説明

動力伝達機構

【課題】スリーブの形状を改良し、連結する2軸の偏角が大きくなっても耐久性を向上させることができ、かつ組み付け作業性を向上させることができる動力伝達機構の提供。
【解決手段】駆動軸2の端部内周面に雌スプライン部3を設ける。従動軸4の端部外周面に雄スプライン部5を設ける。雌スプライン部3と雄スプライン部5との間にゴム状弾性体からなるスリーブ6を介在させる。スリーブ6の軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定することにより、連結する駆動軸2と従動軸4との間の偏角(θ)が大きくなったとき、スリーブ6の軸方向両端の応力を緩和し、さらに、両スプライン部3、5の組付作業性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動軸と従動軸とがスプライン嵌合され、その嵌合部間にゴム状弾性体からなるスリーブが介在された動力伝達機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の動力伝達機構では、特許文献1に示すように、駆動軸と従動軸とがスプライン嵌合され、その雄スプラインと雌スプラインの間に、軸の偏心及び偏角を吸収するためのゴム状弾性体からなるスリーブが介在され、金属歯同士の噛み合いによる耳障りな異音や振動の発生を防止できるようになっている。
【特許文献1】特開2005−69470
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、スプライン嵌合部の歯形は軸方向で同一形状(平行)であり、軸の偏角が大きくなると、スリーブの軸方向両端に局部的な応力集中が発生し、スリーブの耐久性が低下するといった問題点があった。
【0004】
また、両スプライン部を組み付ける際、スリーブを介在させる両部材間のクリアランスが小さいと、組付作業性が悪くなるといった難点があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑み、スリーブの形状を改良し、連結する2軸の偏角が大きくなっても耐久性を向上させることができ、かつ組み付け作業性を向上させることができる動力伝達機構の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る動力伝達機構は、駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けた雄スプライン部と、これらの雄スプライン部と雌スプライン部との間に介在するゴム状弾性体からなるスリーブとを備えたものであり、そのスリーブの軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定したものである。
【0007】
上記構成によると、スリーブの軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定しているので、連結する駆動軸と従動軸との間の偏角が大きくなっても、両スプライン部間に介在するスリーブの軸方向両端に局部的な応力が集中するのを避けて、スリーブの耐久性を向上させることができる。また、スリーブの軸方向両端の肉厚を薄くすることにより、両スプライン部間のクリアランスが小さい場合であっても、その組付作業性を向上させることができる。なお、スリーブとは、全体として筒状又は略筒状に構成されるものを意味し、筒状のものに限らず、周方向に複数に分割されたものを含む概念である。
【0008】
ここで、スリーブの軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定するには、スリーブの軸方向両端の内径を軸方向中央部分の内径よりも大きく設定する手法や、スリーブの軸方向両端の外径を軸方向中央部分の外径よりも小さく設定する手法、さらに、両者を組み合わせた手法を採用することができる。
【0009】
雌雄のスプライン部間に介在するスリーブには、特に歯溝が形成されていなくてもよいが、駆動トルクを確実に伝達する好適な構成としては、スリーブの内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝を形成するのが望ましい。この場合、少なくとも歯溝の位置において、軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定するのがよい。これにより、他の部位よりも肉厚が薄くて局部的な応力を生じやすい歯溝の位置における軸方向両端の応力を緩和して、スリーブの耐久性を高めることができる。
【0010】
また、スリーブの内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に歯溝を形成する場合、スリーブの内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方は、軸方向両端における溝幅を軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定するのがよい。そうすれば、駆動軸と従動軸とに偏角が生じたとしても、雄スプライン部又は雌スプライン部の歯部の両端角部がスリーブの歯溝内壁に強く接触するのを防ぐことができ、駆動トルクを伝達させる際、歯部及び歯溝の圧力面同士を滑らかな曲面状に接触させて応力を分散させることができる。しかも、スリーブの軸方向両端における溝幅を大きく設定することにより、雄スプライン部と雌スプライン部とをスリーブを介在させて組み付ける組付作業性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明は、動力伝達機構に装備する動力伝達機構用スリーブを提供する。すなわち、本発明は、駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、少なくとも前記歯溝の位置において、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブを提供する。
【0013】
ここで、歯溝の位置における軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定するには、スリーブの肉厚を全長に渡って一定にしたまま、軸方向両端の歯溝深さを深くする構成を採用可能であるが、別の構成として、歯溝の位置と共に歯溝を除く部位において、軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定することもできる。そうすれば、歯溝を除く部位における応力集中をも防ぐと共に、軸方向に沿って歯溝深さをほぼ一定にすることができる。
【0014】
さらに、上記構成に加えて、内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方について、軸方向両端における溝幅を軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定することもできる。
【0015】
また、本発明は、駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方は、軸方向両端における溝幅が軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブを提供する。
【0016】
これらの動力伝達用スリーブは、筒状(エンドレス形状)の構造であってもよいが、その周方向における少なくとも一箇所を周方向に分断した構造とすることもできる。これにより、一又は複数の略平板状のゴム状弾性体を湾曲させて全体として略筒状に構成し、これを雌スプライン部と雄スプライン部との間に介在させることができるので、動力伝達用スリーブ自体の製造を簡単にすることができる。
【0017】
なお、これらの動力伝達機構用スリーブは、前述の動力伝達機構が備えるスリーブとその主要部分の構成が同様であり、したがって、前述の動力伝達機構と同じ効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のとおり、本発明によると、雌雄のスプライン部間に介在するスリーブの軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定しているので、偏角の大きい駆動軸と従動軸とを連結する場合であっても、スリーブの耐久性を向上させることができる。また、スリーブの軸方向両端の肉厚が薄い分、両スプライン部を組み付ける際の組付作業性も向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る動力伝達機構のスプライン嵌合部を示す軸方向断面図である。図2はスリーブを示す図であり、(a)は横断面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図、(d)はC−C断面図である。図3は雌スプライン部を示す図であり、(a)は軸方向断面図、(b)は正面図である。図4は雄スプライン部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【0020】
動力伝達機構1は、駆動軸2の端部内周面に設けられた雌スプライン部3と、従動軸4の端部外周面に設けられた雄スプライン部5と、この雌スプライン部3と雄スプライン部5との間に介在されるゴム状弾性体からなるスリーブ6とを備えたものであり、そのスリーブ6の外周面に雌スプライン部3とスプライン係合する歯溝7が形成され、スリーブ6の内周面に雄スプライン部5とスプライン係合する歯溝8が形成され、さらに、スリーブ6の軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されている。
【0021】
具体的には、スリーブ6の外径を全長に渡って一定にしつつ、スリーブ6の内周面を全体として鼓状に丸めて軸方向両端の内径を軸方向中央部分の内径よりも大きく設定し、さらに、内周面の歯溝8の深さをスリーブ6の全長に渡って一定にしている。これにより、歯溝8の位置及び歯溝8を除く位置の両部位において、スリーブ6の軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されている。
【0022】
ここで、スリーブ6の内周面及び歯溝8の溝底の軸方向におけるR寸法(図2におけるR1)は、軸の傾斜度合い(偏角θ)により設定変更する。
【0023】
いま、図2に示すように、R1:軸方向における内周面R及び溝底R、b:スリーブの軸方向長さ、θ1:軸方向における内周面R角度及び溝底R角度とすると、
R1=b/{2sin(θ1/2)}・・・・・・(1)
が成立する。
【0024】
そこで、スリーブ6が従動軸4の雄スプライン部5に円弧で接するための条件は、偏角をθとすれば、
2θ<θ1<π(rad)・・・・・・・・・・・(2)
(2)式を(1)式に代入して、最適なR1を求めると、
b/2<R1<b/(2sinθ)・・・・・・・(3)
となる。
【0025】
また、耐久性の向上が期待できるR1の使用条件(許容範囲)を検討すると、
θ<θ1<π(rad)・・・・・・・・・・・・(4)
と考えられる。
【0026】
(4)式を(1)式に代入すると、
b/2<R1<b/{2sin(θ/2)}・・・(5)
なお、スリーブ6の軸方向における内周面及び溝底のR形状は円弧状のものに限定されず、軸方向中央部を直線とし、軸方向両端をR形状とした組み合わせ歯形状であってもよい。
【0027】
また、スリーブ6の内周面の歯溝8は、軸方向両端における溝幅が軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定され、これにより、歯溝8の溝幅方向に測ったとき、スリーブ6の軸方向両端における厚みが軸方向中央部分における厚みよりも薄くなっている。
【0028】
ここで、歯溝8の溝壁(圧力面)は軸方向においてR形状にされている(図2におけるR2)。いま、図2に示すように、R2:軸方向における歯溝圧力面R、b:スリーブの軸方向長さ、θ2:軸方向における圧力面R角度とすると、
R2=b/{2sin(θ2/2)}・・・・・・(6)
が成立する。
【0029】
そこで、スリーブ6の歯溝8が雄スプライン部5の歯部9に円弧で接するための条件は、偏角をθとすれば、
2θ<θ2<π(rad)・・・・・・・・・・・(7)
(7)式を(6)式に代入して、最適なR2を求めると、
b/2<R2<b/(2sinθ)・・・・・・・(8)
となる。
【0030】
また、耐久性の向上が期待できるR2の使用条件(許容範囲)を検討すると、
θ<θ2<π(rad)・・・・・・・・・・・・(9)
と考えられる。
【0031】
(9)式を(6)式に代入すると、
b/2<R2<b/{2sin(θ/2)}・・・(10)
となる。
【0032】
なお、歯溝8の圧力面R形状は円弧状のものに限定されず、軸方向中央部を直線とし、軸方向両端をR形状とした組み合わせ歯溝形状であってもよい。
【0033】
上記構成によれば、スリーブ6の軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定している。そのため、連結する駆動軸2と従動軸4との間の偏角θが大きくなっても、両スプライン部3、5間に介在されるスリーブ6に局部的な応力が集中するのを避けることができ、耐久性を向上させることができる。また、両スプライン部3、5間に介在するスリーブ6の軸方向両端の肉厚が薄い分、両部材を組み付ける際の組付作業性を向上させることもできる。
【0034】
特に、θ1(スリーブ6の軸方向における内周面及び溝底のR角度)を2θ(θ:駆動軸及び従動軸の偏角)以上に設定すれば、駆動軸2と従動軸3とに偏角θが生じても、スリーブ6への雄スプライン部5の軸方向両端部の角部(歯先及び溝底の角部)の接触を回避することができ、集中荷重を分散することができる。
【0035】
また、歯溝8の溝幅についても、軸方向両端で溝幅が大きくなるように歯溝8の圧力面をR形状にすれば、駆動軸2と従動軸4に偏角θが生じてもトルク伝達時に加わる歯両端の圧力面の角部の接触による応力集中を防ぎ、滑らかなR部により面で接触して集中荷重を防止し、駆動トルクを伝達させることができる。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、スリーブ6の外径を一定にして、スリーブ6の内周面を鼓状に丸める代わりに、スリーブ6の内径を一定にすると共に、スリーブ6の外周面を太鼓状に丸めて、軸方向両端の外径を軸方向中央部分の外径よりも小さく設定することにより、あるいは、スリーブ6の内周面を鼓状に丸めると共に、スリーブ6の外周面を太鼓状に丸めることにより、スリーブ6の軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定するようにしてもよい。
【0037】
また、少なくとも外周面の歯溝7又は内周面の歯溝8の位置において、スリーブ6の軸方向両端の肉厚を軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定すればよいので、スリーブ6の内外径を一定にして、歯溝7及び/又は歯溝8の深さをスリーブ6の軸方向に沿って変化させるようにしてもよい。さらに、スリーブ6の肉厚を一定にしたまま、歯溝7及び/又は歯溝8の溝幅を変化させるようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、駆動軸2に雌スプライン部3を形成し、従動軸4に雄スプライン部5を形成した例を示したが、駆動軸に雄スプライン部を、従動軸に雌スプライン部を形成するようにしてもよい。
【0039】
また、スリーブ6は、歯面を歯布で覆い、及び/又は内部に芯線を埋設したものも採用することができる。さらに、スリーブ6は、上記のように歯が形成されたものに限定されるものではなく、歯が形成されていないものを使用してもよい。さらに、スリーブ6は、天然ゴム、合成ゴムなどの各種ゴム素材のみならず、ゴム状の弾性を有する各種樹脂素材であってもよい。
【0040】
また、筒状(エンドレス形状)のスリーブ6に代えて、その周方向における少なくとも一箇所を周方向に分断した構造のスリーブを採用することもできる。この場合、一又は複数の略平板状のゴム状弾性体を湾曲させて全体として略筒状に構成し、これを雌スプライン部3と雄スプライン部5との間に介在させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る動力伝達機構のスプライン嵌合部を示す軸方向断面図
【図2】スリーブを示す図であり、(a)は横断面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図、(d)はC−C断面図
【図3】雌スプライン部を示す図であり、(a)は軸方向断面図、(b)は正面図
【図4】雄スプライン部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図
【符号の説明】
【0042】
1 動力伝達機構
2 駆動軸
3 雌スプライン部
4 従動軸
5 雄スプライン部
6 スリーブ
7、8 歯溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部と、該雄スプライン部と雌スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなるスリーブとを備え、
前記スリーブは、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構。
【請求項2】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部と、該雄スプライン部と雌スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなるスリーブとを備え、
前記スリーブは、その内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、少なくとも前記歯溝の位置において、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構。
【請求項3】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部と、該雄スプライン部と雌スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなるスリーブとを備え、
前記スリーブは、その内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方は、軸方向両端における溝幅が軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定されたことを特徴とする動力伝達機構。
【請求項4】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、
軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブ。
【請求項5】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、
内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、少なくとも前記歯溝の位置において、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブ。
【請求項6】
前記歯溝の位置と共に歯溝を除く部位において、軸方向両端の肉厚が軸方向中央部分の肉厚よりも薄く設定されたことを特徴とする請求項5に記載の動力伝達機構用スリーブ。
【請求項7】
内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方は、軸方向両端における溝幅が軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定されたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の動力伝達機構用スリーブ。
【請求項8】
駆動軸および従動軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部との間に介在されるゴム状弾性体からなる動力伝達機構用スリーブであって、
内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、雄スプライン部又は雌スプライン部とスプライン係合する歯溝が形成され、内周面の歯溝及び外周面の歯溝のうちの少なくとも一方は、軸方向両端における溝幅が軸方向中央部分における溝幅よりも大きく設定されたことを特徴とする動力伝達機構用スリーブ。
【請求項9】
周方向における少なくとも一箇所が周方向に分断されたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の動力伝達用スリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−39081(P2008−39081A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214762(P2006−214762)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000115245)ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 (101)