説明

動物の寄生生物を制御するための組合せ物

本発明は、脂肪族環式炭酸エステルおよび脂肪族環式または非環式ポリエーテルを含む製剤中にN−アリールピラゾールおよびピレスロイドを含む、動物の寄生生物を制御するための新規物質に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族環式炭酸エステルおよび脂肪族環式または非環式ポリエーテルを含む製剤中にN−アリールピラゾールおよびピレスロイドを含む、動物の寄生生物を制御するための新規組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
N−アリールピラゾール類およびそれらの良好な殺虫および殺ダニ活性は、US2006014802A1、WO2005090313A1、FR2834288A1、WO09828277、US06069157、WO200031043、DE19824487、WO09804530、WO09962903、EP00933363、EP00911329、WO09856767、US05814652、WO09845274、WO9840359、WO09828279、WO09828278、DE19650197、WO09824767、EP00846686、EP00839809、WO09728126、EP00780378、GB02308365、US05629335、WO09639389、US05556873、EP00659745、US05321040、EP00511845、EP−A−234119、EP−A−295117およびWO98/24769から知られている。この多数のN−アリールピラゾール構造を伴う出願の豊富さにも拘わらず、殆どの適応症に関して、比較すると最良の活性を示す優れた構造のタイプが存在する。1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−シアノ−4−[(トリフルオロメチル)−スルフィニル]−5−アミノピラゾール(INN:フィプロニル)は、一般的に、殆どの寄生生物を制御するために、このクラスで最も有効な化合物であると認められている。
【0003】
N−アリールピラゾール類は、10年以上にわたり殺外寄生生物剤(ectoparasiticide)として販売されてきた (Hunter, J.S., III, D.M. Keister and P. Jeannin. 1994. Fipronil: A new compound for animal health. Proc. Amer. Assoc. Vet. Parasitol. 39th Ann. Mtg. San Francisco, CA. Pg. 48.)。それらは、良好かつ広範な活性および許容し得る適合性により卓越している。高含有量のDEEを有する既存の製剤(Transcutol)は、強力な経皮(FR1996−11446A;安全データシート: ISO/DIS 11014/29 CFR 1910.1200/ANSI Z400.1 印刷日 10/23/2001: FRONTLINE(登録商標)TOP SPOT(商標):フィプロニル9.7%w/w)成分を含有することが知られている。このことは、その製剤を介して、皮脂腺および上皮への浸透を助長する(Skin distribution of fipronil by microautoradiography following topical administration to the beagle dog. Cochet, Pascal; Birckel, P.; Bromet-Petit, M.: Bromet, N.: Weil, A.; European Journal of Drug Metabolism and Pharmacokinetics (1997), 22(3), 211-216.)。皮脂腺からの皮脂分泌を介して、皮脂腺での高濃度は、活性化合物が保持されるならば、長時間持続する活性化合物のアベイラビリティーに貢献し得る。しかしながら、常套の製剤の場合、各毛包には血管が供給されており、従って毛包は非常に薄い障壁でしか循環から隔てられていないので、N−アリールピラゾール類の循環への浸透もありそうである(Transfollicular drug delivery - Is it a reality? Meidan, Victor M.; Bonner, Michael C.; Michniak, Bozena B.; International Journal of Pharmaceutics (2005), 306(1-2), 1-14)。このように、動物における活性化合物のアベイラビリティーは、活性化合物が循環に入り、皮脂中の利用できる濃度が伴って低下するので、期間と濃度の両方に関して限られている。
【0004】
さらに、イクソデス(Ixodes)属の代表例に対するN−アリールピラゾール類の効力は、他のマダニの属に対するものよりも低いことが知られている(Endris RG, Matthewson, Cooke D & Amodie D (2000). Rellency and efficacy of 65% permethrin and 9.7% fipronil against Ixodes ricinus. Vet. Therapeutics, Vol. 1 (No, 3): 159-168); Endris RG, Cooke D, Amodie D, Sweenwy DL & Katz TL (2002). Repellency and efficacy of 65% permethrin and selamectin spot-on foumulations against Ixodes ricinus on dogs. Vet. Therapeutics. Vol. 3 (No. 1): 64-71)。
【0005】
ピレスロイド類は、同様に、比較的広い殺虫作用を有し、いくつかの代表例は、良好な殺ダニ効果も示す;しかしながら、これらの化合物を用いると頻繁に不適合があり、効力が限定される特定の非毒性の代表例しか、ネコに使用できない。最近、WO04/098290は、この問題の解決法を記載し、その方法では、佐薬、殺ダニ性のピレスロイドおよびネオニコチノイドの利用により、ネコに耐容される投薬を達成できた。使用される物質の物理化学的特性が異なるために、特別な製剤が必要である。
【0006】
さらに、N−アリールピラゾール類と比較して、ピレスロイド類は、ダーマセンター(Dermacentor)属のマダニに対して活性が低いことが一般的に知られている。最近、ピレスロイド耐性昆虫において、ピレスロイド類とN−アリールピラゾール類の間に交差耐性がないことがさらに見出された。一方、N−アリールピラゾール類でのそのような蚊の系統の選択は、ピレスロイド耐性の部分的復帰さえ導く。[Laboratory evaluation of fipronil, a phenylpyrazole insecticide, against adult Anopheles (Diptera: Culicidae) and investigation of its possible cross-resistance with dieldrin in Anopheles stephensi. Kolaczinski, Jan; Curtis, Chris. London School of Hygiene and Tropical Medicine, London, UK. Pest Management Science (2001), 57(1), 41-45]。
【0007】
WO2001/065941A1およびEP1013170A1は、植物の有害生物に対する適用において、N−アリールピラゾール類およびピレスロイドの組合せを提唱している。JP11049618A2は、木造建築の食害を防止するために、同様の混合物を使用する。WO95/22902A1は、シロアリの直接的制御のために、そのような混合物を使用する。FR2713891A1およびWO95/22902A1は、そのような混合物の相乗効果まで特許請求しているが、それを明確に立証してはいない。
【0008】
しかしながら、[Antagonism of fipronil toxicity by piperonyl butoxide and S,S,S tributyl phosphorotrithioate in the German cockroach (Dictyoptera: Blattellidae). Valles, Steven M.; Koehler, Philip G.; Brenner, Richard J. Center for Medical, Agricultural and Veterinary Entomology, USDA-ARS, Gainesville, FL, USA. Journal of Economic Entomology (1997), 90(5), 1254-1258] は、酸化的代謝の阻害剤(P450オキシダーゼ阻害剤)が、ゴキブリにおいて、N−アリールピラゾールの作用に対するアンタゴニスト的効果を有することを示している。殆どのピレスロイド類はp450オキシダーゼ経路で解毒されるので、それらは、MGK264またはピペロニルブトキシドと同様に、N−アリールピラゾール類の佐薬よりも、むしろアンタゴニストであると考えなければならない。
【0009】
GB2396557A1は、濃縮粉末製剤を使用すると、N−アリールピラゾール類およびピレスロイド類の混合物による外寄生生物の処置(必要に応じて、MGK264またはピペロニルブトキシドなどの佐薬も添加する)が可能であることを教示している。WO95/22902A1は、シロアリの制御のために、フェニルピラゾール類およびピレスロイド類の併用による、活性が改善された土壌の処理を記載している。ここでも、使用される混合物は、恒温動物への適用に適さない。
【0010】
そのような製剤は実際に適用するのが難しく、粒子が原因で(GB2396557)さらなる毒物学的リスクを伴うので、ピレスロイドのポジティブな活性特性と、N−アリールピラゾール類のそれを併せ持ち、かつ、p450オキシダーゼ阻害剤のクラスからのさらなる佐薬の存在下でもN−アリールピラゾール類の効力の減少をもたらさない、良好な使用者安全性プロフィールを有する自己拡散性液体製剤を製造することを目的としなければならない。
【0011】
この目的で、集中的な分析および一連の試験により、我々は、この度、多数の添加剤、溶媒および展着剤から、一般にピレスロイド類と組み合わせたN−アリールピラゾール類の良好な殺節足動物(arthropodicidal)効力の特性を改善できる製剤を同定した。驚くべきことに、予想されるアンタゴニスト的効果はここで観察されなかった。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、
−脂肪族環式炭酸エステル
−脂肪族環式または非環式ポリエーテル
を含む製剤中にN−アリールピラゾールおよびピレスロイドを含む、動物の寄生生物を制御するための新規組成物に関する。
【0013】
本発明による殺節足動物組成物は、新規であり、今までに記載された製剤と比較して、かなり良好かつ長時間持続する効力を有し、同時に改善された使用者および標的動物の安全性プロフィールを有する。
【0014】
この組成物のために、N−アリールピラゾール類の組合せパートナーは、好ましくは、殺節足動物性ピレスロイド類、特に、シアノピレスロイド(例えばフルメトリン(flumethrin))、1型ピレスロイド(例えばペルメトリン)または非エステルピレスロイド(エトフェンプロックス(etofenprox))型である。
【0015】
ここで、好ましくは、α−シアノピレスロイド類(例えばアルファ−シペルメトリン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フルシトリネート(flucythrinate)、フルメトリン、タウ−フルバリネート(tau-fluvalinate))を、0.01ないし5重量%の濃度範囲で用い、必要に応じて、佐薬を添加する(例えばWO04/098290に記載の通り)。特に好ましいのは、0.025ないし0.25重量%の濃度範囲のシペルメトリン、シフルトリン、デルタメトリンおよびフルメトリンの使用である。ことさら特に好ましいのは、0.05ないし1.25重量%の濃度範囲のフルメトリンの使用である。
【0016】
好ましくは、1型ピレスロイド類(例えば、アレスリン、ビオアレトリン、ペルメトリン、フェノトリン、レスメトリン(resmethrin)、テトラメトリン、トランスフルトリン(transfluthrin))を、20ないし70重量%の濃度範囲で用いる。特に好ましいのは、30ないし60重量%の濃度範囲のペルメトリン、シフェノトリンである。ことさら特に好ましいのは、40ないし50重量%の濃度のペルメトリンの使用である。
【0017】
非エステルピレスロイド類(例えば、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス(halfenprox)、シラフルオフェン(silafluofen))は、通常、10ないし60重量%の濃度範囲で用いる。好ましいのは、エトフェンプロックスまたはハルフェンプロックスである;特に好ましいのは、25−55%の濃度範囲のエトフェンプロックスである。
【0018】
N−アリールピラゾール類は、それ自体、例えば出典明示により本明細書の一部とする上記の文献から、殺節足動物的に活性な化合物として当業者に知られている。
【0019】
好ましいフェニルピラゾール類は、式(I)
【化1】

[式中、
Xは、=N−またはC−Rを表し、
およびRは、相互に独立して、ハロゲンを表し、
は、ハロゲン、C1−3−ハロアルキル、S(O)CFまたはSFを表し、
nは、0、1または2を表し、
は、水素、シアノまたは式
【化2】

のラジカル、または、下記の環式置換基
【化3】

の1つを表し、
は、水素、C2−4−アルキニル、C2−4−アルケニル(ハロゲンまたはC1−3−アルキルにより一置換または多置換されていることもある)を表すか、または、Rは、C1−4−アルキル−(C=O)−、C1−4−アルキル−S−、C1−4−ハロアルキル−S−、−S(=O)−C1−4−アルキルまたは−S(=NH)−C1−4−アルキル、ハロゲンで置換されていることもあるフェニル、ハロゲンで置換されていることもあるフリル、ラジカル−NR1415、オキシラニルラジカル(C1−4−アルキルまたはC1−4−ハロアルキルにより一置換または多置換されていることもある)、または、シクロプロピルラジカル(ハロゲン、C1−4−アルキルまたはC1−4−ハロアルキルにより一置換または多置換されていることもある)を表し、
は、水素、C1−4−アルキルカルボニルまたはラジカル−NR1617を表し、
【0020】
は、水素、C1−4−アルキル、C1−4−アルキル−S−または−NR10を表し、
Yは、=S、=O、=NH、=N−C1−4−アルキル、=N−OHまたは
【化4】

を表し、
は、C1−4−アルキルを表し、
およびR10は、相互に独立して、水素、ヒドロキシルまたはC1−4−アルキルを表し、
11は、水素、C1−4−アルキル、−COO−C1−4−アルキルまたは−CONR1213を表し、
12およびR13は、相互に独立して、水素またはC1−4−アルキルを表し、
14およびR15は、相互に独立して、水素、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルまたはC1−4−アルキル−SO−を表し、
16およびR17は、相互に独立して、水素、C1−4−アルコキシまたはC1−4−アルキルを表し、ここで、C1−4−アルキルは、フェニル、ピランジニルまたはピリジルにより置換されていることもあり、ここで、フェニル、ピランジニルまたはピリジルは、ヒドロキシル、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルおよび/またはC1−4−アルコキシにより一置換または多置換されていてもよいか、または、
16およびR17は、C1−4−アルキルカルボニル、C1−4−アルコキシカルボニル、C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキルカルボニルまたはラジカル−(C=O)NR2021を表すか、または、
16およびR17は、一体となって、基=CR1819を表し、これは、二重結合により窒素に結合しており、
18およびR19は、相互に独立して、フェニルを表し、これは、ヒドロキシル、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルおよび/またはC1−4−アルコキシにより一置換または多置換されていることもあり、かつ/または、R18およびR19は、水素、C1−4−アルキル、C1−4−アルケニルまたはC1−4−アルコキシを表し、ここで、C1−4−アルキル、C1−4−アルケニルまたはC1−4−アルコキシは、フェニルにより置換されていることもあり、これは、ヒドロキシル、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルおよび/またはC1−4−アルコキシにより一置換または多置換されていることもあり、
20およびR21は、相互に独立して、水素、C1−4−アルキルまたはフェニルを表し、これは、ヒドロキシル、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルおよび/またはC1−4−アルコキシにより一置換または多置換されていることもあり、
22は、C1−4−アルキルを表す]
のものである。
【0021】
ハロゲンは、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特に、フッ素、塩素または臭素を表す。
【0022】
1−4−アルキルは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを表す。
【0023】
1−4−ハロアルキルは、1個またはそれ以上の同一かまたは異なるハロゲン原子により置換されている、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表す;これは、ペルハロアルキル化合物も含む。好ましいのは、フルオロアルキル類である。例は、−CFH、−CF、−CHCF、−CFCFである。
【0024】
好ましくは、置換基は、以下の意味を有する:
Xは、好ましくは、C−Rを表す。
およびRは、相互に独立して、好ましくは塩素または臭素を表す。
は、好ましくは、C1−3−ハロアルキルまたはSFを表す。
は、好ましくは、水素、シアノまたは式
【化5】

のラジカル、または、下記の環式置換基:
【化6】

の1つを表す。
は、好ましくは、水素、C2−3−アルキニル、C2−3−アルケニル(ハロゲンまたはC1−3−アルキルにより一置換されていることもある)を表すか、または、Rは、好ましくは、C1−3−アルキル−(C=O)−、C1−3−アルキル−S−、C1−3−ハロアルキル−S−、−S(=O)−C1−3−アルキルまたは−S(=NH)−C1−3−アルキル、ハロゲンで置換されていることもあるフェニル、ハロゲンで置換されていることもあるフリル、ラジカル−NR1415、C1−3−ハロアルキルで置換されていることもあるオキシラニルラジカル、または、シクロプロピルラジカル(ハロゲン、C1−4−アルキルまたはC1−4−ハロアルキルにより一置換または多置換されていることもある)を表す。
は、好ましくは、水素、C1−3−アルキルカルボニルまたはラジカル−NR1617を表す。
【0025】
は、好ましくは、水素、C1−4−アルキル、C1−4−アルキル−S−または−NR10を表す。
Yは、好ましくは、=S、=O、=NH、=N−OHまたは
【化7】

を表す。
は、好ましくは、C1−3−アルキルを表す。
およびR10は、相互に独立して、好ましくは、水素、ヒドロキシルまたはC1−3−アルキルを表す。
11は、好ましくは、水素、C1−4−アルキルまたは−CONR1213を表す。
12およびR13は、相互に独立して、好ましくは、水素またはC1−3−アルキルを表す。
14およびR15は、相互に独立して、好ましくは、水素、C1−3−アルキル、C1−3−ハロアルキルまたはC1−3−アルキル−SO−を表す。
16およびR17は、相互に独立して、好ましくは、水素、C1−3−アルコキシまたはC1−3−アルキルを表し、ここで、C1−3−アルキルは、フェニル、ピラジニルまたはピリジルにより置換されていることもあり、ここで、フェニル、ピラジニルまたはピリジルは、ヒドロキシル、C1−3−アルキル、C1−3−ハロアルキルおよび/またはC1−3−アルコキシにより一置換または二置換されていることもあるか、
または、
16およびR17は、C1−4−アルキルカルボニル、C1−4−アルコキシカルボニル、C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキルカルボニルまたはラジカル−(C=O)NR2021を表すか、または、
16およびR17は、一体となって、基=CR1819を表し、これは、二重結合により窒素に結合している。
18およびR19は、相互に独立して、好ましくは、フェニルを表し、これは、ヒドロキシル、C1−3−アルキル、C1−3−ハロアルキルおよび/またはC1−3−アルコキシにより一置換または二置換されていることもあり、かつ/または、R18およびR19は、水素、C1−3−アルキル、C1−3−アルケニルまたはC1−3−アルコキシを表し、ここで、C1−3−アルキル、C1−3−アルケニルまたはC1−3−アルコキシは、フェニル(ヒドロキシル、C1−4−アルキル、C1−4−ハロアルキルおよび/またはC1−4−アルコキシにより一置換または二置換されていることもある)により置換されていることもある。
20およびR21は、相互に独立して、好ましくは、C1−3−アルキルまたはフェニルを表し、これは、ヒドロキシル、C1−3−アルキル、C1−3−ハロアルキルおよび/またはC1−3−アルコキシにより一置換または二置換されていることもある。
22は、好ましくは、C1−3−アルキルを表す。
【0026】
特に好ましくは、式(I)における置換基は、下記の意味を有する:
Xは、C−Rを表す。
およびRは、各々Clを表す。
は、CFを表す。
は、CN、−C(=S)NHまたは−C(=O)CHを表す。
は、−SCHF、−S(=O)CF、−S(=O)CH、−S(=O)CHCHを表すか、または、1−トリフルオロメチルオキシラニルラジカルを表す。
は、アミノ基または下記のラジカル
【化8】

の1つを表す。
【0027】
本発明に従い使用できる化合物の好ましい例を、下記に列挙する:
【化9】

【0028】
本発明に従い使用できる化合物の特に好ましい例は、以下のものである:
【化10】

【0029】
ことさら特に好ましいN−アリールピラゾールの例は、フィプロニルである。
ことさら特に好ましいN−アリールピラゾールのさらなる例は、5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾールである。
【0030】
置換基の性質および配置に応じて、活性化合物は、適するならば、様々な立体異性体、特にエナンチオマーおよびラセミ体で存在し得る。本発明によると、純粋な立体異性体およびこれらの混合物の両方を使用することが可能である。
【0031】
適するならば、活性化合物は、それらの塩の形態で用いることもでき、医薬的に許容し得る酸付加塩および塩基の塩が適する。
【0032】
適する医薬的に許容し得る塩は、鉱酸または有機酸(例えば、カルボン酸またはスルホン酸)の塩である。言及し得る例は、塩酸、硫酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、エンボン酸(embonic acid)、グルタミン酸またはアスパラギン酸である。適する医薬的に許容し得る塩基の塩は、例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、および、アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムまたはカルシウム塩である。
【0033】
それらの溶媒和物、特に水和物の形態の活性化合物を使用することもさらに可能である。溶媒和物は、活性化合物自体の溶媒和物、特に水和物、および、それらの塩の溶媒和物、特に水和物の両方を意味すると理解されるものである。
【0034】
固体として、活性化合物は、ある種の場合に、様々な結晶変態を形成し得る。医薬における使用のための利点は、適する溶解特性を有する安定な変態である。
【0035】
断りのない限り、百分率は、最終調製物の重量を基準とする重量パーセントと理解されるものである。
【0036】
通常、本組成物は、アリールピラゾールを、1ないし27.5重量%、好ましくは5ないし20重量%、特に好ましくは7.5ないし15重量%の量で含む。
【0037】
脂肪族環式炭酸エステルは、好ましくは炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンであり、混合物を使用することも可能である。
【0038】
製剤中の脂肪族環式炭酸エステルの量は、10重量%ないし70重量%、好ましくは12.5ないし50重量%、特に好ましくは15ないし40重量%の範囲で、幅広く変動できる。
【0039】
脂肪族環式および/または非環式エーテルは、それ自体知られている化合物である。好ましくは、それらは8個までの炭素原子を有するジオールから誘導されるエーテル、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールである。非環式エーテルでは、一方または両方のOH基は、C1−4−アルキル基を有し、好ましくは、一方のみのOH基がエーテル化されている;特に好ましい例は:ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルである。好ましい5員または6員の環式エーテルは、環内酸素および4個または5個の環内炭素原子を有し、そして、場合によりC1−4−アルキル置換基を有する;好ましくは、それらは、環上に直接、または、C1−4−アルキル置換基上に、遊離OH基を有する。特に好ましい例は、テトラヒドロフルフリルアルコールである。本発明による組成物中の脂肪族、環式および/または非環式エーテルの量は、20ないし77.5重量%の幅広い限度内で変動でき、25ないし65重量%の範囲の量、25ないし50重量%の範囲の量が、各々、特に好ましく、ことさら特に好ましい。
【0040】
好ましい実施態様によると、本発明による組成物は、さらに、1種またはそれ以上の、3個までの炭素原子を有する二価または三価アルコールの、6個ないし18個の炭素原子を有する有機脂肪酸とのエステルを含み得る。アルコール成分として、本発明に従い使用されるエステルは、3個までの炭素原子を有する二価または三価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールを含有する。一般に、これらのアルコールの少なくとも2個、好ましくは全てのヒドロキシル基は、エステル化されている。エステルの酸成分は、6個ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸であり、それは、直鎖、分枝鎖、並びに、一不飽和または多価不飽和であり得る。様々なタイプのエステルの混合エステルまたは他の混合物を使用することが可能である。好ましいトリグリセリドは、カプリル/カプリン酸トリグリセリド並びにカプリル/カプリン/リノール酸トリグリセリドである。好ましいのは、同様に、プロピレングリコールのカプリルおよび/またはカプリン酸とのエステル(プロピレングリコールオクタノエートデカノエート)である。特に好ましくは、これらのカプリル/カプリン酸のグリセロールまたはプロピレングリコールエステルは、0.08−1.3Pa.s、そして好ましくは0.08−0.40Pa.sの粘度の範囲を有する(20℃)。上述の粘度の範囲を有するそれらのポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび/または炭酸プロピレンで修飾された誘導体を使用することも可能である。言及し得る例は、0.09−0.12Pa.sの粘度の範囲を有するプロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールオクタノエートデカノエート、0.23Pa.sの平均粘度を有するカプリル酸/カプリン酸ジグリセリルスクシネート、0.27−0.30Pa.sの粘度を有する中鎖カプリル/カプリン酸トリグリセリドである。
【0041】
本発明による液体製剤は、上述の1種またはそれ以上のエステルを含み得る。通常、本発明による組成物は、エステルまたはエステル混合物を、0ないし40重量%、好ましくは1ないし35重量%、特に好ましくは1ないし12.5重量%、そして、ことさら特に好ましくは2.5ないし7.5重量%の割合で含む。
【0042】
必要に応じて、上述の製剤を安定化するために、常套の有機または無機抗酸化剤を使用し得る。適する無機抗酸化剤は、例えば、亜硫酸塩および重亜硫酸塩、特に重亜硫酸ナトリウムである。好ましいのは、アニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびヒドロキシアニソールなどのフェノール性抗酸化剤、および、それらの相互の混合物である。通常、0.01ないし1重量%、好ましくは0.05%ないし0.5%、特に好ましくは0.075ないし0.2重量%を使用する。
【0043】
上述の製剤成分、特に有機エステル類は、酸性化剤を使用して、起こり得る加水分解に対して安定化され得る。適する酸性化剤は、医薬的に許容し得る酸、特にカルボン酸、例えばコハク酸、酒石酸、乳酸またはクエン酸である。これらの好ましい量は、0ないし0.5重量%の範囲にあるが、好ましくは0ないし0.2重量%である。
【0044】
<30mN/m、好ましくは<22mN/mの低い表面張力を有するポリメトキシシロキサン類を基礎とする重合体の界面活性剤は、延展性(spreadability)を改善するためのさらなる製剤補助剤として使用できる。そのような界面活性剤は、既知のエトキシ化および/またはプロポキシ化された、好ましくは中性の、または、特に好ましくは陽イオン性の製剤補助剤である。言及し得る好ましい重合体の補助剤の例は、Bayer GE Siliconics GmbH のメトキシシラン/エチレンオキシドコポリマー Belisil Silvet L 77 である。これらの製剤補助剤の量は、0.01ないし1.0重量%の範囲の幅広い限度内で変動し得る。好ましい範囲は、0.2ないし0.4重量%である。
【0045】
必要に応じて、製剤は、さらなる医薬的に許容し得る補助剤および添加剤を含み得る。
【0046】
アリールピラゾール類およびピレスロイド類に加えて、本発明による組成物は、また、1種またはそれ以上のさらなる活性化合物を含み得る。言及し得る組合せのためのそのような活性化合物の好ましい例は、成長抑制物質、例えば、キチン生合成阻害剤、例えば、ベンゾイルフェニルウレア類(例えばトリフルムロン(triflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron));フェニルオキサゾリン類(例えばエトキサゾール);幼若ホルモン類似体(例えばメトプレン、ヒドロプレン(hydroprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxifen))およびこれらの活性化合物の相互の混合物である。それらの量は、0.1ないし7.5重量%の範囲の幅広い限度内で変動し得るが、好ましくは0.25ないし5.0重量%、特に好ましくは0.25ないし2.5重量%であり得る。
【0047】
本発明による製剤は、佐薬も含み得る。本願の意味における佐薬は、それら自体は所望の活性を有さないが、混合パートナーとして、活性化合物の活性を高める化合物を意味すると理解されるものである。ピペロニルブトキシド、MGK264、ベルブチン(verbutin)、S,S,S−トリブチルホスホロトリチオエートは、ここで、例示的に言及し得る。本発明による製剤において、佐薬は、好ましくは、α−シアノピレスロイド類のために、即ち、佐薬:ピレスロイド比20−50:1で使用される(WO04/098290も参照)。好ましい佐薬はMGK264である。
【0048】
本発明による組成物は、環境的に適合し、既知の組成物のものと比較して低減された、低い毒性を有する。従って、それらは使いやすく、さらにそれらの取扱いの容易さにより卓越している。これらの組成物は、>70℃の好都合な引火点を有し、従って、爆発に対する付加的保護手段を必要としない簡単なプラントで製造できる。
【0049】
恒温動物への毒性が好都合なので、本発明の組成物は、動物、特に恒温動物、特に好ましくは哺乳動物で遭遇する寄生性節足動物、特に昆虫およびクモ類、ことさら特にノミ類およびマダニ類の制御に適する。これらの動物は、家畜および有用な動物、並びにまた、動物園の動物、実験動物、試験動物および愛玩動物であり得る。
【0050】
本明細書に記載の組成物は、特に、愛玩動物、特にイヌおよびネコ、並びに、有用な動物の外寄生生物に対して使用される。
【0051】
本発明の組成物は、有害生物の全部または個々の発生段階に対して、そして、耐性および通常の感受性の有害生物の種に対して、活性である。
【0052】
有害生物には、以下のものが含まれる:
シラミ目(Anoplura)から、例えば、ヘマトピナス属(Haematopinus spp.)、リノグナタス属(Linognathus spp.)、ソレノポテス属(Solenopotes spp.)、ペジクラス属(Pediculus spp.)、プチラス属(Pthirus spp.);
ハジラミ目(Mallophaga)から、例えば、トリメノポン属(Trimenopon spp.)、メノポン属(Menopon spp.)、エオメナカンタス属(Eomenacanthus spp.)、メナカンタス属(Menacanthus spp.)、トリコデクテス属(Trichodectes spp.)、フェリコラ属(Felicola spp.)、ダマリネア属(Damalinea spp.)、ボビコラ属(Bovicola spp.);
双翅目(Diptera)短角(Brachycera)亜目から、例えば、クリソプス属(Chrysops spp.)、タバナス属(Tabanus spp.)、ムスカ属(Musca spp.)、ヒドロタエア属(hydrotaea spp.)、ムスシナ属(Muscina spp.)、ヘマトボスカ属(Haematobosca spp.)、ヘマトビア属(Haematobia spp.)、ストモキシス属(Stomoxys spp.)、ファンニア属(Fannia spp.)、グロッシナ属(Glossina spp.)、ルシリア属(Lucilia spp.)、カリフォラ属(Calliphora spp.)、アウチメロミア属(Auchmeromyia spp.)、コルジロビア属(Cordylobia spp.)、コチリオミア属(Cochliomyia spp.)、クリソミア属(Chrysomyia spp.)、サルコファーガ属(Sarcophaga spp.)、ウオールファルチア属(Wohlfartia spp.)、ガステロフィラス属(Gasterophilus spp.)、オエステロミア属(Oesteromyia spp.)、オエデマゲナ属(Oedemagena spp.)、ヒポデルマ属(Hypoderma spp.)、オエストラス属(Oestrus spp.)、リノエストラス属(Rhinoestrus spp.)、メロファガス属(Melophagus spp.)、ヒポボスカ属(Hippobosca spp.);
双翅目長角(Nematocera)亜目から、例えば、クレックス属(Culex spp.)、アエデス属(Aedes spp.)、アノフエレス属(Anopheles spp.)、クリコイデス属(Culicoides spp.)、フレボトマス属(Phlebotomus spp.)、シムリウム属(Simulium spp.);
ノミ目(Siphonaptera)から、例えば、クテノセファリデス属(Ctenocephalides spp.)、エチドノファーガ属(Echidnophaga spp.)、セラトフィラス属(Ceratophyllus spp.)、プレックス属(Pulex spp.);
マダニ目(Metastigmata)から、例えば、ヒアローマ属(Hyalomma spp.)、リピセファラス属(Rhipicephalus spp.)、ボーフィラス属(Boophilus spp.)、アンブリオーマ属(Amblyomma spp.)、ヘマフィサリス属(Haemaphysalis spp.)、ダーマセンター属、イクソデス属、アラガス属(Argas spp.)、オルニトドラス属(Ornithodorus spp.)、オトビウス属(Otobius spp.);
トゲダニ目(Mesostigmata)から、例えば、ダーマニッサス属(Dermanyssus spp.)、オルニトニッサス属(Ornithonyssus spp.)、ニューモニッサス属(Pneumonyssus spp.);
ケダニ目(Prostigmata)から、例えば、チェイレチエラ属(Cheyletiella spp.)、ソーラルガテス属(Psorergates spp.)、ミオビア属(Myobia spp.)、デモデックス属(Demodex spp.)、ネオトロンビキュラ属(Neotrombicula spp.);
コナダニ目(Astigmata)から、例えば、アカラス属(Acarus spp.)、ミオコプテス属(Myocoptes spp.)、ソーロプテス属(Psoroptes spp.)、コリオプテス属(Chorioptes spp.)、オトデクテス属(Otodectes spp.)、サルコプテス属(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属(Notoedres spp.)、ネミドコプテス属(Knemidocoptes spp.)、ネオネミドコプテス属(Neoknemidocoptes spp.)、シトディテス属(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属(Laminosioptes spp.)。
【0053】
特に強調され得るのは、ノミ(ノミ目、例えば、クテノセファリデス属;エチドノファーガ属、セラトフィラス属、プレックス属)、マダニ(ヒアローマ属、リピセファラス属、ボーフィラス属、アンブリオーマ属、ヘマフィサリス属、ダーマセンター属、イクソデス属、アラガス属、オルニトドラス属、オトビウス属)および上述の双翅目(クリソプス属、タバナス属、ムスカ属、ヒドロタエア属、ムスシナ属、ヘマトボスカ属、ヘマトビア属、ストモキシス属、ファンニア属、グロッシナ属、ルシリア属、カリフォラ属、アウチメロミア属、コルジロビア属、コチリオミア属、クリソミア属、サルコファーガ属、ウオールファルチア属、ガステロフィラス属、オエステロミア属、オエデマゲナ属、ヒポデルマ属、オエストラス属、リノエストラス属、メロファガス属、ヒポボスカ属)に対する作用である。
【0054】
有用かつ飼育している動物には、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ダマジカ、トナカイ、毛皮を有する動物、例えば、ミンク、チンチラ、アライグマ、鳥類、例えば、ニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒルが含まれる。
【0055】
実験動物および試験動物には、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ゴールデンハムスター、イヌおよびネコが含まれる。
愛玩動物には、イヌおよびネコが含まれる。
ネコおよびイヌに対する適用が特に強調される。
【0056】
適用は、予防的なものと治療的なものの両方で行うことができる。
【0057】
好ましくは、本発明による液体製剤は、スポットオン(spot-on)、ポアオン(pour-on)またはスプレー適用に適し、スプレー適用は、例えば、ポンプスプレーまたはエアゾルスプレー(加圧スプレー)を使用して実施し得る。特定の適応症のために、これらの製剤は、また、浸液として、水希釈後に使用し得る;この場合、製剤は、乳化する添加剤を含有するべきである。
【0058】
好ましい適用形は、ポンプスプレー、ポアオンおよびスポットオンである。スポットオン適用がことさら特に好ましい。
【0059】
本発明による製剤は、常套の「単一用量の」プラスチックチューブとの優れた適合性、および、様々な気候帯におけるそれらの貯蔵安定性により卓越している。それらは、低い粘性を有し、問題なく適用できる。
【0060】
本発明による液体製剤は、例えば常套の撹拌槽または他の適する装置を使用して、適量の成分を相互に混合することにより製造できる。成分により必要であれば、保護雰囲気下で、または、酸素を排除する他の方法で、操作することも可能である。
【実施例】
【0061】
実施例:
実施例1
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.0g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル57.30g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸プロピレン30.02g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
フルメトリン0.24g
MGK264 10.36g
クエン酸0.02g
からなる100mlの液体製剤。
【0062】
実施例2
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
フルメトリン0.24g
クエン酸0.02g
BHT0.20g
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル68.00g
炭酸プロピレン13.40g
鉱質除去水5.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
MGK264 5.00g
からなる100mlの液体製剤。
【0063】
実施例3
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
PPF(ピリプロキシフェン(pyriproxyfen))0.50g
フルメトリン0.24g
クエン酸0.02g
BHT0.20g
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル67.50g
炭酸プロピレン13.40g
鉱質除去水5.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
MGK264 5.00g
からなる100mlの液体製剤。
【0064】
実施例4
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
PPF(ピリプロキシフェン)0.50g
フルメトリン0.24g
クエン酸0.02g
BHT0.20g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル60.90g
炭酸プロピレン20.00g
鉱質除去水5.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
MGK264 5.00g
からなる100mlの液体製剤。
【0065】
実施例5
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
ペルメトリン45.00g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル37.90g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸プロピレン25.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
クエン酸0.02g
からなる100mlの液体製剤。
【0066】
実施例6
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
ペルメトリン45.00g
PPF1.00g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル36.90g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸プロピレン25.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
クエン酸0.02g
からなる100mlの液体製剤。
【0067】
実施例7
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
ペルメトリン45.00g
PPF1.00g
GE Siliconocs GmbH D-51368 Leverkusen の Silvet L 77 0.25g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル36.65g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸プロピレン25.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
クエン酸0.02g
からなる100mlの液体製剤。
【0068】
実施例8
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
ペルメトリン45.00g
PPF1.00g
Silvet L 77 (Bayer-GE Silicones GmbH, D-51368 Leverkusen より)0.25g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル36.65g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸エチレン25.00g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
クエン酸0.02g
【0069】
比較例1
購入できる Merial Ltd., 3239 Satellite Blvd., Duluth, GA 30096-4640, USA の10%フィプロニルスポットオン製剤。
【0070】
比較例2
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾールを含むが、フルメトリンまたはMGK264を添加しない製剤:
5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−チオカルバモイルピラゾール10.00g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル57.7g
炭酸プロピレン40.0g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.0g
ブチル化ヒドロキシトルエン0.1g
ブチル化ヒドロキシアニソール0.2g
からなる100mlの液体製剤。
【0071】
比較例3
フルメトリンおよびMGK264およびPPFを含むが、本願で言及する3−チオカルバモイルピラゾールの代わりに、既知の殺虫剤であるイミダクロプリド(imidacloprid)を含む製剤。
イミダクロプリド10.00g
PPF0.50g
ベンジルアルコール56.80g
BHT0.10g
BHA0.20g
炭酸プロピレン30.02g
プロピレングリコールオクタノエートデカノエート5.00g
フルメトリン0.24g
MGK264 10.36g
クエン酸0.02g
からなる100mlの液体製剤。
【0072】
生物学的実施例
全ての化合物を、より良好な適合性を確保するために、重量により正確に量り出した。この目的で、フィプロニルを含有する購入できる製剤を、ピペット操作20回分、ガラス瓶に移し、同様に暗号を使用して盲検にした。
全てのサンプルを、Eppendorf ピペット(体積0.95mlまで)を使用して、単回スポットとして首に適用した(ネコおよび小型のイヌ)。1mlを超える適用量については、その体積を二分し、約10cm離れた2つのスポットとして首に適用した。
【0073】
実施例2による、ノミおよびマダニに対する活性についてのさらなる実験室の試験は、本発明による上述の処方の製剤が、マダニおよびノミに対して非常に良好かつ長時間持続する作用を有し、これは、これらの試験では一貫して先行技術(CE1−CE3)よりも優れていることを示す。さらに、本発明による上述の処方の製剤は、それらが標的動物および使用者に耐容され、従って小動物でのノミおよびマダニの制御に非常に適する点で、卓越している。
【0074】
A. イヌにおけるノミ(クテノセファリデス・フェリス(felis))に対する活性
−4日目ないし−1日目に、イヌに、イヌ1匹につき約100匹の食物を与えられていない成虫のクテノセファリデス・フェリスを1−2回寄生させる。ノミを動物の首に置く。
0日目に、目覚めている動物をノミについて調べることにより、イヌへの寄生の成功を調査する。生きているノミの数を書き留める。
ノミを計数した後、動物を処置する。対照群のイヌは処置しない。調べようとする医薬を、0.1−0.15ml/kg体重の適用率でスポットオンとして、または、1−1.5ml/kg体重の適用率でスプレーとして動物に皮膚投与する。適用は、0日目に1回実施する。臨床的に健康な動物のみを使用する。
1および2日目に、全部のイヌを生きているノミについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。
7、14、21、28および35日目に、必要に応じて42および49日目にも、全部のイヌに、イヌ1匹につき約100匹の食物を与えられていない成虫のクテノセファリデス・フェリスを再寄生させる。各場合で、再寄生の翌日、全部のイヌを生きているノミについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。
再寄生の24ないし48時間後に、>95%の効力が見られ、その作用が少なくとも3−4週間持続するなら、製剤を非常に有効であるとみなす。
改変した Abbott による式を使用して、効力を算出する:
【数1】

CG:対照群;TG:処置群
【0075】
スポットオンとして0.15ml/kgの投与量で適用される製剤実施例2の医薬は、クテノセファリデス・フェリスに対して非常に有効であることが見出された。
【0076】
B. イヌにおけるマダニ(リピセファラス・サンギネウス(sanguineus)、ダーマセンター・バリアビリス(variabilis))に対する活性
各場合で−4ないし−1日目に、2% Rompun(登録商標)(Bayer AG, 活性化合物:キシラジン塩酸塩)(0.1ml/kg体重)を使用して、イヌを鎮静させる。一度全部のイヌが鎮静したら(約10−15分後)、それらを輸送箱に移し、イヌ1匹につき50匹のリピセファラス・サンギネウスまたはダーマセンター・バリアビリス(25匹の♀、25匹の♂)を動物の首に適用する。約1時間半後、動物を輸送箱からケージに再度移す。
0日目に、目覚めている動物をマダニについて調べることにより、イヌへの寄生の成功を調査する。耳のくぼみ(fold)を含む頭および耳の領域、首の領域、下方の腹部、下方の胸部、横腹および足先と脚の間の、徹底的な探索を実施する。吸血している生きているマダニの数を書き留める。死んでいるマダニを除去する。
マダニを計数した後、動物を処置する。対照群のイヌは処置しない。調べようとする医薬を、0.1−0.15ml/kg体重でスポットオンとして、または、1−1.5ml/kg体重でスプレーとして動物に皮膚投与する。適用は、0日目に1回実施する。臨床的に健康な動物のみを使用する。
【0077】
1日目および2日目に、全てのイヌを、生きている、および死んでいる、吸血しているマダニについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。2日目に、全部の生きているマダニおよび死んでいるマダニをイヌから取り除く。
7、14、21、28および35日目に、必要に応じて42および49日目にも、全部のイヌに、イヌ1匹につき各場合で50匹のリピセファラス・サンギネウスまたはダーマセンター・バリアビリス(25匹の♀、25匹の♂)を再寄生させる。各場合で、再寄生の2日後、全部のイヌを生きている、および死んでいる、吸血しているマダニについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。再寄生後2日目に、全部の生きている、そして死んでいるマダニをイヌから取り除く。
2日目および各場合で再寄生後第2日目に、>90%の効力が見られ、その作用が少なくとも3週間持続するなら、製剤を非常に有効であるとみなす。
効力を算出するために、改変した Abbott による式を使用する:
【数2】

CG:対照群;TG:処置群
【0078】
スポットオンとして0.15ml/kgの投与量で適用される製剤実施例2の医薬は、リピセファラス・サンギネウスに対して非常に有効であることが見出された。
【0079】
C. ネコにおけるノミ(クテノセファリデス・フェリス)に対する活性
−1日目に、ネコ1匹につき約100匹の食物を与えられていない成虫のクテノセファリデス・フェリスをネコに寄生させる。ノミを動物の首に置く。
0日目に、目覚めている動物をノミについて調べることにより、ネコへの寄生の成功を調査する。生きているノミの数を書き留める。
ノミを計数した後、動物を処置する。対照群のネコは処置しない。調べようとする医薬を、0.1−0.15ml/kg体重の適用率でスポットオンとして動物に皮膚投与する。適用は、0日目に1回実施する。臨床的に健康な動物のみを使用する。
2日目に、全部のネコを生きているノミについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。
7、14、21、28および35日目に、必要に応じて42および49日目にも、全部のネコに、ネコ1匹当たり約100匹の食物を与えられていない成虫のクテノセファリデス・フェリスを再寄生させる。各場合で、再寄生の2日後、全部のネコを生きているノミについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。
2日目および各場合で再寄生後第2日目に、>95%の効力が見られ、この作用が少なくとも3−4週間持続するなら、製剤を非常に有効であるとみなす。
改変した Abbott による式を使用して、効力を算出する:
【数3】

CG:対照群;TG:処置群
【0080】
スポットオンとして0.15ml/kgの投与量で適用される製剤実施例2の医薬は、クテノセファリデス・フェリスに対して非常に有効であることが見出された。
【0081】
D. ネコにおけるマダニ(イクソデス・リシヌス(ricinus))に対する活性
各場合で−2日目に、穏やかな鎮静剤(アセプロマジン(acepromazine)マレイン酸塩)を使用して、ネコを鎮静させる。一度全部のネコが鎮静したら(約10−15分後)、ネコ1匹当たり30−50匹のイクソデス・リシヌス(15−25匹の♀、15−25匹の♂)を動物の首に適用する。
−1日目に、目覚めている動物をマダニについて調べることにより、ネコへの寄生の成功を調査する。頭および耳の領域、首の領域、下方の腹部、下方の胸部、横腹および脚の徹底的な探索を実施する。吸血している生きているマダニの数を書き留める。死んでいるマダニを除去する。
マダニを計数した後、動物をグループに分ける。処置を0日目に実施する。対照群のネコは処置しない。調べようとする医薬を、0.1−0.15ml/kg体重でスポットオンとして動物に皮膚投与する。適用は、0日目に1回実施する。臨床的に健康な動物のみを使用する。
2日目に、全てのネコを、生きている、および死んでいる吸血しているマダニについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。全部の生きている、そして死んでいるマダニをネコから取り除く。
7、14、21、28および35日目に、必要に応じて42および49日目にも、全部のネコに、各場合でネコ1匹につき30−50匹のイクソデス・リシヌス(15−25匹の♀、15−25匹の♂)を再寄生させる。各場合で、再寄生の2日後、全部のネコを生きている、および死んでいる吸血しているマダニについて調べる。結果を未加工のデータで書き留める。再寄生後2日目に、全部の生きている、そして死んでいるマダニをネコから取り除く。
2日目および各場合で再寄生後第2日目に、>90%の効力が見られ、この作用が少なくとも3週間持続するなら、製剤を非常に有効であるとみなす。
効力を算出するために、改変した Abbott による式を使用する:
【数4】

CG:対照群;TG:処置群
【0082】
スポットオンとして0.15ml/kgの投与量で適用される製剤実施例2の医薬は、イクソデス・リシヌスに対して非常に有効であることが見出された。
【0083】
E. 4ないし7週間にわたるノミおよびマダニに対する効果
ノミおよびマダニに対する本発明による組成物の効力を、4ないし7週間の期間にわたり試験した。試験を項目AないしDの記載に従い実施した。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
−脂肪族環式炭酸エステル
−脂肪族環式または非環式ポリエーテル
を含む製剤中にN−アリールピラゾールおよびピレスロイドを含む、動物の寄生生物を制御するための組成物。
【請求項2】
1種またはそれ以上の、3個までの炭素原子を有する二価または三価アルコールの、6個ないし18個の炭素原子を有する有機脂肪酸とのエステルをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1ないし27.5重量%のアリールピラゾールを含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
10ないし70重量%の脂肪族環式炭酸エステルを含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
20ないし77.5重量%の脂肪族環式または非環式ポリエーテルを含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
α−シアノピレスロイドを含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
アルファ−シペルメトリン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリンまたはタウ−フルバリネートを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
1型ピレスロイドを含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
アレスリン、ビオアレトリン、ペルメトリン、フェノトリン、レスメトリン、テトラメトリンまたはトランスフルトリンを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
非エステルピレスロイドを含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェンを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
動物の寄生生物の制御用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2010−514712(P2010−514712A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543360(P2009−543360)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010981
【国際公開番号】WO2008/080542
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508270727)バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (32)
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
【Fターム(参考)】