説明

加飾樹脂成形品と加飾樹脂成形品の製造方法

【課題】本木材(天然材)と同じ立体感と表面意匠に近づけ、より木質感を向上させた安価な加飾樹脂成形品と簡易な加飾樹脂成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部13が意匠表面に形成された樹脂成形基材11に、木質感の表現を施した加飾樹脂成形品1であって、射出成形用型23内で、射出成形圧による混合樹脂材料17の流れにより混合樹脂材料17に含まれた第二樹脂ペレット16aがそのまま射出成形用型23内のゲート24から各々多方向へ無定形状に配向し、前記樹脂成形基材11に木目色模様が形成された木目色模様部18と、前記導管模様凹部13に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設したワイピング部12と、を備えた事にあり、より本木材に近い木質感を有する安価な加飾樹脂成形品を得ることが可能になった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質感をより本木材に近い加飾が施された加飾樹脂成形品と加飾樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、木質感を擬似的に表現する加飾が施された加飾樹脂成形品が、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品等の様々な製品や物品の表面材として、多く利用されており、この加飾樹脂成形品を用いることで、木材の風合いや高級感が、手軽に且つ低コストに得られている。
【0003】
上記のような加飾樹脂成形品は、樹脂成形品の表面に木目模様等を印刷したり(例えば、下記特許文献1参照)、或いは本木材の表面に存在する木目導管の凹部を模して、(例えば、下記特許文献2参照)かかる溝状凹部と同様な形状の凹部、木目調シボを樹脂成形品の表面に形成し、木質感を、見た目や肌触りによって表現する加飾が施されて、製造している。
【0004】
また、従来より表面に木目調シボを形成した加飾樹脂成形品を製造する場合には、一般に、キャビティ面に本木材表面の微細な溝状凹部の形状に基づいて木目調シボ用のエッチング加工等が施した成形用型を利用し、射出成形等の金型成形を実施することにより、木目調シボが表面に形成された加飾樹脂成形品が得られる事が知られている。図7は従来のこのような製造方法で得られた加飾樹脂成形品101で、さらに加飾樹脂成形品の凹部113に色材を含有する目止め剤(ワイピング剤)112をワイピングすることにより、木目シボ模様を強調し、目的とする樹脂成形品の成形と同時に、その表面に対して所望の加飾を可能にしている。
【0005】
しかし、実際の本木材(天然木)の表面は、存在する多数の木目導管凹部が、異なる凹部同士の間で、互いに異なる深さとされ、或いは一つの溝状凹部についても凹部内に凹凸形状があり、浅い、深い部分または高い、低い部分とがある等、様々な深さを有している。さらに異なる色で形成された濃淡色の木目模様が露出されており、木目導管の凹部が下地である濃淡色の木目模様からより強調され、立体的に表現されている。それ故、図7で説明した技術では、木目調シボがあっても、濃淡色の木目模様がない為、本木材(天然木)の表面と比較すると立体感がなく本物の木質感に欠けるものになり、前述で説明した特許文献1では印刷模様のみで、平面的な木目になり、特許文献2では、図7説明した技術同様、濃淡色の木目模様がない為、木目のイメージから離れた意匠になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−240386号公報
【特許文献2】特開平9−155971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来技術の加飾樹脂成形品では、表面意匠に木目導管の凹部や印刷の木目模様があっても本木材(天然木)に存在する濃淡色の木目模様がない為、より本木材に近い木質感が得られなかった。
【0008】
本発明は、表面を本木材と同じ木目意匠と立体感に近づけ、より本物の木質感に近い安価な加飾樹脂成形品と簡易な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為、以下のように構成されている。
第1の発明は、本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部が意匠表面に形成された樹脂成形基材に、木質感の表現を施した加飾樹脂成形品であって、前記樹脂成形基材が所定の成形温度で溶融状態になる熱可塑性の第一樹脂材料の第一樹脂ペレットと、前記第一樹脂材料とは異なる樹脂色で、前記成形温度より高い溶融温度を持つ第二樹脂材料の第二樹脂ペレットとが、複数混合された混合樹脂材料からなり、射出成形用型内で、射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記第二樹脂ペレットがそのまま射出成形用型内のゲートから各々多方向へ無定形状に配向し、前記樹脂成形基材に木目色模様が形成された木目色模様部と、前記導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設したワイピング部と、を備えた事を特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の加飾樹脂成形品であって、前記樹脂成形基材の前記木目色模様部が射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記射出成形用型内のゲートから複数の前記第二樹脂ペレットが帯状模様に近似した状態で配向することにより形成されたことにある。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の加飾樹脂成形品の製造方法であって、前記本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部に対応する凸凹部が形成されたキャビティ面を有する射出成形用型を用いて、該射出成形用型内にて所定の成形温度で溶融状態になる熱可塑性の第一樹脂材料の第一樹脂ペレットと、前記第一脂材料とは異なる樹脂色で、前記成形温度より高い溶融温度を持つ第二樹脂材料の第二樹脂ペレットとが、複数混合された混合樹脂材料が充填され、射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記第二樹脂ペレットが前記射出成形用型内のゲートから各々多方向へ無定形状に配向し、前記樹脂成形基材に木目色模様が形成された木目色模様部と、前記導管模様凹部を備えた樹脂成形基材を成形し、固化する工程と、前記樹脂成形基材の導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設させたワイピング部とを形成する工程からなる事を特徴とすることにある。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、射出成形用型内にて所定の成形温度で溶融された第一樹脂材料と第一樹脂材料とは異なる樹脂色の複数の第二樹脂ペレットが混合された混合樹脂材料が、射出成形圧により充填され、押し流されると、流れによって第二樹脂ペレットが射出成形用型内のゲートから各々多方向へ配向する。第二樹脂ペレットは所定の成形温度では溶融状態でない為、樹脂成形の流れにより変形または分割、他の第二樹脂ペレットとの一体化などして無定形状で移動し、樹脂成形基材では第二樹脂ペレットの色で木目に近い色模様が形成される。さらに前記導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設させている為、導管模様凹部には第二樹脂ペレットの色とワイピング剤の色が重なり、濃淡色の変化により、導管模様の凹部がさらに立体的に見え、樹脂で成形してあるにもかかわらず、本木材に近い加飾になることにある。
【0013】
第2の発明によれば、第1の発明の加飾樹脂成形品において、前記射出成形用型内のゲートから前記混合樹脂材料が充填された際、第二樹脂ペレットが複数の帯状模様に近似した状態になり、各々の状態が単独もしくは複数組み合わさったり、重なることで、前記樹脂成形基材に木目色模様が形成され、さらに本木材の杢に近い加飾になることにある。
【0014】
第3の発明によれば、第1の発明又は第2の発明の加飾樹脂成形品の製造方法で、まず本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部に対応する凸部がキャビティ面に設けられた成形キャビティを有する射出成形用型を用いて、所定の成形温度に設定し、溶融状態である第一樹脂材料の第一樹脂ペレットと、第一樹脂材料とは異なる樹脂色で前記成形温度より高い溶融温度を持つ第二樹脂材料の第二樹脂ペレットとを、複数混合した混合樹脂材料を充填する。射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記第二樹脂ペレットが射出成形用型内のゲートから各々多方向へ無定形状に配向し、樹脂成形基材に木目色模様が形成され、樹脂成形基材の意匠面には導管模様凹部が形成される。そして樹脂成形基材を成形後、固化させ、前記樹脂成形基材の導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設させて本発明の加飾樹脂成形品が完成する。このような樹脂の製造方法においては、特別な設備は不要で、射出成形機を使用して、簡易に本木材に近い加飾を施した加飾樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における加飾樹脂成形品の斜視図。
【図2】本発明の実施形態における図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施形態における図1に示された加飾樹脂成形品の樹脂成形基材を製造する際の射出成形機での各工程内での混合樹脂材料の説明用略状態図。
【図4】本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材を製造する際の第1工程。(射出成形機のホッパー部21内の混合樹脂状態図)
【図5】本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材を製造する際の第2工程。(射出成形機のスクリュウ部22内の混合樹脂状態図)
【図6】本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材を製造する際の第3工程。(射出成形機の樹脂成形基材成形用金型23内の混合樹脂状態図)
【図7】従来技術である加飾樹脂成形品を示したB−B(図1のA−Aに相当)断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0017】
図1は本発明に関係する自動車用内装部品に使用される加飾樹脂成形品1の斜視図である。図から明らかなように、樹脂成形基材11はベースである薄茶色の第一樹脂材料15に濃い茶色の第二樹脂材料16の模様が木目模様に類似して表面に色の濃淡ある木目色模様部18(18a、18b、18c)が形成されている。木目色模様はゲート24からの混合樹脂材料17の射出により、第二樹脂材料16の複数の第二樹脂ペレット16a(図4、図5に示す。)が各々帯状模様19に近似した状態になり、各々の組合せ、重なり合いにより、放射状模様18a、略山形模様18b、年輪に模した部分環状模様18cが形成、木目の色模様に似た模様になっている。この模様は通常木目の紋様としている杢で笹の葉が重なった笹杢、魚の鱗を重ねた魚鱗杢、筍を縦に割った筍杢、など板目、柾目いずれかに該当し、多様な木目に類似した模様になる。表面には、木目導管凹形状に模した導管模様凹部13が、多数形成されており、各導管模様凹部13には黒色、紅色系等の無機系顔料が着色されている。さらに、樹脂成形基材11の上面にトップコート14を塗装しており、導管模様凹部13の凹感をより鮮明に見えることができ、意匠傷つき等による本木材の木質感の劣化も防止できるようにしてある。
【0018】
図2は本発明の実施形態における図1のA−A断面図であり、図1で示したように樹脂成形基材11には第二樹脂材料16の濃い茶色の模様が形成されており、表面には濃淡色のある木目模様に類似した木目色模様部18が表れている。また樹脂成形基材11の表面に導管模様凹部13が形成されており、本発明では、本木材の表面の木目導管凹部をキャビティ面に転写した成形用型を用いて、成形してある為、断面形状の凹部の深さや、凹部内に形成された凸部の高さは種々異なり、本木材に忠実な導管模様凹部13になっている。また樹脂成形基材11の表面に形成された各導管模様凹部13の中の凹部には着色剤が埋め込められ、着色剤であるワイピング剤に含まれる無機系顔料(黒、紅系等)の色が着色してワイピング部12を設けている。このことより、下地色である木目色模様部18の濃い茶色と薄茶色と導管模様凹部13の黒、紅系の着色により凹部に様々な色が付き、重なり、従来技術に比べ、凹部に奥行き感が出てさらに立体感を得る事が可能になる。図2では導管模様凹部13の周りに木目色模様部18が形成されているが、導管模様凹部13以外の平面部にも形成されている。ワイピング剤12として、カーボンブラックをIPA(イソプロピルアルコール)の溶剤にて希釈したものまたは無機系顔料を分散させる溶剤を使っている。他にポリカルボン酸アンモニウム塩アニオン等分散剤、ポリアマイドのアミン塩等の顔料沈降防止剤を添加を加えている場合もある。さらに樹脂成形基材11の上面にトップコート14を塗装しており、表面の艶調整と表面の保護の役目を持っている。トップコート14の塗料としてウレタン系塗料を使用しているが、アクリル塗料でも可能で、シリカ、ポリエチレン粒子等を添加した艶消し塗料、カラークリア塗料を用いて表面色を変えることも可能である。
【0019】
図3は図1に示された加飾樹脂成形品1の樹脂成形基材11を製造する際の射出成形機2での各工程内での混合樹脂材料17の略状態図を示す。図3の第1工程であるホッパー21内では第一樹脂材料15の第一樹脂ペレット15aと第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aが混合され、第2工程である射出成形機内のスクリュウ部22内では成形温度に加熱されると熱可塑性である第一樹脂材料15の第一樹脂ペレット15aは溶融されるが、第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aは溶融温度が成形温度より高い為、溶融されることがなく、樹脂成形基材用金型内23に流される。第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aは粘性のある半固形状態の為、ペレットの形のままではなく、異形状態になっている。スクリュウと射出成形機の射出圧により、金型内に第一樹脂ペレット15aが溶融された第一樹脂材料15とともに第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aが流れ、樹脂成形基材11が成形される。金型内では第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aが射出成形機の射出圧により変形し様々な方向に配向され、冷却、固化すると、濃淡の木目色模様部18のある樹脂成形基材11が得られる。さらに前記樹脂成形基材11の成形で形成された導管模様凹部13に無機系顔料(黒、紅系等)を含むワイピング剤を埋設させたワイピング部12とを形成する工程を経て、木質感を表現する加飾が施された加飾樹脂成形品1を製造することが可能になる。
【0020】
次に本発明の樹脂成形基材11の射出成形機2での混合樹脂材料17の状態を具体的に射出成形機2内での各工程別に図4、図5、図6を用いて、説明する。
図4は本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材11を製造する際の射出成形機2の第1工程の説明図でホッパー21内での混合樹脂材料17の状態を示す。混合樹脂材料17は薄茶色の第一樹脂材料15の第一樹脂ペレット15aと濃い茶色の第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aが互いに固体のペレット形状で混合されている。
【0021】
図5は本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材11を製造する際の射出成形機2の第2工程の説明図でスクリュウ部22での混合樹脂材料17の状態を示す。
スクリュウ部22内ではヒーターにより加熱され設定された成形温度になる。所定の成形温度では、混合樹脂材料17である第一樹脂材料15の第一樹脂ペレット15aは熱可塑性で成形温度より溶融温度が低い為、固体のペレット形状が溶融され溶融状態になるが、第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aは成形温度より溶融温度が高い為、粘性の高い半固体状態になっている。その為、図5のように第二樹脂ペレット16aはペレット形状が変形した状態で溶融状態の第一樹脂材料15に混合されている。
【0022】
図6は本発明の実施形態における図3に示された樹脂成形基材11を製造する際の射出成形機2の第3工程の説明図で樹脂成形基材成形用金型23内での混合樹脂材料17の状態を示す。混合樹脂材料17は図3に示す樹脂成形基材用金型23内で射出成形機2の射出圧により押し流され充填される。混合樹脂材料17がゲート24から金型内に射出された時、図6の矢印方向へ放射状に混合樹脂材料17が流れる為、第二樹脂ペレット16aは変形し、略帯状模様19になり放射状に配向され、ゲート24から離れるに従い略帯状模様19及び配向が崩れ様々な形に変形する。本実施形態では図6のようにゲート24の射出方向に対し両側に形成された放射状模様18aや、中央が山形になった木目の板目に類似した山形状模様18bや、金型内側壁に衝突し、向きを変え形成された木目の年輪に近い環状模様18cになっている。よって所望の木目色模様が形成された樹脂成形基材11が得られる。
【0023】
その他混合樹脂材料は、本実施形態では第二樹脂材料16の第二樹脂ペレット16aに1種類の樹脂色を使用したが、第一樹脂材料15との違う樹脂色であれば多種類の樹脂ペレとを混合してもよく、樹脂色も薄茶、濃茶に限定するものでなく、様々な本材木にある色を適応してもよい。また本実施形態では各導管模様凹部13には黒色、紅色系の無機系顔料が着色されているが、青色、黄色系等、他の顔料色でもよく様々な色の組み合わせでもよい。
【0024】
以上説明した各実施形態は、本発明を自動車内装意匠部品全般に適用でき、本木そのものを樹脂表面につけた加飾成形品や木目模様のフィルムを付けた加飾成形品のような意匠形状の制約が少ないため、曲面Rの小さい意匠部品に対しても、本発明を適用することができる。また本実施形態では、本木材の表面の凹部を転写で、前記凹部に対応する凸部が設けられたキャビティ面のある金型成形で樹脂成形基材の導管模様凹部を形成したが、エッチングによる凸部で設けられたキャビティ面のある金型で成形し、導管模様凹部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 加飾樹脂成形品
11 樹脂成形基材
12 ワイピング部
13 導管模様凹部
15 第一樹脂材料
15a 第一樹脂ペレット
16 第二樹脂材料
16a 第二樹脂ペレット
17 混合樹脂材料
18 木目色模様部
18a 放射状模様
18b 山形状模様
18c 環状模様
19 帯状模様




【特許請求の範囲】
【請求項1】
本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部が意匠表面に形成された樹脂成形基材に、木質感の表現を施した加飾樹脂成形品であって、前記樹脂成形基材が所定の成形温度で溶融状態になる熱可塑性の第一樹脂材料の第一樹脂ペレットと、前記第一樹脂材料とは異なる樹脂色で、前記成形温度より高い溶融温度を持つ第二樹脂材料の第二樹脂ペレットとが、複数混合された混合樹脂材料からなり、射出成形用型内で、射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記第二樹脂ペレットがそのまま射出成形用型内のゲートから各々多方向へ無定形状に配向し、前記樹脂成形基材に木目色模様が形成された木目色模様部と、前記導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設したワイピング部と、を備えた事を特徴とする加飾樹脂成形品。
【請求項2】
請求項1に記載の加飾樹脂成形品であって、前記樹脂成形基材の前記木目色模様部が射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記射出成形用型内のゲートから複数の前記第二樹脂ペレットが帯状模様に近似した状態で配向することにより形成された事を特徴とする加飾樹脂成形品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の加飾樹脂成形品の製造方法であって、前記本木材の表面に存在する木目導管凹形状に模した導管模様凹部に対応する凸凹部が形成されたキャビティ面を有する射出成形用型を用いて、該射出成形用型内にて所定の成形温度で溶融状態になる熱可塑性の第一樹脂材料の第一樹脂ペレットと、前記第一樹脂材料とは異なる樹脂色で、前記成形温度より高い溶融温度を持つ第二樹脂材料の第二樹脂ペレットとが、複数混合された混合樹脂材料が充填され、射出成形圧による前記混合樹脂材料の流れにより前記第二樹脂ペレットが前記射出成形用型内のゲートから各々多方向へ無定形状に配向し、前記樹脂成形基材に木目色模様が形成された木目色模様部と、前記導管模様凹部を備えた樹脂成形基材を成形し、固化する工程と、前記樹脂成形基材の導管模様凹部に無機系顔料を含むワイピング剤を埋設させたワイピング部とを形成する工程からなる事を特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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