された下端、及び取外し可能なキャップの付いた反対側の上端を有するチューブと、
前記液体加熱貯蔵タンク内の液面よりも上の前記内部空間と外気とを連結するために前記壁に設けられた前記チューブのための穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
搭載された上向きのチューブは、ガラスもしくはポリマー材からなる透明チューブである請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記加熱される液体は水である請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記液体加熱貯蔵タンクは、冷却された液体の供給のための液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンと、を有する請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口を有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
流体加熱貯蔵タンクと、
を含み、前記流体加熱貯蔵タンクは、
一次流体のための貯蔵タンクであって、一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口および二次流体排出口を有する貯蔵タンクと、
液体である二次流体を前記貯蔵タンクを通じ一次流体から隔離して流れさせるために、前記貯蔵タンク内に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ熱交換器を含み、且つ上向きに延在し前記貯蔵タンクの頂部壁に搭載される通気チャンネルを有し、当該通気チャンネルは前記装置の内部で前記二次流体に流体接続し且つ外気に解放される装置と、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口に接続された第1の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口は前記熱交換器の前記排出口よりも低くない第1の導管と、
一方の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口と接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口と接続された第2の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第2の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【請求項24】
前記流体貯蔵タンクの前記通気チャンネルは、
前記液体加熱貯蔵タンクの前記壁の頂部に搭載される下端、及び取外し可能なキャップ付きの反対側の上端を有するチューブと、
外気と前記装置の内部の二次流体の液面よりも上の空気/蒸気空間の内部とを連結するための前記チューブのために前記壁に設けられた穴と、
液体蒸気の凝縮および復水還流のために前記通気チューブの内部に配置される蒸気凝縮の部品セット、例えば銅片もしくは銀片と、
を更に含む請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
流体貯蔵タンクの前記一次液体は水であり、前記二次流体は不凍液である請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記流体加熱貯蔵タンクは、冷却された液体の供給用の液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンとを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされる液体容器を持つ熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、
前記自立型ポンプは、
液体である加熱された二次流体を収容するための気密容器であって、外部空間と内部空間とを分離する壁を有し、前記内部空間は加熱された二次液体で部分的に満たされ、液面よりも上部に空気/蒸気空間を有し、液面よりも下部に下部液体空間を有する気密容器と、
前記容器の壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の二次液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
外気と前記液面よりも上の空気/蒸気空間の内部とを接続するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
流体加熱貯蔵タンクと、
を備え、
前記流体加熱貯蔵タンクは、
一次流体のための貯蔵タンクであって、一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口及び二次流体排出口を有する貯蔵タンクと、
液体である二次流体を貯蔵タンクを通じて一次流体から隔離して流れさせるために前記貯蔵タンクの内部に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ熱交換器を含み、且つ前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口は前記流体加熱貯蔵タンクの二次流体排出口よりも低くない装置と、
一方の端部が前記熱収集器の排出口に接続され、反対側の端部が前記自立ポンプの前記二次液体注入口に接続された第1の導管であって、前記熱収集器の前記排出口は自立型ポンプの前記二次流体注入口よりも高くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口に接続された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記二次流体排出口は前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体注入口よりも低くない第2の導管と、
一方の端部が前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の前記注入口に接続された第3の導管であって、前記流体加熱貯蔵タンクの前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第3の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【請求項29】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記熱貯蔵タンクの前記一次流体は水であり、前記二次液体は不凍液である請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記流体加熱貯蔵タンクは冷却された液体の供給のための液体注入口と、加熱される液体をユーザに供給するための液体排出口と、圧力逃し弁と、ドレンとを有する請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
熱駆動式の液体閉ループ自動循環システムであって、
液体の熱輸送媒体で完全に満たされた液体容器を有する熱収集器であって、前記液体容器は注入口と排出口とを有し、前記排出口は前記注入口よりも低くない熱収集器と、
加熱される液体のための自立型ポンプと、
を含み、
前記自立型ポンプは、
液体である加熱された二次流体を収容するための気密容器であって、外部空間と内部空間とを分離する壁を有し、前記内部空間は加熱された二次液体で部分的に満たされ、且つ液面よりも上部の空気/蒸気空間と、液面よりも下部の下部液体空間とを有する気密容器と、
前記容器の前記壁に配置された注入口及び排出口であって、いずれも前記容器内の二次液面よりも下に位置し、且つ前記注入口は前記排出口よりも低くない注入口及び排出口と、
外気と液面よりも上にある空気/蒸気空間の内部とを接続するために前記容器の前記壁に搭載された通気チャンネルであって、液体蒸気凝縮還流構造を有する通気チャンネルと、
熱交換器と、
を含み、
前記熱交換器は、
一次流体のための流体タンクであって、当該タンクは一次流体注入口、一次流体排出口、二次流体注入口および二次流体排出口を有する流体タンクと、
液体である二次流体を貯蔵タンクを通じて一次流体から隔離して流れさせるために前記タンク内に配置された装置であって、前記二次流体注入口と前記二次流体排出口とを相互に流体接続し、且つ前記熱交換器の前記二次流体注入口は前記熱交換器の二次流体排出口よりも低くない装置と、
一方の端部が前記熱収集器の前記排出口に接続され、反対側の端部が前記自立ポンプの前記二次液体注入口に接続された第1の導管であって、前記熱収集器の前記排出口は前記自立型ポンプの前記二次流体注入口よりも高くない第1の導管と、
一方の端部が前記自立型ポンプの前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱交換器の前記二次流体注入口に接続された第2の導管であって、前記自立型ポンプの前記二次流体排出口は前記熱交換器の前記二次流体注入口よりも低くない第2の導管と、
一方の端部が前記熱交換器の前記二次流体排出口に接続され、反対側の端部が前記熱収集器の注入口に接続された第3の導管であって、前記熱交換器の前記二次流体排出口は前記熱収集器の前記注入口よりも高くない第3の導管と、
を含む熱駆動式の液体閉ループ自動循環システム。
【請求項33】
前記熱収集器は太陽熱収集器である請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記熱交換器の前記一次流体は水であり、二次流体は不凍液である請求項32に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−504032(P2013−504032A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528199(P2012−528199)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001297
【国際公開番号】WO2011/029174
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(510297141)ダブリュ アンド イー インターナショナル(カナダ) コーポレーション (5)
【出願人】(510297130)
【Fターム(参考)】