加熱調理器
【課題】加熱調理器のドアに設けられたパンチングメタルと、加熱室内部の金属等との間でスパークが発生することを防止し、更にはスパークにより内ドアガラスが割れてしまうことを防止した安全性、信頼性の高い加熱調理器を提供する。
【解決手段】食品を収納し加熱調理を行う加熱室2と、加熱室2内の食品を加熱するためのマグネトロン9と、加熱室2の開口を開閉自在に覆うドア3とを備え、ドア3は、多数のパンチング穴14cが穿設された板状のパンチングメタル部14aを中央部に備えたドアフレーム14と、パンチングメタル部14aの加熱室側に配置された内ドアガラス5とを有し、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなるものである。
【解決手段】食品を収納し加熱調理を行う加熱室2と、加熱室2内の食品を加熱するためのマグネトロン9と、加熱室2の開口を開閉自在に覆うドア3とを備え、ドア3は、多数のパンチング穴14cが穿設された板状のパンチングメタル部14aを中央部に備えたドアフレーム14と、パンチングメタル部14aの加熱室側に配置された内ドアガラス5とを有し、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱室内に収納された被加熱物を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器は、加熱室と、加熱室の前面開口を開閉自在に覆うドアと、マイクロ波を発振するマグネトロンとを備え、マグネトロンが発振したマイクロ波を加熱室内に供給し、食品を加熱している。このような加熱調理器では、従来より、加熱室内部を観察できるようにするとともに、加熱室内に放射されたマイクロ波が外部へ漏洩するのを防止するためのパンチングメタルがドアに設けられている。パンチングメタルは、0.6mm程度の薄い金属製の板状部材に直径1.2mm程度の複数のパンチング孔が開けられた構成を有するもので、かかる構成のパンチングメタルが、周知の電波漏洩防止用のチョーク構造を有するドアフレームに溶接されてドアを構成することで、加熱室内部の観察とマイクロ波の漏洩防止といった目的を果たしていた。また、ドアには更に、内ドアガラスがパンチングメタルの加熱室側に接着固定されており、この内ドアガラスによって加熱室内の熱せられた空気がパンチングメタルから加熱室外に流出するのを防止するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−26458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなパンチングメタルをドアに備えた加熱調理器においては、加熱室内に、誤ってアルミホイルや金属を入れて加熱した場合や、食品の形状の影響などで内ドアガラス部に電波が集中した場合、内ドアガラスを介してパンチングメタルと加熱室内の金属等との間でスパークが生じてしまうという問題があった。それゆえに金属製のフライパンなどを加熱室内に載置して加熱調理を行なうことができないという問題もあった。
【0005】
また、パンチングメタルと加熱室内の金属等との間でスパークが生じると、その部分の内ドアガラスの温度が急激に上昇し、内ドアガラスが割れてしまうという問題があった。さらに、スパークが発生した直後には内ドアガラスが割れていなくても、しばらく時間が経過したあと(例えば一昼夜経過したあと)で、突然割れてしまうこともあり、「加熱調理器を使用していないにも関わらず内ドアガラスが割れてしまった。」といった不具合を生じるなど、大きな問題があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解消する為になされたものであり、加熱調理器のドアに設けられたパンチングメタルと、加熱室内部の金属等との間でスパークが発生することを防止し、更にはスパークにより内ドアガラスが割れてしまうことを防止した安全性、信頼性の高い加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る加熱調理器は、食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、加熱室の開口を開閉自在に覆うドアとを備え、ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、パンチングメタル部と内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドアに設けられたパンチングメタル部と内ドアガラスとの距離を2.0mm以上離間するよう構成したので、パンチングメタル部と加熱室内の金属等の間でのスパーク発生を防止することができる。また、内ドアガラスの割れを防止することができる。よって、フライパンなどの金属製調理鍋を高い安全性及び信頼性の元で使用可能な加熱調理器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の加熱調理器1の斜視図、図2は、図1の加熱調理器1の縦断側面図、図3は、本実施形態における加熱調理器1のドア3の側面詳細断面図、図4は、図3の要部拡大図である。
【0011】
図1において、加熱調理器1は、加熱調理器1の本体内部に設けられた食品を加熱調理するための加熱室2と、加熱室2の前面開口を開閉自在に覆うドア3とを備えている。ドアの前面には開閉動作を行うためのハンドル4が設けられている。ドア3の上部には、調理者が調理情報を入力するためのタイマなどを備えた操作パネル6が設けられている。また、加熱室2の底面には、セラミックやマイカ等の非誘電部材からなる食品等を載置するための底面プレート7がシリコン等の接着剤により接着固定されている。本例の加熱調理器1は、加熱室2の底面が底面プレート7によって平面状に構成されたいわゆるターンテーブルレス方式(下部給電方式)のものである。なお、ターンテーブルレス方式に限られず、ターンテーブル式のものであってもよい。
【0012】
操作パネル6の内部には、表示部等を備えた制御基板8が設けられ、使用者のキー入力に応じた表示を行い、加熱の進行状態を表示するようになっている。制御基板8は、加熱キー(図示せず)の操作に応じて後述のマグネトロン駆動用の高圧制御基板(図示せず)を制御し、マグネトロンの駆動を制御する。これにより、加熱キーの操作に応じた加熱調理を進行するようになっている。
【0013】
本体内部の加熱室2の下部には導波管10が左右方向に延在して設けられており、この導波管10の右側端部上側となる加熱室2の側壁側部にマグネトロン9が設けられている。マグネトロン9には図示しないがマグネトロン9から発振されたマイクロ波を導波管10内に放出するマグネトロンアンテナを備えており、マグネトロン9(マグネトロンアンテナを含む)は回転アンテナ12が存在する領域を介して加熱室2内に連通している。回転アンテナ12の下方には回転アンテナ12を回転させるためのモータ11が回転軸を介して接続され、回転アンテナ12は、このモータ11によって回転する。
【0014】
そして、マグネトロン9から発振されたマイクロ波は導波管10内を経てモータ11の駆動により回転する回転アンテナ12で拡散され、加熱室2内全体にまんべんなく放出される。また、側壁上部には図示しないマイクロ波放出口が設けられており、このマイクロ波放出口からもマグネトロン9から発振されたマイクロ波が加熱室2内に放出される。これによって加熱室2内に配置された食品は下方と上方からまんべんなく加熱され好適に調理される。
【0015】
また、加熱室2の天壁上部には上ヒータ13が、後壁の背面には熱風ヒーター及び熱風ファン(ともに図示せず)が設けられており、必要に応じて(例えば加熱する食品に応じて)これらのヒーターをONにして加熱室2内の食品を加熱調理することが可能に構成されている。家庭用コンセントの定格電流(例えば1V機器の場合15A)の中で、マイクロ波とヒーターの同時加熱を行うためには、ヒーターのワット数にもよるが、マイクロ波の出力をヒーターを加熱しなかった場合に比べて微弱(例えば、100Wや300W)に設定する必要がある。
【0016】
しかしながら、加熱方法をマイクロ波だけでなく、微弱なマイクロ波とヒーターの同時加熱とすることで、強いマイクロ波を当てると固くなってしまう肉類をふっくらやわらかく仕上げることができ、また、魚等、身がはじけやすい食品ははじけを防止し上手に加熱することができる。また、この時、ヒーターにより同時に庫内温度を上昇させていくことで、表面の焼け具合を進めることができ、調理時間の短縮ができる。なお、マイクロ波とヒーターとの同時加熱だけではなく、調理途中で、マイクロ波のみの加熱モード、あるいはヒーターのみの加熱モードに切り替えるなど、複数の加熱方法を組み合わせたリレー調理としてもよい。
【0017】
以下、本発明の特徴部分であるドア3の構成について詳細に説明する。
ドア3は、加熱室2内のマイクロ波の漏洩を防止するため、例えば厚さ0.6mm程度の金属板にて構成されたドアフレーム14を骨格として構成されている。ドアフレーム14は、加熱室2内の調理状況を確認できるように例えば直径1.2mm程度のパンチング穴(小孔)14cが複数穿設されたパンチングメタル部14aを中央部に備え、その周囲に、ドア3の外周部からのマイクロ波漏洩防止を図るためのチョーク構造部14bが周設された構成を有している。ドアフレーム14は、本例では一枚の鋼板によって構成されており、複数のパンチング穴14cが形成された鋼板に凸状の絞り加工を施すことによりパンチングメタル部14aが形成され、その周囲を断面略コ字状に加工することによりチョーク構造部14bが形成されている。
【0018】
また、ドアフレーム14においてパンチングメタル部14aの加熱室2側には、パンチングメタル部14aから所定距離離間して内ドアガラス5がシリコンなどの接着剤15によりドアフレーム14に接着固定されており、加熱室2内の蒸気や熱がドア3内部や加熱調理器1外部に放出しないように構成されている。また、チョーク構造部14bは、樹脂製のカバーチョーク16にて覆われている。そして、ドアフレーム14の外周は、樹脂製のカバードア17で覆われている。また、ドア3の前面部には、外ドアガラス18が設けられ、誤って針金などの金属を加熱室2内に挿入してしまった場合のマイクロ波漏洩を防止している。
【0019】
内ドアガラス5は、上ヒータ13等を用いてオーブン調理を行った場合に高温になるため、また、食品などを置かれた際の衝撃に耐えるため、耐熱強化ガラスを使用するのが一般的である。また、内ドアガラス5の板厚は、厚さ2.0mmから4.0mm程度のものが一般的であり、更には厚さ2.5mmから3.5mm程度のものが耐衝撃強度とコストとの兼ね合いから効果的である。本実施の形態1では、厚さ3.2mmの耐熱強化ガラスを内ドアガラス5として用いている。
【0020】
本実施の形態1は、以上のように構成されたドア3において、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの間の離間距離aを、スパーク発生防止に効果的な距離に設定したことに特徴を有する。本例では、この離間距離aを2.0mm以上としている。
【0021】
表1は、図5に示すように加熱室2内にフライパンなどの金属製調理鍋19を内ドアガラス5に接触するように配置した状態で加熱調理を行った場合の、内ドアガラス5の温度とスパーク発生有無を、離間距離aを変化させて測定した結果を示す表である。この実験は、高周波出力設定1000W出力で2分間、加熱を行ったもので、内ドアガラス5の温度は、金属製調理鍋19が接触している箇所を赤外線放射温度計を用いて測定している。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの離間距離aを2.7mm、2.3mm、2.2mmと小さくしていくと、64℃、83℃、92℃と次第に内ドアガラス5の温度が高くなっていくことがわかる。そして、離間距離aが1.97mmの結果から明らかなように、2.0mmより小さくなるとパンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間でスパークが発生してしまう。スパークが発生すると、その影響により、パンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間にある内ドアガラス5の温度が急激に上昇し、耐熱強化ガラスを用いた場合であっても、内ドアガラス5は割れてしまう。したがって、スパーク発生防止に効果的な離間距離aは、2.0mm以上といえる。
【0024】
以上のように、本実施の形態1は、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの離間距離aを2.0mm以上に設定することにより、パンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間でのスパーク発生を防ぐことができ、また内ドアガラス5の割れも防止することが可能となる。よって、金属製調理鍋19を使用するに際しての安全性及び信頼性に優れた加熱調理器1を得ることができる。
【0025】
また、金属製調理鍋19に限らず、誤ってアルミホイルやスプーンといった金属類を加熱室2内に入れて加熱調理してスパークが発生してしまった場合や、ニンジンのスライスやミックスベジタブルなどのスパークが発生しやすい食品を加熱調理してドア3付近でスパークが発生した場合であっても、離間距離aを2.0mm以上に設定することにより、内ドアガラス5の割れを防止することができ、安全性、信頼性の高い加熱調理器1を提供することができる。
【0026】
なお、本実施の形態1では、ドアフレーム14が、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとの一体構造であるとして説明したが、一体構造としていなくとも、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上確保されていれば同様の効果を得ることができる。例えば、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとを別部品として作成し、溶接やカシメ等により接合する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態2は、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aを2.0mm以上確保するドアフレーム構造に関し、加工性の良好なドアフレーム構造に関するものである。
【0028】
図6は、実施の形態2の加熱調理器1のドア3の正面図、図7は、図6のA−A断面図と、図6のB−B断面図である。図6及び図7において図3及び図4と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2は、ドアフレーム14が、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとの一体構成で、内ドアガラス5が、シリコンなどの接着剤15によって接着固定されている点は、実施の形態1と同様である。実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、ドアフレーム14のパンチングメタル部14aの外周に、内ドアガラス5のパンチングメタル部14a側の面を当接支持する複数の内ドアガラス支持部14dを設けた点にある。
【0029】
内ドアガラス支持部14dは、ドアフレーム14の一部分を絞り形状や凸形状等に加工することによって形成した凸部で構成され、この凸部の先端面が内ドアガラス5に当接することにより、内ドアガラスを、その設置空間内の所定の位置に保持するようになっている。すなわち、パンチングメタル部14aの絞り深さbと内ドアガラス支持部14dの絞り高さ(または凸高さ)cによって、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離を2.0mm以上確保するように構成されている。
【0030】
ここで、図7と実施の形態1の図4とを比較すると、実施の形態1の構造は、いわばパンチングメタル部14aの外周全体に内ドアガラス支持部を形成した構造に相当する。これに対し、実施の形態2の構造は、パンチングメタル部14aの外周の一部に内ドアガラス支持部14dを形成した構造である。したがって、実施の形態2では、パンチングメタル部14aの外周全体に内ドアガラス支持部14dを絞り加工にて構成する必要が無く、部分的に内ドアガラス支持部14dを構成すれば良いので、一枚の鋼板からチョーク構造部14bとパンチングメタル部14aとを有するドアフレーム14を形成する場合であっても、部品加工を容易にすることができる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態3は、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aを2.0mm以上確保するドア構造に関し、加工性の良好なドア構造に関するものである。
【0032】
図8は、本発明の実施の形態3における加熱調理器1のドア3の側面詳細断面図、図9は、図8の要部拡大図である。図8及び図9において図3及び図4と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態3は、ドアフレーム14と内ドアガラス5との間にスペーサー20を設けることで、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上となるように構成したものである。スペーサー20の材質は、金属で構成してもよいし、耐熱樹脂やシリコンなどの非金属で構成してもよい。金属にてスペーサー20を構成した場合は、スペーサー20とドアフレーム14との間のスパーク発生を防止するためにドアフレーム14に溶接などで固定するほうが良い。なお、スペーサ20は、図10に示すように枠体で構成して内ドアガラス5の外周全体に当接するようにしてもよいし、図11に示すように複数の小片で構成して内ドアガラス5の外周に部分的に当接するようにしてもよい。
【0033】
このように実施の形態3によれば、スペーサー20を設けてパンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上となるように構成したので、ドアフレーム14の材質や板厚やパンチング孔径等の関係で、図4や図7に示したような、内ドアガラス5のパンチングメタル部14a側の面を当接支持する支持部を形成するための、ドアフレーム14の絞り加工が困難な場合であっても、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5の離間距離aを容易に確保できる。
【0034】
また、スペーサー20を耐熱樹脂などの非金属で構成した場合、接着剤15によって内ドアガラス5とともにまとめて接着固定できるので、加工性、組立性を向上できる。また、シリコンなどの弾性部材にてスペーサー20を構成すれば、内ドアガラス5に衝撃が加えられた時にクッションの役割を果し、耐衝撃性能を上げる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱調理器1の斜視図である。
【図2】図1の加熱調理器1の縦断側面図である。
【図3】本実施形態における加熱調理器のドアの側面詳細断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】金属製調理鍋が内ドアガラス面に接触させて配置した状態を示す図である。
【図6】実施の形態2の加熱調理器のドアの正面図である。
【図7】図6のA−A断面図と、図6のB−B断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3における加熱調理器のドアの側面詳細断面図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】スペーサの構成例を示す図である。
【図11】スペーサの他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 加熱調理器、2 加熱室、3 ドア、5 内ドアガラス、7 底面プレート、9 マグネトロン、12 回転アンテナ、14 ドアフレーム、14a パンチングメタル部、14c パンチング穴、14d 内ガラス支持部、19 金属製調理鍋、20 スペーサー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱室内に収納された被加熱物を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器は、加熱室と、加熱室の前面開口を開閉自在に覆うドアと、マイクロ波を発振するマグネトロンとを備え、マグネトロンが発振したマイクロ波を加熱室内に供給し、食品を加熱している。このような加熱調理器では、従来より、加熱室内部を観察できるようにするとともに、加熱室内に放射されたマイクロ波が外部へ漏洩するのを防止するためのパンチングメタルがドアに設けられている。パンチングメタルは、0.6mm程度の薄い金属製の板状部材に直径1.2mm程度の複数のパンチング孔が開けられた構成を有するもので、かかる構成のパンチングメタルが、周知の電波漏洩防止用のチョーク構造を有するドアフレームに溶接されてドアを構成することで、加熱室内部の観察とマイクロ波の漏洩防止といった目的を果たしていた。また、ドアには更に、内ドアガラスがパンチングメタルの加熱室側に接着固定されており、この内ドアガラスによって加熱室内の熱せられた空気がパンチングメタルから加熱室外に流出するのを防止するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−26458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなパンチングメタルをドアに備えた加熱調理器においては、加熱室内に、誤ってアルミホイルや金属を入れて加熱した場合や、食品の形状の影響などで内ドアガラス部に電波が集中した場合、内ドアガラスを介してパンチングメタルと加熱室内の金属等との間でスパークが生じてしまうという問題があった。それゆえに金属製のフライパンなどを加熱室内に載置して加熱調理を行なうことができないという問題もあった。
【0005】
また、パンチングメタルと加熱室内の金属等との間でスパークが生じると、その部分の内ドアガラスの温度が急激に上昇し、内ドアガラスが割れてしまうという問題があった。さらに、スパークが発生した直後には内ドアガラスが割れていなくても、しばらく時間が経過したあと(例えば一昼夜経過したあと)で、突然割れてしまうこともあり、「加熱調理器を使用していないにも関わらず内ドアガラスが割れてしまった。」といった不具合を生じるなど、大きな問題があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解消する為になされたものであり、加熱調理器のドアに設けられたパンチングメタルと、加熱室内部の金属等との間でスパークが発生することを防止し、更にはスパークにより内ドアガラスが割れてしまうことを防止した安全性、信頼性の高い加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る加熱調理器は、食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、加熱室の開口を開閉自在に覆うドアとを備え、ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、パンチングメタル部と内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドアに設けられたパンチングメタル部と内ドアガラスとの距離を2.0mm以上離間するよう構成したので、パンチングメタル部と加熱室内の金属等の間でのスパーク発生を防止することができる。また、内ドアガラスの割れを防止することができる。よって、フライパンなどの金属製調理鍋を高い安全性及び信頼性の元で使用可能な加熱調理器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の加熱調理器1の斜視図、図2は、図1の加熱調理器1の縦断側面図、図3は、本実施形態における加熱調理器1のドア3の側面詳細断面図、図4は、図3の要部拡大図である。
【0011】
図1において、加熱調理器1は、加熱調理器1の本体内部に設けられた食品を加熱調理するための加熱室2と、加熱室2の前面開口を開閉自在に覆うドア3とを備えている。ドアの前面には開閉動作を行うためのハンドル4が設けられている。ドア3の上部には、調理者が調理情報を入力するためのタイマなどを備えた操作パネル6が設けられている。また、加熱室2の底面には、セラミックやマイカ等の非誘電部材からなる食品等を載置するための底面プレート7がシリコン等の接着剤により接着固定されている。本例の加熱調理器1は、加熱室2の底面が底面プレート7によって平面状に構成されたいわゆるターンテーブルレス方式(下部給電方式)のものである。なお、ターンテーブルレス方式に限られず、ターンテーブル式のものであってもよい。
【0012】
操作パネル6の内部には、表示部等を備えた制御基板8が設けられ、使用者のキー入力に応じた表示を行い、加熱の進行状態を表示するようになっている。制御基板8は、加熱キー(図示せず)の操作に応じて後述のマグネトロン駆動用の高圧制御基板(図示せず)を制御し、マグネトロンの駆動を制御する。これにより、加熱キーの操作に応じた加熱調理を進行するようになっている。
【0013】
本体内部の加熱室2の下部には導波管10が左右方向に延在して設けられており、この導波管10の右側端部上側となる加熱室2の側壁側部にマグネトロン9が設けられている。マグネトロン9には図示しないがマグネトロン9から発振されたマイクロ波を導波管10内に放出するマグネトロンアンテナを備えており、マグネトロン9(マグネトロンアンテナを含む)は回転アンテナ12が存在する領域を介して加熱室2内に連通している。回転アンテナ12の下方には回転アンテナ12を回転させるためのモータ11が回転軸を介して接続され、回転アンテナ12は、このモータ11によって回転する。
【0014】
そして、マグネトロン9から発振されたマイクロ波は導波管10内を経てモータ11の駆動により回転する回転アンテナ12で拡散され、加熱室2内全体にまんべんなく放出される。また、側壁上部には図示しないマイクロ波放出口が設けられており、このマイクロ波放出口からもマグネトロン9から発振されたマイクロ波が加熱室2内に放出される。これによって加熱室2内に配置された食品は下方と上方からまんべんなく加熱され好適に調理される。
【0015】
また、加熱室2の天壁上部には上ヒータ13が、後壁の背面には熱風ヒーター及び熱風ファン(ともに図示せず)が設けられており、必要に応じて(例えば加熱する食品に応じて)これらのヒーターをONにして加熱室2内の食品を加熱調理することが可能に構成されている。家庭用コンセントの定格電流(例えば1V機器の場合15A)の中で、マイクロ波とヒーターの同時加熱を行うためには、ヒーターのワット数にもよるが、マイクロ波の出力をヒーターを加熱しなかった場合に比べて微弱(例えば、100Wや300W)に設定する必要がある。
【0016】
しかしながら、加熱方法をマイクロ波だけでなく、微弱なマイクロ波とヒーターの同時加熱とすることで、強いマイクロ波を当てると固くなってしまう肉類をふっくらやわらかく仕上げることができ、また、魚等、身がはじけやすい食品ははじけを防止し上手に加熱することができる。また、この時、ヒーターにより同時に庫内温度を上昇させていくことで、表面の焼け具合を進めることができ、調理時間の短縮ができる。なお、マイクロ波とヒーターとの同時加熱だけではなく、調理途中で、マイクロ波のみの加熱モード、あるいはヒーターのみの加熱モードに切り替えるなど、複数の加熱方法を組み合わせたリレー調理としてもよい。
【0017】
以下、本発明の特徴部分であるドア3の構成について詳細に説明する。
ドア3は、加熱室2内のマイクロ波の漏洩を防止するため、例えば厚さ0.6mm程度の金属板にて構成されたドアフレーム14を骨格として構成されている。ドアフレーム14は、加熱室2内の調理状況を確認できるように例えば直径1.2mm程度のパンチング穴(小孔)14cが複数穿設されたパンチングメタル部14aを中央部に備え、その周囲に、ドア3の外周部からのマイクロ波漏洩防止を図るためのチョーク構造部14bが周設された構成を有している。ドアフレーム14は、本例では一枚の鋼板によって構成されており、複数のパンチング穴14cが形成された鋼板に凸状の絞り加工を施すことによりパンチングメタル部14aが形成され、その周囲を断面略コ字状に加工することによりチョーク構造部14bが形成されている。
【0018】
また、ドアフレーム14においてパンチングメタル部14aの加熱室2側には、パンチングメタル部14aから所定距離離間して内ドアガラス5がシリコンなどの接着剤15によりドアフレーム14に接着固定されており、加熱室2内の蒸気や熱がドア3内部や加熱調理器1外部に放出しないように構成されている。また、チョーク構造部14bは、樹脂製のカバーチョーク16にて覆われている。そして、ドアフレーム14の外周は、樹脂製のカバードア17で覆われている。また、ドア3の前面部には、外ドアガラス18が設けられ、誤って針金などの金属を加熱室2内に挿入してしまった場合のマイクロ波漏洩を防止している。
【0019】
内ドアガラス5は、上ヒータ13等を用いてオーブン調理を行った場合に高温になるため、また、食品などを置かれた際の衝撃に耐えるため、耐熱強化ガラスを使用するのが一般的である。また、内ドアガラス5の板厚は、厚さ2.0mmから4.0mm程度のものが一般的であり、更には厚さ2.5mmから3.5mm程度のものが耐衝撃強度とコストとの兼ね合いから効果的である。本実施の形態1では、厚さ3.2mmの耐熱強化ガラスを内ドアガラス5として用いている。
【0020】
本実施の形態1は、以上のように構成されたドア3において、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの間の離間距離aを、スパーク発生防止に効果的な距離に設定したことに特徴を有する。本例では、この離間距離aを2.0mm以上としている。
【0021】
表1は、図5に示すように加熱室2内にフライパンなどの金属製調理鍋19を内ドアガラス5に接触するように配置した状態で加熱調理を行った場合の、内ドアガラス5の温度とスパーク発生有無を、離間距離aを変化させて測定した結果を示す表である。この実験は、高周波出力設定1000W出力で2分間、加熱を行ったもので、内ドアガラス5の温度は、金属製調理鍋19が接触している箇所を赤外線放射温度計を用いて測定している。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの離間距離aを2.7mm、2.3mm、2.2mmと小さくしていくと、64℃、83℃、92℃と次第に内ドアガラス5の温度が高くなっていくことがわかる。そして、離間距離aが1.97mmの結果から明らかなように、2.0mmより小さくなるとパンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間でスパークが発生してしまう。スパークが発生すると、その影響により、パンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間にある内ドアガラス5の温度が急激に上昇し、耐熱強化ガラスを用いた場合であっても、内ドアガラス5は割れてしまう。したがって、スパーク発生防止に効果的な離間距離aは、2.0mm以上といえる。
【0024】
以上のように、本実施の形態1は、内ドアガラス5とパンチングメタル部14aとの離間距離aを2.0mm以上に設定することにより、パンチングメタル部14aと金属製調理鍋19との間でのスパーク発生を防ぐことができ、また内ドアガラス5の割れも防止することが可能となる。よって、金属製調理鍋19を使用するに際しての安全性及び信頼性に優れた加熱調理器1を得ることができる。
【0025】
また、金属製調理鍋19に限らず、誤ってアルミホイルやスプーンといった金属類を加熱室2内に入れて加熱調理してスパークが発生してしまった場合や、ニンジンのスライスやミックスベジタブルなどのスパークが発生しやすい食品を加熱調理してドア3付近でスパークが発生した場合であっても、離間距離aを2.0mm以上に設定することにより、内ドアガラス5の割れを防止することができ、安全性、信頼性の高い加熱調理器1を提供することができる。
【0026】
なお、本実施の形態1では、ドアフレーム14が、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとの一体構造であるとして説明したが、一体構造としていなくとも、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上確保されていれば同様の効果を得ることができる。例えば、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとを別部品として作成し、溶接やカシメ等により接合する構成としても同様の効果を得ることができる。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態2は、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aを2.0mm以上確保するドアフレーム構造に関し、加工性の良好なドアフレーム構造に関するものである。
【0028】
図6は、実施の形態2の加熱調理器1のドア3の正面図、図7は、図6のA−A断面図と、図6のB−B断面図である。図6及び図7において図3及び図4と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2は、ドアフレーム14が、パンチングメタル部14aとチョーク構造部14bとの一体構成で、内ドアガラス5が、シリコンなどの接着剤15によって接着固定されている点は、実施の形態1と同様である。実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、ドアフレーム14のパンチングメタル部14aの外周に、内ドアガラス5のパンチングメタル部14a側の面を当接支持する複数の内ドアガラス支持部14dを設けた点にある。
【0029】
内ドアガラス支持部14dは、ドアフレーム14の一部分を絞り形状や凸形状等に加工することによって形成した凸部で構成され、この凸部の先端面が内ドアガラス5に当接することにより、内ドアガラスを、その設置空間内の所定の位置に保持するようになっている。すなわち、パンチングメタル部14aの絞り深さbと内ドアガラス支持部14dの絞り高さ(または凸高さ)cによって、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離を2.0mm以上確保するように構成されている。
【0030】
ここで、図7と実施の形態1の図4とを比較すると、実施の形態1の構造は、いわばパンチングメタル部14aの外周全体に内ドアガラス支持部を形成した構造に相当する。これに対し、実施の形態2の構造は、パンチングメタル部14aの外周の一部に内ドアガラス支持部14dを形成した構造である。したがって、実施の形態2では、パンチングメタル部14aの外周全体に内ドアガラス支持部14dを絞り加工にて構成する必要が無く、部分的に内ドアガラス支持部14dを構成すれば良いので、一枚の鋼板からチョーク構造部14bとパンチングメタル部14aとを有するドアフレーム14を形成する場合であっても、部品加工を容易にすることができる。
【0031】
実施の形態3.
実施の形態3は、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aを2.0mm以上確保するドア構造に関し、加工性の良好なドア構造に関するものである。
【0032】
図8は、本発明の実施の形態3における加熱調理器1のドア3の側面詳細断面図、図9は、図8の要部拡大図である。図8及び図9において図3及び図4と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態3は、ドアフレーム14と内ドアガラス5との間にスペーサー20を設けることで、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上となるように構成したものである。スペーサー20の材質は、金属で構成してもよいし、耐熱樹脂やシリコンなどの非金属で構成してもよい。金属にてスペーサー20を構成した場合は、スペーサー20とドアフレーム14との間のスパーク発生を防止するためにドアフレーム14に溶接などで固定するほうが良い。なお、スペーサ20は、図10に示すように枠体で構成して内ドアガラス5の外周全体に当接するようにしてもよいし、図11に示すように複数の小片で構成して内ドアガラス5の外周に部分的に当接するようにしてもよい。
【0033】
このように実施の形態3によれば、スペーサー20を設けてパンチングメタル部14aと内ドアガラス5との離間距離aが2.0mm以上となるように構成したので、ドアフレーム14の材質や板厚やパンチング孔径等の関係で、図4や図7に示したような、内ドアガラス5のパンチングメタル部14a側の面を当接支持する支持部を形成するための、ドアフレーム14の絞り加工が困難な場合であっても、パンチングメタル部14aと内ドアガラス5の離間距離aを容易に確保できる。
【0034】
また、スペーサー20を耐熱樹脂などの非金属で構成した場合、接着剤15によって内ドアガラス5とともにまとめて接着固定できるので、加工性、組立性を向上できる。また、シリコンなどの弾性部材にてスペーサー20を構成すれば、内ドアガラス5に衝撃が加えられた時にクッションの役割を果し、耐衝撃性能を上げる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱調理器1の斜視図である。
【図2】図1の加熱調理器1の縦断側面図である。
【図3】本実施形態における加熱調理器のドアの側面詳細断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】金属製調理鍋が内ドアガラス面に接触させて配置した状態を示す図である。
【図6】実施の形態2の加熱調理器のドアの正面図である。
【図7】図6のA−A断面図と、図6のB−B断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3における加熱調理器のドアの側面詳細断面図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】スペーサの構成例を示す図である。
【図11】スペーサの他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 加熱調理器、2 加熱室、3 ドア、5 内ドアガラス、7 底面プレート、9 マグネトロン、12 回転アンテナ、14 ドアフレーム、14a パンチングメタル部、14c パンチング穴、14d 内ガラス支持部、19 金属製調理鍋、20 スペーサー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、
該加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、
前記加熱室の開口を開閉自在に覆うドアとを備え、
該ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、前記パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、
該加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、
前記加熱室の開口に開閉自在に設けられたドアと、
前記加熱室に収容し加熱調理を行なう金属製調理鍋とを備え、
前記ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、前記パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
前記内ドアガラスを前記ドアフレーム内に支持する内ドアガラス支持部を設け、該内ドアガラス支持部により、前記内ドアガラスと前記パンチングメタル部との距離が少なくとも2.0mm以上離間した位置に前記内ドアガラスが支持されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記内ドアガラス支持部は、前記内ドアガラスの外周部に対向する前記ドアフレーム部分に設けられた凸部で構成され、該凸部の先端面によって前記内ドアガラスの前記パンチングメタル部側の面を当接支持することを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの間にスペーサーを設け、該スペーサーにより、前記内ドアガラスと前記パンチングメタル部との距離を少なくとも2.0mm以上離間させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記スペーサは、前記内ドアガラスの外周全体に当接する枠状に構成されてなることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記スペーサは、前記内ドアガラスの外周に部分的に当接するように複数設けられることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記スペーサは、弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記加熱室の下方に回転可能に設けられ、マグネトロンが発振したマイクロ波を加熱室内に供給するための回転アンテナと、加熱室の底面に固定され、加熱室と回転アンテナが存在する領域とを仕切る底面プレートとを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項1】
食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、
該加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、
前記加熱室の開口を開閉自在に覆うドアとを備え、
該ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、前記パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
食品を収納し加熱調理を行う加熱室と、
該加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、
前記加熱室の開口に開閉自在に設けられたドアと、
前記加熱室に収容し加熱調理を行なう金属製調理鍋とを備え、
前記ドアは、複数の小孔が穿設された板状のパンチングメタル部を中央部に備えたドアフレームと、前記パンチングメタル部の加熱室側に配置された内ドアガラスとを有し、前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの距離が少なくとも2.0mm以上離間されてなることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
前記内ドアガラスを前記ドアフレーム内に支持する内ドアガラス支持部を設け、該内ドアガラス支持部により、前記内ドアガラスと前記パンチングメタル部との距離が少なくとも2.0mm以上離間した位置に前記内ドアガラスが支持されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記内ドアガラス支持部は、前記内ドアガラスの外周部に対向する前記ドアフレーム部分に設けられた凸部で構成され、該凸部の先端面によって前記内ドアガラスの前記パンチングメタル部側の面を当接支持することを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記パンチングメタル部と前記内ドアガラスとの間にスペーサーを設け、該スペーサーにより、前記内ドアガラスと前記パンチングメタル部との距離を少なくとも2.0mm以上離間させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記スペーサは、前記内ドアガラスの外周全体に当接する枠状に構成されてなることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記スペーサは、前記内ドアガラスの外周に部分的に当接するように複数設けられることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記スペーサは、弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記加熱室の下方に回転可能に設けられ、マグネトロンが発振したマイクロ波を加熱室内に供給するための回転アンテナと、加熱室の底面に固定され、加熱室と回転アンテナが存在する領域とを仕切る底面プレートとを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−113816(P2007−113816A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304301(P2005−304301)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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