説明

動物の糞尿処理に使用して処分する下水汚泥焼却灰の処分方法

【課題】下水汚泥焼却灰の処分には多額の費用がかかって下水道事業経営を圧迫しているので、この費用を低減できる新規の処分方法を提供する。
【解決手段】下水汚泥焼却灰が持つ性状に有害物溶出抑制や加水、造粒の加工をして機能を追加すると、畜産業者の飼育する家畜の糞尿処理に使用する副資材となる。現在畜産業者は飼料価格高騰のため経営が圧迫され、家畜の糞尿処理に使う副資材も入手ができなくなっている。そのため畜産業者は安価な副資材を必要としているので、下水汚泥焼却灰を畜産業者に有償売却して、処分費をかけずに下水汚泥焼却灰を処分できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下水汚泥焼却灰の処分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水汚泥焼却灰はブロック・タイルの建設資材等に加工したり、セメントの原料としたり、最終処分場に埋立てをするなどして処分している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−270059号,特開2007−306844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
下水汚泥焼却灰を処分するには費用が必要である。すなわち下水汚泥焼却灰を原料としてブロック・タイルの建設資材等に加工する加工費、或いは下水汚泥焼却灰をセメント原料として委託処分する処分費、下水汚泥焼却灰を最終処分場へ埋立て処分する処分費がそれぞれ必要である。これらの下水汚泥焼却灰の処分費用が下水道事業の負担となっているので、処分費用の低減に役立つ新規の下水汚泥焼却灰の処分方法が必要となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
下水汚泥焼却灰を畜産業者が飼育する家畜の糞尿処理に使うオガコ・カンナ屑・もみ殻等の代替品として有償売却し処分する。
【発明の効果】
【0006】
本発明による処分方法をとれば、下水汚泥焼却灰を畜産業者に処分費用を支払わない有償売却によって処分できるので、下水汚泥焼却灰を処分するために必要であった費用を節約できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
下水汚泥焼却灰は排出事業所によって品質にばらつきが有るので、家畜の糞尿処理に使用するには、使用方法に合致した品質と用途に適した形状に加工する必要がある。
この発明による下水汚泥焼却灰の処分方法は家畜の糞尿処理を経て堆肥となって最終は農地に還元されるため、有害物の溶出基準を規定した土壌環境基準を満足する品質でなければならない。そのため下水汚泥焼却灰が土壌環境基準を越えて有害物を溶出する場合には、ポリ硫酸第二鉄・硫酸第一鉄・チオ硫酸ナトリウム等の薬剤を加えて有害物溶出抑制する必要がある。一方有害物を溶出しない場合には溶出抑制加工をする必要はない。
また畜産業者は下水汚泥焼却灰をオガコ・カンナ屑・もみ殻等の代替品として、家畜の敷料や滑り止め、バーンクリーナや畜舎内へ散布して使用する。下水汚泥焼却灰は形状が粉末なので、畜舎内に粉塵が舞い上がり家畜の健康に悪影響を及ぼす場合がある。そこで加水・固化・造粒など粉塵が飛散しない加工をする必要がある。しかし家畜の糞尿に直接下水汚泥焼却灰を混ぜ込む時には粉塵の飛散対策は必要ない。
前記の品質と形状を加工する方法を選択して加工した、あるいは加工しない下水汚泥焼却灰はオガコ・カンナ屑・もみ殻以上の水分吸収能力が有るので、家畜糞尿の醗酵堆肥化の副資材としてオガコ・カンナ屑・もみ殻よりも有利に使用できる。また下水汚泥焼却灰は粉塵が飛散しないように加工してあるので家畜に悪い影響が及ばないことも畜産業者へ販売する好条件になる。現在畜産業者は飼料価格高騰のため経営が圧迫され、家畜の糞尿処理に使う副資材も入手ができなくなっている。そのため畜産業者は安価な副資材を必要としているので、下水汚泥焼却灰を畜産農家に販売できる状況下にある。
本発明は、下水汚泥焼却灰を畜産農家に売却して処分するので、下水汚泥焼却灰の処分費用が要らなくなり、下水道事業の負担を軽くする処分方法である。
また下水汚泥焼却灰を家畜の糞尿処理に使って処分する方法に代えて、下水汚泥焼却灰を犬や猫などのペットの糞尿処理に使って処分することもできる。
さらに下水汚泥焼却灰を動物の糞尿処理に使用する代わりに、下水汚泥焼却灰の水分吸収能力を利用して有機廃棄物の醗酵処理に使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の糞尿処理に使用して処分することを特徴とする下水汚泥焼却灰の処分方法

【公開番号】特開2012−176338(P2012−176338A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39421(P2011−39421)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(711002100)
【Fターム(参考)】