説明

包装材および包装材原反

【課題】
物品を包装した際に自立性を有することで、商品表示等の視認性を高めた包装材および包装材原反を提供することを課題とする。
【解決手段】
物品を包むべく面状に形成されたフィルム本体1を備え、物品Gを包み込むようにフィルム本体1を一方向に折り曲げて重なり合う端部同士をシールすることにより、物品Gを包装する包装材であって、前記一方向に対して略直交する他方向に延びる脚用帯部2をフィルム本体1の一方の面側に備え、該脚用帯部2は、一方向に間隔を空けて少なくとも2本並列に設けられ、少なくとも物品Gを包装した状態で、各脚用帯部2が起立するように構成ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物品の包装に使用される包装材および包装材原反に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を包装する包装材として、物品を包むべく面状に形成された一枚のフィルムで構成されたものがある。かかる包装材は、物品を包み込むようにフィルムが折り曲げられて重なり合う両端部同士をシールするとともに、両側端部をシール閉塞するように構成されており、物品を包装した状態で、物品を介して向かい合う一対の壁部と、該一対の壁部の端部を連結する連結部とが形成される。
【0003】
前記包装材は、一枚のフィルムで構成されているため、種々の形態の包装に採用され、例えば、物品を包み込むようにフィルムを二つ折りにして重なり合う端部同士をシール(いわゆる、三方シール)して物品を包装する包装形態や、物品を包み込むようにフィルムを三つ折りにして重なり合う両端部同士をシールし、両端部同士をシールしたシール部が、両側端部のシール閉塞部の中央部に位置するようにしたピロー包装形態等に採用される(例えば、特許文献1参照)。かかる包装形態によると、様々な形状の物品を包装できるのに加え、長尺なフィルム(包装材の連続体)を用いることで複数の物品に対する包装を連続的に行うことができる。
【0004】
また、前記連結部が一対の壁部の内側に向かってV字状に折り込まれ、連結部と一対の壁部との境界近傍が所定幅でシールされた包装材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
かかる包装材によると、V字状に折り込まれた連結部がマチ構造となり、様々な物品の厚みに対応することができる。また、連結部と一対の壁部との境界近傍が所定幅でシールされることで表面に張りが生まれ、意匠性に優れた外観を得ることができる。
【特許文献1】特開2007−8512号公報
【特許文献2】特開2000−62795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように、従来の包装材は、何れも物品を包装した状態で自立性を発揮するものではなく、寝かせた状態(壁部を上下にした状態)で商品を店頭に陳列しなければならない。このため、製品表示等が見難くなって商品のアピール性が乏しくなる。
【0007】
そこで、本発明は、物品を包装した際に自立性を有することで、商品表示等の視認性を高めた包装材および包装材原反を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包装材は、物品を包むべく面状に形成されたフィルム本体を備え、物品を包み込むようにフィルム本体を一方向に折り曲げて重なり合う端部同士をシールすることにより、物品を包装する包装材であって、前記一方向に対して略直交する他方向に延びる脚用帯部をフィルム本体の一方の面側に備え、該脚用帯部は、一方向に間隔を空けて少なくとも2本並列に設けられ、少なくとも物品を包装した状態で、各脚用帯部が起立するように構成されることを特徴とする。
【0009】
なお、ここで「脚用帯部が起立する」とは、物品を包装した状態で脚用帯部の延出方向が陳列時の設置対象となる設置面に対して交差する方向(好ましくは、直角又は略直角)となる状態を意味し、単に物品を包装し、店頭(設置面)に脚状帯部が設置される前の状態を意図する。すなわち、店頭に陳列するにあたって荷重を受ける状態で脚用帯部に剛性を発揮させた状態を意味する。
【0010】
上記構成の包装材によれば、間隔を空けて少なくとも2本並列に設けられる脚用帯部が、少なくとも物品を包装した状態で起立するので、物品を包装した状態で脚用帯部の剛性を高めることができる。これにより、剛性の高まった脚用帯部で物品を内包するフィルム本体を確実且つ安定して支えることができ、自立した包装形態を得ることができる。
【0011】
前記脚用帯部は、フィルム本体の前記一方の面から少なくともその一部が延出するように設けられることが好ましい。
【0012】
上記構成の包装材によれば、脚用帯部が、少なくとも物品を包装した状態でフィルム本体から起立するので、物品を包装した状態で脚用帯部の剛性を高めることができる。これにより、剛性の高まった脚用帯部で物品を内包するフィルム本体を確実且つ安定して支えることができ、自立した包装形態を得ることができる。
【0013】
本発明の一態様として、前記脚用帯部は、一枚のフィルムが一方の面側に向かって突出するようにその一部が折り曲げられ、その突出部分が所定幅でシールされることによって形成されると共に、脚用帯部以外の領域のフィルムでフィルム本体が形成されることが好ましい。上記構成の包装材によれば、脚用帯部を備える包装材を1枚のフィルムから製造することができるのに加え、フィルムがシールされることによって、より剛性を高めた脚用帯部を形成することができる。
【0014】
本発明の他態様としては、前記フィルム本体は、脚用帯部間の領域が、他方向に延びる稜線を形成して他方の面側に向かって突出するようにV字状に折り曲げられていることが好ましい。上記構成の包装材によれば、脚用帯部間の領域のフィルム本体がマチ構造となり、該マチ構造が物品の厚みに対応して広がることができるので、様々な物品の厚みに対応した包装形態を得ることができる。
【0015】
本発明の別の態様としては、前記フィルム本体の一方向の両端部のうち、少なくとも一方の端部に他方向に延びるように帯状の補助フィルムが配設されることが好ましい。上記構成の包装材によれば、一方の端部に所定幅の補助フィルムが配設されているので、開封時に補助フィルムに沿ってフィルム本体を切断することができる。
【0016】
本発明のさらに別の態様として、前記脚用帯部は、複数対設けられると共に、各対の脚用帯部が他方向に延びるフィルム本体の中心線を基準として対称に設けられることが好ましい。上記構成の包装材によれば、物品を包むように折り曲げられた際、一方向(折り曲げ方向)の両端部同士がシールされたシール部が、物品を介して一方向に直交する他方向に延びるフィルム本体の中心線と対向する。このため、物品を介して対峙する一対の壁部に凹凸を形成することなく包装することができ、商品表示等の自由度を向上させた包装形態を得ることができる。
【0017】
本発明に係る包装材原反は、上記何れかの包装材を作製するための包装材原反であって、複数の包装材が脚用帯部の延びる方向に連なって長尺状に形成されていることを特徴とする。上記構成の包装材原反によれば、包装される物品の形状に合わせて包装材原反を切断することによって、複数の包装材を形成することができる。
【0018】
前記包装材原反は、その長手方向からロール状に巻き取られた巻取り原反であってもよい。また、前記巻取り原反の一方向(短手方向)の両端部に前記補助フィルムが配設されてもよい。上記構成においては、脚用帯部が設けられる領域の厚みと、両端部の厚みとが略均一となるので、長尺状の包装材原反を、ロール状に巻き取る際、巻取りの直進性がよく、安定して巻き取ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の包装材及び包装材原反は、物品を包装した際に自立性を有ることで、商品表示等の視認性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る包装材は、物品Gを包むべく面状に形成されたフィルム本体1と、フィルム本体1の一方の面側(物品Gを包装した際の外面側)に脚用帯部2とを備える。
【0022】
フィルム本体1は、全体として一枚のフィルムの如く形成されており、平面視四角形状に形成されている。該フィルム本体1は、包装する物品Gの形状や大きさに対応するように、平面視において長方形状、正方形状、あるいは台形状等の四角形状に形成されるが、本実施形態においては、平面視略長方形状に形成されており、物品Gを包装するときに、一方向(本実施形態においては短手方向)に折り曲げて包装の対象となる物品Gを包み込むことのできるサイズに設定されている。
【0023】
前記脚用帯部2は、上述の如く、前記一方向(フィルム本体1の短手方向)と直交する他方向(フィルム本体1の長手方向)に延びるようにフィルム本体1の一方の面側に設けられる。本実施形態では、前記フィルム本体1が長方形状に形成されているため、脚用帯部2は、短手方向の両端部に平行して長手方向に延びるよう設けられる。また、脚用帯部2は、一方向(フィルム本体1の短手方向)に間隔を空けて2本並列に設けられる。該2本の脚用帯部2は、他方向(フィルム本体1の長手方向)に延びるフィルム本体1の中心線CLを基準として対称に設けられる。また、脚用帯部2は、その長手方向に延びる一方の端部が、フィルム本体1の一方の面から延出するように設けられる。
【0024】
また、上記構成の包装材は、一枚のフィルムを曲げ加工することで形成される。より具体的に説明すると、本実施形態に係る包装材は、材料となる長方形状のフィルムの一部が、長手方向に延びる稜線を形成して一方の面側に向かって突出するように折り曲げられ、その突出した部分を所定幅でシールすることによって脚用帯部2が形成されると共に、それ以外の領域でフィルム本体1が形成される。
【0025】
すなわち、図1に示すように、該脚用帯部2は、長手方向に延びる稜線を境にして対向する一対の帯状片部9a,9bを形成するようにフィルムが部分的に山折りされ、該一対の帯状片部9a,9b同士をシールすることで形成されている。前記脚用帯部2は、該脚用帯部2の基端で(脚用帯部2とそれ以外のフィルムとの境界線を基点に)、材料としてのフィルムの長手方向に延びる中心線(包装材におけるフィルム本体1の中心線CLと対応する中心線)側に向かって折り曲げられる。これにより、フィルムの中心線側にある一方の帯状片部9aと、帯状片部9a,9bを介してフィルムの中心線と平行する一端側にある他方の帯状片部9bとが重なり合った状態で、一方の帯状片部9aが該基端に繋がる中心線側の領域(フィルム:以下、内側領域という)Xと重なり合う一方で、他方の帯状片部9bが該基端に繋がる領域(フィルム:以下、外側領域という)Yと略面一に連続した状態になる。前記外側領域Yは、材料としてのフィルムの長手方向に延びる中心線(包装材におけるフィルム本体1の中心線CLと対応する中心線)に対して対称な形状となっており、その外側領域Yには、包装の対象となる物品Gについての各種情報が印刷される。
【0026】
本実施形態において、図5に示す如く、前記一対の帯状片部9a,9bは、重なり合う一対の帯状片部9a,9bの対向面同士が略全域Aに亘ってシールされるとともに、一方の帯状片部9aと内側領域Xとが一方の帯状片部9aの基端側で所定幅(帯状片部9a,9bの幅よりも狭い幅)Bにシールされている。これにより、本実施形態においては、一方の帯状片部9aの先端側(稜線側)において該帯状片部9aと内側領域Xとがシールされていない領域が形成される結果、そのシールされていない領域に対応する部分の一対の帯状片部9a,9bが脚用帯部2の延出部分となっている。
【0027】
図1に戻り、前記フィルム本体1は、脚用帯部2間の領域の長手方向に延びる中心線CLに稜線を形成してフィルム本体1の他方の面側(物品を包装した際の内面側)に突出させるように折り曲げられる。これによって、脚用帯部2間の領域にマチ構造3が形成される。
【0028】
また、図2に示すように、フィルム本体1の他方の面側(物品を包装した際の内面側)の短手方向の両端部に、帯状の補助フィルム4が配設される。該補助フィルム4は、フィルム本体1の短手方向の両端に略平行となるように、長手方向の全長に亘って延びている。該帯状の補助フィルム4は、フィルム本体1と別体で構成されたものであり、フィルム本体1に対してヒートシール又は接着剤によって貼着される。各補助フィルム4は、開封時に、フィルム本体1の切断の妨げにならない幅に設定されている。
【0029】
本実施形態に係る包装材は、図示しないが、脚用帯部2の延びる方向に向かって脚用帯部2が連続するように複数の包装材が連なった長尺状の包装材原反から作製される。すなわち、上記構成の包装材は、長尺なフィルムを長手方向と直交する短手方向に部分的に曲げ加工して脚用帯部2となる長手方向に延びるヒダ部を形成した包装用原反を包装対象となる物品Gに対応する所定長さに切断することで作製される。なお、本実施形態に係る包装材には、補助フィルム4が設けられているので、包装用原反には、短手方向の両端部に補助フィルム4となる長尺な帯状フィルムが貼着されている。
【0030】
上記構成の包装材は、物品Gを包み込むようにフィルム本体1が一方向(フィルム本体1の短手方向)に折り曲げられて、フィルム本体1の短手方向の両端部同士が重なり合って重合部5となり、該重合部5がシールされると共に、フィルム本体1の長手方向の折り曲げられて重なり合った両側端部6がシール閉塞されて、物品Gを包装する。
【0031】
詳しくは、図3及び図4に示すように、前記包装材は、物品Gを包み込むようにフィルム本体1が脚用帯部2に沿って短手方向に折り曲げられ、前記補助フィルム4が対向するように短手方向の両端部同士が重なり合って重合部5となり、該重合部5がシールされると共に、重合部5に直交し互いに重なり合う両側端部6がシールされて閉塞される。これにより、該包装材は、脚用帯部2の両側にある外側領域Yが起立し、物品Gを介して対向する一対の壁部7となり、脚用帯部2間の領域が底(一対の壁部7を連結する連結部)となる。このようにフィルム本体1を曲げるに際し、脚用帯部2は、脚用帯部2間の領域の端縁に沿って起立し、2本の脚用帯部2の先端が脚用帯部2間の領域に略平行する同一平面上に位置する。本実施形態においては、脚用帯部2となる一対の帯状片部9a,9bのうち、一方の帯状片部9aと内側領域Xとが一方の帯状片部9aの基端側で所定幅(帯状片部9a、9bの幅よりも狭い幅)Bにシールされているため、当該部分の厚みが厚くなっており、フィルム本体1を一方向(短手方向)に曲げる(短手方向の両端を引き上げる)に際し、その厚みの厚くなった部分が外側領域Yの姿勢に追従する結果、その部分と連続する脚用帯部2が底となった領域(脚用帯部2間の領域)に対して起立した状態となる。すなわち、該包装材は、物品Gを包装した状態で脚用帯部2の延出方向が陳列時の設置対象となる設置面に対して交差する方向(直角又は略直角)となり、店頭に陳列するにあたって荷重を受ける状態で脚用帯部2に剛性を発揮させた状態となる。
【0032】
これにより、上記構成の包装材は、物品Gを包装した状態で脚用帯部2の剛性が高まり、脚用帯部2で物品を内包するフィルム本体1を確実且つ安定して支えることができる。従って、自立した包装形態を得ることができる。物品Gを包装した際に自立性を有ることで、壁部7(外側領域Y)に施した印刷(商品表示等)の視認性を高めることができる。
【0033】
以上のように本実施形態に係る包装材は、少なくとも物品Gを包装した状態で脚用帯部2が脚用帯部2間の領域の端縁に沿って起立することで、脚用帯部2の延びる方向に対する剛性が高まり、また、2本の脚用帯部の先端が脚用帯部2間の領域に略平行な同一平面上に位置することで、物品を内包するフィルム本体1を確実且つ安定して支えることができ、自立性を有する包装形態を得ることができる。
【0034】
本実施形態においては、脚用帯部2となる一対の帯状片部9a,9bのうち、一方の帯状片部9aと内側領域Xとが一方の帯状片部9aの基端側で所定幅(帯状片部9a、9bの幅よりも狭い幅)Bにシールされているため、当該部分の厚みが厚くなり、フィルム本体1を脚用帯部2に沿って曲げる(短手方向の両端を引き上げる)に際し、その厚みの厚くなった部分を、外側領域Yに追従させることができ、脚用帯部2を確実に起立状態にすることができる。さらに、厚みを厚くすることで、脚用帯部2の剛性だけでなく、脚用帯部2の付け根部近傍の剛性も高くなる。よって、より確実に且つ安定して物品を内包するフィルム本体1を支えることができるので、さらに自立性のよい包装形態を得ることができる。また、前記一対の帯状片部9a,9bは、フィルムが重なり合う領域を広く設けることができるので、包装材の巻取り原反を作製するにあたって、巻取り時の蛇行を防止して直進性を向上させることができる。
【0035】
脚用帯部2間の領域がマチ構造3となるように構成したので、物品Gを包装する際に物品の形状に対応して広がり、様々な物品の形状に対応した包装を行うことができる。また、脚用帯部2間の領域が物品を包装した際に底部8となることによって、底部8にマチ構造3を有する包装形態が得られるので、物品Gを包装した際に、マチ構造3が広がり、2本の脚用帯部2の間に間隔が生まれるので、自立性を有する包装形態を形成することができる。
【0036】
本実施形態の包装材は、前記外側領域Yがフィルム本体1の他方向(フィルム本体1の長手方向)に延びる中心線CLに対して対称な形状となっており、且つ、2本の脚用帯部2が中心線CLを基準として対称に設けられるので、物品Gを包み込むようにフィルム本体1を脚用帯部2に沿って曲げた(短手方向の両端を引き上げた)際に重なり合う短手方向の両端部(重合部5)が、長手方向に延びるフィルム本体1の中心線CLと物品Gを介して対向する。このため、物品Gを介して対峙する壁部7に凹凸が形成されず、壁部7に商品表示等がしやすくなり、製品を自立させて陳列した際の視認性を向上させることができる。
【0037】
加えて、本実施形態の包装材は、前記補助フィルム4がフィルム本体1の他方の面(物品Gを包装した際の内面)側のフィルム本体1の短手方向の両端部に配設されることにより、物品Gを包装した際の重合部5の近傍に補助フィルム4が位置するので、開封時に、補助フィルム4に沿ってフィルム本体1が切断されるため、容易に開封することができる。
【0038】
また、本実施形態の包装材原反は、複数の包装材が連なって長尺状に形成されたものであるため、物品Gの形状やサイズに合わせて切断することで、複数の包装材を作製することができる。また、ピロー包装機等の包装機を用いて包装を行うこともでき、この場合、物品の供給と包装を連続して行うことができるので、生産効率を向上させることができる。また、補助フィルム4が巻取り原反の短手方向の両端部に、長手方向に向かって長尺状に配設されることにより、脚用帯部2が設けられる領域と、巻取り原反の短手方向の両端部との厚みが略均一となるので、長尺の包装材原反を巻き取る際に、巻き取りの直進性を向上させることできる。
【0039】
なお、本発明に係わる包装材及び包装材原反は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、フィルム本体1は、平面視において長方形又は正方形であることが好ましいが、物品Gを包装する際の折り曲げ方向(フィルム本体1の短手方向)に直交するフィルム本体1の中心線CLの両側の領域がその中心線CLを基準として対称な四角形状であってもよい。例えば、台形等であってもよい。
【0041】
包装材を形成するフィルムは、一般的な包装に用いる一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、或いは無延伸フィルム等を採用することができるが、開封性を考慮すれば、一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルム等の引裂方向性を有するフィルムが好ましい。
【0042】
上記実施形態では、フィルム本体1の短手方向の両端部の他方の面(物品Gを包装した際の内面)側に補助フィルム4が配設されているが、これに限定されるものではなく、フィルム本体1の一方の面に設けるようにしてもよい。また、補助フィルム4は、両端部のうち何れか一端部にのみ設けるようにしてもよい。
【0043】
上記実施形態において、物品Gを包装する際、短手方向の両端部同士が重なり合った重合部5の端部近傍に、少なくとも一箇所に切欠き(ノッチ)を設けることが好ましい。この構成によれば、開封時に、ノッチをきっかけに容易にフィルム本体1を切断することができる。
【0044】
上記実施形態においては、脚用帯部2は、一枚のフィルムが折り曲げ加工されて形成されて形成されているが、フィルム本体1に他の部材を取り付けてもよい。この場合、脚用帯部2の材質、形状等を任意に選択することもできる。
【0045】
脚用帯部2は、上記実施形態に限定されるものではなく、少なくとも物品Gを包装した状態で脚用帯部2が起立した状態になればよい。例えば、一枚のフィルムが一方の面(物品を包装した際の外面)側に向かってフィルムの長手方向に延びる稜線を形成してヒダ状に突出するように折り曲げられ、稜線を形成する2面の向かい合う面の一部、好ましくは全面がシールされて形成されてもよい。
【0046】
上記実施形態では、重なり合う一対の帯状片部9a,9bの対向面がシールされて脚用帯部2が形成され、且つ、一方の帯状片部9aと内側領域Xとが所定幅Bでシールされることで脚用帯部2の延出部分が形成されるが、これに限定されるものではない。図6に示すように、重なり合う一対の帯状片部9a,9bが、脚用帯部2の延出量に対応して折り曲げられて形成され、一対の帯状片部9a,9bの対向面が所定幅C、すなわち、一対の帯状片部9a,9bの全面同士がシールされてもよい。但し、少なくとも物品Gを包装した状態で脚用帯部2が起立した状態になるようにすることは言うまでもない。
【0047】
また、上記実施形態では、1つの折り曲げ部分によって、脚用帯部2が形成されるが、図7(イ)に示すように、複数の折り曲げ部分によって脚用帯部2が形成されてもよい。また、図7(ロ)に示すように、複数の折り曲げ部分がそれぞれ延出部分を有することにより、脚用帯部2の延出部分が複数となってもよい。また、図7(ハ)に示すように、脚用帯部2全体が延出するようにしてもよい。加えて、図5で示す帯状片部9a,9bのシール幅Aと、帯状片部9aと内側領域Xのシール幅Bとを同じ幅にすることにより、図7(ニ)に示すように、脚用帯部2が全く延出しないようにしてもよい。
【0048】
上記実施形態において、脚用帯部2は、フィルム本体1に2本設けられているが、これに限定されるものではない。少なくとも2本設けられればよく、さらに好ましくは、複数対設けられればよい。
【0049】
上記実施形態では、脚用帯部2は、フィルム本体1の長手方向に延びるフィルム本体1の中心線CLを基準として対称に設けられているが、これに限定するものではない。中心線CLを基準として対称に設けられていない場合には、前記外側領域Yがフィルム本体1の中心線CLを基準として対称な形状とならず、前記重合部5が対峙する一対の壁部7の一方の面(後面)に形成されるので、店頭に陳列する際に製品の前後面の判断を容易にすることができる。
【0050】
上記実施形態におけるシール手段は、ヒートシールを用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、接着剤等の一般的なシール手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態に係る包装材であって、物品を包装する際の外面側の斜視図。
【図2】本実施形態に係る包装材であって、物品を包装する際の内面側の斜視図。
【図3】本実施形態に係る包装材で物品を包装した状態の斜視図。
【図4】本実施形態に係る包装材で物品を包装した状態の図3のI−I断面図。
【図5】本実施形態に係る脚用帯部の断面図。
【図6】他の実施形態に係る脚用帯部の断面図。
【図7】(イ)乃至(ニ)は、他の実施形態に係る脚用帯部の物品を包装した状態の断面図。
【符号の説明】
【0052】
1…フィルム本体、2…脚用帯部、3…マチ構造、4…補助フィルム、5…重合部、6…側端部、7…壁部、8…底部、9a,9b…帯状片部、CL…中心線、G…物品、X…内側領域、Y…外側領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包むべく面状に形成されたフィルム本体を備え、物品を包み込むようにフィルム本体を一方向に折り曲げて重なり合う端部同士をシールすることにより、物品を包装する包装材であって、前記一方向に対して略直交する他方向に延びる脚用帯部をフィルム本体の一方の面側に備え、該脚用帯部は、一方向に間隔を空けて少なくとも2本並列に設けられ、少なくとも物品を包装した状態で、各脚用帯部が起立するように構成されることを特徴とする包装材。
【請求項2】
前記脚用帯部は、フィルム本体の前記一方の面から少なくともその一部が延出するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
前記脚用帯部は、一枚のフィルムが一方の面側に向かって突出するようにその一部が折り曲げられ、その突出部分が所定幅でシールされることによって形成されると共に、脚用帯部以外の領域のフィルムでフィルム本体が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装材。
【請求項4】
前記フィルム本体は、脚用帯部間の領域が、他方向に延びる稜線を形成して他方の面側に向かって突出するようにV字状に折り曲げられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の包装材。
【請求項5】
前記フィルム本体の一方向の両端部のうち、少なくとも一方の端部に他方向に延びるように帯状の補助フィルムが配設されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装材。
【請求項6】
前記脚用帯部は、複数対設けられると共に、各対の脚用帯部が他方向に延びるフィルム本体の中心線を基準として対称に設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の包装材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の包装材を作製するための包装材原反であって、複数の包装材が脚用帯部の延びる方向に連なって長尺状に形成されていることを特徴とする包装材原反。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−12805(P2009−12805A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175373(P2007−175373)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】