説明

化合物の製造

本発明は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)は、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、すなわち免疫系、特にCD4T-細胞の破壊を特徴とする疾患の原因物質であり、日和見感染に対する感受性、並びに該疾患の前駆AIDS関連症候群(「ARC」)、すなわち持続性全身性リンパ節腫脹、発熱及び体重減少のような症状を特徴とする症候群を伴う。
【0003】
中でも、ヒトのHIV感染の治療に現在用いられている薬剤は、HIVアスパルチルプロテアーゼ酵素を阻害するものである。プロテアーゼ阻害剤として用いられる薬剤は、一般的に、化学的に複雑であり、そして費用効果及び効率の高い方法で製造することが困難である。これらの分子が本来複雑である結果として、それらを製造するための新規かつ費用効果がより高い方法は価値がある。
【0004】
WO 00/76961に記載された N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンは、HIV感染及び関連状態の治療における新規治療剤として重要である。治療における化合物の安全性及び効力を臨床的に調査するために、この化合物を大量に製造する必要がある。
【0005】
本発明は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造方法に関する。
【0006】
本発明はまた、HIVアスパルチルプロテアーゼの阻害剤として機能できる化合物の製造における中間体として有用な化合物を特徴としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
WO 00/76961は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造に応用できる方法を開示している。これらの方法は、低い処理量、遅い濾過、中間体及び生成物の純度の可変性、並びに反応器からの中間体の除去の潜在的な困難さ、長い乾燥時間、及び再現性のために、大規模製造には望ましくない。本発明方法は、操作及び単離の回数を減らし、そして効率的で安全かつ再現性が良く、その結果、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの大規模製造における本方法の使用に導かせる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造に有用である方法及び化合物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジン、すなわち式(I)の化合物の製造に有用である方法及び化合物を提供する。
【0010】
本発明は、式(I)
【化1】

【0011】
の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化2】

【0012】
の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化3】

【0013】
の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基(aqueous base)の存在下に式(IV)
【化4】

【0014】
の化合物で処理して式(V)
【化5】

【0015】
の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護して式(VI)
【化6】

【0016】
の化合物を生成し、
(d) そして式(VII)
【化7】

【0017】
の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含むことを特徴としている。
【0018】
別法として、段階(d)は、式(VIII)
【化8】

【0019】
の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することによって行うことができる。
【0020】
別法として、段階(d)は、式(IX)
【化9】

【0021】
の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することによって行うことができる。
【0022】
別法として、段階(b)は、非水性塩基の存在下に行うことができる。
【0023】
場合により、段階(d)の生成物を、適切な溶剤、例えばイソプロピルアルコール-水の中で処理することにより結晶化させることができる。
【0024】
本発明はまた、上記段階(a)、(b)、(c)及び(d)を含む式(I)の化合物の製造方法であって、段階(a)及び(b)をワンポット反応に組み合わせて式(V)の化合物を生成し、該化合物を単離し、そして段階(c)及び(d)をワンポット反応に組み合わせて式(VI)の化合物を経由して式(I)の化合物を生成することを特徴としている。
【0025】
段階(a)及び(b)をワンポット工程に組み合わせることは、本発明の効率にとって決定的に重要なことがある。段階(a)を還流エタノール又はイソプロパノールの中で行う標準的方法は、反応溶剤の全部を交換する必要性と関連して効率が低下するので、段階(a)と段階(b)との組み合わせには導かなかった。この反応を非アルコール性溶剤、例えばトルエン中で行うために必要な極めて高い温度は、式(II)の安定性に限界があるので勧められない。しかしながら、少量のメタノールは、メタノールの共沸除去にとって好ましい特性を有する溶剤であるアセトニトリルで希釈した場合でさえ、段階(a)を促進することを見出し、そしてこの観察結果を活用して段階(a)及び段階(b)を組み合わせることができた。
【0026】
段階(c)及び(d)をワンポット工程に組み合わせることは、本発明の効率にとって決定的に重要なことがある。テトラヒドロフラン-水の溶剤系は、以下の全てを実施できる溶剤系であると確認された:1)式(V)の化合物及びそのメタンスルホン酸塩を可溶化すること;2)式(VI)の化合物及びそのメタンスルホン酸塩を可溶化すること;3)段階(c)のための媒質として使用すること;4)段階(d)のための媒質として使用すること;5)式(I)の化合物を可溶化すること;及び6)水性仕上げ処理のために、結晶化溶剤(イソプロパノール-水)への溶剤交換を効率良く行うことができるように変更すること。
【0027】
本明細書において、下記の略語が用いられることがある:
g(グラム); mg(ミリグラム);
L(リットル); mL(ミリリットル);
μL(マイクロリットル); M(モル濃度);
mM(ミリモル濃度); mol(モル);
mmol(ミリモル); rt(室温);
min(分); h(時間);
mp(融点); TLC(薄層クロマトグラフィー);
MeOH(メタノール); TEA(トリエチルアミン);
THF(テトラヒドロフラン); AcOEt(酢酸エチル);
HOAc(酢酸); BOC(tert-ブトキシカルボニル);
CBZ(ベンジルオキシカルボニル); Ac(アセチル);
DMAP(4-ジメチルアミノピリジン); NBS(N-ブロモスクシンイミド);
DIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム); LAH(水素化リチウムアルミニウム);
MsOH(メタンスルホン酸)
Pd/C(パラジウム担持炭素)
LC(液体クロマトグラフィー)
GC(ガスクロマトグラフィー)
MTBE(tert-ブチルメチルエーテル)
IPAC(酢酸イソプロピル)
DCM(ジクロロメタン)
段階(a)は、(1S)-2-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]フェニル}-1-[(2S)-オキシラン-2-イル]エチルカルバミン酸tert-ブチルを、好適な溶剤、好ましくはアセトニトリル及びメタノールの存在下に、アミン、好ましくはイソブチルアミンと反応させることにより行うことができる。この反応は、還流で(又はその付近で)有利に行われる。段階(a)の生成物、すなわち式(III)の化合物は、単離してもよく又は段階(b)に移行させてもよい。
【0028】
段階(b)は、好適な溶剤、好ましくはアセトニトリル中のスルホニルクロリド、好ましくは1,3-ベンゾジオキソール-5-スルホニルクロリド(供給業者:SF-Chem P.O. Box 1964 CH-4133 Pratteln 1 Switzerland)を、25℃を保持しながら添加し、この添加中に非水性塩基、好ましくはN-メチルモルホリンを存在させて行うことができる。水性塩基、例えば重炭酸ナトリウムを用いる場合には、それは、スルホニルクロリドの添加後に約25℃の温度を保持しながら添加される。反応生成物、すなわち式(V)の化合物を、好適な溶剤、例えばアセトニトリル-水の中で結晶化させる。
【0029】
段階(c)は、式(V)の化合物を、好適な溶剤、好ましくはTHF-水の中で、酸、好ましくはメタンスルホン酸で処理することにより脱保護することによって行うことができる。
【0030】
段階(d)は、段階(c)で用いた酸を、塩基、好ましくはトリエチルアミンで中和し、遊離塩基化して脱保護した式(VII)の合物[炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニル]を処理し、そして還流で(又はその付近で)加熱することによって行うことができる。式(VIII)の化合物[カルバミン酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-4-カルボメトキシフェニル]、及び式(IX)の化合物[カルバミン酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-1N-ベンゾトリアゾール]を用いることもできる。水性仕上げ処理の後、生成物溶液を好適な溶剤、好ましくはイソプロパノール-水と交換し、そして結晶化させることができる。
【0031】
式(II)の化合物は、(1S)-2-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]-1-[(2S)-オキシラン-2-イル]エチルカルバミン酸tert-ブチル(供給業者:Aerojet Fine Chemicals P.O. Box 1718 Rancho Cordova, CA 95741)を、好適な溶剤、好ましくはテトラヒドロフランの中で、水素化触媒、好ましくは炭素上のパラジウム、水素源、好ましくは水素ガスを用いて、約25℃で処理することによって製造することができる。触媒は濾過により除去することができ、そして約30〜40℃の範囲の温度を保持しながら、アルキル化剤、好ましくは4-(クロロメチル)-2-メチル-1,3-チアゾール塩酸塩(供給業者:Lancaster Synthesis Inc., P.O. Box 1000, Windham NH 03087-9977)、次いでヨウ素源、好ましくはヨウ化ナトリウム、及び塩基、好ましくはナトリウムtert-ブトキシドを加えることができる。最後に、水性塩基、好ましくは水酸化ナトリウムの溶液を加えて、ヨウ素アニオンにより偶然に開環したエポキシドを閉環させる。生成した溶液は、水性溶液、好ましくは純水及び塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして適切な結晶化溶剤、好ましくはヘプタン-酢酸エチルに溶剤交換することができる。
【0032】
式(VII)の化合物は、(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールから、好適な溶剤、好ましくはDCM-IPACの中で、塩基、好ましくはピリジン、及び4-ニトロフェノキシカルボニル源、好ましくはクロロギ酸4-ニトロフェニルで処理することによって製造することができる。生成物化合物は、好ましくは希塩酸、次いで重炭酸ナトリウム溶液による水性洗浄の後、好適な結晶化溶剤、好ましくは酢酸イソプロピルへの溶剤交換、及び結晶化によって単離することができる。
【0033】
式(VIII)の化合物は、(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールから、好適な溶剤中で、塩基、好ましくはピリジン、及びクロロギ酸4-カルボメトキシフェニルで処理することによって製造することができる。生成物化合物は、好ましくは希塩酸、次いで重炭酸ナトリウム溶液による水性洗浄の後、好適な結晶化溶剤、好ましくは酢酸エチルへの溶剤交換、及び結晶化によって単離することができる。
【0034】
式(IX)の化合物は、(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールから、好適な溶剤中で、N-メチルモルホリン及び1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-カルボニルクロリドで処理することによって製造することができる。生成物化合物は、結晶化によって単離することができる。
【0035】
本発明は、スキームIにより説明する方法を特徴としている:
【化10】

【0036】
スキームI
1. MeCN、イソブチルアミン、MeOH
2. MeCN、(IV)、重炭酸ナトリウム(水溶液)
3. THF-水、MsOH
4. THF-水、TEA、(VII)
5. DCM-IPAC、(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オール、クロロギ酸4-ニトロフェニル、ピリジン
スキームIの反応2は、別法として、MeCN、N-メチルモルホリン、(IV)であってよい。
【0037】
本発明は、式(I)
【化11】

【0038】
の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化12】

【0039】
の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンと反応させて式(III)
【化13】

【0040】
の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化14】

【0041】
の化合物と反応させて式(V)
【化15】

【0042】
の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護し、そしてして式(VII)
【化16】

【0043】
の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含むことを特徴としている。
【0044】
本発明はさらに、式
【化17】

【0045】
の炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルの製造方法であって、該方法は、式
【化18】

【0046】
の(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールを好適な溶剤中でクロロギ酸4-ニトロフェニルと反応させて、炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルを生成することを含むことを特徴としている。
【0047】
本発明は、上記方法により製造された式
【化19】

【0048】
の炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルを特徴としている。特定の条件は、炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルの製造にとって決定的に重要なことがある。単離に酢酸イソプロピルを用いることは、投入される(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの純度に対して極めて高い許容度(例えば純度70-95%)を可能にし、生成物[炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル4-ニトロフェニル]の純度>98%を与える。さらに、例示した条件下では、避けられない副生物、すなわち炭酸ビス(4-ニトロフェニル)は、反応中に最小限(10-15%まで)になると共に、再結晶中に実質的に減少する(<2%まで)。
【実施例】
【0049】
下記の実施例は、本発明の範囲内の特別な実施形態をさらに説明及び実証する。これらの実施例は、説明するためだけに与えられるものであり、そして本発明の精神および範囲
を逸脱することなく種々の変更が可能であるので、限定と解釈すべきではない。
【0050】
別に指摘しない限り、全ての出発材料は供給業者から入手し、そしてさらに精製することなく使用した。
【0051】
別に指示しない限り、全ての温度は℃(セ氏温度)で表される。全ての反応は、別に指摘しない限り、不活性雰囲気下に室温で行われる。
【0052】
実施例1:(1S,2R)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]-2-ヒドロキシ-1-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバミン酸tert-ブチルの製造
【化20】

【0053】
反応容器に、(1S)-2-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]フェニル}-1-[(2S)-オキシラン-2-イル]エチルカルバミン酸tert-ブチル(1.0 wt)、次いでアセトニトリル(3.5 vol)、メタノール(1.0 vol)及びイソブチルアミン(8.3 equiv、2.1 vol)を装入した。生成した混合物を加熱還流し、還流で3時間保持した。アセトニトリル(9.0 vol)を装入し、蒸留液(9.0 vol、6.8 wt)を大気圧で集めた。第二部分のアセトニトリル(9.0 vol)を装入し、蒸留液(9.0 vol、6.9 wt)を大気圧で集めた。アセトニトリル(2.5 vol)を装入し、反応混合物を約25℃に冷却した。アセトニトリル(2 vol)中の1,3-ベンゾジオキソール-5-スルホニルクロリド(1.1 equiv、0.62 vol)の溶液を、約25℃の温度を保持しながら装入した。水(2.3 vol)中の重炭酸ナトリウム(1.2 equiv、0.26 vol)の溶液を、約25℃の温度を保持しながら装入した。生成した反応混合物を4時間攪拌した。酢酸(2.0 equiv、0.29 vol)、次いで水(10 vol)を装入し、生成したスラリーを1時間攪拌した。固体を濾過し、水(7.5 vol)中のアセトニトリル(2.5 vol)の溶液で洗浄した。生成物を真空オーブン中で約50℃で乾燥した。表題の生成物(1.5 wt、90%)は薄ベージュ色の固体であった。
【0054】
実施例2:N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造
【化21】

【0055】
反応容器に、(1S,2R)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]-2-ヒドロキシ-1-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル(1.0 wt)、テトラヒドロフラン(5.0 vol)及び水(0.05 vol)を装入し、約25℃で攪拌した。次いで反応容器にメタンスルホン酸(3.0 equiv、0.30 vol)を装入し、生成した混合物を30分間かけて約50℃に加温し、攪拌した後、30分間加熱還流した。水(0.25 vol)を加え、反応混合物を約50℃に冷却し、トリエチルアミン(3.7 equiv、0.80 vol)、次いで固体のカルバミン酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニル(1.05 equiv、0.48 wt)を加えた。生成した混合物を還流させ、3.5時間攪拌した。反応混合物を約50℃に冷却し、tert-ブチルメチルエーテル(3.0 vol)を加えた。約50℃を保持して、この混合物を水(2.1 vol)、10%(重量)炭酸カリウム水溶液(2×2.1 vol、1.0 equiv)及び5%(重量)塩酸水溶液(2.1 vol、1.1 equiv)で洗浄した。大気圧で有機混合物を約4.2 volまで濃縮し(すなわち約3.3 volを除去し)、イソプロピルアルコール(約3.3 vol)で元の量まで希釈した。この混合物を再び4.2 volにし、イソプロピルアルコール(約3.3 vol)で元の量まで希釈した。最後に4.2 volまで濃縮した後、イソプロピルアルコール(9.5 vol)及び水(0.30 vol)を装入した。生成した混合物を加熱して全ての固体を溶解し、50℃に冷却し、種結晶としてN-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジン結晶(0.01 wt)を加え、50℃で1時間(又は相当の結晶化が起こるまで)保持した。生成したスラリーを0.7℃/minで室温に冷却した(約30分)。固体生成物を濾過し、50:50イソプロピルアルコール/ヘプタン(4 vol)及びヘプタン(4 vol)で洗浄し、真空オーブン中で約50℃で乾燥した。生成物(0.97 wt、90%)は薄ベージュ色の固体であった。
【0056】
実施例3:4,5-ジヒドロフラン-3-イル(オキソ)酢酸エチルの製造
【化22】

【0057】
フラスコに、2,3-ジヒドロフラン(0.77 wt、1.5 eq)、トリエチルアミン(0.82 wt、1.1 eq)及びMTBE(4 vol)を装入した。この溶液に室温でクロロオキソ酢酸エチル(1 wt、1 eq)を滴下した。添加中に温度は上昇し、外部冷却により35℃未満に保持した(全添加時間1時間)。添加した後、反応物を室温に冷却させ、2時間攪拌した。反応混合物を水(3×2 vol)で洗浄した。有機層を30℃で濃縮して、4,5-ジヒドロフラン-3-イル(オキソ)酢酸エチルを油状物として得た(76-89%)。
【0058】
実施例4:(+/-)-1-(4,5-ジヒドロフラン-3-イル)エタン-1,2-ジオールの製造
【化23】

【0059】
滴下ロート、攪拌器及び窒素導入口を取り付けたフラスコに、水素化リチウムアルミニウム(THF中1M、5.8 vol、1 eq)を装入した。反応混合物を15℃に冷却した。THF(4 vol)中の4,5-ジヒドロフラン-3-イル(オキソ)酢酸エチル(1 wt、1 eq)を、温度を15〜20℃に保持しながら滴下した(全添加時間1時間)。添加が終了した後、反応物を室温で30分間攪拌し、次いで-5℃に冷却した。THF:水の2:1溶液(1 vol)を、温度を5℃未満に保持しながら徐々に加えた。15%水酸化ナトリウム溶液(1 vol)を滴下した後、水(0.3 vol)を加えた。セライト(0.33 wt)を加え、生成したスラリーを室温で1時間攪拌し、濾過し、フィルターケーキをテトラヒドロフラン(全量5 vol)で洗浄して、表題の化合物を含有する濾液を生成した。
【0060】
実施例5:rel-(3S,3aR,6aR)-3a-ブロモヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの製造
【化24】

【0061】
実施例4からの(+/-)-1-(4,5-ジヒドロフラン-3-イル)エタン-1,2-ジオールの溶液を約10℃に冷却し、NBSで滴定した(実施例4で用いた4,5-ジヒドロフラン-3-イル(オキソ)酢酸エチルに対して約0.69 eq、約0.94 wt)。滴定は、NBSの少量ずつの添加と関連する発熱のモニターにより行い、約-10℃で約1時間かけて行った。反応混合物をさらに約30分間攪拌し、10%亜硫酸ナトリウム溶液(6 vol)で処理した。生成した溶液(1:3ジアステレオマー混合物)を35〜40℃で元の量の約半分まで真空濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(5×5 vol)で抽出した。一緒にした有機物を水(5×5 vol)で抽出し、油状物に濃縮して、3a-ブロモヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールを95対5のジアステレオマー混合物として得た(4,5-ジヒドロフラン-3-イル(オキソ)酢酸エチルからの収率約40%)。洗浄液を一緒にし、酢酸エチル(2×10 vol)で抽出した。ジアステレオマーの3:1混合物からなる抽出物を上記抽出工程により繰り返して、約10%の追加の生成物を95:5ジアステレオマー混合物として単離した。全体の収率は約50%であった(2段階)。
【0062】
実施例6:酢酸rel-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イルの製造
【化25】

【0063】
rel-(3S,3aR,6aR)-3a-ブロモヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オール(1 wt、1 eq)(ジアステレオマーの95:5混合物、未分割)、THF(4.2 wt)及びトリエチルアミン(0.58 wt、1.2 eq)、次いで水(0.86 wt)中の炭素上のパラジウム(0.28 wt、5%Pd/C、50%水)のスラリーを反応器に装入した。この混合物を水素ガスに約8時間さらし、触媒を濾過により除去し、THF(2×1 wt)で洗浄した。生成した溶液を約半分の量まで濃縮し、次いで酢酸エチルを装入し、約半分の量まで濃縮して水の濃度を低下させた。ジクロロメタン(6.5 wt)、次いでトリエチルアミン(0.58 wt、1.2 eq)及びDMAP(0.005 wt、0.01 eq)を装入し、この混合物を約5℃に冷却した。温度を5〜10℃に保持しながら無水酢酸(0.58 wt、1.2 eq)を30分間かけて加えた。反応混合物を1.5時間かけて約23℃に温めると、その時点でアセチル化が完了した。温度を23〜27℃に調節しながら、メタノール(0.076 wt、0.50 eq)を10分間かけて装入した。さらに30分間攪拌した後、有機層を順に水(2×2.5 wt)及び3%HCl(水溶液)(2.5 wt)で洗浄した。有機層を濃縮して、表題の化合物を自由流動性の油状物として得た。
【0064】
実施例7:(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの製造
【化26】

【0065】
反応器に、(ラセミ体)酢酸 rel-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル(1.0 eq)及び0.1N NaH2PO4(pH=4、3.0 vol)を装入した。生成した溶液を15%NaOH水溶液でpH 5.0に調節した。Altus ChiroClec-PC(5.10×10-4 wt)を加え、反応物を40℃に加熱し、15%NaOH水溶液を周期的に加えてpHを4.8〜5.2に保持した。不要な酢酸エステル[酢酸 (3S,3aR,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル]の全てが加水分解されるまで(約3-5h)、反応をキラルGCにより追跡した。この混合物を小さなインラインフィルターに通して濾過し、CLECを除去した。この混合物を15分間攪拌し、次いで落ち着かせた。層を分離し、水層をDCM(2 vol)で抽出した。有機層を一緒にし、不要のアルコール[(3S,3aR,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オール]が有機層中で3%未満になるまで、水(2×2 vol)で洗浄した。次いで、目的の酢酸エステル[酢酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル]を含む生成した有機溶液を、大気圧で約1 volまで濃縮した。メタノール(2.0 vol)、次いで炭酸カリウム(0.012e、0.01 wt)を加えた。この混合物を約2〜3時間攪拌すると、その時点で目的のアルコール[(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オール]への変換が完了した。次いで酢酸(0.025 eq、0.008 vol)を加えて塩基を中和し、この混合物を大気圧及び減圧で約1volまで濃縮した。酢酸イソプロピル(2 vol)を加え、この溶液を再び約1volまで濃縮した。酢酸イソプロピル(2 vol)を再び加え、この溶液を約1volまで濃縮し、MeOH含有量について分析した。
【0066】
実施例8:炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルの製造
【化27】

【0067】
フラスコに、実施例7からの(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの溶液(1.0 eq)を装入した。酢酸イソプロピルを加えて全重量を5.7 wt(約5 vol)にした。反応物を15℃に冷却した。ピリジン(1.4 eq、0.87 vol)を加えると、軽微な発熱が生じた。この溶液を再び15℃に冷却した。反応温度15+/-3℃を保持しながら、ジクロロメタン(7 vol)中のクロロギ酸4-ニトロフェニル(1.3 eq、2.02 wt)の溶液をできるだけ素早く加えた。追加量のジクロロメタン(2 vol)を移送に用いた。添加が終了したとき、反応物を20℃に温め、1時間攪拌した。GCアッセイは、残留した(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの濃度が許容できることを示した。HPLCアッセイは、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)の生成が許容できることを示した。水(5 vol)を加え、層を15分間攪拌し、落ち着かせ、分離させた。有機相を1N HCl(5 vol)及び5%重炭酸ナトリウム水溶液(5 vol)で洗浄した。次いで有機溶液を大気圧で約5volまで濃縮した。酢酸イソプロピル(4 vol)を加え、この溶液を65℃に冷却し、種結晶を加えた。この混合物を65℃で30分間熟成させ、次いで生成したスラリーを1時間かけて0℃に冷却し、1時間熟成させた。MTBE洗浄液(2 vol)による濾過は、軽い粉末を与えた。この材料をHPLCによりアッセイしたところ、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)の濃度が2%未満であることを示した。表題の化合物を40〜60℃で真空乾燥した(70-78%)。
【0068】
実施例9:(1S,2R)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]-2-ヒドロキシ-1-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバミン酸tert-ブチルの製造
【化28】

【0069】
反応容器に、(1S)-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]フェニル}-1-[(2S)-オキシラン-2-イル]エチルカルバミン酸tert-ブチル(1.0 wt)、次いでアセトニトリル(3.5 vol)、メタノール(1.0 vol)及びイソブチルアミン(8.3 equiv、2.1 vol)を装入した。生成した混合物を還流加熱し、還流で3時間保持した。アセトニトリル(6.0 vol)を装入し、蒸留液(6.0 vol、4.6 wt)を大気圧で集めた。第二部分のアセトニトリル(6.0 vol)を装入し、蒸留液(7.0 vol、5.5 wt)を大気温度で集めた。アセトニトリル(2.0 vol)及びN-メチルモルホリン(1.3 eq、0.37 vol)を装入し、反応混合物を約25℃に冷却した。1,3-ベンゾジオキソール-5-スルホニルクロリド(1.1 equiv、0.62 wt)の溶液を、約25℃の温度を保持しながら装入した。生成した反応混合物を4時間攪拌した。この溶液を65℃に加熱し、65℃を保持しながら水(2.5 vol)を装入した。この溶液に、種結晶として(1S,2R)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]-2-ヒドロキシ-1-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル(0.01 wt)を加え、65℃で0.5時間熟成させ、次いで温度を65℃に保持しながら水(5 vol)を再び装入した。生成したスラリーを25℃に冷却し、1時間攪拌した。固体を濾過し、水(1.5 vol)中のアセトニトリル(0.5 vol)の溶液で洗浄した。生成物を真空オーブン中で約50℃で乾燥した。表題の生成物(1.6 wt、95%)は薄ベージュ色の固体であった。
【0070】
実施例10:N-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジンの製造
【化29】

【0071】
反応容器に、(1S,2R)-3-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]-2-ヒドロキシ-1-{4-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル(1.0 wt)、テトラヒドロフラン(0.5 vol)及び水(0.3 vol)を装入し、約25℃で攪拌した。次いで反応容器にメタンスルホン酸(3.0 equiv、0.30 vol)を装入し、生成した混合物を30分間かけて約50℃に加熱し、攪拌し、30分間かけて還流加熱した。反応混合物を約50℃に冷却し、トリエチルアミン(3.7 equiv、0.80 vol)、次いで固体の炭酸(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニル(1.05 equiv、0.48 wt)を加えた。生成した混合物を還流させ、3.5時間攪拌した。反応混合物を約50℃に冷却し、tert-ブチルメチルエーテル(3.0 vol)を加えた。約50℃を保持して、この混合物を水(2.1 vol)、10%(重量)炭酸カリウム水溶液(2×2.1 vol、1.0 equiv)及び5%(重量)酢酸水溶液(2.1 vol、1.1 equiv)で洗浄した。大気圧で、この有機混合物を約4.2 volまで濃縮し(すなわち、約3.3 volを除去し)、イソプロピルアルコール(約3.3 vol)で元の量まで希釈した。この混合物を再び4.2 volにし、イソプロピルアルコール(約3.3 vol)で元の量まで希釈した。最終的に4.2 volまで濃縮した後、イソプロピルアルコール(9.5 vol)及び水(0.30 vol)を装入した。生成した混合物を加熱して全ての固体を溶解し、50℃に冷却し、種結晶としてN-(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-オキシカルボニル-, (4S,5R)-4-[4-(2-メチルチアゾロ-4-メチルオキシ)-ベンジル]-5-i-ブチル-[(3,4-メチレンジオキシフェニル)スルホニル]-アミノメチル-2,2-ジメチル-オキサゾリジン結晶(0.01 wt)を加え、50℃で0.5時間(又は相当の結晶化が起こるまで)保持した。生成したスラリーを0.5℃/minで35℃に冷却し(約30分)、1時間攪拌した。このスラリーをさらに1.0℃/minで0℃に冷却し(約35分)、1時間攪拌した。固体生成物を濾過し、冷イソプロピルアルコール(2×2 vol)で洗浄し、真空オーブン中で約65℃で乾燥した。生成物(0.97 wt、90%)は薄ベージュ色の固体であった。
【0072】
実施例11炭酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-カルボメトキシの製造
【化30】

【0073】
フラスコに、酢酸エチル(6 vol)中のクロロギ酸4-カルボメトキシフェニル(1.2 eq)の溶液を装入し、攪拌しながら5℃に冷却した。実施例7からの(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの溶液(1.0 eq)、ピリジン(1.4 eq)及び酢酸エチル(4 vol)を、温度を15℃未満に保持しながら徐々に加えた。反応物を室温に温め、GCで追跡しながら1.5時間攪拌した。反応が完了したと判断したとき、水(4 vol)で停止し、35℃に加熱した。層を分離し、有機層を1N HCl(2×1 vol)及びブライン(1 vol)で洗浄した。この溶液を、酢酸エチル(2 vol)を加えて溶剤(2 vol)を大気圧で溜去することにより乾燥した。次いでこの溶液を室温に冷却し、濾過して炭酸ビス(4-カルボメトキシフェニル)を除去した。濾液をさらに濃縮し、抗溶剤としてヘプタンを用いて表題の化合物を結晶化させた。このスラリーを濾過し、ケーキをヘプタン(2 vol)で洗浄した。このケーキを周囲温度で真空乾燥した。表題の化合物をベージュ色固体として得た。
【0074】
実施例12:カルバミン酸(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-1-1N-ベンゾトリアゾールの製造
【化31】

【0075】
フラスコに、1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-カルボニルクロリド(1.2 eq)及びジメトキシメタンを装入した。実施例7からの(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールの溶液(1.0 eq)、N-メチルモルホリン(1.3 eq)及びジエトキシメタン(0.25 vol)を、温度を40℃に保持して攪拌しながら徐々に加えた。次いで反応物をGCにより追跡しながら40℃で1.5時間熟成させた。反応が完了したと判断したとき、30℃に冷却し、水(2.5 vol)を加えた。この溶液を徐々に20℃に冷却すると、結晶化が起きた。水(3.5 vol)を徐々に加え、15℃に冷却し、10分間攪拌した。このスラリーを濾過し、ケーキを水(2.5 vol)で洗浄した。次いでこのケーキを60℃で真空乾燥した。カルバミン酸 (3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル-1-1N-ベンゾトリアゾールをベージュ色固体として得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化2】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化3】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化4】

の化合物で処理して式(V)
【化5】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護して式(VI)
【化6】

の化合物を生成し;
(d) 式(VI)の化合物を式(VII)
【化7】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の段階(a)、(b)、(c)及び(d)を含む式(I)の化合物の製造方法であって、段階(a)及び(b)をワンポット反応に組み合わせて式(V)の化合物を生成し、該化合物を単離し、そして段階(c)及び(d)をワンポット反応に組み合わせて式(I)の化合物を生成する、上記製造方法。
【請求項3】
式(I)
【化8】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化9】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化10】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化11】

の化合物で処理して式(V)
【化12】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護し、そして式(VII)
【化13】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項4】
式(I)
【化14】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化15】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化16】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化17】

の化合物で処理して式(V)
【化18】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護して式(VI)
【化19】

の化合物を生成し;
(d) 式(VI)の化合物を式(VIII)
【化20】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の段階(a)、(b)、(c)及び(d)を含む式(I)の化合物の製造方法であって、段階(a)及び(b)をワンポット反応に組み合わせて式(V)の化合物を生成し、該化合物を単離し、そして段階(c)及び(d)をワンポット反応に組み合わせて式(I)の化合物を生成する、上記製造方法。
【請求項6】
式(I)
【化21】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化22】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化23】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化24】

の化合物で処理して式(V)
【化25】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護し、そして式(VIII)
【化26】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項7】
式(I)
【化27】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化28】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化29】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化30】

の化合物で処理して式(V)
【化31】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護して式(VI)
【化32】

の化合物を生成し;
(e) 式(VI)の化合物を式(IX)
【化33】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の段階(a)、(b)、(c)及び(d)を含む式(I)の化合物の製造方法であって、段階(a)及び(b)をワンポット反応に組み合わせて式(V)の化合物を生成し、該化合物を単離し、そして段階(c)及び(d)をワンポット反応に組み合わせて式(I)の化合物を生成する、上記製造方法。
【請求項11】
式(I)
【化34】

の化合物の製造方法であって、該方法は、
(a) 式(II)
【化35】

の化合物をアルコール含有溶剤中で過剰のイソブチルアミンで処理して式(III)
【化36】

の化合物を生成し;
(b) 式(III)の化合物を水性塩基の存在下に式(IV)
【化37】

の化合物で処理して式(V)
【化38】

の化合物を生成し;
(c) 式(V)の化合物を脱保護し、そして式(IX)
【化39】

の化合物とカップリングさせて式(I)の化合物を生成することを含む、上記製造方法。
【請求項12】
アルコール含有溶剤がアセトニトリル-メタノールである、請求項1〜11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
水性塩基が重炭酸ナトリウムである、請求項1〜11の何れかに記載の方法。
【請求項14】
段階(b)が非水性塩基の存在下に行われる、請求項1〜11の何れかに記載の方法。
【請求項15】

【化40】

の炭酸(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルの製造方法であって、該方法は、式
【化41】

の(3S,3aR,6aS)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オールを好適な溶剤中でクロロギ酸 4-ニトロフェニルと反応させて炭酸(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニルを生成することを含む、上記製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法により製造される式
【化42】

の炭酸(3R,3aS,6aR)-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-イル 4-ニトロフェニル。
【請求項17】
式(VIII)
【化43】

の化合物。
【請求項18】
式(IX)
【化44】

の化合物。

【公表番号】特表2007−521277(P2007−521277A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517643(P2006−517643)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020353
【国際公開番号】WO2005/000249
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】