説明

包装袋

【課題】フィルムの剥離に要する開封力を低減し、容易かつ確実に通気用の孔部を露出させることのできる包装袋を提供する。
【解決手段】対向配置され、両端部が互いに熱融着された二枚の胴部フィルムと、二枚の胴部フィルムの間に挿入されて熱融着された底部フィルムと、を備え、エアー逃がし孔を有するヒートシールバーを用いて胴部フィルムと底部フィルムとを互いに熱融着してなり、二枚の胴部フィルムの少なくとも一枚は、内層材と、内層材の外側に形成された剥離層と、剥離層の外側に配置された外層材と、を順に積層した積層材であり、積層材には、所定位置に内面側から少なくとも内層材を貫通するハーフカットが形成され、ハーフカットは、二枚の胴部フィルムが底部フィルムを介することなく対向する領域内、及び、胴部フィルムのエアー逃がし孔に対応する領域内に形成されており、外層材を剥離することによって、内層材に複数の孔部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に芳香剤、消臭剤その他の内容物を収容する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば芳香剤のように有効成分が蒸発して外部に拡散する物質や、例えば消臭剤のように外気中の臭気成分を吸着する物質は、これらを包装容器の内部に収容した形態で用いられることが一般的である。
【0003】
このような包装容器は、屋内の一定の位置に長期間にわたって据え置いて用いられるため、形態の安定性が高く、かつ、バリア性の高い成形容器で構成されることが多い(例えば特許文献1)。成形容器からなる包装容器では、その壁面に内部に通ずる孔部を設け、この孔部を介して包装容器内の空気と外部の空気を出入り可能としている。
【0004】
このような通気のための孔部は、例えば横置き型の包装容器では、上面に開口可能としているものが一般的であり、以下のような手順で開口する。すなわち、成形容器の上面に剥離可能なフィルムを貼り付けて容器を密閉した状態で出荷し、使用時にこのフィルムを剥がすときのフィルムの粘着力によって容器上面の所定部分を除去することによって、容器上面に通気のための孔部を開口する。
【0005】
一方、包装容器の一形態として、軟性を備えた材料(例えばフィルム)で構成されたパウチが流通している。例えば、折りたたまれた底部フィルムを広げて自立させて使用するスタンディングパウチや、このような底部のない平パウチである。
【0006】
スタンディングパウチは、二枚の胴部フィルムの両端端部を互いに熱融着するとともに、下部に底部フィルムを配した構成となっている。この底部フィルムは、折りたたまれた状態で二枚の胴部フィルムの下部に挿入され、ヒートシールバーを用いて、胴部フィルムに対して熱融着される。底部フィルムの熱融着においては、エアーの混入をできるだけ避けるように、エアー逃がし孔を設けたヒートシールバーを用いている(特許文献2)。また、平パウチは、二枚の胴部フィルムの端部を互いに熱融着している。
【特許文献1】特開2007−216990号公報
【特許文献2】特開2004−249514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、軟性材料で構成されたパウチパウチに対して、上述の包装容器のように通気のための孔部を設け、この孔部を覆うように剥離可能なフィルムを貼り付けた形態をとると、包装袋を構成する材料の軟性のために、フィルムを容易かつ確実に剥離して孔部を露出させることが難しい。
【0008】
そこで本発明は、フィルムの剥離に要する開封力を低減し、容易かつ確実に通気用の孔部を露出させることのできる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の包装袋は、対向配置され、両端部が互いに熱融着された二枚の胴部フィルムと、二枚の胴部フィルムの間に挿入されて熱融着された底部フィルムと、を備え、エアー逃がし孔を有するヒートシールバーを用いて胴部フィルムと底部フィルムとを互いに熱融着してなり、二枚の胴部フィルムの少なくとも一枚は、内層材と、内層材の外側に形成された剥離層と、剥離層の外側に配置された外層材と、を順に積層した積層材であり、積層材には、所定位置に内面側から少なくとも内層材を貫通するハーフカットが形成され、ハーフカットは、二枚の胴部フィルムが底部フィルムを介することなく対向する領域内、及び、胴部フィルムのエアー逃がし孔に対応する領域内に形成されており、外層材を剥離することによって、内層材に複数の孔部を形成することを特徴としている。
【0010】
本発明の包装袋において、積層材は、その上部に剥離開始のためのタブを備え、タブの下端より上側のハーフカットラインと、タブの下端より下側のハーフカットラインが形成され、上側のハーフカットラインの両端が下側のハーフカットラインと合流することが好ましい。
【0011】
本発明の包装袋において、積層材は、両端に複数のタブを備えることが好ましい。
【0012】
本発明の包装袋において、複数の孔部は、タブから底部フィルムへ向かう方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明の包装袋において、複数の孔部は、タブから底部フィルムの中央側へ向かう方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0014】
本発明の包装袋において、複数の孔部は、複数のタブから中央側へ向かった後に底部フィルム側へ向かう方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明の包装袋において、複数の孔部は、配置方向に延びる長円状の形状を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の包装袋によると、通気用の孔部を覆うフィルムの剥離に要する開封力を低減することができ、これにより容易かつ確実に通気用の孔部を露出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る包装袋について図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る包装袋を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。図2は、本実施形態に係る包装袋を自立させた状態を示す斜視図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。
【0018】
図1、図2に示すように、本実施形態に係る包装袋10は自立型の包装袋(スタンディングパウチ)であって、二枚の胴部フィルム15、20と、底部フィルム70と、を備える。
【0019】
二枚の胴部フィルムは、第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20であって、スタンディングパウチ用製袋機により、互いに対向して配置された状態で左端部20b及び右端部20cが互いに熱融着(熱接着)されている。
【0020】
底部フィルム70は、左右方向直交断面が逆V字状となるように折り込んだ状態で第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20の下部20aに挿入される。この状態で、ヒートシールバー80(図3)を用いて、底部フィルム70を第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20の下部20aに対して熱融着(熱接着)する。ここで、図3は、ヒートシールバー80の構成を示す平面図である。
【0021】
このように第1胴部フィルム15、第2胴部フィルム20、及び、底部フィルム70を熱融着することによって、内部に空間を備えた形状が形成される。
【0022】
包装袋10の内部空間には、内容物として、例えば、芳香剤、消臭剤、脱臭剤、吸湿剤、防虫剤、入浴剤が収容される。内容物充填後、上部20dが熱接着され、包装袋10が完成する。
【0023】
底部フィルム70の熱融着は、逆V字状に折り込んで第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20との間に挿入した状態で、二枚のヒートシールバー80でこれらのフィルムを挟み込むことによって行う。この熱融着は、所定の圧力下で所定時間行う。
【0024】
ヒートシールバー80には、エアーを逃がすための孔としてエアー逃がし孔81a、81b、81c、81d、81e、81fが設けられている。このエアー逃がし孔は、底部フィルム70の熱融着が確実にできれば、任意の位置に設けることができる。エアー逃がし孔の数は複数であることが好ましく、その数は任意に定めることができる。
【0025】
本実施形態のエアー逃がし孔81a、81b、81c、81d、81e、81fは、左右対称に設けるとともに、包装袋10の上下方向に沿った長円状としている。
【0026】
本実施形態では、第2胴部フィルム20に積層材を用いている。
この積層材は、公知の方法で製造することができ、第2胴部フィルム20の外側から外層材30、剥離層40、内層材50の順にラミネートして形成し、第2胴部フィルム20の原反となる。
【0027】
つづいて、図4、図5を参照しつつ、第2胴部フィルム20の層構成について詳細に説明する。図4、図5は、本実施形態に係る第2胴部フィルム20の層構成を示す厚さ方向の一部断面図である。図5は、ヒートシールバー80で熱融着する領域(第2胴部フィルム20のエアー逃がし孔81a、81b、81c、81d、81e、81fに対応する領域)における層構成を示し、図4は、それ以外の領域(底部フィルム70を介することなく第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20が互いに対向する領域)における層領域を示す。
【0028】
なお、図4は、ハーフカット24aにおける断面図であるが、ハーフカット24b、24c、24dについても同様の構成である。また、図5は、ハーフカット26aにおける断面図であるが、ハーフカット26b、26c、26d、26e、26fについても同様の構成である。
【0029】
内層材50は、熱接着が可能な熱可塑性樹脂で構成する。また二層以上の積層にしてもよく、その場合は少なくとも内面側(内側層51)を熱接着可能な熱可塑性樹脂で構成する。
【0030】
内側層51に用いる熱接着可能な材料としては、例えば、低密度、中密度、又は高密度のポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、ポリ4−メチルペンテン−1、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、その他に、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)の熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらを単独、或いは混合物として2種類以上使用されたものを用いることができる。
【0031】
内側層51に用いる上記各材料には、二酸化チタンなどの着色顔料、マイカ、シリカ、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、酸化防止剤、スリップ剤、紫外線防止剤、熱安定剤、など、公知の添加剤を添加してもよい。
【0032】
外側層52は、内側層51と同様に熱可塑性樹脂フィルムで構成することができるが、外層材を剥離する時の破れを防止、さらには、外層材剥離後、実際に内容物を入れた容器の最外層として使用される為、比較的強い強度のある延伸フィルムを用いるのが好適である。
【0033】
外側層52に用いる材料としては、例えば、ポリオレフィン系材料としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンー1、ポリアミド系材料としては、ナイロン6(商標)、ナイロン6.6(商標)、ポリエステル系材料としては、ポリエチテンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリビニル系材料として、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンが挙げられる。
【0034】
これらの材料は1軸或いは2軸方向に、同時或いは逐時に2軸延伸されたフィルムとして用いるのが好適である。
【0035】
なお、これらのフィルムにはバリア性を付与する目的で、無機化合物蒸着(例えば、SiO又はAl、TiO2、SnOあるいはその組み合わせ)を付与してもよい。
また、内層材50は、内容物の状態を確認するために透明であることが好ましい。
【0036】
剥離層40は、その接着性によって、剥離可能な状態で外層材30を内層材50に定着させる。
【0037】
剥離層40としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を単独、あるいは組み合わせで構成する。
【0038】
剥離層40は、樹脂の未塗工部の面積での大小でその接着強度を調整する場合、グラビアシリンダーを用いて各種パターンコートで形成でき、未塗布部の面積が多いほど、接着強度は弱くなる。
【0039】
また、剥離層40は、上記樹脂を組み合わせて、適度に剥離できるような接着強度の樹脂が全面塗布されても良い。
【0040】
さらに、剥離層40は、強接着樹脂層と弱接着樹脂層を組み合わせても形成でき、例えばグラビアシリンダーで1回目に強接着層、2回目に弱接着層をパターン、或いは全面塗布しても良い。塗布順は逆でも良い。
なお、これらの塗布面は外層材30の最内面あるいは、内層材50の最外面のどちらでも良い。
【0041】
また、剥離層40のその他の形成方法として、押し出しラミネーターを用いて、上記樹脂の他、ポリオレフィン樹脂層を内層材と外層材の間に形成しても良い。ここで用いるポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、ポリ4−メチルペンテン−1、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、その他に、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)の熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、これらが単独、或いは混合物として2種類以上使用されたものなどを用いることができる。
【0042】
また、剥離層40として、ポリウレタン系樹脂をアンカー剤として内層材50、或いは外層材30に塗布してもよいし、必要に応じて、オゾン処理、コロナ処理を施しても良い。
【0043】
さらにまた、剥離層40は、その剥離面の必要な剥離強度に合わせて接着強度を変えることで、好ましい剥離強度の分布を得ることができる。
【0044】
外層材30は、剥離層40を塗布できる材料からなり、少なくとも1層からなることが好ましい。
【0045】
外層材30としては、例えば、熱可塑性フィルム、金属箔等を用いることができる。
【0046】
熱可塑性フィルムの材料例としては、ポリオレフィン系材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンー1、ポリアミド系材料として、ナイロン6、ナイロン6.6、MXDナイロン、MXDナイロンとナイロン6とを組み合わせた2層以上の多層フィルム、ポリエステル系材料として、ポリエチテンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリビニル系材料として、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレンポリビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
【0047】
外層材30に用いるこれらの材料は1軸或いは2軸方向に、同時或いは逐時に2軸延伸されたフィルムとして用いるのが好適である。なお、これらのフィルムにはバリア性を付与する目的で、無機化合物蒸着(例えば、SiO又はAl、TiO2、SnOあるいはその組み合わせ)を付与してもよい。また、塩化ビニリデンコートを施しても良い。
【0048】
一方、外層材30に用いる金属箔の例としては、アルミ箔、チタン箔、スズ箔等が挙げられる。これらの金属箔はそれぞれ単独に用いてもよく、2つ以上組み合わせて使用することもできる。
さらに、外層材30には印刷を表面、或いは透明フィルムの裏面に施してもよい。
【0049】
さらにまた、上記の各材料には、二酸化チタンなどの着色顔料、マイカ、シリカ、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、酸化防止剤、スリップ剤、紫外線防止剤、熱安定剤、など、公知の添加剤を添加してもよい。
【0050】
具体例として、図4に示すように、外層材30を三層で構成し、内側層31をナイロン、外側層33をPETで構成するとともに、内側層31と外側層33の間にSiO又はAlの蒸着層32を形成する。蒸着層32を形成することにより包装袋10のバリア性を高めることができる。
また、内側層31及び外側層33もバリア性の高い材料で構成することが好ましい。
【0051】
第1胴部フィルム15と底部フィルム70は、少なくとも内面が内層材50(内側層51)と同様の熱融着可能な材料であれば公知のフィルム構成でよいが、第1胴部フィルム15については、第2胴部フィルム20と同様の積層材を適用することができる。これにより、包装袋10の両面に通気用の孔部を開口させることができる。このような構成とすると、第1胴部フィルム15及び第2胴部フィルム20の両方で通気用の孔部を露出させることにより、包装袋10の内部空間に収容された内容物による効果を高めることができる。また、包装袋10の使用者の選択により、第1胴部フィルム15及び第2胴部フィルム20の一方のみの孔部を露出させることもできるため、内部空間と外部との通気性を制御することが可能となる。
【0052】
第2胴部フィルム20の内層材50には、外層材30の剥離によって複数の孔部が形成されるように、平面視長円状のハーフカットが複数形成されている。これらのハーフカットは、ヒートシールバー80で熱融着される領域に形成された複数のハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26f(図5)と、それ以外の領域に形成された複数のハーフカット24a、24b、24c、24d(図4)と、からなる。
【0053】
ハーフカット24a、24b、24c、24dは、それぞれ複数のハーフカットパターンからなり、外層材30を剥離開始するために第2胴部フィルム20の上部左右両端にそれぞれ設けたタブ37a、37b(剥離開始片)から底部フィルム70へ向かう方向に沿うように、順に配置されている。すなわち、ハーフカット24a、24b、24c、24dの配置方向は、外層材30の剥離方向に沿っている。
【0054】
より具体的には、ハーフカット24a、24bについては、2つのタブ37a、37bから第2胴部フィルム20の幅方向(左右方向)中央側へ向かう方向に沿って配置され、ハーフカット24c、24dについては、第2胴部フィルム20の上下方向に沿うように、各ハーフカットパターンが互いに平行に配置されている。
【0055】
また、各ハーフカットは、その長円の延びる方向が配置方向に沿って整列している。
【0056】
ハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fは、底部フィルム70においてエアー逃がし孔81a、81b、81c、81d、81e、81fに対応する領域である非シール部71a、71b、71c、71d、71e、71f内に形成されている。
【0057】
ハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fは、その長円の延びる方向が第2胴部フィルム20の上下方向に沿うように、互いに平行に配置されている。
【0058】
したがって、内層材50に形成されたハーフカット24a、24b、24c、24d、及び、ハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fは、全体として、2つのタブ37a、37bから底部フィルム70、さらには第2胴部フィルム20の下部20aへ向かう剥離方向に沿って整列配置されている。
【0059】
これらのハーフカットは、例えばレーザー光を照射したり、金属刃(ダイ)を用いて内層材50を貫通するように、内面側から形成する。
【0060】
また、ハーフカットの加工は、第1胴部フィルム15、底部フィルム70と熱融着して製袋する前に、内層材50の最内層(図4では内側層51)側から行う。ハーフカットは、製袋機とは別個のロールタイプのダイで加工すると、より容易に加工できる。もちろん間歇的にダイセットを用いて、必要な部分にハーフカットを入れることも可能であり、製袋中にこの工程を入れることもできる。
【0061】
さらにまた、剥離層40においては、外層材30の剥離によってハーフカットを除去して孔部を確実に形成するためには、内層材50との接着強度(粘着強度)に分布を持たせることが好ましい。
【0062】
具体的には、ハーフカット24a、24b、24c、24d、及び、ハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fでそれぞれ囲まれる長円状部分に対応する領域の接着力を、その周囲より強い接着力とすることが望ましい。これにより、ハーフカットで囲まれる部分を剥離して、貫通した孔部を形成するときに、外層材30側に確実に付着した状態で剥離させることが可能となる。
【0063】
剥離層40の接着強度を制御する方法としては、剥離層40をラミネートする際にパターンコートを適用する他、積層材の形成後に所望の部分を押圧や加熱するなどして接着強度を高めることも可能である。
【0064】
孔部の形状、開口面積、及び接着強度は、上述の説明に限定されず、複数の孔部が所望の開口面積で開口するように任意の組み合わせで設定することができる。
【0065】
ハーフカット24a、24b、24c、24dでそれぞれ囲まれる長円状部分の幅は、これらを剥離して孔部としたときに包装袋10内の内容物がこぼれることを防ぐために、包装袋10の出荷後に外層材30を初めて剥離する前の内容物の外径よりも小さいことが好ましい。
【0066】
また、外層材30を剥離した後の時間経過により外径が小さくなっていく内容物を用いる場合においては、孔部の開口幅を、使用開始後一定時間(例えば内容物交換推奨時期)経過後に想定される内容物の外径よりも小さくすることが好ましい。
【0067】
ここで、第2胴部フィルム20の上端の左右端部にそれぞれ設けたタブ37a、37bについて説明する。図6は、タブ37b及びその周辺の構成を示す拡大平面図である。図7は、タブ37b及びその周辺の層構成を示す厚さ方向の一部断面図である。図6、図7は、タブ37bについて示しているが、タブ37aについても同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0068】
タブ37bは、第2胴部フィルム20において第1胴部フィルム15に熱接着される上部20dよりも、上側に突出している。
【0069】
さらに、第2胴部フィルム20においてタブ37bの下端より下側に連なる部分の内層材50には、互いに平行な複数の線からなるハーフカット38bが形成されている。
また、タブ37bの内層材50には、互いに平行な複数の線からなるハーフカット39bが形成されている。すなわち、タブ37bの下端より上側に複数のハーフカットが形成されている。ハーフカット39bの両端部はタブ37bの下端を越えて、ハーフカット38bに合流している。ハーフカット38b、39bは、その両端部を除いて、第2胴部フィルム20の左右方向に沿った線であることが好ましい。
【0070】
なお、左側のタブ37aは、右側のタブ37bと左右対称な平面形状を備えるとともに、ハーフカット38b、39bと左右対称な平面形状のハーフカット38a、39aを備える。
【0071】
ここで、第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20の上部の封止は、第2胴部フィルム20の上部のうちのタブ37a、37bよりも下の位置で、熱融着により行っている。上述のように、タブ37a、37b内にハーフカット39a、39bを設け、タブ37a、37bの下側にハーフカット38a、38bを設けることにより、第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20の上部の封止のための熱融着の位置がずれたとしても、複数のハーフカットのいずれかは熱融着されずに残り、特にタブ37a、37bの下端より上側のハーフカット39a、39bにまで熱融着が及ぶことはないため、剥離開始片を確保することができる。
【0072】
また、図1に示すように、第2胴部フィルム20の上端を第1胴部フィルム15の上端よりも下側に配置するとともに、タブ37bの上端も第1胴部フィルム15の上端よりも下側に配置している。これにより、タブ37bに指をかけやすくなり、また、包装袋10の流通過程において誤ってタブ37bが操作されて外層材30が剥離してしまうことを防止することができる。
【0073】
なお、ハーフカット38a、38b、39a、39bはいずれもタブ37a、37bの各辺には至らないように設けている。このため、外層材30の剥離のためにタブ37a、37bを引き上げたときにハーフカットからタブ37a、37bのみがちぎれてしまうことがない。
【0074】
さらにまた、タブは3つ以上設けても良い。
なおハーフカットを形成する代わりに、内層材50及び剥離層40を形成せずに外層材30のみでタブを構成することで、剥離開始部とすることもできる。
【0075】
以上のように構成された包装袋10は、工場出荷時には、剥離層40の接着性によって外層材30が内層材50を覆うように装着されている(図1、図2)。この状態では、外層材30のバリア性によって、包装袋10の内部と外部との間で空気が出入りすることがほとんどないため、内容物は初期状態を維持する。
【0076】
これに対して、使用者が、剥離層40の接着力に抗して、タブ37a、37bから底部フィルム70側へ外層材30を内層材50から剥離すると、剥離層40の接着力によって、ハーフカット24a、24b、24c、24dで囲まれた被剥離部28が内層材50から離れて引き上げられる(図8)。ここで、図8は、本実施形態に係る第2胴部フィルム20の層構成を示す厚さ方向の一部断面図であって、外層材30を剥離する過程を示す図である。
【0077】
これにより、引き上げられた被剥離部28のあとに包装袋10の内部空間に通ずるように貫通した孔部25a、25b、25c、25dが形成される(図8から図10)。ここで、図9は、本実施形態に係る包装袋10を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。図10は、本実施形態に係る包装袋を自立させた状態を示す斜視図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。
【0078】
形成された孔部25a、25b、25c、25dは、ハーフカット24a、24b、24c、24dと同様に、タブ37a、37bから底部フィルム70へ向かう方向に沿うように、順に配置されている。すなわち、孔部25a、25b、25c、25dの配置方向は、外層材30の剥離方向に沿っている。
【0079】
より具体的には、孔部25a、25bについては、2つのタブ37a、37bから第2胴部フィルム20の幅方向中央側へ向かう方向に沿って配置され、孔部25c、25dについては、第2胴部フィルム20の上下方向に沿うように、各孔部が互いに平行に配置されている。
【0080】
また、各孔部は、その長円の延びる方向が配置方向に沿って整列している。
【0081】
孔部25a、25b、25c、25dが内層材50を貫通するため、これらの孔部を通じて包装袋10の内部と外部との間で空気の出入りが可能となる。この結果、例えば内容物が芳香剤であれば有効成分が蒸発して外部に拡散し、内容物が消臭剤であれば外気中の臭気成分を吸着する。
【0082】
一方、使用者が外層材30を内層材50から剥離すると、ヒートシールバー80によって熱融着する領域においては、ハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fで囲まれた被剥離部29が内層材50から離れて引き上げられる(図11)。図11は、本実施形態に係る第2胴部フィルム20の層構成を示す厚さ方向の一部断面図であって、外層材30を剥離する過程を示す図である。図11は、ヒートシールバー80で熱融着する領域(底部フィルム70を介して第1胴部フィルム15と第2胴部フィルム20が互いに対向する領域)における層構成を示す。
【0083】
これにより、引き上げられた被剥離部29のあとに孔部27a、27b、27c、27d、27e、27fが形成される(図9から図11)。形成された孔部27a、27b、27c、27d、27e、27fは、内層材50を貫通し、底部フィルム70に至る有底形状である。
【0084】
このように、ヒートシールバー80によって熱融着する領域に剥離可能なハーフカット26a、26b、26c、26d、26e、26fを設けることにより、この領域での外層材30の剥離に要する力を小さくすることができる。このため、外層材30の内層材50からの剥離を第2胴部フィルム20の下端までの全面に渡って、容易かつ確実に行うことができる。
【0085】
また、第2胴部フィルム20の上部両端に2つのタブを設けたことにより、確実に外層材30全体を剥離することができる。また、一方のタブによる剥離に失敗しても他方のタブによって外層材30を剥離することが可能となる。
【0086】
このような包装袋10は、そのまま自立させて使用してもよいし、外装ケースに収容して使用してもよい。
【0087】
以下に変形例について説明する。
図12は、第1変形例に係る包装袋110を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材130を剥離する前の状態を示す図である。
【0088】
第1変形例に係る包装袋110は、外層材の剥離開始のためのタブ137が第2胴部フィルムの左上部の1つのみであって、第2胴部フィルム120に設けたハーフカット124a、124b、124c、124d、及び、ハーフカット126a、126b、126cが、タブ137側から底部フィルム170側へ向かって放射状に配置されている点が上述の実施形態に係る包装袋10と異なる。
【0089】
包装袋110は、上述の実施形態に係る包装袋10と同様に自立型の包装袋(スタンディングパウチ)であって、第1胴部フィルム115、第2胴部フィルム120、並びに、第1胴部フィルム115及び第2胴部フィルム120の下部120aに挿入された底部フィルム170は、包装袋10の第1胴部フィルム15、第2胴部フィルム20、及び底部フィルム70にそれぞれ対応する。また、包装袋10と同様に、左端部120b、右端部120c、及び上部120dで第1胴部フィルム115と第2胴部フィルム120が熱融着される。また、タブ137及びその下方には、包装袋10のタブ37a、37bと同様に、ハーフカット139、138がそれぞれ形成されている。
【0090】
ハーフカット124a、124b、124c、124dは、それぞれ複数のハーフカットパターンからなり、タブ137側から底部フィルム170側へ放射状に延びる複数の線111A、111B、111C、111D、111E、111F上に配置されている。また、ハーフカット124a、124b、124c、124dは、線111A、111B、111C、111D、111E、111Fに沿って延びる長円形状をそれぞれ備える。
【0091】
底部フィルム170と、第1胴部フィルム115及び第2胴部フィルム120と、を熱融着する領域では、線111C、111D、111F上にハーフカット126a、126b、126cが形成されている。ハーフカット126a、126b、126cは、線111C、111D、111Fに沿って延びる長円形状をそれぞれ備える。これらのハーフカット126a、126b、126cは、底部フィルム170と、第1胴部フィルム115及び第2胴部フィルム120と、の熱融着に用いるヒートシールバーが備えるエアー逃がし孔に対応する領域である非シール部171a、171b、171c内に形成されている。
【0092】
以上のように、第1変形例に係る包装袋110では、タブ137側から底部フィルム170側へ向かう剥離方向に沿ってハーフカットを配置するとともに、ヒートシールバー80によって熱融着する領域に剥離可能なハーフカット126a、126b、126cを設けている。これにより、ヒートシールバー80によって熱融着する領域での外層材130の剥離に要する力を小さくすることができる。このため、外層材130の剥離を第2胴部フィルム120の下端までの全面に渡って、容易かつ確実に行うことができる。
【0093】
このような包装袋110は、上述の実施形態と同様にそのまま自立させて使用してもよいし、外装ケースに収容して使用してもよい。
【0094】
図13は、第2変形例に係る包装袋210を示す平面図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。図14は、第2変形例に係る包装袋210を示す平面図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。
【0095】
第2変形例に係る包装袋210は、第1胴部フィルム215を下にし、第2胴部フィルム220を上にして使用する平パウチである。この包装袋210では、上述の実施形態のタブ37a、37b及びハーフカット38a、38b、39a、39bと同様の構成のタブ237a、237b及びハーフカット238a、238b、239a、239bによる剥離開始部の構造を備える。
【0096】
第2変形例に係る包装袋210は、下部220a、左端部220b、右端部220c、及び、上部220dにおいて、第1胴部フィルム215と第2胴部フィルム220を互いに熱融着している。したがって、この包装袋210では、上述の実施形態のように底部フィルム70を挿入して自立性を持たせるものではない。
【0097】
第2胴部フィルム220に形成するハーフカット224a、224b、224c、224dは、上述の実施形態のハーフカット24a、24b、24c、24dと同様に、それぞれ複数のハーフカットパターンからなり、外層材230を剥離開始するために第2胴部フィルム220の上部左右両端にそれぞれ設けたタブ237a、237b(剥離開始片)から下部220aへ向かう方向に沿うように、順に配置されている。すなわち、ハーフカット224a、224b、224c、224dの配置方向は、外層材30の剥離方向に沿っている。
【0098】
使用者が、タブ237a、237bから外層材230を剥離すると、ハーフカット224a、224b、224c、224dにそれぞれ対応した孔部225a、225b、225c、225dが形成される(図14)。
【0099】
したがって、タブとハーフカットの構成による剥離開始部の構造は、スタンディングパウチに限らず、自立性を持たない包装袋(例えば、平パウチ)に適用しても有効に効果を発揮する。
なお、第1胴部フィルム215、第2胴部フィルム220、及び、外層材230に用いる材料及び構成は、上述の実施形態の第1胴部フィルム15、第2胴部フィルム20、及び、外層材30と同様である。
【0100】
このような包装袋210は、第1胴部フィルム215を下にそのまま平置きして使用してもよいし、外装ケースに収容して使用してもよい。外装ケースに収容する場合、立てて使用することもでき、この場合、第1胴部フィルム215を第2胴部フィルム220と同様の積層材で構成することができる。
【0101】
本発明の包装袋によると、比較的薄い積層材の内層材を互いに熱接着して形成する構成により、成形による硬性の包装容器に比して重量及び外形サイズを抑えることができ、これにより使用場所の自由度を向上させることができる。
【0102】
また、製造及び搬送コスト低減することができるとともに、使用後においては畳んで小型化可能とすることができる。さらに、本発明の包装袋は、内容物の使用期限が切れた後、内容物のみを新しいものと取り替えることによって継続使用することができる。これらにより、廃棄性を高めることができる。
【0103】
また、複数の孔部を長円状とすると、内容物がこぼれることを防止しつつ大きな開口面積を実現することが可能となる。さらに、孔部形状を、外層材の剥離方向に沿って延びる長円状とすると、各孔部を確実に露出させることができ、高い通気性を得ることができる。
【0104】
また、包装袋は薄く、小さく折りたたむことができる。これらにより、廃棄物の低減に寄与することができる。
【0105】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上のように、本発明に係る包装袋は、芳香剤、消臭剤その他の内容物を収容する自立型の包装袋に適している。上述の内容物の他にも、例えば野菜や固形食品などを収容して、形成される孔部を水切りなどの目的で使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態に係る包装袋を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る包装袋を自立させた状態を示す斜視図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るヒートシールバーの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第2胴部フィルムにおいてヒートシールバー80で熱融着する領域以外の領域の層構成を示す厚さ方向の一部断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第2胴部フィルムにおいてヒートシールバー80で熱融着する領域の層構成を示す厚さ方向の一部断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るタブ及びその周辺の構成を示す拡大平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタブ及びその周辺の層構成を示す厚さ方向の一部断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る第2胴部フィルムの層構成を示す厚さ方向の一部断面図であって、外層材を剥離する過程を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る包装袋を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る包装袋を自立させた状態を示す斜視図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る第2胴部フィルムの層構成を示す厚さ方向の一部断面図であって、外層材を剥離する過程を示す図である。
【図12】第1変形例に係る包装袋を畳んだ状態を示す平面図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。
【図13】第2変形例に係る包装袋を示す平面図であって、外層材を剥離する前の状態を示す図である。
【図14】第2変形例に係る包装袋を示す平面図であって、外層材を剥離した後の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
10 包装袋
15 第1胴部フィルム
20 第2胴部フィルム(積層材)
20a 下部
20b 左端部
20c 右端部
20d 上部
24a、24b、24c、24d ハーフカット
25a、25b、25c、25d 孔部
26a、26b、26c、26d、26e、26f ハーフカット
27a、27b、27c、27d、27e、27f 孔部
28 被剥離部
29 被剥離部
30 外層材
31 内側層
32 蒸着層
33 外側層
37a、37b タブ
38a、38b ハーフカット
39a、39b ハーフカット
40 剥離層
50 内層材
51 内側層
52 外側層
70 底部フィルム
71a、71b、71c、71d、71e、71f 非シール部
80 ヒートシールバー
81a、81b、81c、81d、81e、81f エアー逃がし孔
110 包装袋
115 第1胴部フィルム
120 第2胴部フィルム
120a 下部
120b 左端部
120c 右端部
120d 上部
124a、124b、124c、124d ハーフカット
126a、126b、126c ハーフカット
130 外層材
137 タブ
138、139 ハーフカット
170 底部フィルム
171a、171b、171c 非シール部
210 包装袋
215 第1胴部フィルム
220 第2胴部フィルム
220a 下部
220b 左端部
220c 右端部
220d 上部
224a、224b、224c、224d ハーフカット
225a、225b、225c、225d 孔部
230 外層材
237a、237b タブ
238a、238b ハーフカット
239a、239b ハーフカット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置され、両端部が互いに熱融着された二枚の胴部フィルムと、
前記二枚の胴部フィルムの間に挿入されて熱融着された底部フィルムと、
を備え、
エアー逃がし孔を有するヒートシールバーを用いて前記胴部フィルムと前記底部フィルムとを互いに熱融着してなり、
前記二枚の胴部フィルムの少なくとも一枚は、
内層材と、
前記内層材の外側に形成された剥離層と、
前記剥離層の外側に配置された外層材と、
を順に積層した積層材であり、
前記積層材には、所定位置に内面側から少なくとも内層材を貫通するハーフカットが形成され、
前記ハーフカットは、
前記二枚の胴部フィルムが前記底部フィルムを介することなく対向する領域内、及び、
前記胴部フィルムの前記エアー逃がし孔に対応する領域内に形成されており、
前記外層材を剥離することによって、前記内層材に複数の孔部を形成することを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記積層材は、その上部に剥離開始のためのタブを備え、前記タブの下端より上側のハーフカットラインと、前記タブの下端より下側のハーフカットラインが形成され、前記上側のハーフカットラインの両端が前記下側のハーフカットラインと合流する請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記積層材は、両端に複数のタブを備える請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記複数の孔部は、前記タブから前記底部フィルムへ向かう方向に沿って配置されている請求項2又は請求項3に記載の包装袋。
【請求項5】
前記複数の孔部は、前記タブから前記底部フィルムの中央側へ向かう方向に沿って配置されている請求項4に記載の包装袋。
【請求項6】
前記複数の孔部は、前記複数のタブから中央側へ向かった後に底部フィルム側へ向かう方向に沿って配置されている請求項4に記載の包装袋。
【請求項7】
前記複数の孔部は、配置方向に延びる長円状の形状を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−143632(P2010−143632A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325278(P2008−325278)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】