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包装用容器
説明

包装用容器

【課題】子供やペットが吸水マットを誤食する危険性が無いと共に、包装用容器内で食品から出る水分や血液等を十分に吸収し、食品の鮮度、味、外観の低下を確実に防止することができる包装用容器を提供する。
【解決手段】容器本体の基材50と、基材50に全面に亘って接着される多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルム60を備える包装用容器1であって、オレフィン系吸水樹脂フィルム60が吸水層61と防水層62を積層してなり、防水層62側の面が基材50と接着され、吸水層61側の面が容器の収容物側に配置されており、吸水層61がオレフィン系樹脂25〜55重量%およびその表面を親水化剤で処理された無機微細粉末45〜75重量%を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されていることを特徴とする包装用容器1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば肉類、魚介類、揚げ物類等の食品が収容される包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に肉類、魚介類、揚げ物類等は、発泡ポリスチレン等の包装用容器に収容され、必要に応じてこれにラッピングフィルムをかけた状態で店頭販売されているが、肉類、魚介類等の場合には水分や血液が内部から包装用容器内に滲み出る。この水分や血液は、肉類、魚介類等の食品の鮮度や味を低下させると共に、店頭での外観を低下させる要因となるため、速やかに除去することが必要となる。また、揚げ物類等の場合にも、食品内部から出る油と、冷えることで発生する結露水滴に食品が接触することで食品がふやけ、同様に食品の鮮度、味、外観を低下させる問題が生ずる。
【0003】
そのため、包装用容器の底部に敷物として吸水マットを敷き、吸水マットで食品から出る水分や血液等を吸収する対処が行われている。斯様な吸水マットの例としては、一般的には発泡ポリウレタン系シートが使用されている。また特許文献1には、多数の微小な孔を有し、厚さが0.1〜1mmのポリオレフィン系シートと、熱接着性複合繊維とパルプを主体とするエアレイド不織布からなる吸水シートとを積層一体化すると共に、ポリオレフィン系シートの孔について、食品に接する面の開孔径よりも吸水シートに接する面の開孔径の方を小さく構成する吸水マットが開示されている。尚、その他の先行技術文献として特許文献2、3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−44653号公報
【特許文献2】特開平10−212367号公報
【特許文献3】特開平7−300568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこれら吸水マットは、包装用容器内に敷物として単に置かれているものであるため、子供やペットが誤食する可能性がある。また、吸水マットは包装用容器の底部に敷かれているだけであるため、包装用容器内で側方に滲み出た水分や血液等の吸収が不十分となり、食品の鮮度、味、外観の低下を十分に防止することができないという問題もある。
【0006】
本発明は上記課題を鑑み見出されたものであって、子供やペットが吸水マットを誤食する危険性が無いと共に、包装用容器内で食品から出る水分や血液等を十分に吸収し、食品の鮮度、味、外観の低下を確実に防止することができる包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装用容器は、容器本体の基材と、前記基材に全面に亘って接着される多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルムを備える包装用容器であって、前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが吸水層と防水層を積層してなり、前記防水層側の面が前記基材と接着され、前記吸水層側の面が前記容器の収容物側に配置されており、前記吸水層がオレフィン系樹脂25〜55重量%およびその表面を親水化剤で処理された無機微細粉末45〜75重量%を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されていることを特徴とする。
この構成によれば、吸水樹脂フィルムは容器本体に接着一体化されているので、子供やペットが吸水マットを誤食する危険性を確実に無くすことができると共に、容器本体の内面に全面に亘って吸水樹脂フィルムを接着することにより、包装用容器内で底部と側方に食品から出る水分や血液等を十分に吸収し、食品の鮮度、味、外観の低下を確実に防止することができる。また、容器の収容物側に位置する吸水層で、食品から出る水分や血液等を十分に吸収することができると共に、容器の基材側に位置する防水層で、吸水層が保持した水分等による後述する接着剤またはオレフィン系樹脂よりなる接着層等への影響を抑え、逆に接着剤等からの成分が容器の収容物側に流出することを抑えることができる。更に、吸水層をオレフィン系樹脂25〜55重量%およびその表面を親水化剤で処理された無機微細粉末45〜75重量%を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されている構成とすることにより、成形性の改善、吸水性の向上、ラッピングフィルムの着脱性の向上を図ることができると共に、食品から出る水分や血液等の流れや貯留を確実に制御することができる。
【0008】
また、本発明の包装用容器は、前記吸水層の空孔率を28〜80%とすると好ましい。
この構成によれば、食品から出る水分や血液等の流れや貯留をより確実に制御することができる。
【0009】
また、本発明の包装用容器は、前記防水層がオレフィン系樹脂を含有する構成、又はオレフィン系樹脂および無機微細粉末を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されており、その空孔率が0〜25%であり、前記吸水層の空孔率よりも小さい構成とすると好ましい。
この構成によれば、製膜性、防水性に優れる防水層を得ることができる。また、防水層は無機微細粉末を含む或いは含まない構成とすることが可能であるが、防水層が無機微細粉末を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されている微多孔性樹脂フィルムである場合は、オレフィン系吸水樹脂フィルムのコストダウンを図ることができる。この場合、透水しないようにその防水性を維持するために、その空孔率を0〜25%の範囲とし、吸水層の空孔率よりも小さくすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の包装用容器は、前記吸水層が、前記収容物側となる第1の吸水層と、前記防水層側となる第2の吸水層を積層した多層構造とすると好適であり、更には、第2の吸水層の液体吸収係数(吸水速度)が、第1の吸水層の液体吸収係数(吸水速度)よりも大きい構成とすると好ましい。
この構成によれば、第1の吸水層、第2の吸水層それぞれの毛細管現象による液体吸収係数の差異を利用することができ、食品から出る水分や血液等をスムーズに吸収することができると共に、第2の吸水層に貯められた水分や血液等が食品側に逆流することを防止することができる。
【0011】
この吸水層を、第1の吸水層および第2の吸水層を積層した多層構造として、それぞれの液体吸収係数に差異をつける具体的な手法としては、例えば第1の吸水層の空孔率と第2の吸水層の空孔率に差異をつけることを挙げることができ、この場合、好適には第1の吸水層の空孔率を31〜51%とし、第2の吸水層の空孔率を40〜62%とし、第2の吸水層の空孔率を第1の吸水層の空孔率よりも大きくするとよい。
【0012】
また、本発明の包装用容器は、前記基材と前記オレフィン系吸水樹脂フィルムの防水層側の面が、接着剤を介して接着される構成とすると好ましい。
この構成によれば、基材とオレフィン系吸水樹脂フィルムとを強固に接着することができる。
【0013】
また、本発明の包装用容器は、前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが、吸水層と防水層と、オレフィン系樹脂よりなる接着層をこの順に積層してなり、前記基材と前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが、前記接着層の熱融着により接着される構成とすると好ましい。
この構成によれば、基材とオレフィン系吸水樹脂フィルムとを強固に接着することができると共に、包装用容器を作成する工程数を削減することができ、更に、ドライラミネーションに通常用いる接着剤からの溶剤成分や未反応成分の影響を懸念することなく、より衛生的な包装用容器の提供が可能となる。
【0014】
また、本発明の包装用容器は、前記吸水層における無機微細粉末を炭酸カルシウムとすると好ましい。
この構成によれば、包装用容器にラッピングフィルムをかける場合に、吸水樹脂フィルムとラッピングフィルムとの摩擦抵抗を小さくして滑り性を向上し、ラッピングフィルムの着脱をスムーズにすることができる。
【0015】
また、本発明の包装用容器は、前記基材が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂よりなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、またはこれらの樹脂と無機充填材との複合素材を含む構成とすると好ましい。
この構成によれば、包装用容器としてトレー状に成形することが容易であり、包装用容器として外観も好適なものを得ることができる。
【0016】
より好ましくは、肉類、魚介類、揚げ物類等の食品から発生する水分や血液等の液体を十分に吸収するために、Japan TAPPI No.51:2000(ブリストー法)に準拠し、前記オレフィン系吸水樹脂フィルムの吸水層側の面で測定した蒸留水の転移量(吸水量)が6〜310ml/mになるようにするとよい。また、より好ましくは、包装用容器にラッピングフィルムをかける場合に、吸水樹脂フィルムとラッピングフィルムとの摩擦抵抗を小さくして滑り性を向上し、ラッピングフィルムの着脱をスムーズにするために、JIS K7125:1999に準拠し、前記オレフィン系吸水樹脂フィルムの吸水層側の面を最初の試験片とし、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、或いはポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム等の所定材料のラッピングフィルムを2番目の試験片(相手材)として測定した静摩擦係数が0.3〜0.5となるようにするとよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の包装用容器によれば、吸水樹脂フィルムは容器本体に接着することにより、子供やペットが吸水マットを誤食する危険性を確実に無くすことができると共に、包装用容器内で底部と側方に食品から出る水分や血液等を十分に吸収し、食品の鮮度、味、外観の低下を確実に防止することができる。また、従来使用されている吸水マットを包装用容器内に設置する人手による作業工程を無くし、異物混入の危険性の低減、衛生面の安全性の向上を図ることができる。また、従来使用されている吸水マットの在庫管理、開梱、梱包に伴う人手による作業を無くすことができ、製造工程の効率化を図ることができる。更に包装用容器とは個別の材料である吸水マットの輸送、搬入が無くすことで炭酸ガス排出量の削減にも貢献できる。
【0018】
また、容器の収容物側に位置する吸水層で、食品から出る水分や血液等を十分に吸収することができると共に、容器の基材側に位置する防水層で、吸水層が保持した水分等による後述する接着剤またはオレフィン系樹脂よりなる接着層等への影響を抑え、逆に接着剤等からの成分が容器の収容物側に流出することを抑えることができる。更に、吸水層をオレフィン系樹脂25〜55重量%およびその表面を親水化剤で処理された無機微細粉末45〜75重量%を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されている構成とすることにより、成形性の改善、吸水性の向上、ラッピングフィルムの着脱性の向上を図ることができると共に、食品から出る水分や血液等の流れや貯留を確実に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は本発明による実施形態の包装用容器の平面図、(b)はその縦断面図である。
【図2】図1(b)のA部の拡大断面図である。
【図3】本発明による実施形態の包装用容器のA部に相当する部位の拡大断面図である。
【図4】基材とオレフィン系吸水樹脂フィルムとの接着工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔実施形態の包装用容器〕
本実施形態の包装用容器1は、図1及び図2に示すように、上面開放のトレー状であり、底部2と、底部2の周端から外側に拡がるようにテーパ状に立ち上がる側壁3と、側壁3の上端から外側方に突出する断面視弧状の縁部4とを有する。そして、底部2、側壁3、縁部4の各々は、容器本体の基材50と、基材50の内面側(収容物側)に全面に亘って接着される多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルム60とから構成される。その実施形態の一例としては、発泡ポリスチレン等で形成される容器本体の基材50と、エチレン系樹脂等よりなる接着層63を介して基材50の内面側に全面に亘って接着される多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルム60とから構成された包装用容器1を挙げることができる。
【0021】
以下、本発明による実施形態の包装用容器1を構成するオレフィン系吸水樹脂フィルム60、および容器本体の基材50について具体的に述べる。
【0022】
〔オレフィン系吸水樹脂フィルム60の構成〕
オレフィン系吸水樹脂フィルム60は、オレフィン系樹脂よりなる吸水層61と、防水層62を積層してなる積層体を含むものであり、更にオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、この積層体の防水層62側にオレフィン系樹脂よりなる接着層63を積層した構造としてもよい。図2の例は、吸水層61と防水層62と接着層63が積層されたオレフィン系吸水樹脂フィルム60である。また、吸水層61、防水層62からなる積層体を多数積層し、必要に応じてこの積層体の基材50側の面に接着層63を積層した構造としてもよい。
【0023】
[吸水層61]
オレフィン系吸水樹脂フィルム60における吸水層61は、オレフィン系吸水樹脂フィルム60に液体吸収の特徴を付与するものである。ここで「液体」とは、包装用容器1内の収容物から出る水分、水蒸気、血液、体液、調理液、油分、結露水滴等を指す。
【0024】
吸水層61は、オレフィン系樹脂を含む。本発明においてオレフィン系樹脂は、マトリクス樹脂としてフィルムの製膜性に寄与するものである。吸水層61に使用するオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン等のオレフィン系樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらオレフィン系樹脂は、結晶性を示し、X線回折法による結晶化度が20%以上であるものが好ましく、35〜75%であるものがより好ましい。結晶性を示さないものは、後述する延伸によりフィルム表面に空孔(開口)が十分に形成されない。
【0025】
好適にはオレフィン系樹脂の中でも、延伸成形性の観点から、プロピレン系樹脂を用いるとよい。プロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体又はシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0026】
吸水層61に使用するオレフィン系樹脂は25〜55重量%の割合で添加される。この割合は30〜50重量%の範囲とすると好ましい。オレフィン系樹脂が25重量%に満たないと延伸成形性の低下や延伸フィルムの引裂強度の低下などが起こり好ましくない。逆にオレフィン系樹脂が55重量%を超えると形成される空孔数の低下が起こり好ましくない。同範囲内であればキャストシート成形時、ダイスからキャストロールへ溶融樹脂を横引きでキャスティングする場合には溶融樹脂シートの垂れ現象の抑制、縦引きの場合においてはドローダウンを抑制し、キャストシート成形性の改善も可能となり、延伸成形性も損なわれずシートの割れなども防止できる。
【0027】
また、吸水層61は、その表面を親水化剤で親水化処理された無機微細粉末を含む。本発明において無機微細粉末は、フィルムを多孔質として、吸水性の特徴を付与するために添加するものである。またオレフィン系吸水樹脂フィルム60とラッピングフィルムとの摩擦抵抗を小さくして滑り性を向上し、包装用容器とラッピングフィルムの着脱をスムーズに行うことも可能となる。
【0028】
使用できる無機微細粉末としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズなどを挙げることができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土は、安価で延伸時に多くの空孔を形成させることができ、空孔率の調整が容易なために好ましい。また重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムは、その平均粒径や粒度分布が所望のものを得やすいために好ましい。
【0029】
これらの無機微細粉末は、その表面を親水化剤で親水化処理されている。親水化処理された無機微細粉末を用いることで、フィルム表面や空孔内部のヌレを向上させて吸水層61内部に液体をより導入しやすくすることができる。無機微細粉末を親水化加工するための、無機微細粉末の表面を処理する親水化剤としては、水溶性であり平均分子量が1,000〜150,000の範囲のアニオン系又はカチオン系、ないし非イオン系の高分子界面活性剤を挙げることができる。これらの高分子界面活性剤としては、特許文献2に記載されるものを挙げることができる。
【0030】
親水化剤による無機微細粉末の親水化処理は、例えば無機粒子を湿式粉砕する際に、水溶性であり平均分子量が1,000〜150,000の範囲のアニオン系又はカチオン系、ないし非イオン系の高分子界面活性剤、例えばスルホン酸塩、ジアリルアミン塩、アルキルジアリルアミン塩、ないし親水性ビニルポリマー等を器内に導入し、粉砕しながら表面処理することによって実施することができる。これらの処理はそれぞれ異なる表面処理剤を用いて個別に2回以上行ってもよい。親水化処理した無機微細粉末の好ましい例として、特許文献3に記載されるものを挙げることができ、又、具体例としてファイマテック社製の「AFF−Z」等を挙げることができる。
【0031】
吸水層61に使用する無機微細粉末は45〜75重量%の割合で添加される。この割合は50〜70重量%の範囲とすると好ましい。無機微細粉末が45重量%に満たないと連通孔(連通する空孔)の形成が困難となり吸水性の観点で好ましくない。逆に無機微細粉末が75重量%を超えるとフィルムの延伸成形が困難となり好ましくない。また上記無機微細粉末に併せ、異なる種類の無機微細粉末や有機微細粉末を組み合わせて配合してもよい。
【0032】
更に、吸水層61は、無機微細粉末の分散剤を含むものであってもよい。分散剤は、吸水層61中の無機微細粉末の分散性を改善し、吸水層61中の空孔の均一性向上および吸水性能の向上といった特徴を付与するために添加するものである。また分散剤により吸水層61内への無機微細粉末の固定化を図ることもできる。使用できる分散剤としては、公知のものを用いることができるが、特に酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、具体例としては三洋化成社製の「ユーメックス1001」等を挙げることができる。吸水層61に分散剤を使用する場合は、0.01〜10重量%の割合で添加することが好ましい。分散剤が0.01重量%に満たないと分散剤本来の機能を充分に発揮し得ず好ましくない。逆に分散剤が10重量%を超えると無機微細粉末の凝集を起こす可能性があり好ましくない。また吸水層61には必要に応じて、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は0.01〜3重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0033】
また、吸水層61は、少なくとも一軸方向に延伸されていることが好ましい。延伸成形によって薄く均一な厚みのフィルムが得られると同時に、層の内部や表面に無機微細粉末を核とした多数の空孔や開口を形成し、更にこれらの孔や口が連通することで高い吸水性能が発現できる。延伸成形には、公知の種々の方法を採用することができる。例えば一軸延伸の具体的な方法としては、樹脂フィルムの搬送方向(製造ライン方向)にロール群の周速差を利用して延伸するロール間延伸(以後、本発明では縦延伸と表記)、樹脂フィルムの搬送方向に直交する方向(幅方向)にテンターオーブンを利用して延伸するクリップ延伸(以後、本発明では横延伸と表記)、圧延法などを挙げることができる。
【0034】
縦延伸法によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の空孔率、剛性、不透明度、平滑度、光沢度を有する吸水層61を得ることが容易である。特に縦延伸法は任意に空孔率を調整して、任意の吸水量(蒸留水の転移量)を有する吸水層61を得ることが容易であり好ましい。従って延伸倍率は特に限定されるものではなく、オレフィン系吸水樹脂フィルム60に所望する物性と、用いる熱可塑性樹脂の特性を考慮して決定する。縦延伸法での延伸倍率は通常は3〜11倍の範囲であり、4〜10倍であることが好ましく、5〜7倍であることがより好ましい。同範囲内であれば所望の物性を有する吸水層61を安定して製造することができる。
【0035】
横延伸法によれば、機器の制約上、縦延伸法ほど延伸倍率の自由度はないものの、得られるフィルム幅を調整することが容易である。フィルム幅を大きく取れれば、その用途は拡大し、製品歩留まりを向上させることが容易となる。横延伸法の延伸倍率は通常4〜11倍であり、4〜10倍であることがより好ましく、5〜9倍であることが特に好ましい。延伸倍率を4倍以上にすることによって、連通孔が形成され、且つ延伸ムラを防いでより均一な膜厚の吸水層61を製造することが容易になる。また11倍以下にすることによって、延伸切れや粗大な穴あきをより効果的に防ぎやすくなる。
【0036】
一方、二軸延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸(縦延伸)と、テンターオーブンを利用したクリップ延伸(横延伸)を併用した逐次二軸延伸を挙げることができる。逐次二軸延伸法によれば、縦延伸で倍率を任意に調整することが容易であり、横延伸でシート幅を調整することができる。そのため任意の空孔率、剛性、不透明度、平滑度、光沢度、シート幅を有する吸水層61を得ることが容易である。また、二軸延伸の別の具体的な方法としては、縦延伸と横延伸を同時に行う同時二軸延伸を挙げることができる。より具体的には、テンターオーブンとパンタグラフの組合せ、テンターオーブンとリニアモーターの組合せによる同時二軸延伸方法などを挙げることができる。また、インフレーションフィルムの延伸方法であるチューブラー法による同時二軸延伸方法を挙げることができる。
【0037】
テンターオーブンを用いた同時二軸延伸法によれば、縦延伸及び横延伸の倍率を同時に調整できるため、等方的で応力緩和に起因する収縮を極力抑えた吸水層61を製造することが容易である。また樹脂フィルムの延伸や搬送をロールに頼る部分が少なくなり、クリップによる搬送の比率が多くなるために、樹脂フィルム表面がロール等の機器の接触による擦過の影響を受けづらく、より安定した品質の樹脂フィルムが製造できる。二軸延伸法によれば任意に空孔率を調整して、任意の吸水度を有する吸水層61を得ることが容易であり好ましい。延伸倍率は特に限定されるものではなく、オレフィン系吸水樹脂フィルム60に所望する物性と、用いる原料等の特性を考慮して決定する。吸水樹脂フィルム60は原料にオレフィン系樹脂を用いていることから、通常、面積延伸倍率は10〜90倍であることが好ましく、15〜60倍であることがより好ましい。同範囲内であれば所望の物性を有する吸水層61を安定して製造することができる。
【0038】
一軸延伸の場合であっても二軸延伸の場合であっても、延伸は、マトリクス樹脂の融点より5℃以上低い温度、より好ましくはオレフィン系樹脂の結晶部の融点より5℃以上低く且つオレフィン系樹脂の非晶部の軟化温度より高い温度条件で行うことが好ましい。延伸成形の結果として得られる吸水層61の空孔は、その空孔率が28〜80%であることが好ましい。吸水層61の空孔率が28%以上であれば、フィルム内部に連通する空孔を生じて所望の吸水性能が発現しやすくなる傾向がある。また、空孔率が80%以下であれば、フィルム製造時に延伸割れが発生しにくいため、より安定した製造を行いやすくなる傾向がある。該空孔率は、吸水層61が一軸延伸フィルムである場合に28〜64%であることが好ましく、33〜57%であることがより好ましく、36〜54%であることが特に好ましい。吸水層61が二軸延伸フィルムである場合には30〜80%であることが好ましく、35〜79%であることがより好ましく、38〜78%であることがさらに好ましく、40〜75%であることが特に好ましい。一軸または二軸延伸樹脂フィルムの空孔率は、吸水層61中のオレフィン系樹脂や無機微細粉末の含有量や、延伸倍率を調整することにより制御することができる。
【0039】
層内部に空孔があることは、断面を電子顕微鏡で観察することにより確かめることができる。空孔率は、層断面の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真に撮影された断面領域内に占める空孔の面積割合(%)を求めることにより得られる。具体的には、オレフィン系吸水樹脂フィルム60をエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて例えばフィルムの厚さ方向に対して平行(すなわち面方向に垂直)な切断面を作製し、この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率(例えば500倍〜2000倍)に拡大して撮影し、さらに空孔部分をトレーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解析装置で画像処理を行い、測定範囲を占める空孔の面積割合(%)を求めてこれを空孔率(%)とすることができる。オレフィン系吸水樹脂フィルム60が多層構造である場合には、各層ごとに上記方法により空孔率(%)を求めることができる。
【0040】
[防水層62]
オレフィン系吸水樹脂フィルム60は、防水層62を有する。防水層62は、オレフィン系樹脂を含むと好適である。この場合オレフィン系樹脂はフィルムの製膜性に寄与すると同時に、オレフィン系樹脂本来の疎水性により防水性に寄与する。ここで「防水」とは、包装用容器内の収容物から出る水分、水蒸気、血液、体液、調理液、油分、結露水滴等を吸収、透過させないのみならず、容器本体の基材50とオレフィン系吸水樹脂フィルム60との接着に、接着剤を用いた場合には接着剤からの有害物(有機溶媒や未反応低分子量物)が収容物側に透過することを防ぐことを意味する。
【0041】
また、オレフィン系吸水樹脂フィルム60の吸水層61に防水層62を積層したものを延伸してフィルム状物を成形する場合は、防水層62が均一な延伸成形性を担保して、無機微細粉末の含有量が多い吸水層61のフィルムの割れなどを効果的に防止することが可能となる。防水層62に使用するオレフィン系樹脂としては、吸水層61で記述したものと同様の樹脂を用いることができる。防水層62に使用するオレフィン系樹脂は60〜100重量%の割合で添加すると好適であり、より好ましくは70〜100重量%の範囲とするとよい。同範囲内であれば防水の効果を得て、キャストシート成形が可能であり、延伸成形性も損なわれずフィルムの割れなどを防止できる。
【0042】
また、防水層62は、無機微細粉末や有機微細粉末を含有していてもよく、含有しなくてもよい。これらの微細粉末を含有していれば、オレフィン系吸水樹脂フィルム60のコストダウン等を図ることができる。含有していなければ、より高い防水効果が期待できる。防水層62に無機微細粉末を使用する場合は、0〜40重量%の割合で添加すると好適であり、より好ましくは0〜30重量%の範囲とするとよい。同範囲内であれば防水の効果を得て、キャストシート成形が可能であり、延伸成形性も損なわれずフィルムの割れなどを防止できる。防水層62に使用できる無機微細粉末としては、吸水層61で記述したものと同様の無機微細粉末を用いることができるが、防水の観点から、その表面を親水化剤で親水化処理されたものの使用は好ましくない。更に、防水層62には、吸水層61と同様に分散剤や公知の添加剤を使用することもできる。
【0043】
吸水層61と防水層62の積層は、吸水層61と防水層62との共押出や、防水層62をベースフィルムとして成形した後これに吸水層61を押出ラミネーションする方法で達成できる。また、防水層62も、少なくとも一軸方向に延伸されていることが好ましい。延伸成形によって薄く均一な厚みのフィルムが得ることができる。延伸成形には、上述の吸水層61と同様に公知の種々の方法や延伸倍率を採用することができる。延伸成形の結果として得られる防水層62の空孔は、その空孔率が吸水層61のそれよりも小さく、且つその空孔率が0〜25%であることが好ましく、0〜20%であることがより好ましい。防水層62の空孔率が25%以下であれば、層を連通する空孔は殆ど生じないことから吸水性は発現せず、防水性が達成しやすい傾向がある。
【0044】
[接着層63]
本発明を構成するオレフィン系吸水樹脂フィルムは、その防水層62側の面に、接着剤を介して基材50に接着することも可能であるが、オレフィン系樹脂よりなる接着層63を有する構成とすると好ましい。接着層63は、オレフィン系樹脂を含む。この場合オレフィン系樹脂は、容器本体の基材50とオレフィン系吸水樹脂フィルム60とを、接着層63の熱融着により接着するために用いる。この接着層63は予めオレフィン系吸水樹脂フィルム60(好ましくは防水層62側)に積層貼合されたものであることが好ましい。このような接着層63を用いることで、接着の工程をより簡略化でき、基材50とオレフィン系吸水樹脂フィルム60間のより強固な接合が可能になると同時に、ドライラミネーションに通常用いる接着剤からの溶剤成分や未反応成分の影響を懸念することなく、より衛生的な包装用容器1の提供が可能となる。
【0045】
接着層63に使用するオレフィン系樹脂としては、その融点は防水層62に使用される主要なオレフィン系樹脂の融点より5℃以上低く、10〜120℃低いものが好ましい。具体的には密度が0.900〜0.935g/cmの低密度ないし中密度の高圧法ポリエチレン、密度が0.860〜0.970g/cmの直鎖線状ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・オクテン共重合体などのエチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アルキル基の炭素数が1〜8のエチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体、アルキル基の炭素数が1〜8のエチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体のZn、Al、Li、K、Naなどの金属塩、等の融点が50〜140℃のエチレン系樹脂、またはプロピレン・αオレフィン共重合体に代表される融点が90〜155℃のプロピレン系樹脂、アドマー(登録商標)等の接着性を付与した変性ポリオレフィン等を用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。オレフィン系吸水樹脂フィルム60への接着層63の積層は、オレフィン系吸水樹脂フィルム60を構成する吸水層61、防水層62との共押出や、防水層62をベースフィルムとして成形した後これに押出ラミネーションまたは塗工する方法で達成できる。
【0046】
[吸水層61の多層化]
オレフィン系吸水樹脂フィルム60において、吸水層61は図2に示す単層構造とする他、機能化のために、多層構造の吸水層61としても好適である。吸水層61を多層構造とする場合、図3に示すように、収容物側となる第1の吸水層611と、防水層62側となり第1の吸水層611の液体吸収係数よりも大きな液体吸収係数を有する第2の吸水層612を積層した多層構造を有していることが好ましい。本発明において吸水層61の吸水速度の指標となる液体吸収係数は、JAPAN TAPPI No.51:2000の液体吸収性試験方法(ブリストー法)に基づいて求める。第1の吸水層611の液体吸収係数と第2の吸水層612の液体吸収係数を個別に求めるには、それぞれの層を構成する樹脂組成物や形成条件を用いて、これを防水層62上に設けた2層構造のオレフィン系吸水樹脂フィルム60を個別に作成して、吸水層61の液体吸収係数を求めればよい。通常、第1の吸水層611の液体吸収係数は10〜200ml/m・ms1/2の範囲内であり、第2の吸水層612の液体吸収係数は20〜200ml/m・ms1/2の範囲内であり、好ましくは第1の吸水層611の液体吸収係数は15〜150ml/m・ms1/2の範囲内であり、第2の吸水層612の液体吸収係数は30〜150ml/m・ms1/2の範囲内である。
【0047】
このようにそれぞれの吸水層611、612の液体吸収係数に差異をつける手法としては、まず、それぞれの吸水層611、612の空孔率に差異をつけて、第1の吸水層611の空孔率を31〜51%とし、第2の吸水層612の空孔率を40〜62%とし、且つ第2の吸水層612の空孔率が第1の吸水層611の空孔率よりも大きくすることが挙げられる。この様な構成とするためには、第1の吸水層611における面積延伸倍率を、第2の吸水層612における面積延伸倍率よりも小さくしたり(例えば第1の吸水層611を一軸延伸フィルム、第2の吸水層612を二軸延伸フィルムという具合に延伸軸数に差異をつけたり)、第1の吸水層611における無機微細粉末の含有量を、第2の吸水層612における無機微細粉末の含有量よりも小さくすることが考えられる。また、別の手法として、それぞれの層の空孔径に差異をつけることを挙げることができる。具体的には、第1の吸水層611における無機微細粉末の平均粒子径を、第2の吸水層612における無機微細粉末の平均粒子径よりも大きくすることが考えられる。両層における面積延伸倍率が同一であれば、延伸により得られる空孔の径はそれぞれ使用する無機微細粉末の平均粒子径に比例するので、空孔径に差異をつけて毛細管力により液体吸収係数に差異をつけることができる。また、さらに別の手法として、それぞれの層のヌレ性に差異をつける方法を挙げることができる。具体的には、第1の吸水層611における無機微細粉末の表面処理量を、第2の吸水層612における無機微細粉末の表面処理量よりも小さくすることで液体吸収係数に差異をつけることができる。
【0048】
包装用容器1を構成するオレフィン系吸水樹脂フィルム60において、吸水層61は、層厚24〜240μm、より好ましくは層厚40〜200μmであることが好ましい。吸水層61が2層構造である場合、第1の吸水層611の層厚は6〜60μm、より好ましくは層厚10〜50μm、第2の吸水層612の層厚は18〜180μm、より好ましくは層厚30〜150μmであることが好ましい。また、防水層62は、層厚6〜60μm、より好ましくは層厚10〜50μmであることが好ましく、接着層63は、層厚1〜20μm、より好ましくは層厚3〜10μmであることが好ましい。
【0049】
[蒸留水の転移量]
包装用容器1においては、収容物となる肉類、魚介類、揚げ物類等の食品から発生する水分や血液等を十分に吸収するために、液体吸収量の目安として、Japan TAPPI No.51:2000に準拠し、オレフィン系吸水樹脂フィルム60の吸水層61側の面で測定した蒸留水の転移量が6〜310ml/mであることが好ましく、12〜260ml/mであることがより好ましい。蒸留水の転移量が6ml/m未満では、これら内容物から発生する水分や血液等を十分に吸収することができない。逆に310ml/mを超えては想定される吸水量として充分であるが、同用途において過剰スペックとなる傾向がありコストアップの原因となる。
【0050】
[静摩擦係数]
包装用容器1にラッピングフィルムをかける場合に、吸水樹脂フィルム60とラッピングフィルムとの摩擦抵抗を小さくして滑り性を向上し、ラッピングフィルムの着脱をスムーズにするために、JIS K7125:1999に準拠し、摩擦測定器(機器名:TR−2、東洋精機社製)を用いて、オレフィン系吸水樹脂フィルム60の吸水層61側の面を最初の試験片とし、ポリ塩化ビニルフィルム(例えば商品名:ダイアラップ(登録商標)、三菱樹脂株式会社製)、ポリ塩化ビニリデンフィルム(例えば商品名:サランラップ(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製)、或いはポリエチレンフィルム(例えば商品名:ダイアラップ(登録商標)スーパー、三菱樹脂株式会社製)などのポリオレフィンフィルム等の所定材料のラッピングフィルムを2番目の試験片(相手材)として測定した静摩擦係数が0.3〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.45であることがより好ましい。静摩擦係数が0.3未満では、ラッピングフィルムが滑りやすく、逆に0.5を超えては包装用容器1にラッピングフィルムが吸い付きやすく、それぞれラッピングフィルムの着脱が困難となる傾向がある。
【0051】
[印刷]
本発明の包装用容器1には、意匠性を向上させる為に基材50の表面に印刷を施してもよいが、収容物側となる吸水層61の表面へ印刷を施してもよい。こうした印刷によれば、単に包装用容器1の外観を修飾するのみならず、吸水層61が血液等を吸収した跡(ドリップ跡)が染みの様に見えるものを、予め同色印刷やパターン印刷等を設けることで目立ち難くする効果も得られる。このような印刷は、インキによる被膜形成や、インキによる吸水層61の空孔充填によって吸水層61の表面の液体吸収が阻害されないよう軽度に施すことが好ましい。同印刷手法としてはオフセット印刷、輪転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷、インクジェット印刷等を使用することができる。また、同印刷は直接食品に接触することから、同印刷には、印刷インキ連合会の定める「食品包装材料印刷インキに関する自主規制」の規制リストに記載の原材料を使用しないインキを使用することが好ましく、食品衛生法及び食品添加物の使用基準に準じた原材料で構成された可食性インキ等を使用することがより好ましい。
【0052】
〔容器本体となる基材50の構成〕
[基材50]
包装用容器1を構成する容器本体となる基材50は、後に包装用容器1としてトレー状に成形する目的から、熱による塑性変形が可能な熱可塑性樹脂よりなる樹脂シートを用いると好適である。この基材50を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられ、これらを単独で使用しても組み合わせて使用してもよく、更には、これらの樹脂と無機充填材との複合素材として使用してもよい。基材50を構成する熱可塑性樹脂は、例えば自然色、或いは着色されたポリプロピレンでもよく、フィラー入りポリプロピレンでも発泡したポリプロピレンでもよい。オレフィン系吸水樹脂フィルム60と同様に基材50もオレフィン系樹脂から構成すれば、包装用容器1の使用後のリサイクルが容易となる。また、基材50を構成する熱可塑性樹脂は、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)でもよく、発泡ポリスチレンでもよい。ポリスチレン樹脂は真空成形や絞り加工等での変形に追随しやすく、成形性がよいことから好ましい。基材50の層厚は250〜4200μmであることが好ましく、350〜3900μmであることがより好ましい。同層厚が250μm未満では食品等を収容する包装用容器1として強度が不足しやすい傾向がある。逆に4200μmを超えては容器状への成形が困難になる傾向がある。
【0053】
〔包装用容器の成形〕
本実施形態の包装用容器1の製造工程において、基材50とオレフィン系吸水樹脂フィルム60との接着は、ラミネート方法として公知であるドライラミネート、押出ラミネート、ホットメルトラミネート、サーマルラミネート等の種々の手法を採用できる。樹脂シートと樹脂フィルムの接着のため、有機溶剤系の接着剤を用いたドライラミネートを採用することもできるが、ここでは図4に基づきサーマルラミネートによる接着方法を説明する。
【0054】
図4に示すように、基材50となる樹脂シート501が巻回された基材繰出ロール81から樹脂シート501を繰り出すと共に、オレフィン系吸水樹脂フィルム60が巻回されたオレフィン系吸水樹脂フィルム繰出ロール82からオレフィン系吸水樹脂フィルム60を繰り出す。繰り出される樹脂シート501は、例えばポリスチレンからなる樹脂シートであり、繰り出されるオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、例えば吸水層61、防水層62、エチレン系樹脂を含む接着層63をこの順に積層したものである。
【0055】
繰り出された樹脂シート501は、ガイドロール83により誘電加熱ロール86及び押さえロール87に移動され、また、繰り出されたオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、ガイドロール84及びエキスパンダロール85により誘電加熱ロール86及び押さえロール87に移動される。この際、エキスパンダロール85のオレフィン系吸水樹脂フィルム60側に、赤外線ヒーター等の予備加熱機(図示せず)を設置して、同フィルムの接着層63を予備加熱してもよい。オレフィン系吸水樹脂フィルム60は、接着層63が基材50となる樹脂シート501側となるように繰り出される。
【0056】
そして、誘電加熱ロール86と押さえロール87とで加熱、押圧される樹脂シート501とオレフィン系吸水樹脂フィルム60とは、その加熱と押圧により接着層63を介して接着され、基材50、接着層63、防水層62、吸水層61の順に積層され一体化された積層シートとなる。次いで、この積層シートは繰出ロール88で図示省略する加熱部、成形部に繰り出され、加熱部でヒーター等により積層シートを加熱すると共に、成形部で金型により加熱した積層フィルムを包装用容器1の形状に成形する。成形には従来公知の真空成形、圧縮成形等の手法を採用できる。その後、成形後の積層シートから包装用容器1部分をトリミングすることで、本願発明の包装用容器1を得ることができる。
【0057】
本実施形態の包装用容器1は、オレフィン系吸水樹脂フィルム60を容器本体に接着することにより、子供やペットが吸水マットを誤食する危険性を確実に無くすことができると共に、容器本体の基材50の内面に全面に亘ってオレフィン系吸水樹脂フィルム60を接着することにより、包装用容器1内で底部と側方に食品から出る水分や血液等を十分に吸収し、食品の鮮度、味、外観の低下を確実に防止することができる。また、容器1の収容物側に位置する吸水層61で、食品から出る水分や血液等を十分に吸収することができると共に、容器の基材50側に位置する防水層62で、吸水層61が保持した水分等による接着層63等への影響を抑え、逆に接着剤等からの成分が容器1の収容物側に流出することを抑えることができる。更に、成形性の改善、吸水性の向上、ラッピングフィルムの着脱性の向上を図ることができると共に、食品から出る水分や血液等の流れや貯留を確実に制御することができる。
【0058】
〔実施例〕
次に、本実施形態による包装用容器1の実施例について説明する。
【0059】
実施例の包装用容器1は、一例として発泡ポリスチレンの基材50に、エチレン系樹脂を含む接着層63を介して、防水層62、吸水層61がこの順で載置されて積層され、基材50に吸水層61、防水層62、接着層63の積層フィルムを設けて形成されている。
【0060】
基材50は、加熱成形前には層厚1900μm(1.9mm)の樹脂シート501で、坪量140g/mのポリスチレンを発泡倍率約10倍で発泡させた高発泡ポリスチレンであり、加熱成形後の二次発泡時には、基材50の層厚は最大でその約2倍である3800μm(3.8mm)にまで膨れ、発泡倍率は約20倍となる。
【0061】
オレフィン系吸水樹脂フィルム60は、以下の手順に従い調製した。まず、オレフィン系吸水樹脂フィルム60の製造例に使用した使用原料を表1に、オレフィン系樹脂組成物の配合例1〜11を表2に示す。これらは予め表1に記載した使用原料を表2に記載の割合で混合した樹脂組成物を、210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、次いで230℃に設定した押出機にてストランド状に押し出し、冷却後にストランドカッターにて切断して配合例1〜11のペレットを作成して、以降の製造例で使用した。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
〈製造例1〜8〉
表2に記載の防水層62となる配合例8〜配合例10の樹脂組成物から表3に記載のものを、230℃に設定した押出機で溶融混練した後、250℃に設定したTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて60℃まで冷却して、無延伸シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、ロール群の周速差を利用して樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の倍率で延伸し、その後60℃にて冷却して一軸延伸樹脂シートを得た。次いで、表2に記載の吸水層61となる配合例1、配合例2、配合例4〜7の樹脂組成物、及び表2に記載の接着層63となる配合例11の樹脂組成物を、それぞれ個別の230℃に設定した2台の押出機で溶融混練して、250℃に設定したTダイよりシート状に押し出し、一軸延伸樹脂シートの表面および裏面にそれぞれ溶融ラミネートし、吸水層61/防水層62/接着層63の積層構造を有する樹脂シートを得た。
【0068】
次いで、この積層構造を有する樹脂シートを、テンターオーブンを用いて再び155℃まで加熱して、クリップ延伸法にて樹脂シートの搬送方向に直交する方向(横方向)に8倍の倍率で延伸し、更にオーブンで160℃まで加熱して熱処理を行った。次いで60℃に冷却し、耳部をスリットして、二軸延伸された防水層62の両面にそれぞれ、一軸延伸された吸水層61と接着層63を積層した積層フィルムを得て、これをオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60の各層の厚さ、密度、空孔率を表4に示す。また得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60から上記手法で測定した蒸留水の転移量および静摩擦係数の測定結果を表5にまとめて示す。
【0069】
製造例1および製造例6のオレフィン系吸水樹脂フィルム60については、蒸留水の転移量が不十分であり、吸水樹脂フィルムとしては不適なものであった。また、製造例5のオレフィン系吸水樹脂フィルム60については、横延伸時に吸水層61に粗大な破れが多発し、安定して製膜することができずオレフィン系吸水樹脂フィルム60が得られなかった。そのため後の評価を行わなかった。
【0070】
〈製造例9、10〉
表2に記載の防水層62となる配合例9の樹脂組成物を、230℃に設定した押出機で溶融混練した後、250℃に設定したTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて60℃まで冷却して、無延伸シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、ロール群の周速差を利用して樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の倍率で延伸し、その後60℃にて冷却して一軸延伸樹脂シートを得た。次いで、表2に記載の第1の吸水層611となる配合例2、配合例3の樹脂組成物、及び表2に記載の第2の吸水層612となる配合例4の樹脂組成物を、それぞれ個別の230℃に設定した2台の押出機で溶融混練し、これを250℃に設定した押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、一軸延伸樹脂シートの表面に溶融ラミネートした。次いで、表2に記載の接着層63となる配合例11の樹脂組成物を、230℃に設定した押出機で溶融混練して、250℃に設定したTダイよりシート状に押し出し、一軸延伸樹脂シートの裏面に溶融ラミネートして、第1の吸水層611/第2の吸水層612/防水層62/接着層63の積層構造を有する樹脂シートを得た。
【0071】
次いで、この積層構造を有する樹脂シートを、テンターオーブンを用いて再び155℃まで加熱して、クリップ延伸法にて樹脂シートの搬送方向に直交する方向(横方向)に8倍の倍率で延伸し、更にオーブンで160℃まで加熱して熱処理を行った。次いで60℃に冷却し、耳部をスリットして、二軸延伸された防水層62の両面にそれぞれ、一軸延伸された吸水層61と接着層63を積層した積層フィルムを得て、これをオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60の各層の厚さ、密度、空孔率を表4に示す。また得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60から上記手法で測定した蒸留水の転移量および静摩擦係数の測定結果を表5にまとめて示す。
【0072】
〈製造例11〜13〉
表2に記載の防水層62となる配合例9の樹脂組成物、および表2に記載の吸水層61となる配合例4の樹脂組成物を、230℃に設定した2台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して吸水層61/防水層62の積層構造を有する無延伸シートを得て、これを製造例11のオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。次いでこの無延伸シートを140℃まで加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向(MD)に6倍延伸し、60℃まで冷却して吸水層61、防水層62ともに一軸延伸した一軸延伸樹脂シートを得て、これを製造例12のオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。次いで、この一軸延伸樹脂シートを、テンターオーブンを用いて再び約155℃まで加熱して横方向(TD)に9倍延伸した後、更に160℃まで加熱して熱処理を行った。次いで60℃まで冷却し、耳部をスリットして、吸水層61、防水層62ともに二軸延伸した積層フィルムを得て、これを製造例13のオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60の各層の厚さ、密度、空孔率を表4にまとめて示す。また得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60から上記手法で測定した蒸留水の転移量および静摩擦係数の測定結果を表5にまとめて示す。各層の厚さは、各押出機の吐出量を調整することで設定している。
【0073】
製造例11のオレフィン系吸水樹脂フィルム60については、蒸留水の転移量が不十分であり、吸水樹脂フィルムとしては不適なものであった。
【0074】
〈製造例14〉
表2に記載の防水層62となる配合例9の樹脂組成物、および表2に記載の第2の吸水層612となる配合例4の樹脂組成物を、230℃に設定した2台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して第2の吸水層612/防水層62の積層構造を有する無延伸シートを得た。この樹脂シートを140℃まで加熱した後、ロール群の周速差を利用して樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の倍率で延伸し、その後60℃にて冷却して一軸延伸樹脂シートを得た。次いで、表2に記載の第1の吸水層611となる配合例4の樹脂組成物、及び表2に記載の接着層63となる配合例11の樹脂組成物を、それぞれ個別の230℃に設定した2台の押出機で溶融混練して、250℃に設定したTダイよりシート状に押し出し、一軸延伸樹脂シートの表面および裏面にそれぞれ溶融ラミネートし、第1の吸水層611/第2の吸水層612/防水層62/接着層63の積層構造を有する樹脂シートを得た。
【0075】
次いで、この積層構造を有する樹脂シートを、テンターオーブンを用いて再び155℃まで加熱して、クリップ延伸法にて樹脂シートの搬送方向に直交する方向(横方向)に8倍の倍率で延伸し、更にオーブンで160℃まで加熱して熱処理を行った。次いで60℃に冷却し、耳部をスリットして、二軸延伸された第2の吸水層612および防水層62の表面にそれぞれ、一軸延伸された第1の吸水層611と接着層63を積層した積層フィルムを得て、これをオレフィン系吸水樹脂フィルム60とした。得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60の各層の厚さ、密度、空孔率を表4に示す。また得られたオレフィン系吸水樹脂フィルム60から上記手法で測定した蒸留水の転移量および静摩擦係数の測定結果を表5にまとめて示す。
【0076】
〈製造例のオレフィン系吸水樹脂フィルムによる包装用容器の製造〉
図4に従い、加熱成形前の樹脂シート501を基材繰出ロール81から繰り出すと共に、製造例2〜4、7〜10、12〜14で得たオレフィン系吸水樹脂フィルム60を巻回されたオレフィン系吸水樹脂フィルム繰出ロール82から繰り出した。シート速度はそれぞれ6m/minとした。繰り出された樹脂シート501は、ガイドロール83により誘電加熱ロール86及び押さえロール87に移動され、繰り出されたオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、ガイドロール84及びエキスパンダロール85により誘電加熱ロール86及び押さえロール87に移動された。製造例2〜4、7〜10、14で得たオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、エキスパンダロール85のオレフィン系吸水樹脂フィルム60側に設置した赤外線ヒーター(図示せず)により、接着層63の予備加熱を行った。また、製造例12、13で得たオレフィン系吸水樹脂フィルム60については、エキスパンダロール85の直前に設けたナイフコーター(図示せず)により、防水層62側に接着剤(東洋モートン(株)製、商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合液)を固形分量が3g/mとなるように塗工を行った。そして、ロール温度110℃、押圧0.3MPaに設定した誘電加熱ロール86と押さえロール87により、加熱および押圧された樹脂シート501とオレフィン系吸水樹脂フィルム60は、接着層63または接着剤を介して接着され、基材50、接着層63または接着剤、防水層62、吸水層61の順に積層され一体化された積層シートを得た。
【0077】
次いで、この積層シートを繰出ロール88で繰り出し、図示省略する小型連続間接加熱真空成形機に移動した。積層シートは同機器の加熱部にて、オレフィン系吸水樹脂フィルム60側を300℃、樹脂シート501側をポリスチレン発泡樹脂シートとした場合150℃、ポリスチレン無発泡樹脂シートとした場合300℃、発泡ポリオレフィン樹脂シートの場合300℃、ポリオレフィン系樹脂シート、及び無機充填材との複合素材シートとした場合400℃に設定した加熱ヒーターにより12秒間加熱した後、オレフィン系吸水樹脂フィルム60が内側(収容物側)となるように、真空成形により加熱した積層シートを金型の形状に成形した。その後、成形後の積層シートから包装用容器1部分をトリミングして、実施例の包装用容器1を得た。
【0078】
また、実施例の包装用容器1と、ポリスチレン発泡樹脂シートの基材50のみの最大層厚3800μmの包装用容器の底部に吸水マットを敷いたものの各々に唐揚げを収容し、蓋を閉め、3時間後の吸水状態を確認する吸水試験を行った。その結果、実施例の包装用容器1では目視で底部2や側壁3に水滴の付着が無かったのに対し、吸水マットを用いたものでは、包装用容器の側壁や吸水マット周囲の底部に水滴が見られ、実施例の包装用容器1が高度な吸水性を発揮することを確認することができた。
【0079】
〔包装用容器の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各々の発明、実施形態及びその変形例、実施例の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを包含し、下記変形例等も含む。
【0080】
本発明の包装用容器には、容器の収容物側に全面に亘って多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルムを接着する適宜の構成が含まれる。オレフィン系吸水樹脂フィルム60は、吸水層61と防水層62を含むものであるが、その他の層を含む三層以上の積層構造とすることが可能である。例えば、吸水層61を多層化した第1の吸水層611および第2の吸水層612の積層構造、吸水層61と防水層62および接着層63の組合せの積層構造の他、防水層62を多層化したものを含むもの、その他の公知の機能層(例えば遮光層、ガスバリア層など(図示せず))を付加したものなどを包含する。また、吸水層61自体も、より高い液体吸収能を付加する目的から、3層以上に積層したものであってもよい。これは例えば、内部の吸水速度(液体吸収係数)を2段階以上に差異を付けてより効果的に逆流を防止できるようにしてもよいし、例えば内部の層に生石灰のような水分と反応する無機微細粉末を使用して吸水性をより高めてもよいし、例えば対象となる液体が異なる吸水層を積層して油分も水分も充分に吸収できるように設計してもよい。また、オレフィン系吸水樹脂フィルム60と基材50との接着には、接着層63、接着剤を用いずに両者を相互に溶着可能である場合には、溶着で接着することも可能である。
【0081】
また、容器本体となる基材50についても、単層の樹脂シートのみならず、多層化したものであってもよい。例えば、オレフィン系吸水樹脂フィルム60と接する面には接着性を高めるための接着層を設けてもよく、その他の公知の機能層(例えば遮光層、ガスバリア層など)を付加したものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、例えば肉類、魚介類、揚げ物類等の食品が収容される包装用容器に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…包装用容器 2…底部 3…側壁 4…縁部 50…容器本体の基材 501…樹脂シート 60…オレフィン系吸水樹脂フィルム 61…吸水層 611…第1の吸水層 612…第2の吸水層 62…防水層 63…接着層 81…基材繰出ロール 82…オレフィン系吸水樹脂フィルム繰出ロール 83、84…ガイドロール 85…エキスパンダロール 86…誘電加熱ロール 87…押さえロール 88…繰出ロール



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の基材と、前記基材に全面に亘って接着される多孔性のオレフィン系吸水樹脂フィルムを備える包装用容器であって、
前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが吸水層と防水層を積層してなり、
前記防水層側の面が前記基材と接着され、前記吸水層側の面が前記容器の収容物側に配置されており、
前記吸水層がオレフィン系樹脂25〜55重量%およびその表面を親水化剤で処理された無機微細粉末45〜75重量%を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記吸水層の空孔率が28〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記防水層が、オレフィン系樹脂および無機微細粉末を含有し、少なくとも一軸方向に延伸されており、その空孔率が0〜25%であり前記吸水層の空孔率よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記吸水層が、前記収容物側となる第1の吸水層と、前記防水層側となる第2の吸水層を積層した多層構造よりなり、第2の吸水層の液体吸収係数が、第1の吸水層の液体吸収係数よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記第1の吸水層の空孔率が31〜51%であり、前記第2の吸水層の空孔率が40〜62%であり、前記第2の吸水層の空孔率が前記第1の吸水層の空孔率よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の包装用容器。
【請求項6】
前記基材と前記オレフィン系吸水樹脂フィルムの防水層側の面が、接着剤を介して接着されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが、吸水層と防水層と、オレフィン系樹脂よりなる接着層をこの順に積層してなり、
前記基材と前記オレフィン系吸水樹脂フィルムが、前記接着層の熱融着により接着されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の包装用容器。
【請求項8】
前記吸水層における無機微細粉末が、炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の包装用容器。
【請求項9】
前記基材が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂よりなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、またはこれらの樹脂と無機充填材との複合素材を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の包装用容器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−224342(P2012−224342A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90707(P2011−90707)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)
【出願人】(000122313)株式会社ユポ・コーポレーション (73)
【Fターム(参考)】