説明

加熱調理器

【課題】複数の電気部品およびこれら電気部品を冷却するファンの配置効率がよく、コストダウンをも実現することができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】底板12と内箱との間には、マイクロ波を発生するマグネトロン31と、マグネトロン31の出力を変更するインバータ40と、マグネトロン31およびインバータ40を制御する制御基板70と、1個の冷却ファン50とが配置される。内箱の側面は、扉の開閉を検知し扉をロック制御するロック機構47が配置される。冷却ファン50は、風をインバータ40に送風するインバータ用送風路56と、風を制御基板70に送風する制御基板用送風路58と、冷却ファン50から送風される風をロック機構47に送風するロック機構用送風路とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、加熱室内に被加熱物を収容して加熱調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジなどの加熱調理器(以下、電子レンジという。)は、マグネトロン、インバータ、制御基板などの複数の電気部品をキャビネット内部に備える。これらの電気部品は発熱体であるため、電子レンジは、これらの電気部品を冷却し効率よく運転するための冷却ファンを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子レンジをはじめとするキッチンに設置される調理機器は、キッチンファニチャーに収納され統一感を持たせる場合がある。電子レンジはキッチンファニチャーに収納される際、電子レンジのキャビネット(外箱)と、このキャビネットと対向するキッチンファニチャーとの間の距離である設置寸法を小さくするという要望が増えている。その一方で、電子レンジには、庫内容量を確保することが求められている。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、複数の電気部品およびこれら電気部品を冷却するファンの配置効率がよく、コストダウンをも実現することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の加熱調理器は、本体の上面、側面および背面を形成するキャビネットと、前記キャビネットに収容され開口を有する加熱室を形成する内箱と、前記本体の前面を形成し前記開口を開閉する扉と、前記本体の底面を形成する底板と、前記底板と前記内箱との間に配置されマイクロ波を発生するマグネトロンと、前記底板と前記内箱との間に配置され前記マグネトロンの出力を変更するインバータと、前記底板と前記内箱との間に配置され少なくとも前記マグネトロンおよび前記インバータを制御する制御基板と、前記内箱の側面に配置され、前記扉の開閉を検知し前記扉をロック制御するロック機構と、1個のファンと、前記ファンから送風される風を前記インバータに送風するインバータ用送風路と、前記ファンから送風される風を前記制御基板に送風する制御基板用送風路と、前記ファンから送風される風を前記ロック機構に送風するロック機構用送風路とを備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る加熱調理器の一実施形態である電子レンジの正面図。
【図2】図1の電子レンジを正面から見た場合の概念的な縦断面図。
【図3】本実施形態における電子レンジの機能ブロック図。
【図4】底板に配置される電気部品のレイアウトを主に示す平面図。
【図5】内箱と底板に配置される電気部品とを示す正面図。
【図6】内箱と底板に配置される電気部品とを示す左側面図。
【図7】内箱と内箱および底板に配置される電気部品とを示す右側面図。
【図8】シロッコファンの外観斜視図。
【図9】冷却ファンの内部平面図。
【図10】冷却ファンの正面図。
【図11】インバータの内部平面図。
【図12】インバータの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る加熱調理器の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明に係る加熱調理器の一実施形態である電子レンジ1の正面図である。
【0010】
図2は、図1の電子レンジ1を正面から見た場合の概念的な縦断面図である。
【0011】
図3は、本実施形態における電子レンジ1の機能ブロック図である。
【0012】
本実施形態においては、図1の電子レンジ1の紙面手前を前側(正面側)、紙面奥を後側(奥側)、右および左をそれぞれ右側および左側と定義する。
【0013】
電子レンジ1は、本体10、扉13、および内箱14を有する。
【0014】
本体10は、本体10の上面、側面および背面を形成するキャビネット11と、底面を形成する底板12とを有する。内箱14は、キャビネット11に収容される。内箱14は、被加熱物を収容する加熱室15を形成する。内箱14は、電子レンジ1の前面に、加熱室15に被加熱物を出し入れする開口を有する。
【0015】
扉13は、本体10の前面に取付けられ、本体10の前面を形成する。扉13は、本体10の前面下部に設けられたヒンジ機構によって加熱室15の開口部を開閉可能にする。
【0016】
フラット皿16(固定皿)は、加熱室15の底面に配置され、フラット皿16上には被加熱物が配置される。
【0017】
扉13の例えば下側には、操作部20および表示部21が設けられる。
【0018】
操作部20は、調理メニューの手動または自動運転の選択、決定、加熱条件、自動調理メニューの種類の選択などを受け付ける。表示部21は、操作部20を介して使用者により行われた調理メニューの選択および設定や電子レンジ1の運転状態などを表示する。
【0019】
図2および図3に示すように、本体10は、マグネトロン31、ヒータ32、スチーム発生用ヒータ33などの加熱手段を所定位置に備える。電子レンジ1は、制御部30の指示に基づいて、これらの加熱手段により加熱室15に収容された被加熱物のレンジ調理、オーブン調理、スチーム調理などの調理を行う。制御部30は、後述する制御基板70であり、電子レンジ1の各部を電気的に制御する。
【0020】
マグネトロン31は、マイクロ波を発生させる。マイクロ波の出力は、インバータ40より供給される電源に応じて制御される。インバータ40(図3)は、複数の値に出力を変更する。
【0021】
図2に示すように、マグネトロン31から放射されるマイクロ波は、マグネトロン31に接続された導波管35を通り、回転アンテナ36の下面に流入する。マイクロ波は、回転アンテナ36によって撹拌された後、フラット皿16を透過し、加熱室15内に放射される。
【0022】
回転アンテナ36は、回転または停止することによりマイクロ波を加熱室15に伝播する。アンテナモータ41は、回転アンテナ36と軸41aで接続されたモータである。アンテナモータ41は、制御部30の制御信号に基づいて回転アンテナ36を回転および停止させる。アンテナモータ41は、ステッピングモータを用いることにより、回転速度を容易に変更できる。
【0023】
アンテナ位置検出部42は、例えばマイクロスイッチやフォトインタラプタなどであり、回転アンテナ36の回転角度や位置を検知する。アンテナ位置検出部42は、検出結果を制御部30へ供給する。
【0024】
ヒータ32は、例えば加熱室15の天井(上方)に設けられ、放射した熱によりオーブン調理を行う。スチーム発生用ヒータ33は、タンクより供給された水を加熱してスチームを発生させる。発生したスチームは、例えば内箱14の側面に設けられたスチーム供給孔から加熱室15に供給される。
【0025】
赤外線センサ45は、加熱室15の右側面上方に設けられ、加熱室15内(フラット皿16上)の赤外線を検知することで温度を検出する。赤外線センサ45は、単眼赤外線センサや複数眼の赤外線センサである。ブザー報知部46(図3)は、所定のタイミングにおいて使用者に通知を行うためのブザー音を制御部30の指示に基づいて出力する。ロック機構47は、扉13の状態を検知し、扉13のロック制御を行う。
【0026】
次に、本実施形態における電子レンジ1の本体10内部に配置される電気部品のレイアウトについて説明する。
【0027】
図4は、底板12に配置される電気部品のレイアウトを主に示す平面図である。
【0028】
図5は、内箱14と底板12に配置される電気部品とを示す正面図である。
【0029】
図6は、内箱14と底板12に配置される電気部品とを示す左側面図である。
【0030】
図7は、内箱14と内箱14および底板12に配置される電気部品とを示す右側面図である。
【0031】
図4に示すように、底板12(底板12と内箱14との間)には、冷却ファン50、インバータ40、マグネトロン31、制御基板70およびアンテナモータ41が配置される。
【0032】
冷却ファン50は、電子レンジ1に1個設けられる。冷却ファン50は、底板12の右後方に配置される。ここで、図8は、シロッコファン52の外観斜視図である。図9は、冷却ファン50の内部平面図である。図10は、冷却ファン50の正面図である。
【0033】
冷却ファン50は、ファンケース51内に収容されるシロッコファン(多翼羽根)52、ACファンモータ53、およびモータ取付板54を有する。
【0034】
冷却ファン50は、シロッコファン52を用いることにより、他のファン(プロペラファンなど)を用いる際に比べて冷却風量を多くすることができる。
【0035】
ACファンモータ53は、フォトトライアックを使用して駆動させることによりオーブン調理やスチーム調理時などレンジ調理に比べて冷却風の風量が小さくてよい場合においては、位相制御によりACファンモータ53の駆動電圧を小さくしACファンモータ53の回転数を落とすことができる。これにより、ACファンモータ53を静音化することができる。また、オーブン調理時には、不要に加熱室15の周囲を冷却することがないため、加熱室15内温度の立ち上がりに影響を及ぼさない。
【0036】
冷却ファン50は、冷却ファン50が配置される底板12上に設けられるパンチングである吸気孔より吸気し、ファンケース51に形成された3つの送風口55、57、59より冷却風を送風する。
【0037】
第1の送風口としてのインバータ用送風口55は、冷却ファン50の底板12への配置時においてファンケース51の左奥側に設けられる。図4および図9に示すように、ファンケース51は、インバータ用送風口55出口において、冷却風を電子レンジ1の右から左に向かって導くインバータ用送風路56を有する。
【0038】
第2の送風口としての制御基板用送風口57は、冷却ファン50の配置時においてファンケース51の左前側に設けられる。図4および図9に示すように、ファンケース51は、制御基板用送風口57出口において、冷却風を電子レンジ1の右後から左前に向かって斜めに導く制御基板用送風路58を有する。
【0039】
第3の送風口としてのロック機構・赤外線センサ用送風口(ロック機構等用送風口)59は、冷却ファン50の配置時においてファンケース51の右側中央に設けられる。図4、図7および図10に示すように、ファンケース51は、ロック機構等用送風口59出口において、冷却風を電子レンジ1の下から上に向かって導くロック機構・赤外線センサ用送風路(ロック機構等用送風路)60(後述)を有する。
【0040】
図4に示すように、インバータ40は、本体10(底板12)後側の長手方向(第1の長辺)に沿って主に配置される。また、インバータ40は、冷却ファン50の左隣であって、インバータ用送風口55より右から左方向に送風される冷却風の下流に位置する。
【0041】
ここで、図11は、インバータ40の内部平面図である。図12は、インバータ40の正面図である。
【0042】
インバータ40は、図11に示すように高周波トランス81、インバータ基板82、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)83、整流器84、および放熱フィン85を有し、インバータダクト86に収容される。
【0043】
インバータダクト86内においては、高周波トランス81は右側に、インバータ基板82は左側の奥側に、IGBT83および整流器84は左側の前側に、右から左に向かって順次配置される。
【0044】
インバータダクト86は、左右方向ダクト86a、前後方向ダクト86b、およびダクトカバー86cを有する。左右方向ダクト86aは、底板12の後側長手方向に沿って右から左に向かって伸びた部分であり、インバータ40の各部品を収容する。マグネトロン用送風路としての前後方向ダクト86bは、左右方向ダクト86aの左端部と接続し、図4に示すように底板12の左奥隅部12aの形状に沿って曲り、奥から手前方向に伸びた部分である。ダクトカバー86cは、左右方向ダクト86aおよび前後方向ダクト86bの上部を覆う。
【0045】
図4などに示すように、インバータダクト86は、冷却風取入口87、マグネトロン用送風口88、およびアンテナモータ用送風口89を有する。
【0046】
冷却風取入口87は、左右方向ダクト86aの右端部に設けられる。冷却風取入口87は、右隣に配置される冷却ファン50のインバータ用送風口55と接続され、右から左方向に供給される冷却風をインバータダクト86内に取り込む。
【0047】
マグネトロン用送風口88は、前後方向ダクト86bの前側端部に設けられる。マグネトロン用送風口88は、左右方向ダクト86aを流通し前後方向ダクト86bに導かれた冷却風を後から前方向に送風する。
【0048】
アンテナモータ用送風口89は、図12に示すように、左右方向ダクト86aの前側側壁に設けられる。アンテナモータ用送風口89は、左右方向ダクト86a内を右から左方向に流通する冷却風をインバータダクト86外に導き、主に電子レンジ1の右奥から左前方向に向かって斜めに冷却風を送風する。
【0049】
図4に示すように、マグネトロン31は、本体10(底板12)の左側短手方向(第1の短辺)に沿って、インバータ40の前後方向ダクト86bの端部近傍に、インバータ40と連続して配置される。すなわち、マグネトロン31は、インバータダクト86のマグネトロン用送風口88近傍に配置され、前後方向ダクト86b内を後から前方向に通流する冷却風の下流に位置する。
【0050】
制御基板70は、本体10(底板12)の前側長手方向(第2の長辺)に沿って配置される。すなわち、制御基板70は、インバータ40が配置される本体10(底板12)の奥側長手方向(第1の長辺)と対向する前側長手方向(第2の長辺)に沿って配置され、インバータ40と対向する位置に配置される。
【0051】
また、制御基板70は、冷却ファン50より前側であって、制御基板用送風口57より右後から左前方向に送風される冷却風の下流に位置する。制御基板70は、インバータ40より前側であって、アンテナモータ用送風口89より右後から左前方向に送風される冷却風の下流に位置する。制御基板70は、ノイズフィルタ、電源トランスおよびDCリレーなどを有する。
【0052】
図4に示すように、アンテナモータ41は、インバータ40と制御基板70との間、および冷却ファン50とマグネトロン31との間であって、電子レンジ1(底板12)の略中央に配置される。アンテナモータ41は、インバータダクト86のアンテナモータ用送風口89より右後から左前方向に送風される冷却風の下流に位置する。
【0053】
図7に示すように、内箱14の右側面には、ロック機構47および赤外線センサ45が配置される。すなわち、ロック機構47および赤外線センサ45は、マグネトロン31が配置される本体10(底板12)の左側短手方向(第1の短辺)と対向する右側短手方向(第2の短辺)に沿って配置され、マグネトロン31と対向する位置に配置される。
【0054】
ロック機構47は、内箱14の右側面の上方であって、電子レンジ1(内箱14)の前側に配置される。赤外線センサ45は、内箱14の右側面の上方であって、ロック機構47より奥側に配置される。
【0055】
ロック機構等用送風路60(ロック機構用送風路)は、内箱14の右側面に取付けられ、ファンケース51のロック機構等用送風口59から送風される冷却風を下から上方向に向かって導くダクトである。ロック機構等用送風路60は、ロック機構用送風口60aおよび赤外線センサ用送風口60bを有する。
【0056】
ロック機構用送風口60aは、ロック機構47の近傍において電子レンジ1の前方向に開口する。ロック機構用送風口60aは、冷却風を電子レンジ1の後から前方向や後側下方から前側上方に斜めに導く。
【0057】
赤外線センサ用送風口60bは、赤外線センサ45の近傍において電子レンジ1の上方向に開口する。赤外線センサ用送風口60bは、冷却風を電子レンジ1の下から上方向に導く。
【0058】
なお、ロック機構等用送風路60の形状とロック機構用送風口60aおよび赤外線センサ用送風口60bの位置は、ロック機構47および赤外線センサ45が配置される位置に応じて決定される。
【0059】
次に、本実施形態における電子レンジ1の作用について説明する。
【0060】
電子レンジ1はレンジ調理を行う場合、インバータ40、マグネトロン31、制御基板70、アンテナモータ41、ロック機構47および赤外線センサ45を動作させる。これら電気部品は動作時においては発熱体となり、電子レンジ1は冷却ファン50を駆動しこれらの電気部品を冷却させる。
【0061】
冷却ファン50は、ACファンモータ53を駆動し底板12の吸気孔より吸気する空気A(図10参照)からシロッコファン52で冷却風を発生させる。図4に示すように、冷却風W1は、インバータ用送風路56を通流し、インバータ用送風口55より右から左方向に放出される。
【0062】
冷却風W1は、冷却ファン50の左隣に設けられたインバータダクト86の冷却風取入口87よりインバータダクト86内に取り入れられる。図11に示すように、冷却風W1の一部は、左右方向ダクト86a内を通流し、高周波トランス81、インバータ基板82の順に冷却する。また、冷却風W1の一部は、高周波トランス81、IGBT84、整流器83の順に冷却する。
【0063】
インバータダクト86内においては、発熱量が大きい部品は右側に、発熱量が小さい部品は左側に配置される。すなわち、冷却風W1の上流に発熱量が大きい高周波トランス81が、下流に発熱量が高周波トランス81より小さいインバータ基板82やIGBT84、整流器83が配置される。これにより、電子レンジ1は、発熱量に応じて各電気部品を効率的に冷却することができる。
【0064】
図4に示すように、左右方向ダクト86aを通流した冷却風W1は、冷却風W2として前後方向ダクト86b内を後から前方向に通流し、冷却風W2はマグネトロン用送風口88から放出される。
【0065】
冷却風W2は、マグネトロン用送風口88近傍であり冷却風W2の下流に配置されたマグネトロン31に到達し、このマグネトロン31を冷却する。
【0066】
図4に示すように、インバータダクト86の左右方向ダクト86a内の冷却風W1の一部は、さらに冷却風W3としてアンテナモータ用送風口89から放出される。冷却風W3は、右後から左前方向に放出され、冷却風W3の下流に位置するアンテナモータ41に到達する。冷却風W3は、アンテナモータ41を冷却し、さらにアンテナモータ41よりも前側に配置された制御基板70を冷却する。
【0067】
図4に示すように、冷却風W4は、制御基板用送風口57より放出され、制御基板用送風路58により右後から左前方向に導かれる。冷却風W4は、冷却ファン50より前側に設けられた制御基板70に到達し、制御基板70を冷却する。
【0068】
また、図4および図10に示すように、冷却風W5はロック機構等用送風口59を経て、図7に示すロック機構等用送風路60に導かれる。冷却風W5の一部は、ロック機構用送風口60aから電子レンジ1の後より前方向に向かって放出される。放出された冷却風W5は、冷却風W5の下流に位置するロック機構47に到達し、ロック機構47を冷却する。
【0069】
また、冷却風W5の一部は、赤外線センサ用送風口60bより電子レンジ1の下から上方向に向かって放出される。放出された冷却風W5は、冷却風W5の下流に位置する赤外線センサ45に到達し、赤外線センサ45を冷却する。
【0070】
電子レンジ1は、ヒータ調理およびスチーム調理を行う場合においても同様に冷却ファン50より各電気部品を冷却するための冷却風を発生する。このとき、発熱体(電気部品)の数や発熱量に応じてACファンモータ53の回転数は制御される。
【0071】
本実施形態における電子レンジ1は、フラット皿16を備え、回転アンテナ36によりマイクロ波を撹拌する構成において、ACファンモータ53や発熱体としての各種電気部品を上述したとおりに冷却効率よく配置した。このため、電子レンジ1は、電子レンジ1に必要とする各種機器を1個の冷却ファンにより冷却することができる。この結果、電子レンジ1は、冷却ファン50を複数個設置するためのスペースの低減、および内部構造の簡素化を実現でき、加熱室15を広く確保することができる。
【0072】
また、電子レンジ1は、冷却ファン50を複数個設置するためのコストを低減することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0074】
例えば、マグネトロン31を電子レンジ1の右側に配置し、ロック機構47および赤外線センサ45を左側に配置してもよい。この場合、冷却ファン50およびインバータ40の配置は本実施形態に対して左右対称になる。
【0075】
また、マグネトロン31は、インバータ40の左隣であって、底板12の奥側長手方向に沿って配置されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 電子レンジ
10 本体
11 キャビネット
12 底板
13 扉
14 内箱
15 加熱室
16 フラット皿
30 制御部
31 マグネトロン
32 ヒータ
33 スチーム発生用ヒータ
40 インバータ
41 アンテナモータ
45 赤外線センサ
47 ロック機構
50 冷却ファン
51 ファンケース
52 シロッコファン
53 ACファンモータ
55 インバータ用送風口
56 インバータ用送風路
57 制御基板用送風口
58 制御基板用送風路
59 ロック機構・赤外線センサ用送風口(ロック機構等用送風口)
60 ロック機構・赤外線センサ用送風路(ロック機構等用送風路)
60a ロック機構用送風口
60b 赤外線センサ用送風口
70 制御基板
86 インバータダクト
87 冷却風取入口
88 マグネトロン用送風口
89 アンテナモータ用送風口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の上面、側面および背面を形成するキャビネットと、
前記キャビネットに収容され開口を有する加熱室を形成する内箱と、
前記本体の前面を形成し前記開口を開閉する扉と、
前記本体の底面を形成する底板と、
前記底板と前記内箱との間に配置されマイクロ波を発生するマグネトロンと、
前記底板と前記内箱との間に配置され前記マグネトロンの出力を変更するインバータと、
前記底板と前記内箱との間に配置され少なくとも前記マグネトロンおよび前記インバータを制御する制御基板と、
前記内箱の側面に配置され、前記扉の開閉を検知し前記扉をロック制御するロック機構と、
1個のファンと、
前記ファンから送風される風を前記インバータに送風するインバータ用送風路と、
前記ファンから送風される風を前記制御基板に送風する制御基板用送風路と、
前記ファンから送風される風を前記ロック機構に送風するロック機構用送風路とを備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記インバータと前記マグネトロンとは、連続して配置されており、
前記インバータ用送風路から送付され前記インバータを冷却した風を、前記マグネトロンに導くマグネトロン用送風路をさらに備えた請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記ファンと前記インバータは、前記本体の第1の長辺に沿って配置され、
前記マグネトロンは前記本体の第1の短辺に沿って配置され、
前記制御基板は、前記第1の長辺に対向する前記本体の第2の長辺に沿って配置され、
前記ロック機構は、前記第1の短辺に対向する前記本体の第2の短辺に沿って配置される請求項1または2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記マグネトロンから発せするマイクロ波を撹拌するアンテナと、
前記アンテナを回転させるアンテナモータと、
前記インバータを収容し前記インバータを流れる風を導くインバータダクトとをさらに備え、
前記インバータダクトは、前記インバータを流れる風を前記インバータダクトの外に送風するアンテナモータ用送風口を有し、
前記アンテナモータおよび前記制御基板は、前記アンテナモータ用送風口より送風される風の下流に配置される請求項1〜3のいずれか一項記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記ファンを収容し、上方向に開口するロック機構用送風口を有するファンケースをさらに備え、
前記ロック機構用送風路は、前記ロック機構用送風口から送風される風を前記ロック機構に導くダクトである請求項1〜4のいずれか一項記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−79744(P2013−79744A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218967(P2011−218967)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】