説明

加重検知センサー及び加重検知システム

【課題】加重を検知した加重検知センサーを容易に識別できるようにすること。
【解決手段】面状に並べて配置した複数のテープスイッチの奇数番目同士を並列接続した第1のテープスイッチ群6及び偶数番目同士を並列接続した第2のテープスイッチ群8を直列接続して構成し、第1及び第2のテープスイッチ群の直列接続全体間に、検知用電圧ライン20の電圧を印加する。また、第1又は第2のテープスイッチ群に、検知用電圧ライン20の電圧より低い第2電圧ライン24の電圧が、検知用電圧ライン20の電圧降下に応じて印加されて使用される。また、第2電圧ライン24からの通電を検知すると、通電保持リレー54が作動して通電保持接点58を閉じる。通電保持接点58の閉成により、加重が失われても表示部52は表示状態のまま維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加重を検知する加重検知センサー等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅ホームの軌道側端部下、ホームと軌道との間に転落検知マットと呼ばれる加重検知センサーを敷設した転落検知システムが知られるところである。転落検知マット(加重検知センサー)は、離隔された上下内面にテープスイッチを対向させるように備えている。駅ホームから転落した利用者が転落検知マット上に落ちると、その加重によってマットが上下に弾性変形して、対向していたテープスイッチ同士が接触することにより通電する。転落検知システムは、転落検知マットからの通電を検知することによって駅係員に警報を発することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−298259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、転落検知マットは、通常、駅ホームに沿って複数個配置される。転落検知装置によって転落があったことは分るが、複数設置されている転落検知マットのどれで検知したのか、つまりは転落が何処で起きたのかを知ることはできなかった。その為、警報を受けた駅係員が駅ホームの端から端まで移動して、転落者を探さなければならかった。
また、加重検知センサーを複数個配置するシステムであれば、転落検知マット以外の使用においても同様の問題があった。
【0005】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加重を検知した加重検知センサーを容易に識別できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の形態は、面状に並べて配置した複数のテープスイッチの奇数番目同士を並列接続した第1のテープスイッチ群(例えば、図4の第1テープスイッチ群6)及び偶数番目同士を並列接続した第2のテープスイッチ群(例えば、図4の第2テープスイッチ群8)を直列接続して構成し、前記直列接続された第1及び第2のテープスイッチ群間に、所与の検知用電圧ラインの電圧が印加され、第1又は第2のテープスイッチ群に、前記検知用電圧ラインの電圧より低い第2電圧ラインの電圧が、前記検知用電圧ラインの電圧降下に応じて印加されて使用され、前記第2電圧ラインからの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部(例えば、図4の通電保持リレー54)と、前記通電状態を示す表示部(例えば、図4の表示部52)と、を更に備えた加重検知センサー(例えば、図4及び図5の加重検知センサー2)である。
【0007】
また、第2の形態は、1以上のテープスイッチが面状に並べて配置された第1及び第2のテープスイッチ群(例えば、図10の第1テープスイッチ群76、第2テープスイッチ群78)を上下に積層し、且つ、電気回路的に直列接続して構成し、前記直列接続された第1及び第2のテープスイッチ群間に、所与の検知用電圧ラインの電圧が印加され、第1又は第2のテープスイッチ群に、前記検知用電圧ラインの電圧より低い第2電圧ラインの電圧が、前記検知用電圧ラインの電圧降下に応じて印加されて使用され、前記第2電圧ラインからの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部(例えば、図10の通電保持リレー54)と、前記通電状態を示す表示部(例えば、図10の表示部52)と、を更に備えた加重検知センサー(例えば、図10の加重検知センサー2B)である。
【0008】
第1又は第2の形態によれば、直列接続された第1テープスイッチ群と第2テープスイッチ群に加重が作用して閉成すると直列接続の電気回路が構成されるため、検知用電圧ラインの電圧が降下する。すると、第2電圧ラインに電圧が印加されて通電するため、加重が失せたとしても第2電圧ラインの通電状態を維持し、通電状態を表示部で表示し続けることができる。よって、加重を受けて表示部が通電状態になると、その後加重が解除されたとしても(例えば転落者がその場を移動したとしても)、表示部の状態が維持されたままとなる。従って、加重検知センサーを転落検知マットとして使用する場合、転落警報を受けた駅係員は、この表示部の状態を目印とすることで速やかに何処で転落が発生したかを知ることが可能となる。また、転落者がその後移動した場合であっても、転落が発生した場所を知ることが可能となる。
【0009】
第3の形態は前記検知用電圧ラインに並列接続された1以上の請求項1又は2に記載の加重検知センサーと、前記検知用電圧ラインに電圧を印加する第1電源部と、前記検知用電圧ラインにおいて前記加重検知センサーを挟んで前記第1電源部と反対側に接続された当該検知用電圧ラインの電圧によって作動するリレー部と、前記リレー部が作動した場合に前記第2電圧ラインに電圧を印加する第2電源部と、を具備した加重検知システムである。
【0010】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態と同様の効果を得る加重検知システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態における加重検知センサーの構成例を示す上面図。
【図2】第1実施形態における加重検知センサーの構成例を示す側面図。
【図3】図1のC−C断面における加重検知センサーの縦断面図。
【図4】第1実施形態における加重検知センサー及びそれを備える加重検知システムの回路構成の原理図。
【図5】第1実施形態における加重検知センサー及びそれを備える加重検知システムのより詳細な回路図。
【図6】第1実施形態における加重検知状態における通流等の状態説明図。
【図7】第1実施形態における第2電圧ラインの通流保持状態の状態説明図。
【図8】第2実施形態における加重検知センサーの構成例を示す側面図。
【図9】図8のD−D断面における加重検知センサーの縦断面図。
【図10】第2実施形態における加重検知センサー及びそれを備える加重検知システムの詳細な回路図。
【図11】第2実施形態における加重検知状態における通流等の状態説明図。
【図12】第2実施形態における第2電圧ラインの通流保持状態の状態説明図。
【図13】加重検知センサー及びそれを備える加重検知システムの変形例における回路構成の原理図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態の加重検知センサーは、転落検知マットとして利用可能なセンサーであり、加重検知システムの一種である転落防止検知システムに用いられることとして説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1と図2は、それぞれ本発明を適用した第1実施形態の加重検知センサー2の構成例を示す上面図及び側面図である。図3は、図1のC−C断面における加重検知センサーの縦断面図である。
【0014】
本実施形態の加重検知センサー2は、弾性樹脂からなる外装4で覆われた薄いシート状の外観を有している。加重検知センサー2は、駅ホームの軌道側端部の下、より具体的にはホームと軌道との間に敷設されて転落検知マットとして使用される。
【0015】
図1〜図2に示すように、加重検知センサー2は、4つのテープスイッチマット7を横方向(図1に向かって上下方向)に面状に配列・内蔵する。
加重検知センサー2の側部には、端子ブロック10が突設されており、ここにケーブル束12が接続されている。ケーブル束12には、加重検知センサー2への電力線や加重検知センサー2からの検知信号線が含まれている。
【0016】
1つ1つのテープスイッチマット7は、図3に示すように、複数のテープスイッチA1〜A4を長手方向を揃えて面状に配列・内蔵する。より具体的には、例えば、シート状の弾性樹脂で形成されたシェル5の内側にテープ状の導体を対向させて離隔配置したテープスイッチA1〜A4が横並びに内蔵されている。
【0017】
そして、1つのテープスイッチマット7に内蔵される複数のテープスイッチA1〜A4は、配列順の奇数番目同士(A1とA3)が電気回路的に並列接続されて第1テープスイッチ群6を形成し、偶数番目同士(A2,A4)が電気回路的に並列接続されて第2テープスイッチ群8を構成している。そして、第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8は、電気回路的に直列接続されている。
【0018】
図4は、本実施形態における加重検知センサー2及びそれを備える加重検知システム100の回路構成の原理図である。
前述のように、加重検知センサー2には、複数のテープスイッチマット7が内蔵されている。そして、1つのテープスイッチマット7に内蔵される複数のテープスイッチA1〜A4は、第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8とを構成し、第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8とが電気回路的に直列接続されている。
【0019】
第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8の直列部は、検知リレー14と電気回路的に並列に、検知用電圧ライン20と基底電圧ライン22とに接続されている。換言すると、検知用電圧ライン20の一端側に第1電源部30が接続され、他端側に検知リレー14が接続されており、その間に、加重を検知した際に検知用電圧ライン20と基底電圧ライン22とを短絡するように動作する第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8の直列部が接続されている。
【0020】
検知リレー14は、加重検知センサー2で加重を検知した場合に検知用電圧ライン20の他端側のライン電圧が降下することにより落下するリレーであって、転落警報などに利用される。
【0021】
検知用電圧ライン20及び基底電圧ライン22の間には、加重検知システム100が備える第1電源部30により所定の電圧(例えば、24ボルト)が印加されている。
また、第2電圧ライン24には、第1電源部30が印加する検知用電圧ライン20の電圧より低い電圧(例えば、12V)が第2電源部32により印加される。第2電圧ライン2と基底電圧ライン22間には、(1)ノーマルオープン接点である通流制御接点50と、(2)表示部52と通電保持リレー54とが電気的に並列接続された並列部55と、(3)ダイオード56と、(4)第2テープスイッチ群8とが接続されている。なお、(1)通流制御接点50と、(2)並列部55と、(3)ダイオード56とは直列に接続されている。
【0022】
通流制御接点50は、検知リレー14が落下すると閉成されるように構成されている。但し、一度閉成すると検知リレー14が復帰してもそれだけでは開かず、別途復帰手順を経ないとクローズのまま維持される。例えば図示していない復帰スイッチを設け、この復帰スイッチを操作することにより接点を開放するようにしても良い。
【0023】
ダイオード56は、通流方向を第2電圧ライン24側から第2テープスイッチ群8への通流のみに制限する。
表示部52は、第2電圧ライン24への通電状態を表示する手段であって、ランプや発光LEDなどで実現することができる。表示部52は、端子ブロック10の上面に設けられる(図1、図2参照)。
【0024】
通電保持リレー54は、第2電圧ライン24からの通電により作動するリレーであって、作動時にノーマルオープン接点である通電保持接点58を閉成させる。この通電保持接点58は、並列部55とダイオード56との間から基底電圧ライン22を結ぶ通電保持ライン29に設けられている。
【0025】
図5は、本実施形態における加重検知センサー2及びそれを備える加重検知システム100のより詳細な回路図である。尚、同図ではテープスイッチマット7(第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8の組)を1セット分のみ表示し、第1テープスイッチ群6及び第2テープスイッチ群8を細破線、テープスイッチマット7を一点鎖線、加重検知センサー2を二点鎖線にて示している。また、表示部52は発光LEDとしている。
【0026】
次に、各作動状況について説明する。
先ず、非検知状態について説明する。第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8とに加重が作用していない時、回路は図4や図5の状態にある。検知リレー14には検知用電圧ライン20の電圧が作用しており検知リレー14は作動状態にある。よって、通流制御接点50は作動せずオープンのままである。従って、表示部52も非通流状態であり、通電保持リレー54は作動せず通電保持接点58はオープンのままである。表示部52を発光LEDとして実現する場合、発光はしていないことになる。
【0027】
次に、検知状態について説明する。
もし、第1テープスイッチ群6と第2テープスイッチ群8とがともに正常で、且つ加重が作用した場合には、先ず図6の状態になる。図6の例では、テープスイッチA1とテープスイッチA2とに加重が作用して閉成状態となっている。
この場合、検知用電圧ライン20と基底電圧ライン22とが短絡状態となり(図中、太矢印実線)、検知用電圧ライン20の検知リレー14側のライン電圧が降下して検知リレー14が落下する。検知リレー14が落下することにより、例えば図示されない警報装置へのノーマルオープン接点が閉成し、当該警報装置が作動し、駅係員へ転落警報を発するように利用される。
【0028】
そして、検知リレー14が落下すると通流制御接点50が閉成し、第2電圧ライン24からの電気が通流する(図6中、太矢印破線)。第2電圧ライン24からの通流により、表示部52は通電状態を示すようになる。表示部52を発光LEDとした場合、発光が開始されることになる。また第2電圧ライン24からの通流により、通電保持リレー54が作動し通電保持接点58が閉成する。
【0029】
通電保持接点58が閉成すると、図7に示す状態となる。すなわち、通電保持ライン29が導通することで、加重がなくなっても第2電圧ライン24〜通電保持ライン29〜基底電圧ライン22への電流経路が維持され、表示部52が通電状態を示したままとなる。
言うなれば、通電保持リレー54と、通電保持接点58と、通電保持ライン29とは、第2電圧ライン24からの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部60として機能する。
【0030】
よって、本実施形態の加重検知センサー2を転落検知マットとして使用するならば、転落者の落下加重を受けて表示部52が通電状態になると、その後転落者がその場を移動しても、表示部52の状態が維持されたままとなる。転落警報を受けた駅係員は、この表示部52の状態を目印とすることで速やかに何処で転落が発生したかを知ることが可能となり、迅速な転落者の安全確保が可能となる。副次的に、転落者発生に伴う列車運行の中断時間を短くできる。
【0031】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態の加重検知センサー2Bは、外観上は第1実施形態と同様であるが、内蔵するテープスイッチマットの数や配置が異なる。尚、第1実施形態と同様の要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0032】
図8と図9は、それぞれ転落防止検知システムの転落検知マットとして利用できる本実施形態における加重検知センサーの構成例を示す側面図、及び図8のD−D断面における加重検知センサー2Bの縦断面図である。
【0033】
図8に示すように、本実施形態の加重検知センサー2Bは、複数のテープスイッチを長手方向を揃えて面状に配列・内蔵したシート状の第1テープスイッチ群76、第2テープスイッチ群78を上下に重ねて内蔵する。第1テープスイッチ群76及び第2テープスイッチ群78は、第1実施形態のテープスイッチマット7に相当する。加重検知センサー2Bは、第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78を1セットとして、横方向(図8に向かって奥行方向)に4セット、合計8つのテープスイッチ群を内蔵する。
【0034】
図9に示すように、第1テープスイッチ群76及び第2テープスイッチ群78は、弾性樹脂で形成されたシェル5の内部にテープ状の導体を対向させて離隔配置したテープスイッチA1〜A4、B1〜B4を内蔵する。第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78とは、対応するテープスイッチ同士が上下に配置される。尚、以降では、第1テープスイッチ群76及び第2テープスイッチ群78の上下の組み合わせが同じテープスイッチ相互の符号を、同じ数字の添字で表すものとする。
【0035】
回路構成の基本は、第1実施形態と同様である。すなわち、図4における第1実施形態の第1テープスイッチ群6を本実施形態の第1テープスイッチ群76と見なし、第1実施形態の第2テープスイッチ群8を本実施形態の第2テープスイッチ群78と見なせば良い。
【0036】
図10は、本実施形態における加重検知センサー2Bを備える加重検知システム100のより詳細な回路図である。尚、同図では第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78との組み合わせを1セット分のみ表示している。また、表示部52は発光LEDとしている。
【0037】
加重検知センサー2Bでは、第1テープスイッチ群76に内蔵される4本のテープスイッチA1〜A4は、物理的に並列して内蔵されている奇数番目のテープスイッチ(A1とA3)同士は並列に接続され、偶数番目のテープスイッチ(A2とA4)同士は並列に接続されている。そして、奇数番目のテープスイッチと偶数番目のテープスイッチとは直列に接続されている。第2テープスイッチ群78についても同様である。
【0038】
また、隣接するテープスイッチに着目すれば、隣接するテープスイッチ同士(A1とA2、A2とA3、A3とA4)の隣接組は、それぞれ直列に接続されていると見ることもできる。
【0039】
そして、相対的に上下位置関係にある第1テープスイッチ群76側のテープスイッチの隣接組(例えば、A1とA2)と、第2テープスイッチ群78側のテープスイッチの隣接組(例えばB1とB2)とは、検知用電圧ライン20と基底電圧ライン22との間に直列に接続されている。すなわち、本実施形態では、第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78が、図4の回路図で言うところの第1テープスイッチ群6及び第2テープスイッチ群8に相当する。
【0040】
第1テープスイッチ群76及び第2テープスイッチ群78において、隣接するテープスイッチの配置ピッチより小さい範囲での加重作用は検知しないこととなる。例えば、1つのテープスイッチのみが閉成したとしても隣接組の他方のテープスイッチが閉成しなければ隣接組の直列接続が構成されない。従って、小動物などの接地部位が小さい動物が加重検知センサー2の上を歩いたり、砕石が加重検知センサー2の上に載った状態となり、1つのテープスイッチのみが閉成したとしても、誤動作することはない。
【0041】
次に、各作動状況について説明する。
先ず、非検知状態について説明する。第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78とに加重が作用していない時、回路は図10の状態にある。検知リレー14には検知用電圧ライン20の電圧が作用しており検知リレー14は作動状態にある。よって、通流制御接点50は作動せず、通電保持リレー54が作動せず、通電保持接点58がオープンのままとなる。このため、表示部52の発光LEDは発光しない。
【0042】
次に、検知状態について説明する。
第1テープスイッチ群76と第2テープスイッチ群78とに加重が作用した場合には、先ず図11の状態になる。尚、図11の例では、テープスイッチA1とテープスイッチA2、及びテープスイッチB1とテープスイッチB2に加重が作用して閉成状態となっている。
この場合、検知用電圧ライン20と基底電圧ライン22とが短絡状態となり(図中、太矢印実線)、検知リレー14に印加される電圧が降下して検知リレー14が落下する。検知リレー14が落下することにより、例えば図示されない警報装置へのノーマルオープン接点が閉成し、当該警報装置が作動し、駅係員へ転落警報を発するように利用される。
【0043】
そして、検知リレー14が落下すると通流制御接点50が閉成し、第2電源部32による電圧が第2電圧ライン24を通じて導通する(図中、太矢印破線)。
この導通により、表示部52は通電状態を示すようになる。表示部52を発光LEDとした場合、発光が開始されることになる。また導通により、通電保持リレー54が作動し通電保持接点58が閉成する。
【0044】
通電保持接点58が閉成すると、図12に示す状態となる。すなわち、通電保持ライン29が導通することで、加重が無くなっても第2電圧ライン24〜通電保持ライン29〜基底電圧ライン22への電流経路が維持され、表示部52が通電状態を示したままとなる。よって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した加重検知センサー2,2B、及びそれを利用した加重検知システム100について説明したが、本発明の形態はこれに限定されるものではなく、適宜構成要素を追加・省略・変更することができる。
【0046】
例えば、図13に示す加重検知センサー2C及びそれを利用した加重検知システム100Cを構成することができる。具体的には、第2電源部32を検知用電圧ライン20と第2電圧ライン24C間に接続し、+側を検知用電圧ライン20に、−側を第2電圧ライン24Cに接続する。また、ダイオード56Cの向きを逆向きとする。また、通電保持ライン29Cは、検知用電圧ライン20と第2電圧ライン24Cとの間に設ける。通電保持リレー54と、通電保持接点58と、通電保持ライン29Cとが、当該構成における第2電圧ライン24からの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部60として機能する。
【0047】
また例えば、第2実施形態では、上下に2つのテープスイッチ群を重ねて1セットを構成しているが、3つ以上で一つのセットとしても良い。また、そうしたセットの横方向の配列数も上記実施形態では4つとしたが適宜設定することができる。
また、第1テープスイッチ群6,76及び第2テープスイッチ群8,78は、それぞれ、複数のテープスイッチを有して構成されるとしたが、1つのテープスイッチで構成することとしてもよい。
【0048】
また、加重検知センサー2,2B,2Cを転落検知マットとし、加重検知システム100,100Cを転落防止検知システムとして用いる場合を説明したが、他の形態として使用することも可能である。例えば、所定区域の境界に加重検知センサー2,2B,2Cを複数敷設して、境界を通行する人或いは車を検知するシステムとして使用してもよい。進入禁止区域の境界に敷設した場合には進入者或いは進入車を検知することが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
2…加重検知センサー
4…外装
5…シェル
6…第1テープスイッチ群
7…テープスイッチマット
8…第2テープスイッチ群
10…端子ブロック
12…ケーブル束
14…検知リレー
20…検知用電圧ライン
22…基底電圧ライン
24…第2電圧ライン
29…通電保持ライン
30…電源部
32…第2電源部
50…通流制御接点
52…表示部
54…通電保持リレー
55…並列部
56…ダイオード
58…通電保持接点
60…通電保持部
100…加重検知システム
A1,A2,A3,A4…テープスイッチ
B1,B2,B3,B4…テープスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に並べて配置した複数のテープスイッチの奇数番目同士を並列接続した第1のテープスイッチ群及び偶数番目同士を並列接続した第2のテープスイッチ群を直列接続して構成し、
前記直列接続された第1及び第2のテープスイッチ群間に、所与の検知用電圧ラインの電圧が印加され、第1又は第2のテープスイッチ群に、前記検知用電圧ラインの電圧より低い第2電圧ラインの電圧が、前記検知用電圧ラインの電圧降下に応じて印加されて使用され、
前記第2電圧ラインからの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部と、
前記通電状態を示す表示部と、
を更に備えた加重検知センサー。
【請求項2】
1以上のテープスイッチが面状に並べて配置された第1及び第2のテープスイッチ群を上下に積層し、且つ、電気回路的に直列接続して構成し、
前記直列接続された第1及び第2のテープスイッチ群間に、所与の検知用電圧ラインの電圧が印加され、第1又は第2のテープスイッチ群に、前記検知用電圧ラインの電圧より低い第2電圧ラインの電圧が、前記検知用電圧ラインの電圧降下に応じて印加されて使用され、
前記第2電圧ラインからの通電を検知して通電状態を保持する通電保持部と、
前記通電状態を示す表示部と、
を更に備えた加重検知センサー。
【請求項3】
前記検知用電圧ラインに並列接続された1以上の請求項1又は2に記載の加重検知センサーと、
前記検知用電圧ラインに電圧を印加する第1電源部と、
前記検知用電圧ラインにおいて前記加重検知センサーを挟んで前記第1電源部と反対側に接続された当該検知用電圧ラインの電圧によって作動するリレー部と、
前記リレー部が作動した場合に前記第2電圧ラインに電圧を印加する第2電源部と、
を具備した加重検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−40838(P2013−40838A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177520(P2011−177520)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】