説明

動的に堆積された流体および静的に保持された流体を伝達する3次元の開口部を備えたフィルム

【課題】吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元フィルムを提供すること。
【解決手段】吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元フィルムであって、ドレーンを有する第1の表面であって、上記ドレーンは、上記第1の表面から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、第1の表面と、上記第1の表面から少なくとも1つの毛管を有する上表面まで上に向かって延びている突出部であって、上記毛管は、上記上表面から下に向かって延びており、上記毛管は、上記上表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、突出部とを備える、3次元フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、吸収性の物品における取得分散層(acquisition distribution layer)として用いる3次元の開口部を備えたフィルム(apertured film)に関する。より詳細には、本発明は、動的に堆積された流体および静的に保持された流体の両方を吸収性の物品の吸収コアに伝達する3次元の開口部を備えたフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
体液を吸収する吸収性の物品は、周知である。これらの物品は、典型的には、トップシートによって被覆された吸収コアを備え、吸収コアは、ユーザの肌に近接して配置され、使用中は、ユーザの肌に接触し得る。吸収性の物品に用いるトップシートは、典型的には、ノンウーブンな開口部を備えたフィルム、またはラミネートされた開口部を備えたフィルム、ノンウーブンとラミネートとの組み合わせの開口部を備えたフィルムである。そのような吸収性の物品の実施例は、おむつ、失禁用品、および生理用ナプキンである。
【0003】
吸収性の物品に関連する1つの問題は、着用者に面するトップシートの表面の乾燥を維持することである。概して、着用者に面する表面が乾燥状態に保たれるとき、吸収性の物品は、より快適なものになる。着用者に面する表面の乾燥を維持するために、吸収性の物品は、動的に堆積された流体および静的に保持された流体の両方をトップシートから排除することが可能であり得る。動的に堆積された流体は、概して、ユーザによって排出された多量の流体であり、一方で、静的に保持された流体は、表面張力によってトップシート内またはトップシート上に保たれた残留流体である。各々は、異なる問題を提示する。1つには、動的に堆積された流体は、吸収コアに迅速に伝達され、着用者の不快感を最小化し、漏出および衣服の汚損をもたらす横方向の溢れ出しを防がなければならない。トップシートによる吸収コアへの動的に堆積された流体のこの迅速な伝達は、コアの吸収速度よりも速い速度である。これは、コア表面上に吸収されない水溜りをもたらし、トップシートの大きな領域にわたって、静的に保持された流体の高さを高くする。原因が何であれ、これら静的に保持された流体は、結果として、非常に不快かつ望ましくない感覚をもたらす。
【0004】
これら2つのタイプの流体をトップシートから排除することは、典型的に、2つの異なるしばしば競合し合う機構を要求する。例えば、吸収性の物品の表面から静的に保持される流体を除去するために、1つのアプローチは、追加的な層(例えば、ノンウーブンな層)をノンウーブンなトップシートと吸収コアとの間に挿入してきた。挿入されたノンウーブンな層は、典型的には、孔(pore)のサイズの分散を有し、その平均的な孔のサイズは、トップシートの平均的な孔のサイズよりも小さい。このことは、挿入されたノンウーブンな層が、毛管現象によって、トップシートから吸収コアに向けて、伝達することを可能にする。このことは、静的に保持された流体を除去するために効果的であり得るが、挿入されたノンウーブンな層における小さな平均的な孔のサイズは、動的に堆積された流体が下部の吸収コアに迅速に伝達することを妨げる。このことは、コアへの伝達を遅くし、コアの表面上に流体が蓄積することを防ぎ得るという利点を有する一方で、このことは、挿入されたノンウーブンな層における流体の蓄積をもたらし、トップシート内またはトップシート上での流体の蓄積、または吸収性の物品のエッジからの漏出さえももたらし得る。加えて、吸収コアが飽和した場合、挿入されたノンウーブンな層は、特に物品が加圧されたときに、トップシートに向けて、逆方向に水分を運び得る。
【0005】
動的に堆積された流体に対処するための1つのアプローチは、例えば特許文献1に記載されているような穴の開いた熱可塑性物質のフィルムを、ノンウーブンなトップシートと吸収性の物品の吸収コアとの間に挿入することを含む。フィルムは、動的に堆積された流体をトップシートから迅速に伝達し、流体を、主要なインサルトゾーン(insult zone)を越えて、コア領域へと分散させる傾向がある。しかしながら、このアプローチは、トップシートおよびコアのフィルムの分離に由来する多くの欠点に直面する。例えば、フィルムを通らずコアにおいて吸収される任意の流体は、トップシートによって、着用者に面する表面に運ばれ得る。さらに、フィルムは、ノンウーブンなトップシートに水分を捕らえ得る。なぜならば、それは、毛管の勾配(gradient)を妨げることによって、コアがトップシートから水分を運ぶことをブロックするからである。毛管サイズの開口部を有するフィルムは、トップシートとして用いることが公知であるが、例えば、特許文献2を見ると、ノンウーブンなトップシートからの残留流体の除去に関するそれらの有効性は、疑わしい。なぜならば、それらは、見たところ、トップシートとの十分な接触を欠くように思われるからである。さらに、これら開口部を備えたフィルムは、動的に堆積された流体をコアに迅速に伝達し、十分なコア側の体積の空間を提供し、飽和されていないコアの領域に流体を分散させることができないという、それらの弱点に悩まされる。
【0006】
静的に保持された流体を排除するその他のアプローチは、トップシートとして開口部を備えるように形成されたフィルムを用いることを含む。このアプローチが有する問題は、フィルムを介した下方の吸収コアへの流体の通過を可能にしない、かなり大きな上表面の領域が存在するということである。この上表面は、特にこの表面が親水性である場合に、湿りを維持し得る。この湿りは、使用中に接触するときに、着用者の肌へのフィルムの付着を引き起こし得る。このアプローチが有する別の問題は、一部の消費者が、形成されたフィルムに関するプラスチック感(plastic feel)を好まないということである。
【特許文献1】米国特許第6,700,036号明細書
【特許文献2】米国特許第4,637,819号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、動的に堆積された流体および静的に保持された流体の両方を伝達できる吸収性の物品に対する必要性が存在する。本発明は、特に、これらの必要性を満足する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、動的に堆積された流体と静的に保持された流体との両方の伝達を最適化することが可能な吸収性の物品に関する。特に、本発明は、吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元の開口部を備えたフィルムに関する。フィルムは、比較的大きな開口部またはドレーン(これらは、動的に堆積された流体を重力によってトップシートから吸収コアへと伝達する)の1つの組と、小さな開口部または毛管(これらは、トップシートに接触し、静的に保持された流体を毛管現象によって引き離すように構成されている)の別の組とを有する。好適な実施形態において、フィルムは、盆地(流体をコアに伝達する前に、流体を収集し、一時的に保持することが可能)と共にドレーンを用いることにより、動的に堆積された流体を制御された速度で伝達する。このことは、流体を吸収するためのより長い時間を吸収コアに与え、流体がトップシートを再び濡らす可能性を低減させる。また、好適な実施形態において、フィルムは、その上に毛管が配置された1つ以上の突出部を備え、その結果、突出部がトップシートに接触するかまたはトップシートの中に突出し、毛管が水分を運び去ることを可能にする。加えて、突出部は、トップシートとコアとの間に追加的な隙間の空間を形成し、これにより、動的に堆積された流体が、飽和されたコア領域から飽和されていない領域へと、横方向に流れることを促進する。
【0009】
したがって、本発明の一局面は、ドレーン(重力によって流体の流れを促進する)と、毛管(吸収性の物品のノンウーブンなトップシートに接触し、毛管現象によって、流体の流れを促進するように構成されている)とを有する3次元フィルムである。好適な実施形態において、フィルムは、ドレーンを有する第1の表面であって、ドレーンは、第1の表面から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、第1の表面と;第1の表面から少なくとも1つの毛管を有する上表面まで上に向かって延びている突出部であって、毛管は、上表面から下に向かって延びており、毛管は、上表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、突出部とを備える。上述されたように、ドレーンは、フィルムを介する流体、特に、動的に堆積された流体を、迅速に伝達する。毛管は、突出部の上表面と接触している流体(伝達しないと静的に保持され得る流体)を伝達する。
【0010】
本発明の別の局面は、取得分散層を有する吸収性の物品であり、吸収性の物品は、ドレーン(重力によって流体の伝達を促進する)と、毛管(トップシートに物理的に接触し、毛管現象を介してトップシートから流体を引き離す)とを有するフィルムを備える。好適な実施形態において、物品は、上表面と下表面とを有するノンウーブンなトップシートと;吸収コアと;トップシートと吸収コアとの間の3次元フィルムとを備え、3次元フィルムは、第1の表面と;第1の表面から下に向かって延びているドレーンであって、重力によって流体を伝達することが可能である、ドレーンと;トップシートに接触している毛管であって、トップシートから下に向かって延びており、毛管は、毛管現象によってトップシートから流体を引き離すことが可能である、毛管とを備えている。使用中、吸収性の物品の3次元フィルムのドレーンは、トップシート上に動的に堆積された流体を、吸収コアへと迅速に伝達し得る。一方で、3次元フィルムの毛管は、静的な流体をトップシートから伝達し得る。毛管は、好適には、フィルムの主要な表面から上に向かって延びている突出部に含まれる。これらの突出部の上表面は、同じまたは異なる平面に存在し得る。これら突出部は、トップシートの下表面に接触し得るか、あるいはトップシートの中に延び得る。トップシートの中に延びている突出部の範囲を変動させることにより、トップシートの全領域からの静的な流体は、毛管の毛管現象によって、除去され得る。
【0011】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0012】
(項目1)
吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元フィルムであって、
ドレーンを有する第1の表面であって、該ドレーンは、該第1の表面から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、第1の表面と、
該第1の表面から少なくとも1つの毛管を有する上表面まで上に向かって延びている突出部であって、該毛管は、該上表面から下に向かって延びており、該毛管は、該上表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、突出部と
を備える、3次元フィルム。
【0013】
(項目2)
上記突出部の上記上表面の少なくとも一部分は、おおよそ共通の平面にある、項目1に記載の3次元フィルム。
【0014】
(項目3)
上記第1の表面から延びている毛管をさらに備え、該毛管は、該第1の表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、項目1に記載の3次元フィルム。
【0015】
(項目4)
上記突出部は、上記第1の表面の上に約100ミクロンから約250ミクロンまで延びている、項目1に記載の3次元フィルム。
【0016】
(項目5)
上記毛管は、約375ミクロン未満の直径を有する、項目1に記載の3次元フィルム。
【0017】
(項目6)
上記ドレーンは、約500ミクロンから約1000ミクロンまでの直径を有する、項目1に記載の3次元フィルム。
【0018】
(項目7)
上記毛管は、上記ドレーンの上記直径よりも少なくとも4倍小さい直径を有する、項目6に記載の3次元フィルム。
【0019】
(項目8)
上記第1の表面から下に向かって延びている盆地をさらに備え、該盆地は、上開口部と、第2の表面を形成する底とを有しており、該盆地は、流体を保持することが可能であり、該第2の表面は、少なくとも1つのチャネルを有しており、該少なくとも1つのチャネルは、該第2の表面から下に向かって延びており、重力または毛管現象のうちの少なくとも一方によって、流体を伝達することが可能である、項目1に記載の3次元フィルム。
【0020】
(項目9)
上記突出部は、上記盆地の上記底から上に向かって延びている、項目8に記載の3次元フィルム。
【0021】
(項目10)
吸収性の物品であって、
上表面と下表面とを有するノンウーブンなトップシートと、
吸収コアと、
該トップシートと該吸収コアとの間の3次元フィルムと
を備え、該3次元フィルムは、
第1の表面と、
該第1の表面から下に向かって延びているドレーンであって、重力によって流体を伝達することが可能である、ドレーンと、
該トップシートに接触している毛管であって、該毛管は、該トップシートから下に向かって延びており、該毛管は、毛管現象によって該トップシートにおける流体を伝達することが可能である、毛管と
を少なくとも備えている、吸収性の物品。
【0022】
(項目11)
上記毛管は、約375ミクロン未満の直径を有する、項目10に記載の吸収性の物品。
【0023】
(項目12)
上記ドレーンは、約500ミクロンから約1000ミクロンまでの直径を有する、項目10に記載の吸収性の物品。
【0024】
(項目13)
上記毛管は、上記ドレーンの上記直径よりも少なくとも4倍小さい直径を有する、項目12に記載の吸収性の物品。
【0025】
(項目14)
上記3次元フィルムの上記第1の表面から上に向かって延びている突出部をさらに備え、該突出部は、上表面を有しており、上記毛管は、該突出部の該上表面から下に向かって延びている、項目10に記載の吸収性の物品。
【0026】
(項目15)
上記突出部の上記上表面は、上記トップシートの上記下表面と接触している、項目14に記載の吸収性の物品。
【0027】
(項目16)
上記突出部は、上記トップシートの中に延びている、項目14に記載の吸収性の物品。
【0028】
(項目17)
上記突出部の上記上表面の少なくとも一部分は、おおよそ共通の平面にあり、該共通の平面は、上記トップシートの上記下表面の上にある、項目14に記載の吸収性の物品。
【0029】
(項目18)
上記突出部は、上記第1の表面の上に約100ミクロンから約250ミクロンまで延びている、項目14に記載の吸収性の物品。
【0030】
(項目19)
上記3次元フィルムは、上記第1の表面から下に向かって延びている盆地をさらに備え、該盆地は、上開口部と、第2の表面を形成する底とを有しており、該盆地は、流体を保持することが可能であり、該第2の表面は、少なくとも1つのチャネルを有しており、該少なくとも1つのチャネルは、該第2の表面から下に向かって延びており、重力または毛管現象のうちの少なくとも一方によって、流体を伝達することが可能である、項目10に記載の吸収性の物品。
【0031】
(項目20)
上記突出部は、上記盆地の上記底から上に向かって延びている、項目19に記載の吸収性の物品。
【0032】
(摘要)
吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元フィルムであって、ドレーンを有する第1の表面であって、上記ドレーンは、上記第1の表面から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、第1の表面と、上記第1の表面から少なくとも1つの毛管を有する上表面まで上に向かって延びている突出部であって、上記毛管は、上記上表面から下に向かって延びており、上記毛管は、上記上表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、突出部とを備える、3次元フィルム。上記ドレーンは、フィルムを介する流体、特に、動的に堆積された流体を、迅速に伝達する。毛管は、突出部の上表面と接触している静的に保持された流体を伝達する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1を参照すると、典型的な吸収性の物品10の簡略化された図が示されている。吸収性の物品の実施例は、おむつ、失禁用品、生理用ナプキン等の物品を含む。しかしながら、図1は、例示目的のために示されているに過ぎず、特定のタイプまたは構成の吸収性の物品に限定するように解釈されるべきではないことが、理解されるべきである。図1に示されているように、吸収性の物品10は、2つの表面、すなわち、着用者に面する表面または着用者表面18と、衣服に面する表面または衣服表面20とを有する。着用者表面18は、着用者の体に近接して着用されるように意図されている。吸収性の物品10の衣服表面20は、反対側にあり、吸収性の物品10が着用されたときに、着用者の下着または衣類に近接して配置されるように意図されている。吸収性の物品10は、基本的には、トップシート12、取得分散層15、吸収コア16、およびバックシート14を備える。その他の層が、この一般的な構成に含められ得る。
【0034】
本発明は、概して、吸収性の物品10の取得分散層15として用いる3次元の開口部を備えたフィルムに関する。ここで、図2および図3を参照すると、3次元のフィルムは、第1の表面22を備え、第1の表面22は、ドレーン40であって、第1の表面22から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、ドレーン40(図3)と;突出部32であって、第1の表面22から上表面34へと上に向かって延びており、少なくとも1つの毛管36(上表面34から下に向かって延びている)を有している、突出部32と、を有する。毛管36は、毛管現象によって、上表面34と接触している流体を伝達することが可能である。本出願の残りを通して、本発明の全ての実施形態に対して、同様なコンポーネントは、同様な番号を共有する。
【0035】
好適な実施形態においては、第1の表面22には、6角形のパターンが与えられている。6角形のパターンが、例示目的のために示されているが、本明細書に記載されたフィルムのうちの任意のものに対し、その他のパターンもまた用いられ得ることが、理解されるべきである。その他のパターンの実施例は、円形、卵形、楕円形、多角形、またはその他の適切なパターンあるいは上記パターンの組み合わせを含む。6角形のパターンは、複数の近接し合う6角形またはセル50を形成する。
【0036】
好適な実施形態において、6角形のパターンは、11のメッシュに基づく。ここに、「メッシュ」とは、1インチの長さに整列されたセル50の数である。約11のメッシュ数は好適であるが、約2から約25のメッシュ数、またはより好適には、約4から約15のメッシュ数が用いられ得る。好適にはセルの少なくとも50%、より好適にはセル50の少なくとも70%には、ドレーン40が提供され、ドレーン40は、インサルト流体(insult fluid)が、重力によって3次元フィルム15を介して取得され、上記流体ができるだけ迅速に搬送されることを可能にするのに十分大きな直径を有する。
【0037】
この実施形態において、残りのセルには、単一の突出部32が提供され、突出部32は、上表面34と、上表面34から下に向かって延びている毛管36とを有する。各突出部は、好適には、約2から約10の毛管を含み、より好適には、約3から約5の毛管を含む。毛管は、この毛管が毛管現象を示し、これにより、突出部32の上表面34に接触している流体を伝達することが可能になるように、サイズが決められる。
【0038】
図3(図2の線2−2に沿って切り取られたフィルム15の拡大断面図を示す)に見られるように、3次元フィルム15は、オス側または衣服に面する側64と、反対のメス側または着用者に面する側62とを有する。フィルムの第1の表面22から突出部32の上表面34までの距離は、約50ミクロンから約300ミクロンであり、より好適には、約100ミクロンから約250ミクロンであり、最も好適には、約200ミクロンである。図3は、突出部32の上表面34を共通の平面に描いているが、突出部32の上表面34は、異なる平面に位置し得る。フィルムの第1の表面22からドレーン40の底までの距離は、約800ミクロンから約1400ミクロンであり、より好適には、約900ミクロンから約1200ミクロンであり、最も好適には、約1100ミクロンである。
【0039】
図1に見られるように、吸収性の物品に対する取得分散層として用いられるとき、3次元フィルム15は、トップシート12の下方に、吸収コア16のトップまたは着用者に面する側17に近接するように配置される。好適な実施形態において、トップシートは、個々の繊維または糸の任意のノンウーブンなウェブを備え、上記ウェブは、通常の繰り返し的な方法のうちのいずれでもない方法で、中間に入れられる。トップシートへの適用に適しているとして当該技術分野において周知な任意のノンウーブンなウェブが、用いられ得る。ノンウーブンなウェブは、過去においては、様々なプロセス、例えば、メルトブローイングプロセス(meltblowing process)、スパンボンディングプロセス(spunbonding process)、およびボンデッドカーデッドウェブプロセス(bonded carded web process)により、形成された。
【0040】
図3を参照すると、フィルムの第1の表面22は、複数のドレーン40を有する3次元構造であり、その各々は、ベース開口部42と、頂上開口部44とを有する。好適には、ドレーン40は、頂上開口部44の方向に先が細くされている。先が細くされたドレーンは、衣服に面する側64から着用者に面する側62まで流体が伝達され得る可能性を低減させる。ドレーン40の頂上開口部44は、吸収コア16と密接に接触し(図1)、好適には、頂上開口部44は、コア16に固定されて(図1)、この密接な接触を確実にする。本質的には、ドレーン40の頂上開口部44のみが、コア16と密接に接触し(図1)、これにより、横方向の流出を提供する隙間の空間74が、実質的に妨げられないことを確実にすることにも、留意されたい。
【0041】
図3に見られるように、突出部32は、第1の表面22から上表面34へと上に向かって延びている。突出部32の上表面34は、トップシート12の下表面と接触しているか、あるいはトップシート12の中に延びている。突出部32は、好適には、複数の毛管36を有し、その各々は、突出部32の上表面34におけるベース開口部37と、頂上開口部38とを有する。毛管の頂上開口部38は、好適には、吸収コア16と接触しない。毛管36が吸収コアに接触しないことを確実することにより、このことは、毛管36がフィルムを介して吸収コア16からトップシート12まで流体を運び得る可能性を低減させる。さらに、突出部32は、追加的な隙間の空間74を形成し、流体の横方向の流出のための追加的な余地を提供する。本発明の別の実施形態においては、3次元フィルムには一切の突出物がなく、毛管は、3次元フィルム15の第1の表面22上に存在する。あるいは、毛管は、第1の表面22と3次元フィルム15の突出物32との両方の上に存在する。
【0042】
上述のように、ドレーン40は、動的に堆積された流体に対処するように機能する。すなわち、フィルムの第1の表面22上に迅速に堆積された流体は、吸収性の物品のエッジからの実質的な漏出なしに、ドレーン40により、下部の吸収コアに伝達される。ドレーン40は、動的に堆積される流体が、流体が堆積されるのと同じくらい迅速に、3次元フィルム15を介して取得されることを可能にするために十分な大きさである限りにおいて、それらの意図された方法で機能するためには、必ずしも円筒の形状でなくても良い。しかしながら、ドレーン40は、それらが動的に堆積された流体に対するバリアを提示しないように、サイズが決められ、適切な表面の化学的性質を有していなければならない。約500ミクロンよりも大きな(より好適には約900ミクロンよりも大きな)直径を有するドレーンが、流体の流れに対してバリアを提示しないことが見出されている。
【0043】
ドレーン40および/または毛管36は、「正しい(true)」直径を有さない(すなわち、それらは卵形の開口部を有する)場合、それらは、本明細書で議論されるそれぞれの直径に等しい等価水力直径(EHD;equivalent hydraulic diameter)を有することを確実にするように、サイズが決められ得る。本明細書で用いられているように、等価水力直径という用語は、以下の等式:EHD=4A/P(ここに、Aは不規則な開口部の面積であり、Pは不規則な開口部の周長である)により、定義される。等価水力直径は、不規則な開口部に類似した流体の流れ特性を有する円形の開口部の直径であり、これに対し、計算がなされている。本明細書に参考のために援用される米国特許第4,324,246号を参照されたい。したがって、本明細書で用いられている「直径」という用語は、明白な直径またはEHDを意味する。
【0044】
一般に、ドレーンが比較的大きな直径を示し、最大限の流体が流れることを可能にすることが望ましいが、直径の上限は、主に美的価値観に基づいて、および再度の湿り(rewet)を考慮することに基づいて、決定される。すなわち、比較的大きな直径を有するドレーンに対し、フィルムは、非常に硬く、ざらざらして、消費者に気に入られない傾向がある。また、比較的大きな直径を有するドレーンに対し、(加圧のもとで)流体がフィルムを介して吸収コアからトップシートへと流れ得る可能性が大きくなる。好適な実施形態において、ドレーン40は、好適には、約1200ミクロン以下の直径を有し、より好適には、約1000ミクロン以下の直径を有する。
【0045】
逆に、突出部32上の毛管36は、より小さな直径を有しているので、それらは、動的な状況において、迅速に流出されたかなりの量の流体を、下部の吸収コアへと直接的に伝達するようには、うまく機能しない。むしろ、毛管36は、適切にサイズが決められて配置された場合に、静的な流体をトップシートから除去し得る。毛管36は、意図された方法で機能するためには、必ずしも円筒状ではなくても良い。それらは、規則的または不規則的な形状であり得る。しかしながら、毛管36は、それらが毛管現象を示すように、サイズが決められ、適切な表面の化学的性質を有していなければならない。約375ミクロン未満の(より好適には約250ミクロン未満の)直径を有する毛管が、毛管現象を示すことが見出されている。
【0046】
好適な実施形態において、最小のドレーン40の直径の最大の毛管36の直径に対する比は、好適には、少なくとも約2であり、より好適には、少なくとも約4である。これらの比は、3次元フィルムが、動的に堆積された流体を重力によって効果的に伝達し、静的な流体を毛管現象によって除去することを確実にする傾向がある。
【0047】
当業者によって理解され得るように、ドレーン40および毛管36の互いに対する密度および間隔は、主に、使用中に予想される流れの条件に依存し得る。本発明を実施する際に、ドレーン40の機能と毛管36の機能とを単一の通路に組み合わせることもまた、可能である。実施例は、星の形をした通路を含み得、星の点は、毛管36と類似した方法で振る舞い、一方で、星の中心に位置する部分は、ドレーン40と類似した方法で振舞う。これらの通路の組み合わせは、3次元フィルム15の第1の表面22および/または突出部32上に配置され得る。
【0048】
図4および図6は、本発明の3次元フィルムの代替的な実施形態を示す。図5は、図4に描かれた実施形態の断面図を示す。図7は、図6の実施形態の断面図を示す。
【0049】
両方の実施形態において、第1の表面22には、上述のように、6角形のパターンが与えられている。好適にはセルの約50%、より好適にはセル50の少なくとも70%には、ドレーン40が提供され(図6および図7を参照)、上記ドレーン40は、インサルト流体が、できるだけ迅速に搬送されるように、3次元フィルム15を介して取得されることを可能にするのに十分な大きさの直径を有する。ドレーン40は、図2および図3に関連して上記で議論されたサイズおよび形状である。
【0050】
図4および図5に描かれている実施形態を参照すると、残りのセルには、2つ以上の突出部32が提供され、突出部32は、上表面34と、上表面から下に向かって延びている毛管36とを有する。突出部32の高さと、突出部32毎の毛管36の数とは、上記で議論されたようなものである。図5は、突出部32の上表面34を共通の平面に描いているが、突出部32の上表面34は、異なる平面に位置し得る。毛管は、上記で議論されたようなサイズおよび形状であるので、毛管は、毛管現象を示し、これにより、突出部32の上表面34と接触している流体を伝達することが可能である。あるいは、毛管36は、3次元フィルム15の第1の表面22上に追加的に存在し得る。
【0051】
図6および図7に描かれている実施形態を参照すると、突出部32に加え、残りのセルには、第1の表面22から下に向かって延びている盆地(basin)70が提供されている。盆地70は、上開口部71と、盆地の底から下に向かって延びているチャネル72を有する底73とを有する。突出部32の高さと、突出部32毎の毛管36の数とは、上記で議論されたようなものである。突出部32の上表面34は、同じまたは異なる平面に位置し得る。毛管は、上記で議論されたようなサイズであるので、毛管は、毛管現象を示し、これにより、突出部32の上表面34と接触している流体を伝達することが可能である。あるいは、毛管36は、3次元フィルム15の第1の表面22上に追加的に存在し得る。フィルムの第1の表面22から盆地70の底73までの距離は、好適には、約100ミクロンから約500ミクロンであり、より好適には、約150ミクロンから約400ミクロンであり、最も好適には、約250ミクロンである。
【0052】
上記で議論されたように、盆地は、流体を収集し、保持することが可能であり、これにより、3次元フィルムを介する流体の伝達速度を遅くするように機能する。盆地70の上開口部71は、約800ミクロンから約1200ミクロンの直径を有する。使用中、流体は、トップシート上に動的に堆積され、3次元フィルムに伝達されるので、盆地70は、流体を収集し、一時的に保持することが可能であり、一方で、流体を、チャネル72を介して、吸収コア16(図1)に伝達する。吸収コアは、流体が吸収性の物品上に堆積される速度よりも遅い速度で、流体を吸収するので、盆地は、吸収コアへの伝達速度を遅くし、そのような流体を吸収するために、より長い時間をコアに与えるように機能する。約200ミクロンから約500ミクロンの直径を有するチャネル72が、3次元フィルムを介する流体の伝達を遅くするが、盆地70が排出することを可能にすることが、見出されている。
【0053】
図6および図7に描かれている実施形態において、盆地70は、突出部32を包囲しており、城を包囲し得る堀に非常に似ている。しかしながら、盆地70は、必ずしも図6に描かれているように突出部32を包囲していなくてもよい。例えば、盆地70は、個別にセル50を占有し得る。また、図7に最も明確に見られるように、突出部32および盆地70の両方が単一の3次元フィルムにおいて用いられる場合、突出部は、フィルムの第1の表面22または盆地70の底から発する。代替的な実施形態において、盆地70および毛管36の両方は、両方ともフィルムの第1の表面22から発し得る。あるいは、残留する静的な流体がトップシートから伝達されることが所望されない場合、毛管36は、フィルムから排除され得る。
【0054】
好適には、3次元フィルム15は、穴の開いた熱可塑性物質のフィルムであり、3次元フィルム15は、約10パーセント未満の流出率を有し、先が細くされたドレーンを介する増大された液体流量を有する。フレキシブルなフィルムまたはシートに形成され得る任意の熱可塑性の材料が、本発明の新規なフィルムの製造に用いられ得る。
【0055】
例示的な熱可塑性の材料は、ポリエステル、ポリアミド、ビニル重合体およびビニル共重合体、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニル;ポリメタクリレート(polymethacrylate)、ポリ乳酸、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにフレキシブルなフィルムまたはシートに形成され得るそれらの共重合体またはブレンドを含む。特に好適な穴の開いたフィルムは、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。1つの適切な材料は、約25ミクロンから約50ミクロンの厚さを有するポリエチレンのフィルムである。そのような材料から作られたシートまたはフィルムは、所望の物理的特性を達成するために当該技術分野で公知な添加剤を含み得る。
【0056】
疎水性の熱可塑性材料(例えばポリオレフィン樹脂)を用いて3次元フィルムを形成するとき、フィルムは、少なくともメス側または着用者に面する側62が、親水性になるように処理される。例えば、そのようなフィルムを親水性にする方法は、2重の表面処理を含み、それは、米国特許第4,535,020号および米国特許第4,456,570号(Thomas他、それぞれの題名「Perforated Film」および「Treatment of Perforeated Film」、これらは本明細書に参考のために援用される)によって教示されている。上記方法は、内部の化学的添加剤(すなわち、表面活性剤)を、ポリオレフィン樹脂を形成するフィルムに追加することによって提供される1つの表面処理を教示している。添加剤は、樹脂からフィルムが形成される前に樹脂と調合されるか、そうでなければ、混合またはブレンドされる。フィルムが形成された後、もう1つの表面処理は、コロナ放電処理(化学的添加物に作用し、穴の開いたフィルムにゼロパーセントまたはほとんどゼロパーセントの流出を提供する)を用いてフィルムを処理することにより、達成される。表面活性剤は、表面活性剤が追加されなかった場合にポリオレフィンフィルムが有し得る分極率よりも大きな分極率を有するフィルム表面を提供する。表面の極性が高くなると、湿潤性が高くなる。化学的に処理されたフィルムは、処理されていないフィルムよりも大きな極性を有するが、フィルム自身のコロナ放電処理は、所望される最大限の湿潤性を提供する。任意の表面活性剤(これは、この極性を達成し、フィルムの表面に移動する)が、この方法において用いられ得る。表面活性剤処理はまた、フィルムが形成された後にも適用され得る。あるいは、移動しない表面活性剤または親水性のフィルムは、薄い「肌」層として、疎水性の層のトップに共押し出しされ得る。
【0057】
本明細書において用いられているように、「親水性」という用語は、堆積された液体(例えば、水性の体液)によって湿った表面を意味するように用いられている。親水性および湿潤性は、典型的には、関連する流体および固体の表面の接触角および表面張力の観点から、規定される。表面は、流体が表面にわたって自然に広がる傾向があるときに、液体によって濡らされる(親水性)といわれる。逆に、表面は、液体が表面にわたって自然に広がる傾向がないときに、「疎水性」であると考えられる。
【0058】
図2、3、4、5、6、および図7に概して示されているタイプの3次元の開口部を備えたフィルムは、直接融解の真空形成フィルム(VFF;vacuum formed film)処理によって、作られ得る。直接融解のVFF処理の場合、融解されたウェブは、形成スクリーンの形成領域上に押し出される。形成スクリーンにわたって加えられる圧力の差は、融解されたウェブを形成スクリーンの3次元形状に適合させ、最終的に先端部で裂けて開口部になるセルを形成する。あるいは、米国特許第4,151,240号に教示されているように、ウェブは、ウェブが形成スクリーンの形成領域の上にある間に、再加熱され、部分的に融解され得る。融解された重合体は、3次元の開口部を形成することが望ましい。なぜならば、融解された重合体は、形成スクリーンにおいて、開口部へと容易に入れられるからである。本発明の3次元の開口部を備えたフィルムはまた、ハイドロフォームドフィルム(HFF;hydroformed film)プロセスによって形成され得る。HFFプロセスにおいて、ウォータージェットの形態の水圧は、固体のウェブが形成スクリーンの形成領域を横断する際に、固体のウェブに衝突する。高い圧力の水の力は、ウェブを形成スクリーンの3次元形状に適合させ、最終的に先端部で裂けて開口部になるセルを形成する。
【0059】
本発明の好適な実施形態のうち特定のものが記載され、特に上記で例示されてきたが、本発明をそのような実施形態に限定することは、意図されていない。以下の請求の範囲に述べられている本発明の範囲および精神から逸れることなしに、様々な改変が、本発明になされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、出願人の3次元フィルムを利用する吸収性の物品の概略的な断面図を示す。
【図2】図2は、図1の吸収性の物品における取得分散層として用いる出願人の3次元フィルムの第1の実施形態の平面図を示す。
【図3】図3は、図2の線2−2に沿って切り取られた図2の3次元フィルムの第1の実施形態の断面図を示す。
【図4】図4は、図1の吸収性の物品における取得分散層として用いる出願人の3次元フィルムの第2の実施形態の平面図を示す。
【図5】図5は、図4の線4−4に沿って切り取られた出願人の図4の3次元フィルムの第2の実施形態の断面図を示す。
【図6】図6は、図1の吸収性の物品における取得分散層として用いる出願人の3次元フィルムの第3の実施形態の平面図を示す。
【図7】図7は、図6の線6−6に沿って切り取られた出願人の図6の3次元フィルムの第3の実施形態の断面図を示す。
【符号の説明】
【0061】
10 吸収性の物品
12 トップシート
14 バックシート
15 取得分散層
16 吸収コア
17、62 着用者に面する側
18 着用者に面する表面
20 衣服に面する表面
22 第1の表面
32 突出部
34 上表面
36 毛管
37、42 ベース開口部
38、44 頂上開口部
40 ドレーン
50 セル
64 衣服に面する側
74 隙間の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性の物品における取得分散層として用いる3次元フィルムであって、
ドレーンを有する第1の表面であって、該ドレーンは、該第1の表面から下に向かって延びており、重力によって流体を伝達することが可能である、第1の表面と、
該第1の表面から少なくとも1つの毛管を有する上表面まで上に向かって延びている突出部であって、該毛管は、該上表面から下に向かって延びており、該毛管は、該上表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、突出部と
を備える、3次元フィルム。
【請求項2】
前記突出部の前記上表面の少なくとも一部分は、おおよそ共通の平面にある、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項3】
前記第1の表面から延びている毛管をさらに備え、該毛管は、該第1の表面と接触している流体を毛管現象によって伝達することが可能である、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項4】
前記突出部は、前記第1の表面の上に約100ミクロンから約250ミクロンまで延びている、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項5】
前記毛管は、約375ミクロン未満の直径を有する、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項6】
前記ドレーンは、約500ミクロンから約1000ミクロンまでの直径を有する、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項7】
前記毛管は、前記ドレーンの前記直径よりも少なくとも4倍小さい直径を有する、請求項6に記載の3次元フィルム。
【請求項8】
前記第1の表面から下に向かって延びている盆地をさらに備え、該盆地は、上開口部と、第2の表面を形成する底とを有しており、該盆地は、流体を保持することが可能であり、該第2の表面は、少なくとも1つのチャネルを有しており、該少なくとも1つのチャネルは、該第2の表面から下に向かって延びており、重力または毛管現象のうちの少なくとも一方によって、流体を伝達することが可能である、請求項1に記載の3次元フィルム。
【請求項9】
前記突出部は、前記盆地の前記底から上に向かって延びている、請求項8に記載の3次元フィルム。
【請求項10】
吸収性の物品であって、
上表面と下表面とを有するノンウーブンなトップシートと、
吸収コアと、
該トップシートと該吸収コアとの間の3次元フィルムと
を備え、該3次元フィルムは、
第1の表面と、
該第1の表面から下に向かって延びているドレーンであって、重力によって流体を伝達することが可能である、ドレーンと、
該トップシートに接触している毛管であって、該毛管は、該トップシートから下に向かって延びており、該毛管は、毛管現象によって該トップシートにおける流体を伝達することが可能である、毛管と
を少なくとも備えている、吸収性の物品。
【請求項11】
前記毛管は、約375ミクロン未満の直径を有する、請求項10に記載の吸収性の物品。
【請求項12】
前記ドレーンは、約500ミクロンから約1000ミクロンまでの直径を有する、請求項10に記載の吸収性の物品。
【請求項13】
前記毛管は、前記ドレーンの前記直径よりも少なくとも4倍小さい直径を有する、請求項12に記載の吸収性の物品。
【請求項14】
前記3次元フィルムの前記第1の表面から上に向かって延びている突出部をさらに備え、該突出部は、上表面を有しており、前記毛管は、該突出部の該上表面から下に向かって延びている、請求項10に記載の吸収性の物品。
【請求項15】
前記突出部の前記上表面は、前記トップシートの前記下表面と接触している、請求項14に記載の吸収性の物品。
【請求項16】
前記突出部は、前記トップシートの中に延びている、請求項14に記載の吸収性の物品。
【請求項17】
前記突出部の前記上表面の少なくとも一部分は、おおよそ共通の平面にあり、該共通の平面は、前記トップシートの前記下表面の上にある、請求項14に記載の吸収性の物品。
【請求項18】
前記突出部は、前記第1の表面の上に約100ミクロンから約250ミクロンまで延びている、請求項14に記載の吸収性の物品。
【請求項19】
前記3次元フィルムは、前記第1の表面から下に向かって延びている盆地をさらに備え、該盆地は、上開口部と、第2の表面を形成する底とを有しており、該盆地は、流体を保持することが可能であり、該第2の表面は、少なくとも1つのチャネルを有しており、該少なくとも1つのチャネルは、該第2の表面から下に向かって延びており、重力または毛管現象のうちの少なくとも一方によって、流体を伝達することが可能である、請求項10に記載の吸収性の物品。
【請求項20】
前記突出部は、前記盆地の前記底から上に向かって延びている、請求項19に記載の吸収性の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−119447(P2008−119447A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237277(P2007−237277)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(507274744)トレデガー フィルム プロダクツ コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】