説明

加熱調理器

【課題】本発明は、調理用の各スイッチの押圧作動部に対応して、本体部の上面部に上方
へ膨出した押圧用エンボス部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが貼付された加熱
調理器において、この表面シートの裏側へ煮汁等が侵入しても、スイッチ等の支障となら
ないようにする技術を提供する。
【解決手段】本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押圧
用エンボス部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、本体部の上面部に貼付された
加熱調理器において、スイッチを備えた操作基板を収納する操作ケースが本体部の上面部
の下面に配置され、操作ケースの上壁には本体部の上面部に形成したスイッチ操作孔に嵌
り合う台座部とこの台座部内にスイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能なキートップを
備え、操作ケースの上壁の上面には台座部よりも低い位置に台座部を取り囲むように受液
溝を形成したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部の上面部に調理用のスイッチ操作部を備えた加熱調理器に関し、特に
、調理用スイッチに対応して、本体部の上面部にスイッチ操作部を形成した表面シートが
貼付されたものにおいて、この表面シートの裏側へ煮汁等が侵入しても、スイッチ等の電
気回路への支障とならないようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
トッププレート枠の前面側に設けた開口部の上面にボタンエンボス部を形成した操作表
示シートを接着剤により貼り付け、開口部の下面にキートップや制御回路基板を納めた操
作部ユニットを配置しており、操作表示シートに、掃除する際や湯沸し時、煮炊き調理時
に水や吹きこぼれた湯,鍋から溢れ出た煮汁等が掛かった場合に、操作表示シートの接着
剤が、開口部を通してその下面の制御回路基板の電子部品に水が浸入するのを防止する役
目をしているが、その防水役である接着剤が使用環境や使用寿命、さらには操作表示シー
トの貼付け時のばらつき等により開口部の周囲のプレート枠に完全に密着させることが難
しく、不完全接着部分が生じたり局部的に剥がれてしまう場合がある。この問題を解決す
るためには、プレート枠に操作表示シートを接着する接着剤の接着力をアップさせればよ
いが、接着力をアップさせて完全密封の防水性能を得ることには限界があり、操作表示ユ
ニットに外部からの水や湯,鍋から溢れ出た煮汁等、液体の浸入を防止することは極めて
難しかった。
【0003】
このような点に鑑みたものとして、本体上面に配置されたトッププレートと、該トップ
プレートの周囲を囲むトッププレート枠と、該トッププレート枠の上面に貼付けられた複
数個の操作エンボス部を有する操作表示シートと、該操作表示シートと対向するようにト
ッププレート枠の下部に配置された操作表示駆動部を備えた加熱調理器において、前記ト
ッププレート枠の前記操作エンボス部と対向する位置に開口部を設け、該開口部の下面で
前記操作表示駆動部の上面に該操作表示駆動部の上面を覆うようにゴム系材料からなる防
水カバーを配置したものがある(特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1のものは、操作表示駆動部15の上面を覆うように、新たにゴム系材料
からなる防水カバー23を配置したものである。この防水カバー23は、透明または半透
明のものが用いられ、周囲及び縦横に補強用のリブ23aが施され、前記操作表示シート
12の操作エンボス部12aと対向するトッププレート枠6の開口部直下に突起部23b
を設け、左右に二分割された操作表示駆動部15の駆動部基板17を別々にその上面から
覆うように配置されている。
【0005】
この防水カバー23は、操作表示駆動部15に表示灯18aや液晶表示器18b、操作
入力ボタン22、配線カードケーブル/コネクタ19、配線部品/コネクタ20等の配線
部材を組み込み、配線部材を配線用穴21を通して駆動部収納ケース16の底部から下側
に出し、誘導加熱コイル等の各種部品に配線した後、二分割された駆動部基板17を上か
ら蓋をするように配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−241087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、特許文献1のものでは、防水カバー23が必要であること。そして、この
防水カバー23がゴム系材料からなるため、補強用のリブ23aや、操作入力ボタン22
に対応して操作表示シート12の操作エンボス部12aと対向する突起部23bが必要と
なり、形状自体を複雑な形状に形成する必要がある。
【0008】
本発明は、このような防水カバーを設けることなく、表面シートの裏側へ煮汁等が侵入
しても、スイッチ等の電気回路への支障とならないようにする技術を提供するものである

【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明は、本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押
圧用エンボス部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、前記本体部の上面部に貼付
された加熱調理器において、前記スイッチを備えた操作基板を収納する操作ケースが前記
本体部の上面部の下面に配置され、前記操作ケースの上壁には前記本体部の上面部に形成
したスイッチ操作孔に嵌り合う台座部とこの台座部内に前記スイッチ操作孔に非接触状態
で上下動可能なキートップを備え、前記操作ケースの上壁の上面には前記台座部よりも低
い位置に前記台座部を取り囲むように受液溝を形成したことを特徴とする。
【0010】
第2発明は、本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押
圧用エンボス部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、前記本体部の上面部に貼付
された加熱調理器において、前記スイッチ及び前記スイッチの操作に基づき発光・非発光
となるLEDを備えた操作基板を収納する操作ケースが前記本体部の上面部の下面に配置
され、前記操作ケースの上壁には前記本体部の上面部に形成したスイッチ操作孔に嵌り合
う台座部とこの台座部内に前記スイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能なキートップと
前記LEDの光を上方へ透過する光透過孔を備え、前記操作ケースの上壁の上面には、前
記光透過孔との間に隔壁を存して前記台座部よりも低い位置に前記台座部を取り囲むよう
に受液溝を形成したことを特徴とする。
【0011】
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記操作ケースが前記本体部の上面部
の下面に配置された状態で、前記台座部が前記スイッチ操作孔を通して前記本体部の上面
部と同等レベルであると共に、前記キートップが前記本体部の上面部より高い位置にて前
記スイッチ操作部の下面に当接または近接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、操作ケースの上壁に、本体部の上面部に形成したスイッチ操作孔に嵌り合
う台座部と、この台座部内にスイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能なキートップを備
え、操作ケースの上壁の上面に、台座部を取り囲む受液溝を形成したため、表面シートの
端部から表面シートの裏側へ侵入した煮汁などの液体は、受液溝に流入し、キートップか
ら下方のスイッチや操作基板に流下することがない。このため、従来のように防水カバー
を設ける必要がなくなる。
【0013】
また、スイッチの操作に基づき発光・非発光となるLEDを備えた場合、操作ケースの
上壁に、本体部の上面部に形成したスイッチ操作孔に嵌り合う台座部と、この台座部内に
スイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能なキートップと、LEDの光を上方へ透過する
光透過孔を備え、操作ケースの上壁の上面に、光透過孔との間に隔壁を存して台座部を取
り囲むように受液溝を形成したため、表面シートの端部から表面シートの裏側へ侵入した
煮汁などの液体は、受液溝に流入し、キートップから下方のスイッチや操作基板に流下す
ることがなく、且つ、LED及びそれに係る電気回路へ煮汁などの液体が流下することも
ない。このため、従来のように防水カバーを設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る加熱調理器を台所設備台に組み込んだ部分の平面図である。
【図2】本発明に係る加熱調理器を台所設備台に組み込んだ部分の正面図である。
【図3】本発明に係る加熱調理器のスイッチ操作部を形成した表面シートを取り外した状態の斜視図である。
【図4】本発明に係る加熱調理器のスイッチ操作部を形成した表面シート及び天板を取り外した状態の平面図である。
【図5】図4のA−A部分に相当する拡大断面図である。
【図6】本発明に係る加熱調理器の操作ケースと本体部の上面部との関係を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る加熱調理器の操作ケースに形成したキートップ部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明では、本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押
圧用エンボス部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、前記本体部の上面部に貼付
された加熱調理器において、前記スイッチを備えた操作基板を収納する操作ケースが前記
本体部の上面部の下面に配置され、前記操作ケースの上壁には前記本体部の上面部に形成
したスイッチ操作孔に嵌り合う台座部とこの台座部内に前記スイッチ操作孔に非接触状態
で上下動可能なキートップを備え、前記操作ケースの上壁の上面には前記台座部よりも低
い位置に前記台座部を取り囲むように受液溝を形成した構成である。
【0016】
本発明は、加熱調理器としての加熱部が、例えば、2個の誘導加熱コイルである場合、
或いは誘導加熱コイルとラジエントヒータの組み合わせである場合のように、調理用の加
熱部が複数である場合であり、以下に示す実施例では、加熱部が、誘導加熱コイルとラジ
エントヒータの組み合わせである場合について記載するものとする。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例として、一つの誘導加熱コイル4と一つのラジエントヒータ5を
備えた加熱調理器1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に係る加熱調理器1が台所設備台7に取り付けられる状態
を示す図である。加熱調理器1は、システムキッチンや、調理台や流し台のような台所設
備台7に、ドロップイン方式によって組み込まれる形態であり、図1乃至図4に示すよう
に、略矩形状ケースを形成した本体部2と、本体部2の上面部に取り付けた天板枠6によ
って支持された耐熱ガラス製の天板3を備え、本体部2の内部には、天板3に対応してそ
の下方空間に前後に間隔を保って設置された熱源となる誘導加熱コイル4及びラジエント
ヒータ5を備えている。
【0018】
図3に示すように、本体部2は、底壁2Aと周囲四方を囲むよう底壁2Aに取り付けた
側壁2Bによって上面開口の略矩形状ケースを形成している。また、耐熱ガラス製の天板
3は、本体部2の上面開口を覆うように側壁2Bにネジにて取り付けた天板枠6によって
、周縁部が支持された状態である。
【0019】
誘導加熱コイル4は、合成樹脂製の支持枠4Aの上面に取り付けられ、支持枠4Aの周
縁フランジが耐熱ガラス製の天板3の下面へ当接するように、コイルバネによって上方へ
付勢される状態で立設する複数の支柱に支持されている。
【0020】
また、ラジエントヒータ5は、上面開口の耐熱性の支持枠5A内に取り付けられ、支持枠
5Aの周縁上面が耐熱ガラス製の天板3の下面へ当接するように、コイルバネによって上
方へ付勢される状態で立設する複数の支柱に支持されている。
【0021】
誘導加熱コイル4及びラジエントヒータ5にそれぞれ対応する天板3には、鍋等の調理
容器を載置する場所を明示するために、円形状の調理容器載置部8及び9が印刷などによ
って表示されている。
【0022】
図示の台所設備台7は流し台7の形態で示しており、シンクと横並びに加熱調理器1の
本体部2が落とし込まれる挿入孔が、台所設備台7(流し台7)の上面板7Aを貫通形成
されている。この挿入孔に本体部2を落とし込む、所謂ドロップイン方式によって、挿入
孔の周縁の上面板7Aに天板枠6の下側が係止する状態に保持される。この保持状態で、
加熱調理器1は、本体部2をボルトネジやその他の手段によって、外れないように台所設
備台7(流し台7)に固定される。
【0023】
本体部2内には、誘導加熱コイル4及びラジエントヒータ5の通電制御回路(図示せず
)の冷却のために、誘導加熱コイル4の下方に冷却用ファン(図示せず)が配置されてい
る。この冷却用ファンの送風によって各部が冷却された後の空気は、天板3の下面に沿っ
て横方向へ流れてラジエントヒータ5を冷却した後、本体部2の側壁2Bの一部である背
壁に沿って上方へ流れ、多数の排気孔17を通過して放出される。
【0024】
加熱調理器1は、天板3の手前側(前側)で天板枠6の前部に上面配置となるように、
誘導加熱コイル4及びラジエントヒータ5の通電制御や発熱制御等を行うためのスイッチ
操作部13を備えた操作部15を備えている。本体部2の上面部6Tの下面に、合成樹脂
製の操作ケース41の上壁がネジ等の取り付けにて配置され、本体部2内には、操作部1
5の下方に、操作基板40が操作ケース41内にネジにて、略水平状態に取り付けられて
収納されている。操作基板40の上面には、スイッチ操作部13に対応して、誘導加熱コ
イル4及びラジエントヒータ5の通電制御や発熱制御等を行うための複数の調理用等のス
イッチ42と、LED表示部14に対応して、各スイッチ42のON―OFF操作に基づ
き発光・非発光となるLED44が取り付けられている。LED表示部14は、LED4
4の光が天板3の前部を透過する部分を意味する。操作ケース41は、上壁41Aと周囲
を取り囲む側壁41Bとによって下面が開放した有底筐体状である。
【0025】
各スイッチ42には、ON―OFF用作動部43が上部に設けられ、操作ケース41の
上壁41Aには、各スイッチ42の作動部43に対応して、それぞれ上下動自在な可動部
であるキートップ46が形成されている。キートップ46は、図6及び図7に示すように
、操作ケース41の上壁41Aと一体成形した左右一対の弾性部46Pに連結状態に一体
成形され、弾性部46Pによって、上下動可能に支持されている。また、操作ケース41
の上壁41Aには、各LED44に対応して、LED44の光が上方へ透過する光透過孔
47が形成されている。
【0026】
スイッチ42は、機能上関連するスイッチ42を一つの組として横並びに隣接配置して
おり、図に示す形態では、第1の組は、左側の3個の隣接配置のキートップ46(図6で
括弧内に46Aとして示すもの)に対応するスイッチ42の組であり、第2の組は、その
右側に離れて4個の隣接配置のキートップ46(図6で括弧内に46Bとして示すもの)
に対応するスイッチ42の組であり、更に第3の組は、その右側に離れて1個の隣接配置
のキートップ46(図6で括弧内に46Cとして示すもの)に対応するスイッチ42の組
として構成している。また、第4の組は、左端に2個の隣接配置のキートップ46(図6
で括弧内に46Dとして示すもの)に対応するスイッチ42の組として構成している。
【0027】
操作基板40が操作ケース41に取り付けられた状態において、各スイッチ42の作動
部43が各キートップ46の下面に当接または近接状態となる。実施例では、各スイッチ
42の作動部43の上面とキートップ46の下面とは、0.3mmの隙間を存して対峙し
ている。
【0028】
操作ケース41の上面には、第1の組の3個のスイッチ42に対応する3個のキートッ
プ46(図6 で括弧内に示すキートップ46A)が配置される部分を若干上方へ膨出形
成した第1の台座部49Aを形成し、また、第2の組の4個のスイッチ42に対応する4
個のキートップ46(図6で括弧内に示すキートップ46B)が配置される部分を若干上
方へ膨出形成した第2の台座部49Bを形成し、また、第3の組の1個のスイッチ42に
対応する1個のキートップ46(図6で括弧内に示すキートップ46C)が配置される部
分を若干上方へ膨出形成した第3の台座部49Cを形成し、更に、第4の組の2個のスイ
ッチ42に対応する2個のキートップ46(図6で括弧内に示すキートップ46D)が配
置される部分を若干上方へ膨出形成した第4の台座部49Dを形成している。
【0029】
図に示す実施例では、第1の組の3個のスイッチ42(図6で括弧内に示すキートップ
46Aに対応するもの)は、ラジエントヒータ5の通電ON−OFFする1個のスイッチ
と、ラジエントヒータ5の発熱をアップ及びダウンさせるための2個のスイッチで構成し
ている。また、第2の組の4個のスイッチ42(図6で括弧内に示すキートップ46Bに
対応するもの)は、誘導加熱コイル4の通電ON−OFFする1個のスイッチと、誘導加
熱コイル4の発熱を強・中・弱を選択するための3個のスイッチで構成している。また、
第3の組の1個のスイッチ42(図6で括弧内に示すキートップ46Cに対応するもの)
は、加熱調理器1の電源のON−OFFスイッチである。更に、第4の組の2個のスイッ
チ42(図6で括弧内に示すキートップ46Dに対応するもの)は、加熱調理器1の上方
に設置した換気扇(図示せず)のON−OFFスイッチと、加熱調理器1の上面を照らす
照明灯のON−OFFスイッチである。
【0030】
スイッチ操作部13は、天板枠6の前部上面、即ち、本体部の上面部6Tに貼付される
合成樹脂製の表面シート60に形成されており、各キートップ46A、46B、46C、
46Dに対応するように、上下方向に撓む押圧用エンボス部として上方へ膨出形成されて
いる。スイッチ操作部13は、文字や図柄等によって操作部を目視可能に表示している。
スイッチ操作部13は、各キートップ46A、46B、46C、46Dの上面よりも上方
へ若干湾曲状に膨出した形状に成形されたものであってもよい。
【0031】
操作部15に対応して、本体部の上面部に相当する天板枠6には、各台座部49A、4
9B、49C、49Dがそれぞれ嵌り合うスイッチ操作孔45A、45B、45C、45
Dが形成され、各台座部は各スイッチ操作孔に嵌り合う関係である。
【0032】
即ち、第1の台座部49Aは、第1のスイッチ操作孔45(図6で括弧内に45Aとし
て示すもの)に嵌り合う関係であり、四角形状の第1の台座部49Aの四辺が、四角形状
の第1のスイッチ操作孔45Aに若干の融通性をもつ状態で嵌り合う関係である。この状
態は、図5に示す。これと同様に、第2の台座部49Bは、第2のスイッチ操作孔45(
図6で括弧内に45Bとして示すもの)に嵌り合う関係であり、四角形状の第2の台座部
49Bの四辺が、四角形状の第2のスイッチ操作孔45Bに若干の融通性をもつ状態で嵌
り合う関係である。また、第3の台座部49Cは、第3のスイッチ操作孔45(図6で括
弧内に45Cとして示すもの)に嵌り合う関係であり、四角形状の第3の台座部49Cの
四辺が、四角形状の第3のスイッチ操作孔45Cに若干の融通性をもつ状態で嵌り合う関
係である。また、第4の台座部49Dは、第4のスイッチ操作孔45(図6で括弧内に4
5Dとして示すもの)に嵌り合う関係であり、四角形状の第4の台座部49Dの四辺が、
四角形状の第4のスイッチ操作孔45Dに若干の融通性をもつ状態で嵌り合う関係である

【0033】
操作ケース41の上壁41Aの上面には、図5に示すように、操作ケース41が本体部
2の上面部6Tの下面に取り付けられた状態で、本体部2の上面部6Tの下面に当接する
平坦な取り付け面52を形成している。各台座部49A、49B、49C、49Dは、こ
の取り付け面52内に配置され、取り付け面52よりも高く形成されており、その高さは
、操作ケース41が取り付けられる部分の本体部2の上面部6Tの板の厚さと同等である
。また、各キートップ46A、46B、46C、46Dは、各台座部49A、49B、4
9C、49Dよりも若干高く形成されている。
【0034】
これによって、図5に示すように、操作基板40を取り付けた操作ケース41が、本体
部2の上面部6Tの下面に取り付けられた状態で、各台座部49A、49B、49C、4
9Dが、それぞれ対応するスイッチ操作孔45A、45B、45C、45Dに嵌り合い、
各台座部49A、49B、49C、49Dの上面は、本体部2の上面部6Tの上面と同等
レベルとなる。このため、本体部2の上面部6Tの上面から各台座部49A、49B、4
9C、49Dに亘って貼着される表面シート60は、平坦に貼着される状態となる。また
、操作ケース41が本体部2の上面部6Tの下面に取り付けられた状態で、各キートップ
46A、46B、46C、46Dの上面は、本体部2の上面部6Tより若干高い位置とな
り、その状態で、各キートップ46A、46B、46C、46Dの上面は、対応する表面
シート60のスイッチ操作部13の裏側に当接または近接する。この状態で、キートップ
46はスイッチ操作孔45に非接触状態で上下動可能であり、スイッチ操作部13の押圧
にて対応するキートップ46が押圧され、それによって作動部43が押圧されてスイッチ
42が作動する。
【0035】
図5に示すように、操作ケース41が本体部2の上面部6Tの下面に取り付けられた状
態で、各LED44の光は、対応する各光透過孔47を通して、天板3を透過する光が天
板3の上面のLED表示部14から目視できる状態となる。
【0036】
操作ケース41の上壁41Aの上面には、各台座部49A、49B、49C、49Dの
上面よりも低い位置に、隔壁51(図示の51A及び51B)によって各台座部49A、
49B、49C、49Dを取り囲むように、受液溝50を形成している。実施例の構造で
は、図1及び図5に示すように、各台座部49A、49B、49C、49Dが配置された
取り付け面52を取り囲むように、隔壁51の一部分として隔壁51Aが巡らされ、取り
付け面52と隔壁51Aとの間に、隔壁51Aで囲まれた受液溝50A(図5及び図6に
括弧内に記載)が形成されている。
【0037】
また、実施例の構造では、図1及び図5に示すように、操作ケース41が本体部2の上
面部6Tの下面に取り付けられた状態で、LED表示部14が天板3の上面の一部分とな
るため、操作ケース41のLED44対応の光透過孔47の部分が、各台座部49A、4
9B、49C、49Dに対応する部分よりも一段低くなっている。このため、受液溝50
は、上段の受液溝50A(図5及び図6に括弧内に記載)と段差部53にて連続した下段
の受液溝50B(図5及び図6に括弧内に記載)とによって構成されている。光透過孔4
7と受液溝50Bの間は、隔壁51の一部分として受液溝50Bを取り囲む隔壁51Bが
存在する。
【0038】
図1及び図5に示すように、操作ケース41が本体部2の上面部6Tの下面に取り付け
られた状態において、表面シート60の端部から表面シート60の裏側へ侵入した煮汁な
どの液体は、受液溝50Aに流入し、各キートップ46A、46B、46C、46Dから
下方のスイッチ42や操作基板40に流下することがない。また、受液溝50Aに流入し
た煮汁などの液体のうち、下段の受液溝50Bに流下したものは、受液溝50Bを取り囲
む隔壁51Bの左端部及びまたは右端部に形成した排液口54から操作ケース41の側壁
41Bを伝って下方へ排出される。このため、スイッチ42や操作基板40に流下するこ
とがなく、また、LED44及びそれに係る操作基板40の電気回路へ煮汁などの液体が
流下することもない。このため、従来のように防水カバーを設ける必要がなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る加熱調理器は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態のもの
に適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0040】
1・・・・・加熱調理器
2・・・・・本体部
2A・・・・本体部の底壁
3・・・・・天板
4・・・・・誘導加熱コイル
5・・・・・ラジェントヒータ
6・・・・・天板枠
6T・・・・天板枠の前部上面
7・・・・・台所設備台(流し台)
7A・・・・上面板
8、9・・・調理容器載置部
13・・・・操作スイッチ部
14・・・・LED表示部
15・・・・操作部
16・・・・排気部
40・・・・操作基板
41・・・・操作ケース
42・・・・スイッチ
43・・・・スイッチの作動部
44・・・・LED
45・・・・スイッチ操作孔
45A、45B、45C、45D・・・・スイッチ操作孔
46・・・・キートップ
46A、46B、46C、46D・・・・キートップ
47・・・・光透過孔
48・・・・貫通孔
49A・・・第1の台座部
49B・・・第2の台座部
49C・・・第3の台座部
49D・・・第4の台座部
50・・・・受液溝
50A・・・上段の受液溝
50B・・・下段の受液溝
51・・・・隔壁
51A・・・上段の受液溝の隔壁
51B・・・下段の受液溝の隔壁
52・・・・操作ケースの取り付け面
54・・・・排液口
60・・・・表面シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押圧用エンボス
部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、前記本体部の上面部に貼付された加熱調
理器において、前記スイッチを備えた操作基板を収納する操作ケースが前記本体部の上面
部の下面に配置され、前記操作ケースの上壁には前記本体部の上面部に形成したスイッチ
操作孔に嵌り合う台座部とこの台座部内に前記スイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能
なキートップを備え、前記操作ケースの上壁の上面には前記台座部よりも低い位置に前記
台座部を取り囲むように受液溝を形成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
本体部内に配置したスイッチの作動部に対応する位置に上方へ膨出した押圧用エンボス
部にてスイッチ操作部を形成した表面シートが、前記本体部の上面部に貼付された加熱調
理器において、前記スイッチ及び前記スイッチの操作に基づき発光・非発光となるLED
を備えた操作基板を収納する操作ケースが前記本体部の上面部の下面に配置され、前記操
作ケースの上壁には前記本体部の上面部に形成したスイッチ操作孔に嵌り合う台座部とこ
の台座部内に前記スイッチ操作孔に非接触状態で上下動可能なキートップと前記LEDの
光を上方へ透過する光透過孔を備え、前記操作ケースの上壁の上面には、前記光透過孔と
の間に隔壁を存して前記台座部よりも低い位置に前記台座部を取り囲むように受液溝を形
成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
前記操作ケースが前記本体部の上面部の下面に配置された状態で、前記台座部が前記ス
イッチ操作孔を通して前記本体部の上面部と同等レベルであると共に、前記キートップが
前記本体部の上面部より高い位置にて前記スイッチ操作部の下面に当接または近接するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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