説明

動物用体成分分析装置

【課題】動物の体成分測定時に動物の動きを効果的に制限することができる動物用体成分分析装置を提供する。
【解決手段】動物用体成分分析装置が動物の足と接触する電極体の物理的な運動を制御することによって動物の動きを阻止するように実現することによって、動物の体成分測定時に動物の動きを効果的に制限することができ、より正確に動物の体成分を測定できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の体成分を分析することができる動物用体成分分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人とは異なり犬や猫などのような動物の体成分を測定する場合、動物の頻繁に動こうとする傾向のために動物の正確な体成分の測定は困難である。したがって、犬や猫などのような動物の正確な体成分を測定するためには、動物の動きを制限することができる特別な対策が必要である。
【0003】
よって、本発明者は、犬や猫などの動物の体成分測定時の動物の動きを効果的に制限することができ、より正確に動物の体成分を測定できる技術に対する研究を行うこととなった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−000534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記趣旨の下に発明されたものであり、動物の体成分測定時に動物の動きを効果的に制限することができる動物用体成分分析装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するための本発明の一態様によれば、動物用体成分分析装置が、動物の足と接触する電極体の物理的な運動を制御することによって動物の動きを阻止することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、動物用体成分分析装置が、動物が動きをためらうように動物の足が接触する電極体を地面に対して特定の高さに離隔して設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、動物用体成分分析装置が、動物の動きを視覚的または聴覚的な手段によって阻止し、動物の動きが阻止される間に体成分情報を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、動物の体成分測定時に動物の動きを効果的に制限することができ、より正確に動物の体成分を測定できる非常に有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】複数の電極体を同時に移動させる実施形態を示す図である。
【図3】複数の電極体をそれぞれ個別的に移動させる実施形態を示す図である。
【図4】電極体を垂直方向へ昇降させた実施形態を示す図である。
【図5】電極体を水平方向に移動させた実施形態を示す図である。
【図6】電極体を回転させる一実施形態を示す図である。
【図7】電極体を回転させる他の実施形態を示す図である。
【図8】電極体を垂直方向に振動させる実施形態を示す図である。
【図9】電極体の電極配列の一例を示す図である。
【図10】電極体の電極配列の他の例を示す図である。
【図11】本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図13】動き阻止部に透明ガラスを採用した実施形態を示す図である。
【図14】動き阻止部に水平鏡を採用した実施形態を示す図である。
【図15】動き阻止部に垂直鏡を採用した実施形態を示す図である。
【図16】動き阻止部に光出力器を採用した実施形態を示す図である。
【図17】動き阻止部に音響出力器を採用した実施形態を示す図である。
【図18】本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。
【図20】本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。
【図21】本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照しながら、記述する好適な実施形態によって、本発明を当業者が容易に理解して再現できるように詳細に記述することにする。
【0012】
本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0013】
本発明の明細書全般に亘って用いられる用語は、本発明の実施形態における機能を考慮して定義された用語であって、ユーザまたは運用者の意図、慣例などによって十分に変形し得る事項であるため、この用語の定義は本明細書の全般に亘る内容を基に定められるべきである。
【0014】
図1は、本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1に示すように、この実施形態に係る動物用体成分分析装置100は、複数の電極体110と、駆動部120と、測定部130と、体成分分析部140とを含む。
【0015】
複数の電極体110は、動物の足に接触する少なくとも1つの電流印加用電極111と、少なくとも1つの電圧測定用電極112とをそれぞれ含む。電流印加用電極111は動物の足に電流を印加するための電極であり、電圧測定用電極112は動物に印加された電圧を測定するための電極である。
【0016】
駆動部120は、動物の動きを阻止するように複数の電極体110の物理的な運動を制御する。すなわち、この駆動部120は、動物の動きを物理的な運動によって制限するための構成であり、駆動部120を介して動物の足に接触する複数の電極体110を物理的に運動させれば、動物の習性上、動物が動きをためらうようになる。
【0017】
測定部130は、駆動部120によって電極体110が運動する間、すなわち動物が動きをためらう間に電流印加用電極111に接触する動物の足に電流を印加し、電圧測定用電極112に接触する動物の足に印加される電圧を測定する。これによって、測定部130は、動物が動かない状態で動物の生体に印加される正確な電圧を測定できるようになる。
【0018】
体成分分析部140は、測定部130によって測定された電圧から動物の生体インピーダンスを計算して、計算された動物の生体インピーダンスから当該動物の体脂肪などの体成分を分析する。
【0019】
例えば、動物の左前足と左後足に接触する電極体110の電流印加用電極111を介して電流を印加し、動物の左前足と右後足に接触する電極体110の電圧測定用電極112で電圧を検出すれば、動物の胴体のインピーダンスを手に入れることができる。
【0020】
動物の体成分分析の際に、脚に比べて胴体のインピーダンス値が重要となり、脚に比べて胴体のインピーダンス値が非常に小さいため、動物が動く場合には正確な体成分分析が不可能である。
【0021】
したがって、動物の足に接触する複数の電極体110を駆動部120を介して物理的に運動させて、動物の動きを物理的に制限した状態で、測定部130を介して動物の胴体に印加されるインピーダンスを正確に測定し、測定されたインピーダンスを体成分分析部140を介して分析することによって、正確な体成分分析が可能である。
【0022】
一方、図1において、図面符号150と160は、それぞれ体成分情報出力部150と操作部160である。体成分情報出力部150は、体成分分析部140によって分析された体成分情報を画面出力したり、音声出力したり、ネットワーク出力したり、印刷出力することによってユーザが動物の体脂肪などの体成分情報を知ることができるようにする。
【0023】
操作部160は、体成分分析を始める命令などの各種ユーザ入力のためのインターフェースであり、この操作部160を介してユーザ入力がなされる。例えば、操作部160でキーボタンを採用してもよい。
【0024】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110の同時移動であってもよい。図2は、複数の電極体を同時に移動させる実施形態を示す図である。
【0025】
図2に示すように複数の電極体110を1つの基板上に実現し、複数の電極体110が備えられた1つの基板を駆動部120を介して同時に移動させるように実現してもよい。例えば、駆動部120に電極体110が備えられた基板を往復運動させることができる油圧シリンダを採用してもよい。
【0026】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の各電極体110の個別的な移動であってもよい。図3は、複数の電極体をそれぞれ個別的に移動させるように実現した実施形態を示す図である。
【0027】
図3に示すように、電極体110が備えられた複数の各基板を複数の駆動部120を介して個別的に移動させるように実現してもよい。例えば、駆動部120に電極体110が備えられた基板を往復運動させることができる油圧シリンダを採用してもよい。
【0028】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110の垂直方向への昇降であってもよい。図4は、電極体を垂直方向へ昇降させるように実現した実施形態を示す図である。
【0029】
図4に示すように、電極体110が備えられた基板を駆動部120を介して垂直方向に昇降させるように実現してもよい。例えば、駆動部120に電極体110が備えられた基板を垂直方向に昇降運動させることができる油圧シリンダを採用してもよい。
【0030】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110の水平方向への移動であってもよい。図5は、電極体を水平方向に移動させるように実現した実施形態を示す図である。
【0031】
図5に示すように、電極体110が備えられた基板を駆動部120を介して水平方向に移動させるように実現してもよい。例えば、駆動部120に電極体110が備えられたラックと、正逆モータによって回転してラックを水平方向に移動させるピニオンギヤとを採用してもよい。
【0032】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110のランダムな方向への移動であってもよい。この実施形態は、図3に示した電極体110が備えられた複数の各基板を複数の駆動部120を介して個別的に移動させる構成において、各駆動部120が電極体110が備えられた基板を互いに異なる移動方向に駆動させるように実現した実施形態である。
【0033】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110の回転であってもよい。この時、図6に示すように複数の電極体110が備えられた1つの基板を駆動部120を介して垂直方向に回転するように実現してもよく、図7に示すように電極体110が備えられた複数の各基板を複数の駆動部120を介して垂直方向にそれぞれ回転するように実現してもよい。この時、電極体110が備えられた基板を回転させる駆動部120に正逆モータを採用してもよい。
【0034】
発明の付加的な態様によれば、物理的な運動が複数の電極体110の振動であってもよい。図8は電極体を垂直方向に振動させるように実現した実施形態を示す図である。
【0035】
図8に示すように、複数の電極体110が備えられた基板を駆動部120を介して垂直方向に振動するように実現してもよい。例えば、複数の電極体110が備えられた基板を振動させる駆動部120にピエゾ振動素子を採用してもよい。
【0036】
発明の付加的な態様によれば、電極体110が他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極111または電圧測定用電極112の間の配列間隔がさらに狭くなるように実現してもよい。
【0037】
この実施形態は、動物の場合には大きさが小さいほど足もまた小さくなる可能性が高いため、動物の足の大きさよって電流印加用電極111または電圧測定用電極112の間の配列間隔を適応的に実現することによって、より容易な体成分測定を可能にした実施形態である。
【0038】
図9は、電極体の電極配列の一例を示す図であり、図9で電極体110が他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極111または電圧測定用電極112の間の配列間隔がさらに狭いことを見ることができる。
【0039】
発明の付加的な態様によれば、電極体110が他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極または電圧測定用電極の大きさがさらに小さくなるように実現してもよい。
【0040】
この実施形態は、動物の場合に大きさが小さいほど足もまた小さくなる可能性が高いため、動物の足の大きさよって電流印加用電極111または電圧測定用電極112の大きさを適応的に実現することによって、より容易な体成分測定を可能にした実施形態である。
【0041】
図10は、電極体の電極配列の他の例を示す図であり、図10で電極体110が他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極111または電圧測定用電極112の大きさが小さいことを見ることができる。
【0042】
発明の付加的な態様によれば、図11に示すように動物用体成分分析装置100がカメラ部170と動き検出部180とをさらに含むことができる。図11は、本発明に係る動物用体成分分析装置のまた他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0043】
カメラ部170は、動物映像をリアルタイムで撮影する。動き検出部180は、カメラ部170によってリアルタイムで撮影される動物映像から動物の動きを検出する。
【0044】
この時、駆動部120が動き検出部180によって動き検出時、動物の動きを阻止するように複数の電極体110の物理的な運動を制御する。
【0045】
すなわち、この実施形態は、動物の動きをリアルタイムで検出して、動物の動きによって適応的に動物の足が接触する複数の電極体110の物理的な運動を制御するように実現し、より正確に動物の体成分を測定できるようにしたものである。
【0046】
図12は、本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図12に示すように、この実施形態に係る動物用体成分分析装置500は、複数の電極体510と、動き阻止部520と、測定部530と、体成分分析部540とを含む。
【0047】
複数の電極体510は、動物の足に接触する少なくとも1つの電流印加用電極511と、少なくとも1つの電圧測定用電極512とをそれぞれ含む。電流印加用電極511は動物の足に電流を印加するための電極であり、電圧測定用電極512は動物に印加された電圧を測定するための電極である。
【0048】
動き阻止部520は、動物の動きを視覚的または聴覚的に阻止する。すなわち、この動き阻止部520は、動物の動きを視覚的または聴覚的な手段によって制限するための構成であり、動物が視覚的に恐れまたは好奇心を感じたり、聴覚的に恐れまたは好奇心を感じる場合に、動きをためらう習性を利用したものである。
【0049】
測定部530は、動き阻止部520によって動物の動きが阻止される間、電流印加用電極に接触する動物の足に電流を印加し、電圧測定用電極に接触する動物の足に印加される電圧を測定する。これによって、測定部530は、動物が動かない状態で動物の生体に印加される正確な電圧を測定できるようになる。
【0050】
体成分分析部540は、測定部530によって測定された電圧から動物の生体インピーダンスを計算して、計算された動物の生体インピーダンスから当該動物の体成分を分析する。
【0051】
例えば、動物の左前足と左後足に接触する電極体510の電流印加用電極511を介して電流を印加し、動物の左前足と右後足に接触する電極体510の電圧測定用電極512で電圧を検出すれば、動物の胴体のインピーダンスを手に入れることができる。
【0052】
動物の体成分分析の際に、脚に比べて胴体のインピーダンス値が重要となり、脚に比べて胴体のインピーダンス値が非常に小さいため、動物が動く場合には正確な体成分分析が不可能である。
【0053】
したがって、視覚的または聴覚的な手段によって動物が恐れや好奇心を感じるようにし、動物の動きを制限させた状態で測定部530を介して動物の胴体に印加されるインピーダンスを正確に測定し、測定されたインピーダンスを体成分分析部540を介して分析することによって、正確な体成分分析が可能である。
【0054】
一方、図12において、図面符号550と560は、それぞれ体成分情報出力部550と操作部560である。体成分情報出力部550は、体成分分析部540によって分析された体成分情報を画面出力したり、音声出力したり、ネットワーク出力したり、印刷出力することによってユーザが動物の体脂肪などの体成分情報を知ることができるようにする。
【0055】
操作部560は、体成分分析を始める命令などの各種ユーザ入力のためのインターフェースであり、この操作部560を介してユーザ入力がなされる。例えば、操作部560でキーボタンを採用してもよい。
【0056】
発明の付加的な態様によれば、動き阻止部520が複数の電極体510の間、または複数の電極体510の下部に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする透明ガラスであってもよい。
【0057】
図13は、動き阻止部に透明ガラスを採用した実施形態を示す図であり、例えば動物の足が接触する複数の電極体510を高い位置に設けて、複数の電極体510の間に透明ガラス521を設けて底が見えるように実現することによって、動物が透明ガラス521を介して底を見る場合、高い位置に置かれていることを感知して恐れを感じるようにすることによって、動物の動きを阻止するようにした実施形態である。
【0058】
発明の付加的な態様によれば、動き阻止部520が複数の電極体510の間、または複数の電極体510の下部に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする水平鏡522であってもよい。
【0059】
図14は、動き阻止部に水平鏡を採用した実施形態を示す図であり、例えば動物の足が接触する複数の電極体510の間に水平鏡522を設けて動物自身の姿や天井などを投影するように実現することによって、動物が水平鏡522を介して投影された自身の姿や天井などを見る場合、好奇心や恐れを感じるようにすることによって動物の動きを阻止するようにした実施形態である。
【0060】
発明の付加的な態様によれば、動き阻止部520が、足が電極体に接触した状態にある動物の正面に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする垂直鏡523であってもよい。
【0061】
図15は、動き阻止部に垂直鏡を採用した実施形態を示す図であり、例えば動物の足が電極体510に接触した状態にある動物の正面に垂直鏡523を設けて動物自身の姿を投影するように実現することによって、動物が垂直鏡523を介して投影された自身の姿を見る場合、好奇心を感じるようにすることによって動物の動きを阻止するようにした実施形態である。
【0062】
発明の付加的な態様によれば、動き阻止部520が足が電極体に接触した状態にある動物の正面に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする光出力器524であってもよい。
【0063】
図16は、動き阻止部に光出力器を採用した実施形態を示す図であり、例えば動物の足が電極体510に接触した状態にある動物の正面に短い周期で光が点滅されるLEDなどの光出力器524を設けて動物の視覚を刺激して好奇心を感じさせるようにすることによって、動物の動きを阻止するようにした実施形態である。
【0064】
発明の付加的な態様によれば、動き阻止部520が動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする音響を出力する音響出力器525でもある。
【0065】
図17は、動き阻止部に音響出力器を採用した実施形態を示す図であり、例えばスピーカなどの音響出力器525を介して動物の聴覚を刺激して好奇心を感じさせることができる音響を出力することによって、動物の動きを阻止するようにした実施形態である。
【0066】
図18は、本発明に係る動物用体成分分析装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図18に示すように、この実施形態に係る動物用体成分分析装置1100は、複数の電極体1110と、支持部1120と、測定部1130と、体成分分析部1140とを含む。
【0067】
複数の電極体1110は、動物の足に接触する少なくとも1つの電流印加用電極1111と、少なくとも1つの電圧測定用電極1112とをそれぞれ含むが、動物が動きをためらうように地面に対して特定の高さに離隔して設けられる。
【0068】
電流印加用電極1111は動物の足に電流を印加するための電極であり、電圧測定用電極1112は動物に印加された電圧を測定するための電極であり、動物の足に接触する電流印加用電極1111と電圧測定用電極1112とが地面より高く設置されれば、動物の習性上おびえて動きをためらうようになる。
【0069】
支持部1120は、電極体1110を下部で支持する。この時、支持部1120が電極体1110を一体に含むように実現してもよく、支持部1120と電極体1110が分離可能な形態で実現してもよい。一方、電極体1110が地面に対して特定の高さに離隔するように、支持部1120が特定の高さに固定された脚や高さ調整可能な脚を備えてもよい。
【0070】
測定部1130は、電極体1110の電流印加用電極1111に接触する動物の足に電流を印加し、電圧測定用電極1112に接触する動物の足に印加される電圧を測定する。これによって、測定部1130は、動物が動かない状態で動物の生体に印加される正確な電圧を測定できるようになる。
【0071】
体成分分析部1140は、測定部1130によって測定された電圧から動物の生体インピーダンスを計算して、計算された動物の生体インピーダンスから当該動物の体成分を分析する。
【0072】
例えば、動物の左前足と左後足に接触する電極体1110の電流印加用電極1111を介して電流を印加し、動物の左前足と右後足に接触する電極体1110の電圧測定用電極1112で電圧を検出すれば、動物の胴体のインピーダンスを手に入れることができる。
【0073】
動物の体成分分析の際に、脚に比べて胴体のインピーダンス値が重要となり、脚に比べて胴体のインピーダンス値が非常に小さいため、動物が動く場合には正確な体成分分析が不可能である。
【0074】
したがって、動物が動きをためらうように動物の足が接触する電極体を地面に対して特定の高さに離隔して設けた状態で測定部1130を介して動物の胴体に印加されるインピーダンスを正確に測定し、測定されたインピーダンスを体成分分析部1140を介して分析することによって、正確な体成分分析が可能である。
【0075】
一方、図18において、図面符号1150と1160は、それぞれ体成分情報出力部1150と操作部1160である。体成分情報出力部1150は、体成分分析部1140によって分析された体成分情報を画面出力したり、音声出力したり、ネットワーク出力したり、印刷出力することによってユーザが動物の体脂肪などの体成分情報を知ることができるようにする。
【0076】
操作部1160は、体成分分析を始める命令などの各種ユーザ入力のためのインターフェースであり、この操作部1160を介してユーザ入力がなされる。例えば、操作部1160でキーボタンを採用してもよい。
【0077】
図19は、本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。図19に示すように、この実施形態によれば、支持部1120が電極体1110と他の電極体と対向する側に動物の足の移動を妨げる移動防止壁1121を含むように実現してもよい。
【0078】
動物が動きをためらうように、動物の足が接触する電極体1110を地面に対して特定の高さに離隔して設けた状態で動物の四つ足がそれぞれ複数の電極体1110に接触すれば、動物はおびえ、ためらいながらも足を動かして電極体1110の外に離脱することもある。
【0079】
したがって、支持部1120の電極体1110と他の電極体と対向する側に動物の足の移動を妨げる移動防止壁1121を形成して、動物が足を動かしても動物の足が電極体1110の外に離脱しないようにすることによって手軽かつ正確に動物の体成分を分析することができる。
【0080】
図20は、本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。図20に示すように、この実施形態によれば、電極体1110が支持部1120の内部に設けられるよう、支持部1120が動物の足の移動を妨げる複数の溝1122を含むように実現してもよい。
【0081】
動物が動きをためらうように、動物の足が接触する電極体1110を地面に対して特定の高さに離隔して設けた状態で動物の四つ足がそれぞれ複数の電極体1110に接触すれば、動物はおびえ、ためらいながらも足を動かして電極体1110の外に離脱することもある。
【0082】
したがって、支持部1120に複数の溝1122を形成し、各溝1122内に電極体1110を設けることによって、動物の足が溝1122内の電極体1110に接触する場合に自然に溝1122に動物の足が挿入され、動物の足の移動を妨げて動物の足が電極体1110の外に離脱しないようにすることによって手軽かつ正確に動物の体成分を分析することができる。
【0083】
図21は、本発明に係る動物用体成分分析装置の他の実施形態を示す図である。図21に示すように、この実施形態によれば、支持部1120が外郭に動物の離脱を防止する離脱防止壁1123を含んでもよい。
【0084】
動物が動きをためらうように動物の足が接触する電極体1110を地面に対して特定の高さに離隔して設けた状態で、動物の四つ足がそれぞれ複数の電極体1110に接触すれば、動物はおびえ、ためらいながらも地面に飛び降りることもある。
【0085】
したがって、支持部1120の外郭に離脱防止壁1123を設けて動物が地面に飛び降りることを妨げることによって、手軽かつ正確に動物の体成分を分析することができる。
【0086】
以上にて説明したように、本発明は、動物の体成分測定時に動物の足に接触する複数の電極体の物理的な運動制御によって動物の動きを効果的に制限することができ、より正確に動物の体成分を測定することができるため、上記にて提示した本発明の目的を達成することができる。
【0087】
また、本発明は、動物の体成分測定時視覚的または聴覚的な手段によって動物の動きを効果的に制限することができ、より正確に動物の体成分を測定することができるため、上記にて提示した本発明の目的を達成することができる。
【0088】
それだけでなく、本発明は、動物の体成分測定時に動物の足が接触する電極体を地面に対して特定の高さに離隔して設けて、動物が動きをためらうようにすることによって手軽かつ正確に動物の体成分を測定することができるため、上記にて提示した本発明の目的を達成することができる。
【0089】
本発明は、添付する図面によって参照される好適な実施形態を中心に記述したが、このような記載から後述する特許請求の範囲によって包括される範囲内で本発明の範疇を外れることなく、多様な変形が可能であるということは明白である。
【符号の説明】
【0090】
100:動物用体成分分析装置
110:電極体
111:電流印加用電極
112:電圧測定用電極
120:駆動部
130:測定部
140:体成分分析部
150:体成分情報出力部
160:操作部
170:カメラ部
180:動き検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の足に接触する少なくとも1つの電流印加用電極と少なくとも1つの電圧測定用電極とをそれぞれ含む複数の電極体と、
動物の動きを阻止する動き阻止部と、
前記動き阻止部によって動物の動きが阻止される間、電流印加用電極に接触する動物の足に電流を印加し、電圧測定用電極に接触する動物の足に印加される電圧を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された電圧から動物の生体インピーダンスを計算して、計算された動物の生体インピーダンスから当該動物の体成分を分析する体成分分析部と
を含むことを特徴とする動物用体成分分析装置。
【請求項2】
前記動き阻止部は、
動物の動きを阻止するように前記複数の電極体の物理的な運動を制御することを特徴とする
請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項3】
前記物理的な運動が、
前記複数の電極体の同時移動、前記複数の電極体それぞれの個別的な移動、前記複数の電極体の垂直方向への昇降、前記複数の電極体の水平方向への移動、前記複数の電極体のランダムな方向への移動、前記複数の電極体の回転および前記複数の電極体の振動のうち少なくとも1つであることを特徴とする
請求項2に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項4】
前記電極体が、
他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極または電圧測定用電極間の配列間隔がより狭いことを特徴とする
請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項5】
前記電極体が、
他の電極体と対向する部位に近いほど電流印加用電極または電圧測定用電極の大きさがより小さいことを特徴とする
請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項6】
前記動物用体成分分析装置が、
動物映像をリアルタイム撮影するカメラ部と、
前記カメラ部によってリアルタイム撮影される動物映像から動物の動きを検出する動き検出部と
をさらに含み、
前記動き阻止部が、
前記動き検出部によって動き検出時、動物の動きを阻止するように前記複数の電極体の物理的な運動を制御することを特徴とする
請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項7】
前記動き阻止部は、
動物が動きをためらうように地面に対して特定の高さに前記複数の電極体を離隔して設置するために、前記電極体を下部で支持する支持部
を含むことを特徴とする請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項8】
前記支持部が、
電極体と他の電極体と対向する側に動物の足の移動を妨げる移動防止壁
を含むことを特徴とする請求項7に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項9】
前記支持部が、
電極体が内部に設けられており、動物の足の移動を妨げる複数の溝
を含むことを特徴とする請求項7に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項10】
前記支持部が、
外郭に動物の離脱を防止する離脱防止壁
を含むことを特徴とする請求項7に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項11】
前記動き阻止部は、
動物の動きを視覚的または聴覚的に阻止することを特徴とする
請求項1に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項12】
前記動き阻止部が、
複数の電極体の間、または複数の電極体の下部に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする透明ガラスを含むことを特徴とする
請求項11に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項13】
前記動き阻止部が、
複数の電極体の間、または複数の電極体の下部に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする水平鏡を含むことを特徴とする
請求項11に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項14】
前記動き阻止部が、
足が電極体に接触した状態にある動物の正面に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする垂直鏡を含むことを特徴とする
請求項11に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項15】
前記動き阻止部が、
足が電極体に接触した状態にある動物の正面に設けられて、視覚的に動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする光出力器を含むことを特徴とする
請求項11に記載の動物用体成分分析装置。
【請求項16】
前記動き阻止部が、
動物に恐れまたは好奇心を感じさせるようにする音響を出力する音響出力器を含むことを特徴とする
請求項11に記載の動物用体成分分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−30064(P2012−30064A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150937(P2011−150937)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(508142354)バイオ スペース・カンパニー・リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】BIOSPACE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】518−10 Dogok 2−dong,Gangnam−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】