説明

加熱調理器

【課題】故障と誤解されるのを防ぐことができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、戻るキー、取り消しキー、手動キーおよびあたためスタートキーへの予め設定された操作に応じて、宣伝のための複数のデモンストレーション画像を順次表示するカラー液晶パネルと、カラー液晶パネルを覆うタッチパネルと、カラー液晶パネルの表示を制御する制御装置200とを備える。複数のデモンストレーション画像は、ユーザに見せることだけを目的とする画像を含む。また、制御装置200は、複数のデモンストレーション画像のうち、ユーザに見せることだけを目的とする画像がカラー液晶パネルに表示されているか否かを判定して、ユーザに見せることだけを目的とする画像がカラー液晶パネルに表示されていると判定したときは、タッチパネルへのタッチ入力を拒否する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器としては、特開2008−57871号公報(特許文献1)に記載されているように、複数の加熱方法を表示可能な液晶表示部と、この複数の加熱方法のうちの1つをスタートさせるスタートキーとを備えたものがある。
【0003】
ところで、上記従来の加熱調理器において、液晶表示部が宣伝のための画像(以下、「宣伝画像」と言う。)を表示できるようにすれば、宣伝画像を表示する例えば液晶テレビを販売店に設置しなくてもよくなるので、販売促進費用の削減に繋がる。
【0004】
さらに、上記従来の加熱調理器において、液晶表示部を覆うタッチパネルを採用すれば、直感的な操作を行えるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、ユーザがタッチパネルにタッチしたとき、宣伝画像の表示が終了するようにしたなら、液晶表示部などが故障したとユーザに誤解されてしまうという問題が生じる。
【0006】
ユーザは意識せずにタッチパネルによくタッチするので、上記問題の発生頻度は高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−57871号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、故障と誤解されるのを防ぐことができる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、被加熱物を収容する加熱庫と、
上記ケーシングに設けられ、ユーザが操作する操作部と、
表示部と、
上記表示部を覆うタッチパネルと、
上記表示部に、上記操作部への予め設定された操作に応じて、宣伝のための複数のデモンストレーション画像を順次表示させる表示制御装置と
を備え、
上記複数のデモンストレーション画像は、ユーザに見せることだけを目的とする非体験用デモンストレーション画像を含み、
上記表示制御装置は、
上記表示部が上記非体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する第1表示判定部と、
上記第1表示判定部によって、上記表示部が上記非体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、上記タッチパネルへのタッチ入力を拒否するタッチ入力拒否部と
を有することを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上記第1表示判定部は、表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する。そして、上記第1表示判定部によって、表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、タッチ入力拒否部がタッチパネルへのタッチ入力を拒否する。したがって、上記表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているときに、ユーザがタッチパネルにタッチしても、非体験用デモンストレーション画像の表示が継続する。その結果、ユーザが故障と誤解するのを防ぐことができる。
【0011】
また、上記表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているときに、ユーザがタッチパネルにタッチしても、非体験用デモンストレーション画像の表示が継続するので、ユーザは非体験用デモンストレーション画像を確実に視認できる。
【0012】
一実施形態の加熱調理器では、
上記複数のデモンストレーション画像は、上記タッチパネルへのタッチ入力をユーザに体験させるための体験用デモンストレーション画像を含み、
上記表示制御装置は、
上記表示部が上記体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する第2表示判定部と、
上記第2表示判定部によって、上記表示部が上記体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、上記タッチパネルへのタッチ入力に応じて上記表示部の表示を切り替える表示切替部と
を有する。
【0013】
上記実施形態によれば、上記第2表示判定部は、表示部が体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する。そして、上記第2表示判定部によって、表示部が体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、表示切替部がタッチパネルへのタッチ入力に応じて表示部の表示を切り替える。したがって、ユーザはタッチパネルへのタッチ入力を体験できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の加熱調理器によれば、表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する第1表示判定部と、第1表示判定部によって、表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、タッチパネルへのタッチ入力を拒否するタッチ入力拒否部とを有する表示制御装置を備えることによって、表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているときに、ユーザがタッチパネルにタッチしても、非体験用デモンストレーション画像の表示が終了しないので、ユーザが故障と誤解するのを防ぐことができる。
【0015】
また、上記表示部が非体験用デモンストレーション画像を表示しているときに、ユーザがタッチパネルにタッチしても、非体験用デモンストレーション画像の表示が終了しないので、ユーザは非体験用デモンストレーション画像を確実に視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の一実施形態の加熱調理器の正面斜視図である。
【図2】図2は上記加熱調理器の縦断面の模式図である。
【図3】図3は上記加熱調理器の操作パネルの概略正面図である。
【図4】図4は図3のF4−F4線矢視の模式断面図である。
【図5】図5は上記加熱調理器の制御ブロック図である。
【図6】図6は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図7】図7は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図8】図8は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図9】図9は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図10】図10は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図11】図11は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図12】図12は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図13】図13は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図14】図14は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図15】図15は上記加熱調理器のカラー液晶パネルに表示されたデモンストレーションを示す図である。
【図16A】図16Aは上記加熱調理器の制御装置の画面制御を説明するためのフローチャートである。
【図16B】図16Bは上記加熱調理器の制御装置の画面制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の表示装置を図示の実施形態により詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態の表示装置を備える加熱調理器の正面斜視図である。
【0019】
上記加熱調理器は、直方体形状のケーシング1の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉2が取り付けられている。この扉2の上部にハンドル3を取り付けると共に、扉2の略中央に耐熱ガラス4を取り付けている。また、扉2の右側に操作パネル5を設けている。この操作パネル5は、カラー液晶表示部6とボタン群7を有している。また、ケーシング1の上側かつ右側後方に排気ダクト8を設けている。さらに、ケーシング1の扉2の下方に、露受容器9を着脱自在に取り付けている。
【0020】
図2は上記加熱調理器の縦断面の模式図である。
【0021】
上記加熱調理器は、水タンク11から蒸気発生装置12に水を供給する。蒸気発生装置12は水タンク11からの水を加熱して飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示せず)を介して、加熱庫13の右側面に取り付けられた循環ユニット14の蒸気吸込口15の加熱庫13側に供給される。
【0022】
上記蒸気供給通路に接続された蒸気供給管34を、加熱庫13の右側面と平行になるように、循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に取り付けている。また、循環ユニット14内には、蒸気吸込口15に対向するように循環ファン18を配置している。循環ファン18は、ファンモータ19によって回転駆動される。
【0023】
上記加熱庫13の上面および左側面を覆うように、L字状に屈曲した蒸気ダクト100を取り付けている。この蒸気ダクト100は、加熱庫13の上面側に固定された第1ダクト部110と、第1ダクト部110の左側方から下側に屈曲する屈曲部120と、加熱庫13の左側面側に固定され、屈曲部120を介して第1ダクト部110に連なる第2ダクト部130とを有している。
【0024】
この蒸気ダクト100の第1ダクト部110に、過熱蒸気生成ヒータ20を収納している。蒸気ダクト100の第1ダクト部110と過熱蒸気生成ヒータ20とで過熱蒸気生成装置21を構成している。なお、過熱蒸気生成装置は、蒸気ダクトとは別に設けてもよい。
【0025】
そして、上記蒸気ダクト100の第1ダクト部110の右側は、循環ユニット14の上部に設けられた蒸気供給口22に連通している。加熱庫13の天面には、複数の第1蒸気吹出口24が設けられており、蒸気ダクト100の第1ダクト部110は、第1蒸気吹出口24を介して加熱庫13内に連通している。一方、蒸気ダクト100の第2ダクト部130は、加熱庫13の左側面に設けられた複数の第2蒸気吹出口25を介して加熱庫13内に連通している。
【0026】
上記加熱庫13と蒸気ダクト100との隙間は、耐熱樹脂などによりシールされている。また、加熱庫13と蒸気ダクト100は、加熱庫13の前面開口を除いて断熱材により覆われている。
【0027】
上記循環ユニット14と過熱蒸気生成装置21と加熱庫13とそれらを接続する接続部材とによって、蒸気の循環経路が形成されている。そして、この循環経路における循環ユニット14の加熱庫13との境界部に、蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気が供給される。
【0028】
また、上記ケーシング1内の下側には、冷却ファン部(図示せず)と、電装部品17と、マグネトロン80(図5に示す)を配置している。電装部品17は、加熱調理器の各部を駆動する駆動回路やこの駆動回路を制御する制御回路などを有している。また、マグネトロン80で発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)によって加熱庫13の下部中央に導かれ、モータ37によって駆動される回転アンテナ38によって攪拌されながら加熱庫13内の上方に向かって放射されて被加熱物27を加熱する。
【0029】
図3は、図1の操作パネル5を拡大した概略図である。
【0030】
上記ボタン群7は、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74で構成されている。戻るキー71は、後述するカラー液晶パネル61の画面表示を直前の画面表示に戻すときに押す。また、取り消しキー72は、途中で加熱をやめるときや、操作を取り消すときに押す。そして、手動キー73は、高周波出力および加熱出力を手動で設定するときに押す。また、あたためスタートキー74は、加熱を開始するときに押す。なお、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74は、本発明の操作部の一例である。
【0031】
図4は、図3のF4−F4線から見た模式断面図である。
【0032】
上記カラー液晶表示部6は、カラー液晶パネル61上にタッチパネル62を重ねて構成される。このカラー液晶パネル61は、文字、数字、写真などをカラー表示できるものであり、加熱の種類、料理名、加熱時間、温度、料理の写真などを表示する。また、タッチパネル62は、ユーザがタッチすると表面電荷を変化させる透明素材からなる静電容量方式のタッチパネルである。これにより、ユーザはタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される画像を選択できるようになっている。また、ユーザがタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される選択可能な画像を選択すると、その画像の色が変わるようになっている。つまり、カラー液晶パネル61に表示される画像は、選択状態の色が非選択状態の色と異なるようになっている。なお、タッチパネル62は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式または電磁誘導方式のタッチパネルに換えてもよい。また、カラー液晶パネル61は本発明の表示部の一例である。
【0033】
図5は上記加熱調理器の制御ブロック図である。
【0034】
上記加熱調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置200を電装品部17(図2に示す)内に備えている。制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,扉開閉センサ95,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,庫内温度センサ29,解凍センサ50,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80が接続されている。操作パネル5からの信号および庫内温度センサ29,解凍センサ50,扉開閉センサ95からの検出信号に基づいて、制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,希釈ファン用モータ38,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80などを制御する。なお、制御装置200は本発明の表示制御装置の一例である。
【0035】
また、上記制御装置200は、経過時間の計測などを行うタイマ210を含んでいる。後述する画面制御では、タイマ210の出力信号が使用される。
【0036】
上記構成の加熱調理器において、過熱蒸気(100℃を越える過熱状態にまで加熱された蒸気)によって加熱調理を行う場合には、図2に示す過熱蒸気生成ヒータ20をオンすると共に、循環ファン18を回転駆動する。そうして、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ファン18の回転によって負圧になっている循環ユニット14内に蒸気吸込口15を介して吸い込まれて、蒸気供給口22から過熱蒸気生成装置21内に吹き出される。そして、過熱蒸気生成装置21の過熱蒸気生成ヒータ20によって加熱されて過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の加熱庫13の天面に設けられた複数の第1蒸気吹出口24から、加熱庫13内に下方に向かって吹き出す。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気ダクト100を介して加熱庫13の第2蒸気吹出口25から加熱庫13内に吹き出す。
【0037】
そして、上記加熱庫13内に供給された過熱蒸気は、トレイ30上の網40に搭載された被加熱物27を加熱した後、加熱庫13の右壁面に循環ユニット14の蒸気吸込口15に対向して形成された吸込口28から循環ユニット14内に吸い込まれる。そうして、再び循環経路を通って加熱庫13内に戻るという循環を繰り返す。
【0038】
これに対して、非過熱蒸気によって被加熱物27を蒸すかまたは暖める運転を行う場合には、過熱蒸気生成ヒータ20をオフすると共に、循環ファン18を停止する。そうすると、循環ファン18が停止しているため、循環経路内に循環気流が発生することがなく、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ユニット14内に強制的に吸い込まれない。これにより、蒸気圧によって自然に加熱庫13内に流れ込む飽和水蒸気により、被加熱物27を蒸すかまたは暖める。
【0039】
ここで、上記加熱庫13内の左壁面および右壁面には、図2に示すように、トレイ30の両端部を係止する係止部39a,39b,39cが上下方向に3段に設けられている。そして、蒸気供給管34は、上段の係止部39aよりもやや上側に位置するように配置されている。「蒸し暖めモード」において、被加熱物27を搭載した2つのトレイ30を上段と中段とに配置する場合には、蒸気導入室36内に架設された蒸気供給管34の総てのノズル(図2の34の円形部の左側開口)を加熱庫13方向に斜め下向きにしておく。こうすることにより、被加熱物27を搭載したトレイ30が上段および中段の何れの位置にあっても、蒸気供給管34の斜め下向きのノズルから引き出された飽和水蒸気を被加熱物27に当てることができる。したがって、蒸気供給管34のノズルからの吹き出し方向を操作することなく、上中2段の被加熱物27に蒸し斑や暖め斑が生ずることがないようにできる。
【0040】
また、上記加熱調理器では、通常の操作とは異なるデモンストレーション開始操作(例えば、戻るキー71と手動キー73を同時に10秒間継続押し)をボタン群7に行うと、カラー液晶パネル61が図6〜図15の宣伝のためのデモンストレーション画像G1〜G10を順次表示するようになる。デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9はユーザに見せることだけを目的とする画像である。また、デモンストレーション画像G6,G8,G10はタッチパネル62へのタッチ入力をユーザに体験させるための画像である。なお、デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9は本発明の非体験用デモンストレーション画像の一例である。また、デモンストレーション画像G6,G8,G10は本発明の体験用デモンストレーション画像の一例である。
【0041】
上記デモンストレーション画像G6,G8,G10には手が描かれている。ユーザが、その手の人差し指に重なるように、タッチパネル62をタッチすると、カラー液晶パネル61の表示が切り替わるようになっている。より詳しくは、ユーザが、デモンストレーション画像G6内の手の人差し指に重なるように、タッチパネル62にタッチすると、デモンストレーション画像G6がデモンストレーション画像G7に切り替わる。また、ユーザが、デモンストレーション画像G8内の手の人差し指に重なるように、タッチパネル62にタッチすると、デモンストレーション画像G8がデモンストレーション画像G9に切り替わる。また、ユーザが、デモンストレーション画像G10内の手の人差し指に重なるように、タッチパネル62にタッチすると、デモンストレーション画像G10がデモンストレーション画像G1に切り替わる。このように、ユーザがタッチパネル62へのタッチ入力を体験できるようになっている。
【0042】
図16A,図16Bは、上記制御装置200のカラー液晶パネル61への画面制御を説明するためのフローチャートである。この画面制御は、上記デモンストレーション開始操作が行われるとスタートする。
【0043】
上記画面制御がスタートすると、まず、図16AのステップS1で、トップ画像(デモンストレーション画像G1)をカラー液晶パネル61に表示させる。
【0044】
次に、ステップS2で、カラー液晶パネル61はユーザに見せることだけを目的とする画像(デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9)を表示しているかを判定する。このステップS2で、カラー液晶パネル61はユーザに見せることだけを目的とする画像を表示していると判定すると、次のステップS3に進む。一方、ステップS2で、カラー液晶パネル61はユーザに見せることだけを目的とする画像を表示していないと判定すると、図16BのステップS11に進む。ここで、カラー液晶パネル61はユーザに見せることだけを目的とする画像を表示していないと判定することは、カラー液晶パネル61はタッチパネル62へのタッチ入力をユーザに体験させるための画像(デモンストレーション画像G6,G8,G10)を表示していると判定することと同義である。また、図16BのステップS11に進んだ場合については後述する。なお、ステップS2は、本発明の第1表示判定部の一例であり、かつ、本発明の第2表示判定部の一例である。
【0045】
次に、図16AのステップS3で、タッチパネル62へのタッチ入力があったか否かを判定する。このステップS3で、タッチパネル62へのタッチ入力があったと判定されると、次のステップS4に進む。一方、ステップS3で、タッチパネル62へのタッチ入力がないと判定すると、ステップS5に進む。
【0046】
上記ステップS4に進んだ場合、タッチパネル62へのタッチ入力を拒否した後、次のステップS5に進む。つまり、ステップS4では、タッチパネル62へのタッチ入力は受け付けないようにして、次のステップS5に進む。なお、ステップS4は本発明のタッチ入力拒否部の一例である。
【0047】
上記ステップS5に進んだ場合、扉2の開閉操作が有ったか否かを判定すると共に、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の押下操作が有ったか否かを判定する。つまり、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が有ったか否かを判定する。このステップS5で、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が無かったと判定すると、次のステップS6に進む。一方、ステップS5で、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が有ったと判定すると、画面制御が終了して、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G1〜G10を表示しなくなる。
【0048】
次に、ステップS6で、カラー液晶パネル61が現画像を表示してから、予め設定された時間(例えば5秒)が経過したか否かを判定する。このステップS6で、上記時間が経過したと判定すると、次のステップS7に進む。一方、ステップS6で、上記時間が経過していないと判定すると、ステップS3に戻る。
【0049】
次に、ステップS7で、カラー液晶パネル61の表示を切り替えた後、ステップS2に戻る。このカラー液晶パネル61の表示の切り替えにより、デモンストレーション画像G1〜G10のうち次に表示させるべき画像がカラー液晶パネル61に表示される。例えば、ステップS7の直前に、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G3を表示していたなら、ステップS7で、デモンストレーション画像G4がカラー液晶パネル61に表示される。また、ステップS7の直前に、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G8を表示していたなら、ステップS7で、デモンストレーション画像G9がカラー液晶パネル61に表示される。なお、ステップS7は本発明の表示切替部の一例である。
【0050】
また、上記ステップS2から図16BのステップS11に進んだ場合、まず、ステップS11で、扉2の開閉操作が有ったか否かを判定すると共に、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の押下操作が有ったか否かを判定する。つまり、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が有ったか否かを判定する。このステップS11で、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が無かったと判定すると、次のステップS12に進む。一方、ステップS11で、扉2、戻るキー71、取り消しキー72、手動キー73およびあたためスタートキー74の操作が有ったと判定すると、画面制御が終了して、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G1〜G10を表示しなくなる。
【0051】
次に、ステップS12で、タッチパネル62へのタッチ入力が有ったか否かを判定する。このステップS12で、タッチパネル62へのタッチ入力が無かったと判定すると、ステップS11に戻る。一方、ステップS12で、タッチパネル62へのタッチ入力が有ったと判定すると、上述した図16AのステップS7に進む。
【0052】
このような画面制御が行われることによって、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9を表示しているときは、タッチパネル62へのタッチ入力があっても、デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9が他の画像に切り替わらない。したがって、ユーザが故障と誤解するのを防ぐことができる。
【0053】
また、上記カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9を表示しているときは、タッチパネル62へのタッチ入力があっても、デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9が他の画像に切り替わらないので、ユーザはデモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9を確実に視認できる。
【0054】
また、上記カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G6,G8,G10を表示しているときは、タッチパネル62へのタッチ入力に応じてカラー液晶パネル61の表示が切り替わる。したがって、ユーザはタッチパネル62へのタッチ入力を体験できる。
【0055】
上記実施形態では、タッチパネル62がカラー液晶パネル61の全部を覆っているが、タッチパネル62がカラー液晶パネル61の一部だけを覆うようにしてもよい。
【0056】
上記実施形態では、カラー液晶パネル61を操作パネル5に設けていたが、例えば、カラーEL(エレクトロルミネッセンス)表示部または白黒表示部を操作パネル5に設けてもよい。
【0057】
上記実施形態では、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G6,G8,G10を表示しているときに、ユーザがタッチパネル62をタッチすると、カラー液晶パネル61の表示が切り替わるようになっていたが、カラー液晶パネル61がデモンストレーション画像G6,G8,G10を表示しているときに、ユーザがタッチパネル62をタッチしても、カラー液晶パネル61の表示が切り替わらないようにしてもよい。つまり、通常の操作とは異なるデモンストレーション開始操作をボタン群7に行うと、タッチパネル62へのタッチに関係なく、デモンストレーション画像G1〜G10が予め設定された時間間隔で順次表示される処理が繰り返されるようにしてもよい。
【0058】
上記実施形態において、デモンストレーション画像G1〜G5,G7,G9を、タッチパネル62へのタッチ入力をユーザに体験させるための画像に替えてもよい。つまり、通常の操作とは異なるデモンストレーション開始操作がボタン群7に行われた後、カラー液晶パネル61が表示する画像は、タッチパネル62へのタッチ入力がなければ切り替わらないようにしてもよい。
【0059】
本発明の加熱調理器としては、例えば、過熱水蒸気を使用するオーブンレンジのみならず、過熱水蒸気を使用するオーブン、過熱水蒸気を使用しないオーブンレンジ、過熱水蒸気を使用しないオーブンなどがある。
【0060】
本発明の加熱調理器では、オーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱室内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して低酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。ここで、低酸素状態とは、加熱室内において酸素の体積%が10%以下(例えば1.0〜0.5%)である状態を指す。
【0061】
本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…ケーシング
2…扉
3…ハンドル
4…耐熱ガラス
5…操作パネル
6…カラー液晶表示部
7…ボタン群
8…排気ダクト
9…露受容器
11…水タンク
12…蒸気発生装置
13…加熱庫
14…循環ユニット
15…蒸気吸込口
17…電装部品
18…循環ファン
19…ファンモータ
20…過熱蒸気生成ヒータ
21…過熱蒸気生成装置
22…蒸気供給口
24…第1蒸気吹出口
25…第2蒸気吹出口
27…被加熱物
28…吸込口
30…トレイ
34…蒸気供給管
36…蒸気導入室
37…モータ
38…回転アンテナ
39a,39b,39c…係止部
40…網
61…カラー液晶パネル
62…タッチパネル
95…扉開閉センサ
100…蒸気ダクト
110…第1ダクト部
120…屈曲部
130…第2ダクト部
200…制御装置
210…タイマ
G1〜G10…デモンストレーション画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、被加熱物を収容する加熱庫と、
上記ケーシングに設けられ、ユーザが操作する操作部と、
表示部と、
上記表示部を覆うタッチパネルと、
上記表示部に、上記操作部への予め設定された操作に応じて、宣伝のための複数のデモンストレーション画像を順次表示させる表示制御装置と
を備え、
上記複数のデモンストレーション画像は、ユーザに見せることだけを目的とする非体験用デモンストレーション画像を含み、
上記表示制御装置は、
上記表示部が上記非体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する第1表示判定部と、
上記第1表示判定部によって、上記表示部が上記非体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、上記タッチパネルへのタッチ入力を拒否するタッチ入力拒否部と
を有することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上記複数のデモンストレーション画像は、上記タッチパネルへのタッチ入力をユーザに体験させるための体験用デモンストレーション画像を含み、
上記表示制御装置は、
上記表示部が上記体験用デモンストレーション画像を表示しているか否かを判定する第2表示判定部と、
上記第2表示判定部によって、上記表示部が上記体験用デモンストレーション画像を表示していると判定されたとき、上記タッチパネルへのタッチ入力に応じて上記表示部の表示を切り替える表示切替部と
を有することを特徴とする加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図16A】
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【図16B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−42108(P2012−42108A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183068(P2010−183068)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】