労働記録装置、労働記録プログラム、労働記録プログラムが格納された記録媒体および労働記録方法
【課題】機器を操作しないような労働者の労働内容について記録する装置を提供する。
【解決手段】通信インターフェイス128を介して接続される機器10の操作状態および非操作状態を計測する機器操作計測部301と、機器操作計測部301の計測に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定部308と、労働内容問い合わせ決定部308の決定に応じて、機器10の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させ、労働者からの入力を労働内容として労働内容132に書き込むための問い合わせ部310とを備える労働記録装置100を提供する。
【解決手段】通信インターフェイス128を介して接続される機器10の操作状態および非操作状態を計測する機器操作計測部301と、機器操作計測部301の計測に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定部308と、労働内容問い合わせ決定部308の決定に応じて、機器10の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させ、労働者からの入力を労働内容として労働内容132に書き込むための問い合わせ部310とを備える労働記録装置100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、労働者の労働内容を記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア開発作業やオフィスワークなど知的労働に従事する労働者に割り当てられる作業には、労働を支援するパソコン等の機器を利用する作業と、そうでない作業がある。
【0003】
また、労働者を管理する管理者は、労働者の作業内容や作業をするのに要した時間等を示す労働内容について、各労働者に対して管理者へ定期的に報告(たとえば、日報、週報など)を求めることが一般的である。
【0004】
収集された労働内容は、管理者が労働者へ時間ベースの賃金を支払う際の基礎データとして利用される。また、プロジェクトの完了時期を予測するなどマネージメントに役立たせるために、労働者の生産性を計測するための基礎データとして利用される。
【0005】
一方、管理される側である労働者の立場に立てば、労働内容を記録する作業は面倒である。このため、特に、パソコンなどの機器を操作している時間を計測支援する従来技術がある。
【0006】
たとえば、特許文献1では、クライアントコンピュータを操作する作業者が、サーバコンピュータにあるワークスペース(コンピュータ上で構築される仮想的な作業場所)を変化させる行動を作業推進とみなし、その変化に関係する時間帯を労働期間として記録するという技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−228192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す方法では、ワークスペースを変化させない作業については労働時間としてカウントされない。たとえば、「コンピュータの画面上で文書を閲覧する」という作業を長時間行なった場合は、ワークスペースを変化させないため作業しているとは判断せず、同作業を実施している期間を「無作業期間」と判定される。
【0008】
また、特許文献1に示す方法では、クライアントコンピュータを操作していない労働については労働時間の計測対象外である。たとえば、他の労働者とのコミュニケーションをとりながら進める仕事のような、コンピュータを使わない仕事は労働として計測されない。
【0009】
上記のように、従来技術では、労働者はワークスペースを変化させる行動以外の労働も行なっているにもかかわらず、このような労働は計測されなかった。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、機器を操作しない労働内容について問い合わせて記録する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの局面に従うと、接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録するための労働記録装置であって、労働内容を記録するための記憶手段と、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するための機器操作計測手段と、機器操作計測手段の計測に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定手段と、労働内容問い合わせ決定手段の決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させ、労働者からの入力を労働内容として記録手段に書き込むための問い合わせ手段とを備える。
【0012】
好ましくは、記憶手段は、労働者の勤務期間を示す情報を含み、労働内容問い合わせ決定手段は、機器操作計測手段が、機器が非操作状態から操作状態に変化したことを検出したことに基づき、非操作状態であった期間の少なくとも一部が勤務期間に含まれているとの判断に応じて、問い合わせ手段に対し、非操作労働内容を問い合わせるよう指示する。
【0013】
好ましくは、労働内容問い合わせ決定手段は、機器操作計測手段が、機器が非操作状態から操作状態に変化したことを検出したことに基づき、非操作状態であった期間が所定の時間よりも長いとの判断に応じて、問い合わせ手段に対し、非操作労働内容を問い合わせるよう指示する。
【0014】
好ましくは、記憶手段は、労働者のスケジュールを示す情報を含み、問い合わせ手段は、機器操作計測手段によって計測された、機器が非操作状態から操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、機器の表示装置に記憶手段から取得したスケジュールを提示して、非操作労働内容を問い合わせる。
【0015】
好ましくは、問い合わせ手段は、機器操作計測手段によって検出された、機器が非操作状態から操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、機器の表示装置に記憶手段に記録された労働内容の履歴を提示して、非操作労働内容を問い合わせる。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、演算部および記憶部を有するコンピュータに、コンピュータに接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行させるための労働記録プログラムであって、演算部が、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、演算部が、計測するステップでの計測結果に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、演算部が、決定するステップでの決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、演算部が、労働者からの入力を労働内容として記憶部に書き込むステップとを備える。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、上記労働記録プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行するための労働記録方法であって、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、計測するステップでの計測結果に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、決定するステップでの決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、労働者からの入力を労働内容として記録するステップとを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、機器を操作しないような労働内容について、労働者に問い合わせて記録することができる。これにより、精度の高い労働期間の計測が可能となり、適切なマネージメントが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
[実施の形態1]
本実施の形態に係る労働記録装置100は、機器を操作しないような労働内容について、労働者に問い合わせて記録することができる。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成を例示した図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成について説明する。
【0024】
本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムは、機器10−1〜10−nと、機器10−1〜10−nの労働内容を記録するための労働記録装置100と、WAN(Wide Area Network)あるいはインターネットなどのネットワークであるネットワーク1とから構成される。
【0025】
労働記録装置100と機器10−1〜10−iは、LAN20を介して接続される。また、労働記録装置100と機器10−(i+1)〜10−nは、ネットワーク1を介して接続される。なお、以下の説明では、機器10−1〜10−nの各機器を特に特定しない場合は、単に機器10と示す。
【0026】
機器10は、たとえばPC(Personal Computer)などである。各労働者には機器が割り当てられており、労働者は機器を使って作業を行なう。
【0027】
なお、労働記録装置100に代わって、後述する実施の形態2〜6における労働記録装置200,300,400,500,600も図1で示したシステムに適用される。各実施の形態では、労働記録装置が図1で示すようなシステムのもと動作する様子について説明する。
【0028】
図2は、労働記録装置100の構成例を示すブロック図である。
図2を参照して、労働記録装置100の構成例について説明する。
【0029】
労働記録装置100は、コンピュータ本体102と、コンピュータ本体102とバス126を介して接続される、フレキシブルディスク(Flexible Disk、以下FD)116に情報を読み書きするためのFDドライブ106と、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128と、表示装置としてのモニタ104と、入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。また、労働記録装置100は、通信インターフェイス128を経由して、図1に示すLAN20に接続される。
【0030】
コンピュータ本体102は、バス126に接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124を含む。
【0031】
ハードディスク124内には、機器10が操作されているかどうかを示す機器状態130と、労働者の労働内容を示す労働内容132とが含まれる。機器状態、労働内容についての詳細は後述する。
【0032】
光ディスクドライブ108にはCD−ROM118などの光ディスクが装着される。FDドライブ106にはFD116が装着される。なお、CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
【0033】
労働内容を記録するプログラム(以下、単に労働内容記録プログラムと呼ぶ)は、FD116またはCD−ROM118等の記憶媒体によって供給される。労働内容記録プログラムがコンピュータ本体102によって実行されることにより、労働内容の記録が行なわれる。また、労働内容記録プログラムは他のコンピュータより通信インターフェイス128を経由し、コンピュータ本体102に供給されてもよい。
【0034】
CPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、上述した労働内容記録プログラムに対応した処理を実行する。
【0035】
労働内容記録プログラムは、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記憶媒体に格納されて流通し、光ディスクドライブ108またはFDドライブ106等により記憶媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
【0036】
図2に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記録媒体に記憶されたソフトウェアである。
【0037】
図3は、労働記録装置100のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、労働記録装置100のCPU120の機能的構成を説明する。
【0038】
CPU120は、機器操作計測部301と、機器操作計測部301が計測した内容に基づき各機器に労働内容を問い合わせるかどうかを決定するための労働内容問い合わせ決定部308と、機器10に労働内容を問い合わせるための問い合わせ部310とを含む。
【0039】
機器操作計測部301は、状態変化検出部302と、非操作期間算出部304と、労働内容抽出部306とを有する。
【0040】
状態変化検出部302は、通信インターフェイス128を介して機器10の状態が変化したかどうかを検出する。
【0041】
ここで、「機器の状態」について説明する。本発明では、「機器の状態」として「操作状態」と「非操作状態」との2状態を定義する。
【0042】
「操作状態」とは、労働者が機器を操作していることを示す状態である。本実施の形態では、(1)労働者が機器の電源を入れた時点から所定時間以内の状態、または(2)労働者が機器を操作している(入力イベントが発生している)時点から所定時間以内の状態、を「操作状態」として定義する。
【0043】
たとえば、(1)の状態は、機器の電源を入れた時点から、スクリーンセイバが発生するまでの状態である。(2)の状態は、労働者が各種アプリケーションソフト(ワープロソフト、表計算ソフト等)を起動し、キーボードを介した文字の入力やマウス操作を介した図形の作成などの入力イベントが発生している時点から、スクリーンセイバが発生するまでの状態である。
【0044】
なお、ここでは機器上のスクリーンセイバが発生するまでの時間を所定時間の例として挙げたが、労働記録装置100のユーザは所定時間を任意に設定することができるものとする。
【0045】
一方、「非操作状態」とは、操作状態以外を示す状態である。つまり、操作状態と非操作状態は排他的な関係にある。
【0046】
たとえば、非操作状態は、労働者が機器を操作してから所定時間以上経過した後の、スクリーンセイバが発生している状態、あるいは電源が入っていない状態をいう。
【0047】
状態変化検出部302は、操作状態から非操作状態、または非操作状態から操作状態へ機器の状態が遷移したことを検出すれば、ハードディスク124の記憶領域である機器状態130に、変化を検出した日時と、現在の機器の状態を書き込む。
【0048】
非操作期間算出部304は、機器状態130に基づき、非操作期間を算出する。なお、「非操作期間」とは、直近に非操作状態として機器状態が書き込まれた時刻から現在の時刻までのことをいう。
【0049】
労働内容抽出部306は、機器10が操作状態のときの労働内容を抽出する。たとえば、特許文献1で開示されている次のような方法で労働内容を抽出することができる。図1に示すように、機器10は、ネットワーク1、LAN20を介して労働記録装置100に対し、どのようなアプリケーションを起動させているか等の情報を送信する。また、労働内容抽出部306には、予めアプリケーションと労働内容とが対応付けて(たとえば、ワープロソフトに対しては文書作成作業が対応付けられている)設定されている。労働内容抽出部306は、機器10からの情報に基づき対応する労働内容を抽出し、労働内容132に書き込む。
【0050】
たとえば、労働内容抽出部306は、機器10−jにおいて、ワープロソフトを起動させて入力イベントが発生していると判断すれば、機器10−jが割り当てられている労働者の労働内容として、文書作成作業を書き込む。
【0051】
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移したときに労働内容を問い合わせるように決定する。ただし、以下の説明では、機器の電源が入れられたことにより非操作状態から操作状態に遷移した場合は、問い合わせは行なわないとするが、問い合わせを行なうようにしてもよい。
【0052】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308からの指示に従い、指示された機器10に対して労働内容の問い合わせを行なう。そして、その問い合わせに対し労働者が入力した内容を労働内容として、労働内容132に書き込む。
【0053】
以上のような構成の労働記録装置100は、機器10の労働内容を記録することができる。以下に、労働記録装置100が実行する処理について説明する。
【0054】
図4は、労働記録装置100が実行する処理を示したフローチャートである。
図4を参照して、労働記録装置100が労働内容を記録する処理について説明する。
【0055】
ステップS400において、CPU120は、機器10から状態を示す情報を受け取るため待機する。
【0056】
次いで、ステップS402において、CPU120は、機器10の状態変化を検出したかどうかを判定する。
【0057】
機器10の状態変化を検出したと判断すれば(ステップS402にて、YES)、変化を検出した日時および現在の状態を機器状態130に書き込む(ステップS404)。
【0058】
一方、CPU120は状態変化を検出していないと判断すれば(ステップS402にて、NO)、ステップS424の処理を行なう。なお、状態変化を検出したかどうかを確認する時間間隔は、労働記録装置100のユーザが予め設定することができる。
【0059】
そして、ステップS406において、CPU120は、状態変化が検出された機器10がどの状態へ遷移したのかどうかを判定する。
【0060】
ここで、CPU120は機器10が非操作状態から操作状態に遷移したと判断すれば(ステップS406にて、操作)、非操作期間を算出する(ステップS408)。
【0061】
次いで、ステップS410において、CPU120は、機器10に対し、労働内容の抽出を開始する(ステップS410)。
【0062】
さらに、ステップS412において、CPU120は、機器10に対し、問い合わせが必要かどうかを判定する。上述したように、本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移したときに問い合わせを行なう。また、本実施の形態では、機器の電源が入れられたことにより非操作状態から操作状態に遷移したときは問い合わせを行なわないこととするが、問い合わせるようにしてもよい。
【0063】
CPU120は、問い合わせが不要と判断すれば(ステップS412において、NO)、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0064】
一方、CPU120は、問い合わせが必要と判断すれば(ステップS412において、YES)、状態変化が検出された機器10に対して、労働内容の問い合わせを行なう(ステップS414)。
【0065】
そして、ステップS416において、CPU120は、機器10からの労働内容の入力を受け付ける。
【0066】
続いて、ステップS418において、CPU120は、入力された労働内容を労働内容132に書き込み、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0067】
また、ステップS406において、CPU120は、機器10が操作状態から非操作状態に遷移したと判断すれば(ステップS406において、非操作)、操作状態のときに抽出した労働内容を労働内容132に書き込む(ステップS420)。
【0068】
ついで、ステップS422において、CPU120は、非操作状態に遷移した機器10の労働内容の抽出を終了し、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0069】
ステップS424において、CPU120は、終了条件をみたすかどうか判定する。終了条件を満たさないと判断すれば(ステップS424にて、NO)、待機状態(ステップS400)に戻る。終了条件を満たすと判断すれば(ステップS424にて、YES)、処理を終了する。なお、労働記録装置100のユーザは終了条件を任意に設定することができる。たとえば、労働内容記録装置100の起動させておく期間を終了条件として予め設定しておき、終了条件判断時が、その期間外にあれば労働時間の記録を終了するようにしておいてもよいし、他の条件を設定してもよい。
【0070】
次に、以上で説明したような労働記録装置100の処理について、具体例を用いて説明する。
【0071】
図5は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図5を参照して、労働記録装置100の処理について説明する。なお、図5は、ある特定の労働者が操作する機器10についての状態を示しており、以下では、この機器10に対する労働記録装置100の処理を説明するものとする。労働記録装置100は、各機器10の状態に応じた処理を行なう。
【0072】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置100は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。たとえば、機器状態は「現在時刻:2006年4月26日9時、状態:操作状態」のように記録する。なお、この場合、労働記録装置100は、機器10は電源が入れられたことにより操作状態になったと判断し、機器10への労働内容の問い合わせは行なわない。
【0073】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置100は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。たとえば、記録する労働内容として、「2006年4月26日9時から9時5分、Eメール作成」のように記録する。
【0074】
9時8分(t3)に機器10において入力イベントが発生する。労働記録装置100は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0075】
さらに、時刻t3では、非操作状態から操作状態に遷移したので、労働記録装置100は、機器10に対し、労働内容の問い合わせQ50を行なう。
【0076】
図6は、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
図6に示すように、労働記録装置100は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面600を表示させて、労働内容を問い合わせる。画面600には、入力可能なエリア602が設けられている。労働者は、そこにカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力することができる。
【0077】
労働記録装置100は、入力された内容を労働内容として記録する。たとえば、労働者は、入力可能なエリア602に「書類閲覧」と入力し、「OK」ボタンを押して労働記録装置100に送信する。労働記録装置100は、機器からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として「非操作期間:2006年9時5分から9時8分、労働内容:書類閲覧」のように非操作期間と労働内容と対応付けて記録する。
【0078】
図5に戻って、12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、時刻t3と同様に、13時(t5)では問い合わせQ51が、16時(t7)では問い合わせQ52が行なわれる。
【0079】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置100は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0080】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置100は、非操作状態から操作状態に遷移した直後に、非操作期間の労働内容を労働者に問い合わせることができる。これにより、機器を操作しない期間における労働内容についての収集を漏れなく実施することができる。
【0081】
[実施の形態2]
本実施の形態に係る労働記録装置200は、労働者の勤務期間を考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0082】
労働記録装置200の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例に加え、ハードディスク124内に各労働者の勤務期間の情報を示す勤務期間140を含む。
【0083】
勤務期間とは、たとえば、「Weekday 9:00〜12:00」「Weekday 13:00〜17:00」のような労働者の勤務期間が示されたデータである。この場合、平日の9時から12時および13時から17時が勤務期間である。
【0084】
労働記録装置200のユーザは、キーボード110を介して労働者の勤務期間を入力することができる。この際、CPU120は、ユーザの操作に応じてモニタ104に対し、勤務期間の入力を促すような画面を表示させる。また、勤務期間の情報は、通信インターフェイス128を介して外部より与えられてもよい。
【0085】
図7は、労働記録装置200のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図7を参照して、労働記録装置200のCPU120の機能的構成を説明する。
【0086】
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報および勤務期間140に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間が勤務期間内に含まれるときは、問い合わせを行なうものとする。なお、非操作期間が、勤務期間外と勤務期間内にまたがっているような場合は、勤務期間内の非操作期間についての労働内容を問い合わせるようにしてもよいし、勤務期間外を含むような非操作期間については問い合わせないようにしてもよい。
【0087】
次に、以上で説明したような労働記録装置200の処理について、具体例を用いて説明する。
【0088】
図8は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図8を参照して、労働記録装置200の処理について説明する。なお、図8において、労働者の勤務期間は、時刻t1からt4と、時刻t5からt8とする。
【0089】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置200は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。なお、この場合、労働記録装置200は、機器10の非操作期間が勤務期間に含まれないので、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0090】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置200は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0091】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置200は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0092】
ここで、労働記録装置200は、機器状態が、非操作状態から操作状態に遷移し、かつ非操作期間(t2からt3)が勤務期間内であると判断し、機器10に対して、労働内容の問い合わせQ80を行なう。
【0093】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、13時(t5)では、非操作状態から操作状態に遷移したが、非操作期間(t4からt5)が勤務期間に含まれないので、時刻t1での処理と同様の処理が行なわれる。さらに、時刻t3での処理と同様に、16時(t7)では問い合わせQ81が行なわれる。
【0094】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置200は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0095】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置200は、勤務期間の情報を利用して、労働内容を問い合わせ記録することができる。これにより、無用な労働内容についての問い合わせを防ぐことができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0096】
[実施の形態3]
本実施の形態に係る労働記録装置300は、非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0097】
労働記録装置300の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例と同様である。労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報および予めユーザによって設定された非操作許容時間に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。
【0098】
非操作許容時間とは、非操作期間の長さに基づいて労働内容を問い合わせるかどうかを決定するための判断基準である。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間の長さが非操作許容時間以上であるときは、問い合わせを行なうものとする。
【0099】
次に、以上で説明したような労働記録装置300の処理について、具体例を用いて説明する。
【0100】
図9は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図9を参照して、労働記録装置300の処理について説明する。なお、以下では、非操作許容時間を10分として予め設定されているとする。
【0101】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置300は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。この場合、労働記録装置300は、算出した非操作期間(昨日の機器の電源を切った時刻(たとえば、2006年4月25日17時)からt1まで)が非操作許容時間(10分)よりも長いと判断し、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0102】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置300は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0103】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置300は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0104】
時刻t3において、労働記録装置300は、機器10が非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。しかし、労働記録装置300は、非操作期間(t2からt3)の長さ(3分)は、非操作許容時間(10分)よりも短いと判断し、労働内容の問い合わせは行なわないと決定する。
【0105】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。
【0106】
13時(t5)において、労働記録装置300は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。さらに、非操作期間(t4からt5)の長さ(1時間)は、非操作許容時間(10分)よりも長いと判断して、労働内容の問い合わせQ90を行なう。同様に、16時(t7)において問い合わせQ91が行なう。
【0107】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置300は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0108】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置300は、非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、短時間の非操作期間(たとえば、休憩時間など)についての問い合わせを防止することができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0109】
[実施の形態4]
本実施の形態に係る労働記録装置400は、労働者の勤務期間および非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0110】
労働記録装置400の構成は、労働記録装置200の構成と同様である。
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報、勤務期間140および予めユーザによって設定された非操作許容時間に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間が勤務期間内に含まれており、かつ、非操作期間の長さが非操作許容時間以上であるときは、問い合わせを行なうものとする。
【0111】
次に、以上で説明したような労働記録装置400の処理について、具体例を用いて説明する。
【0112】
図10は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図10を参照して、労働記録装置400の処理について説明する。なお、以下では、非操作許容時間を10分として予め設定されているとする。また、勤務期間は、時刻t1からt4と、時刻t5からt8とする。
【0113】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置400は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。この場合、労働記録装置400は、機器10の非操作期間が勤務期間に含まれないので、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0114】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置400は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0115】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置400は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0116】
なお、時刻t3では、労働記録装置400は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。ここで、非操作期間(t2からt3)は勤務期間内であり、非操作期間の長さ(3分)は非操作許容時間(10分)よりも短いので、労働記録装置400は、機器10に対し、労働内容の問い合わせQ80を行なう。
【0117】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、13時(t5)では、非操作状態から操作状態に遷移したが、非操作期間(t4からt5)が勤務期間に含まれないので、問い合わせは行なわれず、時刻t1での処理と同様の処理が行なわれる。
【0118】
16時(t7)では、労働記録装置400は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。さらに、非操作期間(t6からt7)は勤務期間内であり、非操作期間の長さは非操作許容時間(10分)よりも長いため、機器10に対し、問い合わせQ100を行なう。
【0119】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置400は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0120】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置400は、労働者の勤務期間および非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、短時間の非操作期間や、勤務期間以外についての労働内容についての問い合わせを防ぐことができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0121】
[実施の形態5]
本実施の形態に係る労働記録装置500は、スケジュール情報を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0122】
労働記録装置500の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例に加えて、ハードディスク124内に各労働者の労働予定を示すスケジュール情報142を含む。なお、スケジュール情報は、ユーザがキーボード110を介して入力してもよいし、通信インターフェイス128を介して、外部より与えられてもよい。
【0123】
図11は、労働記録装置500のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図11を参照して、労働記録装置500のCPU120の機能的構成を説明する。
【0124】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308から問い合わせるように指示を受けた時刻に近い日時の、問い合わせ対象の機器に割り当てられている労働者のスケジュールをスケジュール情報142から読み込む。読み込むスケジュールの項目数は、ユーザが予め設定することができる。読み込んだスケジュールは、労働内容の入力を促す画面においてリスト表示される。
【0125】
スケジュール情報とは、たとえば、「4月20日 11:00〜12:00 基本設計)基本設計レビュー会議」「4月20日 14:00〜15:00 詳細設計)詳細設計レビュー会議」「4月20日 16:00〜17:00 テスト設計)テスト設計レビュー会議」のように、日時と労働内容とが対応付けられた項目である。
【0126】
図12は、スケジュール情報を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【0127】
図12に示すように、労働記録装置500は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面1200を表示させる。たとえば、問い合わせ部310は、スケジュール情報142から、非操作期間に近い3個の項目を読み込み、リスト1202のように提示する。
【0128】
労働者は、リスト1202の中から労働内容を選択してもよいし、リスト1202に該当する労働内容がなければ、入力可能なエリア1204にカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力する。そして、入力が終わると「OK」ボタンを押して労働記録装置500に送信する。労働記録装置500は、機器10からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として記録する。
【0129】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置500は、スケジュール情報を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、実施の形態1で述べた効果に加え、労働内容入力の正確さを高め、入力に係る煩雑さを回避することができる。
【0130】
[実施の形態6]
本実施の形態に係る労働記録装置600は、労働者の労働内容の履歴を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0131】
労働記録装置600の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例と同様である。
【0132】
図13は、労働記録装置600のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図13を参照して、労働記録装置600のCPU120の機能的構成を説明する。
【0133】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308から問い合わせるように指示を受けた時刻に近い日時の、問い合わせ対象の機器に割り当てられている労働者の労働履歴を労働内容132から読み込む。読み込む労働内容の項目数は、ユーザが予め設定することができる。読み込んだ労働内容は、労働内容の入力を促す画面においてリスト表示される。
【0134】
労働内容の情報とは、たとえば、「4月20日 9:00〜9:05 Eメール作成」「4月20日 10:00〜11:00 詳細設計)詳細設計レビュー会議」のように、過去に労働者が行なった労働内容と日時が対応付けられた項目が与えられる。
【0135】
図14は、労働履歴を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
図14に示すように、労働記録装置600は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面1400を表示させる。たとえば、問い合わせ部310は、労働内容132から、非操作期間に近い2個の項目を読み込み、リスト1402のように提示する。
【0136】
労働者は、リスト1402の中から労働内容を選択してもよいし、リスト1402に該当する労働内容がなければ、入力可能なエリア1404にカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力する。そして、入力が終わると「OK」ボタンを押して労働記録装置600に送信する。労働記録装置600は、機器10からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として記録する。
【0137】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置600は、労働履歴を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、実施の形態1で述べた効果に加え、労働内容入力の正確さを高め、入力に係る煩雑さを回避することができる。
【0138】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成を例示した図である。
【図2】労働記録装置100の構成例を示すブロック図である。
【図3】労働記録装置100のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】労働記録装置100が実行する処理を示したフローチャートである。
【図5】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図6】問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【図7】労働記録装置200のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図9】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図10】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図11】労働記録装置500のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】スケジュール情報を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【図13】労働記録装置600のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図14】労働履歴を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0140】
1 ネットワーク、10 機器、20 LAN、100,200、300,400,500,600 労働記録装置、102 コンピュータ本体、104 モニタ、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、126 バス、128 通信インターフェイス、130 機器状態、132 労働内容、140 勤務期間、301 機器操作計測部、302 状態変化検出部、304 非操作期間算出部、306 労働内容抽出部、308 労働内容問い合わせ決定部、310 問い合わせ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、労働者の労働内容を記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア開発作業やオフィスワークなど知的労働に従事する労働者に割り当てられる作業には、労働を支援するパソコン等の機器を利用する作業と、そうでない作業がある。
【0003】
また、労働者を管理する管理者は、労働者の作業内容や作業をするのに要した時間等を示す労働内容について、各労働者に対して管理者へ定期的に報告(たとえば、日報、週報など)を求めることが一般的である。
【0004】
収集された労働内容は、管理者が労働者へ時間ベースの賃金を支払う際の基礎データとして利用される。また、プロジェクトの完了時期を予測するなどマネージメントに役立たせるために、労働者の生産性を計測するための基礎データとして利用される。
【0005】
一方、管理される側である労働者の立場に立てば、労働内容を記録する作業は面倒である。このため、特に、パソコンなどの機器を操作している時間を計測支援する従来技術がある。
【0006】
たとえば、特許文献1では、クライアントコンピュータを操作する作業者が、サーバコンピュータにあるワークスペース(コンピュータ上で構築される仮想的な作業場所)を変化させる行動を作業推進とみなし、その変化に関係する時間帯を労働期間として記録するという技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−228192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す方法では、ワークスペースを変化させない作業については労働時間としてカウントされない。たとえば、「コンピュータの画面上で文書を閲覧する」という作業を長時間行なった場合は、ワークスペースを変化させないため作業しているとは判断せず、同作業を実施している期間を「無作業期間」と判定される。
【0008】
また、特許文献1に示す方法では、クライアントコンピュータを操作していない労働については労働時間の計測対象外である。たとえば、他の労働者とのコミュニケーションをとりながら進める仕事のような、コンピュータを使わない仕事は労働として計測されない。
【0009】
上記のように、従来技術では、労働者はワークスペースを変化させる行動以外の労働も行なっているにもかかわらず、このような労働は計測されなかった。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、機器を操作しない労働内容について問い合わせて記録する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの局面に従うと、接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録するための労働記録装置であって、労働内容を記録するための記憶手段と、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するための機器操作計測手段と、機器操作計測手段の計測に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定手段と、労働内容問い合わせ決定手段の決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させ、労働者からの入力を労働内容として記録手段に書き込むための問い合わせ手段とを備える。
【0012】
好ましくは、記憶手段は、労働者の勤務期間を示す情報を含み、労働内容問い合わせ決定手段は、機器操作計測手段が、機器が非操作状態から操作状態に変化したことを検出したことに基づき、非操作状態であった期間の少なくとも一部が勤務期間に含まれているとの判断に応じて、問い合わせ手段に対し、非操作労働内容を問い合わせるよう指示する。
【0013】
好ましくは、労働内容問い合わせ決定手段は、機器操作計測手段が、機器が非操作状態から操作状態に変化したことを検出したことに基づき、非操作状態であった期間が所定の時間よりも長いとの判断に応じて、問い合わせ手段に対し、非操作労働内容を問い合わせるよう指示する。
【0014】
好ましくは、記憶手段は、労働者のスケジュールを示す情報を含み、問い合わせ手段は、機器操作計測手段によって計測された、機器が非操作状態から操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、機器の表示装置に記憶手段から取得したスケジュールを提示して、非操作労働内容を問い合わせる。
【0015】
好ましくは、問い合わせ手段は、機器操作計測手段によって検出された、機器が非操作状態から操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、機器の表示装置に記憶手段に記録された労働内容の履歴を提示して、非操作労働内容を問い合わせる。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、演算部および記憶部を有するコンピュータに、コンピュータに接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行させるための労働記録プログラムであって、演算部が、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、演算部が、計測するステップでの計測結果に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、演算部が、決定するステップでの決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、演算部が、労働者からの入力を労働内容として記憶部に書き込むステップとを備える。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、上記労働記録プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行するための労働記録方法であって、機器に対して、労働者が機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、計測するステップでの計測結果に基づき、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、決定するステップでの決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、労働者からの入力を労働内容として記録するステップとを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、機器を操作しないような労働内容について、労働者に問い合わせて記録することができる。これにより、精度の高い労働期間の計測が可能となり、適切なマネージメントが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
[実施の形態1]
本実施の形態に係る労働記録装置100は、機器を操作しないような労働内容について、労働者に問い合わせて記録することができる。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成を例示した図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成について説明する。
【0024】
本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムは、機器10−1〜10−nと、機器10−1〜10−nの労働内容を記録するための労働記録装置100と、WAN(Wide Area Network)あるいはインターネットなどのネットワークであるネットワーク1とから構成される。
【0025】
労働記録装置100と機器10−1〜10−iは、LAN20を介して接続される。また、労働記録装置100と機器10−(i+1)〜10−nは、ネットワーク1を介して接続される。なお、以下の説明では、機器10−1〜10−nの各機器を特に特定しない場合は、単に機器10と示す。
【0026】
機器10は、たとえばPC(Personal Computer)などである。各労働者には機器が割り当てられており、労働者は機器を使って作業を行なう。
【0027】
なお、労働記録装置100に代わって、後述する実施の形態2〜6における労働記録装置200,300,400,500,600も図1で示したシステムに適用される。各実施の形態では、労働記録装置が図1で示すようなシステムのもと動作する様子について説明する。
【0028】
図2は、労働記録装置100の構成例を示すブロック図である。
図2を参照して、労働記録装置100の構成例について説明する。
【0029】
労働記録装置100は、コンピュータ本体102と、コンピュータ本体102とバス126を介して接続される、フレキシブルディスク(Flexible Disk、以下FD)116に情報を読み書きするためのFDドライブ106と、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128と、表示装置としてのモニタ104と、入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。また、労働記録装置100は、通信インターフェイス128を経由して、図1に示すLAN20に接続される。
【0030】
コンピュータ本体102は、バス126に接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124を含む。
【0031】
ハードディスク124内には、機器10が操作されているかどうかを示す機器状態130と、労働者の労働内容を示す労働内容132とが含まれる。機器状態、労働内容についての詳細は後述する。
【0032】
光ディスクドライブ108にはCD−ROM118などの光ディスクが装着される。FDドライブ106にはFD116が装着される。なお、CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
【0033】
労働内容を記録するプログラム(以下、単に労働内容記録プログラムと呼ぶ)は、FD116またはCD−ROM118等の記憶媒体によって供給される。労働内容記録プログラムがコンピュータ本体102によって実行されることにより、労働内容の記録が行なわれる。また、労働内容記録プログラムは他のコンピュータより通信インターフェイス128を経由し、コンピュータ本体102に供給されてもよい。
【0034】
CPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、上述した労働内容記録プログラムに対応した処理を実行する。
【0035】
労働内容記録プログラムは、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記憶媒体に格納されて流通し、光ディスクドライブ108またはFDドライブ106等により記憶媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
【0036】
図2に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記録媒体に記憶されたソフトウェアである。
【0037】
図3は、労働記録装置100のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、労働記録装置100のCPU120の機能的構成を説明する。
【0038】
CPU120は、機器操作計測部301と、機器操作計測部301が計測した内容に基づき各機器に労働内容を問い合わせるかどうかを決定するための労働内容問い合わせ決定部308と、機器10に労働内容を問い合わせるための問い合わせ部310とを含む。
【0039】
機器操作計測部301は、状態変化検出部302と、非操作期間算出部304と、労働内容抽出部306とを有する。
【0040】
状態変化検出部302は、通信インターフェイス128を介して機器10の状態が変化したかどうかを検出する。
【0041】
ここで、「機器の状態」について説明する。本発明では、「機器の状態」として「操作状態」と「非操作状態」との2状態を定義する。
【0042】
「操作状態」とは、労働者が機器を操作していることを示す状態である。本実施の形態では、(1)労働者が機器の電源を入れた時点から所定時間以内の状態、または(2)労働者が機器を操作している(入力イベントが発生している)時点から所定時間以内の状態、を「操作状態」として定義する。
【0043】
たとえば、(1)の状態は、機器の電源を入れた時点から、スクリーンセイバが発生するまでの状態である。(2)の状態は、労働者が各種アプリケーションソフト(ワープロソフト、表計算ソフト等)を起動し、キーボードを介した文字の入力やマウス操作を介した図形の作成などの入力イベントが発生している時点から、スクリーンセイバが発生するまでの状態である。
【0044】
なお、ここでは機器上のスクリーンセイバが発生するまでの時間を所定時間の例として挙げたが、労働記録装置100のユーザは所定時間を任意に設定することができるものとする。
【0045】
一方、「非操作状態」とは、操作状態以外を示す状態である。つまり、操作状態と非操作状態は排他的な関係にある。
【0046】
たとえば、非操作状態は、労働者が機器を操作してから所定時間以上経過した後の、スクリーンセイバが発生している状態、あるいは電源が入っていない状態をいう。
【0047】
状態変化検出部302は、操作状態から非操作状態、または非操作状態から操作状態へ機器の状態が遷移したことを検出すれば、ハードディスク124の記憶領域である機器状態130に、変化を検出した日時と、現在の機器の状態を書き込む。
【0048】
非操作期間算出部304は、機器状態130に基づき、非操作期間を算出する。なお、「非操作期間」とは、直近に非操作状態として機器状態が書き込まれた時刻から現在の時刻までのことをいう。
【0049】
労働内容抽出部306は、機器10が操作状態のときの労働内容を抽出する。たとえば、特許文献1で開示されている次のような方法で労働内容を抽出することができる。図1に示すように、機器10は、ネットワーク1、LAN20を介して労働記録装置100に対し、どのようなアプリケーションを起動させているか等の情報を送信する。また、労働内容抽出部306には、予めアプリケーションと労働内容とが対応付けて(たとえば、ワープロソフトに対しては文書作成作業が対応付けられている)設定されている。労働内容抽出部306は、機器10からの情報に基づき対応する労働内容を抽出し、労働内容132に書き込む。
【0050】
たとえば、労働内容抽出部306は、機器10−jにおいて、ワープロソフトを起動させて入力イベントが発生していると判断すれば、機器10−jが割り当てられている労働者の労働内容として、文書作成作業を書き込む。
【0051】
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移したときに労働内容を問い合わせるように決定する。ただし、以下の説明では、機器の電源が入れられたことにより非操作状態から操作状態に遷移した場合は、問い合わせは行なわないとするが、問い合わせを行なうようにしてもよい。
【0052】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308からの指示に従い、指示された機器10に対して労働内容の問い合わせを行なう。そして、その問い合わせに対し労働者が入力した内容を労働内容として、労働内容132に書き込む。
【0053】
以上のような構成の労働記録装置100は、機器10の労働内容を記録することができる。以下に、労働記録装置100が実行する処理について説明する。
【0054】
図4は、労働記録装置100が実行する処理を示したフローチャートである。
図4を参照して、労働記録装置100が労働内容を記録する処理について説明する。
【0055】
ステップS400において、CPU120は、機器10から状態を示す情報を受け取るため待機する。
【0056】
次いで、ステップS402において、CPU120は、機器10の状態変化を検出したかどうかを判定する。
【0057】
機器10の状態変化を検出したと判断すれば(ステップS402にて、YES)、変化を検出した日時および現在の状態を機器状態130に書き込む(ステップS404)。
【0058】
一方、CPU120は状態変化を検出していないと判断すれば(ステップS402にて、NO)、ステップS424の処理を行なう。なお、状態変化を検出したかどうかを確認する時間間隔は、労働記録装置100のユーザが予め設定することができる。
【0059】
そして、ステップS406において、CPU120は、状態変化が検出された機器10がどの状態へ遷移したのかどうかを判定する。
【0060】
ここで、CPU120は機器10が非操作状態から操作状態に遷移したと判断すれば(ステップS406にて、操作)、非操作期間を算出する(ステップS408)。
【0061】
次いで、ステップS410において、CPU120は、機器10に対し、労働内容の抽出を開始する(ステップS410)。
【0062】
さらに、ステップS412において、CPU120は、機器10に対し、問い合わせが必要かどうかを判定する。上述したように、本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移したときに問い合わせを行なう。また、本実施の形態では、機器の電源が入れられたことにより非操作状態から操作状態に遷移したときは問い合わせを行なわないこととするが、問い合わせるようにしてもよい。
【0063】
CPU120は、問い合わせが不要と判断すれば(ステップS412において、NO)、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0064】
一方、CPU120は、問い合わせが必要と判断すれば(ステップS412において、YES)、状態変化が検出された機器10に対して、労働内容の問い合わせを行なう(ステップS414)。
【0065】
そして、ステップS416において、CPU120は、機器10からの労働内容の入力を受け付ける。
【0066】
続いて、ステップS418において、CPU120は、入力された労働内容を労働内容132に書き込み、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0067】
また、ステップS406において、CPU120は、機器10が操作状態から非操作状態に遷移したと判断すれば(ステップS406において、非操作)、操作状態のときに抽出した労働内容を労働内容132に書き込む(ステップS420)。
【0068】
ついで、ステップS422において、CPU120は、非操作状態に遷移した機器10の労働内容の抽出を終了し、待機状態(ステップS400)に戻る。
【0069】
ステップS424において、CPU120は、終了条件をみたすかどうか判定する。終了条件を満たさないと判断すれば(ステップS424にて、NO)、待機状態(ステップS400)に戻る。終了条件を満たすと判断すれば(ステップS424にて、YES)、処理を終了する。なお、労働記録装置100のユーザは終了条件を任意に設定することができる。たとえば、労働内容記録装置100の起動させておく期間を終了条件として予め設定しておき、終了条件判断時が、その期間外にあれば労働時間の記録を終了するようにしておいてもよいし、他の条件を設定してもよい。
【0070】
次に、以上で説明したような労働記録装置100の処理について、具体例を用いて説明する。
【0071】
図5は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図5を参照して、労働記録装置100の処理について説明する。なお、図5は、ある特定の労働者が操作する機器10についての状態を示しており、以下では、この機器10に対する労働記録装置100の処理を説明するものとする。労働記録装置100は、各機器10の状態に応じた処理を行なう。
【0072】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置100は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。たとえば、機器状態は「現在時刻:2006年4月26日9時、状態:操作状態」のように記録する。なお、この場合、労働記録装置100は、機器10は電源が入れられたことにより操作状態になったと判断し、機器10への労働内容の問い合わせは行なわない。
【0073】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置100は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。たとえば、記録する労働内容として、「2006年4月26日9時から9時5分、Eメール作成」のように記録する。
【0074】
9時8分(t3)に機器10において入力イベントが発生する。労働記録装置100は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0075】
さらに、時刻t3では、非操作状態から操作状態に遷移したので、労働記録装置100は、機器10に対し、労働内容の問い合わせQ50を行なう。
【0076】
図6は、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
図6に示すように、労働記録装置100は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面600を表示させて、労働内容を問い合わせる。画面600には、入力可能なエリア602が設けられている。労働者は、そこにカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力することができる。
【0077】
労働記録装置100は、入力された内容を労働内容として記録する。たとえば、労働者は、入力可能なエリア602に「書類閲覧」と入力し、「OK」ボタンを押して労働記録装置100に送信する。労働記録装置100は、機器からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として「非操作期間:2006年9時5分から9時8分、労働内容:書類閲覧」のように非操作期間と労働内容と対応付けて記録する。
【0078】
図5に戻って、12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、時刻t3と同様に、13時(t5)では問い合わせQ51が、16時(t7)では問い合わせQ52が行なわれる。
【0079】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置100は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0080】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置100は、非操作状態から操作状態に遷移した直後に、非操作期間の労働内容を労働者に問い合わせることができる。これにより、機器を操作しない期間における労働内容についての収集を漏れなく実施することができる。
【0081】
[実施の形態2]
本実施の形態に係る労働記録装置200は、労働者の勤務期間を考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0082】
労働記録装置200の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例に加え、ハードディスク124内に各労働者の勤務期間の情報を示す勤務期間140を含む。
【0083】
勤務期間とは、たとえば、「Weekday 9:00〜12:00」「Weekday 13:00〜17:00」のような労働者の勤務期間が示されたデータである。この場合、平日の9時から12時および13時から17時が勤務期間である。
【0084】
労働記録装置200のユーザは、キーボード110を介して労働者の勤務期間を入力することができる。この際、CPU120は、ユーザの操作に応じてモニタ104に対し、勤務期間の入力を促すような画面を表示させる。また、勤務期間の情報は、通信インターフェイス128を介して外部より与えられてもよい。
【0085】
図7は、労働記録装置200のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図7を参照して、労働記録装置200のCPU120の機能的構成を説明する。
【0086】
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報および勤務期間140に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間が勤務期間内に含まれるときは、問い合わせを行なうものとする。なお、非操作期間が、勤務期間外と勤務期間内にまたがっているような場合は、勤務期間内の非操作期間についての労働内容を問い合わせるようにしてもよいし、勤務期間外を含むような非操作期間については問い合わせないようにしてもよい。
【0087】
次に、以上で説明したような労働記録装置200の処理について、具体例を用いて説明する。
【0088】
図8は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図8を参照して、労働記録装置200の処理について説明する。なお、図8において、労働者の勤務期間は、時刻t1からt4と、時刻t5からt8とする。
【0089】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置200は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。なお、この場合、労働記録装置200は、機器10の非操作期間が勤務期間に含まれないので、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0090】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置200は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0091】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置200は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0092】
ここで、労働記録装置200は、機器状態が、非操作状態から操作状態に遷移し、かつ非操作期間(t2からt3)が勤務期間内であると判断し、機器10に対して、労働内容の問い合わせQ80を行なう。
【0093】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、13時(t5)では、非操作状態から操作状態に遷移したが、非操作期間(t4からt5)が勤務期間に含まれないので、時刻t1での処理と同様の処理が行なわれる。さらに、時刻t3での処理と同様に、16時(t7)では問い合わせQ81が行なわれる。
【0094】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置200は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0095】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置200は、勤務期間の情報を利用して、労働内容を問い合わせ記録することができる。これにより、無用な労働内容についての問い合わせを防ぐことができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0096】
[実施の形態3]
本実施の形態に係る労働記録装置300は、非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0097】
労働記録装置300の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例と同様である。労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報および予めユーザによって設定された非操作許容時間に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。
【0098】
非操作許容時間とは、非操作期間の長さに基づいて労働内容を問い合わせるかどうかを決定するための判断基準である。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間の長さが非操作許容時間以上であるときは、問い合わせを行なうものとする。
【0099】
次に、以上で説明したような労働記録装置300の処理について、具体例を用いて説明する。
【0100】
図9は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図9を参照して、労働記録装置300の処理について説明する。なお、以下では、非操作許容時間を10分として予め設定されているとする。
【0101】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置300は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。この場合、労働記録装置300は、算出した非操作期間(昨日の機器の電源を切った時刻(たとえば、2006年4月25日17時)からt1まで)が非操作許容時間(10分)よりも長いと判断し、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0102】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置300は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0103】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置300は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0104】
時刻t3において、労働記録装置300は、機器10が非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。しかし、労働記録装置300は、非操作期間(t2からt3)の長さ(3分)は、非操作許容時間(10分)よりも短いと判断し、労働内容の問い合わせは行なわないと決定する。
【0105】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。
【0106】
13時(t5)において、労働記録装置300は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。さらに、非操作期間(t4からt5)の長さ(1時間)は、非操作許容時間(10分)よりも長いと判断して、労働内容の問い合わせQ90を行なう。同様に、16時(t7)において問い合わせQ91が行なう。
【0107】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置300は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0108】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置300は、非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、短時間の非操作期間(たとえば、休憩時間など)についての問い合わせを防止することができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0109】
[実施の形態4]
本実施の形態に係る労働記録装置400は、労働者の勤務期間および非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0110】
労働記録装置400の構成は、労働記録装置200の構成と同様である。
労働内容問い合わせ決定部308は、機器操作計測部301からの情報、勤務期間140および予めユーザによって設定された非操作許容時間に基づき、状態の変化が検出された機器10に対して、労働内容を問い合わせるかどうかを決定する。本実施の形態では、非操作状態から操作状態に遷移した場合に、非操作期間が勤務期間内に含まれており、かつ、非操作期間の長さが非操作許容時間以上であるときは、問い合わせを行なうものとする。
【0111】
次に、以上で説明したような労働記録装置400の処理について、具体例を用いて説明する。
【0112】
図10は、労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
図10を参照して、労働記録装置400の処理について説明する。なお、以下では、非操作許容時間を10分として予め設定されているとする。また、勤務期間は、時刻t1からt4と、時刻t5からt8とする。
【0113】
労働者は、9時(t1)に出社し機器10の電源を入れる。労働記録装置400は、機器10が非操作状態から操作状態になったと判断する。そして、機器状態を記録し、労働内容の抽出を開始する。この場合、労働記録装置400は、機器10の非操作期間が勤務期間に含まれないので、労働内容の問い合わせは行なわない。
【0114】
9時5分(t2)に機器10においてスクリーンセイバが起動する。労働記録装置400は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t1からt2)のときに抽出した労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0115】
9時8分(t3)に入力イベントが発生する。労働記録装置400は、機器10が操作状態になったと判断する。そして、非操作期間を算出し、労働内容の抽出を開始する。この場合、非操作期間は9時5分(t2)から9時8分(t3)である。
【0116】
なお、時刻t3では、労働記録装置400は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。ここで、非操作期間(t2からt3)は勤務期間内であり、非操作期間の長さ(3分)は非操作許容時間(10分)よりも短いので、労働記録装置400は、機器10に対し、労働内容の問い合わせQ80を行なう。
【0117】
12時(t4)、14時(t6)においては、時刻t2での処理と同様の処理が行なわれる。また、13時(t5)では、非操作状態から操作状態に遷移したが、非操作期間(t4からt5)が勤務期間に含まれないので、問い合わせは行なわれず、時刻t1での処理と同様の処理が行なわれる。
【0118】
16時(t7)では、労働記録装置400は、非操作状態から操作状態に遷移したことを検出する。さらに、非操作期間(t6からt7)は勤務期間内であり、非操作期間の長さは非操作許容時間(10分)よりも長いため、機器10に対し、問い合わせQ100を行なう。
【0119】
労働者は、17時(t8)に機器10の電源を切る。労働記録装置400は、機器10が非操作状態になったと判断する。そして、機器状態および操作状態(t7からt8)における労働内容を記録し、労働内容の抽出を終了する。
【0120】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置400は、労働者の勤務期間および非操作期間の長さを考慮し、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、短時間の非操作期間や、勤務期間以外についての労働内容についての問い合わせを防ぐことができる。したがって、実施の形態1で述べた効果に加え、労働者の労働内容入力の煩雑さを回避することができる。
【0121】
[実施の形態5]
本実施の形態に係る労働記録装置500は、スケジュール情報を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0122】
労働記録装置500の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例に加えて、ハードディスク124内に各労働者の労働予定を示すスケジュール情報142を含む。なお、スケジュール情報は、ユーザがキーボード110を介して入力してもよいし、通信インターフェイス128を介して、外部より与えられてもよい。
【0123】
図11は、労働記録装置500のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図11を参照して、労働記録装置500のCPU120の機能的構成を説明する。
【0124】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308から問い合わせるように指示を受けた時刻に近い日時の、問い合わせ対象の機器に割り当てられている労働者のスケジュールをスケジュール情報142から読み込む。読み込むスケジュールの項目数は、ユーザが予め設定することができる。読み込んだスケジュールは、労働内容の入力を促す画面においてリスト表示される。
【0125】
スケジュール情報とは、たとえば、「4月20日 11:00〜12:00 基本設計)基本設計レビュー会議」「4月20日 14:00〜15:00 詳細設計)詳細設計レビュー会議」「4月20日 16:00〜17:00 テスト設計)テスト設計レビュー会議」のように、日時と労働内容とが対応付けられた項目である。
【0126】
図12は、スケジュール情報を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【0127】
図12に示すように、労働記録装置500は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面1200を表示させる。たとえば、問い合わせ部310は、スケジュール情報142から、非操作期間に近い3個の項目を読み込み、リスト1202のように提示する。
【0128】
労働者は、リスト1202の中から労働内容を選択してもよいし、リスト1202に該当する労働内容がなければ、入力可能なエリア1204にカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力する。そして、入力が終わると「OK」ボタンを押して労働記録装置500に送信する。労働記録装置500は、機器10からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として記録する。
【0129】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置500は、スケジュール情報を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、実施の形態1で述べた効果に加え、労働内容入力の正確さを高め、入力に係る煩雑さを回避することができる。
【0130】
[実施の形態6]
本実施の形態に係る労働記録装置600は、労働者の労働内容の履歴を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。
【0131】
労働記録装置600の構成は、図2で示した労働記録装置100の構成例と同様である。
【0132】
図13は、労働記録装置600のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
図13を参照して、労働記録装置600のCPU120の機能的構成を説明する。
【0133】
問い合わせ部310は、労働内容問い合わせ決定部308から問い合わせるように指示を受けた時刻に近い日時の、問い合わせ対象の機器に割り当てられている労働者の労働履歴を労働内容132から読み込む。読み込む労働内容の項目数は、ユーザが予め設定することができる。読み込んだ労働内容は、労働内容の入力を促す画面においてリスト表示される。
【0134】
労働内容の情報とは、たとえば、「4月20日 9:00〜9:05 Eメール作成」「4月20日 10:00〜11:00 詳細設計)詳細設計レビュー会議」のように、過去に労働者が行なった労働内容と日時が対応付けられた項目が与えられる。
【0135】
図14は、労働履歴を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
図14に示すように、労働記録装置600は、機器10に対し、非操作期間の労働内容の入力を促すような画面1400を表示させる。たとえば、問い合わせ部310は、労働内容132から、非操作期間に近い2個の項目を読み込み、リスト1402のように提示する。
【0136】
労働者は、リスト1402の中から労働内容を選択してもよいし、リスト1402に該当する労働内容がなければ、入力可能なエリア1404にカーソルを移動させ、機器のキーボード等から文字列を入力する。そして、入力が終わると「OK」ボタンを押して労働記録装置600に送信する。労働記録装置600は、機器10からの入力情報を受信し、非操作状態の労働内容として記録する。
【0137】
以上で説明したように、本実施の形態に係る労働記録装置600は、労働履歴を利用し、非操作期間における労働内容の候補を提示して、機器を操作しないような労働内容について問い合わせて記録することができる。これにより、実施の形態1で述べた効果に加え、労働内容入力の正確さを高め、入力に係る煩雑さを回避することができる。
【0138】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本実施の形態に係る労働記録装置100が適用されるシステムの構成を例示した図である。
【図2】労働記録装置100の構成例を示すブロック図である。
【図3】労働記録装置100のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】労働記録装置100が実行する処理を示したフローチャートである。
【図5】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図6】問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【図7】労働記録装置200のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図9】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図10】労働者の出社から退社までの機器の状態を時系列的に示した図である。
【図11】労働記録装置500のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】スケジュール情報を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【図13】労働記録装置600のCPU120の機能的構成を示すブロック図である。
【図14】労働履歴を含む、問い合わせの入力フォームの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0140】
1 ネットワーク、10 機器、20 LAN、100,200、300,400,500,600 労働記録装置、102 コンピュータ本体、104 モニタ、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、126 バス、128 通信インターフェイス、130 機器状態、132 労働内容、140 勤務期間、301 機器操作計測部、302 状態変化検出部、304 非操作期間算出部、306 労働内容抽出部、308 労働内容問い合わせ決定部、310 問い合わせ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録するための労働記録装置であって、
前記労働内容を記録するための記憶手段と、
前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するための機器操作計測手段と、
前記機器操作計測手段の計測に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定手段と、
前記労働内容問い合わせ決定手段の決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させ、前記労働者からの入力を前記労働内容として前記記録手段に書き込むための問い合わせ手段とを備える、労働記録装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記労働者の勤務期間を示す情報を含み、
前記労働内容問い合わせ決定手段は、前記機器操作計測手段が、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化したことを検出したことに基づき、前記非操作状態であった期間の少なくとも一部が前記勤務期間に含まれているとの判断に応じて、前記問い合わせ手段に対し、前記非操作労働内容を問い合わせるよう指示する、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項3】
前記労働内容問い合わせ決定手段は、前記機器操作計測手段が、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化したことを検出したことに基づき、前記非操作状態であった期間が所定の時間よりも長いとの判断に応じて、前記問い合わせ手段に対し、前記非操作労働内容を問い合わせるよう指示する、請求項1または2に記載の労働記録装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記労働者のスケジュールを示す情報を含み、
前記問い合わせ手段は、前記機器操作計測手段によって計測された、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、前記機器の前記表示装置に前記記憶手段から取得した前記スケジュールを提示して、前記非操作労働内容を問い合わせる、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項5】
前記問い合わせ手段は、前記機器操作計測手段によって検出された、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、前記機器の前記表示装置に前記記憶手段に記録された前記労働内容の履歴を提示して、前記非操作労働内容を問い合わせる、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項6】
演算部および記憶部を有するコンピュータに、前記コンピュータに接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行させるための労働記録プログラムであって、
前記演算部が、前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、
前記演算部が、前記計測するステップでの計測結果に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、
前記演算部が、前記決定するステップでの決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、
前記演算部が、前記労働者からの入力を前記労働内容として前記記憶部に書き込むステップとを備える、労働記録プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の労働記録プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行するための労働記録方法であって、
前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、
前記計測するステップでの計測結果に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、
前記決定するステップでの決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、
前記労働者からの入力を前記労働内容として記録するステップとを備える、労働記録方法。
【請求項1】
接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録するための労働記録装置であって、
前記労働内容を記録するための記憶手段と、
前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するための機器操作計測手段と、
前記機器操作計測手段の計測に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定手段と、
前記労働内容問い合わせ決定手段の決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させ、前記労働者からの入力を前記労働内容として前記記録手段に書き込むための問い合わせ手段とを備える、労働記録装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記労働者の勤務期間を示す情報を含み、
前記労働内容問い合わせ決定手段は、前記機器操作計測手段が、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化したことを検出したことに基づき、前記非操作状態であった期間の少なくとも一部が前記勤務期間に含まれているとの判断に応じて、前記問い合わせ手段に対し、前記非操作労働内容を問い合わせるよう指示する、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項3】
前記労働内容問い合わせ決定手段は、前記機器操作計測手段が、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化したことを検出したことに基づき、前記非操作状態であった期間が所定の時間よりも長いとの判断に応じて、前記問い合わせ手段に対し、前記非操作労働内容を問い合わせるよう指示する、請求項1または2に記載の労働記録装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記労働者のスケジュールを示す情報を含み、
前記問い合わせ手段は、前記機器操作計測手段によって計測された、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、前記機器の前記表示装置に前記記憶手段から取得した前記スケジュールを提示して、前記非操作労働内容を問い合わせる、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項5】
前記問い合わせ手段は、前記機器操作計測手段によって検出された、前記機器が前記非操作状態から前記操作状態に変化した状態変化時刻に基づき、前記機器の前記表示装置に前記記憶手段に記録された前記労働内容の履歴を提示して、前記非操作労働内容を問い合わせる、請求項1記載の労働記録装置。
【請求項6】
演算部および記憶部を有するコンピュータに、前記コンピュータに接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行させるための労働記録プログラムであって、
前記演算部が、前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、
前記演算部が、前記計測するステップでの計測結果に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、
前記演算部が、前記決定するステップでの決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、
前記演算部が、前記労働者からの入力を前記労働内容として前記記憶部に書き込むステップとを備える、労働記録プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の労働記録プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
接続された機器を操作する労働者の労働内容を記録する処理を実行するための労働記録方法であって、
前記機器に対して、前記労働者が前記機器を操作している操作状態と操作していない非操作状態を計測するステップと、
前記計測するステップでの計測結果に基づき、前記非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定するステップと、
前記決定するステップでの決定に応じて、前記機器の表示装置に前記非操作労働内容の問い合わせを表示させるステップと、
前記労働者からの入力を前記労働内容として記録するステップとを備える、労働記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−27283(P2008−27283A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200555(P2006−200555)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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