包装具
【課題】複数個の製品をワンタッチでしかも見栄え良くまとめて販売状態にすること。
【解決手段】熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分11と、そのキャップ部分11の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分12〜15とで構成され、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられている。一方の包装具におけるキャップ部分に複数個の製品を並べてセットすることでその製品群の下側を固定し、他方の包装具におけるキャップ部分を製品群にかぶせるようにセットして上側も固定する。その際、製品群のサイズに合わせてそれぞれのフラップ部分を切り取るか或いは内側に折り込むが、折り込んだフラップ部分についてはそのテーパーにより隙間が埋められるので、サイズ違いに対応してしっかりと固定することができる。
【解決手段】熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分11と、そのキャップ部分11の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分12〜15とで構成され、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられている。一方の包装具におけるキャップ部分に複数個の製品を並べてセットすることでその製品群の下側を固定し、他方の包装具におけるキャップ部分を製品群にかぶせるようにセットして上側も固定する。その際、製品群のサイズに合わせてそれぞれのフラップ部分を切り取るか或いは内側に折り込むが、折り込んだフラップ部分についてはそのテーパーにより隙間が埋められるので、サイズ違いに対応してしっかりと固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコパッケージを始めとして、菓子類や雑貨類の包装箱などの各種製品を複数個まとめて販売形態とするための包装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばタバコについてみると、その販売形態としては、店頭で1箱ずつ消費者に手渡すか、消費者自身が自動販売機で1箱ずつ購入するのが一般的であるが、店頭における販売促進を目的として、例えば2〜3個をまとめて束ねたものを販売するか、ライター等の景品を付けたものを販売することも同時に行われている。そして、タバコ以外の菓子類や雑貨類で包装箱に入った各種製品についても、販売促進の一環として同様なことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3111514号公報
【特許文献2】特開平8−295365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タバコをまとめ買いする消費者にとっては、2〜3個では少ないし、10個入りのカートンでは多すぎて嵩張ることから、その中間の5個程度であると買いやすいということがある。そこで、そのような要望に応えるため、販売店にて、タバコパッケージを5個程度まとめてテープやフィルムで束ねるようにしている。しかしながら、5個程度をまとめてテープやフィルムで束ねて販売状態にするという作業は面倒であり、束ねたものの見栄えも悪いという問題がある。また、束ねたものは個数が増えて価格が高くなるため、個々のタバコパッケージに付いたバーコードを隠す必要があり、このために隠蔽用のシールを貼るなどの作業も加わることになる。さらに、まとめ買いの景品としてライター等を付けるとなると、その景品をテープで巻き付けるなどの方法しかなく、この作業に手間がかかるし、見た目も悪くなるという問題がある。このような問題は、タバコパッケージに限らず、菓子類や雑貨類が包装箱に入った各種製品を複数個まとめて販売する場合にも同じことが言える。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数個の製品をワンタッチでしかも見栄え良くまとめて販売状態にすることができる包装具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の包装具は、複数個並べた製品群の両側をそれぞれキャップ状に覆って束ねるための包装具であって、熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分と、そのキャップ部分の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分とで構成され、各フラップ部分はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の包装具は、これを2つ準備して使用する。そして、一方の包装具におけるキャップ部分に複数個の製品を並べてセットすることでその製品群の下側を固定し、次いで他方の包装具におけるキャップ部分を製品群にかぶせるようにセットして上側も固定する。その際、製品群のサイズに合わせてそれぞれのフラップ部分を切り取るか或いは内側に折り込むが、折り込んだフラップ部分についてはそのテーパーにより隙間が埋められるので、サイズ違いに対応してしっかりと固定することができる。
【0008】
また、本発明の包装具において、キャップ部分の底板部に、外方に突き出た収納室が設けられているとよい。この構造の包装具を少なくとも一方に用い、収納室に景品を入れておくことにより、景品を付けた販売形態にすることができる。
【0009】
また、本発明の包装具において、収納する製品に付いたバーコードの位置に対応させてキャップ部分に任意形状の凹凸からなる隠蔽領域が設けられているとよい。この構造の包装具を用いれば、包装具により製品群をまとめるだけで個別製品のバーコードを隠すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装具によれば、複数個の製品をワンタッチでしかも見栄え良くまとめて販売状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る包装具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る包装具の別の例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す包装具の平面図である。
【図4】図1に示す包装具を長辺側から見た側面図である。
【図5】図1に示す包装具を短辺側から見た側面図である。
【図6】図2に示す包装具の平面図である。
【図7】図2に示す包装具を長辺側から見た側面図である。
【図8】図2に示す包装具を短辺側から見た側面図である。
【図9】図1と図2に示す包装具を使用してタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図10】図9に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【図11】図1と図2に示す包装具を使用して異なるサイズのタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図12】図11に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【図13】図1と図2に示す包装具を使用してさらに異なるサイズのタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図14】図13に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1,2はそれぞれ本発明に係る包装具の一例を示す斜視図であり、これらは5個のタバコパッケージをまとめる際にペアで使用されるものである。
【0014】
図1の包装具10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製されたもので、保形性と柔軟性とを兼ね備えた薄手の透明シートからなり、図3〜図5にも示すように、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分11と、そのキャップ部分11の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線cであるミシン目を介して連設された4枚のフラップ部分12〜15とで構成されている。
【0015】
包装具10の各フラップ部分12〜15はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分12〜15には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部12a〜15aが設けられている。そして、この包装具10では、図示の如く、キャップ部分11における長辺側の一方の側板部に、シール貼付領域を残して網目状の凹凸からなる隠蔽領域αが形成されている。なお、包装具10が真空成形品であるため、キャップ部分11は、側板部が隣接する各コーナーに丸みのある形状になっている。
【0016】
図2の包装具20は、図1の包装具10と同様、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製されたもので、保形性と柔軟性とを兼ね備えた薄手の透明シートからなり、後述の収納室26以外は図1の包装具10と同じサイズであって、図6〜8にも示すように、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分21と、そのキャップ部分21の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線cであるミシン目を介して連設された4枚のフラップ部分22〜25とで構成されている。
【0017】
包装具20の各フラップ部分22〜25はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分22〜25には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部22a〜25aが設けられている。そして、この包装具20では、図示の如く、キャップ部分21における底板部のところに外方に突き出た収納室26が設けられている。図示の例ではライターを景品として付けるため、包装具20の収納室26はそのライターの形に合わせて成形されている。なお、この包装具20も真空成形品であるため、キャップ部分21は、側板部が隣接する各コーナーに丸みのある形状になっている。
【0018】
次に、図1及び図2に示す包装具10,20の使用方法について説明する。ここで、タバコパッケージの種類は、大きく分けて、スリムタイプ、BOXタイプ、ソフトタイプの3つがあり、それらの大きさは少しずつ異なっているが、包装具10,20は、これらの何れにも対応できるようになっている。
【0019】
図9及び図10は、3タイプのうち最も細いスリムタイプのタバコパッケージP1 を5個まとめる手順を示している。
【0020】
まず、下側パーツとして包装具10を準備し、隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12をまず最初に内側に折り込んでおく。このように二重にすることで、個別のタバコパッケージのバーコードをさらに読み難くする意味がある。そして、図9(a)に示すように、包装具10における残り3つのフラップ部分13〜15を内側に折り込んでから、図9(b)に示すように、隠蔽領域αのある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP1 を並べてセットする。このとき、4つのフラップ部分12〜15を折り込んであり、しかも各フラップ部分12〜15にはそれぞれ膨出部12a〜15aがあるので、スリムタイプのタバコパッケージP1 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に隙間なくセットすることができる。
【0021】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、図9(c)に示すように、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れるとともに、4つのフラップ部分22〜25を内側に折り込んでから、図9(d)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、4つのフラップ部分22〜25を折り込んであり、しかも各フラップ部分22〜25にはそれぞれ膨出部22a〜25aがあるので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだスリムタイプのタバコパッケージP1 に対して隙間なくセットすることができる。
【0022】
このようにして5個のタバコパッケージP1 を上下からしっかりと固定した後、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS1 を銘柄に合わせて貼ることにより、図10に示すような店頭に並べる形態とする。なお、ここでいう商品コードシールは、各種タバコパッケージを5個まとめたパッケージ群の情報を印刷したものであり、包装具10,20とともに準備されるものである。
【0023】
図11及び図12は、3タイプのうち最も太いBOXタイプのタバコパッケージP2 を5個まとめる手順を示している。
【0024】
この場合も、下側パーツとして包装具10を準備し、その包装具10において隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12を内側に折り込んでおく。そして、図11(a)に示すように、残り3つのフラップ部分13〜15は折り込まないで、隠蔽領域αのある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP2 を並べてセットする。このとき、フラップ部分12を折り込んであるが、折り込んだフラップ部分はこれひとつだけなので、BOXタイプのタバコパッケージP2 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に少し押し込むようにはなるが隙間なくセットすることができる。
【0025】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れてから、図11(b)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、フラップ部分22〜25を折り込んでいないので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだBOXタイプのタバコパッケージP2 に対して隙間なくセットすることができる。
【0026】
このようにして5個のタバコパッケージP2 を上下からしっかりと固定した後、図11(c)に示すように、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS2 を銘柄に合わせて貼るとともに、不要なフラップ部分である包装具10のフラップ部分12〜15と包装具20のフラップ部分23〜25を切り取ることで、図12に示すような店頭に並べる形態とする。
【0027】
図13及び図14は、スリムタイプとBOXタイプの中間サイズであるソフトタイプのタバコパッケージP3 を5個まとめる手順を示している。
【0028】
この場合も、下側パーツとして包装具10を準備し、その包装具10において隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12を内側に折り込んでおく。そして、図13(a)に示すように、包装具10に短辺側の1つのフラップ部分14だけを内側に折り込んでから、図13(b)に示すように、隠蔽領域αがある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP3 を並べてセットする。このとき、長辺側と短辺側のフラップ部分12,14を一つずつ折り込んであり、しかも各フラップ12,14部分にはそれぞれ膨出部12a,14aがあるので、ソフトタイプのタバコパッケージP3 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に隙間なくセットすることができる。
【0029】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、図13(c)に示すように、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れるとともに、下側パーツの包装具10において折り込まれたフラップ部分12,14に対応する2つのフラップ22,25部分だけを内側に折り込んでから、図13(d)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、長辺側と短辺側のフラップ22,25部分を折り込んであり、しかも各フラップ部分22,25にはそれぞれ膨出部22a,25aがあるので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだソフトタイプのタバコパッケージP3 に対して隙間なくセットすることができる。
【0030】
このようにして5個のタバコパッケージP3 を上下からしっかりと固定した後、図13(e)に示すように、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS3 を銘柄に合わせて貼るとともに、不要なフラップ部分である包装具10のフラップ部分13,15と包装具20のフラップ部分23,24を切り取ることで、図14に示すような店頭に並べる形態とする。
【0031】
以上、1つの具体例を挙げて本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による包装具は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0032】
例えば、上記の例では、素材がPETからなるプラスチックシートの場合を例に挙げたが、塩化ビニル、ポリエチレン等、他の素材のプラスチックシートを使用することもできる。ただ、リサイクル等の環境問題の観点からPETを用いることが好ましい。
【0033】
また、上記の例では、包装具におけるキャップ部分とフラップ部分との間の切取り線を切取りが可能なミシン目としたが、手で簡単に切り取ることができさえすればハーフカットでも構わない。
【0034】
また、上記の例では、包装具10,20の2種類の包装具を使用し、それぞれを上側パーツと下側パーツに用いたが、簡便なものとしては、1種類の包装具だけを準備しておき、これを束ねる製品群の両側にセットすることも可能である。
【0035】
また、上記の例では、景品としてライターを付けるようにしたが、収納室を設けてこのような景品を付けることは必ずしも必要ではないし、タバコパッケージのバーコードを隠すための隠蔽領域を形成することも必ずしも必要ではない。景品を付ける場合は、ライターの他に、キーホルダーやアクセサリーなどの小物を始めとして種々のものが挙げられ、製品の種類やアイデアに応じて適宜決められるものであって特に限定はない。そして、その景品の形状に対応して収納室における膨出部分の形状も適宜決めればよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の包装具は、上記したようなタバコパッケージを複数個まとめるのに用いられるほか、菓子類や雑貨類の包装箱などの各種製品を複数個まとめて販売形態とする場合にも用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 包装具
11 キャップ部分
12〜15 フラップ部分
12a〜15a 膨出部
20 包装具
21 キャップ部分
22〜25 フラップ部分
22a〜25a 膨出部
26 収納室
α 隠蔽領域
c 切取り線
L ライター
P1 ,P2 ,P3 タバコパッケージ
S1 ,S2 ,S3 商品コードシール
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコパッケージを始めとして、菓子類や雑貨類の包装箱などの各種製品を複数個まとめて販売形態とするための包装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばタバコについてみると、その販売形態としては、店頭で1箱ずつ消費者に手渡すか、消費者自身が自動販売機で1箱ずつ購入するのが一般的であるが、店頭における販売促進を目的として、例えば2〜3個をまとめて束ねたものを販売するか、ライター等の景品を付けたものを販売することも同時に行われている。そして、タバコ以外の菓子類や雑貨類で包装箱に入った各種製品についても、販売促進の一環として同様なことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3111514号公報
【特許文献2】特開平8−295365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タバコをまとめ買いする消費者にとっては、2〜3個では少ないし、10個入りのカートンでは多すぎて嵩張ることから、その中間の5個程度であると買いやすいということがある。そこで、そのような要望に応えるため、販売店にて、タバコパッケージを5個程度まとめてテープやフィルムで束ねるようにしている。しかしながら、5個程度をまとめてテープやフィルムで束ねて販売状態にするという作業は面倒であり、束ねたものの見栄えも悪いという問題がある。また、束ねたものは個数が増えて価格が高くなるため、個々のタバコパッケージに付いたバーコードを隠す必要があり、このために隠蔽用のシールを貼るなどの作業も加わることになる。さらに、まとめ買いの景品としてライター等を付けるとなると、その景品をテープで巻き付けるなどの方法しかなく、この作業に手間がかかるし、見た目も悪くなるという問題がある。このような問題は、タバコパッケージに限らず、菓子類や雑貨類が包装箱に入った各種製品を複数個まとめて販売する場合にも同じことが言える。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数個の製品をワンタッチでしかも見栄え良くまとめて販売状態にすることができる包装具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の包装具は、複数個並べた製品群の両側をそれぞれキャップ状に覆って束ねるための包装具であって、熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分と、そのキャップ部分の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分とで構成され、各フラップ部分はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の包装具は、これを2つ準備して使用する。そして、一方の包装具におけるキャップ部分に複数個の製品を並べてセットすることでその製品群の下側を固定し、次いで他方の包装具におけるキャップ部分を製品群にかぶせるようにセットして上側も固定する。その際、製品群のサイズに合わせてそれぞれのフラップ部分を切り取るか或いは内側に折り込むが、折り込んだフラップ部分についてはそのテーパーにより隙間が埋められるので、サイズ違いに対応してしっかりと固定することができる。
【0008】
また、本発明の包装具において、キャップ部分の底板部に、外方に突き出た収納室が設けられているとよい。この構造の包装具を少なくとも一方に用い、収納室に景品を入れておくことにより、景品を付けた販売形態にすることができる。
【0009】
また、本発明の包装具において、収納する製品に付いたバーコードの位置に対応させてキャップ部分に任意形状の凹凸からなる隠蔽領域が設けられているとよい。この構造の包装具を用いれば、包装具により製品群をまとめるだけで個別製品のバーコードを隠すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装具によれば、複数個の製品をワンタッチでしかも見栄え良くまとめて販売状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る包装具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る包装具の別の例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す包装具の平面図である。
【図4】図1に示す包装具を長辺側から見た側面図である。
【図5】図1に示す包装具を短辺側から見た側面図である。
【図6】図2に示す包装具の平面図である。
【図7】図2に示す包装具を長辺側から見た側面図である。
【図8】図2に示す包装具を短辺側から見た側面図である。
【図9】図1と図2に示す包装具を使用してタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図10】図9に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【図11】図1と図2に示す包装具を使用して異なるサイズのタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図12】図11に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【図13】図1と図2に示す包装具を使用してさらに異なるサイズのタバコパッケージをまとめる手順を示す説明図である。
【図14】図13に示す手順でまとめたタバコパッケージ群の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1,2はそれぞれ本発明に係る包装具の一例を示す斜視図であり、これらは5個のタバコパッケージをまとめる際にペアで使用されるものである。
【0014】
図1の包装具10は、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製されたもので、保形性と柔軟性とを兼ね備えた薄手の透明シートからなり、図3〜図5にも示すように、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分11と、そのキャップ部分11の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線cであるミシン目を介して連設された4枚のフラップ部分12〜15とで構成されている。
【0015】
包装具10の各フラップ部分12〜15はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分12〜15には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部12a〜15aが設けられている。そして、この包装具10では、図示の如く、キャップ部分11における長辺側の一方の側板部に、シール貼付領域を残して網目状の凹凸からなる隠蔽領域αが形成されている。なお、包装具10が真空成形品であるため、キャップ部分11は、側板部が隣接する各コーナーに丸みのある形状になっている。
【0016】
図2の包装具20は、図1の包装具10と同様、素材がPETからなるプラスチックシートを真空成形して作製されたもので、保形性と柔軟性とを兼ね備えた薄手の透明シートからなり、後述の収納室26以外は図1の包装具10と同じサイズであって、図6〜8にも示すように、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分21と、そのキャップ部分21の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線cであるミシン目を介して連設された4枚のフラップ部分22〜25とで構成されている。
【0017】
包装具20の各フラップ部分22〜25はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分22〜25には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部22a〜25aが設けられている。そして、この包装具20では、図示の如く、キャップ部分21における底板部のところに外方に突き出た収納室26が設けられている。図示の例ではライターを景品として付けるため、包装具20の収納室26はそのライターの形に合わせて成形されている。なお、この包装具20も真空成形品であるため、キャップ部分21は、側板部が隣接する各コーナーに丸みのある形状になっている。
【0018】
次に、図1及び図2に示す包装具10,20の使用方法について説明する。ここで、タバコパッケージの種類は、大きく分けて、スリムタイプ、BOXタイプ、ソフトタイプの3つがあり、それらの大きさは少しずつ異なっているが、包装具10,20は、これらの何れにも対応できるようになっている。
【0019】
図9及び図10は、3タイプのうち最も細いスリムタイプのタバコパッケージP1 を5個まとめる手順を示している。
【0020】
まず、下側パーツとして包装具10を準備し、隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12をまず最初に内側に折り込んでおく。このように二重にすることで、個別のタバコパッケージのバーコードをさらに読み難くする意味がある。そして、図9(a)に示すように、包装具10における残り3つのフラップ部分13〜15を内側に折り込んでから、図9(b)に示すように、隠蔽領域αのある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP1 を並べてセットする。このとき、4つのフラップ部分12〜15を折り込んであり、しかも各フラップ部分12〜15にはそれぞれ膨出部12a〜15aがあるので、スリムタイプのタバコパッケージP1 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に隙間なくセットすることができる。
【0021】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、図9(c)に示すように、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れるとともに、4つのフラップ部分22〜25を内側に折り込んでから、図9(d)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、4つのフラップ部分22〜25を折り込んであり、しかも各フラップ部分22〜25にはそれぞれ膨出部22a〜25aがあるので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだスリムタイプのタバコパッケージP1 に対して隙間なくセットすることができる。
【0022】
このようにして5個のタバコパッケージP1 を上下からしっかりと固定した後、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS1 を銘柄に合わせて貼ることにより、図10に示すような店頭に並べる形態とする。なお、ここでいう商品コードシールは、各種タバコパッケージを5個まとめたパッケージ群の情報を印刷したものであり、包装具10,20とともに準備されるものである。
【0023】
図11及び図12は、3タイプのうち最も太いBOXタイプのタバコパッケージP2 を5個まとめる手順を示している。
【0024】
この場合も、下側パーツとして包装具10を準備し、その包装具10において隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12を内側に折り込んでおく。そして、図11(a)に示すように、残り3つのフラップ部分13〜15は折り込まないで、隠蔽領域αのある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP2 を並べてセットする。このとき、フラップ部分12を折り込んであるが、折り込んだフラップ部分はこれひとつだけなので、BOXタイプのタバコパッケージP2 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に少し押し込むようにはなるが隙間なくセットすることができる。
【0025】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れてから、図11(b)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、フラップ部分22〜25を折り込んでいないので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだBOXタイプのタバコパッケージP2 に対して隙間なくセットすることができる。
【0026】
このようにして5個のタバコパッケージP2 を上下からしっかりと固定した後、図11(c)に示すように、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS2 を銘柄に合わせて貼るとともに、不要なフラップ部分である包装具10のフラップ部分12〜15と包装具20のフラップ部分23〜25を切り取ることで、図12に示すような店頭に並べる形態とする。
【0027】
図13及び図14は、スリムタイプとBOXタイプの中間サイズであるソフトタイプのタバコパッケージP3 を5個まとめる手順を示している。
【0028】
この場合も、下側パーツとして包装具10を準備し、その包装具10において隠蔽領域αのある側板部に連設するフラップ部分12を内側に折り込んでおく。そして、図13(a)に示すように、包装具10に短辺側の1つのフラップ部分14だけを内側に折り込んでから、図13(b)に示すように、隠蔽領域αがある側にバーコードがくるようにしてキャップ部分11に5個のタバコパッケージP3 を並べてセットする。このとき、長辺側と短辺側のフラップ部分12,14を一つずつ折り込んであり、しかも各フラップ12,14部分にはそれぞれ膨出部12a,14aがあるので、ソフトタイプのタバコパッケージP3 は5個並べた状態で包装具10のキャップ部分11に隙間なくセットすることができる。
【0029】
次いで、上側パーツとしてもう一方の包装具20を準備し、図13(c)に示すように、その収納室26にライターLを正面が上を向くようにして入れるとともに、下側パーツの包装具10において折り込まれたフラップ部分12,14に対応する2つのフラップ22,25部分だけを内側に折り込んでから、図13(d)に示すように、キャップ部分21をパッケージ群に被せるようにしてセットする。このとき、長辺側と短辺側のフラップ22,25部分を折り込んであり、しかも各フラップ部分22,25にはそれぞれ膨出部22a,25aがあるので、包装具20はそのキャップ部分21を5個並んだソフトタイプのタバコパッケージP3 に対して隙間なくセットすることができる。
【0030】
このようにして5個のタバコパッケージP3 を上下からしっかりと固定した後、図13(e)に示すように、下側パーツの包装具20におけるシール貼付領域に、商品コードシールS3 を銘柄に合わせて貼るとともに、不要なフラップ部分である包装具10のフラップ部分13,15と包装具20のフラップ部分23,24を切り取ることで、図14に示すような店頭に並べる形態とする。
【0031】
以上、1つの具体例を挙げて本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による包装具は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0032】
例えば、上記の例では、素材がPETからなるプラスチックシートの場合を例に挙げたが、塩化ビニル、ポリエチレン等、他の素材のプラスチックシートを使用することもできる。ただ、リサイクル等の環境問題の観点からPETを用いることが好ましい。
【0033】
また、上記の例では、包装具におけるキャップ部分とフラップ部分との間の切取り線を切取りが可能なミシン目としたが、手で簡単に切り取ることができさえすればハーフカットでも構わない。
【0034】
また、上記の例では、包装具10,20の2種類の包装具を使用し、それぞれを上側パーツと下側パーツに用いたが、簡便なものとしては、1種類の包装具だけを準備しておき、これを束ねる製品群の両側にセットすることも可能である。
【0035】
また、上記の例では、景品としてライターを付けるようにしたが、収納室を設けてこのような景品を付けることは必ずしも必要ではないし、タバコパッケージのバーコードを隠すための隠蔽領域を形成することも必ずしも必要ではない。景品を付ける場合は、ライターの他に、キーホルダーやアクセサリーなどの小物を始めとして種々のものが挙げられ、製品の種類やアイデアに応じて適宜決められるものであって特に限定はない。そして、その景品の形状に対応して収納室における膨出部分の形状も適宜決めればよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の包装具は、上記したようなタバコパッケージを複数個まとめるのに用いられるほか、菓子類や雑貨類の包装箱などの各種製品を複数個まとめて販売形態とする場合にも用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 包装具
11 キャップ部分
12〜15 フラップ部分
12a〜15a 膨出部
20 包装具
21 キャップ部分
22〜25 フラップ部分
22a〜25a 膨出部
26 収納室
α 隠蔽領域
c 切取り線
L ライター
P1 ,P2 ,P3 タバコパッケージ
S1 ,S2 ,S3 商品コードシール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個並べた製品群の両側をそれぞれキャップ状に覆って束ねるための包装具であって、熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分と、そのキャップ部分の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分とで構成され、各フラップ部分はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられていることを特徴とする包装具。
【請求項2】
キャップ部分の底板部に、外方に突き出た収納室が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装具。
【請求項3】
収納する製品に付いたバーコードの位置に対応させてキャップ部分に任意形状の凹凸からなる隠蔽領域が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装具。
【請求項1】
複数個並べた製品群の両側をそれぞれキャップ状に覆って束ねるための包装具であって、熱可塑性プラスチックシートの真空成形品からなり、矩形状の底板部とその周囲4辺の側板部とからなるキャップ部分と、そのキャップ部分の開口縁における各辺にそれぞれ切取り線を介して連設された4枚のフラップ部分とで構成され、各フラップ部分はそれに対応する側板部より小さなサイズであり、各フラップ部分には先端に向かって大きくなるテーパーの付いた膨出部が設けられていることを特徴とする包装具。
【請求項2】
キャップ部分の底板部に、外方に突き出た収納室が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装具。
【請求項3】
収納する製品に付いたバーコードの位置に対応させてキャップ部分に任意形状の凹凸からなる隠蔽領域が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−6609(P2012−6609A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142284(P2010−142284)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(506086247)株式会社東台容器 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(506086247)株式会社東台容器 (2)
【Fターム(参考)】
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