説明

加熱調理器

【課題】天板に操作部を配置した加熱調理器であって、天板を本体ケーシングから容易に取り外すことができると共に、天板を水洗い等し易い加熱調理器を提供する。
【解決手段】上面が開口する略箱状をした本体ケーシング1と、本体ケーシング1の上端部に配設して該本体ケーシング1の上面の開口10を閉塞する天板2と、調理物を加熱する加熱手段3と、加熱手段3による加熱調理をするための操作を行う操作部4と、を備えた加熱調理器Aである。本体ケーシング1の上面の開口10の一部に上方に突出又は露出するように操作部4を設け、天板2を平面視において前記操作部4を避けた位置に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス調理器や電磁調理器等の加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス調理器(例えば特許文献1)や電磁調理器といった加熱調理器の多くは、本体ケーシングの天板に加熱手段を備えると共に、本体ケーシングの前面や天板に操作部を配置してある。本体ケーシングの前面に操作部を配置したものは、操作する際に本体ケーシングの前方から操作部を見て操作しなければならず、操作する際に使用者が立ち位置や姿勢を変える必要があるのに対し、天板に操作部を配置したものは、本体ケーシングの上方より操作部を見て操作すればよいため、使用者が立ち位置や姿勢を変える必要がなくて操作し易い。このため、天板に操作部を配置したものが好適に使用されている。
【0003】
天板に操作部を設ける特許文献1に示される従来の加熱調理器Aでは、図4に示すように、天板2に操作部4を固定し、この操作部4と本体ケーシング1内に収納された制御部とを配線5で接続し、天板2を本体ケーシング1に取り付けることで設けてある。配線5の接続にあたっては、配線5の途中にコネクタ50を設けてあり、このコネクタ50を着脱することにより行っている。
【0004】
しかしながら、上記従来例にあっては、メンテナンス時や天板2を本体ケーシング1から取り外して清掃する場合に、天板2と本体ケーシング1との間に配線5が設けてあり、天板2を持ち上げた状態でこの配線5の接続部のコネクタ50を外したりする作業があり、容易に取り外すことができず、また、天板2を本体ケーシング1から取り外しても天板2に操作部4が固定してあるため、水や洗剤により洗う際に操作部4の配線基板等に水や洗剤がかかって損傷する惧れがあり、天板2を本体ケーシング1に取り付ける時には再び配線5のコネクタ50を装着しなければならず、天板2の着脱作業が面倒なものであった。
【特許文献1】特開2005−98539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、天板に操作部を配置した加熱調理器であって、天板を本体ケーシングから容易に着脱することができると共に、天板を水洗い等し易い加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、上面が開口する略箱状をした本体ケーシング1と、本体ケーシング1の上端部に配設して該本体ケーシング1の上面の開口10を閉塞する天板2と、調理物を加熱する加熱手段3と、加熱手段3による加熱調理をするための操作を行う操作部4と、を備えた加熱調理器Aであって、本体ケーシング1の上面の開口10の一部に上方に突出又は露出するように操作部4を設け、天板2を平面視において前記操作部4を避けた位置に設けて成ることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成とすることで、天板2を本体ケーシング1の上面の開口10に設けた際に、本体ケーシング1に設けた操作部4が上方に突出又は露出することとなり、天板2に操作部4を固定する必要がなく、天板2を容易に本体ケーシング1に着脱することができると共に、天板2に操作部4が固定されていないため天板2のみを洗うことができて、水洗い等の手入れがし易くなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明にあっては、天板を本体ケーシングの上面の開口に設けた際に、本体ケーシングに設けた操作部が上方に突出又は露出することとなり、天板に操作部を固定する必要がなく、天板を容易に本体ケーシングに着脱することができると共に、天板に操作部が固定されていないため天板のみを洗うことができて、水洗い等の手入れがし易くなるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明の加熱調理器Aとしては、ガスこんろを備えたガス調理器や、誘導加熱により被加熱調理器具を加熱する所謂IH電磁調理器が挙げられるが、限定はされない。以下に説明する実施形態ではガス調理器として説明する。まず、ガス調理器の基本的な構成について説明する。
【0010】
図1に示すガス調理器は、本体ケーシング1にガスこんろを備えると共に、グリルを備えているが、グリルは備えていなくてもよい。図1中符号11は本体ケーシング1の前面に設けられるグリル扉である。本実施形態では、本体ケーシング1は上面が開口する略箱状をしており、本体ケーシング1の上端部に天板2を取り付けて上面の開口10を閉塞し、略箱状の外殻を為している。天板2には、左側と右側とにガスこんろが一つづつ計二つ配設してある。勿論、ガスこんろは計一つであっても三つ以上であっても構わない。ガスこんろは、バーナ本体の上にバーナキャップを載置して周囲に炎口を有するガスバーナ31で加熱手段3が構成されて本体ケーシング1内に収容してあり、天板2に形成したバーナ挿通用の開口20を介して上方に露出している。天板2の前記開口10の周囲には、複数の五徳爪を環状に配置した五徳(図示せず)が設けてある。このガスこんろは、五徳上に載置される調理物を収容した鍋やフライパン等の被加熱調理器Aの底部の温度を計測してガスバーナ31の燃焼制御を行うための温度センサー32を備えている。温度センサー32は、測温手段としてのサーミスタ等の感温部を上端部に設けてあり、ガスこんろの略中央部に配置されて、五徳上に載置される被加熱調理器具の底部に接触して温度を計測する。また天板2の後端部にはグリルからの排気を排出する排気口23が形成してあり、排気口23は本体ケーシング1内のグリルからの燃焼ガスを排気する排気筒12の排気開口の上側に位置する。
【0011】
天板2の前端部には、操作部4が配置される。操作部4は、本体ケーシング1に取り付けられていて、後述するが天板2を挿通させて又は天板2を避けて上方に突出又は露出するもので、各加熱手段3の作動・停止(すなわち本実施形態では各ガスこんろの点火・消火、電磁調理器の場合は加熱用コイルへの通電・停止)を行う入切操作部や、加熱量を調節する加熱量調節操作部や、各種調理モードによる調理を行う調理モード操作部や、各種設定等を行う設定操作部等の操作部があり、これらに替えて/加えて他の操作部を設けてもよい。この操作部4からの操作指令は本体ケーシング1内に収納した制御部により処理される。制御部は、操作部4からの指令により、図示しないが燃料ガスの燃料供給路の開閉弁の開閉や流量制御弁による燃料ガスの流量調整を行うことで、手動による加熱制御や、温度センサー32の温度を基に各種の調理モードを実行する。
【0012】
操作部4は、本体ケーシング1に取り付けられるもので、本実施形態では本体ケーシング1の前端近傍の上端部に本体ケーシング1から上方に突出するように操作部ケーシング40を固定し、操作部ケーシング40の上面に操作部4を配設している。また操作部4は、直接本体ケーシング1に取着して固定するのではなく、本体ケーシング1に固定されている他の部材に取着して固定することで、間接的に本体ケーシング1に固定してもよく、いずれにしても本体ケーシング1に一体的に固定するものである。
操作部4は、摘まみや押し釦4aを上方に突出させて構成したり、あるいは操作部ケーシング40の上面に、指で触れるとONとなる静電容量式又は感圧式のスイッチ(所謂タッチパネル)を設けて構成してもよく、特に限定されない。そして、本体ケーシング1の上端部に天板2を取り付けても、本体ケーシング1に取り付けた操作部4が上方に突出又は露出するように、本発明にあっては、操作部4を避けた位置に天板2を配設するものである。
【0013】
図1に示す加熱調理器では、操作部ケーシング40を本体ケーシング1の上面の開口10の前端部に左右方向の全長に亘って設けてあり、天板2を、本体ケーシング1の上面の開口10の前記操作部ケーシング40を設けた部分よりも後側に設けてある。このように前側の操作部ケーシング40と後側の天板2とで、本体ケーシング1の上面の開口10全面を閉塞している。
【0014】
また図2に示す実施例では、操作部ケーシング40を本体ケーシング1の上面の開口10の前端部に左右方向の一部に設けてあり、天板2は、前記操作部ケーシング40と干渉する部分に切欠21を形成してある。そして、天板2を前記切欠21に操作部ケーシング40を挿通させた状態で本体ケーシング1の上端部に配設し、操作部ケーシング40と天板2とで、本体ケーシング1の上面の開口10全面を閉塞している。
【0015】
また図3に示す実施例では、操作部ケーシング40を本体ケーシング1の上面の開口10の前端部よりも若干後方の左右方向の一部に設けてあり、天板2は、前記操作部ケーシング40と干渉する内部に挿通口22を形成してある。そして、天板2をその挿通口22に操作部ケーシング40を挿通させた状態で本体ケーシング1の上端部に配設し、操作部ケーシング40と天板2とで、本体ケーシング1の上面の開口10全面を閉塞している。
【0016】
上記いずれの場合においても、天板2を平面視で前記操作部4を避けた位置に設けたことで、操作部4を本体ケーシング1側に固定しても、天板2を本体ケーシング1の上面の開口10に配設した際に操作部4が天板2と干渉せず上方に突出又は露出させることができる。これにより、従来のように天板2に操作部4を固定する必要がなくなり、天板2を操作部4から分離させると共に従来のようにコネクタの着脱作業が不要となって、天板2を容易に本体ケーシング1に着脱することが可能となる。また、天板2のみを洗うことが可能となり、水や洗剤で洗う際に水や洗剤が操作部4に掛かる惧れがなく、水洗い等の手入れがし易くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の加熱調理器の概略斜視図である。
【図2】他例の加熱調理器の概略斜視図である。
【図3】更に他例の加熱調理器の概略斜視図である。
【図4】従来の加熱調理器の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1 本体ケーシング
10 開口
2 天板
20 バーナ挿通用の開口
21 切欠
22 挿通口
3 加熱手段
31 ガスバーナ
32 温度センサー
4 操作部
40 操作部ケーシング
4a 押し釦
A 加熱調理器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口する略箱状をした本体ケーシングと、本体ケーシングの上端部に配設して該本体ケーシングの上面の開口を閉塞する天板と、調理物を加熱する加熱手段と、加熱手段による加熱調理をするための操作を行う操作部と、を備えた加熱調理器であって、本体ケーシングの上面の開口の一部に上方に突出又は露出するように操作部を設け、天板を平面視において前記操作部を避けた位置に設けて成ることを特徴とする加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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