説明

包装用枠体

【課題】 包装用枠体にフランジ部を有するカップ状容器を簡単な操作で固定することができ、さらに、カップ状容器と附属物を一体に収納保持できる包装用枠体を提供する。
【解決手段】 天板、両側板、底板で四角筒状に形成され前記四角筒状の内部に収納物を収納する包装用枠体であって、前記包装用枠体の天板および底板のいずれか一方の開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のいずれか一方とそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなり、前記天板および底板のいずれか一方の外面に載置当接されるフランジ付き容器のフランジが、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げによりそれぞれ前記係止用切込に係止されることにより、前記フランジ付き容器を前記天板および底板のいずれか一方の外面に取り付けられることを特徴とする包装用枠体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ部を有する容器を保持する包装用枠体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品の集合包装、特に飲料缶の集合包装については、一般的に2列に並んだ飲料缶を、板紙等を用いて横スリーブ状に巻き付けて包装する形式が用いられている。また、上端にフランジ部を有する容器を集合包装する形式として、上端のフランジ部分のみを支持して包装する形式が周知である。この包装形式は、天板と両側の垂下片とからなるホルダーを天板と両側垂下片との間にある折曲線により折り曲げ、切欠部に容器のフランジ部が係合することにより上端にフランジ部を有する容器をホルダーに保持されており、複数の容器を一列に配置した状態が広く利用されてきた。
【0003】
また、容器上部のみを保持するホルダーとして、容器を二列に集積包装した集合包装が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、「複数のフランジ付きカップ容器を2列に並んだ状態で連結するのに使用される板紙製のカップホルダーであって、矩形状の天面部分とその周囲4辺に折線を介してそれぞれ連設された折曲げ片とからなり、天面部分はカップ容器を2列状態で並べた場合にそのフランジが少しずつはみ出る大きさになっており、天面部分の前後方向中心線の左右に各カップ容器のフランジを差し込むための差込み用切込が前後方向に並んで設けられ、各折線のところには折曲げ片を下向きに折り曲げた時に当該折曲げ片がカップ容器にフランジにて係止されるような形状で折曲げ用切込が設けられていることを特徴とするカップホルダー。」が示されており、カップ容器を2列状態でまとめるに際し、差込み用切込にカップ容器のフランジを差し込んでから周囲4辺の折曲げ片を単に折り曲げるという簡単な工程でまとめることができ、まとめた後はロック状態となるばかりか、折曲げ片が補強の役目を果たして強度のあるものである。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明の「カップホルダー」では、フランジ付きカップ容器の保持に際して、差込みによる保持操作に時間を要するものであった。
【0005】
また、容器上部のみを保持するホルダーとしては、他の提案もなされている(例えば、特許文献2)。特許文献2には、「外方に突出する唇状部を持つ上部部分をそれぞれ備えた互いに隣接する列状の物品を収容する搬送体において、パネル縦方向に延びる互いに平行に間隔を隔てた2条の内側折り線とこれ等の内側折り線に平行にこれ等の折り線から外方に間隔を隔てた2条の外側折り線とを持つ支持パネルを備え、この支持パネルにこのパネルに前記外側折り線に沿って連結した下方に延びる外側支持区分と前記パネルに前記内側折り線に沿って連結され相互に近づく向きに先狭まりになり中央折り線に沿い相互に連結した下方に延びる内側支持区分とを設け、前記の内側及び外側の各折り線を前記各物品の突出唇状部の一部が貫いて突出するみぞ穴により中断し、これ等のみぞ穴に前記物品唇状部の突出部分の下側に衝合することにより各物品を支えるようにした下面を設け、前記各外側支持区分に折り線に沿って連結した補強フラップを備え、これ等の各フラップを協働する外側支持区分の下側に折曲げ、前記各フラップに理説する物品に接触する部分を持つ連結されていない縁部を設けたクリップ形物品搬送体。」(特許請求の範囲1.)が示されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載された発明の「クリップ形物品搬送体」では、例えば1列部分を把持した場合や指穴を持ち上げる時に物品の衝合部分で外れる方向に力が働いてしまい分解するという問題があり、これを防ぐには、図6に示されるように、補強帯状体52を接着剤により頂部パネル12にくさび形リブ区分18にまたがるように接着されるなどの必要がある。上記接着のためには、補強帯状体とこれを接着する工程、接着剤などが必要となってしまうという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−45162号公報
【0008】
【特許文献2】特表平8−508962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明の課題は、包装用枠体にフランジ部を有するカップ状容器を簡単な操作で固定することができ、さらに、カップ状容器と附属物を一体に収納保持できる包装用枠体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、天板、両側板、底板で四角筒状に形成され前記四角筒状の内部に収納物を収納する包装用枠体であって、前記包装用枠体の天板および底板のいずれか一方の開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のいずれか一方とそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなり、前記天板および底板のいずれか一方の外面に載置当接されるフランジ付き容器のフランジが、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げによりそれぞれ前記係止用切込に係止されることにより、前記フランジ付き容器を前記天板および底板のいずれか一方の外面に取り付けられることを特徴とする包装用枠体である。このように構成することにより、容器のフランジ部を枠体の外面に当接固定できるので、容器の取り付けが簡単である。
【0011】
請求項2の発明は、前記天板および底板のそれぞれの開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなることを特徴とする請求項1記載の包装用枠体であって、フランジ付き容器に収納された収納物を使用する際必要な物品やおまけに類する物品を、フランジ付き容器に付属させ、且つ簡単に脱落しない構成とすることができる。
【0012】
請求項3の発明は、天板、底板および貼着板で偏平筒状に形成され前記偏平筒状の内部に収納物を収納する包装用枠体であって、前記包装用枠体の天板および底板のいずれか一方の開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のいずれか一方とそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなり、前記天板および底板のいずれか一方の外面に載置当接されるフランジ付き容器のフランジが、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げによりそれぞれ前記係止用切込に係止されることにより、前記フランジ付き容器を前記天板および底板のいずれか一方の外面に取り付けられることを特徴とする包装用枠体であって、上記の構成とすることにより、偏平筒状の内部には収納物が収納可能であって、且つ天板および底板のいずれか一方の外面にフランジ付き容器が当接係止できるので、容器の取り付けが簡単にできるとともに、付属物の収納も可能である。。
【0013】
請求項4の発明は、前記天板および底板のそれぞれの開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなることを特徴とする請求項3記載の包装用枠体であって、このように構成することにより、フランジ付き容器を上下二段に係止固定することができる。
【0014】
請求項5の発明は、前記天板および/もしくは底板の外面に取り付けられる前記フランジ付き容器が複数個で、前記天板および底板の長さが前記フランジ付き容器のフランジの外径の複数個分の長さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の包装用枠体で、このように構成することにより、複数個のフランジ付き容器を上下二段に係止固定することができ、販売時点での特色有る展示が可能である。
【0015】
請求項6の発明は、前記係止用切込が、それぞれ折曲片側に膨出するとともに中央部にそれぞれ延設された天板もしくは底板方向に僅かに突出する係止突起を備えた略弓の字状からなり、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げにより、前記フランジ付き容器のフランジの裏面に前記係止突起が当接係止されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の包装用枠体で、このように構成することにより、フランジの係止をより強固に行うことができるので、移送や輸送時の容器の脱落を抑止する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る包装用枠体は、枠体の内面だけでなく外面にもフランジ付き容器を簡単な操作で係止固定することができ、また、フランジ付き容器に充填された内容物に関連する付属物、例えば液体飲料や半固形食品に対する添加物等をフランジ付き容器と一体に係止固定することができるので、意匠性に優れるとともに使用性に優れた集合包装とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る包装用枠体の第一実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図2】(a)同じく第一実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。(b)同じく第一実施形態の他の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図3】本発明に係る包装用枠体の第二実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図4】(a)同じく第二実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。(b)同じく第二実施形態の他の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図5】本発明に係る包装用枠体の第三実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図6】同じく第三実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図7】本発明に係る包装用枠体の第四実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図8】同じく第四実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図9】本発明に係る包装用枠体の第五実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図10】同じく第五実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図11】本発明に係る包装用枠体の第六実施形態のブランクを示す展開平面図。
【図12】同じく第六実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。
【図13】(a)本発明に係る包装用枠体の天地方向三段の連結構成を示す説明用斜視図。(b)図13(a)のz−z線説明用端面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明につき、図面等を用いて以下に詳述する。尚、図1は本発明に係る包装用枠体の第一実施形態のブランクを示す展開平面図。図2(a)は同じく第一実施形態の組み立て状態を示す説明用斜視図。図2(b)は同じく第一実施形態の他の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図3は本発明に係る包装用枠体の第二実施形態のブランクを示す展開平面図。図4(a)は同じく第二実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図4(b)は同じく第二実施形態の他の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図5は本発明に係る包装用枠体の第三実施形態のブランクを示す展開平面図。図6は同じく第三実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図7は本発明に係る包装用枠体の第四実施形態のブランクを示す展開平面図。図8は同じく第四実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図9は本発明に係る包装用枠体の第五実施形態のブランクを示す展開平面図。図10は同じく第五実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図11は本発明に係る包装用枠体の第六実施形態のブランクを示す展開平面図。図12は同じく第六実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図。図13(a)は本発明に係る包装用枠体の天地方向三段の連結構成を示す説明用斜視図。図13(b)は図13(a)のz−z線説明用端面図である。
【0019】
本発明に係る包装用枠体の第一実施形態は、図1に示すように、板紙等のシート状物を打ち抜いて形成されるブランクP1からなり、折線L1、L2、L3、L4を介して連設される貼着板5、底板1、側板2、天板3、側板4からなる枠部と、底板1の上下両端にはそれぞれ折線L5、L6を介して折曲板6、7が延設され、折線L5、L6のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板6、7方向に膨出する係止用切込8、9が穿設された係止部とから構成されている。本実施形態において、係止用切込8、9はそれぞれの中央部に底板1方向に突出する係止突起10、11を備えた略弓の字状に形成されている。尚、係止突起10、11の中央には短い切込部12、13が刻設されている。
【0020】
図2(a)、(b)はそれぞれ第一実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板5と底板1の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体を、折線L1、L2、L3、L4を用い、底板1、側板2、天板3、側板4を起立させて四角筒状の枠体P1’の収納領域を形成して図2(a)では枠体内に所定の付属物等(図示せず)を収納する状態を示し、図2(b)は、枠体P1’内に収納物として底板の外面に係合固定するものと同じフランジ付き容器Qを収納した状態を示した。次に、底板1の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板1の両端に延設された折曲板6、7をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板6、7の係止用切込8、9にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起10、11の端部が当接係止することにより、底板1の外面にフランジ付き容器Qが係合固定される。前記折曲板6、7の折り曲げに際し、特に係止突起10、11が中央に刻設された切込部12、13によって拡開されることによりスムーズにフランジ部Rを乗り越え、且つフランジ部Rを乗り越えたときには、拡開した部分が元に復して、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起10、11の端部が当接係止するもので、後述する各実施形態においても同様である。尚、上記図2(a)に示す枠体内への収納物としては、フランジ付き容器に関連する各種付属物(例えば、キャップ等)や、自社のキャンペーン商品等を収納することができるが、それぞれのサイズにより側板の高さサイズは設計変更される。
【0021】
図3は本発明に係る包装用枠体の第二実施形態のブランクを示す展開平面図で、シート状物を打ち抜いて形成されるブランクP2からなり、折線L21、L22、L23、L24を介して連設される貼着板25、底板21、側板22、天板23、側板24からなる枠部と、底板21の上下両端にはそれぞれ折線L25、L26を介して折曲板26、27が延設され、天板23の上下両端にはそれぞれ折線L27、L28を介して折曲板28、29が延設され、折線L25、L26および、L27、L28のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板26、27および28、29の方向に膨出する係止用切込30、31および32、33が穿設された係止部とから構成されている。本実施形態において、係止用切込30、31および32、33はそれぞれの中央部に底板21および天板23方向に突出する係止突起34、35および36、37を備えた略弓の字状に形成されている。尚、それぞれの係止突起34、35および36、37の中央には短い切込部38、39および40、41が刻設されている。また、本実施形態において、両側板22、24のそれぞれ両側端辺はやや内向きに抉られた形状に形成されているが、特に限定されるものではなく、意匠上のカットラインである。
【0022】
図4(a)は第二実施形態の組み立て固定状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板25と底板21の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体を、折線L21、L22、L23、L24を用いて底板21、側板22、天板23、側板24を起立させて四角筒状の枠体P2’の収納領域を形成して枠体内に所定の付属物等(図示せず)を収納する。次に、底板21の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板21の両端に延設された折曲板26、27をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板26、27の係止用切込30、31にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起34、35の端部を当接係止し、同じく、天板23の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、天板23の両端に延設された折曲板28、29をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板28、29の係止用切込32、33にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起36、37の端部を当接係止することにより、天板23の外面にフランジ付き容器Qが係合固定される。尚、前記係止突起34、35、及び36、37のそれぞれ中央部に刻設した短い切込部38、39、及び40、41の動作については、前述の通りであるので説明は省略する。上記のように、付属物等を収納した枠体の上下にフランジ付き容器を当接係止するので、展示効果に優れた販売形態とすることができる。
【0023】
図4(b)は第二実施形態の組立状態において他の固定状態を示す説明用斜視図で、四角筒状に形成した枠体P2’内に収納物として外面に係合固定するものと同一のフランジ付き容器Qを収納するとともに、天板23の内面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、天板23の両端に延設された折曲板28、29をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板28、29の係止用切込32、33にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起36、37の端部が当接係止することにより、天板23の内面にフランジ付き容器Qが係合固定されるものであり、簡単な操作で、フランジ付き容器を段積み状態に連結保持することができる。尚、底板21の外面にフランジ付き容器Qが係合固定されるのは前項記載のとおりであるので、説明は省略する。
【0024】
図5は本発明に係る包装用枠体の第三実施形態で、ブランクP3は、折線L51、L52を介して連設される貼着板53、底板51、天板52からなる枠部と、底板51の上下両端にそれぞれ折線L53、L54を介して折曲板54、55が延設され、折線L53、L54のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板54、55方向に膨出する係止用切込56、57が穿設された係止部とから構成されている。本実施形態において、係止用切込56、57はそれぞれの中央部に底板51方向に突出する係止突起58、59を備えた略弓の字状に形成されている。尚、それぞれの係止突起58、59の中央には短い切込部60、61が刻設されている。
【0025】
図6は第三実施形態の組立状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板53と底板51の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体P3’の底板51の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板51の両端に延設された折曲板54、55をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板54、55の係止用切込56、57にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起58、59の端部が当接係止することにより、底板51の外面にフランジ付き容器Qが係合固定される。尚、底板51と天板52とで形成された偏平な筒状の枠体P3’には、取扱説明書等を収納することができる。
【0026】
図7は本発明に係る包装用枠体の第四実施形態で、ブランクP4は、折線L71、L72を介して連設される貼着板73、底板71、天板72からなる枠部と、底板71の上下両端にそれぞれ折線L73、L74を介して折曲板74、75が延設され、折線L73、L74のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板74、75方向に膨出する係止用切込76、77が穿設されるとともに、天板72の上下両端にそれぞれ折線L75、L76を介して折曲板76、77が延設され、折線L75、L76のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板76、77方向に膨出する係止用切込80、81が穿設された係止部とから構成されている。また、係止用切込78、79および80、81はそれぞれの中央部に底板71および天板72方向に突出する係止突起82、83および84、85を備えた略弓の字状に形成されている。尚、それぞれの係止突起82、83および84、85の中央には短い切込部86、87および88、89が刻設されている。
【0027】
図8は第四実施形態の組立状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板73と底板71の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体P4’の底板71の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板71の両端に延設された折曲板74、75をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板74、75の係止用切込78、79にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起82、83の端部が当接係止することにより、底板71の外面にフランジ付き容器Qが係合固定され、同じく、天板72の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、天板72の両端に延設された折曲板76、77をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板76、77の係止用切込80、81にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起84、85の端部が当接係止することにより、天板72の外面にフランジ付き容器Qが係合固定される。尚、底板71と天板72とで形成された偏平な筒状の枠体P4’には、取扱説明書等を収納することができる。
【0028】
図9は本発明に係る包装用枠体の第五実施形態で、ブランクP5は、折線L91、L92、L93、L94を介して連設される貼着板95、底板91、側板92、天板93、側板94からなる枠部と、底板91の両端にそれぞれ折線L95、L96を介して折曲板96、97が延設され、折線L95、L96のそれぞれ略中央部にはそれぞれ折曲板96、97方向に膨出する係止用切込98、99が穿設された係止部と、天板93の両端延長上にそれぞれ折線L97、L98およびL99、L100を介してそれぞれ蓋板104、差込板105、および蓋板106、差込板107を連設した蓋部とから構成されている。また、係止用切込98、99はそれぞれの中央部に底板91方向に突出する係止突起100、101を備えた略弓の字状に形成されている。尚、それぞれの係止突起100、101の中央には短い切込部102、103が刻設されている。
【0029】
図10は第五実施形態の組み立て状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板95と側板94の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体を、折線L91、L92、L93、L94を用いて底板91、側板92、天板93、側板94を起立させて四角筒状の枠体P5’に形成した中に所定の収納物Sを収納した後、折線L97、L98およびL99、L100を用いて、耳片108、109および110、111を折り込んだ後、差込板105および107をそれぞれ枠体内に差し込み、蓋板104および106で枠体両端部を閉鎖する。次に、底板91の外面にフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板91の両端に延設された折曲板96、97をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板96、97の係止用切込98、99にそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起100、101の端部を当接係止することにより、底板91の外面にフランジ付き容器Qが係合固定される。上記のように、フランジ付き容器を底板の外面に取り付けた枠体の開放端を閉じることができるので、収納した付属物等の不用意な脱落を防止することができる。
【0030】
図11は本発明に係る包装用枠体の第六実施形態で、図4(b)に示した第二実施形態の他の固定状態における、天地方向二段に積み上げるフランジ付き容器をそれぞれ複数個の並列状態とするもので、ブランクP6は、折線L201、L202、L203、L204を介して連設される貼着板205、底板201、側板202、天板203、側板204からなる枠部と、底板201の上下両端にはそれぞれ折線L205、L206を介して折曲板206、207が延設され、天板203の上下両端にはそれぞれ折線L207、L208を介して折曲板208、209が延設され、折線L205、L206および、L207、L208にはそれぞれ係止される2個のフランジ付き容器Qのフランジ部Rが当接する位置に、それぞれ折曲板206、207および208、209の方向に膨出する係止用切込210a、210b、211a、211bおよび212a、212b、213a、213bが穿設された係止部とから構成されている。なお、係止用切込210a、210b、211a、211bおよび212a、212b、213a、213bはそれぞれの中央部に底板201および天板203方向に突出する係止突起214a、214b、215a、215bおよび216a、216b、217a、217bを備えた略弓の字状に形成されている。尚、それぞれの係止突起214a、214b、215a、215bおよび216a、216b、217a、217bの中央には短い切込部218a、218b、219a、219bおよび220a、220b、221a、221bが刻設されている。
【0031】
図12は第六実施形態の組立状態を示す説明用斜視図で、予め貼着板205と側板204の一側端とを糊着して形成された偏平な筒状の枠体を、折線L201、L202、L203、L204を用いて底板201、側板202、天板203、側板204を起立させて四角筒状の枠体P6’を形成し、次に順序は問わないが、底板201の外面に2個のフランジ付き容器Qのフランジ部Rを当接し、底板201の両端に延設された折曲板206、207をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板206、207の係止用切込210a、210b、211a、211bにそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起214a、214b、215a、215bの端部が当接係止することにより、底板201の外面にフランジ付き容器Qが係合固定され、次に、四角筒状の枠体P6’内に2個のフランジ付き容器Qを収納するとともに、天板203の内面にフランジ部Rを当接し、天板203の両端に延設された折曲板208、209をそれぞれフランジ付き容器Qの胴部方向へ折り曲げ、フランジ部Rを折曲板208、209の係止用切込212a、212b、213a、213bにそれぞれ挿入するとともに、フランジ部Rの裏面にそれぞれ係止突起216a、216b、217a、217bの端部が当接係止することにより、天板203の内面にフランジ付き容器Qが係合固定される。このようにして、同じ複数個のフランジ付き容器を二段に重ねた状態で集合包装することが可能である。尚、上記のように第六実施形態では、第二実施形態のようにフランジ付き容器を二段に重ねる状態を示したが、第一実施形態や第三、第四、第五の実施形態においても、それぞれフランジ付き容器を複数個の並列状態とすることが可能である。
【0032】
本発明に係る枠体は、前述した実施形態の一部を組み合わせた構成からなる包装構造とすることにより、フランジ付き容器を天地方向に連結することができる。図13(a)は本発明に係る包装用枠体の天地方向三段の連結構成を示す説明用斜視図、図13(b)は図13(a)のz−z線説明用端面図であって、それぞれ同一のフランジ付き容器Qを天地方向三段に連結した状態を表わしている(上段から順にQ1、Q2、Q3とし、それぞれのフランジ部をR1、R2、R3とする)。最上段の枠体Xは、図4(b)に示した第二実施形態の他の組み立て固定状態の枠体P2’と同様で、内部にフランジ付き容器Q1を収納する。中段の枠体Yは、図2(b)に示した第一実施形態の他の固定状態の枠体P1’と同様で、同じく枠体内部にフランジ付き容器Q2を収納するものである。このとき、中段の枠体Y(P1’)内に収納されたフランジ付き容器Q2のフランジ部R2は枠体X(P2’)の底板21の開放端側両端縁からそれぞれ膨出しており枠体Y(P1’)の天板3を挟み込んだ状態で、枠体X(P2’)の底板21の両端に延設された折曲板26、27の折り曲げにより、係止用切込30、31にそれぞれ挿入されるとともに、係止突起34、35の端部がフランジ部R2の裏面に当接係止される。尚、図13(b)の端面図の右側に、最上段の枠体X(P2’)と中段の枠体Y(P1’)との連結状態における位置関係を矢印の範囲で示した。本構成は、中段の枠体Y(P1’)内に収納されたフランジ付き容器Q2を、上段の枠体X(P2’)の底板から延設される折曲板の折り曲げにより形成される係止用切込で係止することによって、上段の枠体X(P2’)と中段の枠体Y(P1’)が連結保持され、最下段のフランジ付き容器Q3は中段の枠体Y(P1’)の折曲板6、7の折曲により、係止用切込8、9にそれぞれ挿入されるとともに、係止突起10、11の端部がフランジ部R3の裏面に当接係止することによって係止保持されることにより、フランジ付き容器を天地方向に三段連結することができる。
【0033】
前述した包装構造の中段に配置された枠体Y(P1’)の下段に、さらに別の枠体Y(P1’)を組み合わせることによりフランジ付き容器の四段以上の連結も可能であり、本実施形態のように、枠体それぞれの側板を意匠的に統一したカットラインとするなどして、枠体Pおよび容器Qを天地方向に連結させれば、販売時点において興趣ある展示を行うことができる。さらに、天地方向の各段に用いる枠体を、前述した第六実施形態のようにフランジ付き容器が複数個並列する枠体とすることにより、フランジ付き容器が二列三段等に連結した状態とすることもできるので、集合させて販売する数量を選択的に決めることが可能である。尚、図示は省略するが、上記した集合包装状態をさらに安定的なものとすべく、熱収縮フィルムによるシュリンク包装を施してもよい。
【符号の説明】
【0034】
P1 ブランク
P1’ 枠体
1 底板
2 側板
3 天板
4 側板
5 貼着板
6、7 折曲板
8、9 係止用切込
10、11 係止突起
12、13 切込部
L1〜L6 折線
P2 ブランク
P2’ 枠体
21 底板
22 側板
23 天板
24 側板
25 貼着板
26〜29 折曲板
30〜33 係止用切込
34〜37 係止突起
38〜41 切込部
L21〜L28 折線
P3 ブランク
P3’ 枠体
51 底板
52 天板
53 貼着板
54、55 折曲板
56、57 係止用切込
58、59 係止突起
60、61 切込部
L51〜L54 折線
P4 ブランク
P4’ 枠体
71 底板
72 天板
73 貼着板
74〜77 折曲板
78〜81 係止用切込
82〜85 係止突起
86〜89 切込部
L71〜L76 折線
P5 ブランク
P5’ 枠体
91 底板
92 側板
93 天板
94 側板
95 貼着板
96、97 折曲板
98、99 係止用切込
100、101 係止突起
102、103 切込部
104、106 蓋板
105、107 差込板
108〜111 耳片
L91〜L100 折線
P6 ブランク
P6’ 枠体
201 底板
202 側板
203 天板
204 側板
205 貼着板
206〜209 折曲板
210a〜213b 係止用切込
214a〜217b 係止突起
218a〜221b 切込部
L201〜L208 折線
Q(Q1〜Q3) 容器
R(R1〜R3) 容器フランジ
X 枠体P2’
Y 枠体P1’

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板、両側板、底板で四角筒状に形成され前記四角筒状の内部に収納物を収納する包装用枠体であって、前記包装用枠体の天板および底板のいずれか一方の開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のいずれか一方とそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなり、前記天板および底板のいずれか一方の外面に載置当接されるフランジ付き容器のフランジが、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げによりそれぞれ前記係止用切込に係止されることにより、前記フランジ付き容器を前記天板および底板のいずれか一方の外面に取り付けられることを特徴とする包装用枠体。
【請求項2】
前記天板および底板のそれぞれの開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなることを特徴とする請求項1記載の包装用枠体。
【請求項3】
天板、底板および貼着板で偏平筒状に形成され前記偏平筒状の内部に収納物を収納する包装用枠体であって、前記包装用枠体の天板および底板のいずれか一方の開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のいずれか一方とそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなり、前記天板および底板のいずれか一方の外面に載置当接されるフランジ付き容器のフランジが、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げによりそれぞれ前記係止用切込に係止されることにより、前記フランジ付き容器を前記天板および底板のいずれか一方の外面に取り付けられることを特徴とする包装用枠体。
【請求項4】
前記天板および底板のそれぞれの開放端両側延長上にそれぞれ折線を介して連設される折曲片を有するとともに、前記天板および底板のそれぞれの折曲片との間の折線上に係止用切込を穿設してなることを特徴とする請求項3記載の包装用枠体。
【請求項5】
前記天板および/もしくは底板の外面に取り付けられる前記フランジ付き容器が複数個で、前記天板および底板の長さが前記フランジ付き容器のフランジの外径の複数個分の長さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の包装用枠体。
【請求項6】
前記係止用切込が、それぞれ折曲片側に膨出するとともに中央部にそれぞれ延設された天板もしくは底板方向に僅かに突出する係止突起を備えた略弓の字状からなり、前記包装用枠体の前記折曲片の折り曲げにより、前記フランジ付き容器のフランジの裏面に前記係止突起が当接係止されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の包装用枠体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−126573(P2011−126573A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287166(P2009−287166)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】