説明

包装装置

【課題】トレーを用いずに物品を包装することが可能な包装装置を得る。
【解決手段】包装装置1は、フィルム50を用いて物品100を包装する包装装置であって、包装対象である物品100を載置するための載置台10と、載置台10上に物品100が載置される前に載置台10上にフィルム50Aを搬送するチャック13と、載置台10上においてフィルム50Aの第1部分501上に載置された物品100の重量を計量する計量手段80と、第1部分501上に物品100が載置された状態でフィルム50Aを搬送し、第1部分501より前方のフィルム50Aの第2部分502を、物品100を越えて後方に折り返すチャック14と、折り返されたフィルム50Aの第1部分501及び第2部分502の端縁同士を封止するシール部16,17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムを緊張状態で保持し、トレー上に物品が載置された商品を下方からフィルムに押し当て、フィルムの周辺部をトレーの底面側に折り込むことによって、フィルムによる商品の包装を行うストレッチ包装機が、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−97309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたストレッチ包装機によると、トレー上に物品が載置された商品がフィルムによって包装される。しかし、近年における消費者の環境意識の高まりにより、消費者からはゴミの排出量の削減が求められているため、トレーを用いない包装形態の実現が望まれる。また、トレーを用いない包装形態が実現されれば、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要もなくなるため、製造業者にとっても有益である。
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、トレーを用いずに物品を包装することが可能な包装装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係る包装装置は、包材を用いて物品を包装する包装装置であって、包装対象である前記物品を載置するための載置台と、前記載置台上に前記物品が載置される前に前記載置台上に前記包材を搬送する、第1の包材搬送手段と、前記載置台上において前記包材の第1領域上に載置された前記物品の重量を計量する計量手段と、前記第1領域上に前記物品が載置された状態で前記包材を搬送し、前記第1領域より前方の前記包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す、第2の包材搬送手段と、折り返された前記包材の前記第1領域及び前記第2領域の端縁同士を封止する封止手段とを備えることを特徴とするものである。
【0006】
第1の態様に係る包装装置によれば、第2の包材搬送手段は、第1領域上に物品が載置された状態で包材を搬送し、第1領域より前方の包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す。そして、封止手段は、折り返された包材の第1領域及び第2領域の端縁同士を封止する。従って、第1の態様に係る包装装置によれば、トレーを用いずに物品を包装することが可能となる。その結果、消費者においては、ゴミの排出量を削減でき、また、製造業者においては、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要がなくなる。
【0007】
本発明の第2の態様に係る包装装置は、第1の態様に係る包装装置において特に、前記計量手段はさらに、前記物品が前記包材上に載置される前に、前記第1の包材搬送手段によって前記載置台上に搬送された前記包材の重量を計量することを特徴とするものである。
【0008】
第2の態様に係る計量装置によれば、計量手段は、物品が包材上に載置される前に包材の重量を計量し、物品が包材上に載置された後に物品の重量を計量する。従って、物品載置後の計量値から物品載置前の計量値を減算することにより、包材の重量を含まない物品自身の重量を正確に求めることができる。
【0009】
本発明の第3の態様に係る包装装置は、第1又は第2の態様に係る包装装置において特に、貯留されている帯状包材から、一回の包装で使用する包装単位の包材を切断する切断手段をさらに備え、前記第1の包材搬送手段は、前記切断手段によって切断された前記包材を前記載置台上に搬送することを特徴とするものである。
【0010】
第3の態様に係る包装装置によれば、切断手段は、帯状包材から包装単位の包材を切断し、第1の包材搬送手段は、切断手段によって切断された包装単位の包材を載置台上に搬送する。従って、第2の包材搬送手段が包材の搬送動作を開始する時点ではすでに包材は切断されているため、当該搬送動作の開始後や封止手段による封止動作の際に、帯状包材を切断する必要がない。その結果、切断した帯状包材同士を再び結合するための機構や、切断に伴って発生する不要包材を回収するための機構を省略できるため、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0011】
本発明の第4の態様に係る包装装置は、包材を用いて物品を包装する包装装置であって、包装対象である前記物品を載置するための載置台と、貯留されている帯状包材から、一回の包装で使用する包装単位の包材を切断する切断手段と、前記切断手段によって切断された前記包材を、前記載置台上に前記物品が載置される前に前記載置台上に搬送する、第1の包材搬送手段と、前記載置台上において前記包材の第1領域上に前記物品が載置された状態で前記包材を搬送し、前記第1領域より前方の前記包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す、第2の包材搬送手段と、折り返された前記包材の前記第1領域及び前記第2領域の端縁同士を封止する封止手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
第4の態様に係る包装装置によれば、第2の包材搬送手段は、第1領域上に物品が載置された状態で包材を搬送し、第1領域より前方の包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す。そして、封止手段は、折り返された包材の第1領域及び第2領域の端縁同士を封止する。従って、第4の態様に係る包装装置によれば、トレーを用いずに物品を包装することが可能となる。その結果、消費者においては、ゴミの排出量を削減でき、また、製造業者においては、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要がなくなる。
【0013】
また、切断手段は、帯状包材から包装単位の包材を切断し、第1の包材搬送手段は、切断手段によって切断された包装単位の包材を載置台上に搬送する。従って、第2の包材搬送手段が包材の搬送動作を開始する時点ではすでに包材は切断されているため、当該搬送動作の開始後や封止手段による封止動作の際に、帯状包材を切断する必要がない。その結果、切断した帯状包材同士を再び結合するための機構や、切断に伴って発生する不要包材を回収するための機構を省略できるため、装置の小型化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トレーを用いずに物品を包装することが可能な包装装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置の全体構造を模式的に示す斜視図である。
【図2】包装装置における各処理部のレイアウトを模式的に示す図である。
【図3】図2に示した各処理部の構成を模式的に示す図である。
【図4】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図5】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図6】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図7】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図8】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図9】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図10】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図11】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図12】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図13】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図14】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図15】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図16】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図17】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図18】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図19】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図20】載置・計量部及び封止部の動作を工程順に示す模式図である。
【図21】フィルムの状態を模式的に示す斜視図である。
【図22】フィルムの封止箇所を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る包装装置1の全体構造を模式的に示す斜視図である。包装装置1は、例えばスーパーマーケットのバックヤード等に設置され、1台の装置によって物品の包装、計量、及び値付けの各処理を行うものである。処理対象となる物品は、例えば、肉、魚、野菜等の食品である。装置筐体の正面(図中のX1方向から眺めた面)には、表示部60、操作部61、及びラベルプリンタ62が配置されている。表示部60には、各種設定情報、物品の計量結果、及び計量値に応じた値付け情報等が表示される。操作部61はテンキーや操作スイッチ等を備えており、作業者は操作部61を操作することによって各種設定情報を入力する。ラベルプリンタ62からは、物品の計量値や値付け情報等が記されたラベルが、物品毎に出力される。
【0018】
図2は、包装装置1における各処理部のレイアウトを模式的に示す図である。包装装置1は、載置・計量部2と、載置・計量部2の奥に配置された封止部3と、載置・計量部2及び封止部3の横に配置された排出部4とを有している。載置・計量部2では、処理対象である物品が作業者によってフィルム上に載置され、当該物品の重量が計量される。載置・計量部2で載置・計量された物品は、矢印L1で示すように図中のX1方向に沿ってフィルムごと封止部3に搬送される。封止部3では、フィルムを用いて物品の包装が行われる。封止部3による包装後の物品は、矢印L2で示すように図中のY方向に沿って排出部4に搬送される。物品は、矢印L3で示すように図中のX2方向に沿って搬送され、排出部5から排出される。載置・計量部2と排出部5とは、装置筐体のほぼ同じ高さで横に並んで配置されている。載置・計量部2、封止部3、及び排出部5は、それぞれの物品載置面の高さが共通となるように、ほぼ同一平面内に配置されている。これにより、物品は、矢印L1→L2→L3の順に規定される物品搬送経路を、ほぼ落差なく進行する。
【0019】
図3は、図2に示した各処理部の構成を模式的に示す図である。載置・計量部2は、物品を載置するための載置台10、フィルムを把持して搬送するチャック13(第1の包材搬送手段)、フィルムを切断するカッタ12(切断手段)、及びフィルム搬送コンベア11を有している。封止部3は、フィルムを把持して搬送するチャック14(第2の包材搬送手段)、シール部16,17(封止手段)、シール高さ調整ユニット18、及び図中の±Y方向に進退可能なローラ15を有している。シール高さ調整ユニット18は、図中のY方向に物品を搬送するベルトコンベアを有している。なお、封止部3と排出部4との間には、複数のローラ19が並んで配置されている。排出部4は、図中のX2方向に物品を搬送するベルトコンベア20と、複数のローラが並んだ排出台21とを有している。図1に示したように、載置台10と排出台21とは、装置筐体のほぼ同じ高さで横に並んで配置されている。
【0020】
図4〜20は、載置・計量部2及び封止部3の動作を工程順に示す模式図である。フィルム搬送コンベア11は、上部コンベア11U及び下部コンベア11Lを有している。カッタ12は、上部カッタ12U及び下部カッタ12Lを有している。チャック13は、上部チャック13U及び下部チャック13Lを有している。搬送台10の下には、ロードセル等の計量手段80が取り付けられている。チャック14は、上部チャック14U及び下部チャック14Lを有している。シール部16は、上部シール部16U及び下部シール部16Lを有している。シール部17は、上部シール部17U及び下部シール部17Lを有している。上部シール部16U,17Uは上部シールユニット70Uとして構成されており、下部シール部16L,17Lは下部シールユニット70Lとして構成されている。
【0021】
まず図4を参照して、フィルム供給ロール30から帯状のフィルム50が供給され、フィルム搬送コンベア11の下流端からフィルム50の先端がわずかに突出している。上部チャック13U及び下部チャック13Lは、搬送コンベア11から突出しているフィルム50の先端を上下から挟み込むことにより、フィルム50の先端を把持する。
【0022】
次に図5を参照して、上部チャック13U及び下部チャック13Lが、フィルム50を把持した状態で載置台10上を図中のX1方向に移動する。上部チャック13U及び下部チャック13Lの移動に連動してフィルム搬送コンベア11も駆動され、これにより、フィルム供給ロール30から新たなフィルム50が供給される。上部チャック13U及び下部チャック13Lは、一回の包装動作で使用するフィルム50の長さに応じて、載置台10上の所定の箇所で停止する。
【0023】
次に図6を参照して、上部カッタ12Uが図中のZ2方向に移動するとともに、下部カッタ12Lが図中のZ1方向に移動することにより、上部カッタ12U及び下部カッタ12Lによってフィルム50を切断する。これにより、一回の包装動作で使用する包装単位の長さのフィルム50Aが得られる。
【0024】
次に図7を参照して、上部チャック13U及び下部チャック13Lが、フィルム50Aを把持した状態で載置台10上を図中のX1方向に移動する。これにより、載置台10上にフィルム50Aが搬送される。フィルム50の先端は、載置台10の下流端からわずかに突出している。
【0025】
次に図8を参照して、上部チャック13U及び下部チャック13Lが所定の退避箇所に移動する。これにより、上部チャック13U及び下部チャック13Lによるフィルム50Aの把持が解除され、載置台10上にフィルム50Aが非保持状態で載置された状況となる。この状況で、計量手段80によってフィルム50Aの重量が計量され、その重量値が記憶される。フィルム50Aの計量は、包装サイクル毎に実行される。
【0026】
次に図9を参照して、作業者によって物品100が載置される。本実施の形態に係る包装装置1では、トレー(物品収容容器)を用いることなく、裸品の物品100をフィルム50上に直接載置することが可能である。但し、必ずしもトレーの使用を禁止する意図ではなく、物品が載置されたトレーを載置台10上に載置することも可能である。物品100は、フィルム50Aを介して載置台10上の指定箇所に載置される。この状態で、計量手段80によってフィルム50A及び物品100の合計重量が計量される。そして、図示しない演算手段によって、フィルム50A及び物品100の合計重量値から、先に記憶したフィルム50Aの重量値を減算することにより、物品100単独の重量値が算出される。
【0027】
次に図10を参照して、上部チャック14U及び下部チャック14Lは、載置台10から突出しているフィルム50Aの先端を上下から挟み込むことにより、フィルム50Aの先端を把持する。
【0028】
次に図11を参照して、上部チャック14U及び下部チャック14Lが、フィルム50Aを把持した状態で図中のX1方向に移動する。上部チャック14U及び下部チャック14Lの移動に伴って、フィルム50A上に載置されている物品100も移動する。上部チャック14U及び下部チャック14Lは、下部シールユニット70Lの下流端を越えた所定の箇所で停止する。なお、左右方向(Y方向)に関してフィルム50Aの展張状態を確実に保つべく、フィルム50Aの左右両端縁部を図示しないフィルム搬送コンベアによって挟持してもよい。
次に図12を参照して、退避していたローラ15がフィルム50A上に移動される。ローラ15は、フィルム50Aの左右両端縁部を上から押さえ付ける。
【0029】
次に図13を参照して、上部チャック14U及び下部チャック14Lが、フィルム50Aを把持した状態で図中のX2方向の斜め上方に向かって移動する。このとき、フィルム50Aの左右両端縁部がローラ15によって押さえ付けられていることにより、フィルム50Aの展張状態が保たれている。従って、上部チャック14U及び下部チャック14Lの移動に伴って、フィルム50A上に載置されている物品100は図中のX1方向に移動し、シール高さ調整ユニット18上に搬送される。
【0030】
次に図14を参照して、ローラ15が図3に示した退避箇所に移動される。これにより、ローラ15による押さえ付けが終了し、フィルム50Aの展張状態が解除される。
【0031】
次に図15,16を参照して、上部チャック14U及び下部チャック14Lが、フィルム50Aを把持した状態で図中のX2方向の斜め下方に向かって移動する。このとき、ローラ15の押さえ付けに起因するフィルム50Aの展張状態が解除されているため、上部チャック14U及び下部チャック14Lが移動しても、物品100の位置は変わらない。図16に示すように、上部チャック14U及び下部チャック14Lは、下部シール部16Lよりわずかに図中のX2方向にずれた箇所で停止する。
【0032】
次に図17を参照して、物品100の厚みに応じた所定量だけ、シール高さ調整ユニット18が下方に駆動される。シール高さ調整ユニット18は、下部シール部16L,17Lの上面の高さと、厚み方向に関する物品100の中央の高さとがほぼ等しくなる位置まで、図中のZ2方向に駆動される。但し、物品100と下部シール部16L,17Lとの相対位置を調整できれば良いので、シール高さ調整ユニット18を下方に駆動する代わりに、下部シールユニット70Lを上方に駆動してもよい。
【0033】
次に図18を参照して、上部チャック14U及び下部チャック14Lが所定の退避箇所に移動する。これにより、上部チャック14U及び下部チャック14Lによるフィルム50Aの把持が解除される。
【0034】
図21は、フィルム50Aの状態を模式的に示す斜視図である。これまでのチャック14の一連の動作により、フィルム50Aは、物品100が載置されている第1部分501よりも前方(図中のX1方向に関する前方)の第2部分502が、物品100を越えて図中のX2方向に折り返された格好となる。このように、包材搬送手段としてのチャック14は、まず、載置台10上において第1部分501に物品100が載置されたフィルム50Aを、載置部2から封止部3に搬送し、次に、第1部分501より前方の第2部分502を、当該物品100を越えて後方に折り返した後に上方から降下させる。
【0035】
図18に引き続き、次に図19を参照して、上部シールユニット70Uが図中のZ2方向に駆動されることにより、上部シール部16U,17Uと下部シール部16L,17Lとによって上下からフィルム50Aを挟み込む。そして、熱圧着によって第1部分501及び第2部分502の縁部同士を封止する。図22は、フィルム50Aの封止箇所を模式的に示す図である。上部シール部17Uと下部シール部17Lとによって側辺部分のエリアAR1が封止され、上部シール部16Uと下部シール部16Lとによって口部分のエリアAR2が封止される。これにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40が形成される。なお、必ずしも袋体40の三方を封止する必要はなく、例えばエリアAR2の封止を保留して側辺部分のみの二方の封止としても良い。この場合、袋体40の口部分が開封しているため、作業者は、袋体40が包装装置1から排出された後に調味料の小袋等を袋体40内に投入することができる。
【0036】
次に図20を参照して、上部シールユニット70Uが図中のZ1方向に駆動されることにより、図18に示した初期位置に戻る。その後、シール高さ調整ユニット18が図中のZ1方向に駆動され、これに伴って、シール高さ調整ユニット18上の袋体40も上方に駆動される。その後、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアが駆動されることにより、袋体40は、シール高さ調整ユニット18上から、下部シール部17Lを飛び越えて、ローラ19を介して排出部4のベルトコンベア20(図3参照)上に搬送される。その後、シール高さ調整ユニット18が図中のZ2方向に駆動されることにより、図19に示した初期位置に戻る。また、チャック13,14が図4に示した初期位置に戻る。これにより、次回の包装動作の待機状態となる。
【0037】
このように本実施の形態に係る包装装置1によれば、チャック14は、第1部分501(第1領域)上に物品100が載置された状態でフィルム50Aを搬送し、第1部分501より前方のフィルム50Aの第2部分502(第2領域)を、当該物品100を越えて後方に折り返す。そして、シール部16,17は、折り返されたフィルム50Aの第1部分501及び第2部分502の端縁同士を封止する。従って、本実施の形態に係る包装装置1によれば、トレーを用いずに物品100を包装することが可能となる。その結果、消費者においては、ゴミの排出量を削減でき、また、製造業者においては、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要がなくなる。
【0038】
また、本実施の形態に係る計量装置1によれば、計量手段80は、物品100がフィルム50A上に載置される前にフィルム50Aの重量を計量し、物品100がフィルム50A上に載置された後に物品100及びフィルム50Aの合計重量を計量する。従って、物品載置後の計量値から物品載置前の計量値を減算することにより、フィルム50Aの重量を含まない物品100自身の重量を正確に求めることができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る包装装置1によれば、カッタ12は、帯状のフィルム50から包装単位のフィルム50Aを切断し、チャック13は、カッタ12によって切断された包装単位のフィルム50Aを載置台10上に搬送する。従って、チャック14がフィルム50Aの搬送動作を開始する時点ではすでにフィルム50Aは切断されているため、チャック14による搬送動作の開始後やシール部16,17による封止動作の際に、帯状のフィルム50を切断する必要がない。その結果、切断した帯状のフィルム50同士を再び結合するための機構や、切断に伴って発生する不要フィルムを回収するための機構を省略できるため、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0040】
<変形例>
フィルム50が透明である場合に、透明のフィルム50の表裏の区別を容易にすべく、有色の表裏識別表示をフィルム50に付加してもよい。表裏識別表示は、フィルム50の表面に付加してもよく、あるいはフィルム50の裏面に付加してもよい。また、付加の態様は、フィルム50への印字であってもよく、あるいはフィルム50へのラベル貼付であってもよい。例えば、店舗や商品等に関する文字、記号、ロゴマーク、デザイン等の任意の情報を、フィルム50の表面に表裏識別表示として付加する。あるいは、フィルム50の表面と裏面とでデザインを異ならせることにより、表裏識別表示としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 包装装置
10 載置台
12 カッタ
13,14 チャック
16,17 シール部
50,50A フィルム
80 計量手段
100 物品


【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を用いて物品を包装する包装装置であって、
包装対象である前記物品を載置するための載置台と、
前記載置台上に前記物品が載置される前に前記載置台上に前記包材を搬送する、第1の包材搬送手段と、
前記載置台上において前記包材の第1領域上に載置された前記物品の重量を計量する計量手段と、
前記第1領域上に前記物品が載置された状態で前記包材を搬送し、前記第1領域より前方の前記包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す、第2の包材搬送手段と、
折り返された前記包材の前記第1領域及び前記第2領域の端縁同士を封止する封止手段と
を備える、包装装置。
【請求項2】
前記計量手段はさらに、前記物品が前記包材上に載置される前に、前記第1の包材搬送手段によって前記載置台上に搬送された前記包材の重量を計量する、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
貯留されている帯状包材から、一回の包装で使用する包装単位の包材を切断する切断手段をさらに備え、
前記第1の包材搬送手段は、前記切断手段によって切断された前記包材を前記載置台上に搬送する、請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項4】
包材を用いて物品を包装する包装装置であって、
包装対象である前記物品を載置するための載置台と、
貯留されている帯状包材から、一回の包装で使用する包装単位の包材を切断する切断手段と、
前記切断手段によって切断された前記包材を、前記載置台上に前記物品が載置される前に前記載置台上に搬送する、第1の包材搬送手段と、
前記載置台上において前記包材の第1領域上に前記物品が載置された状態で前記包材を搬送し、前記第1領域より前方の前記包材の第2領域を、当該物品を越えて後方に折り返す、第2の包材搬送手段と、
折り返された前記包材の前記第1領域及び前記第2領域の端縁同士を封止する封止手段と
を備える、包装装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−173605(P2011−173605A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37782(P2010−37782)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】