説明

加熱調理器

【課題】時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用・誤操作の防止をすること。
【解決手段】調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段5と入力制限情報をもとに入力手段3を制限する入力制限制御手段6を備え、入力キーのうち複数ある調理メニューの中から一つ又は複数を直接選べる調理メニュー登録キーに登録し、調理メニュー登録キーに登録した調理メニューだけを入力受け付け可とすることにより、よく使用する調理メニューに対し、元々の操作の回数よりも少なく調理開始状態まで設定できること、また登録された調理メニュー以外の選択ができなくなるので時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用・誤操作の防止となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用誤操作(例えば、調理選択間違いにより庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)を防止する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器は、ダイアルを複数用いて操作するキーの数を減らしたりして、操作性を改善している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、操作群をまとめ(電子レンジによる加熱操作キー群、ヒータによる加熱操作キー群、オート調理メニューの操作キー群というように分類して配置し、前記分類された操作キー群内で、加熱をするために必要な一連の操作を行ない完結させる)て操作性を分かり易くしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−138546号公報
【特許文献2】特開2004−324993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、操作回数を減らしたり、キー配置を整備したりすることにより、操作性の向上をはっているので、一般ユーザーには使い勝手のよいものとなっているが、使用する調理メニューが決まっている人(特に、お年寄りや子供)にとっては、その操作すらまだまだ難しい場合も多いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用誤操作(例えば、調理選択間違いにより、庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)の防止を行う加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、食品を加熱する加熱室と、前記加熱室へ高周波出力を供給する高周波発振器と、前記高周波発振器を制御する制御手段と、調理メニューの選択や加熱のための条件を入力する複数の入力キーを有する入力手段と、調理レシピや加熱制御状態を表示する表示手段と、調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段と、入力制限情報をもとに入力手段を制限する入力制限制御手段を備え、前記記憶手段は、前記入力キーのうち複数ある調理メニューや加熱のための条件の中から一つ又は複数を直接選べるよう調理メニュー登録キーに割り付けされた調理メニューを記憶し、かつ前記入力制限制御手段は、前記調理メニュー登録キーに登録した調理メニューのみを入力受け付け可能としたものである。
【0008】
これによって、よく使用する調理メニューに対し、元々の操作の回数よりも少なく調理開始状態まで設定できること、また登録された調理メニュー以外の選択ができなくなることとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の加熱調理器は、時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや
誤使用誤操作(調理選択間違いにより庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)の防止をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱調理器のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、食品を加熱する加熱室と、前記加熱室へ高周波出力を供給する高周波発振器と、前記高周波発振器を制御する制御手段と、調理メニューの選択や加熱のための条件を入力する複数の入力キーを有する入力手段と、調理レシピや加熱制御状態を表示する表示手段と、調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段と、入力制限情報をもとに入力手段を制限する入力制限制御手段を備え、前記記憶手段は、前記入力キーのうち複数ある調理メニューや加熱のための条件の中から一つ又は複数を直接選べるよう調理メニュー登録キーに割り付けされた調理メニューを記憶し、かつ前記入力制限制御手段は、前記調理メニュー登録キーに登録した調理メニューのみを入力受け付け可能とすることにより、よく使用する調理メニューに対し、元々の操作の回数よりも少なく調理開始状態まで設定できること、また登録された調理メニュー以外の選択ができなくなることとなり、時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用誤操作(調理選択間違いにより庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)の防止をすることができる。
【0012】
第2の発明は、特に、調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出し、仕上がり調節を変更した時、この変更内容は、調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出す場合にのみ反映され、通常操作で調理メニューを呼び出した場合には反映されないとすることにより、通常調理メニューと登録調理メニューの使い分けが行え、調理メニュー登録キーに登録された調理メニューを、使用者が好きなようにカスタマイズできるので、使用者の利便性が向上することができる。
【0013】
第3の発明は、特に、調理メニュー登録キーを入力手段の上方に配置することにより、入力制限をすると、使用できる入力キーが調理メニュー登録キーだけとなり、その操作位置が背丈の小さい子供には手が届きにくくなるので、小さい子供が不用意に入力キーを押すことやいたずらを防止でき、安全性を向上することができる。
【0014】
第4の発明は、特に、入力制限情報の切り替えを入力手段のキー入力の組み合わせにて行うとすることにより、特殊な装置を設置せずとも入力制限ができることとなり、構成を簡単にでき、コストの増加を抑制できる。
【0015】
第5の発明は、特に、携帯電話やリモコンの赤外線のような外部端末からの信号を受信する受信手段を備え、受信情報で入力制限情報の切り替えを行うとすることにより、離れた位置から入力制限を切替られること、入力キーを触ってたまたま入力制限情報切替設定モードになるということがなくなることとなり、誤操作が減り安全性が向上することができる。
【0016】
第6の発明は、特に、調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニュー登録キーで調理をした前回の調理時間を目安時間として表示手段に表示することにより、暫く使用しなかった後でも調理時間が把握できるので、段取りよい調理が可能となり、その時間内にできる他の用事を済ませることが可能となり使用者の利便性が向上することができる。
【0017】
第7の発明は、特に、報知手段を備え、調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニ
ュー登録キーで調理をした前回の調理時間を目安時間として報知することにより、暫く使用しなかった後でも、調理時間が把握できるので、段取りよい調理が可能となり、その時間内にできる他の用事を済ませることが可能となり、使用者の利便性が向上することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器のブロック図を示すものである。図2は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
【0020】
図1において、図示しない食品を加熱する加熱室と、前記加熱室へ高周波出力を供給する高周波発振器1と、高周波発振器1のオンオフや出力を制御する制御手段2と、メニューの選択や加熱のための条件を入力する複数の入力キーを有する入力手段3と、調理レシピや加熱制御状態を表示する表示手段4と、調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段5と入力制限情報をもとに入力手段3を制限する入力制限制御手段6を備えている。
【0021】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0022】
まず、登録したい調理メニューを、入力手段3を用いて呼び出す(ステップS1)。調理メニュー登録キーに調理メニューを登録する(ステップS2)。入力制限制御手段6を用いて調理メニュー登録キーのみ調理選択を可能に設定する(ステップS3)。食品を加熱室にいれ、調理メニュー登録キーを押下し、調理メニューを呼び出す(ステップS4)。この時、調理メニュー登録キー以外の調理メニュー選択キーを押下した場合は、表示手段4または報知手段7に受付無効の表示、あるいはアナウンスをするか無反応とする。
【0023】
調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出した場合、それが登録後初めて使用されるのか、2回目以降なのかを判定する(ステップS5)。使用回数が2回目以降の場合、前回調理した時に要した時間または前回までの調理に要した平均の時間を目安時間として表示する(ステップS6)。調理メニュー登録キーにて調理メニューを呼び出し、仕上がり調整等の条件を変更することは可能とする。しかし、その時は登録1回目の調理とみなし、目安時間はいったんクリアされる。入力手段3を用いて調理を開始する(ステップS7)。
【0024】
調理を開始すると制御手段2は、入力手段3で入力された情報や、記憶手段5及び高周波発振器1の情報などをもとに、加熱室の食品の加熱を行う。
【0025】
そして、調理が終了するまで待つ(ステップS8)。調理が終了したら、その時の仕上がり調整等の条件及び調理に要した時間を、記憶手段5に記憶する(ステップS9)。
【0026】
以上のように、本実施の形態においては、食品を加熱する加熱室と、前記加熱室へ高周波出力を供給する高周波発振器1と、この高周波発振器1を制御する制御手段2と、調理メニューの選択や加熱のための条件を入力する複数の入力キーを有する入力手段3と、調理レシピや加熱制御状態を表示する表示手段4と、調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段5と、入力制限情報をもとに入力手段3を制限する入力制限制御手段6を備え、記憶手段5は、入力キーのうち複数ある調理メニューや加熱のための条件の中から一つ又は複数を直接選べるよう調理メニュー登録キーに割り付けされた調理メニ
ューを記憶し、かつ前記入力制限制御手段6は、前記調理メニュー登録キーに登録した調理メニューのみを入力受け付け可能としたとすることにより、よく使用する調理メニューに対し、元々の操作の回数よりも少なく調理開始状態まで設定できること、また登録された調理メニュー以外の選択ができなくなることとなり時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用誤操作(調理選択間違いにより庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)の防止をすることができる。
【0027】
また、本実施の形態においては、調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出し、仕上がり調節を変更した時、変更内容は、調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出す場合にのみ反映され、通常操作で調理メニューを呼び出した場合には反映されないとすることにより、通常調理メニューと登録調理メニューの使い分けが行えることとなり、調理メニュー登録キーに登録された調理メニューを、使用者が好きなようにカスタマイズできるので、使用者の利便性が向上することができる。
【0028】
また、本実施の形態においては、調理メニュー登録キーを入力手段の上方に配置することにより、入力制限をすると、使用できる入力キーが調理メニュー登録キーだけとなり、その操作位置が背丈の小さい子供には手が届きにくくなることとなるので、小さい子供が不用意に入力キーを押すことやいたずら防止ができ、安全性を向上できる。
【0029】
また、本実施の形態においては、入力制限情報の切り替えを入力手段のキー入力の組み合わせにて行うとすることにより、特殊な装置を設置せずとも入力制限ができるとなり、構成を簡単にでき、コストを抑えることができる。
【0030】
また、本実施の形態においては、携帯電話やリモコンのような外部端末からの赤外線信号を受信する受信手段を備え、赤外線信号で伝播された受信情報で入力制限情報の切り替えを行うとすることにより、離れた位置から入力制限を切替られること、入力キーを触ってたまたま入力制限情報切替設定モードになるということがなくなることとなり、誤操作が減り安全性が向上することができる。
【0031】
また、本実施の形態においては、調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニュー登録キーで調理をした前回の調理時間を、目安時間として表示手段に表示することにより、暫く使用しなかった後でも調理時間が把握できるので、段取りよい調理が可能となり、その時間内にできる他の用事を済ませることが可能となり、使用者の利便性が向上することができる。
【0032】
また、本実施の形態においては、報知手段7を備え、調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニュー登録キーで調理をした前回の調理時間を目安時間として報知することにより、暫く使用しなかった後でも調理時間が把握できるので、段取りよい調理が可能となり、その時間内にできる他の用事を済ませることが可能となり、使用者の利便性が向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、時間短縮や簡単操作など使用者の操作性向上、及びいたずらや誤使用誤操作(調理選択間違いにより庫内皿が推奨と異なった場合の不具合発生)の防止が可能となるので、調理メニューの登録ができ、入力制御で調理メニューを登録した調理メニューのみを選択できるようなその他の各種の調理器等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 高周波発振器
2 制御手段
3 入力手段
4 表示手段
5 記憶手段
6 入力制限制御手段
7 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を加熱する加熱室と、前記加熱室へ高周波出力を供給する高周波発振器と、前記高周波発振器を制御する制御手段と、調理メニューの選択や加熱のための条件を入力する複数の入力キーを有する入力手段と、調理レシピや加熱制御状態を表示する表示手段と、調理メニューや調理情報及び入力制限情報を記憶する記憶手段と、入力制限情報をもとに入力手段を制限する入力制限制御手段を備え、
前記記憶手段は、前記入力キーのうち複数ある調理メニューや加熱のための条件の中から一つ又は複数を直接選べるよう調理メニュー登録キーに割り付けされた調理メニューを記憶し、かつ前記入力制限制御手段は、前記調理メニュー登録キーに登録した調理メニューのみを入力受け付け可能とした加熱調理器。
【請求項2】
調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出し、仕上がり調節を変更した時、変更内容は調理メニュー登録キーで調理メニューを呼び出す場合にのみ反映され、通常操作で調理メニューを呼び出した場合には反映されないとした請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
調理メニュー登録キーを入力手段の上方に配置とした請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
入力制限情報の切替を入力手段のキー入力の組み合わせにて行うとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
携帯電話やリモコンのような外部端末からの赤外線信号を受信する受信手段を備え、受信情報で入力制限情報の切替を行うとした請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニュー登録キーで調理をした前回の調理時間を目安時間として表示手段に表示するとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
報知手段を備え、調理メニュー登録キーを押下した時、調理メニュー登録キーで調理をした前回の調理時間を目安時間として報知するとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−53761(P2013−53761A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190308(P2011−190308)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】