説明

包装紙供給装置

【課題】品物に装着する包装紙を所定の位置に供給する包装紙供給装置を提供する。
【解決手段】包装箱の少なくとも天面および両側面を覆うように装着される包装紙2を供給する包装紙供給装置1であって、複数枚の包装紙2を受ける包装紙受け台部3と、包装紙受け台部3で受けられる最上面に位置する包装紙2の端部近傍上面に当接し包装紙受け台部3から包装紙2を取り出す包装紙取出し部4と、包装紙取出し部4によって取り出された包装紙2を保持する保持台と、この保持台に設けられ保持台に供給された包装紙2を位置決めする位置決め部とを備えるので、品物に装着する包装紙2を所定の位置に供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装紙供給装置に関し、より詳細には包装箱の少なくとも天面および両側面を覆うように装着される包装紙を供給する包装紙供給装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
贈答品にのし紙を貼り、あるいは包装箱の少なくとも天面および両側面を包装紙で覆うような簡易な包装をする場合には、品物に装着するのし紙または包装紙(以下、包装紙という。)の端部に予めテープが貼られ、テープが貼られた包装紙と品物との位置合わせをした後に包装紙が品物に装着され、あるいはテープが貼られていない包装紙と品物との位置合わせをした後に、位置合わせがされた状態で包装紙の端部にテープが貼られて包装紙を品物に装着しているが、いずれの場合にも作業者は包装紙が保管されている場所に移動して包装紙を取り出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように品物に包装紙を装着する作業を人の手によって行う場合には、包装紙を取り出す作業に時間が掛かっている。また、テープ貼付装置によって包装紙の所定の位置にセロハンテープを貼り、作業者がセロハンテープが貼られた包装紙を保持台から取り出して、包装紙と品物との位置合わせをする位置決め装置のテーブルに置き、包装紙と品物との位置合わせをした後に、作業者が包装紙を品物に貼り付けて包装することが考えられる。
いずれの場合にも包装紙を1枚ずつ所定の位置に供給することができれば作業時間の短縮が図られる。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するもので、品物に装着する包装紙を所定の位置に供給する包装紙供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明は、包装箱の少なくとも天面および両側面を覆うように装着される包装紙を供給する包装紙供給装置であって、複数枚の包装紙を受ける包装紙受け台部と、包装紙受け台部で受けられる最上面に位置する包装紙の端部近傍上面に当接し包装紙受け台部から包装紙を取り出す包装紙取出し手段と、包装紙取出し手段によって取り出された包装紙を保持する保持部と、この保持部に設けられ保持部に供給された包装紙を位置決めする位置決め手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、包装紙供給装置は、複数枚の包装紙を受ける包装紙受け台部と、包装紙受け台部で受けられる最上面に位置する包装紙の端部近傍上面に当接し包装紙受け台部から包装紙を取り出す包装紙取出し手段と、包装紙取出し手段によって取り出された包装紙を保持する保持部と、この保持部に設けられ保持部に供給された包装紙を位置決めする位置決め手段とを備えるので、品物に装着する包装紙を所定の位置に供給する包装紙供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】包装紙供給装置1の平面図である。
【図2】切断面Aで切断した断面図である。
【図3】運搬部6の駆動ローラー27の配置を示す平面図である。
【図4】包装紙取出し部4の詳細図である。
【図5】B矢視図である。
【図6】位置決め部7の駆動ローラー35の配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。図1は包装紙供給装置1の平面図であり、図2は、切断面Aで切断した断面図である。図3は、運搬部6の駆動ローラー27の配置を示す平面図であり、図4は、包装紙取出し部4の詳細図である。図5は、B矢視図であり、図6は、位置決め部7の駆動ローラー35の配置を示す平面図である。包装紙供給装置1は、包装紙2を受ける包装紙受け台部3と、包装紙受け台部3で受けられた包装紙2の端部に当接し包装紙受け台部3から包装紙2を取り出す包装紙取出し手段である包装紙取出し部4と、包装紙取出し部4によって取り出された包装紙2を包装紙2が保持される保持部である保持台5に運搬する運搬部6と、保持台5に運搬された包装紙2の位置決めをする位置決め手段である位置決め部7とを備える。
【0009】
包装紙受け台部3は金属製の包装紙受け台8を備え、人の手によって複数枚の包装紙2がまとめて包装紙受け台8に置かれる。包装紙受け台8には包装紙2の位置決めをするガイド9が設けられ、ガイド9は包装紙受け台8の下部に設置されたエアシリンダ10に駆動されて包装紙受け台8の上面に突出し包装紙2の前端部位置を揃える。包装紙受け台8に包装紙2を置く作業が終了するとガイド9は包装紙受け台8の下部に下降する。
【0010】
包装紙受け台8には包装紙2の幅方向の位置決めをする樹脂製のガイド11が設けられる。大きさが異なる包装紙2に対応するためにガイド11のガイド幅は変更可能とされる。詳細な説明は省略するが、包装紙2の両側に位置する各々のガイド11は、たとえばリニアガイドのブロックに取付けられ、ガイドが取付けられたブロックがタイミングベルトの張り側と弛み側とに固定されてモータ駆動される。このようにしてガイド11のガイド幅調整が行われる。
【0011】
包装紙取出し部4は、包装紙供給装置1の側部に設置したモータ12の出力軸に取付けられたタイミングベルト13を介して駆動される回転軸14と回転軸14に支持されたローラー部15とを備える。回転軸14は、軸心が包装紙2の送り方向と直交する方向に向いており、両軸端を支持する軸受は包装紙受け台8に固定されたブラケット22に取付けられる。ローラー部15は包装紙送り方向の中心線16上と中心線16の両側との3箇所に設置される。ローラー部15は、回転軸16上に固定された樹脂製の第1ローラー17とケーシング18に支持され第1ローラー17の前方に設置される樹脂製の第2ローラー19とを備える。
【0012】
第1ローラー17は、包装紙2に当接したときに滑りにくくするために、当接面にたとえばゴムが巻かれる。第2ローラー19は、重ねて置かれた複数の包装紙2のうち最も上にある包装紙2の端部に当接して該包装紙2のみ1枚を送り出すことができるように、第2ローラーの当接面には幅狭なゴム環20が間隔を開けて3箇所貼られる。
【0013】
ケーシング18は、第2ローラー19が回転軸14を中心として揺動可能となるように回転軸14に支持される。第1ローラー17と第2ローラー19とは平歯車21を介して連結されており本実施例においては52.5mm/秒の送り速度で包装紙2を送り出す方向に回転する。
【0014】
後述する運搬部6のケーシング23に固定された不図示のエアシリンダが中心軸16上に設置される。エアシリンダのロッドには断面L状の係合片24が取付けられる。包装紙取り出し部4のケーシング18には、係合片24が係合する凸部25が設けられており、エアシリンダを駆動させると図4に示すように係合片24が凸部25に係合して第2ローラー19を回転軸14を中心として回動させて包装紙2から引き離し、または図2に示すように係合片24と凸部25との係合が解除されて第2ローラー19が包装紙2に当接する。
【0015】
運搬部6は、包装紙取出し部4の後方に設置され、包装紙受け台8の包装紙2を保持台5に案内する案内板26と、不図示のモータによって歯車駆動される駆動ローラー27と、駆動ローラー27の上面に当接する従動ローラー28とを備える。駆動ローラー27は、不図示のモータ出力端の平歯車31が駆動ローラー27の回転軸に設けられた平歯車32と噛み合って歯車駆動される。案内板26の下方に設置される駆動ローラー27は、包装紙取り出し部4の第1ローラー17,第2ローラー19と同様に52.5mm/秒の送り速度で回転し、回転軸30の両軸端を支持する軸受が包装紙受け台8に固定されたブラケット22に取付けられる。従動ローラー28の回転軸29はケーシング23に支持され、ケーシング23の前端部は包装紙取り出し部4の回転軸14に支持される。
【0016】
位置決め部7は、包装紙2が設置される保持台5と、保持台5の下面側に設置され保持台5の上面に突出する駆動ローラー35と、駆動ローラー35に当接して回転する従動ローラー36とを備える。図6に示すように、駆動ローラー35は、中心線16に対して対称な位置に流れ方向に沿って各々2箇所設置される。回転軸37に設置された前方の駆動ローラー35と、回転軸38に設置された後方の駆動ローラー35とはタイミングベルト39で連結されモータ40で駆動される。駆動ローラー35の送り速度は63mm/秒とされる。
【0017】
従動ローラー36が取付けられたブラケット41は、運搬部6の回転軸29を支持するケーシング23に固定され、中心線16に対して対称な位置に2箇所設けられる。前方に位置する従動ローラー36に隣接してフォトセンサ42が設けられる。包装紙2が流れてきたことをフォトセンサ42が検知すると、駆動ローラー35が駆動される。駆動ローラー35が駆動されて包装紙2が保持台5の所定の位置に送られてきたことを不図示のフォトセンサが検出すると駆動ローラー35の駆動が停止される。本実施例においては、この状態で後述するテープ貼付装置が作動して包装紙2の側端部にセロハンテープが貼られる。
【0018】
ここで、包装紙供給装置1の動作について説明する。幅方向のガイド11が包装紙2のサイズに合わせて調整された状態で、まずエアシリンダ10を駆動してガイド9を包装紙受け台8の上面に突出させる。作業者はこの状態で包装紙2をガイド9および11に合わせて容易に置くことができる。包装紙2の設置作業が終わるとエアシリンダ10が駆動され、ガイド9は包装紙受け台8の下面側に下降する。
【0019】
第2ローラー19は、係合片24が凸部25に係合して包装紙2から引き離された図4の状態になっているので、不図示のエアシリンダを駆動させて係合片24と凸部25との係合を解除させ第2ローラー19を包装紙2に当接させ図2の状態とする。
【0020】
包装紙取り出し部4のモータ12を駆動させて第1ローラー17と第2ローラー19とを駆動するとともに、運搬部6のモータを駆動して、駆動ローラー27を駆動する。駆動ローラー27が駆動すると駆動ローラー27に圧接する従動ローラー28が駆動ローラー27とともに回転する。
【0021】
第2ローラー19が包装紙受け台8に保持された複数の包装紙2のうちの最上部の一枚を送り出すと、送り出された包装紙2は第2ローラー19後方の案内板26に送られる。案内板26に送られた包装紙2は、第1ローラー17によって案内板26に押圧されて案内板26の上面に沿って後方に送られる。案内板26の上面に沿って後方に送られる包装紙2は、運搬部6の駆動ローラー27と従動ローラー28との間で押圧されて保持台5に向かって送り出される。
【0022】
位置決め部7のブラケット41に設置されたフォトセンサ42が包装紙2の先端部を検知するとモータ40によって駆動ローラー35が駆動され、包装紙2は駆動ローラー35と従動ローラー36とで押圧された状態で保持台5の後方に送られる。
【0023】
図示しないが、従動ローラー36の後方に設置された不図示のフォトセンサが包装紙2を検知すると駆動ローラー35の駆動が停止される。保持台5の両側部下方にはセロハンテープを貼る不図示のテープ貼付装置が設けられており、テープ貼付装置によって所定の位置で保持された包装紙2の両側部にセロハンテープが貼られる。なお、作業者はセロハンテープが貼られた包装紙2を保持台5から取り出し、包装紙2と包装紙2が貼られる品物との位置合わせをする位置決め装置のテーブルに置く。位置決め装置によって包装紙2と品物との位置合わせがされた後に、作業者が包装紙2を品物に貼り付けて包装がされる。このように包装紙供給装置1は、保持されている複数枚の包装紙2から1枚取り出して、テープ貼付装置によってセロハンテープが貼られる所定の位置に包装紙を運ぶものである。なお、テープ貼付装置および位置決め装置の詳細な説明は省略する。
【0024】
作業者が手作業で品物を包装する場合であっても包装紙2を一枚ずつ保持台5に供給することによって、作業者の無駄な動作を省き作業時間の短縮を図ることができる。
このように、包装箱の少なくとも天面および両側面を覆うように装着される包装紙2を供給する包装紙供給装置1であって、複数枚の包装紙2を受ける包装紙受け台部3と、包装紙受け台部3で受けられる最上面に位置する包装紙2の端部近傍上面に当接し包装紙受け台部3から包装紙2を取り出す包装紙取出し部4と、包装紙取出し部4によって取り出された包装紙2を保持する保持台5と、この保持台5に設けられ保持台5に供給された包装紙2を位置決めする位置決め部7とを備えるので、品物に装着する包装紙2を所定の位置に供給することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 包装紙供給装置
2 包装紙
3 包装紙受け台部
4 包装紙取出し部
5 保持台
6 運搬部
7 位置決め部
8 包装紙受け台
11 ガイド
12,40 モータ
13,39 タイミングベルト
14,29,37,38 回転軸
15 ローラー部
16 中心線
17 第1ローラー
18,23 ケーシング
19 第2ローラー
20 ゴム環
21,31,32 平歯車
22,41 ブラケット
26 案内板
35 駆動ローラー
36 従動ローラー
42 フォトセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱の少なくとも天面および両側面を覆うように装着される包装紙を供給する包装紙供給装置であって、
複数枚の包装紙を受ける包装紙受け台部と、包装紙受け台部で受けられる最上面に位置する包装紙の端部近傍上面に当接し包装紙受け台部から包装紙を取り出す包装紙取出し手段と、包装紙取出し手段によって取り出された包装紙を保持する保持部と、この保持部に設けられ保持部に供給された包装紙を位置決めする位置決め手段とを備えることを特徴とする包装紙供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−240999(P2011−240999A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111584(P2010−111584)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(509330596)株式会社ミヤタニ (3)
【Fターム(参考)】