説明

包装体及び包装体の包装方法

【課題】包装紙を取り替えるだけで種類の異なる包装体を容易に得ることができる包装体を提供する。
【解決手段】包装体Pは、外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部1aを有し、内部が凹状となって、内容物を収納する収納部1と、開口部1aを開閉する覆い体2と、覆い体2を覆い、デザインが施された矩形形状の包装紙4を有し、この包装紙4の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、包装紙4の一方の端部の折り返し部位4Xを覆い体開口部21の縁部21Xに、包装紙4の他方の端部の折り返し部位4Yを覆い体底面20の縁部20Yに、それぞれ係止させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体及び包装体の包装方法に係り、特に、包装紙を取り替えるだけで種類の異なる包装体を容易に得ることができる包装体及び包装体の包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブック形状の包装体がある(例えば、特許文献1参照)。
これは、容器本体の開口部を介して内容物を出し入れし、外装体で容器本体の開口部を開閉するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3−56501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のブック形状の包装体にあっては、例えば、デザインの異なる包装体を複数、製造する場合、外装体毎にデザインを印刷しなければならないと共に、該包装体が不要になると、該包装体全体を破棄しなければならないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を除去するようにした包装体及び包装体の包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の包装体は、外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部を有し、内部が凹状となって、内容物を収納する収納部とを備え、この収納部の外形は、底面と、この底面より立設すると共に、時計回りに、順次、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面で構成され、前記第1の面の一方の端部は、前記第4の面の一方の端部を超えた円弧状の第1の円弧状部を備え、前記第3の面の一方の端部は、前記第4の面の他方の端部を超えた円弧状の第2の円弧状部を備え、この第2の円弧状部と前記第1の円弧状部とは、対向する位置にあり、前記収納部に接着され、前記底面、前記第4の面及び前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉する覆い体を備え、この覆い体の前記底面に対応する部位は覆い体底面で、該覆い体底面は前記底面より大きく、前記覆い体の前記第4の面に対応する部位は覆い体第4の面で、該覆い体第4の面は前記第1の円弧状部及び前記第2の円弧状部の外周に当接して曲面を形成し、前記覆い体の前記開口部に対応する部位は覆い体開口部で、該覆い体開口部は前記開口部より大きく、前記覆い体を覆い、デザインが施された矩形形状の包装紙を有し、該包装紙の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、前記包装紙の一方の端部の折り返し部位を前記覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を前記覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させるものである。
【0007】
また、請求項2記載の包装体は、請求項1記載の包装体において、包装紙の覆い体底面に対応する部位は包装紙底面であり、前記包装紙の覆い体第4の面に対応する部位は包装紙第4の面であり、前記包装紙の覆い体開口部に対応する部位は包装紙開口部であり、前記包装紙底面、前記包装紙第4の面及び前記包装紙開口部に当接して前記包装紙を横断すると共に、幅より長手方向に長い帯状体を環状に形成した環状体で、覆い体による収納部の開口部の覆いを保持するようにしたものである。
【0008】
また、請求項3記載の包装体の包装方法は、外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部を有し、内部が凹状となって、内容物を収納する収納部とを備え、この収納部の外形は、底面と、この底面より立設すると共に、時計回りに、順次、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面で構成され、前記第1の面の一方の端部は、前記第4の面の一方の端部を超えた円弧状の第1の円弧状部を備え、前記第3の面の一方の端部は、前記第4の面の他方の端部を超えた円弧状の第2の円弧状部を備え、この第2の円弧状部と前記第1の円弧状部とは、対向する位置にあり、前記収納部に接着され、前記底面、前記第4の面及び前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉する覆い体を備え、この覆い体の前記底面に対応する部位は覆い体底面で、該覆い体底面は前記底面より大きいものであり、前記覆い体の前記第4の面に対応する部位は覆い体第4の面で、該覆い体第4の面は前記第1の円弧状部及び前記第2の円弧状部の外周に当接して曲面を形成し、前記覆い体の前記開口部に対応する部位は覆い体開口部で、該覆い体開口部は前記開口部より大きいものであり、前記収納部と前記覆い体を共用して、種類の異なる包装紙で前記覆い体を覆う包装体の包装方法であって、前記包装紙は、前記覆い体を覆い、デザインが施された矩形形状であって、該包装紙の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、前記包装紙の一方の端部の折り返し部位を前記覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を前記覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させるものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の包装体によれば、覆い体と収納部とによりブック型容器を構成し、包装紙の一方の端部の折り返し部位を覆い体の覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を覆い体の覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させるという簡易な手段で包装体を得ることができ、また、覆い体と収納部とで構成されたブック型容器をそのままとし、包装紙を取り替えるだけで種類の異なる包装体を容易に、しかも、経済的に包装体を得ることができる等の効果を奏する。
【0010】
また、請求項2記載の包装体によれば、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、幅より長手方向に長い帯状体を環状に形成した環状体が、包装紙底面、包装紙第4の面及び包装紙開口部に当接して包装紙を横断するため、覆い体による収納部の開口部の覆いを保持することができる。
【0011】
また、請求項3記載の包装体の包装方法によれば、覆い体と収納部とによりブック型容器を構成し、包装紙の一方の端部の折り返し部位を覆い体の覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を覆い体の覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させるという簡易な手段で包装体を得ることができ、また、覆い体と収納部とで構成されたブック型容器を共用することができ、包装紙を取り替えるだけで種類の異なる包装体を容易に、しかも、経済的に包装体を得ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施例の包装体の一部を破断して示す概略的一部破断斜視図である。
【図2】図2は、図1の包装体の覆い体を開いた状態の概略的断面図である。
【図3】図3は、図1の包装体の包装紙の取付状態を示す概略的断面図である。
【図4】図4は、図1の包装体を分解して示す概略的分解斜視図である。
【図5】図5は、図1の包装体の覆い体の概略的平面図である。
【図6】図6は、図5の6−6線による概略的断面図である。
【図7】図7は、図5の覆い体の形成過程を示す概略的平面図である。
【図8】図8は、図1の包装体と異なる他の実施例の包装体の概略的断面図である。
【図9】図9は、図8の包装体に環状体を取り付ける過程を示す概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施例の包装体及び包装体の包装方法を図面を参照して説明する。
図1に示すPは包装体で、包装体Pは、収納部1と覆い体2とから(図4参照)、概略的に構成されている。
収納部1は、例えば、厚紙で形成され、外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部1aを有し、内部が凹状となって、内容物3を収納することができるようになっている(図2及び図3参照)。
【0014】
収納部1の外形は、底面10と、この底面10より立設すると共に、時計回りに、順次、第1の面11、第2の面12、第3の面13、第4の面14で構成されたもので、特異な形態は、円弧状の第1の円弧状部11A、第2の円弧状部13Bである(図4参照)。
この第1の円弧状部11Aは、図4に示すように、第1の面11の一方の端部に形成されたもので、第4の面14の一方の端部14aを超えた円弧状の部位である。
また、第2の円弧状部13Bは、第3の面13の一方の端部に形成されたもので、第4の面14の他方の端部14bを超えた円弧状の部位である。
そして、第2の円弧状部13Bと第1の円弧状部11Aとは、対向する位置にある(図4参照)。
【0015】
覆い体2は、例えば、厚紙で形成され、底面10、第4の面14及び開口部1aを覆うと共に、開口部1aを開閉するものである。
覆い体2の底面10に対応する部位は覆い体底面20で、この覆い体底面20は底面10より大きく、また、覆い体2の第4の面14に対応する部位は覆い体第4の面24で、この覆い体第4の面24は第1の円弧状部11A及び第2の円弧状部13Bの外周に当接して曲面を形成している。また、覆い体2の開口部1aに対応する部位は覆い体開口部21で、この覆い体開口部21は開口部1aより大きく形成されている。
覆い体2は、収納部2に接着され、該接着部位は、図4に斜線で示す覆い体2の部材20Cと覆い体底面20で、覆い体底面20の縁部20Yに近い側は、非接着となっている。
覆い体底面20は、図7に示す部材20A、20Bを、覆い体開口部21は、部材21A、21Bを、それぞれ重ねると共に、該重ねた部位を接着剤で接合して形成される。
【0016】
また、図1〜図3に示す4は、覆い体2を覆い、デザイン(例えば、うさぎ)が施された矩形形状の包装紙で、包装紙4は、包装紙4の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、包装紙4の一方の端部の折り返し部位4Xを覆い体開口部21の縁部21Xに、包装紙4の他方の端部の折り返し部位4Yを覆い体底面20の縁部20Yに、それぞれ係止させるようにしている(図2及び図3参照)。
【0017】
従って、上述した包装体P及び包装体の包装方法によれば、覆い体2と収納部1とによりブック型容器を構成し、包装紙4の一方の端部の折り返し部位4Xを覆い体2の覆い体開口部21の縁部21Xに、包装紙4の他方の端部の折り返し部位4Yを覆い体2の覆い体底面20の縁部20Yに、それぞれ係止させるという簡易な手段で包装体Pを得ることができ、また、覆い体2と収納部1とで構成されたブック型容器をそのまま、つまり、共用して、例えば、うさぎのデザインの包装紙4からハートのデザインの包装紙4(図8参照)に取り替えるだけで種類の異なる包装体Pを容易に、しかも、経済的に包装体Pを得ることができる等の効果を奏する。
【0018】
なお、包装紙4の一方の端部の折り返し部位4Xを覆い体2の覆い体開口部21の縁部21Xに、包装紙4の他方の端部の折り返し部位4Yを覆い体2の覆い体底面20の縁部20Yに、それぞれ係止させただけでは、覆い体2による収納部1の開口部1aの覆いの保持が不十分となる場合がある。
かかる場合の対処として、図9に示す環状体5を用いる。
即ち、包装紙4の覆い体底面20に対応する部位は、図3に示すように、包装紙底面4Aであり、包装紙4の覆い体第4の面24に対応する部位は包装紙第4の面4Bであり、包装紙4の覆い体開口部21に対応する部位は包装紙開口部4Cである。
そして、幅より長手方向に長い帯状体を環状に形成した環状体5は、図9に示すように、包装紙底面4A、包装紙第4の面4B及び包装紙開口部4Cに当接して包装紙4を横断するように設けたものである。
その結果、環状体5によって、覆い体2による収納部1の開口部1aの覆いを保持するようにすることができる。
【符号の説明】
【0019】
P 包装体
1 収納部
1a 開口部
2 覆い体
4 包装紙
4X 折り返し部位
4Y 折り返し部位
20Y 縁部
21X 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部を有し、内部が凹状となって、内容物を収納する収納部とを備え、
この収納部の外形は、底面と、この底面より立設すると共に、時計回りに、順次、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面で構成され、
前記第1の面の一方の端部は、前記第4の面の一方の端部を超えた円弧状の第1の円弧状部を備え、
前記第3の面の一方の端部は、前記第4の面の他方の端部を超えた円弧状の第2の円弧状部を備え、この第2の円弧状部と前記第1の円弧状部とは、対向する位置にあり、
前記収納部に接着され、前記底面、前記第4の面及び前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉する覆い体を備え、
この覆い体の前記底面に対応する部位は覆い体底面で、該覆い体底面は前記底面より大きく、
前記覆い体の前記第4の面に対応する部位は覆い体第4の面で、該覆い体第4の面は前記第1の円弧状部及び前記第2の円弧状部の外周に当接して曲面を形成し、
前記覆い体の前記開口部に対応する部位は覆い体開口部で、該覆い体開口部は前記開口部より大きく、
前記覆い体を覆い、デザインが施された矩形形状の包装紙を有し、該包装紙の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、前記包装紙の一方の端部の折り返し部位を前記覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を前記覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させる
ことを特徴とする包装体。
【請求項2】
包装紙の覆い体底面に対応する部位は包装紙底面であり、
前記包装紙の覆い体第4の面に対応する部位は包装紙第4の面であり、
前記包装紙の覆い体開口部に対応する部位は包装紙開口部であり、
前記包装紙底面、前記包装紙第4の面及び前記包装紙開口部に当接して前記包装紙を横断すると共に、幅より長手方向に長い帯状体を環状に形成した環状体で、覆い体による収納部の開口部の覆いを保持するようにした
ことを特徴とする請求項1記載の包装体。
【請求項3】
外形が略直方体形状であって、上面が開口した開口部を有し、内部が凹状となって、内容物を収納する収納部とを備え、
この収納部の外形は、底面と、この底面より立設すると共に、時計回りに、順次、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面で構成され、
前記第1の面の一方の端部は、前記第4の面の一方の端部を超えた円弧状の第1の円弧状部を備え、
前記第3の面の一方の端部は、前記第4の面の他方の端部を超えた円弧状の第2の円弧状部を備え、この第2の円弧状部と前記第1の円弧状部とは、対向する位置にあり、
前記収納部に接着され、前記底面、前記第4の面及び前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉する覆い体を備え、
この覆い体の前記底面に対応する部位は覆い体底面で、該覆い体底面は前記底面より大きいものであり、
前記覆い体の前記第4の面に対応する部位は覆い体第4の面で、該覆い体第4の面は前記第1の円弧状部及び前記第2の円弧状部の外周に当接して曲面を形成し、
前記覆い体の前記開口部に対応する部位は覆い体開口部で、該覆い体開口部は前記開口部より大きいものであり、
前記収納部と前記覆い体を共用して、種類の異なる包装紙で前記覆い体を覆う包装体の包装方法であって、
前記包装紙は、前記覆い体を覆い、デザインが施された矩形形状であって、該包装紙の短い側の一方の端部と他方の端部はそれぞれ折り返され、前記包装紙の一方の端部の折り返し部位を前記覆い体開口部の縁部に、前記包装紙の他方の端部の折り返し部位を前記覆い体底面の縁部に、それぞれ係止させる
ことを特徴とする包装体の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−63299(P2011−63299A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216492(P2009−216492)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(305020963)ちきり清水商店株式会社 (1)
【Fターム(参考)】