説明

包皮食品用薄皮

【課題】 本発明は、さつま芋あんと相性が良く、小麦粉やさつま芋に無い栄養素を含有し、変化に富んだ味、香り、色彩で、冷めても美味しいさつま芋シュウマイ等の包皮食品用薄皮を提供する。
【解決手段】 小麦粉やさつま芋に無い栄養素、甘味、旨味、香り、色彩等の成分を含有する食材を粉、粒、固形、ペースト、クリーム等に加工してから主原料の小麦粉に、水分を除いた状態で数%から数十%重量含有するように混ぜ、適量の水と塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるよう良く捏ねて練り込み、寝かせた後0.2〜1.0mm位の厚さに伸展し、適当な大きさに成形した事を特徴とするさつま芋シュウマイ等の包皮食品用薄皮。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はさつま芋シュウマイ等の包皮食品用薄皮に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、さつま芋シュウマイ等の包皮食品用薄皮として、小麦粉及び小麦粉を主原料に加工したさつま芋を練り込んだ薄皮があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
小麦粉だけからなる薄皮で、さつま芋あんを包み蒸し上げたさつま芋シュウマイは小麦粉臭さがあった。尚、小麦粉はほとんど甘味や旨味が無いのでさつま芋の甘味や旨味を減損し、特に冷めた時はさつま芋の甘味が少なく感じられるのであまり美味しくなかつた。又、小麦粉を主原料に加工したさつま芋を練り込んだ薄皮でさつま芋あんを包んださつま芋シュウマイは、さつま芋の香りがして美味しかったが、小麦粉とさつま芋の栄養素しか無く、さつま芋あんとの味にあまり変化が無かった。
本発明は、さつま芋あんと相性が良く、小麦粉やさつま芋にない栄養素を含有し、変化に富んだ味、香り、色彩で冷めても美味しい薄皮、すなわち、自然解凍でも美味しいさつま芋シュウマイ等を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
小麦粉やさつま芋に無い栄養素、甘味、旨味、香り、色彩等の成分を含有するトウモロコシ、落花生、大豆、栗、アーモンド、クルミ、昆布、チーズ等の食材を粉、粒、固形、ペースト、クリーム、等に加工してから主原料の小麦粉に、水分除いた状態で数%から数十%重量含有するように混ぜ、適量の水と塩分を加えながら、耳たぶ位の硬さになるよう捏ねて練り込み、数十分から数十時間寝かせた後、0.2〜1.0mm位の厚さに伸展し、適当な大きさに成形する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上のような製造法、構成であるから次のような効果がある。
【0006】
請求項1の包皮食品用薄皮は、加工したトウモロコシを練り込んであるのでトウモロコシの栄養素であるビタミンB1、B2、E、カリウム、食物繊維等を摂取できる。尚、甘味成分のショ糖も含まれているので甘く美味しい薄皮ができる。又、トウモロコシは大量に生産されているので安価に製造できる。
【0007】
請求項2の包皮食品用薄皮は加工した落花生を練り込んであるので、ビタミンB1、B2、E、ナイアシン、レシチン、サポニンなどを摂取できる。尚、脂質が多く含まれているので伸展性が良く薄皮に加工しやすい。
【0008】
請求項3の包皮食品用薄皮は加工した大豆を練り込んであるので、ビタミンB1、B2、E、サポニン、レシチン、イソフラボン、食物繊維他、良質の蛋白質、さらにカルシウム、カリウム、亜鉛等のミネラル分も摂取できる。
【0009】
請求項4の包皮食品用薄皮は加工した栗を練り込んであるので、ビタミンB1、C、カリウム、食物繊維等も摂取できる。尚、糖質が多く香りも良いので甘く美味しい薄皮ができる。
【0010】
請求項5の包皮食品用薄皮は加工したアーモンドを練り込んであるので、ビタミンE、B1、B2、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維、良質の蛋白質、リノール酸などの脂質も摂取できる。尚、ローストしたアーモンドを練り込んだ薄皮は香りも良い。
【0011】
請求項6の包皮食品用薄皮は加工したクルミを練り込んであるので、ビタミンB1、E、カルシウム、食物繊維、良質の蛋白質他、リノール酸、リノレン酸などの脂質も摂取できる。
【0012】
請求項7の包皮食品用薄皮は加工した昆布を練り込んであるので、ビタミンB1、B2、食物繊維、ヨウ素他、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、コバルト、銅など豊富なミネラル分も摂取できる。尚、旨味成分のグルタミン酸、マンニットなどを含んでいるので、旨味のある薄皮ができる。
【0013】
請求項8の包皮食品用薄皮は加工したチーズを練り込んであるので、ビタミンA、B2、カルシウム、レチノール、必須アミノ酸であるメチオニンなどが摂取できる。尚、チーズは芋類と相性が良いので、さつま芋あんが美味しく感じられる。
以上のように、小麦粉を主原料に栄養価が高く、香りや色彩の良い食材を混ぜ、練り込む事により、小麦粉やさつま芋に無い栄養素を摂取できると供に、変化に富んだ味、香り、色彩で、冷めても美味しい薄皮を提供できる。尚、さつま芋あんにさつま芋の味を損なわない程度、調理加工した、トウモロコシ粒等の穀物、グリーンアスパラ、ほうれん草等の野菜類、ゴボウ、にんじん、レンコン等の根菜類、松茸、椎茸等のキノコ類、竹の子、ウド等の山菜類、魚介類、肉類、他、レーズン等の乾燥果物類、チーズ等の乳製品などを混ぜれば、さらに栄養価が高い多種多様なさつま芋シュウマイを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
強力粉80%重量に対して、トウモロコシのローストフラワー20%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを数十分から数時間寝かせる。その後小分けし、打ち粉を振りながらのし棒で、0.2〜1.0mm位の厚さに伸展し、さつま芋あんを包んだ時一口〜二口位で食べられる大きさにカットし成形する。
【実施例2】
強力粉85%重量に対して、粉末落花生15%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例3】
強力粉90%重量に対して、きな粉10%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例4】
強力粉80%重量に対して、栗粉20%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例5】
強力粉80%重量に対して、アーモンドのローストプードル20%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例6】
強力粉85%重量に対して、粉末クルミ15%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例7】
強力粉95%重量に対して、粉末昆布5%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
【実施例8】
強力粉80%重量に対して、粉チーズ20%重量を混ぜ、水と少量の塩分を加えながら耳たぶ位の硬さになるまで良く捏ねて練り込み、それを寝かせた後、上記のような厚さに伸展し、適当な大きさに成形する。
本発明の実施の形態では、手作りの為、混ぜやすい粉状に加工した食材を使用したが、機械で製造する場合は粒、固形、ペースト、クリーム等に加工した食材でも良い。尚、その食材から栄養素、甘味、旨味、香り、色彩等の主成分を抽出した物を混ぜても良い。又、本発明はさつま芋シュウマイ用薄皮として開発されたものであるが、ジャガイモ、カボチャ他、従来のシュウマイ用薄皮として使用しても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉を主原料に、加工したトウモロコシを8〜30%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項2】
小麦粉を主原料に、加工した落花生を5〜25%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項3】
小麦粉を主原料に、加工した大豆を5〜25%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項4】
小麦粉を主原料に、加工した栗を8〜30%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項5】
小麦粉を主原料に、加工したアーモンドを8〜30%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項6】
小麦粉を主原料に、加工したクルミを5〜25%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項7】
小麦粉を主原料に、加工した昆布を3〜20%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。
【請求項8】
小麦粉を主原料に、加工したチーズを5〜25%重量練り込んだ、厚さ0.2〜1.0mm位の包皮食品用薄皮。

【公開番号】特開2007−300910(P2007−300910A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157809(P2006−157809)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(593052590)
【Fターム(参考)】