説明

包装箱

【課題】外フラップに生じる皺付きを防止することができる包装箱を提供する。
【解決手段】
包装箱1は、上外フラップ9が連設される折目線12および下外フラップ10が連設される折目線13には、その両端部が一定の長さに亘って切り欠かれた切欠部16が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体に収納物を収納するための包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、打抜かれた段ボール板紙上に内容物を載せ、該内容物を包み込むように段ボール板紙を折り曲げて、箱の組立てと同時に内容物の包装が完了するラップアラウンドケースと言われる包装箱が知られている(例えば、特許文献1(図1参照))。
【0003】
かかる包装箱では、内容物を包み込むように折り曲げた角筒状のダンボール板を、その端縁に折目線を介して連設された内フラップおよび外フラップで閉塞することにより箱体が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−184174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる従来の包装箱では、これを複数積み上げた場合に、図3に模式的に示すように、下段側の包装箱の外フラップが連設される折目線の両端部から外フラップに掛けて皺付きCが生じる場合がある。このような皺付きCは、店頭などで包装箱を複数積み上げた場合に、外フラップが通路側に面することが多く、需要者等の目に付き易い。
【0006】
以上の事情に鑑みて、本発明は、外フラップに生じる皺付きを防止することができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収納箱は、段ボール板紙によって形成され、矩形状の底板の前後側縁に夫々折目線を介して連設された一対の側壁板を起立させ、一方の側壁板の先端縁に折目線を介して連設された天板を前記底板に平行に折り曲げ、両側壁板の各左右側縁に折目線を介して一対ずつ連設された各内フラップを互いに内方に折り曲げると共に各内フラップの先端縁間に間隔を形成し、前記底板と前記天板との各左右側縁に折目線を介して一対ずつ連設された各外フラップを夫々上下から内方に折り曲げ、各外フラップの先端部の少なくとも各内フラップの先端縁間の間隔に対応する位置に突設された当接部の先端縁同士を互いに当接させ、各外フラップを前記内フラップに接着することにより形成される包装箱であって、前記底板と前記天板との各左右側縁で前記外フラップが連接される折目線において、該折目線の両端部を切欠いた切欠部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の包装箱によれば、外フラップが連接される折目線において、該折目線の両端部が切り欠かれている。
【0009】
ここで、包装箱を複数積み上げた場合に、下段側の包装箱の天板に上段側の包装箱の荷重が掛り、この天板に掛った荷重が折目線を介して外フラップに掛ることで、折目線に沿って外フラップに皺付きが発生し易い。特に、天板の四隅では、荷重が分散し難いため、折目線でもその両端部の皺付きが顕著である。
【0010】
これは、抗力を受ける底板と外フラップとの間の折目線についても、同様であり、折目線の両端部に皺付きが発生し易い。
【0011】
それに対し、本発明の包装箱では、皺付きが発生し易い場所に切欠部が形成されており、天板および底板から外フラップに向う荷重が開放されるようになっている。したがって、切欠部が存在する部分では包装箱の天板および底板から外フラップに荷重が掛ることがなくなり、外フラップに生じる皺付きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】包装箱の全体構成を示す斜視図。
【図2】仕切り部の構成を示す展開図。
【図3】従来の包装箱の構成を示す分解図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の包装箱1は、図1に示すように、外観が直方体状に形成され、内部に図示しない内容物が収納されている。該包装箱1は、所謂ラップアラウンドケースであり、図2に示すように、大略矩形状に打抜いて形成された段ボール板紙2により組立てられる。
【0014】
段ボール板紙2は、底板3と、該底板3の前側縁に折目線を介して連設された前側壁板4と、該底板3の後側縁に折目線を介して連設された後側壁板5と、該後側壁板5の先端縁に折目線を介して連設された天板6とを備えている。また、天板6の先端縁には、折目線を介して接着片7が連設されている。
【0015】
前記前側壁板4と前記後側壁板5との夫々の左右側縁には、一対の内フラップ8が折目線11を介して連設されている。前記天板6の左右側縁には一対の上外フラップ9が折目線12を介して連設され、前記底板3の左右側縁には一対の下外フラップ10が折目線13を介して連設されている。
【0016】
さらに、上外フラップ9および下外フラップ10の先端部には、当接部14,15が夫々形成されており、両当接部14,15を互いに当接することによって内フラップ8の先端縁間の間隙が閉塞される。そして、上外フラップ9および下外フラップ10は内フラップ8との重合部分において接着されている。
【0017】
ここで、上外フラップ9が連設される折目線12および下外フラップ10が連設される折目線13には、その両端部が一定の長さに亘って切り欠かれた切欠部16が形成されている。切欠部16の長さは、上外フラップ9および下外フラップ10が内フラップ8に重なる領域の長さと等しい。
【0018】
以上のように構成された包装箱1を段ボール板紙2から組み立てるときには、底板3の前側縁に沿って前側壁板4を起立させ、底板3の後側縁に沿って後側壁板5を起立させ、後側壁板5の先端縁に沿って天板6を水平に折り曲げた後に、接着片7を前側壁板4に接着することで四角筒状の胴部を形成する。そして、各内フラップ8を内方に折り曲げ、各外フラップ9,10を内方に折り曲げて内フラップ8の外側に重合させて、各外フラップ9,10を各内フラップ8に接着する。これにより、図1に示すように、直方体状に形成される。
【0019】
このようにして形成された包装箱1は、上外フラップ9が連設される折目線12には、その両端部に切欠部16が形成されている。また、下外フラップ10が連設される折目線13にもその両端部に切欠部16が形成されている。
【0020】
そのため、包装箱1を複数積み上げた場合に、下段側の包装箱1の天板6に上段側の包装箱1の荷重が掛っても、天板6と上外フラップ9との境界において、荷重が分散し難い四隅部分に切欠部16が設けられているので、天板6からの荷重が上外フラップ9に伝達されることがなく、上外フラップ9の皺付きを確実に防止することができる。
【0021】
これは、抗力を受ける底板3と下外フラップ10との間の折目線13の部分についても、同様である。すなわち、底板3と下外フラップ10との境界において、荷重が分散し難い四隅部分に切欠部16が設けられているので、底板3からの抗力が下外フラップ10に伝達されることがなく、下外フラップ10の皺付きを確実に防止することができる。
【0022】
また、切欠部16の長さを、上外フラップ9および下外フラップ10が内フラップ8に重なる領域の長さと等しくすることで、包装箱1に掛る荷重を相対的に内フラップ8に掛けることができ、包装箱1に求められる耐圧強度を維持しつつ、皺付きが防止される長さを最大限に確保することができる。
【0023】
ここで、切欠部16が存在する部分では、相対的に内フラップ8に荷重が掛り、内フラップ8に皺付きが生じる可能性があるが、内フラップ8に皺付きが発生してもこれを覆う上外フラップ9および下外フラップ10により、包装箱1の美観が維持される。
【0024】
なお、本実施形態では、切欠部16の長さが、上外フラップ9および下外フラップ10が内フラップ8に重なる領域の長さと等しい場合について説明したが、これに限定されるものではなく、切欠部16の長さが、上外フラップ9および下外フラップ10が内フラップ8に重なる領域の長さ以下であれば、特に、皺付きが生じ易い天板6および底板3の四隅部分のみにしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1…包装箱、2…段ボール板紙、3…底板、4,5…側壁板、6…天板、8…内フラップ、9…上外フラップ(外フラップ)、10…下外フラップ(外フラップ)、11,12,13…折目線、14,15…当接部、16…切欠部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール板紙によって形成され、矩形状の底板の前後側縁に夫々折目線を介して連設された一対の側壁板を起立させ、一方の側壁板の先端縁に折目線を介して連設された天板を前記底板に平行に折り曲げ、両側壁板の各左右側縁に折目線を介して一対ずつ連設された各内フラップを互いに内方に折り曲げると共に各内フラップの先端縁間に間隔を形成し、前記底板と前記天板との各左右側縁に折目線を介して一対ずつ連設された各外フラップを夫々上下から内方に折り曲げ、各外フラップの先端部の少なくとも各内フラップの先端縁間の間隔に対応する位置に突設された当接部の先端縁同士を互いに当接させ、各外フラップを前記内フラップに接着することにより形成される包装箱であって、
前記底板と前記天板との各左右側縁で前記外フラップが連接される折目線において、該折目線の両端部を切欠いた切欠部を備えることを特徴とする包装箱。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−246025(P2012−246025A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120176(P2011−120176)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(390022895)株式会社トーモク (45)
【Fターム(参考)】