説明

動力駆動される手工具

【課題】駆動スピンドルへの工具の安全な締付けを補助工具を用いずに確実に行うことができ、工具交換の際に容易に解放できる動力駆動手工具を提供する。
【解決手段】動力駆動手工具10は、工具62を駆動するよう構成された駆動スピンドル12を含み、工具62は固定部材48により駆動スピンドル12の保持部19に固定することができ、固定部材48が駆動スピンドル12から解放されることができる開放位置と、固定部材48がばね部材58により保持部19に締付けられる締付け位置との間で、固定部材48を移動させるように機能する移動装置25を更に含む。工具62を締付けるために、スプリットチャック66が設けられている。スプリットチャック66は、締付け位置に於いて固定部材48により保持部19に締付けられるとともに、形状固定係合状態で保持部19に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定部材によって駆動スピンドルの保持部に固定することができる工具を駆動するよう構成された電動駆動スピンドルを有する、動力駆動される手工具に関する。この工具は、固定部材が駆動スピンドルから解放されることができる開放位置と、固定部材がばね部材によって保持部に締付けられる締付け位置との間で固定部材を移動させるように機能する移動装置を含み、前記固定部材は、固定部材内へ挿入されるように構成された締付け軸を含み、該締付け軸は、工具を締付ける場合、締付け位置に於いて駆動軸に軸方向に固定されるとともに、開放位置に於いて取外すことができるものである。
【背景技術】
【0002】
このタイプの動力駆動手工具は下記特許文献1から周知である。
周知の手工具の場合、固定部材は、工具の装着開口部を介して駆動スピンドルに導入されることができるとともに、形状固定係合状態にて駆動スピンドルの保持部に工具を締付け、かつ固定するスピンドルに締付けることができる。
この種の締付け装置は種々の適用例に於いて工具を締付けるのに適切である。しかしながら、高い締付け力の作用のもとで、周知の締付け装置によって生成できる力は、一般的に、振動駆動部を備えた切削工具や切断工具に於いて特に見られるタイプの極めて高い負荷に耐えるには十分ではない、ということが判明している。
【0003】
補助工具を用いずに、動力駆動手工具に工具を締付けることを意図した他の締付け装置としては、下記特許文献2や下記特許文献3に開示されたものが周知である。これらの文献に記載された構成物は、空洞設計の駆動軸とこの駆動軸内に設けられたスピンドルとを含み、該スピンドルは、移動装置と、移動装置を使用して駆動軸に締付けることができる中央固定部材またはフランジによって形成される締付け先端部とを含む。この場合、固定部材と駆動軸との間を形状固定係合させて、工具が制動効果により分離されるのを防ぐようにしてもよい。
【特許文献1】国際公開第2005/102605号パンフレット
【特許文献2】独国特許出願公開第41 22 320号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 152 564号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の締付け部材は、もっぱら回転駆動部を備えた電動工具用に設計されたものである。振動駆動部を備えた電動工具は締付けることができない。
上記背景に鑑み、本発明の目的は、駆動スピンドルを駆動してその長手軸周りに振動させることができ、駆動スピンドルへの工具の安全な締付けを補助工具を用いずに確実に行うことができ、工具交換の際に容易に解放できる、上述のタイプの動力駆動手工具を提供することである。この場合、締付け装置は、振動駆動部を備えた工具に於いて見られる可能な限りの高負荷に適切に対応するものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、保持部に工具を締付けるため、締付け位置に於いて固定部材により保持部に締付けられるスプリットチャックを設けたこと、および、スプリットチャックの外表面が、工具を、形状固定(ロック)係合状態でその装着開口部領域に支持する構成、好ましくは多角形状に設計された構成を有していることで、上述のタイプの動力駆動手工具により達成される。
【0006】
本発明の目的はこのような方法で完全に達成される。
スプリットチャックを使用して保持部に工具を締付けること、および、スプリットチャックと工具との間の形状固定係合により、本発明は、従来の締付けシステムと比較して明らかに高い締付け力を達成できる。さらに、スプリットチャックと工具との間の形状固定係合により、大きな負荷をかけられた振動駆動装置の場合でも、トルクの安全な伝達が保証される。
【0007】
本発明の有利な更なる開発に基づき、固定部材とスプリットチャックとの間の係合は、締付け位置に於いて、スプリットチャックの形状固定部材が、駆動スピンドルの形状固定対向部材に抗して固定部材により付勢されるように構成されている。
この特徴は、取り扱い上、常にある程度の遊びがあるスプリットチャックと駆動スピンドルとの間の形状固定接続が、締付け位置に於いて絶対的に緊密な形状固定接合により更に補強されるという利点を提供する。これにより、スリップによる工具の昇温または装着開口部に於ける工具の膨張といった悪影響なしに、高トルクを伝達できる。
【0008】
この実施形態の更なる開発に於いて、固定部材は、傾斜面を備えた部分を含む。この傾斜面の全体が、対応して構成された内面によりスプリットチャックと係合する。
スプリットチャックと係合する、固定部材の前記部分は、この目的のために実質的に円錐形にすることができる。
この方策の結果として、スプリットチャックと駆動スピンドルとの間が、均一なより緊密な形状固定接合状態となり、締付け位置に於いて完全な形状固定接合が保証される。
【0009】
本発明の更なる実施形態に於いて、スプリットチャックと固定部材との間にばね部材が設けられている。
この特徴により、移動装置の開放位置への移動の後、スプリットチャックから固定部材を解放する動作が容易になるという効果が得られる。
本発明の更なる実施形態に於いて、スプリットチャックを、形状固定係合状態で保持部と接合させることができる。
【0010】
この特徴により、高い負荷をかけられた振動駆動工具の場合、工具への高トルクの伝達が改良される。
本発明の更なる実施形態に於いて、スプリットチャックは、固定部材の締付け軸に保持されると共に、固定部材と結合されて単一のユニットにされ、開放位置に於いて駆動軸から同時に(一緒に)取り外される。
【0011】
このようにして、固定部材とスプリットチャックとが組み合わされて単一のユニットになっているので、駆動軸からの取外しおよび駆動軸への取付けの間、処理をより容易に行える。
本発明の更なる実施形態に於いて、形状固定部材が固定部材に設けられている。前記形状固定部材は、移動可能締付け部材と協働して、締付け位置に於いて形状固定係合状態で固定部材を固定する。
【0012】
形状固定部材を使用しているので、締付け効果が高負荷のもとでなくならないということを、より大きな安全性で保証している。
本発明の更なる実施形態に於いて、径方向に移動可能な締付け部材が設けられている。
これにより、高い締付け力を達成することが可能である。
この実施形態の更なる開発に於いて、締付け部材を径方向に移動可能に保持している駆動スピンドルに、スリーブが受容されている。
【0013】
この特徴により、ばね部材により径方向に付与される締付け力を、信頼性があり、かつ堅固な方法で、駆動スピンドルに軸を固定する径方向保持力に変換することができる。
締付け部材は、中心部に向かう径方向に於いて形状固定部材へ向けてねじ部材によりあらかじめ付勢されていることが好ましい。
これにより、再び、駆動軸へ締付け軸を固定することに役立つ。
【0014】
本発明の更なる実施形態に於いて、締付け部材はスリーブの凹部に保持されている。
これにより、締付け部材の簡単な組み付け、および締付け位置と開放位置との間の安全な移動を可能にしている。
本発明の特に好ましい実施形態に於いて、工具に面する締付け部材の側部には傾斜面が設けられており、これらの傾斜面は前記スリーブの傾斜面と協働し、締付け部材の傾斜面に関するスリーブの動きにより、締付け部材は中心部へ付勢される。
【0015】
これにより、ばね力により生成される軸方向のプレストレス(予圧)を、軸方向に於いて固定部材を固定する保持力へ有利に転換することができる。
本発明の更なる実施形態に於いて、スリーブは、閉鎖位置方向へ、前記ばね部材により軸方向に予め付勢されている。
本発明の更なる実施形態に於いて、軸方向に駆動スピンドルに固定された、スリーブ形状の突出装置が駆動スピンドルに設けられて、工具側での締付け部材の軸方向動きを制限している。
【0016】
この特徴により、工具交換の際に、固定部材を開放位置に於いてスプリットチャックと共に駆動スピンドルから引き抜く場合、締付け部材の安全な動作が確実に行える。
同時に、ばね部材により、高い締付け力をスプリットチャックへ伝達することが可能である。ばね部材の寸法は、あらゆる適応例に十分なように、可能な限り高い締付け力が達成されるようなものであることが好ましい。ばね部材は例えばカップスプリングアセンブリのように構成してもよいが、他の種類のばねも同様に使用可能である。
【0017】
上記および以下に説明される本発明の特徴は、それぞれに示された組合せに於いてのみならず、他の組合せまたは単独で、本発明の範囲から逸脱することなく使用できるということは理解されるべきである。
本発明の更なる特徴や利点は、図面を参照して以下の本発明の好ましい実施形態の説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明に係る動力駆動手工具の動作ヘッド領域の断面図であり、手工具は全体が参照符号10で示されている。この手工具10は、締付け部材を使用して工具62を外側端部に装着した駆動軸12を含む。締付け部材の詳細については後述する。
駆動スピンドル12は、詳細については図示していない方法で、偏芯駆動振動フォーク部材24により駆動されて振動する。両矢印15により示すように、駆動スピンドル12は、毎分約10,000〜25,000回の振動という高振動数、かつ、約0.5〜7度という小さな振動角で、長手軸13周りを移動する。
【0019】
駆動されて振動するこのような手工具10は、最近、例えば、振動カッターを使用する自動車用窓の切り出しや、振動切断ナイフを使用する切断や、研削などの作業を含む特別な作業を実施するために多くの分野で使用されるようになっている。
回転駆動スピンドルの場合の条件とは対照的に、両回転方向に於ける振動駆動スピンドルには、高い動力を示す突発性高トルクが発生する。その結果、あらゆる動作条件の下で、工具が駆動スピンドルに対して固定状態で保持され続けることを保証する為に、(比較的小さなサイズのものに組み合わされた)高い締付け力と、堅牢な緊密機械構造が要求される。
【0020】
本発明に係る手工具10の場合、これらの要求事項は、補助工具を用いずに、工具62の迅速な締付けと解放とを同時に可能にする独特な締付けシステムにより実現される。
駆動軸12は、本実施形態に於いて、2部分設計であり、そして、ねじ山22を介してスピンドル端部20にねじ止めされたスピンドル管18を含む。駆動スピンドル12は、スピンドル端部20領域に於いて、その上端部が軸受け14に、そして、スピンドル管18領域に於いて、その下端部が軸受け16に、それぞれ位置している。
【0021】
工具62をスピンドル管18の外側端部に装着するため、参照符号66により全体が示されたスプリットチャックが設けられ、このスプリットチャックは、形状固定状態で工具62の装着開口部64と係合している。更に、スプリットチャック66はスピンドル管18と形状固定係合状態で接続され、そして、固定部材48により、図1に示す締付け位置にて駆動スピンドル12に締付けられ、これにより、工具62は、スピンドル管18の外側端部で、保持部19にスプリットチャック66により締付けられる。
【0022】
固定部材48は締付け軸49を含み、この締付け軸49は、図面に示す締付け位置にて、参照符号36により全体が示される固定装置の締付け部材40を使用して、スピンドル管18の内部に於いて、形状固定係合状態でスリーブ38に固定することができる。
この場合、環状溝60に係合する固定ワッシャ59と固定装置36との間でスピンドル管18内部に保持されるカップスプリングアセンブリ58形態のばね部材により、締付け力が付与される。カップスプリングアセンブリ58の張力により、スピンドル管18の保持部19とスプリットチャック66との間に工具62を堅固に締付けることができる。
【0023】
補助工具を用いずに工具を迅速に交換できるようにするために、固定装置36は、図1に示すように締付け位置と開放位置との間で軸方向に移動可能である。このため、固定装置36は、スラスト部材26とカップスプリングアセンブリ58との間でばね力により保持されている。締付け位置に於いて、スラスト部材26は、スピンドル端部20の対応する形状の凹部と形状固定係合状態にあり、その円筒状軸(シャフト)により、スピンドル端部20の中央孔を通って、下方向に突出している。
【0024】
移動装置25は偏芯器30を含み、この偏芯器30は、図1に28で示す締付けレバーにより偏芯器の軸31周りを回動することができる。
図1に示す締付け位置に於いて、スラスト部材26の外端面34と偏芯器30の対向する圧力面32との間には、空間が存在する。したがって、締付け位置に於いて、スラスト部材26と、駆動スピンドル12全体とは、このようにして移動装置25から分離され、これにより、動作中のいかなる摩擦力も駆動スピンドル12に伝達されることはない。
【0025】
しかしながら、締付けレバー28は、図1に示す締付け位置から、矢印33方向の前部に、そして、開放位置に回動されると、偏芯器30の圧力面32はスラスト部材26の端面34と当接することになり、これにより、スラスト部材26を、カップスプリングアセンブリ58の作用に抗して、工具62の方向へ移動させ、その結果、以下で詳細を説明するように、固定装置36は外側に移動されて、固定部材48を解放する。
【0026】
固定装置36のスリーブ38は環状設計であり、摺動状態にて、スピンドル管18の内面に受容されている。工具側のスリーブ38端面は、カップスプリングアセンブリ58に対する支持部材として作用する。スリーブ38の内面は、傾斜した円錐斜面46として構成されている。
スリーブ38は、スリーブ38の対応する形状の凹部に保持された3つの締付け部材40と協働する。締付け部材40はそれぞれ、工具62に対向する側部に傾斜面を設けており、そして、その面は傾斜面46と同じ傾斜度を有しているので、締付け部材40は、半径方向と同時に、軸方向に於いて、スリーブ38に沿って移動することができる。中心部に面する締付け部材40の側部はそれぞれ、歯状部44を有し、この歯状部44は、固定部材48の締付け軸49の対応する形状の歯付き部分50と協働する。
【0027】
スラスト部材26に面する締付け部材40の側部は、それぞれ、軸方向孔41を有し、この孔41は、たとえば、工具62の方向へ締付け部材40を付勢するつる巻きばねとして設計されたばね42を収容している。
スリーブ38は、ねじ(図示せず)を使用してスラスト部材26へねじ込まれている。上記ねじは、スラスト部材26の対応する形状の孔を介してスリーブ38の整合螺合孔内にねじ込まれている。この2部分設計は、スラスト部材40をスリーブ38の整合凹部へ装着する働きをする。
【0028】
固定装置36の構造および関連する移動装置25の構造は、それ自体周知であり、そして、上記特許文献1に於いて周知である構造と対応している。なお、上記特許文献1は引用により本明細書に組み込まれている。
しかしながら、上記特許文献1とは異なり、ねじ部材58は、つる巻きばねではなく、むしろ、カップスプリングアセンブリ58として設計されており、工具の側部で、固定ワッシャ59に支持されながら、反対側でスリーブ38と当接している。スリーブ形状の突出装置56は、カップスプリングアセンブリ50により包囲されるとともに、工具に面する端部で、フランジ部57により固定ワッシャ59と当接している。
【0029】
上述の周知の構成とは異なり、固定部材48は、ヘッド部分51により工具62と直接係合はしていないが、円錐部53により、スプリットチャック66の対応形状凹部78と係合しているので、スプリットチャック66は工具62上に、そしてその結果、フランジ部76を介して固定部材48により保持部19上に、直接締付けられる。
スピンドル管18の外側部分は、その内面に、12面体形状の多角形部74が設けられている。スプリットチャック66は6角形状の多角形部72を含み、この多角形部72は、フランジ部76に続き、そして、形状固定状態でスピンドル管18の多角形部74と係合する。
【0030】
したがって、図1に示す締付け位置に於いて、スプリットチャック66は、形状固定係合状態でスピンドル管18の多角形部74に保持されている多角形部72を有している。
ここで、固定部材48の円錐部53は、強力なカップスプリングアセンブリ58の作用を受けて、スプリットチャック66の対応する形状の凹部78と係合しているので、スプリットチャック66は、多角形部72の領域に於いて、外側方向に僅かに広がる傾向にあり、これにより、スピンドル管18の多角形部74へ付勢され、その結果、スピンドル管18内部へスプリットチャック66を導入するために必要となることがある遊びが完全に排除される。
【0031】
このようにして、スプリットチャック66とスピンドル管18との間に、極めて強力な形状固定接合状態を得ることができる。
同時に、6角形構造の、工具62の装着開口部64は、形状固定状態でスプリットチャック66の多角形部72に保持される。
これにより、一般的に、スプリットチャック66と、工具62と、スピンドル管18との間にきわめて良好な緊密な形状固定係合関係が得られる。
【0032】
その結果、カップスプリングアセンブリ58によりもたらされるきわめて高い締付け力を工具62に作用させることができ、その結果、振動駆動により生成される交互方向の高いねじりモーメントを問題なく伝達することができる。
スプリットチャック66は中央円筒状孔67を含み、この中央円筒状孔67は、一定量の軸方向摺動を許容しながら、固定装置36が解放される場合に締付け軸49を保持する。
【0033】
固定部材48とスプリットチャック66とは、例えばOリング68により、分離不能に接合されて単一のユニットにされている。Oリング68は、スプリットチャック66の内面の溝70に一定量挿入されることができるものである。
工具62を交換する場合、締付けレバー28を矢印33により示す方向へ移動させる。次に、固定装置36はスラスト部材26により開放位置へ移され、その開放位置で、スラスト部材26は、図1と比較して工具62方向へ変位した位置を占めることになる。その結果、押圧部材26は締付け部材40に抗して付勢され、その結果、締付け部材40は径方向外側へ外れ、突出装置56と当接して目立て部分50から離れ、その結果、固定部材48は解放されて、スプリットチャック66と共にスピンドル管18から取り外すことができる。
【0034】
工具62の交換が完了したら、固定部材48とスプリットチャック66を含むユニットを、再び、スピンドル管18内部へ導入することができ、その後、締付けレバー28の動作により締付け位置へ移動することができる。
更に、スプリットチャック66の凹部78の端部の2つの対向して配置された径方向面と、固定部材の円錐部53との間で、内輪形状のばね部材54が拘束されている。このばね部材54は、先の締付け動作の後の固定部材48の開放動作を容易にして、固定部材48が開放位置に容易に退避することを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る手工具の簡略化した断面図であり、締付け位置に於ける動作ヘッド領域の振動駆動部を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具(62)を駆動する駆動スピンドル(12)であって、駆動されてその長手軸(13)周りに振動することができる駆動スピンドル(12)を含み、前記工具(62)は固定部材(48)により前記駆動スピンドル(12)の保持部(19)に固定することができ、
前記固定部材(48)が前記駆動スピンドル(12)から解放されることができる開放位置と、前記固定部材(48)がばね部材(58)により前記保持部(19)に締付けられる締付け位置との間で、前記固定部材(48)を移動させるように機能する移動装置(25)を更に含み、
前記固定部材(48)は、前記固定部材(48)内に挿入されるように構成された締付け軸(49)を含み、前記締付け軸(49)は、前記駆動スピンドル(12)内で軸方向に固定されて前記締付け位置に於いて工具(62)を締め付けるとともに、前記開放位置に於いて取り外し可能であり、
前記保持部(19)に前記工具(62)を締付けるためにスプリットチャック(66)が設けられており、前記スプリットチャック(66)は、前記締付け位置に於いて前記固定部材(48)により保持部(18)に締付けられ、
前記スプリットチャック(66)の外表面は、前記工具(62)を形状固定係合状態で装着開口部(64)領域に支持する構成、好ましくは多角形状に設計された構成を有していること
を特徴とする動力駆動手工具。
【請求項2】
前記締付け位置に於いて、前記スプリットチャック(66)の形状固定部材が、前記駆動スピンドルの形状固定対応部材に抗して前記固定部材により付勢されるように、前記固定部材が前記スプリットチャック(66)と係合していることを特徴とする請求項1に記載の手工具。
【請求項3】
前記固定部材(48)は、傾斜面(52)を備えた部分(53)を含み、前記傾斜面(52)は、前記スプリットチャック(66)の対応する形状の内面(78)を備えた凹部(78)と係合することを特徴とする請求項2に記載の手工具。
【請求項4】
前記スプリットチャック(66)と係合する前記固定部材(48)の前記部分は円錐形であることを特徴とする請求項3に記載の手工具。
【請求項5】
前記スプリットチャック(66)と前記固定部材(48)との間に、ばね部材(54)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の手工具。
【請求項6】
前記スプリットチャック(66)は、形状固定係合状態で前記保持部(19)に接続させることができることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の手工具。
【請求項7】
前記締付け位置に於いて、前記スプリットチャック(66)は、前記固定部材(48)の前記締付け軸(49)に保持されると共に、前記固定部材(48)と接続されて単一のユニットになっており、前記開放位置に於いて前記駆動軸(12)から同時に取り外されるようになっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の手工具。
【請求項8】
形状固定部材(50)が、前記固定部材(48)に設けられ、前記形状固定部材(50)は移動可能な締付け部材(40)と協働して、前記締付け位置に於いて形状固定係合状態で前記固定部材(48)を固定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の手工具。
【請求項9】
前記締付け部材(40)は、径方向に移動可能であることを特徴とする請求項8に記載の手工具。
【請求項10】
前記締付け部材(40)を径方向に移動可能に保持している前記駆動スピンドル(12)に、スリーブ(38)が受容されていることを特徴とする請求項8または9に記載の手工具。
【請求項11】
前記締付け部材(40)は、径方向に於いて中心部に向かうように、前記形状固定部材(50)へ向けて、前記ねじ部材(58)により付勢されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の手工具。
【請求項12】
前記締付け部材(40)は、前記スリーブ(38)の凹部に保持されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の手工具。
【請求項13】
前記工具(62)に面する前記締付け部材(40)の側部には、傾斜面(46)が設けられており、前記傾斜面(46)は前記スリーブ(38)の傾斜面と協働し、これにより、前記締付け部材(40)の傾斜面(46)に対する前記スリーブ(38)の動きにより、前記締付け部材(40)が中心部へ付勢されることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の手工具。
【請求項14】
前記スリーブ(38)は、閉鎖位置方向へ、前記ばね部材(48)により軸方向に付勢されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の手工具。
【請求項15】
軸方向に前記駆動スピンドル(12)に固定された、スリーブ(38)形状の突出装置(56)が、前記駆動スピンドル(12)に設けられており、前記工具側での前記締付け部材(40)の軸方向の動きを制限することを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の手工具。

【図1】
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【公開番号】特開2009−23083(P2009−23083A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−181606(P2008−181606)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(594106092)ツェー ウント イー フェイン ゲーエムベーハー (11)
【Fターム(参考)】