説明

加熱式炭化装置及びその炭化方法

【課題】 本発明は、低周波電磁誘導加熱等により、汚泥などの炭化材を燃焼させることなく炭化し、目的に適した炭化物の生成を可能とする加熱式炭化装置及びその炭化方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、テーパー状に下側が細くなったホッパーに貯留された炭化材を投入する炭化材投入部2と、前記炭化材投入部2から投入された炭化材を密閉された炭化缶に入れ、前記炭化缶内を縦に通る攪拌羽の付いたシャフトを攪拌モーターで回転させながら、前記炭化缶を加熱して炭化処理する炭化部3と、前記炭化部内の気体を水流ポンプ又は真空ポンプで水槽に送ることにより減圧し、炭化処理後は不活性ガス発生装置により減圧解除する調整確認部4と、前記炭化部で炭化処理された炭化物を冷却し、炭化物排出口から排出する炭化物冷却保管部5とからなることを特徴とする加熱式炭化装置1の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低周波電磁誘導加熱等により、汚泥などの炭化材を燃焼させることなく炭化する加熱式炭化装置及びその炭化方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
木くずや動物の糞尿等の事業系廃棄物である産業廃棄物や、生ゴミや浄化槽汚泥等の生活系廃棄物である一般廃棄物の増加から、ごみの減量又は再利用が求められている。排泄物などの有機系の産業廃棄物等は、そのまま捨てられることが多かったが、炭化して再利用されるようになってきた。
【0003】
産業廃棄物等を燃焼させると二酸化炭素が発生し、大気汚染など環境への影響が大きいため、産業廃棄物等を燃焼させずに炭化することにより、二酸化炭素の排出量を減少させる方法もある。
【0004】
炭化方法としては、バーナータイプの炭化装置を利用する方法、電気ヒーターを利用する方法又は電磁誘導加熱を利用する方法などがある。バーナータイプの炭化装置を利用する方法では、装置が大型なものが多く、火を使うため危険性が高い。
【0005】
電気ヒーターを利用する方法の場合は、装置を小型化することができるが、炭化缶を外側から熱するため、炭化缶の外部への熱損失も大きく、余計に電力を消費するので、運転費用がかさんでしまう。
【0006】
特許文献1に記載されているように、電磁誘導で全体が均一に発熱し、通過する液体を拡散させて均一に加熱することができる液体の電磁誘導加熱装置という発明も公開されている。
【特許文献1】特開平09−167679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、高周波電磁誘導により加熱しているため、炭化缶の表面付近は急速に発熱するが、中心部付近まで熱が伝わりにくい場合もある。また、高周波を発生させるため、多くの電力を必要とする。
【0008】
また、従来の炭化装置では、炭化物の性状(含水率、揮発分、固定炭素、窒素、リン又はカリウム等の肥料成分)は、炭化材に大きく左右されるが、一般的に、炭化物の性状を微調整し、目的に合った炭化物を作るという概念は無かった。
【0009】
そこで、本発明は、低周波電磁誘導加熱等により、汚泥などの炭化材を燃焼させることなく炭化し、目的に適した炭化物の生成を可能とする加熱式炭化装置及びその炭化方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、テーパー状に下側が細くなったホッパー2aに貯留された炭化材2hを投入する炭化材投入部2と、前記炭化材投入部2から投入された炭化材2hを密閉された炭化缶3aに入れ、前記炭化缶3a内を縦に通る攪拌羽3eの付いたシャフト3dを攪拌モーター3gで回転させながら、前記炭化缶3aを加熱して炭化処理する炭化部3と、前記炭化部3内の気体3iを水流ポンプ4a又は真空ポンプで水槽4cに送ることにより減圧し、炭化処理後は不活性ガス発生装置4kにより減圧解除する調整確認部4と、前記炭化部3で炭化処理された炭化物3kを冷却し、炭化物排出口5iから排出する炭化物冷却保管部5とからなることを特徴とする加熱式炭化装置1、及び炭化処理7b、9bの完了時間を、電気伝導率計4e、酸化還元電位計4f又は透視度計4gの値により決定し、目的に適した炭化物3kを生成することができることを特徴とする加熱式炭化方法1aの構成とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、電磁誘導加熱を利用することにより、汚泥などの炭化材を燃焼させずに炭化することができるので、二酸化炭素の排出量を減少させた上で、再資源化することができる。
【0012】
第2に、低周波で電磁誘導加熱を行うので内部加熱に優れ、炭化缶表面からの外部放出熱を抑えることができる。高周波で電磁誘導加熱を行う場合よりも、炭化缶内部に投入された炭化材を効率よく炭化することができる。
【0013】
第3に、炭化材に水分が多く含まれていると、水分を除去するために多くの熱量と時間を要するが、炭化缶内を減圧して真空状態にすることにより、水分除去に掛かる時間を短縮することができる。
【0014】
第4に、窒素などの不活性ガスを炭化缶内に注入して減圧状態を解除するので、空気が混入して燃焼することもない。また、減圧解除により炭化物の冷却時間が短縮され、炭化材の逐次投入も可能となる。
【0015】
第5に、炭化処理の完了時間を電気伝導率計(EC計)、酸化還元電位計(ORP計)又は透視度計により判断することができるので、余分に加熱したりすることもなくなり、効率良く処理することができる。
【0016】
第6に、電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値により、炭化物の含有成分を調整できる。予め、炭化の時間を決定しておくことにより、目的に応じた炭化物を生成することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
汚泥などの炭化材を再資源化するに際して、加熱した炭化材が燃焼することなく炭化できるようにする方法を、炭化缶内に窒素などの不活性ガスを注入し、空気を混入しないように装置を構成することで実現した。
【実施例1】
【0018】
以下に、添付図面に基づいて、本発明である加熱式炭化装置及びその炭化方法について詳細に説明する。
【0019】
加熱式炭化装置1は、テーパー状に下側が細くなったホッパー2aに貯留された炭化材2hを投入する炭化材投入部2と、前記炭化材投入部2から投入された炭化材2hを密閉された炭化缶3aに入れ、前記炭化缶3a内を縦に通る攪拌羽3eの付いたシャフト3dを攪拌モーター3gで回転させながら、前記炭化缶3aを加熱して炭化処理する炭化部3と、前記炭化部3内の気体3iを水流ポンプ4a又は真空ポンプで水槽4cに送ることにより減圧し、炭化処理後は不活性ガス発生装置4kにより減圧解除する調整確認部4と、前記炭化部3で炭化処理された炭化物3kを冷却し、炭化物排出口5iから排出する炭化物冷却保管部5とからなる。
【0020】
また、加熱式炭化装置1は、加熱を低周波電磁誘導、高周波電磁誘導又は電気ヒーターのいずれかの方法で行い、不活性ガスには窒素を使用し、加熱により炭化缶、炭化部内の攪拌羽、炭化材に含まれる金属又は加熱により磁性を持つようになった凝集剤を自己発熱させて炭化処理時間を短縮し、炭化処理で発生した気体が溶け込んだ水槽水を、調整確認部の水槽に設けた電気伝導率計、酸化還元電位計又は透視度計で計測することにより、炭化処理の完了時間を判断し、炭化処理後に炭化缶内に不活性ガスを注入して減圧解除することにより、炭化缶を冷却することなく炭化材を逐次投入でき、炭化処理済みの炭化物を熱源として利用できることを特徴とする。
【0021】
図1は、本発明である加熱式炭化装置の全体図である。加熱式炭化装置1は、炭化材投入部2、炭化部3、調整確認部4及び炭化物冷却保管部5からなり、炭化材投入部2から投入した炭化材2hを、炭化部3で炭化処理し、炭化物冷却保管部5から排出する。尚、調整確認部4では、装置内の調整及び確認を行う。
【0022】
炭化材投入部2は、炭化部3の上部に設置され、一旦炭化材2hを貯留した後、炭化部3に炭化材2hを投入する。尚、炭化材2hは主として汚泥であるが、炭化処理可能な産業廃棄物等であれば何でも構わない。
【0023】
炭化部3は、加熱式炭化装置1の本体であり、炭化材投入部2から投入された炭化材2hを低周波の電磁誘導加熱により炭化する。低周波で行うことにより、中心部付近まで充分に熱を与えることができる。尚、低周波電磁誘導だけでなく、高周波電磁誘導又は電気ヒーター等で加熱することも可能である。
【0024】
調整確認部4は、炭化処理時は炭化部3内の気体3iを吸引して減圧し、炭化処理後は炭化部3に不活性ガス4tを注入して次の炭化処理を続行する。また、炭化物冷却保管部5に炭化物3k移す場合にも不活性ガス4tを注入する。
【0025】
炭化物冷却保管部5は、炭化部3で炭化材2hを炭化処理した炭化物3kを取り出し、炭化物3kが冷えるまで保管する。冷却中は炭化部3で次の炭化材2hを炭化処理することも可能である。冷却後は炭化物3kを排出する。
【0026】
図2は、本発明である加熱式炭化装置の炭化材投入部の拡大図である。炭化材投入部2は、ホッパー2a、蓋2b、側面スクリュー2d、水平スクリュー2e及びゲートバルブ2fなどからなる。
【0027】
ホッパー2aは、テーパー状に下側が細くなった容器である。上面及び下面は開いており、上面には蓋2bが設けられ、炭化材投入経路2gに続く下面はゲートバルブ2fにより塞がれる。
【0028】
ホッパー2a内に貯留される炭化材2hは、粘性の高い汚泥等が対象となるので、傾斜角度2jは60度以上にする。尚、炭化材2hは、予め脱水処理されており、脱水処理の過程において、ポリ硫酸第二鉄又は塩化第二鉄などの無機凝集剤2iが添加される。
【0029】
ホッパー2aには計量ライン2cも設けられてあり、内部に貯留された炭化材2hの量を把握することができる。計量ライン2cにより、炭化材投入経路2gを通じて炭化部3に送り込む炭化材2hの量を調整することも可能である。尚、一回の量は約50キログラムが適当である。
【0030】
蓋2bは、ホッパー2aの上面を塞ぐ部材である。蓋2bの一端が、ホッパー2aの上面の一端に接続され、回動するようにして開閉する。通常は閉じておき、ホッパー2a内に炭化材2hを入れる際に開く。
【0031】
側面スクリュー2d及び水平スクリュー2eは、脱水された炭化材2hが粘性によりゲートバルブ2f上部で詰まってしまうのを防ぐために、炭化材2hを炭化材投入経路2gに流し込む装置である。
【0032】
側面スクリュー2dは、モーターによりホッパー2a内部を上から下に向けて螺旋状に回転する。同様に、水平スクリュー2eは、モーターによりホッパー2a底部を横方向に螺旋状に回転する。
【0033】
ゲートバルブ2fは、炭化処理中は炭化部3を密閉するために炭化材投入部2と炭化部3の間の炭化材投入経路2gを閉じるためのものである。また、ゲートバルブ2fの開閉により、ホッパー2aから炭化部3への炭化材2hの流出量を調整することもできる。
【0034】
図3は、本発明である加熱式炭化装置の炭化部の拡大図である。炭化部3は、炭化缶3a、低周波電磁誘導コイル3c、シャフト3d、攪拌羽3e、カップリング3f及び攪拌モーター3gなどからなる。
【0035】
炭化缶3aは、密閉された中空の容器で、上部は、炭化材投入部2から炭化材2hが送られてくる炭化材投入経路2g及び気体3iの通り道となる気体経路3hに続いており、下部は、炭化物3kを炭化物冷却保管部5に送る炭化物取出経路3jに続く。
【0036】
炭化缶3aの下部は、低周波電磁誘導コイル3cにより加熱する加熱部3bであり、下に向かってテーパー状に細くなる。炭化材2hは加熱部3bで炭化処理されて炭化物3kとなり、加熱により発生した気体3iは気体経路3hから抜けていく。
【0037】
炭化処理時は、低周波の電磁誘導加熱により表面から中心部付近までじっくりと加熱されるが、炭化缶3a自体が高温にならないように、炭化缶3aの材質は、磁性が低い弱く電磁誘導を起こしにくいオーステナイト系ステンレス又は陶器などを使用し、外側は断熱材で覆う。
【0038】
高周波電磁誘導加熱の特性が、磁性材質を特異的に、かつ材質の表面を自己発熱させるのに対し、低周波電磁誘導加熱の特性は、磁性材質を特異的に、かつ材質の中心部を自己発熱させる。
【0039】
低周波電磁誘導加熱は、内部発熱に優れ、炭化缶3a表面からの外部放出熱を抑えることができる。高周波電磁誘導加熱の場合に比べ、炭化缶3a内部に投入された炭化材2hを効率良く炭化することができる。
【0040】
低周波電磁誘導コイル3cは、銅管などを巻いてコイルにしたもので、炭化缶3a下部の周囲に設ける。低周波電源3lから低周波電磁誘導コイル3cに電流を流すと、炭化缶3a及び炭化缶3a内部材質が電気抵抗により熱を発する。
【0041】
炭化缶3aを加熱すると、温度は約500℃に上昇するが、炭化缶3aからの輻射熱等で低周波電磁誘導コイル3cが高温になるのを防ぐために、冷却ユニット3mから冷却水を循環させて低周波電磁誘導コイル3cを冷却する。
【0042】
シャフト3dは、炭化缶3a内を上下に通った軸である。シャフト3dには、攪拌羽3eが数枚取り付けられており、攪拌モーター3gからシャフト3dに回転力が加えられると、攪拌羽3eが螺旋状に回転して、炭化缶3a内の炭化材2hを攪拌する。
【0043】
シャフト3dは、炭化缶3aの上側において、攪拌モーター3gに連結されるが、シャフト3dと攪拌モーター3gの軸継手としてカップリング3fが設けられる。シャフト3dの材質は、攪拌モーター3gへの伝熱を防ぐため、熱伝導度が小さく磁性の弱いオーステナイト系ステンレスを使用する。
【0044】
シャフト3dに熱伝導度の小さい材質を用いても、電磁誘導加熱により約200℃まで温度が上昇するので、カップリング3fにヒートシンク、冷却ファン、冷却水又は断熱材などを設けることが好ましい。
【0045】
攪拌羽3eは、上下方向に攪拌しやすい形状であり、炭化材投入部2から炭化材2hが投入される際に炭化材投入経路2gが閉塞するのを防いだり、気体経路3hに炭化材2hが流れ込むのを防いだりする。
【0046】
また、攪拌羽3eは、炭化処理後に炭化物冷却保管部5から炭化物3kを移送する際には逆回転させ、炭化缶3a内に残った炭化物3kを炭化物取出経路3jに落下させる役割も持つ。
【0047】
攪拌羽3eの材質は、磁性が強く電磁誘導を起こしやすいフェライト系ステンレスを使用する。炭化処理時は、攪拌羽3eが電磁誘導加熱により自己発熱し、外部からだけでなく内部からも炭化材2hを加熱することができる。
【0048】
炭化材2hには、凝集剤2iが添加されているが、凝集剤2iに含まれるポリ硫酸第二鉄又は塩化第二鉄などは、炭化の際に鉄成分が磁性を持ち、電磁誘導加熱により自己発熱し、炭化完了時間を短縮させる効果がある。
【0049】
炭化処理前は、気体経路3hから気体3iを抜いて、炭化缶3a内を真空状態になるまで減圧する。炭化缶3aから酸素を排除することで、炭化材2hが燃焼して二酸化炭素が発生するのを防ぐことができる。
【0050】
炭化処理中も、炭化材2hから発生した気体3iを気体経路3hから調整確認部4に送り続けるが、減圧したことにより炭化缶3a内の水分を低温で蒸発させることができ、炭化材2hの水分除去時間が短縮される。
【0051】
炭化処理後は、減圧解除するために気体経路3hから窒素などの不活性ガス4tが注入される。不活性ガス4tを満たしておくことで、酸素が混入するのを防ぐことができ、炭化缶3aを冷却することなく、次の炭化材2hを投入することができる。炭化缶3a内は約300℃の保温状態であるため、次の炭化処理時間が短縮される。
【0052】
また、炭化処理後の炭化物3kをすぐに炭化物冷却保管部5に送らずに、炭化缶3a内に残したまま次の炭化材2hの炭化処理をすることにより、約300℃である炭化物3kを熱源として利用し、次の炭化処理時間を短縮することもできる。尚、含水率約80%の有機汚泥の場合、約1時間の短縮が期待できる。
【0053】
図4は、本発明である加熱式炭化装置の循環型の調整確認部の拡大図である。調整確認部4は、炭化部3から気体3iを抜き取る役割と、炭化部3又は炭化物冷却保管部5に不活性ガス4tを注入する役割とがある。
【0054】
気体3iを抜き取る役割をするのが、水流ポンプ4a、循環ポンプ4b、水槽4c及びモーターバルブ4oなどであり、不活性ガス4tを注入する役割をするのが、不活性ガス発生装置4k及び三方モーターバルブ4pなどである。尚、水流ポンプ4aは、真空ポンプに代えても良い。
【0055】
気体経路3hは、気体3iを抜き取る場合又は不活性ガス4tを注入する場合に共通して使用される気体3iの通り道であり、気体3iを抜き取る場合は、炭化部3から出るように流れ、不活性ガス4tを注入する場合は、炭化部3に向かうように流れる。
【0056】
水流ポンプ4aは、水を高速で循環させることにより、気体3iを吸引する装置である。水流ポンプ4aにより炭化部3の炭化缶3a内を約マイナス700mmHg以下の真空状態まで減圧する。尚、真空ポンプを使用する場合は、炭化缶3a内の気体3iを真空ポンプで吸引し、水槽水4vにバブリングして取り込ませる。
【0057】
循環ポンプ4bは、水流ポンプ4aに水を循環させるために水流を送り出す装置であり、冷水又は温水に適応できる。水流ポンプ4aに送られた水は、気体3iと共に水槽4cに送られ、また循環ポンプ4bに戻ることで循環する。
【0058】
水槽4cから循環ポンプ4bに至る通路には、直径0.3ミリメートルの穴を多数空けたステンレス板を張り、循環ポンプ4bに大きな物体が流れ込まないようにし、循環ポンプ4bの故障を防ぐ。
【0059】
水槽4cには、水槽水4vが満たされており、炭化部3から高温の気体3iが送られてくるため、水槽4c内の水温も上昇して減圧効果が下がるので、投込み式の冷却装置4dを設けて水温を下げる。また、水槽4c内の水の汚れを監視することにより、炭化処理の状況を確認することができる。
【0060】
炭化処理が始まると、電気伝導率計4e(EC計)の値は、炭化が進むにつれて値が増加し、炭化が完了に近づくと値の変化が小さくなり、炭化終了時点ではほぼフラット状になる。また、酸化還元電位計4f(ORP計)の値は、炭化開始から減少していくが、炭化終了近くなると上昇し、炭化終了時点ではほぼフラット状になる。
【0061】
電気伝導率計4e又は酸化還元電位計4fを確認することで、炭化処理の完了を判断することができる。また、透視度計4gを利用して、水の汚れを確認することで、炭化処理の完了を判断することもできる。
【0062】
炭化材2hに硫黄分が含まれていると、有害な硫化水素等として出てくることがあるので、水槽4cから硫化水素等の排気ガス4uが外部に逃げないように、上部を排気フード4hで覆う。
【0063】
排気フード4hからは排気ダクト4iが出ており、排気ガス処理装置4jに接続される。排気ダクト4iから送られた排気ガス4uは、排気ガス処理装置4jにおいて燃焼分解され、無害な状態で排出される。
【0064】
水槽4cに硫化水素等が送られてきても、排気ガス4uとして分離されるので、水槽水4vを硫化物が少ない状態に保つことができる。加熱式炭化装置1は、硫黄分を特異的に分離除去することができ、腐敗成分である硫化物が少ない炭化物3kにすることができる。
【0065】
電磁誘導加熱による炭化であるため、炭化缶3aの温度調整が容易であり、炭化材2hに含まれる水量、窒素量又は硫黄量などを調整したり、水、窒素又は硫黄などを蒸留分離させることもできる。
【0066】
不活性ガス発生装置4kは、窒素などの不活性ガス4tを作り出す装置であり、窒素ボンベ等を利用する場合もある。不活性ガス4tは、圧力調整器4lにより約0.4メガパスカルの圧力に調整されて送り出される。
【0067】
不活性ガス4tは、第1経路4q又は第2経路4rを通って炭化部3に送られる、又は第3経路4sを通って炭化物冷却保管部5に送られる。尚、第1経路4qには第1フローメーター4mが設置されており、不活性ガス4tの流量を測ることができる。
【0068】
モーターバルブ4oは、炭化部3と水流ポンプ4aを繋いだり遮断したりする機器であり、三方モーターバルブ4pは、炭化部3と不活性ガス発生装置4kを繋いだり遮断したりする機器であり、切替えに関して安全弁4nも備えられる。
【0069】
また、ボールバルブ5fは、炭化物冷却保管部5と不活性ガス発生装置4kを繋いだり遮断したりする機器であり、第2フローメーター5gにより不活性ガス4tの流量を測ることができる。
【0070】
炭化部3から気体3iを抜き取る際は、三方モーターバルブ4pを閉じ、モーターバルブ4oを開く。炭化部3に不活性ガス4tを注入する際は、モーターバルブ4oを閉じ、三方モーターバルブ4pを開く。
【0071】
三方モーターバルブ4pには、第1経路4qを開く場合と、第2経路4rを開く場合とがある。単純に不活性ガス4tを送る場合は第2経路4rを使用し、流量を測りながら不活性ガス4tを送る場合は第1フローメーター4mのある第1経路4qを使用する。
【0072】
炭化部3から気体3iを抜き取る役割をする部分は、水流ポンプ4aとモーターバルブ4oとを分離して取り外すことができる構造であり、更に性能の良い減圧装置に代えることも可能である。
【0073】
図5は、本発明である加熱式炭化装置の給水型の調整確認部の拡大図である。給水型の調整確認部4は、図4の循環型の調整確認部4に一定流量の給水4w及び排水4xを行う仕組みを付加したものである。
【0074】
炭化部3から高温の気体3iが送られ、水槽4c内の水温が上昇するので、給水4wにより水を供給することで、温度上昇を抑える。尚、余分な水は排水4xにより水槽4cから水が溢れないようにする。
【0075】
循環型は、給水4wが不要なため、車両搭載や移動が容易であり、災害時などの運搬には適しているが、炭化缶3aからの排熱に対する冷却装置4dが必要となり、設備コスト及び電力のランニングコストが高くなる欠点がある。
【0076】
それに対し、給水型は、給水4wを行うため、給水可能な場所での設置型になり、車両搭載や移動が困難となるが、炭化缶3aからの排熱に対する冷却装置4dは設ける必要がなくなる。
【0077】
尚、循環型の調整確認部4では冷却装置4dにより水槽4cの温度上昇を抑えていたが、給水型の調整確認部4では給水4wが冷却の役割を果たすので、冷却装置4dは省くこともでき、併用することも可能である。
【0078】
循環型では、給水4w及び排水4xを行わないので、廃棄物等の炭化材2hを炭化した際に出た成分が、炭化時間と共に濃縮されるが、給水型では、給水4w及び排水4xを行うので、廃棄物等の炭化材2hを炭化した際に出る成分の推移が、水槽水4vの電気伝導率(EC)等の値として顕著に現れる。
【0079】
炭化処理が始まると、電気伝導率計4e(EC計)の値は増加し、酸化還元電位計4f(ORP計)はプラスからマイナスに変化する。炭化処理が完了すると、電気伝導率計4e及び酸化還元電位計4fが炭化処理前の値に戻る。
【0080】
炭化材2hの炭化状況が電気伝導率(EC)等の値で分かるため、炭化終了時間を判断しやすい。また、逆に炭化終了時間を調整することにより、目的に適した炭化物3kを安定して生成することも可能となる。
【0081】
図6は、本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に慣性衝突板を設けた場合の図であり、図7は、本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に小型サイクロンを設けた場合の図であり、図8は、本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に冷却トラップ缶を設けた場合の図である。
【0082】
調整確認部4において、モーターバルブ4oは取外しができる構造となっており、モーターバルブ4oと水流ポンプ4aとを密着させているフランジから切り離すことにより、間に慣性衝突板11、小型サイクロン11a又は冷却トラップ缶11bを設置することができる。尚、単独で付設しても良いし、組み合わせて付設することもできる。
【0083】
図6に示すように、慣性衝突板11は、装置内に板を上下から交互に設置し、下部に飛散炭化物排出口11cを設ける。炭化缶3aから流入してきた気体3iは波状に流れた後、水流ポンプ4aに送られる。
【0084】
気体3iの流れが波状になることで、気体3iと共に飛んできた微細な炭化物3kが板に当たり、飛散炭化物排出口11cから落下する。慣性衝突板11により、調整確認部4に炭化物3kの粉末が流入するのを防止することができる。
【0085】
図7に示すように、小型サイクロン11aは、装置内の気体3iを旋回11dさせ、遠心力を利用して飛散炭化物を分離する。炭化缶3aから流入してきた気体3iは、旋回11dさせられた後、水流ポンプ4aに送られる。
【0086】
気体3iに旋回運動を与えることで、気体3iと共に入ってきた微細な炭化物3kは、遠心力により気体3iから離され、飛散炭化物排出口11eに落下する。慣性衝突板11と同様、小型サイクロン11aにより、調整確認部4に炭化物3kの粉末状が流入するのを防止することができる。
【0087】
図8に示すように、冷却トラップ缶11bは、装置の上部に設けた冷却装置11fから下方に冷却管11gを延ばし、気体3iを冷却する。炭化缶3aから流入してきた気体3iは、冷却されながら通過し、水流ポンプ4aに送られる。
【0088】
冷却トラップ缶11bに入った気体3iのうち、沸点の高い油分等の成分が冷却により液化され、油分等排出口11hに落下する。冷却トラップ缶11bにより、沸点の違いを利用して不要な物質を除去することができ、調整確認部4に油分等が流入するのを防止することができる。
【0089】
図9は、本発明である加熱式炭化装置の炭化物冷却保管部の拡大図である。炭化物冷却保管部5は、炭化物取出バルブ5a、負圧解除弁5c、ボールバルブ5f及び炭化物排出口5iなどからなり、炭化部3の炭化缶3aと同様に密閉された構造である。
【0090】
炭化物取出バルブ5aは、炭化部3と炭化物冷却保管部5を繋いだり遮断したりする機器である。炭化部3から炭化物3kを排出する際に、炭化物取出バルブ5aを開いて炭化物冷却保管部5に移送する。尚、炭化部3の攪拌モーター3gを逆回転させて炭化物3kを残らず吐き出す。
【0091】
炭化物取出バルブ5aの上下にはフランジ5bがあり、炭化部3と炭化物冷却保管部5とを分離して取り外すことができる。炭化物冷却保管部5で炭化物3kを冷却中に、別の炭化物冷却保管部5を炭化部3に接続して炭化処理を行うことも可能となる。
【0092】
負圧解除弁5cは、炭化物冷却保管部5の内部気圧が外部と異なると、蓋などが開かないので、大気圧に戻すためのものである。炭化物冷却保管部5内を不活性ガス4tに置換する場合や、炭化物3kを炭化物排出口5iから出す場合に解除する。
【0093】
ボールバルブ5fは、第3経路4s上に設けられており、調整確認部4の不活性ガス発生装置4kから不活性ガス4tを注入し、炭化物冷却保管部5内を不活性ガス4tに置換する場合に開く。尚、不活性ガス4tの流量は、第2フローメーター5gにより把握することができる。
【0094】
調整確認部4から延びた第3経路4sは、炭化物冷却保管部5の不活性ガス注入口5eに接続されており、逆止弁5hにより、調整確認部4から炭化物冷却保管部5への向きのみ不活性ガス4tが流れる。
【0095】
炭化物3kは加熱され約300℃の高温状態であるため、酸素が混入すると燃焼して二酸化炭素が発生してしまうので、炭化物冷却保管部5に炭化物3kを移送する際は、内部を不活性ガス4tで置換しておく。
【0096】
不活性ガス4tで満たされた状態で炭化物冷却保管部5に炭化物3kが移送され、炭化物3kが100℃以下になるまで、自然放冷、ファン放冷、不活性ガス連続注入放冷又は不活性ガス循環放冷などの方法で冷却される。
【0097】
炭化物排出口5iは、炭化物冷却保管部5下部の回動する栓がされた箇所であり、炭化物3kの冷却が完了したら栓を開いて排出する。栓の部分にはパッキン5jが設けられ、炭化物冷却保管部5をしっかりと密閉する。
【0098】
尚、炭化物3kの温度は温度センサー5kにより確認することができ、冷却中における炭化物冷却保管部5内部の気圧は、安全逃し弁5dにより調整する。また、炭化物冷却保管部5の下部は、炭化物3kが落下しやすいように傾斜角度5lは45度である。
【0099】
図10は、本発明である加熱式炭化装置の調整確認部が循環型の場合のEC値の変化を示すグラフであり、図11は、本発明である加熱式炭化装置の調整確認部が給水型の場合のEC値の変化を示すグラフである。
【0100】
図10に示すように、循環型の場合、水槽水4vに排出される成分が濃縮されるため、電気伝導率(EC)の値の変化は、最初は低い値で、炭化が進むにつれて値が増加し、炭化が完了に近づくと値の変化が小さくなるようなS字型の曲線12を描く。
【0101】
ポイント12cは炭化が始まって電気伝導率の値が上昇し始めた時点であり、ポイント12bは炭化が進んで電気伝導率の値の上昇が少なくなった時点であり、ポイント12aは炭化が完了して電気伝導率の値の上昇がほどんどなくなった時点である。
【0102】
図11に示すように、給水型の場合、水槽水4vに排出される成分の推移が現れるため、電気伝導率(EC)の値の変化は、最初は低い値で、炭化が進むにつれて値が増加し、炭化が完了に近づくと値が減少し、元の低い値に戻るようなピークを有する曲線13を描く。
【0103】
ポイント13cは炭化が始まって電気伝導率が上昇した時点であり、ポイント13bは炭化が進んで電気伝導率が下降した時点であり、ポイント13aは炭化が完了して電気伝導率が元に戻った時点である。
【0104】
尚、曲線12と曲線13とは、グラフは異なるが、炭化材2hが同じであれば、ポイント12a、12b、12cで生成される炭化物3kと、ポイント13a、13b、13cで生成される炭化物3kとは同じ成分となる。
【0105】
図12は、本発明である加熱式炭化装置の炭化物又は肥料としての組成及び溶出試験の結果を示す表である。尚、原料となる炭化材2hは全て同一のものを使用している。
【0106】
図11のグラフのポイント13aで炭化を終了した場合の炭化物A、ポイント13bで炭化を終了した場合の炭化物B及びポイント13cで炭化を終了した場合の炭化物Cについて、炭化物組成14、肥料組成14a及び溶出試験14bの内容である。
【0107】
炭化物組成14は、炭化物A、炭化物B及び炭化物Cの炭化物としての組成であり、水分、灰分、揮発分及び固定炭素分の割合を示す。尚、炭化物3kは、揮発分が30%以下、好ましくは15%以下であり、固定炭素分が10%以上、好ましくは30%以上であり、黒色で無臭の性状のものである。
【0108】
炭化物Aの場合、水分は0%、灰分は42.58%、揮発分は19.79%、固定炭素分は37.63%であった。炭化物Bの場合、水分は0%、灰分は47.03%、揮発分は23.93%、固定炭素分は29.04%であった。炭化物Cの場合、水分は0%、灰分は51.46%、揮発分は30.29%、固定炭素分は18.25%であった。
【0109】
肥料組成14aは、炭化物A、炭化物B及び炭化物Cの肥料としての組成であり、リン酸(P2O5)、全窒素(T−N)、酸化カリウム(K2O)及び全炭素(T−C)の割合並びに炭素窒素比(C/N比)を示す。
【0110】
尚、炭素窒素比(炭素率)は、炭素と窒素の含有比率であり、堆肥等の炭素窒素比は、原料となる有機物の種類により大きく異なる。また、炭素窒素比の値より有機物の分解の程度を知ることもできる。
【0111】
例えば、炭素窒素比が20以上であると、分解の際に土壌中の窒素が微生物に利用され、作物は窒素餓死状態となり、炭素窒素比が10以下であると、窒素が有機物から土壌に速やかに放出され、作物に供給される。
【0112】
炭化物Aの場合、リン酸は14%、全窒素は0.14%、酸化カリウムは0.71%、全炭素は18.7%であり、炭素窒素比は134となった。炭化物Bの場合、リン酸は13%、全窒素は5.5%、酸化カリウムは0.59%、全炭素は6.4%であり、炭素窒素比は1.16となった。炭化物Cの場合、リン酸は12%、全窒素は27.1%、酸化カリウムは0.49%、全炭素は2.5%であり、炭素窒素比は0.09となった。
【0113】
溶出試験14bは、炭化物A、炭化物B及び炭化物Cの肥料分析法による溶出試験の結果であり、pH、電気伝導率(EC)及び3日後の電気伝導率(EC)を示す。
【0114】
pHは、炭化物3kの水処理液中の水素イオン濃度を示す。溶出前の蒸留水のpHは6.4であることから、pHが上がれば、炭化物3kは溶液をアルカリ性にする性質があると言える。
【0115】
また、電気伝導率(EC)は、炭化物3kの塩類濃度の程度を判定する指標として利用することができる。電気伝導率の値が高いと作物が枯死しやすくなる塩害を生じやすくなる。
【0116】
炭化物Aの場合、pHは7.1、電気伝導率は0.3、3日間溶出し続けた電気伝導率は0.7であった。炭化物Bの場合、pHは6.8、電気伝導率は0.33、3日間溶出し続けた電気伝導率は0.93であった。炭化物Cの場合、pHは6.4、電気伝導率は0.33、3日後の電気伝導率は1.07であった。
【0117】
結果として、炭化物Aは、揮発分が30%以下、固定炭素分が30%以上で、炭化が十分に行われており、炭化物の一般的機能である調湿機能、脱臭機能及び熱吸収機能としては、炭化物B又は炭化物Cに比べて優れている。
【0118】
炭化物Aは、溶出試験14bからアルカリ性を示し、リン酸を含んでいることから酸性土壌の改善に有効である。また、リン及びカリウムを多く含み、炭素窒素比が高いことから、窒素肥料としては不適であるが、リン及びカリウム肥料としては有効である。更に、電気伝導率は炭化物A、B、Cの中では最も低く、土壌に散布しても塩害を生じることは少ない。
【0119】
炭化物Bは、揮発分が30%以下、固定炭素分が約30%で、炭化が行われているので、調湿機能、脱臭機能及び熱吸収機能を有している。炭化物Bの肥料成分としては、リン、窒素及びカリウムを適当に含んでおり、炭化物A又は炭化物Cより総合的な肥料として有効である。
【0120】
炭化物Cは、揮発分が30%以上、固定炭素分が30%以下で、炭化不十分であり、調湿機能、脱臭機能及び熱吸収機能としては不適である。炭化物Cの肥料成分としては、窒素含有量が高く、炭素窒素比が0.09と低いので、炭化物A又は炭化物Bに比べ、窒素を作物に供給しやすい肥料となる。
【0121】
炭化物3kの性状及び成分含有量は、炭化材2hに依存するが、電気伝導率(EC)の値のグラフ推移を参考に炭化時間を決定することにより、同じ炭化材2hでも、異なる性状又は成分に調整することが可能であり、目的に応じた炭化物3kを安定して生成できる。
【実施例2】
【0122】
加熱式炭化装置の炭化方法1aは、炭化材投入部2に貯留した炭化材2hを最初に炭化部3に投入する第1炭化材投入工程6と、前記第1炭化材投入工程6後に炭化部3で加熱により炭化処理7bする第1炭化工程7と、前記第1炭化工程7後に炭化材投入部2に貯留した炭化材2hを続けて炭化部3に投入する第2炭化材投入工程8と、前記第2炭化材投入工程8後に炭化部3で加熱により炭化処理9bする第2炭化工程9と、前記第2炭化材投入工程8及び第2炭化工程9を数回繰り返した後に炭化物3kを炭化物冷却保管部5に移し、冷却後に排出する炭化物冷却工程10とからなり、前記第1炭化工程7又は第2炭化工程9の炭化処理7b、9bの完了時間を、電気伝導率計4e、酸化還元電位計4f又は透視度計4gの値により決定し、目的に適した炭化物3kを生成することができることを特徴とする。
【0123】
図13は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の全体の流れを示すフローチャートである。加熱式炭化装置の炭化方法1aは、第1炭化材投入工程6、第1炭化工程7、第2炭化材投入工程8、第2炭化工程9及び炭化物冷却工程10からなる。
【0124】
炭化材投入工程及び炭化工程を一組の工程として数回繰り返し、炭化物3kが一定量以上溜まったら炭化物冷却工程10を行う。炭化材投入工程及び炭化工程は一回目と二回目以降で若干作業が異なるため、一回目を第1炭化材投入工程6及び第1炭化工程7とし、二回目以降を第2炭化材投入工程8及び第2炭化工程9とする。
【0125】
第1炭化材投入工程6は、主として炭化材投入部2における作業であり、炭化材投入部2に貯留した炭化材2hを最初に炭化部3に投入する。一回目であるため、最初に準備6aの作業を行う。
【0126】
第1炭化工程7は、主として炭化部3及び調整確認部4における作業であり、炭化部3で低周波電磁誘導加熱により炭化処理7bする。一回目であるため、循環ポンプ4bを稼働させるなどの作業を行う。
【0127】
第2炭化材投入工程8は、主として炭化材投入部2における作業であり、炭化材投入部2に貯留した炭化材2hを続けて炭化部3に投入する。二回目以降は、準備6aなしに続けて作業を行うことができる。
【0128】
第2炭化工程9は、主として炭化部3及び調整確認部4における作業であり、炭化部3で低周波電磁誘導加熱により炭化処理9bする。二回目以降は、循環ポンプ4bは稼働しているので、装置の切替作業を行う。
【0129】
炭化物冷却工程10は、主として炭化物冷却保管部5における作業であり、炭化物3kを不活性ガス4tで満たした炭化物冷却保管部5に移し、冷却後に排出する。炭化物冷却工程10中に、改めて第1炭化材投入工程6から作業を開始することも可能である。
【0130】
図14は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第1炭化材投入工程のフローチャートである。第1炭化材投入工程6は、準備6a、炭化材貯留6b、炭化材投入6c及び投入完了6dの手順からなる。
【0131】
準備6aは、加熱式炭化装置の炭化方法1aを実行するにあたり、加熱式炭化装置1を初期状態にする。各部の連結箇所や制御が必要な部分について、最初に確認しておく。
【0132】
炭化材投入部2においては、ゲートバルブ2fを閉める。炭化材2hをホッパー2aに入れた際、貯留されずにそのまま炭化部3に流れ込んでしまうのを防ぐ。処理に適した量があるので、炭化材2hを計量しながら投入するためである。
【0133】
調整確認部4においては、モーターバルブ4oを開き、三方モーターバルブ4pを閉じる。炭化部3から気体3iを抜き取ることができるようにし、不活性ガス4tが炭化部3に行かないように制御する。
【0134】
炭化物冷却保管部5においては、ボールバルブ5fを閉じ、不活性ガス4tが炭化物冷却保管部5に行かないように制御する。また、炭化物取出バルブを閉じ、炭化部3に投入された炭化材2hが、炭化処理されずに炭化物冷却保管部5に落下してくるのを防ぐ。
【0135】
炭化材2hに関しては、予め脱水処理をしておく。水分を除去しておけば、炭化処理に掛かる時間を短縮することができる。脱水処理の過程において、炭化材2hにはポリ硫酸第二鉄又は塩化第二鉄などの無機系の凝集剤2iが添加される。
【0136】
炭化材貯留6bは、ホッパー2aの蓋2bを開き、炭化材2hをホッパー2a内に貯留する。ホッパー2aには計量ライン2cが付されているので、例えば50キログラム入れるなど、炭化材2hの量を指定することもできる。
【0137】
炭化材投入6cは、ホッパー2aの蓋2bを閉じ、ゲートバルブ2fを開いて、炭化材2hを炭化部3に投入する。ホッパー2a内の側面スクリュー2d及び水平スクリュー2eを稼働させて炭化材2hを流し込むことで、炭化材2hが詰まらないようにする。
【0138】
また、炭化部3の攪拌モーター3gも稼働させて、炭化缶3aに入ってくる炭化材2hが詰まらないようにする。尚、炭化材2hの投入の際には出来るだけ空気が混入しないようにする。
【0139】
投入完了6dは、炭化材2hの投入が完了したら、ゲートバルブ2fを閉じて炭化材投入経路2gを遮断することにより、炭化部3を密閉状態にする。次に第1炭化工程を行うが、次回投入する炭化材2hをホッパー2aに入れ始めることも可能である。
【0140】
図15は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第1炭化工程のフローチャートである。第1炭化工程7は、装置稼働7a、炭化処理7b、炭化完了7c、不活性ガス注入7d及び減圧解除7eの手順からなる。
【0141】
装置稼働7aは、循環ポンプ4bを稼働し、水流ポンプ4aにより炭化缶3aから気体3iを吸引することで、炭化缶3a内を約マイナス700mmHg以下まで減圧する。炭化缶3aが真空状態になったら、低周波電源3lから低周波電磁誘導コイル3cに電流を流し、低周波電磁誘導加熱を開始する。
【0142】
炭化処理7bは、炭化材2hを低周波電磁誘導加熱により炭化する。真空状態であるため炭化材2hは燃焼せず、二酸化炭素でなく炭素とすることができる。また、減圧されているため、水分は常圧における沸点よりも低い温度で蒸発し、短時間で水分を除去できる。
【0143】
低周波の電磁誘導加熱は、高周波のように表面付近を急激に加熱する訳ではなく、迅速に中心部付近までほぼ均一に加熱することができる。尚、炭化缶3a内の温度は約500℃まで上昇する
【0144】
また、電磁誘導により磁性のある攪拌羽3eが自己加熱し、更に、炭化材2hに混合した凝集剤2iの鉄成分が磁性を持ち、炭化材2h内部から自己発熱するので、より加熱効果が高まる。
【0145】
炭化缶3aの材質は、オーステナイト系ステンレスなど磁性が低いか有しないものを使用しているが、攪拌羽3e及び攪拌羽3eをシャフト3dへ支える羽支持体には、フェライト系ステンレスを使用しているため、炭化缶3a内部にあるにもかかわらず、攪拌羽3e及び羽支持体の加熱温度は炭化缶3aの加熱温度よりも高くなる。
【0146】
炭化完了7cは、炭化材2hが全て炭化物3kに変化したら低周波電磁誘導加熱を停止する。完了の判断は、炭化処理7b中に発生した気体3iは吸引されて水槽4cに送られるので、水槽内の電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値を確認することで行う。
【0147】
炭化材2hから気体3iが発生すると電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値が変化し、炭化材2hから気体3iが発生しなくなると電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値が元に戻る。
【0148】
電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値の変化により、炭化が完了したかどうか判断することができ、また、逆に炭化の時間を決定することにより、目的に応じた炭化物3kを生成することもできる。
【0149】
不活性ガス注入7dは、モーターバルブ4oを閉じて、炭化缶3a内の気体3iの吸引を止め、三方モーターバルブ4pを第2経路4rが繋がるように開いて、炭化缶3a内に不活性ガス4tが流れるようにすることで行う。
【0150】
減圧解除7eは、不活性ガス4tが炭化缶3a内に注入され、常圧に戻ったら、三方モーターバルブ4pを第1経路4qに切り替えて、毎秒約2リットルの不活性ガス4tを注入し続ける。
【0151】
一定量の不活性ガス4tを送り続けるのは、次の第2炭化材投入工程8の際に、空気などが混入しないようにするため、又は炭化物冷却工程10の際に、炭化物3kの落下による負圧を補うためである。
【0152】
図16は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第2炭化材投入工程のフローチャートである。第2炭化材投入工程8は、炭化材貯留8a、炭化材投入8b及び投入完了8cの手順からなる。
【0153】
炭化材貯留8aは、ゲートバルブ2fが閉まっていれば、第1炭化工程7又は第2炭化工程9中に行うことも可能であり、既に炭化材2hがホッパー2a内に貯留されていれば省略することもできる。
【0154】
炭化材投入8b及び投入完了8cは、一回目である炭化材投入6c及び投入完了6dと同様であり、ホッパー2a内の炭化材2hを炭化部3に投入後、ゲートバルブ2fを閉じて、炭化缶3aを密閉する。
【0155】
図17は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第2炭化工程のフローチャートである。第2炭化工程9は、装置稼働9a、炭化処理9b、炭化完了9c、不活性ガス注入9d及び減圧解除9eの手順からなる。
【0156】
装置稼働9aは、炭化缶3aを真空状態に戻すために、三方モーターバルブ4pを閉じ、モーターバルブ4oを開く。循環ポンプ4bは既に稼働していることから、炭化缶3aの減圧が始まり、低周波電磁誘導加熱を開始することができる。
【0157】
炭化処理9bは、一回目と同様に、攪拌羽3e及び凝集剤2iが自己発熱すると共に、前回炭化した炭化物3kが磁性物を含んでいれば自己発熱する。炭化缶3aが既に約300℃の保温状態になっているのと、炭化物3kが約300℃の加温状態になっていることから、かなりの炭化時間の短縮が図れる。
【0158】
炭化完了9c、不活性ガス注入9d及び減圧解除9eは、一回目である炭化完了7c、不活性ガス注入7d及び減圧解除7eと同様であり、炭化材2hを炭化物3kに変化させて蓄積する。
【0159】
図18は、本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の炭化物冷却工程のフローチャートである。炭化物冷却工程10は、不活性ガス置換10a、炭化物取出し10b、炭化物冷却10c及び炭化物排出10dの手順からなる。
【0160】
不活性ガス置換10aは、負圧解除弁5cを開き、ボールバルブ5fを開くことにより炭化物冷却保管部5から空気等を追い出し、不活性ガス4tで置換する。第3経路4sが開通するので、調整確認部4の不活性ガス発生装置4kから不活性ガスが供給される。
【0161】
炭化物取出し10bは、不活性ガス4tが充満したら、負圧解除弁5c及びボールバルブ5fを閉じ、炭化物取出バルブ5aを開いて、炭化部3に蓄積された炭化物3kを炭化物冷却保管部5に落下させる。
【0162】
炭化物3kの落下が始まり一定時間が経ったら、攪拌モーター3gを吐き出し方向に回転させて落下を促進させる。炭化缶3a内に残っていたり、攪拌羽3eに貼り付いている炭化物3kまで落とすことができる。
【0163】
炭化物冷却10cは、炭化物3kの移送が完了したら炭化物取出バルブ5aを閉じて炭化物3kを冷却する。尚、炭化部3が空くため、新たに第1炭化材投入工程6から処理を開始することも可能である。
【0164】
炭化物3kの冷却は、自然放冷、ファン放冷、冷水、不活性ガス連続注入放冷又は不活性ガス循環放冷等の方法で行う。炭化物3kの冷却又は空気の混入を防止するために不活性ガス4tを注入しているので、安全逃し弁5dで気圧を調整しつつ、温度が100℃以下になるまで保管する。
【0165】
炭化物排出10dは、温度センサー5kで100℃以下になったのを確認したら、負圧解除弁5cを開き、炭化物冷却保管部5内を大気圧と同じにしてから炭化物排出口5iを開いて炭化物3kを排出する。尚、炭化物排出口5iは、温度センサー5kにより100℃以下になるまでは開くことができないようにする。
【0166】
以上のように、本発明である加熱式炭化装置1は、電磁誘導加熱を利用することにより、汚泥などの炭化材2hを燃焼させずに炭化することができるので、二酸化炭素の排出量を減少させた上で、再資源化することができる。
【0167】
低周波で電磁誘導加熱を行うので内部加熱に優れ、炭化缶3a表面からの外部放出熱を抑えることができる。高周波で電磁誘導加熱を行う場合よりも、炭化缶3a内部に投入された炭化材2hを効率よく炭化することができる。
【0168】
炭化材2hに水分が多く含まれていると、水分を除去するために多くの熱量と時間を要するが、炭化缶3a内を減圧して真空状態にすることにより、水分除去に掛かる時間を短縮することができる。
【0169】
窒素などの不活性ガス4tを炭化缶3a内に注入して減圧状態を解除するので、空気が混入して燃焼することもない。また、減圧解除により炭化物3kの冷却時間が短縮され、炭化材2hの逐次投入も可能となる。
【0170】
炭化処理の完了時間を電気伝導率計4e(EC計)、酸化還元電位計4f(ORP計)又は透視度計4gにより判断することができるので、余分に加熱したりすることもなくなり、効率良く処理することができる。
【0171】
電気伝導率、酸化還元電位又は透視度の値により、炭化物3kの含有成分を調整できる。予め、炭化の時間を決定しておくことにより、目的に応じた炭化物3kを生成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0172】
有機汚泥の炭化物の性状、特に肥料成分を電気伝導計、酸化還元電位計又は透視度計の値により推測し、目的に適した含有比率の炭化物を生成することができる。また、有機汚泥の炭化物及び水槽水の植物への影響を調査しても、特に植物に悪影響はなく、肥料にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明である加熱式炭化装置の全体図である。
【図2】本発明である加熱式炭化装置の炭化材投入部の拡大図である。
【図3】本発明である加熱式炭化装置の炭化部の拡大図である。
【図4】本発明である加熱式炭化装置の循環型の調整確認部の拡大図である。
【図5】本発明である加熱式炭化装置の給水型の調整確認部の拡大図である。
【図6】本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に慣性衝突板を設けた場合の図である。
【図7】本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に小型サイクロンを設けた場合の図である。
【図8】本発明である加熱式炭化装置の調整確認部に冷却トラップ缶を設けた場合の図である。
【図9】本発明である加熱式炭化装置の炭化物冷却保管部の拡大図である。
【図10】本発明である加熱式炭化装置の調整確認部が循環型の場合のEC値の変化を示すグラフである。
【図11】本発明である加熱式炭化装置の調整確認部が給水型の場合のEC値の変化を示すグラフである。
【図12】本発明である加熱式炭化装置の炭化物又は肥料としての組成及び溶出試験の結果を示す表である。
【図13】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の全体の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第1炭化材投入工程のフローチャートである。
【図15】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第1炭化工程のフローチャートである。
【図16】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第2炭化材投入工程のフローチャートである。
【図17】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の第2炭化工程のフローチャートである。
【図18】本発明である加熱式炭化装置の炭化方法の炭化物冷却工程のフローチャートである。
【符号の説明】
【0174】
1 加熱式炭化装置
1a 加熱式炭化装置の炭化方法
2 炭化材投入部
2a ホッパー
2b 蓋
2c 計量ライン
2d 側面スクリュー
2e 水平スクリュー
2f ゲートバルブ
2g 炭化材投入経路
2h 炭化材
2i 凝集剤
2j 角度
3 炭化部
3a 炭化缶
3b 加熱部
3c 低周波電磁誘導コイル
3d シャフト
3e 攪拌羽
3f カップリング
3g 攪拌モーター
3h 気体経路
3i 気体
3j 炭化物取出経路
3k 炭化物
3l 低周波電源
3m 冷却ユニット
4 調整確認部
4a 水流ポンプ
4b 循環ポンプ
4c 水槽
4d 冷却装置
4e 電気伝導率計
4f 酸化還元電位計
4g 透視度計
4h 排気フード
4i 排気ダクト
4j 排気ガス処理装置
4k 不活性ガス発生装置
4l 圧力調整器
4m 第1フローメーター
4n 安全弁
4o モーターバルブ
4p 三方モーターバルブ
4q 第1経路
4r 第2経路
4s 第3経路
4t 不活性ガス
4u 排気ガス
4v 水槽水
4w 給水
4x 排水
5 炭化物冷却保管部
5a 炭化物取出バルブ
5b フランジ
5c 負圧解除弁
5d 安全逃し弁
5e 不活性ガス注入口
5f ボールバルブ
5g 第2フローメーター
5h 逆止弁
5i 炭化物排出口
5j パッキン
5k 温度センサー
5l 角度
6 第1炭化材投入工程
6a 準備
6b 炭化材貯留
6c 炭化材投入
6d 投入完了
7 第1炭化工程
7a 装置稼働
7b 炭化処理
7c 炭化完了
7d 不活性ガス注入
7e 減圧解除
8 第2炭化材投入工程
8a 炭化材貯留
8b 炭化材投入
8c 投入完了
9 第2炭化工程
9a 装置稼働
9b 炭化処理
9c 炭化完了
9d 不活性ガス注入
9e 減圧解除
10 炭化物冷却工程
10a 不活性ガス置換
10b 炭化物取出し
10c 炭化物冷却
10d 炭化物排出
11 慣性衝突板
11a 小型サイクロン
11b 冷却トラップ缶
11c 飛散炭化物等排出口
11d 旋回
11e 飛散炭化物等排出口
11f 冷却装置
11g 冷却管
11h 油分等排出口
12 曲線
12a ポイント
12b ポイント
12c ポイント
13 曲線
13a ポイント
13b ポイント
13c ポイント
14 炭化物組成
14a 肥料組成
14b 溶出試験

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパー状に下側が細くなったホッパーに貯留された炭化材を投入する炭化材投入部と、前記炭化材投入部から投入された炭化材を密閉された炭化缶に入れ、前記炭化缶内を縦に通る攪拌羽の付いたシャフトを攪拌モーターで回転させながら、前記炭化缶を加熱して炭化処理する炭化部と、前記炭化部内の気体を水流ポンプ又は真空ポンプで水槽に送ることにより減圧し、炭化処理後は不活性ガス発生装置により減圧解除する調整確認部と、前記炭化部で炭化処理された炭化物を冷却し、炭化物排出口から排出する炭化物冷却保管部とからなることを特徴とする加熱式炭化装置。
【請求項2】
不活性ガスを窒素としたことを特徴とする請求項1に記載の加熱式炭化装置。
【請求項3】
炭化処理で発生した気体が溶け込んだ水槽水を、調整確認部の水槽に設けた電気伝導率計、酸化還元電位計又は透視度計で計測することにより、炭化処理の完了時間を判断できることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱式炭化装置。
【請求項4】
炭化処理後に炭化缶内に不活性ガスを注入して減圧解除することにより、炭化缶を冷却することなく炭化材を逐次投入でき、炭化処理済みの炭化物を熱源として利用できることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の加熱式炭化装置。
【請求項5】
加熱を低周波電磁誘導で行い、炭化缶、炭化部内の攪拌羽等の磁性材質、炭化材に含まれる磁性物質又は加熱により磁性を持つようになった凝集剤を、中心部から自己発熱させて炭化処理時間を短縮できるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の加熱式炭化装置。
【請求項6】
炭化材投入部に貯留した炭化材を最初に炭化部に投入する第1炭化材投入工程と、前記第1炭化材投入工程後に炭化部で加熱により炭化処理する第1炭化工程と、前記第1炭化工程後に炭化材投入部に貯留した炭化材を続けて炭化部に投入する第2炭化材投入工程と、前記第2炭化材投入工程後に炭化部で加熱により炭化処理する第2炭化工程と、前記第2炭化材投入工程及び第2炭化工程を数回繰り返した後に炭化物を炭化物冷却保管部に移し、冷却後に排出する炭化物冷却工程とからなることを特徴とする加熱式炭化装置の炭化方法。
【請求項7】
第1炭化工程又は第2炭化工程の炭化処理の完了時間を、電気伝導率計、酸化還元電位計又は透視度計の値により決定し、目的に適した炭化物を生成することができることを特徴とする請求項6に記載の加熱式炭化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−160946(P2006−160946A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356817(P2004−356817)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(503420464)有限会社栃木浄水 (2)
【Fターム(参考)】