説明

動力伝達装置

【課題】動力伝達を絶つ際の操作力を低減すること。
【解決手段】磁気結合制御体30の移動により、永久磁石31によって互いに対向する凸状部12,22の間を磁気的に結合する結合状態と、磁気的に非結合とする非結合状態とに切り替えるようにした動力伝達装置であって、磁気結合制御体30に対してプーリ側回転体10及び軸側回転体20とは反対側となる部位に非結合用制御体140を配設し、磁気結合制御体30を結合状態から回転軸心に沿って移動させた際にこれら磁気結合制御体30及び非結合用制御体140の間を永久磁石31によって磁気的に結合させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の回転体と第2の回転体との間を磁気的に結合して動力を伝達するようにした動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この動力伝達装置は、互いに回転軸心を合致させた駆動軸と従動軸との間に動力を伝達するもので、駆動軸の端部及び従動軸の端部にそれぞれ円板状の回転体を備えている。2つの回転体は、互いに離隔して配設されており、互いに対向する端面に永久磁石を有している。
【0003】
この動力伝達装置では、一方の回転体と他方の回転体とを接近させると、それぞれに配設した永久磁石の間に磁気吸引力が作用し、これらの回転体の間が磁気的に結合されて動力を伝達することが可能となる。一方、2つの回転体を離隔させると、永久磁石の間の磁気吸引力が作用しなくなり、これらの回転体の間が磁気的に非結合となり、動力伝達が絶たれることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−51264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した動力伝達装置にあっては、動力伝達状態から動力伝達を絶つ場合、相互間に作用している磁気吸引力に抗して一方の回転体と他方の回転体とを離隔させる必要があるため、動力の伝達状態を切り替える際に大きな操作量が必要となる。特に、大きな回転トルクを伝達する動力伝達装置では、永久磁石による磁気吸引力も大きなものとなるため、上述した問題が一層顕著となる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、動力伝達を絶つ際の操作力を低減することのできる動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る動力伝達装置は、第1の回転体に設けた凸状部と第2の回転体に設けた凸状部とを互いに対向させた状態でそれぞれの回転体を互いに共通となる回転軸心回りに回転可能に配設するとともに、永久磁石を備える磁気結合制御体を前記回転軸心に沿って移動可能に配設し、前記磁気結合制御体の移動により、前記永久磁石によって互いに対向する凸状部の間を磁気的に結合する結合状態と、磁気的に非結合とする非結合状態とに切り替えるようにした動力伝達装置であって、前記磁気結合制御体に対して前記第1の回転体及び前記第2の回転体とは反対側となる部位に非結合用制御体を配設し、前記磁気結合制御体を結合状態から前記回転軸心に沿って移動させた際にこれら磁気結合制御体及び非結合用制御体の間を前記永久磁石によって磁気的に結合させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述した動力伝達装置において、前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体を結合状態から前記回転軸心に沿って移動させた際に前記第1の回転体もしくは前記第2の回転体に先行して前記磁気結合制御体と磁気結合される位置に配置したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述した動力伝達装置において、前記第1回転体及び前記第2回転体は、それぞれの外形を互いに同一の外径を有した円形状に構成し、前記磁気結合制御体は、前記第1回転体及び前記第2回転体の外周を覆う環状に構成し、前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体の外周を覆う大きさの環状に構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述した動力伝達装置において、前記磁気結合制御体は、円筒状に構成し、前記第1回転体及び前記第2回転体は、それぞれを前記磁気結合制御体の外周を覆う環状に構成し、前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体の内部に収容される外径に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、永久磁石を備えた磁気結合制御体を第1の回転体及び第2の回転体の回転軸心に沿って移動させることにより、磁気的な結合状態と非結合状態とを切り替えるようにしているため、つまり、磁気的な結合状態を切り替える際に第1の回転体及び第2の回転体に対して永久磁石を離隔する方向に移動させる必要がないため、大きな操作力を要しない。しかも、磁気結合制御体を結合状態から回転軸心に沿って移動させた際に磁気結合制御体及び非結合用制御体の間を磁気的に結合させるようにしているため、非結合状態において2つの回転体の凸状部間に作用する磁気結合力を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である動力伝達装置を示したもので、磁気的に結合した状態の断面図である。
【図2】図2は、図1に示した動力伝達装置において磁気的に非結合となった状態の断面図である。
【図3】図3は、図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図4は、図1に示した動力伝達装置の要部を示す分解斜視図である。
【図5】図5は、図1に示した動力伝達装置の変形例を示したもので、(a)は磁気的に結合した状態の断面側面図、(b)は磁気的に非結合となった状態の断面側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2である動力伝達装置の要部斜視図である。
【図7】図7は、図6に示した動力伝達装置の要部分解斜視図である。
【図8】図8は、図6に示した動力伝達装置を示したもので、(a)は磁気的に結合した状態の断面側面図、(b)は磁気的に非結合となった状態の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る動力伝達装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1である動力伝達装置を示したものである。ここで例示する動力伝達装置は、フレームFに対して回転可能に配設したプーリPと、フレームFに対して回転可能に支持させた軸部材SHとの間に動力を伝達するものである。
【0015】
プーリPは、中心孔PHを有した円環状を成すもので、この中心孔PHの内周面とフレームFに形成した円筒状部FSの外周面との間にベアリングB1を介在させることにより、円筒状部FSの軸心を回転軸心として回転することが可能である。このプーリPには、その内部に収容部PTが形成してある。収容部PTは、プーリPに沿って形成した環状を成すもので、プーリPにおいて軸部材SHの先端面側に位置する端面に開口している。
【0016】
このプーリPの収容部PTには、プーリ側回転体(回転体)10が配設してある。プーリ側回転体10は、図3及び図4に示すように、円環の平板状を成すプーリ側基部11と、プーリ側基部11の一端面に設けた複数のプーリ側凸状部12とを有したもので、磁性体によって一体に成形してある。プーリ側凸状部12は、円環の径方向に沿って延在した直方体状を成すもので、プーリ側基部11の周方向に沿って等間隔に配設してある。プーリ側基部11の径方向に沿った板厚は、収容部PTの径方向に沿った内部寸法のほぼ1/2であり、またプーリ側基部11の内径は、収容部PTの内部外径とほぼ同一である。このプーリ側回転体10は、図1及び図2に示すように、プーリ側基部11の軸心をプーリPの軸心と合致させ、かつプーリ側凸状部12を収容部PTの開口側に向けた状態でプーリ側基部11の端面を介してプーリPの収容部PTに固定してある。
【0017】
軸部材SHは、中実の円柱状を成すもので、その外周面とフレームFの円筒状部FSに形成した中空孔FSHの内周面との間にベアリングB2を介在させることにより、円筒状部FSの回転軸心を中心に回転する態様で中空孔FSHの内部に配設してある。軸部材SHの先端部には、互いに軸心を合致させた状態で支持プレートRPが取り付けてある。支持プレートRPは、その外周縁部がプーリPに形成した収容部PTの開口に対向する外径を有した円板状を成すもので、プーリ側回転体10に対向する部位に軸側回転体(回転体)20を備えている。軸側回転体20は、図3及び図4に示すように、円筒状を成す軸側基部21と、軸側基部21の一端面に設けた複数の軸側凸状部22とを有したもので、プーリ側回転体10と同様、磁性体によって一体に成形してある。軸側基部21は、その横断面がプーリ側基部11とほぼ同一の円環状に形成してあり、軸側凸状部22がプーリ側凸状部12に対向する部位に形成してある。この軸側回転体20は、図1及び図2に示すように、軸側基部21の軸心を軸部材SHの軸心と合致させ、かつ軸側凸状部22をプーリ側凸状部12に対向させた状態で軸側基部21を介して支持プレートRPに固定してある。軸側基部21の内周面とプーリPに形成した収容部PTの内部外周面との間には、互いに接触しないだけの隙間が確保してある。
【0018】
これらプーリP及び軸部材SHは、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間をわずかに離隔させた状態でそれぞれ円筒状部FSの回転軸心方向に沿った移動が阻止された状態にある。
【0019】
また、動力伝達装置は、磁気結合制御体30及び非結合用制御体40を備えている。磁気結合制御体30は、図3及び図4に示すように、円筒状に成形した永久磁石31の両端面にそれぞれ磁性体から成る円環板状のヨーク板32,33を貼着して構成したものである。永久磁石31は、円筒の軸心方向に沿って着磁したもので、収容部PTの内部内周面よりもわずかに小さい外径、かつプーリ側回転体10及び軸側回転体20の外径よりもわずかに小さい内径を有するように構成してある。尚、図示の例では、図1及び図2中において白抜き矢印で示す方向に着磁してある。ヨーク板32,33の横断面形状は、永久磁石31と同一に構成してある。この磁気結合制御体30は、図1及び図2に示すように、軸心を円筒状部FSの回転軸心に合致させた状態でスライド体SPの端面に取り付けてある。スライド体SPは、磁気結合制御体30と同一の外径を有する円板状に形成したもので、その一端面に形成した円筒状突起CBの突出端面に一方のヨーク板33を介して磁気結合制御体30を保持している。図には明示していないが、このスライド体SPは、その軸心を円筒状部FSの回転軸心に合致させた状態で軸心方向に沿って移動可能に配設したもので、磁気結合制御体30をプーリPの収容部PTにおいてプーリ側回転体10及び軸側回転体20の外周側となる部位に配置した状態で磁気結合制御体30を軸心方向に沿って移動させることが可能である。
【0020】
非結合用制御体40は、磁性体によって円筒状に形成したもので、プーリPに形成した収容部PTにおいて磁気結合制御体30に対向する内周面に配設してある。非結合用制御体40の内周面には、両端部に突起40a,40bが形成してある。突起40a,40bは、非結合用制御体40の内周面から内方に向けて突出した環状の突出部であり、プーリPの内周面よりもわずかに小さい内径を有して構成してある。非結合用制御体40の軸方向に沿った長さは、磁気結合制御体30とほぼ同一である。この非結合用制御体40は、プーリPの収容部PTにおいて軸側回転体20に対向する位置に配設してある。
【0021】
上記のように構成した動力伝達装置では、図1に示すように、スライド体SPを支持プレートRPに近接する方向に移動させ、磁気結合制御体30の一方のヨーク板32をプーリ側回転体10の外周部に位置させるとともに、他方のヨーク板33を軸側回転体20の外周部に位置させると、図1中の破線矢印で示すように、互いに対向するプーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間を経由して、磁気結合制御体30の永久磁石31による磁気回路が構成される。これにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22とが磁気的に結合され、例えばプーリPを回転させれば、その回転力がプーリ側回転体10、磁気結合制御体30、軸側回転体20及び支持プレートRPを介して軸部材SHに伝達され、軸部材SHが軸心回りに回転することになる。尚、この場合、磁気結合制御体30は、プーリ側回転体10及び軸側回転体20との対向面に凸状部を有していないため、またプーリ側回転体10及び軸側回転体20にも凸状部を設けていないため、これらプーリ側回転体10及び軸側回転体20の回転に関わらず回転することはない。
【0022】
一方、上述した状態から図2に示すように、スライド体SPを支持プレートRPから離隔する方向に移動させ、磁気結合制御体30の2つヨーク板32,33をいずれも軸側回転体20の外周部に位置させると、図2中の破線矢印で示すように、磁気結合制御体30の永久磁石31による磁気回路が非結合用制御体40との間に構成される。これにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間が磁気的に非結合となり、例えばプーリPを回転させた場合にも、その回転力が軸部材SHに伝達されることがない。
【0023】
ここで、上述した動力伝達装置によれば、互いに対向したプーリ側凸状部12と軸側凸状部22との相互間隔を変更することなく、永久磁石31を備えた磁気結合制御体30を回転軸心に沿って移動させることにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間を磁気的に非結合としている。つまり、永久磁石31による磁気回路を引き離す方向に移動させることなく、磁気的な結合状態を切り替えるようにしているため、大きな操作力を要しない。
【0024】
しかも、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間が磁気的に非結合となっている状況下では、磁気結合制御体30の永久磁石31による磁気回路のほとんどが非結合用制御体40との間に構成され、プーリ側凸状部12及び軸側凸状部22に漏れる磁束を大幅に減少させることができる。従って、プーリPもしくは軸部材SHのいずれか一方の回転が停止している場合の永久磁石31による引き摺りトルクも大幅に減少させることができるようになる。
【0025】
さらに、図5(a)及び図5(b)に示すように、非結合用制御体40′をプーリ側回転体10に近接した位置に配置して動力伝達装置を構成すれば、磁気結合制御体30を結合状態から回転軸心に沿って移動させた際に軸側回転体20に先行して磁気結合制御体30と非結合用制御体40とが磁気結合され、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間を磁気的に非結合状態とすることができ、磁気結合制御体30の移動距離を短縮化することが可能となる。また、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間が磁気的に非結合状態となった場合に、磁気結合制御体30と軸側回転体20との間に磁気回路を構成する必要がないため、軸側回転体20としてはその軸方向に沿った長さXが、図5(a)中の二点鎖線で示す位置まであれば十分となる。この結果、動力伝達装置の回転軸心に沿った寸法を短縮化することも可能となる。
【0026】
(実施の形態2)
図6〜図8は、本発明の実施の形態2である動力伝達装置を示したものである。ここで例示する動力伝達装置は、実施の形態1で示した動力伝達装置の主要構成要素(プーリ側回転体、軸側回転体、磁気結合制御体、非結合用制御体)において、プーリ側回転体10及び軸側回転体20に対して磁気結合制御体130及び非結合用制御体140を内周側に配設したもので、実施の形態1とはプーリ側回転体10及び軸側回転体20に対する磁気結合制御体130及び非結合用制御体140の寸法のみが異なっている。すなわち、実施の形態2の磁気結合制御体130は、図6及び図7に示すように、円筒状に成形した永久磁石131の両端面にそれぞれ磁性体から成る円環板状のヨーク板132,133を貼着して構成したもので、プーリ側回転体10及び軸側回転体20の内径よりもわずかに小さい外径を有するように構成してある。磁気結合制御体130の永久磁石131が円筒の軸心方向に沿って着磁したものである点は、実施の形態1と同様である。非結合用制御体140は、磁性体によって円筒状に形成したもので、磁気結合制御体130の内周側に配設してある。非結合用制御体140の外周面には、両端部に突起140a,140bが形成してある。突起140a,140bは、非結合用制御体140の外周面から外方に向けて突出した環状の突出部であり、磁気結合制御体130の内周面よりもわずかに小さい内径を有して構成してある。非結合用制御体140の軸方向に沿った長さは、磁気結合制御体130とほぼ同一である。この非結合用制御体140は、軸側回転体20に対向する位置に配設してある。尚、実施の形態2で適用するプーリ側回転体10及び軸側回転体20は、実施の形態1と同様の構成を有したものであり、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
【0027】
上記のように構成した動力伝達装置では、図8(a)に示すように、磁気結合制御体130の一方のヨーク板132をプーリ側回転体10の内周部に位置させるとともに、他方のヨーク板133を軸側回転体20の内周部に位置させると、図8(a)中の破線矢印で示すように、互いに対向するプーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間を経由して、磁気結合制御体130の永久磁石131による磁気回路が構成される。これにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22とが磁気的に結合され、例えばプーリ側回転体10を回転させれば、その回転力が磁気結合制御体130を介して軸側回転体20に伝達され、軸側回転体20が軸心回りに回転することになる。
【0028】
一方、上述した状態から図8(b)に示すように、磁気結合制御体130の2つヨーク板132,133をいずれも軸側回転体20の内周部に位置させると、図8(b)中の破線矢印で示すように、磁気結合制御体130の永久磁石131による磁気回路が非結合用制御体140との間で構成される。これにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間が磁気的に非結合となり、例えばプーリ側回転体10を回転させた場合にも、その回転力が軸側回転体20に伝達されることがない。
【0029】
この実施の形態2の動力伝達装置においても、互いに対向したプーリ側凸状部12と軸側凸状部22との相互間隔を変更することなく、永久磁石131を備えた磁気結合制御体130を回転軸心に沿って移動させることにより、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間を磁気的に非結合としているため、磁気的な結合状態を切り替える際に大きな操作力を要しない。
【0030】
しかも、プーリ側凸状部12と軸側凸状部22との間が磁気的に非結合となっている状況下では、磁気結合制御体130の永久磁石131による磁気回路のほとんどが非結合用制御体140との間に構成され、プーリ側凸状部12及び軸側凸状部22に漏れる磁束を大幅に減少させることができる。従って、プーリ側回転体10もしくは軸側回転体20のいずれか一方の回転が停止している場合の永久磁石131による引き摺りトルクも大幅に減少させることができるようになる。
【符号の説明】
【0031】
10 プーリ側回転体
12,22 凸状部
20 軸側回転体
30 磁気結合制御体
31 永久磁石
40 非結合用制御体
130 磁気結合制御体
131 永久磁石
140 非結合用制御体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転体に設けた凸状部と第2の回転体に設けた凸状部とを互いに対向させた状態でそれぞれの回転体を互いに共通となる回転軸心回りに回転可能に配設するとともに、永久磁石を備える磁気結合制御体を前記回転軸心に沿って移動可能に配設し、前記磁気結合制御体の移動により、前記永久磁石によって互いに対向する凸状部の間を磁気的に結合する結合状態と、磁気的に非結合とする非結合状態とに切り替えるようにした動力伝達装置であって、
前記磁気結合制御体に対して前記第1の回転体及び前記第2の回転体とは反対側となる部位に非結合用制御体を配設し、前記磁気結合制御体を結合状態から前記回転軸心に沿って移動させた際にこれら磁気結合制御体及び非結合用制御体の間を前記永久磁石によって磁気的に結合させることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体を結合状態から前記回転軸心に沿って移動させた際に前記第1の回転体もしくは前記第2の回転体に先行して前記磁気結合制御体と磁気結合される位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記第1回転体及び前記第2回転体は、それぞれの外形を互いに同一の外径を有した円形状に構成し、前記磁気結合制御体は、前記第1回転体及び前記第2回転体の外周を覆う環状に構成し、前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体の外周を覆う大きさの環状に構成したことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記磁気結合制御体は、円筒状に構成し、前記第1回転体及び前記第2回転体は、それぞれを前記磁気結合制御体の外周を覆う環状に構成し、前記非結合用制御体は、前記磁気結合制御体の内部に収容される外径に構成したことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196410(P2011−196410A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61545(P2010−61545)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(303049418)株式会社松栄工機 (21)