説明

動いている人の前進を測定するための方法および装置

本発明は、物理測定に用いられる測定装置に関し、特に、動いている人の前進を測定するための方法および装置に関する。本発明の解決法において、動いている人の前進を示す量は、加速センサで測定される体の垂直加速値、および、測定された時間に基づいて計算することができる。本発明は、動いている人の前進を測定するため、様々な種類の移動の方法における多くの測定法に適用可能である従来の解決法よりも良くかつ単純な解決法を提供する意図を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物理的測定に用いられる測定装置に関し、特に動いている人の前進を測定するための方法および装置に関するものである。本発明は、動いている人の前進を測定するため、従来のものよりも良くかつ単純な解決法を提供することを意図し、その解決法は異なる種類の移動における多くの方法に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
例えば加速度または角速度センサ(慣性ナビゲーション)のような慣性センサに基づいてナビゲーションを実行する際にセンサ信号が統合される場合、統合時間が極端に長引かないことが重要であり、したがって、センサにおけるエラーを測定することによって生じる位置または方向におけるエラーを極端に増やす。それを防ぐため、多くの場合、動作を十分簡潔な周期的な反復性サイクルに分けることが目的になる。その方法は、段階的ナビゲーションと呼ばれている。運動コーチおよび競技やフィットネス運動、および、他のアウトドア活動において、例えば、歩幅と同様に、移動の速度、カバーされた距離、方向、ステップレート(歩調)およびステップ時間が測定されるそのような段階的なナビゲーションは重要である。移動の方法は、周期的動作が存在する例えば、ランニング、ウオ−キング、ポール・ウオ−キング、競歩、クロスカントリー・スキー、ダウンヒル・スポーツ、ローラー・スキー、ローラー・スケート、スケート等であってもよい。
【0003】
慣性ナビゲーションは単独で運用可能である。または、衛星位置決めエラー状況の診断用の特に衛星信号が弱い範囲の領域において衛星ナビゲーションの精度を改良するため、または、衛星信号の受信の間の間隔を増やすことによって衛星ナビゲーションの動力消費量を減らすため、衛星ナビゲーションと組み合わせて使われることができる。
【0004】
従来技術において、加速度センサを用いてカバーされる距離を測定することを意図するいくつかの解決法が存在する。例えば慣性ナビゲーションにおいて、カバーされる距離を測定するため、多くの場合加速度センサが使われる。加速度センサによって、足の接触時間、すなわち足が地面に接触する時間を測定することができる。例えば特許文献1は、従来技術に従ったそのような解決法を開示する。この特許に記載された方法では高速でのランニングには良い結果をもたらすが、地面を離れる場合の検出が難しいゆっくりとした速度のランニングにもウォーキングにも強くはない。
【0005】
加速度センサは、単に歩数を計数し、歩数に基づいた距離、および、歩調に基づいた速度を推定する単純なスイッチ等であってもよい。これらの装置は、歩数計と呼ばれている。
【0006】
従来技術による幾分進歩したシステムにおける解決法として、歩行者の実際の動作は、加速度センサによって足で測定されることができる。従来技術によるそのような解決法は、例えば特許文献2ないし4において開示される。
【0007】
上述した特許公報において、多数の加速度センサおよび角運動センサからの測定信号は組み合わせられ、歩数計または接触時間測定値のものに比べ、精度の大幅な改善が達成される。しかしながら、従来技術によるこれらの解決法において、システムのサイズ、そのコストおよび動力消費量に現れるアルゴリズムの複雑さと同様に、地軸の傾きおよびその変動による地球の重力によって生じる誤差を補正するため、角運動センサと同様に多数のセンサ、線形加速度センサが必要であることが欠点である。
【0008】
上記の測定システムを単純するため、地上で足が静止した一定期間の情報が利用され、したがって、自動的にリセットすることにより精度を改良することが目的であるように加速度センサを使用する従来技術による解決法が開示された。そのような技術での従来技術による解決法は、例えば特許文献5において開示される。しかしながら、その特許公報に記載されている方法は、動作の間に傾きが変わる場合の不正確さが欠点である。この場合、同様に計算も複雑であり、動力およびプログラム記憶容量を必要とする。
【0009】
動作を検出し、動きの継続期間を測定するための従来技術による解決法は、加速度センサに基づいた開示された方法である。例えばそのような従来技術の解決法は、特許文献6において開示される。
【0010】
従来技術によるさらなる解決法は、例えば、特許文献7および特許文献8においてアスリートの動きを測定する一般的な装置で開示される。
【0011】
文献において、段階的なナビゲーションの従来技術によるいくつかの解決法が開示された。単純性を組み合わせて、すべてのこれらの周知の解決法において、低コスト、小さいサイズ、低い動力消費量、および、精度は問題である。示された解決法の主要なエラーの原因は、角度が変わるための測定信号への引力の結合、足と地面との接触の明白な検出、および、地面の接触での足のすべりであり、それによって、加速度信号および速度信号は、ゆがめられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許公報第4,578,769号
【特許文献2】米国特許出願2002/0040601号
【特許文献3】米国特許公報第5,955,667号
【特許文献4】カナダ特許公報第2,218,242号
【特許文献5】米国特許第6,356,856号
【特許文献6】米国特許公報第6,298,314号
【特許文献7】米国特許公報第7,092,846号
【特許文献8】国際出願公開WO00/20874号
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、動いている人の前進を測定するための改良された方法および装置である。本発明による方法および装置によって、精度は上に示された最高の方法のそれに等しいが、傾き補正なしで1つの加速度センサを用いて複雑さがかなり減少した解決法で達成される。本発明のセンサの解決法は、異なる種類の移動を測定する多くの解決法に適用することができる。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、動いている人の前進を示す以下の量の少なくとも1つ、すなわち速度、ステップレート、歩数、歩幅、距離、および、移動の方法が、加速度センサにより測定される体の垂直加速度値に基づいて、および、測定時間に基づいて計算されるように、動いている人の前進を測定する方法が提供される。好ましくは、陽の半周期、すなわち加速段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、対応して陰の半周期、すなわち制動段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminは、体の垂直加速度の測定値に基づいて定められる。
【0015】
好ましくは、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速値αmaxは、ステップ・サイクル別の測定された加速値の最大値として得られ、特徴的な最小加速値αminは、ステップ・サイクル別の測定された加速値の最小値として得られる。
【0016】
あるいは、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxは、類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として得られ、特徴的な最小加速αminは、類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として得られる。
【0017】
さらに代わりに、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxは、デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として得られ、特徴的な最小加速αminは、デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として得られる。
【0018】
さらに代わりに、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxは、陽の半周期の間に時間と共に選択されるデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られ、ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminは、陰の半周期の間に時間と共に選択されるデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られる。さらに好ましくは、デジタル・フィルタリングにおいて使用される関数は、
αout=αin/√[1+(f/f]である。
ここでfは周波数であり、fは適切に選択された境界周波数である。
【0019】
さらに代わりに、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxは、デジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として得られ、および、特徴的な最小加速αminは、デジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として得られる。
【0020】
さらに代わりに、ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxは、陽の半周期の間時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られ、特徴的な最小加速αminは、陰の半周期の間時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られる。
【0021】
好ましくは、デジタル加重フィルタリングにおいて使用される関数は、
αout(n)=(1−k)*αout(n−1)+αin*kである。
ここでnは、n番目のサンプルを示し、kは加重要素である。
【0022】
好ましくは、速度vは、垂直加速の特徴的な最大加速αmaxに基づいて次のように計算される。

【0023】
ここでgは引力によって生じる加速であり、frefは基準周波数であり、特徴的な最大加速αmaxは、最適に選択された境界周波数fでフィルタをかけられた垂直加速の最大値である。あるいは、速度vは、次のように垂直加速の特徴的な最小加速αminに基づいて計算される。
【0024】
v≒k・√|αmin
【0025】
好ましくは、動いている人の前進を示す量を計算する際、1つのステップのために使われる時間Tstepは、垂直加速の測定された値から導き出される加速グラフ上での最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような2つの同等の位置間の時間間隔として得られる。
【0026】
好ましくは、歩幅sstepは、次の公式を用いて計算される。
step=v*Tstep
【0027】
好ましくは、ステップレートfstepは、次の公式を用いて計算される。
step=1/・Tstep
【0028】
さらに好ましくは、歩数nは、垂直加速の測定された値により与えられた加速グラフ上での最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような同等の位置の数nに基づいて計算される。
【0029】
さらに好ましくは、カバーされた距離sは、歩幅の合計として計算される。

s= Σsstep(i)
i=1
【0030】
好ましくは、本発明の方法は、加速の最大値および最小値、特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαmin、および/または、ステップレートに基づいて、ウォーキング、ランニング、およびスキーのような前進の方法を区別する。好ましくは、方法は、ランニング、ウォーキング、ポールウォーキング、または、クロスカントリー・スキーのような各々の前進方法に個々の較正を作成する。好ましくは、方法は、段階的なナビゲーションに用いられるように構成される。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、動いている人の前進を測定するために装置が提供され、その装置は、動いている人の前進を示す以下のうちの少なくとも1つ、速度、ステップレート、歩数、歩幅、距離、および、前進の方法が、加速センサで測定される体の垂直加速の値に基づいて、および、測定された時間に基づいて計算されるように、最小加速および時間を測定するのに適している。
【0032】
好ましくは、装置は、陽の半周期、すなわち加速段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxを決定するのに適していて、対応して、体の垂直加速の測定値に基づいて、陰の半周期、すなわち制動段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。
【0033】
好ましくは、装置は、ステップ・サイクル別の測定された加速値の最大値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxを決定するのに適していて、ステップ・サイクル別の測定された加速値の最小値としてステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。
【0034】
あるいは、装置は、類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、類推によってフィルタをかけられた加速センサの各々のステップ・サイクルの最小値として特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。
【0035】
さらにあるいは、装置は、デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、デジタルフィルタリングされた加速センサの各々のステップ・サイクルの最小値として特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。
【0036】
さらに代わりに、装置は、陽の半周期の間時間と共に選択されるデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、陰の半周期の間時間と共に選択されるデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。さらに好ましくは、装置はデジタル・フィルタリング関数αout=αin/√[1+(f/f]で使用されるのに適している。ここでfは周波数であり、fは最適に選択された境界周波数である。
【0037】
さらに代わりに、装置は、デジタル加重によってフィルタをかけられる加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、デジタル加重によってフィルタをかけられる加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。
【0038】
さらに代わりに、装置は、陽の半周期の間時間と共に選ばれたデジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値としてステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmax、および、陰の半周期の間時間と共に選ばれたデジタル加重でフィルタをかけられた加速センサからの信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として特徴的な最小加速αminを決定するのに適している。さらに好ましくは、装置は関数:αout(n)=(1−k)*αout(n−1)+αin*kを使用するためにデジタル加重フィルタリングにおいて適応され、ここでnは、n番目のサンプルを示し、kは加重要素である。
【0039】
好ましくは、装置は、次のように垂直加速の特徴的な最大加速αmaxに基づいて、速度vを計算するのに適している。

【0040】
ここでgは引力によって生じる加速であり、frefは基準周波数であり、特徴的な最大加速αmaxは、最適に選択された境界周波数fでフィルタをかけられた垂直加速の最大値である。あるいは、装置は、次のように垂直加速の特徴的な最小加速αminに基づいて、速度vを計算するのに適している。
v≒k・√|αmin
【0041】
好ましくは、装置は、動いている人の前進を示す量を計算する際、垂直加速の測定値から導き出される加速グラフ上の最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような2つの同等な位置間の時間間隔として1つのステップで使われる時間Tstepを決定するために適応される。
【0042】
好ましくは、装置は次の公式を用いて歩幅sstepを計算するように適応される。
step=v*Tstep
【0043】
好ましくは、装置は次の公式を用いてステップレートfstepを計算するように適応される。
step=1/・Tstep
【0044】
さらに好ましくは、装置は、垂直加速の測定された値により与えられた加速グラフ上での最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような同等の位置の数nに基づいて歩数nを計算するように適応される。
【0045】
さらに好ましくは、装置は、歩幅の合計としてカバーされた距離sを計算するように適応される。
【0046】

s= Σsstep(i)
i=1
【0047】
好ましくは、装置は、加速の最大値および最小値、特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαmin、および/または、ステップレートに基づいて、ウォーキング、ランニング、およびスキーのような前進の方法を区別するように適応される。
【0048】
好ましくは、装置は、ランニング、ウォーキング、ポールウォーキング、または、クロスカントリー・スキーのような各々の前進方法に個々の較正を作成するように適応される。
【0049】
好ましくは、装置は、段階的なナビゲーションに用いられるように適応される。さらに好ましくは、装置は、高度計、衛星ナビゲーション装置および/または磁力計と協働するように適応される。さらに好ましくは、装置は、マップ・データベース・データおよび/または地形傾きデータを受信および/または利用するために適応される。
【0050】
本発明の第3の態様によれば、動いている人の体の中央に置かれる装置は、その装置が上記の通りに動いている人の前進を測定する装置を含むように提供される。好ましくは、動いている人の体の中央に置かれる装置は、動いている人の衣類、帽子、首、ポケットまたはベルトにおいて配置される。
【0051】
本発明の第4の態様によれば、動いている人のためのディスプレイ・ユニットは、動いている人のためのディスプレイ・ユニットが上記の通りに装置と協働して動いている人の前進を測定するために適応するように提供される。
【0052】
本発明の第5の態様によれば、動いている人の前進を測定するためのシステムは、システムは上記の通りに動いている人の前進を測定するための装置を含み、この装置および動いている人のためのディスプレイ・ユニットと協働するために適応するように提供される。好ましくは、動いている人の前進を測定するための前記装置と、動いている人のための前記ディスプレイ・ユニットとは、1つの装置において一体化される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
下記に、本発明およびその好ましい実施態様は、同封した図の例示的な参照によって詳述される。そこで、
【図1】図1は、本発明の測定装置の線図を示す。
【図2】図2は、本発明の測定装置の図を示す。
【図3】図3は、本発明の測定装置の変形例の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、本発明の測定装置の線図を示す。装置は、測定ユニット1、記憶ユニット2、および、ディスプレイ・ユニット3から構成することができる。これらは、無線または有線の連結を用いて互いに通信する。いくつかのユニットまたはその全部は、同じケースまたはユニットにおいて一体化することができる。測定ユニットは、例えば、中央に近い人体の近くに取り付けられる。測定ユニットは典型的に、例えば衣類、帽子、首、ポケットのような、動いている人の衣服、または、中央近く、すなわち体の重心の近くの例えばベルトに配置される。ディスプレイ・ユニットは典型的に、明らかに目に見える位置において置かれる。それは例えば測定および保管ユニットにおいて一体化される、または、別々であることもできる。それはまた、腕時計、衛星ナビゲータ、移動端末、ラジオ受信機、プレーヤ等の一部であってもよい。測定装置のためのいかなる較正データも、1つのユニットまたはいくつかのユニットにおいて格納される。
【0055】
図2は、本発明の測定装置の図を示す。測定ユニット1は、1から3つの軸の加速センサ4と、加速データの分析および診断のためのユニット5と、揮発性および不揮発性メモリ6と、通信ユニット7と、例えば電池、アキュムレータ、ハーベスタまたはいくつかの類似した装置のような電源8とを含むことができる。分析ユニットは例えば、マイクロプロセッサまたはDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)に基づいてもよい。メモリは例えば、ユーザ・データ、較正データ、測定データ、および、他のログ・データを格納する。通信ユニットは例えば、転送プロトコル発生器、必要なインタフェース、またはラジオ送信機、レシーバ、および、アンテナを含む。
【0056】
測定ユニットは、人体の近くに固定されて、例えば中央の近く、すなわち体の重心近くに配置されることができる。測定ユニットは典型的に、例えば衣類、帽子、首、ポケットまたはベルトのように動いている人の衣類に置かれる。
【0057】
図3は、本発明の他の測定ユニットの図を示す。速度およびカバーされる距離に加えて、移動したルートを知りたい場合、各々のステップまたは時に決定されるコンパス方向のための2または3つの軸の磁力計11を他の測定ユニットに加えることができる。
【0058】
本発明の解決法において、周期的動作の前進加速は、1以上の方向において測定されている。各々のステップ・サイクルの間に測定される垂直加速値から、陽の半周期または加速段階の間に起こる特徴的な最大加速αmaxおよび、それぞれ、陰の半周期または制動段階の間に起こる特徴的な最小加速αminは、決定されている。
【0059】
特徴的な最大加速αmax、および特徴的な最小加速αminの値として、明らかにゼロとは異なる加速が定められ、それによって、それらが明らかに値αmaxおよびαminより低いので、加速センサのゼロ点エラー、または、信号測定の傾きによって生じる引力の結合の影響は最小である。
【0060】
本発明の解決法において、特徴的な最大加速αmaxおよび特徴的な最小加速αminは例えば、加速センサで測定される生のデータから直接垂直加速値の最大および/または最小として定めることができる。あるいは、本発明の解決法において、値αmaxおよびαminは、例えば機械的に信号αinを減衰することにより加速センサ信号を類推によりフィルタリングすることによって定めることができる。
【0061】
さらに代わりに、本発明の解決法において、値αmaxおよびαminは、加速センサ信号αinを例えばRCフィルタによってデジタル的にフィルタをかけることによって定義することができる。この場合、デジタル・フィルタリングにおいて、第1段階のフィルタリングにおいて使用される関数は例えば、αout=αin/√[1+(f/f]であってもよく、ここでfは周波数であり、fは−3dBの境界周波数であり、値αmaxおよびαminは、フィルタをかけられた加速値の最大および/または最小として、このフィルタをかけられた信号に基づいて定めることができる。
【0062】
さらに代わりに、本発明の解決法において、値αmaxおよびαminは、デジタル加重によって加速センサ信号αinをフィルタリングすることによって定めることができる。ここで、デジタル加重において使用される関数は例えば、
αout(n)=(1−k)*αout(n−1)+αin*kであってもよい。ここでnは、n番目のサンプルを示し、kは加重要素である。
【0063】
さらに代わりに、本発明の解決法において、値αmaxおよびαminは、陽および/または陰の半周期の間に選択される時間と共に測定された加速値から計算された平均値を用いて定めることができる。
【0064】
1つのステップTstepのために使われた時間は、垂直加速の測定された値によって与えられる加速グラフ上の最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような2つの同等の位置間の時間間隔として得られる。ステップの間、地面の接触に費やされる時間Tは、測定された垂直加速値から導き出される加速グラフのゼロ加速の時間の長さに基づいて得られる。
【0065】
ランニングにおいて、速度は、接触時間の逆と離れる際に発生する力とに比例することに留意するべきである。体の平均的垂直加速がゼロであるので、
・αmax+(Tstep−T)・αmin=0
移動vの速度は、特徴的な最大加速αmaxに基づいて得られる。換言すれば、

【0066】
であり、そこで、gは引力によって生じる加速であり、frefは基準周波数であり、特徴的な最大加速αmaxは、例えば、境界周波数f0=6Hzで強くフィルタをかけられる垂直加速の最大値である。ランニングの際、中央または体の他のいくつかの部分の特徴的な最大加速αmaxは、前進の速度の良い目安である。
【0067】
ウォーキングにおいて、速度は、垂直加速の特徴的な最小加速αminに基づいて得られる、換言すれば、v≒k・√|αmin|である。係数kは、ある程度、加速データのフィルタリングの境界周波数に依存する。ウォーキングの際、中央または体の他のいくつかの部分の特徴的な最小加速αminは、前進の速度の良い目安である。
【0068】
本発明の解決法において、歩幅sstepは、公式sstep=v*Tstepを用いて計算することができ、および、対応して、ステップ速度または歩調fstepは、公式fstep=1/Tstepを用いて計算することができる。
【0069】
本発明の解決法において、ランニングおよびウォーキングは、前進のステップレートおよび速度に基づいて互いに区別することができる。低速のランニングで、非線形モデルが使われることができ、ランニングおよびウォーキングは互いに適応することができる。
【0070】
本発明の解決法において、歩数nは、垂直加速の測定値によって与えられる加速グラフ上の最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような同等の位置の数nに基づいて計算することができる。さらに、本発明の解決法において、カバーされた距離sは、歩幅の合計として計算することができる。
【0071】

s= Σsstep(i)
i=1
【0072】
本発明の解決法において、1つの軸の単一の加速センサが使われることができ、したがって、上で示された公式の計算の例えばマイクロコントローラによる実施は、単純な作業である。消費製品に十分な精度が達成される手段によって、小さく、低コストかつ低動力センサの解決法がこのことにより可能になる。個々の較正なしで、1キロメートルを上回る距離での相対的なエラーは10%少ない。
【0073】
本発明の解決法において、多くの軸の加速センサが、同様に使われることができ、それは例えば、固定した位置でのランニングの診断を可能にする。
【0074】
本発明の解決法において、2つの軸の磁力計もまた、あらゆる歩幅および方向が得られる手段によって使うことができる。体の傾きが多少一定であるので、傾き補正が同様に存在する。方向および速度の較正は、前後に直線で走ることによって実行されることができる。
【0075】
本発明の解決法において、値がそれらと比較すると大きい数である特徴的な最大加速αmaxおよび特徴的な最小加速αminを用いる場合、速度推定は、加速センサのゼロ点エラーから、または、傾きによって生じる計測信号への引力結合から最小の影響を受ける。例えばウォーキング、ランニング、および、スキーのような前進の方法は、特徴的な最大加速αmaxおよび特徴的な最小加速αminおよび/またはステップ速度に基づいて、互いに区別することができる。
【0076】
本発明の解決法において、ステップ・サイクルの間に測定される加速値に基づき、各々のステップ・サイクルの特徴的な最大の加速および特徴的な最小加速値αmaxおよびαminは、速度、ステップ速度、ステップ長さを評価して定められ、距離は、例えばポリノームを使って、単純な算数を用いて低い動力消費量で計算することができる。
【0077】
較正されない場合であっても、システムは良い精度を提供する。精度を改良するため、例えば、ランニング、ウォーキング、ポールウォーキング、またはクロスカントリー・スキーのような前進の異なるモードに個々の較正が作成されてもよい。これは、1つの速度または多くの速度を用いて周知の距離において実行されてもよい。較正を繰り返すことによって、確率論的なエラーによって生じる速度および距離におけるエラーは減少し、それによって、精度はさらに改良される。新規な較正データは、適切なデジタル・フィルタリングによって古いデータに加えられることができる。加えて精度のさらなる改良のため、特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαminに関する情報は、接触時間データ、高度計から得られる高度および地形傾きデータの変更、および/または、衛星ナビゲーションと組み合わせることができる。
【0078】
完全な段階的なナビゲーション・ユニットは、磁力計から得られるステップ・データをコンパス方向に加えることによって提供される。磁力計は、例えば垂直軸の周りを回転することによって調整されることができる。取付けにおける方向エラーは例えば、選択された較正ルートを前後に歩くことによりすぐ調整されることができる。絶対的な座標データは、このナビゲーション・ユニットを衛星ナビゲーションと組み合わせることによって得られる。座標および動きの整合性の検査が高度、および、高度の変化に基づくように実行されるので、精度は、マップ・データベースおよび高度計と、ナビゲーション・ユニットとを組み合わせることによってさらに改良される。
【0079】
主な測定方向に対して垂直な加速センサ信号を用いて、移動の効率の尺度は得られる。
【0080】
本発明の解決法において、特徴的な最大の加速および特徴的な最小加速値αmaxおよびαmin、および/または1以上の軸の加速センサから得られる最大および/または最小加速値は、人の前進の速度を推定するために使うことができる。加速センサの信号は、速度推定値ができるだけ正確かつ信頼性が高いように機械的、電子的、アナログおよび/またはデジタル・フィルタリングによって最適にフィルタをかけることができる。本発明の解決法において、ステップ時間、ステップレート、歩幅、および、距離がステップから累算された距離は、連続的な最大値または最小値の間で速度および時間間隔に基づいて計算することができる。
【0081】
本発明の解決法において、ウォーキング、ランニング、および、スキー、または、他の方法の前進は、例えば、体の中央の最大および最小加速、特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαminおよび/またはステップ速度に基づいて、互いに区別することができる。
【0082】
本発明の解決法において、ランニングおよびウォーキングする平均的な人のパラメータは、測定システムの個々の較正なしで利用することができる。測定システムは、例えばランニングまたはウォーキングのような前進の一定の方法のための1つの速度または多数の速度の個々の較正によって、較正することができる。本発明の解決法において、測定システムの較正は、新規なデータがデジタル・フィルタリングによって古いデータと組み合わせられるように繰り返すことができる。測定システムの精度は、接触時間データを最大および最小加速データと組み合わせることによって改良されることができる。
【0083】
本発明の解決法において、各々のステップの方向または時に観察されるカバーされる距離の方向は、速度推定値と、2または3つの軸の磁力計から得られるコンパス方向とを組み合わせることによって決定することができる。磁力計、および、取付け方向エラーは、垂直軸の周りを回転することによって、および、選択された較正ルートを前後に歩くことによって、補正されることができる。
【0084】
本発明の解決法において、移動の効率は、特徴的な最大加速値および特徴的な最小加速値αmaxおよびαmin、および/または、それらに直角の角度で測定された最大および最小加速値データを組み合わせることによって、推定することができる。
【0085】
本発明の方法および装置によって、傾き補正のなしの1つの加速センサを用いたかなり単純な実施による解決法によって、上で示される最高の方法のそれに等しい精度が達成される。
【0086】
本発明の方法および装置によって、従来のシステムの複雑なアルゴリズムは避けられ、低コスト、低い動力消費量、および、小型化が達成される。
【0087】
本発明の方法および装置の低い動力消費量により、小型電池が可能になり、それに長い寿命を与える、または、例えば、測定装置(収集)で起こっている運動エネルギーの回復に基づく電池なしでの解決法を与える。
【0088】
本発明の方法および装置の単純な測定アルゴリズムによって、計算が測定ユニットにおいて完全に実行されることができ、それにより測定ユニットからデータ転送の必要性を減らし、したがって、無線通信を利用したデータ伝送の動力消費量を減らす。
【0089】
本発明の解決法の測定ユニットの小型化によって、ユニットは、例えば、衣類、帽子、首、ポケットのように、動いている人の衣服で、または体の中央近く、すなわち、ベルトのような体の重心の近くで配置されることができる。本発明の方法は、例えば、遅いおよび速いランニングの両方、様々な速度でのウォーキング、ポールウォーキング、クロスカントリー・スキー、ダウンヒル・スポーツ、ローラー・スキー、ローラー・スケート、および、スケートに適用できる。
【0090】
本発明の方法および装置は、垂直加速のための1つの軸の加速センサによって与えられる体の最大および最小加速値、および/または、特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαminに基づいて、動いている人の速度、歩幅、および、カバーした距離を測定するために使うことができる。本発明の解決法において、加速度信号は、加速度信号が速度のできるだけ良い画像を与えるように最適にフィルタをかけることができる。
【0091】
本発明の解決法において、ウォーキングおよびランニングの様に動いている人の移動の方法は、歩調および移動の速度に基づいて互いに区別することができる。本発明の解決法において、ウォーキングおよびランニングしている平均的な人のパラメータは、測定システムのいかなる個々の較正なしでも利用されることができる。本発明の解決法は、ウォーキングおよびランニングの測定システムにおける単一の位置での較正を可能にする。
【0092】
本発明の解決法は、縦の加速のセンサによる固定した位置でのランニングの診断を可能にする。本発明の解決法は、2または3つの軸のコンパスによって、各々のステップの方向およびカバーされた距離が決定されることを可能にする。本発明の解決法は、前後に同じルートを進むことによってコンパスの取付けエラーの較正を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速センサによって測定される体の垂直加速の値と、測定された時間とに基づいて、動いている人の前進を示す以下の量のうちの少なくとも1つ、速度、ステップレート、歩数、歩幅、距離、および、前進の方法が計算されることにおいて特徴付けられる、動いている人の前進を測定する方法。
【請求項2】
陽の半周期、すなわち加速段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxと、対応して、陰の半周期、すなわち制動段階の間に入る対応する前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminとが、体の垂直加速の測定値に基づいて定められることにおいて特徴付けられる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記ステップ・サイクル別の測定された加速値の最大値として得られ、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記ステップ・サイクル別の測定された加速値の最小値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として得られ、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxがデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として得られ、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminがデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記陽の半周期の間、時間と共に選択される前記デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られ、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記陰の半周期の間、時間と共に選択される前記デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記デジタル・フィルタリングにおいて用いられる関数は、αout=αin/√[1+(f/f]であり、ここでfは周波数であり、fは最適に選択された境界周波数であることにおいて特徴付けられる、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxがデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの最大値として得られ、
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminがデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの最小値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記陽の半周期の間、時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの平均値として得られ、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記陰の半周期の間、時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの平均値として得られることにおいて特徴付けられる、請求項2記載の方法。
【請求項10】
前記デジタル加重フィルタリングにおいて用いられる関数は、
αout(n)=(1−k)*αout(n−1)+αin*k,であり、ここでnは、n番目のサンプルを示し、kは加重要素であることにおいて特徴付けられる、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記速度vは、前記垂直な加速の前記特徴的な最大加速値αmaxに基づいて、

のように計算され、ここで、gは引力によって生じる加速であり、frefは基準周波数であり、前記特徴的な最大加速αmaxは最適に選択された境界頻度fでフィルタをかけられた垂直加速の最大値であることにおいて特徴付けられる、請求項2から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記速度vが、前記垂直加速の前記特徴的な最小加速αminに基づいて、
v≒k・√|αmin
のように計算されることにおいて特徴付けられる、請求項2から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記動いている人の前進を示す量を計算する際、1つのステップのために使われる時間Tstepが、前記垂直加速の測定値から導き出される加速グラフでの最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような2つの同等の位置間の時間間隔として得られることにおいて特徴付けられる、請求項1から12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記歩幅Sstepは、次の公式sstep=v*Tstepを用いて計算されることにおいて特徴付けられる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ステップレートfstepは、次の公式fstep=1/Tstepを用いて計算されることにおいて特徴付けられる、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
前記歩数nが、垂直加速の前記測定値によって与えられる前記加速グラフ上の最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置と同等の位置の数nに基づいて計算されることにおいて特徴付けられる、請求項13、14または15記載の方法。
【請求項17】
前記距離カバーされたsは、前記歩幅の合計として、次のように

s= Σsstep(i)
i=1
計算されることにおいて特徴付けられる、請求項13から16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、加速最大値および最小値と、前記特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαminと、および/または、前記ステップレートとに基づいて、ウォーキング、ランニング、および、スキーのような前進の方法を区別することにおいて特徴付けられる、請求項1から17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、ランニング、ウォーキング、ポールウォーキング、クロスカントリー・スキーのように各々の前進方法のために個々に較正することにおいて特徴付けられる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、段階的なナビゲーションに用いられるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項1から19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記動いている人の前進を示す以下の量のうちの少なくとも1つ、速度、ステップレート、歩数、歩幅、距離、および、移動の方法が、加速センサで測定される体の垂直加速の値と、前記測定時間とに基づいて計算されるように最小加速および時間を測定するために適応することにおいて特徴付けられる、動いている人の前進を測定するための装置。
【請求項22】
前記装置が、前記陽の半周期、すなわち加速段階の間に入るステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxと、対応して、前記陰の半周期、すなわち制動段階の間に入る対応する前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminとが、前記体の垂直加速の測定値に基づいて定められるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項21に記載の動いている人の前進を測定するための装置。
【請求項23】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記ステップ・サイクル別の測定された加速値の最大値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記ステップ・サイクル別の測定された加速値の最小値として決定されるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが類推によってフィルタをかけられた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として決定されるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項25】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxがデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最大値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminがデジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの最小値として決定されるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項26】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記陽の半周期の間、時間と共に選択される前記デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記陰の半周期の間、時間と共に選択される前記デジタルフィルタリングされた加速センサ信号αinの各々のステップ・サイクルの平均値として決定されるように適応することにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項27】
前記装置が、前記デジタル・フィルタリングにおいて、関数αout=αin/√[1+(f/f]において用いられるように適応され、ここでfは周波数であり、fは最適に選択された境界周波数であることにおいて特徴付けられる、請求項25または26記載の装置。
【請求項28】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxがデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの最大値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminがデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの最小値として決定されることにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項29】
前記ステップ・サイクル別の特徴的な最大加速αmaxが前記陽の半周期の間、時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの平均値として決定され、前記ステップ・サイクル別の特徴的な最小加速αminが前記陰の半周期の間、時間と共に選択されるデジタル加重でフィルタをかけられた前記加速センサからの各々のステップ・サイクルの信号αinの平均値として決定されることにおいて特徴付けられる、請求項22記載の装置。
【請求項30】
前記装置が、前記デジタル加重フィルタリングにおいて、関数:
αout(n)=(1−k)*αout(n−1)+αin*kで用いられるように適用され、ここでnは、n番目のサンプルを示し、kは加重要素であることにおいて特徴付けられる、請求項28または29記載の装置。
【請求項31】
前記装置が、前記速度vを前記垂直な加速の前記特徴的な最大加速値αmaxに基づいて、

のように計算するように適応され、ここで、gは引力によって生じる加速であり、frefは基準周波数であり、前記特徴的な最大加速αmaxは最適に選択された境界頻度fでフィルタをかけられた前記垂直加速の最大値であることにおいて特徴付けられる、請求項22から30のいずれか1つに記載の装置。
【請求項32】
前記装置が、前記速度vを前記垂直加速の前記特徴的な最小加速αminに基づいて、
v≒k・√|αmin|のように計算すれるように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項22から30のいずれか1つに記載の装置。
【請求項33】
前記装置が、前記動いている人の前進を示す量を計算する際、1つのステップのために使われる時間Tstepを前記垂直加速の測定値から導き出される加速グラフでの最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置のような2つの同等の位置間の時間間隔として決定するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項21から32のいずれか1つに記載の装置。
【請求項34】
前記装置が、前記歩幅Sstepを次の公式sstep=v*Tstepを用いて計算するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記装置が、前記ステップレートfstepを次の公式fstep=1/Tstepを用いて計算するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項33または34記載の装置。
【請求項36】
前記装置が、前記歩数nを垂直加速の前記測定値によって与えられる前記加速グラフ上の最大、最小または一定の値を上回るまたは下回る位置と同等の位置の数nに基づいて計算するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項33、34または35記載の装置。
【請求項37】
前記装置が、前記距離カバーされたsを前記歩幅の合計として、次のように

s= Σsstep(i).
i=1
計算するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項28または29記載の装置。
【請求項38】
前記装置が、加速最大値および最小値と、前記特徴的な最大および最小加速値αmaxおよびαminと、および/または、前記ステップレートとに基づいて、ウォーキング、ランニング、および、スキーのような前進の方法を区別するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項21から37のいずれか1つに記載の装置。
【請求項39】
前記装置が、ランニング、ウォーキング、ポールウォーキング、クロスカントリー・スキーのように各々の前進方法のために個々に較正するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項38記載の装置。
【請求項40】
前記装置が、段階的なナビゲーションに用いられるように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項21から39のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記装置が、高度計、衛星ナビゲーション装置および/または磁力計と協働するように適応されることにおいて特徴付けられる、請求項40記載の装置。
【請求項42】
前記装置は、マップ・データベースのデータおよび/または地形傾きデータを受信および/または利用するために適応されことにおいて特徴付けられる、請求項40または41記載の装置。
【請求項43】
前記装置が、前記動いている人の前進を測定するための請求項21から42のいずれか1つに記載の装置を含むことにおいて特徴付けられる、動いている人の体の中央に置かれる装置。
【請求項44】
前記動いている人の体の中央で配置される前記装置が、衣類、帽子、首、ポケット、または、前記動いている人のベルトに置かれることにおいて特徴付けられる、請求項43記載の装置。
【請求項45】
前記動いている人のためのディスプレイ・ユニットであって、前記動いている人のためのディスプレイ・ユニットが、動いている人の前進を測定する請求項21から42のいずれか1つに記載の装置と協働するように適応されることにおいて特徴付けられる、動いている人のためのディスプレイ・ユニット。
【請求項46】
前記動いている人の前進を測定するためのシステムであって、前記システムが動いている人の前進を測定するための請求項21から42のいずれか1つに記載の装置を含み、この装置および前記動いている人のためのディスプレイ・ユニットと協働するように適応されることにおいて特徴付けられる、動いている人の前進を測定するためのシステム。
【請求項47】
前記動いている人の前進を測定するための前記装置と、前記動いている人のための前記ディスプレイ・ユニットとが、1つの装置において一体化されることにおいて特徴付けられる、請求項46記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−533287(P2010−533287A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515540(P2010−515540)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050355
【国際公開番号】WO2009/007498
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(508120765)ヴィーテイアイ テクノロジーズ オーワイ (8)
【Fターム(参考)】