説明

包装袋パッケージ

【課題】ワンアクションで開封することができ、つまみ部分の処理に困ることのないようにした包装袋パッケージを提供する。
【解決手段】端部を切り取るための開封手段を備えた複数個の包装袋20とそれらを取り付けた板紙製の外装体10とからなり、外装体10には挟持用の折返し部分16,18が設けられており、その折返し部分16,18の先端縁が包装袋20の開封手段に隣接する状態で、包装袋20の端部が外装体10の折返し部分16,18に挟持されている。包装袋20を外装体10から取り外すに際し、外装体10の折返し部分16,18を片手で持ち、もう一方の手で包装袋20を捩じるように引っ張ると、包装袋20はその端部が折返し部分16,18に挟持されて外装体10の方に残ったまま、開封手段のところで破断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や粘体などを収納したスティック状などの包装袋の技術分野に属し、詳しくは、このような小さな包装袋を複数個収納してなる包装袋パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用上の便宜を図ったものとして、インスタントコーヒー、カフェオレなどの粉末状飲料を一回分ずつ個包装したスティック状の包装袋が知られており、通常この種の包装袋は紙カートンに複数個収納した包装袋パッケージの形態で販売されている。そして、飲むときは、紙カートンから一つずつ包装袋を取り出し、その端部を引き裂いて中身をカップに入れて湯や水を注ぐようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−103328号公報
【特許文献2】特開2011−46393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したスティック状の包装袋は、紙カートンから取り出した後、端部を手で引き裂いて開封するが、開封場所が分かりにくく、なおかつ紙カートンから一々取り出して開封するという余分な作業が必要である。また、切り取ったつまみ部分がゴミとして発生するため、散らかってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワンアクションで開封することができ、つまみ部分の処理に困ることのないようにした包装袋パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る包装袋パッケージは、端部を切り取るための開封手段を備えた複数個の包装袋とそれらを取り付けた板紙製の外装体とからなり、外装体には挟持用の折返し部分が設けられており、その折返し部分の先端縁が包装袋の開封手段に隣接する状態で、包装袋の端部が外装体の折返し部分に挟持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の包装袋パッケージは、端部を切り取るための開封手段を備えた複数個の包装袋とそれらを取り付けた板紙製の外装体とからなり、外装体には挟持用の折返し部分が設けられており、その折返し部分の先端縁が包装袋の開封手段に隣接する状態で、包装袋の端部が外装体の折返し部分に挟持されていることを特徴としているので、包装袋を外装体から取り外すに際し、外装体の折返し部分を片手で持ち、もう一方の手で包装袋を捩じるように引っ張ると、包装袋はその端部が折返し部分に挟持されて外装体の方に残ったまま、開封手段のところで破断されることから、包装袋を引っ張るだけのワンアクションで外装体からの取外しと包装袋の開封とを同時に行うことができ、しかも破断された端部がゴミとなって散らかるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る包装袋パッケージの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の包装袋パッケージを開けた状態で示す斜視図である。
【図3】図1の包装袋パッケージを構成する包装袋の一つを示す斜視図である。
【図4】図1の包装袋パッケージから包装袋を取り外す様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明に係る包装袋パッケージPの一例を示すもので、図2にこれを開いた状態で示すように、紙カートンである外装体10の中に図3に示す4つの包装袋20が収納されている。
【0011】
外装体10は、包装袋20の長さに対応した高さのある前面パネル11、側面パネル12、背面パネル13、側面パネル14及びカバーパネル15が折線を介して横方向に連設されており、前面パネル11の上下にはそれぞれ折線を介して折返し部分16と底面パネル17が連設され、その底面パネル17には折線を介して立上げパネル17aが連設されており、背面パネル13の上下にはそれぞれ折線を介して折返し部分18と底面パネル19が連設され、その底面パネル19には折線を介して立上げパネル19aが連設されている。
【0012】
ここで、底面パネル18,19の幅は包装袋20の厚みに対応しており、側面パネル12,14の幅はその2倍になっている。また、前面パネル11にはカバーパネル係止用のスリット11a(図4参照)が形成され、それに対応してカバーパネル15には半円状の切込により係止片15aが区画されている。
【0013】
図3に示す包装袋20はピロー包装されたスティックの形態をしており、例えばインスタントコーヒーやカフェオレなどの粉末状飲料を一回分ずつ個包装したもので、裏側の背シール部に加えて図示のように上下端を塞ぐにシール部21,22を有している。そして、この包装袋20には、開封手段として、上方のシール部21に隣接する位置に周囲をシール部23で区画されたV字状のノッチ24が設けられている。
【0014】
この包装袋20を図2の如く4つ並べた状態で外装体10に収納して図1に示す包装袋パッケージPが形成されている。収納するに際しては、図2に示すように、折返し部分16,18の先端縁が包装袋20の開封手段に隣接する状態で、包装袋20の端部が外装体10の折返し部分16,18に挟持されるようにする。このとき、前面パネル11と背面パネル13の上部にホットメルト等の接着剤を塗布しておき、その上から4つの包装袋20を載せ、折返し部分16,18を折り返すことにより挟持した状態で固定する。包装袋20のない部分で貼り合わせが行われるが、接着剤を折返し部分16,18の方にも塗布すればより確実に固定することができる。
【0015】
このように左右の折返し部分16,18を内側に折り返して貼り合わせることによりそれぞれ包装袋20を2つずつ挟持した後、底面パネル17とその立上げパネル17a、底面パネル19とその立上げパネル19aをそれぞれ内側に折り曲げて包装袋20の下側を囲むようにしてから、背面パネル13の上側に前面パネル11を重ね合わせ、さらにその上からカバーパネル15を重ね、カバーパネル15の係止片15aを前面パネル11のスリット11aに引っ掛けて係止させる。これにより、図1に示す包装袋パッケージPが形成される。
【0016】
図1の包装袋パッケージPは、外装体10を開いてから中の包装袋20を取り外す。このとき、図4に示すように、外装体10の折返し部分16を片手で持ち、もう一方の手で包装袋20を捩じるように引っ張る。すると、包装袋20はその端部が折返し部分に挟持されて外装体20の方に残ったまま、開封手段であるノッチ24のところで破断されることで取り外されると同時に開封される。したがって、包装袋20を引っ張るだけのワンアクションで外装体10からの取外しと包装袋20の開封とを同時に行うことができ、しかも破断された端部がゴミとなって散らかるようなことがない。他の3つの包装袋20についも同様に引っ張ることで取り外しと開封を同時に行う。
【0017】
本発明で用いられる包装袋は、上記したようなピロー包装されたスティック形状のものに限定されるものではない。例えば、四方シール袋、三方シール袋などその他の形態の包装袋を用いたものであってもよい。そして、各種包装袋の中でも、形成される開口の両端にシール部のない開封手段のある方が開口面積を大きく取れる点では望ましい。
【0018】
また、包装袋の開封手段についても、上記したようなV字状の大きなノッチに限定されるものではない。例えば、シール部にIノッチを設けたり、レーザー等で表面加工を施して直進カット機能を持たせるようにしたものでもよい。また、開封操作を正確に行わせるようにするため、挟持用の折返し部分に開封箇所を表記しておくことが望ましい。
【0019】
包装袋に用いる包装材としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋に充填される内容物や、充填後の取扱い条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、基材フィルム層とシーラント層との間などに、例えば、中間層として、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用する。包装材の仕様例としては次のようなものが挙げられる。
【0020】
OPP/PE、OPP/CPP、ON/PE、ON/CPP、PET/PE、PET/CPP、PET/ON/PE、PET/OC/CPP、OPP/蒸着CPP、ON/蒸着CPP、PET/蒸着CPP、PET/蒸着PET/PE、PET/蒸着PET/CPP、透明蒸着PET/CPP、透明蒸着PET/PE、OPP/AL/PE、OPP/AL/CPP、ON/AL/PE、ON/AL/CPP、PET/AL/PE、PET/AL/CPP
【0021】
本発明で用いられる外装体は、上記したような観音開きタイプの紙カートンに限定されるものではない。例えば、一枚の台紙のようなものでもよく、その台紙の上辺に設けた折返し部分に複数個の包装袋を挟持させたものとし、必要に応じてそれを透明な袋に入れて販売形態にすることができる。要は、包装袋の端部を挟持できる折返し部分を有していれば、用途に応じてどうようなタイプのものでも使用することができる。外装体の材質としては、紙(例えば310g/m2 )、カード紙、白コートボール紙などが挙げられる。
【0022】
また、上記の包装袋パッケージPでは、包装袋20を一列に並べているが、上下に2段さらにはそれ以上に設けるようにしてもよい。その場合、外装体の上辺に挟持用の折返し部分を設けるのに加え、外装体の中ほどの領域に設けたU字状やコの字状の切抜線で区画した部分を折返し部分とすればよく、さらにはこのような折返し部分を外装体にランダムに配置することもできる。
【0023】
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による包装袋パッケージは、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の包装袋パッケージは、上記のような粉末状飲料の販売用として用いることができるほか、種々の用途が考えられる。例えば、粉末や錠剤などの薬を入れる容器として利用することができる。この場合、薬を入れた複数の包装袋を挟持用の折返し部分にて並べた状態で固定し、包装袋毎に折返し部分に日付欄を設けておけば、そこに服用すべき日時等を記入して使用することができる。このとき、飲用済みの包装袋の端部が外装体に残るため、服用の間違いをなくすことができる。
【符号の説明】
【0025】
10 外装体
11 前面パネル
12 側面パネル
13 背面パネル
14 側面パネル
15 カバーパネル
16 折返し部分
17 底面パネル
17a 立上げパネル
18 折返し部分
19 底面パネル
19a 立上げパネル
20 包装袋
21,22,23 シール部
24 ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を切り取るための開封手段を備えた複数個の包装袋とそれらを取り付けた板紙製の外装体とからなり、外装体には挟持用の折返し部分が設けられており、その折返し部分の先端縁が包装袋の開封手段に隣接する状態で、包装袋の端部が外装体の折返し部分に挟持されていることを特徴とする包装袋パッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−236631(P2012−236631A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106920(P2011−106920)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】