説明

化学および/または生化学反応のための光学システム

複数の反応容器のうちの少なくとも1つの反応容器(3)で起こった化学または生化学反応から発せられる光のスペクトルを検出する装置が開示される。各反応容器(3)は、光が発せられ得る放射領域を有する受容部分を有する。装置は、各反応容器(3)からの光が出る複数の開口(6)のアレイを備えたマスキング要素(5)を備えてよい。複数の光導波管(7)は、マスキング要素(5)の開口(6)からの光を、各導波管(7)からの光(7)を分散スペクトルへ分散させる光分散装置(8)に誘導する。光検出装置(10)は、光の分散スペクトルのうちの複数の特定の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する。1実施形態では、開口(6)は、反応容器の放射領域よりもサイズがかなり小さいが、別の実施形態では、開口(6)は、反応容器の放射領域とサイズがほぼ同様であり、光導波管(7)は、直径が反応容器の上部領域にほぼ同様の第1の端部から直径がかなり小さい第2の端部まで先細りになる(テーパ状の)直径を有する。別の実施形態では、小開口からの光が光分散装置に直接に向けられる場合、光導波管が使用されない。さらに他の実施形態では、各反応容器に対していくつかの光導波管が提供され、各導波管が、異なる特定のスペクトルを検出するために異なる検出器に光を向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反応をモニタする光学システムに関し、詳細には、排他的ではないが、化学または生化学反応が実行される反応容器から出る光をモニタする光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの化学および生化学反応が実行され、かかる反応は、特定の反応条件下で生じるかまたは変更される、蛍光シグナル、化学発光シグナル、または生物発光シグナルの信号等の検出可能な光信号を生成する。このような信号は、ある条件下で光を発生する試薬または反応(例えば加えられる励起エネルギーのため)のため発せらせるか、または反応自体により生成されることにより発せられ得る。
【0003】
これらの光信号の検出は様々な方法で使用され得る。詳細には、光信号は反応の発生の検出を可能にし、これは試験サンプル中に特定の試薬が存在または不在であることを示し得るか、特定の反応の進行または動力学に関する情報を提供する。用語「光」は可視光線を含むものとして一般には使用されるが、反応から発せられると共に検出可能な光学信号は、スペクトルの赤外線および/または紫外部の部分で生じてもよく、用語「光」は検出可能なすべての波長の反応から発出し得るすべての光学信号を包含するものとする。
【0004】
多くの例では、反応混合物は、1つを超える「シグナリング」試薬を備えてよく、光信号は特定の反応の発生、性質または進行に関するフルセットの情報を提供するために、経時的に検出またはモニタされる必要があり得る。
【0005】
検出信号(詳細には蛍光シグナル)がモニタされる反応の特定の例は、核酸増幅技術であり、詳細にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNAの増幅は分子生物学にとっての基本技術である。PCRは、サンプル中の特定の核酸の存在を検出するための広く用いられる効率的な技術であり、標的核酸の相対量が低い場合さえある。したがって、診断および検出ならびに研究を含む、様々な分野で有用である。
【0006】
PCRによる核酸分析は、サンプルの調製、増幅および生成物の分析を必要とする。これらのステップは通常連続して行なわれるが、増幅と分析は同時に起こってもよい。
PCRの間に、反応混合物に存在する核酸を比較的高温(例えば95℃)で変性し(変性)、次に、短いオリゴヌクレオチドプライマーが一本鎖の標的核酸に結合する温度(例えば55℃)に反応混合物を冷却する(アニーリング)というステップからなるサイクルを一連繰り返すことにより、特定の標的核酸が増幅される。その後、プライマーを、例えば72℃でポリメラーゼ酵素を使用して伸長させ(伸長)、元の核酸配列を複製する。変性、アニーリングおよび伸長のサイクルを繰り返した結果、サンプルの中に存在する標的核酸の量が指数関数的に増加する。
【0007】
増幅前にDNA染料または蛍光プローブをPCR混合物に加え、増幅中にPCRの進行を分析するために使用することが可能である。これらの反応速度測定により、元のサンプル中に存在する核酸の量が定量化される可能性が許容される。
【0008】
いくつかのシステムでは、サンプル分析が、同じ機器内の同じチューブでの増幅と同時に起こる。この組み合わせアプローチは、サンプルをさらに分析するためにその閉じた容器からサンプルを取り除く必要がないため、サンプルの処理を減少させ、時間を節約し、後続の反応がもとで生成物が汚染する危険性を大幅に減らす。生成物の分析と増幅を組み
合わせる概念は、「リアルタイム」PCRとして知られるようになっている。
【0009】
しかしながら、これらのシステムがシステム内の多数の異なる蛍光団から複雑でしばしば重複する信号を生成するという事実は、個々の蛍光団からの信号強度を決定するためには複雑な信号の分解が要求されることを意味する。
【0010】
複雑さは、複数の反応容器のアレイを同時に収容するヒータブロック等の、特別に構築されたサーマルサイクラー中でPCRが一般に行われるという点でも悪化される。これらは共にサイクルされ、各容器により生成された信号がモニタされる。
【0011】
PCR蛍光測定の現在のシステムは、光の存在または不在のみしか自身で検出できず、異なる周波帯または色の光を識別できない白黒検出器(CCD、フォトダイオード、PMT、CMOS検出器等)の検出システムに基づくことが多い。したがって、それらは、様々な異なる蛍光団信号を直接区別することができない。この問題は、検出器上の異なる複数の位置でまたは異なる時間に検出される異なる周波帯に光を分離またはフィルタリングする外部手段を備えることにより対応されることが多い。
【0012】
これらの外部手段は、機器のコスト、サイズおよび複雑さを増大させる。そのような外部手段は、光学的位置合わせのために正確に装着される必要がある場合が多く、これは、機器の丈夫さを損なう傾向があるか、装着に関連したサイズ、重量およびコストの増大につながる。
【0013】
PCR分析の多くの有用な応用は、多数の周波帯からの読取り値に基づき、かかる応用はすべて、使用される各容器が測定される必要があり、したがって、異なる周波帯または容器を読み取るために機器の光学装置の再構築が要求とされる場合、一連の読取り値を取得するのにかかる時間は必然的に増大する(例えばフィルタホイールの移動、または、ウェル間の光学システムの走査は不可避な遅延を導入し、読取り値の取得が同時でない場合、いかなる場合も時間が長くかかるだろう)。これは、取得の最高速度を減少させ、その結果測定の時間分解を減少させる効果があり、溶解分析のための温度勾配のようなプロセス中に取得がなされる場合、これは致命的であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、多くの異なる反応容器から発出する光の異なる波長を同時に識別および検出できる方法があれば有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明の第1態様では、複数の反応容器のうちの少なくとも1つの反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、前記装置は、光が通過可能な複数の小さな開口(以下、小開口)のアレイを備えたマスキング要素であって、各小開口は反応容器の受容部分の放射領域よりも実質的に小さく、1または複数の小開口は反応容器の各々に隣接して配置される、マスキング要素と、前記小開口のアレイを介して、化学または生化学反応から生じた複数の光の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、を備えた装置が提供される。
【0016】
本明細書に使用する場合、「反応容器」という語句は、反応が行なわれ得る任意の形態の支持体またはコンテナを指す。したがって、反応容器は反応管、反応プレート内のウェル、ならびにスライドまたはチップを含む。
【0017】
一般に、スペクトルは、化学または生化学反応中に存在する染料等の特定の試薬の特性であり、従って、かかる特徴的スペクトルを有する信号の有無または強度は反応混合物の特性または状態を示し得る。
【0018】
本明細書に使用する場合、「化学または生化学反応」という語句は、試薬が新しいまたは異なる試薬または生成物を生成すべく共に反応し得る様々な動作と、温度、電気化学ポテンシャル、または時間のような変化する条件で試薬に起こる変化を決定するためのサンプルの処理とを含む。したがって、かかる語句は、試薬の融点分析のような動作ならびにPCRのような反応を含む。
【0019】
1実施形態では、装置は、マスキング要素の小開口から出た光を分散スペクトルへと分散させる光分散装置をさらに備えてもよい。
光分散装置は、プリズムまたは回折格子のような光発散装置であってもよい。
【0020】
装置は、マスキング要素の小開口からの光を光分散装置まで案内する複数の光導波管をさらに備えてもよい。
1実施形態では、光検出装置は、開口からの光の分散スペクトルが生成される平面と、分散スペクトル内の特定のスペクトルを検出する1または複数の検出器とを備える。
【0021】
光分散装置は、異なる周波帯へ光を分散させる光分割装置を備えてもよい。
装置は、マスキング要素の小開口からの光を光検出装置まで案内する複数の光導波管を備えてもよい。
【0022】
1実施形態では、マスキング要素は、1つの反応容器当たり少なくとも2つの小開口を有し、複数の光導波管の各々はそれぞれの小開口からの光を光検出装置まで案内し、1つの反応容器当たり1つの導波管が、光の1つの特定のスペクトルの検出のために光検出装置のある部分まで光を案内し、1つの反応容器当たりの別の導波管が、光の1つの特定のスペクトルの検出のために光検出装置の別の部分まで光を案内する。
【0023】
この実施形態では、光検出装置の複数の異なる部分が、光の複数の異なるスペクトルに対して感度のある光センサを備えてもよい。
光導波管と、光検出装置の異なる部分の間との間にはフィルタが配置され、各フィルタは、光の異なるスペクトルを、光検出装置のそれぞれの部分へ通過させる。
【0024】
装置の他の要素によって、他の利点があってもよく、例えば、各容器から各周波帯を同時に取得できることは、励起光源に変動があり得るシステムにおいて、各周波帯および容器が同じ励起レベルで取得されることを意味する。容器の移動または泡形成、内容物の濃縮または移動等の容器内の物理的変化は、それがいかなるものであっても各周波帯の取得に等しく影響するだろう。これは、ある(多くの場合、受動)染料のレベルが別の(多くの場合、能動)染料のレベルを標準化するために使用される場合に、かなりの利益となる。
【0025】
例えば物理的移動によって、取得周波帯または容器/検出器の位置合わせを変更する必要がないため、検出器は最小の中断でデータを取得することができる。検出器はすべての利用可能な周波帯を、すべての周波帯の任意の部分集合と同様に、容易に取得することができるため、周波帯セットを減らして動作させる必要はなく、これは後続の分析の機会を増大させる。検出器が外部フィルタ等に対してではなく単に容器に対して位置合わせされればよく、検出器画像(例えばパターン認識および/または登録マーク)の処理によりいかなる小さなミスアラインメントも修正可能であるため、機械内の物理的な位置合わせもあまり重要ではなくなる。
【0026】
例えば蛍光性のシグナリング試薬を使用して、化学または生化学反応から検出可能な信号を生成するためには、(例えば蛍光団がその特性スペクトルで光を放射することを可能にすべく蛍光団が吸収する)光エネルギーを供給するために、反応混合物を照射することがしばしば必要である。
【0027】
信号は連続的にモニタされてもよいし、サイクル数にわたる変化が見られるように各サーマルの間の特定の時点として得られてもよい。
第2態様によれば、本発明は、複数の反応容器のうちの少なくとも1つの反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、
各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、
前記装置は、
光が通過可能な、各反応容器に隣接する開口を備えたマスキング要素と、
マスキング要素の開口からの光を、各導波管からの光を分散スペクトルへ分散する光分散装置まで案内する複数の光導波管と、
光の分散スペクトルの複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、
を備えた装置を提供する。
【0028】
上述したように、光分散装置はプリズムまたは回折格子を備えてもよい。
装置はさらに、光分散装置に隣接して所定のアレイに配列された複数の出力開口を有する出力アレイ要素を備えてもよく、各光導波管は、マスキング要素のそれぞれの開口からの光を受け取るように拘束された第1の端部と、光を光分散装置へ向けるようにアレイ要素中のそれぞれの開口で拘束された第2端部とを備える。
【0029】
光検出装置は、各開口からの光の分散スペクトルが生成される平面と、分散スペクトル内の特定のスペクトルを検出する1または複数の検出器とを備えてもよい。平面は検出器の感知表面であってもよいし、検出器の光学素子上の画像面であってもよく、感知表面上に平面をイメージングする適切な光学機器を備えてもよい。
【0030】
光検出装置の平面上の複数の分散スペクトルが、反応容器からかなりの光が放出されてセンサを通過すると共に該センサがかなりの感度を有する少なくともスペクトル範囲内で、重なり合わないように出力アレイ要素中の出力開口の配列が配置される。勿論、スペクトルは深紫外線から遠赤外線まで及ぶものと見なされ、これらの波長が重なり合うことが当然理解されるが、これらの波長は、発出が気体されない場所、および/または光学機器(例えばプリズム)が光をうまく伝達しない場所、および/またはセンサが光りに対して十分に感度が高くない場所では、かかるは用の光は効果的に無視されてよい。それでも、赤外線等をブロックするセンサにフィルタがあってもよく、これは、センサはオーバラップしたIR光を検出しないため、1つのスペクトルのIR部分が別のスペクトルにオーバラップする場合には効果がないことを意味する。この配置は、光検出装置の平面を効率的に使用するために(例えばその縦横比を一致させるために)およびスペクトル間のクロストーク(漏話)を実質的に防ぐために分散スペクトル間にちょうど十分なスペースを提供するために、選択され得る。このような配置は、平面のより大きな面積にわたる読取り値を提供することにより、測定の信号対雑音比を改善し得る。
【0031】
1実施形態では、出力アレイ要素の出力開口の配列は、反応容器の配列に対応する開口の配列より小さい面積を有する。
任意の実施形態の装置は、各反応容器に隣接するマスキング要素中のさらなる小開口と、励起光源からの励起光を各反応容器まで案内する励起光源との間に配置された各反応容器に対するさらなる光導波管をさらに備えてもよい。
【0032】
同じであっても異なっていてもよいスペクトルの励起光を提供可能な複数の励起光源があってもよく、各励起光源からの励起光は、1つまたは複数の光導波管を介して反応容器の各々に案内される。
【0033】
したがって、各抗原が光をさらなる光導波管へ向けるよう配置された複数の励起光源が提供されてもよい。代わりに、各光導波管が1つまたは複数の励起光源からの励起光を案内する複数のさらなる光導波管が各反応容器に提供されてもよい。
【0034】
適切な励起光源はUV、ハロゲン、キセノン、蛍光灯、発光ダイオード、レーザーまたはこれらの供給源の組み合わせを備えている。この励起により、検出器のタイプに適したスペクトルの範囲で、反応容器に含まれた蛍光染料またはマーカーが特性スペクトルを備えた光を放射し、これが検出器によって拾い上げられ得る。
【0035】
励起光源は、最も有益な放射波長(例えば任意の蛍光団のピーク放射波長))とは異なるスペクトルの領域に好ましくは制限され、これによりフィルタリングの必要が減り、反射された励起からの干渉なくスペクトルのより大きな部分の使用が許容される。例えば、最もよく使用されている蛍光団はより長い波長の光を放射するため、紫外線および青色励起光源は有用である。
【0036】
同じ導波管への複数の励起光源のチャネリングは、光を導波管へ直接放射し、かつ導波管に垂直に光を放射するようにされた別の光源から導波管へ光を反射するように配置された1つの発光源から光を送信するダイクロイックミラーの使用により例えば達成可能である。
【0037】
同じスペクトルの複数の光源が、励起光の力を高めるために使用されてもよいし、または、例えば光源がそれぞれ蛍光団の特定のセットに対して許容される励起を提供すべく設計された場合、異なるスペクトルの源が使用されてもよい。多重音源が提供される場合、制御励起スペクトルの存在下で取得がなされるように、それらは個々に制御されてもよい(強度とスペクトルの点から)。例えば、一般的な用途は、FAM染料とVICの染料からの放射蛍光の取得であり、この場合、適切なフィルタを備えた青色LEDがFAM染料に一致した励起を提供し、適切なフィルタを備えた緑色LEDがVIC染料に一致した励起を提供する。FAM染料からのスペクトルを得る場合には単に青色LEDを照射することによって、緑色LED励起光が同様の波長でFAM放射に干渉するようには存在しないので、よりよい読取り値を作成することが可能である。その後、VIC染料からのスペクトルを得るために、緑色LEDのみが照射され得る。
【0038】
装置は、反応容器を照射せずに、1または複数の励起光源から出力アレイ要素まで光を案内する1または複数の追加の光導波管を備えてもよい。そのような光導波管はさらにフィルタ(例えば、励起光源から出力アレイ要素に向けられた光の強さを減少させる減光フィルタ)を備えてもよい。これらの追加の光導光管は、反応容器から発出および反射された光と同じ方法かつ同じ時間に測定された強度およびスペクトルを有する励起光源を提供する。これは、反応容器からの発光を励起光源のスペクトルおよび強度と比較して、励起光源の強度およびスペクトルの任意の変化からの影響を減少させたより正確な測定値を得るために、例えばレシオメトリックな測定を提供する。
【0039】
少なくとも1つの反応容器は、好ましくは概ねテーパ形状に形成され、毛細管により形成されてもよい。
好ましくは、放射領域は受容部分の上部にあるが、受容部分の側部または受容部分の底部にあってもよい。
【0040】
マスキング要素は、複数の反応容器のアレイ(配列)が装着される温度取付部により提供されてもよい。
別の態様では、本発明は、複数の反応容器のアレイの複数の反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、
各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、
前記装置は、前記放射領域からの光を、導波管から分散スペクトルへと光を分散させる光分散装置まで案内する、各反応容器に対する少なくとも1つの光導波管と、
前記光の分散スペクトル中の複数の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、
励起光を反応容器の受容部分へ提供する少なくとも1つの励起装置と、
を備える装置を提供する。
【0041】
好ましくは、励起装置は、励起光源から反応容器の受容部分まで励起光を案内するための、1つの反応容器当たりの第2の光導波管を備える。
励起装置は、反応容器の受容部分内または反応容器の受容部分に隣接して配置された励起光源を有する。
【0042】
励起光源は好ましくは発光ダイオード(LED)を有する。
光分散装置は、プリズムまたは回折格子を備えてよい。
好ましくは、放射領域は、受容部分の上部、および/または受容部分の側部、および/または受容部分の底部にある。
【0043】
光検出装置はCCDまたはCMOS検出器を有してよい。
複数の反応容器が、48、96または384ウェルプレートのようなマルチウェルプレート内に含まれてもよい。
【0044】
装置は、マルチウェルプレートを保持するヒータブロックを有するサーマルサイクラーをさらに備えてもよい。
特定のスペクトルは反応容器内の特定の試薬または特定の試薬の状態の特性であってもよく、および/または反応中に存在する蛍光団の単一の種に由来してもよい。
【0045】
好ましい実施形態では、化学または生化学反応は少なくとも1つの蛍光団の存在下で行われたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、該少なくとも1つの蛍光団は、
挿入染料等の、核酸が間に挿入された蛍光団、
標識されたハイブリダイゼーションプローブ等の、核酸とハイブリダイズする蛍光団、
標識された消化プローブ等の、PCRプロセスにより修飾される蛍光団、
蛍光性の標識プローブ等の、自身の間の蛍光エネルギー伝達を提供する蛍光団、および
他の蛍光プローブ、
からなる群から選択された1または複数の蛍光団であってよい。
【0046】
前記蛍光団は、好ましくは、PCRの標的核酸配列に特異的にハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドプローブに取り付けられた蛍光標識である。第1のオリゴヌクレオチドプローブは、プローブ上で同時に存在する場合に前記蛍光標識と蛍光エネルギーを交換可能な第2の蛍光団を備える。反応の伸長期の間に標的核酸に結合した任意の第1のプローブを消化するために、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼがPCRに使用される。
【0047】
必要な場合、光検出装置を冷却するために(特に光検出装置がCCDである場合、信号対雑音比を増加させると共により正確な読取り値を達成するために)、冷却または冷凍装置が提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】PCRシステムで光を検出する光学システムの第1実施形態の略図を示す。
【図2】PCRシステムで光を検出する光学システムの第2実施形態の略図を示す。
【図3】PCRシステムで光を検出する光学システムの第3実施形態の略図を示す。
【図4】PCRシステムで光を検出する光学システムの第4実施形態の略図を示す。
【図5】図1の実施形態で使用されるアレイプレートの平面図を示す。
【図6】図1の実施形態における画像領域の平面図を示す。
【図7】図1に類似するが、光学システムの励起を備えた略図を示す。
【図8】図1に類似するが、代替形態の略図を示す。
【図9】図7のシステムに類似する光学システムに励起を備える、図8に類似の略図を示す
【図10】PCRシステムで光を検出する光学システムの別の実施形態の略図を示す。
【図11】図10に類似するが、光学システムに励起を備えた略図を示す。
【図12】PCRシステムで光を検出する光学システムのさらなる実施形態の略図を示す。
【図13】図12に類似するが、光学システムに励起を備えた略図を示す。
【図14】PCRシステムで光を検出する光学システムのまたさらなる実施形態の略図を示す。
【図15】図14に類似するが、別体の励起LEDがない略図を示す。
【図16】図13のシステムの一部の拡大図を示す。
【図17】図15のシステムの一部に対する、図16と類似の拡大図を示す。
【図18】図17に対応する平面図を示す。
【図19】図17に類似するが、別の形態を示す。
【図20】図19に対応する平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の種々の実施形態が、例示として添付の図面を参照して、より完全に説明される。
まず図1に目を向けると、反応容器3が中に設けられた多くのウェル2を備えたマルチウェルからなるアレイ1が示される。アレイ1は従来のそのようなアレイと同様に、任意の数のウェル、例えば48個、96個または384個のウェルを有してよい。アレイ1は、当業者に周知のように、サーマルサイクラーのヒータブロック4に収容されてもよい。
【0050】
当業者には明らかなように、反応容器3は、その中に所望の試薬が挿入された後、密閉され、その上に加熱蓋が配置されてもよい。シールは通常、透明プラスチック材料からなり、これが反応容器の縁および加熱蓋に付着される。加熱蓋は、通常、反応容器の縁のシールに対する圧力を与えると共に、シール内側での縮合を減少させるよう加熱される。加熱蓋も、通常透明であるか、反応容器からの光が出ることを許容するよう適切な開口が設けられている。これらは本発明の一部ではなく周知であるため、これらの要素は図示しない。
【0051】
図1に示されるように、加熱蓋およびシールのうちの少なくとも一方に配置され得る、(存在する場合には)マスキングプレート5が提供される。マスキングプレートは、各反応容器3のほぼ中心に一致するようにマスキングプレート5に配置された小開口6を除き、光が反応容器3から漏れるのを防ぎ、最大量の光が小さな開口(以下、小開口)6に作用することを保証する。小開口6の各々に光ファイバ7が挿入され、光ファイバ7は反応容器3から出た光をプリズム8等の光分散要素へ案内する。光ファイバ7の各々の一端は小開口6の中または小開口6の位置に装着され、他端は図5に示されるように、アレイプレート9に設けられた開口30の中または開口30の位置に装着される。光ファイバ7が
各反応容器からの光を案内し、これをプリズム8に向かって所定の配列で誘導することは明白である。図5に最も良く示されるように、開口30の所定の配列の配置は、反応容器3の幅が長さとほぼ同じである場合には概ね正方形である大きな配列からの光の配列を、ファイバの端部が別の寸法(図5では水平)よりもある寸法(図5では垂直)に共に密接に詰まるような配列に、効果的に再配置する。所望の場合、抵抗素子を通じて電流を流すことにより加熱されるマスキングプレート5を提供してもよく、したがって、所望の場合、マスキングプレート5は加熱蓋として機能する。この場合、ファイバは好ましくは、加熱蓋に要求される温度に対して耐性であるように選択される。
【0052】
したがって、アレイプレート9中の光ファイバ7の端部からの光は、光路11に沿ってプリズム8(または回折格子等の他の光分散要素)に向けられ、かかる光分散要素が各ファイバ7から(およびしたがって各反応容器3から)の光を図1に概略的に示されるように検出器10へとフルスペクトル12に分散する。このフルスペクトルは、図6の検出器10に示されるように、画像面13上に結像される。このように、すべての反応容器から出た光のフルスペクトルが検出器10に同時に提供される。従って、プリズム8により分散されて検出器10中の画像面13に到る時にスペクトル12が1つの方向に比較的密集され、その結果スペクトルの高さが合理的に離れ、分散されたスペクトルが重ならないように別の方向に十分に離間されるように、アレイプレート9のアレイの間隔が選択されることが理解される。小開口の直径は、反応容器の上部領域のサイズよりもかなり小さいので、アレイプレート9中の開口の配列(および画像面13のフルスペクトル12のアレイ)のサイズは、反応容器3のアレイ1のサイズより小さくてもよい。
【0053】
検出器10は、1実施形態では各ピクセルのために実際の測定される光源レベルを与えて、「生の」フレームが捕捉されることを可能にする適切なエレクトロニクスおよびソフトウェアと共に、1/2インチ(12mm)の白黒CMOSセンサから成ってもよい。空間中のある平面からセンサチップ上に光を集束させることが可能なカメラを形成するために、かかるセンサはメガピクセル写真レンズアセンブリと共に使用される。本明細書で使用される「レンズ」は、「光学レンズ」、ガラスの単一片、またはCMOSセンサ等のセンサ平面に結像するセットとして使用される1または複数のレンズを意味する「写真レンズ/レンズアセンブリ」のいずれかを意味するよう互換的に使用されることに留意する。その後、カメラを使用して、単純な単一のガラスレンズおよび30°のコーティングしていないガラスプリズムを通過してファイバアレイ上に結像される。
【0054】
各ピクセルに対するほぼ等価な曝露間隔を与えるグローバルシャッタ制御を提供するセンサは、同じ期間にわたる画像全体の曝露はかかる画像内の各スペクトルの各チャネルが、可変励起強度などの任意の時間変動条件により同様に影響を受けることを意味するため、上記システムに使用するのに適している。各反応容器に関し、各チャネルも、等しく縮合、温度、泡形成および移動のような物理的移動等の反応容器中の任意の時間変動条件により影響を受ける。
【0055】
上記システムに使用するのに非常に適したセンサには、異なるパラメータで捕捉されるセンサアレイを横切るピクセルの異なるサブセットを提供するセンサが含まれる。かかるパラメータには、例えば、アナログ利得およびオフセットのような電子パラメータ、ADC基準電圧、ピクセル電位障害、および他の一般的な制御された捕捉セッティングが含まれる。各ブロックの左上ピクセルがすべて1つのサブセットに属するところで、例にはMicron MT9T001等のセンサが含まれるが、このセンサではピクセルが2×2ブロックにグループ化され、各ブロックの左上のピクセルはすべて1つのサブセットに属し、右上のピクセルは別のサブセットに属し、同様に左下および右下のピクセルも別のサブユニットに属する。これらのピクセルの各サブセットは異なるADC利得パラメータを有することが可能である。これはセンサの動的範囲を有効に延ばすために使用可能であり
、例えば、4×の利得がイメージの偶数列に使用され、8×の利得設定が奇数列に使用される場合、スペクトル画像は、より低い利得画像が飽和でより高い最大の光源レベルを有し、より高い利得画像が低い光レベルでより高い精度を提供する、異なる利得レベルの2つの半分の解像度画像として有効に得られる。別の例は、Aptina/Micron MT9V024イメージセンサであり、このセンサでは画像を多くの長方形領域に分割することが可能であり、各長方形領域は個々のデジタル利得および利得制御設定を有することが可能である。領域はスペクトル画像と一致するように配置され、スペクトルの異なる領域に対して異なる利得設定を与え、従って異なる波長領域に対して異なる利得設定を与える場合があるため、スペクトル画像は異なる領域に異なる利得を有するセンサに特に適している。これを用いて、各領域に対して最良のSNRと最小の量子化ノイズを与えるように異なる強さのレベルを有するスペクトルの領域を得ることが可能である。
【0056】
例えば多数の線形応答領域および/またはコンパンディングにより、特にセンサレスポンスがプログラム可能である場合、光源レベルへの出力コードに関して非線形の応答を提供するセンサは、上記システムに使用するのに適している。そのようなセンサの一例は、Aptina/Micron MT9V024であり、これは12ビット対10ビットコンパンディングを使用することが可能であり、異なる線形応答の場合3つの領域まで与えられることが可能であり、より大きなダイナミックレンジが得られる。例えば、低い光レベルでの出力利得に対してより高い光を生成し、測定精度が重要である初期のサイクルPCR増幅に関連する光レベルで良好なSNRと感度を与えるが、その後、測定制度がそれほど重要ではない中期および後期のサイクルPCRの平坦期に関連してより高い光レベルでより低い利得を生じるように、そのようなセンサを構成することが可能である。励起光の反射と関連する非常にたかい 光レベルでさらに低い利得の最終領域を使用して、一定のより高い利得レベルから生じる飽和のない反射光の測定が可能となる。
【0057】
図6に示されるように、各反応容器からの分散光のフルスペクトル12を同時に提供することにより、検出器10はかかるフルスペクトル内の任意の所望の特定のスペクトルを検出することができる。したがって、図6はフルスペクトル12内に3つの周波帯(赤色14、緑色15、および青色16に対応する)を示し、それらは所望の通りに検出することが可能である。もちろん、他の周波帯において可能であるように、所望の場合、特定の波長を検出することも可能である。当業者には明らかなように、実行される特定の分析の要求に応じた時間および波長で必要とされるように、画像面13中のフルスペクトル12を検出器により走査し、モニタし、分析することが可能である。
【0058】
上述の実施形態に対する1つの代替実施形態では、開口6は、反応容器の上部領域に比べて小さい必要はなく、ほぼ同様なサイズに作成することが可能である。この場合、開口の中または開口の位置に装着される光ファイバ7の各端部は、ほぼ同様なサイズになり、ファイバの直径は、アレイプレート9に提供された開口30の中または開口の位置に装着された他端のより小さな直径まで、先細りする(つまりテーパ状になる)だろう。この実施形態は、反応容器から出たほぼすべての光が光ファイバの大きな直径の端部により捕捉され、次にそれがファイバのテーパ部分を通過するにつれて「集束される」という利点を有することが明白である。アレイプレート9と検出器10の間は、システムは上述したのと同じであり、その結果、いずれの実施形態も、反応容器のアレイからのシグナルが、プリズムを通って検出器まで通過するのにより適した形式に再配置されるという利点を有する。すなわち、アレイプレートから通過した「画像」の全体サイズは、アレイプレート自体のそれより全体サイズが小さい。
【0059】
例えば、上記から得られた容器のアレイの直接画像では、プレートの画像領域の約1/4だけ(またはより多く)が、通常、容器から発せられた大部分の量の光を有するだろう。画像の残りの3/4は容器間の領域にある。マスキング要素およびファイバが容器のア
レイと検出器の間に配置され、上に説明したように発せられた光が再配置される場合、生じるイメージは直接画像よりも小さく、このため画像全体(すなわちアレイ中のすべての容器からの光)がプリズムの中および検出器の上を通過することが可能となる。これは、ウェルのスペクトルが重なりなく分散されるのに必要な空間を残すために、生じた画像の示す発光がより少ない場合であっても当てはまる(例えば、システムは照射領域の約10分の1しか実際に有しないかもしれない)。
【0060】
本発明の他の実施形態をここで説明するが、図1、5および6に関して上述したのと同一または類似の要素には同じ参照番号を与える。したがって、図2に示されるように、本発明の第2実施形態は、光ファイバ7が必要ではない以外は、図1の実施形態と同じ要素を有している。この場合、反応容器3のアレイ1があまり大きくない場合、検出器10の画像面13上に結像されるフルスペクトルの配列を圧縮する必要はない場合もある。しかしながら、この場合も、マスキングプレート5を依然として使用して、反応容器3での反応から発出する大部分の光を遮断し、かつはるかに小さな直径の光のビーム11のみをマスキングプレート5の小開口6の中を通じて、プリズム8へとおよび画像面13上へと到らせる。この結果、フルスペクトル12が画像面13で重なり合うことが防止されるが、そうでなければ、各反応容器3の上部領域全体からの光はプリズム8により分散されるだろう。
【0061】
図3および4の実施形態は、同様にマスキングプレート5を使用して反応容器3を覆い、マスキングプレート5の小開口6を介してのみ各反応容器から光が漏れるようにする。ここでも、小開口6の中または小開口の位置に光ファイバ7が装着されるが、今回は、各反応容器3に隣接していくつかの(この場合、3つの)小開口6があり、その結果、各反応容器3から検出器10のいくつかの個別の部分まで光を案内する、1つの反応容器3に対するいくつかの光ファイバ7を有する。ここでは、3つのそのような光ファイバ7が、各反応容器3から検出器10の3つの別個の部分へと光を案内している。検出器10には、例えば赤色、青色および緑色という異なる特定のスペクトルを検出するための個別の部分が設けられ得る。
【0062】
図3に示されるように、光ファイバ7の3つのセット17、18および19があり、各セット内のファイバは、赤色、青色および緑色の特異的スペクトルを検出する検出器10の異なる部分20、21および22まで、各反応容器3から光を案内する。検出器10のそれぞれの部分は、センサ23およびフィルタ24,25ならびに26を備えている。各セット17、18および19の光ファイバの第2端部は、それぞれのフィルタ24、25および26に隣接して配置され、ファイバのそれぞれのセットの第2端部からの光をフィルタして、それぞれのセンサに達する光を特定のスペクトルまたは周波帯に制限する。したがってこの場合、フィルタ24は赤色フィルタであり、フィルタ25は緑色フィルタであり、フィルタ26は青色フィルタである。センサ23は同じであってもよいし、または、センサ23によって感知される光の色に特異的であってもよい。
【0063】
もちろん、センサ23が色特異的である場合、それらは特定のスペクトルのみを検出し、その場合、図4に示されるようにフィルタは必要ではなく、光ファイバの各セットの第2端部は赤色センサ27、緑色センサ28および青色センサ29等の適切なセンサのうちの1つに直接隣接配置させることが可能である。
【0064】
上述したほとんどの実施形態に関して、図7に示されるように、光ファイバ31の一端が小開口37の中または小開口37の位置に装着された各反応容器3に隣接して、別の小開口37をマスキングプレート5の位置に配置可能であることが理解される。これらの光ファイバ31を使用して、それらの他端を励起光32,33の1または複数の供給源に隣接配置させることにより励起光を反応容器にもたらすことが可能である。励起ファイバ3
1は、励起受容端で一つに結合されてよく、これにより光を励起ファイバ31の中に誘導することがより容易になる。これは穿孔プレート35であってもよいが、単にファイバを略六角形に詰めた束にまとめる方がより容易であることが多いため、穿孔プレート35は必ずしも必要ではない。
【0065】
(上述の1実施形態に基づく)この実施形態では、1つの励起光源は、非球形レンズを自身の上に有する青色高輝度LED 32であってもよい。別の励起光源は、緑色LED
33であってもよい。LED 32および33はLED 32および33の両方からの励起光を組み合わせて、かつそれをホモジナイザ36(ほぼ六角形のプリズムまたはガラスシリンダ)に向けるようにダイクロイックミラー34の両側に配置される。ダイクロイックミラー34は、LED 32からの青色光を伝達し、LED 33からの緑信号をホモジナイザへ反射させ、ホモジナイザ内で励起光を複数回反射することにより各励起導波管のより一様な照射を生じる。この組み合わせにより、励起ファイバ束の研摩された端部の空間的に均質な照明が生じ、その結果、反応容器3はかなり等しい励起を受け取る。ダイクロイックミラー34を両方のLEDからの光をファイバに向ける他の手段と取り替えてもよく、それは例えばY字型導波管であってもよいし、あるいは両方の光に対して角度をなした複数のLEDを単に備えてファイバの中に角度をなして光を向けることでもよいことに留意すべきである、
1実施形態は、1つのフェルール当たり1つの励起および1つの発光を有する複数の円筒形の金属フェルールに装着された、16対の放射/励起ファイバを有してもよい。その場合、フェルールは、使用のために従来の加熱蓋の孔に配置することが可能である。約110℃の加熱蓋との接触に耐えるよう、ファイバは耐熱性プラスチックから形成される。
【0066】
もちろん、反応容器の上部領域のほぼ全体をカバーするテーパ状のファイバが使用される場合、さらなる励起ファイバの余地はないだろう。この場合、励起光は、発光を案内するファイバと同じファイバにより案内され得る。
【0067】
そして、反応容器からのスペクトルを検出するために、励起光源(青または緑)の電源がオンにされ、短期間置かれ、ファイバ端部の画像が取得される。この画像には種々の補正プロセスを適用することができ、例えば取得した画像から「暗い」画像を差し引くことにより読み取り値の任意のオフセットを補正することができる。この暗い画像は、光がない場合でも各ピクセルが与える一定のオフセットを測定するために、できるだけ少ない光に露出させたセンタにより取得される(これは標準的な視覚補正技術である)。さらなるプロセス段階は、光の信頼できる測定値を提供していないとみなされる画像のピクセルを廃棄することである。例えば、漏電電流または他の製造上の欠陥のためにより高い測定値を与える、いわゆるホットピクセルが廃棄される。
【0068】
その後、最終的な補正された画像は図6に示されるようなスペクトルをちょうど示す。光学要素とファイバの位置の不可避な差を修正するために、較正が行なわれてもよい。較正は、機器が最初に製造された時か、または物理的衝撃や分解等により機器が障害を受けた後にのみ必要とされる。較正は、各ファイバで励起光を反射させるための空の容器アレイを使用するだけでもよい。その場合、励起光は狭い周波帯を有するため、画像中のファイバ端部の比較的よく定義された画像を見ることが可能である。その場合、反応容器の各輝点の位置を、手動でまたは自動で見つけることができ、かかる位置を、かかる反応容器に対するスペクトルの固定基準点として使用することができる。その後、各容器のスペクトルの長方形の(または他の形の)領域が決定され、較正値と共に保存される。
【0069】
最後に、所与の画像を解釈するために、各容器に関するスペクトルが抽出される。かかる容器のスペクトル領域は較正値から調べられ、スペクトル領域は単純に左から右へ走査され、各領域の複数のピクセルの強度を平均して、それらのピクセルに対応する周波帯に
おけるスペクトル自体に対する強度を与える。種々の変換手段があるが、単純で適切な方法は、スペクトル領域の各垂直カラムのピクセルをすべて平均して、垂直方向でスペクトルの中心のより明るいピクセルにより重きを置くことである。その後、各カラム平均がそのカラムの強度(すなわち読み取り値のチャネル)になる。補正の最終段階は、画像のそのカラムに分散された実際の波長にチャネルをマッピングすることであろう。これは、プリズムの分散する挙動のモデル化か既知のスペクトルの測定により行うことが可能であるが、スペクトルは波長ではなくチャネルで比較することができるため、これは必ずしも必要だとは限らない。
【0070】
上述では、反応容器から出た光は反応容器の上部領域から放射されることとして示してきたが、当然ながら、放射領域がいかなる位置にあってもよい。反応容器の「上部」とは、光が出る反応容器上の放射領域であればいかなる位置も含むものとする。したがって、例えば、図8は図1と同じシステムを示し、図1と同じ要素は同じ参照番号を有するが、逆の構成であり、マスキングプレート5がヒータブロック4に隣接配置され、ヒータブロック4が、反応容器3を露出させるヒータブロック4の主要要素39の間のウェル2に孔38を有する。反応容器3の放射領域がテーパ状反応容器の最も下側の先端部に位置するように、反応容器3は概ねテーパ形状に形成される。もちろん、反応容器が密閉される場合、図8に示されるようなテーパ状反応容器3の最も下側の先端部が物理的位置で「上部」になるよう、ヒータブロック4中の反応容器の配列は任意の所望の形状にされてもよい。
【0071】
図9は、図8と同じシステム構成を示すが、図7に関して上述したシステムにおける励起ファイバ31を備えている。この場合、図7におけるように、マスキングプレート5は、各ウェル2の底部の孔38に隣接する第2の開口37を備えている。上述したように、励起ファイバ31は、励起光源32および33からの励起光を、反応容器2中の任意の蛍光団を励起させるために反応容器2に案内する。
【0072】
図10および11は、図8および9と同様の実施形態を示すが、マスキングプレート5がヒータブロック4自体により形成されている。図から理解されるように、この場合、ヒータブロック要素39が、ウェル2のほぼ下を延び、ファイバ7(および図11の場合、ファイバ31)が差し込まれる開口38を提供する。図11の実施形態では、ファイバ7および31が開口38へ差し込まれる前に1つのファイバに結合するように、ファイバ7および31が示されている。ファイバ7および31は任意の公知の方法で結合されてよく、例えば並列の組み合わせの形式によるか、例えば同じ外側ジャケットに収容された複数のファイバである。
【0073】
ここで図12に移ると、反応容器2の代わりに取付板41に装着された複数の毛細管40の配列を使用する配置が示される。毛細管40は、毛細管40の周囲に加熱されたガスを吹き付けることにより例えば加熱され得る。この場合、残りの特徴は図10のものと同様であり、同じ参照番号を有するが、違うのは、ファイバ7の端部がマスキングプレート5を通って突出し、対応する毛細管40の端部に適切に密接して配置されることが可能となっている点である。図16に最も良く示されるように、ファイバの端部が毛細管の反応流体43に比較的近いことにより、ファイバ7は受容42(または放射)の制限角を有するため、ヒータブロックのウェルにおけるよりも懸垂した毛細管40の場合にはいくぶん大きくてよい毛細管の位置の任意の公差が許容されることを意味する。もちろん、毛細管の端部が励起と放射の「コーン」の交点にちょうど適合して、ファイバの端部があまりにも接近している場合、毛細管のいかなる水平な動きも、捕捉されない光になる。他方、取り付けプレート5におけるようにファイバがさらに離れている場合、例えば加熱ガスの圧力による位置の変化や定位置にある毛細管40の移動は、受容42のコーンが増大するため許容されるが、励起コーンのサイズが増加するため光収集の効率および励起は対応して
減少する。図12の実施形態に示されるように、隣接する各毛細管40に隣接して、適当な励起光の発光ダイオード(LED)44が提供されてもよい。図13に示される他の実施形態では、励起光が先の実施形態と同じ方法で提供され、励起光32および33の1または複数の供給源から毛細管40に励起光をもたらすために励起ファイバ31が使用される。
【0074】
図14は図10に類似のさらなる実施形態を示し、同じ要素は同じ参照数字を有する。この場合、図12の実施形態のように、励起光がLED 44により提供される。しかしながら、ファイバ7の端部が中を延びるヒータブロック4の孔38は、ここではヒータブロック4の基部から上方へ延び、次にヒータブロック4の側方からウェル2まで延びるよう配置され、その結果、ファイバ7の端部は反応容器3の側面に隣接する。図面は孔38の十分な範囲を示しているわけではなく、単にファイバ7がヒータブロック4の中を上方に延びることを略図で示すと共に、孔38がウェル2の側面に隣接して示されることが当然理解される。ファイバ7は鋭い直角でも示されているが、実際には、もちろん鋭く角度をなさなくてよい。図17および18に最も良く示されるように、受容42の角度が反応流体43から発せられる光をできるだけ多く捕捉することができるように、ファイバ7は反応容器3の側面に隣接して性格に配置される必要がある。しかしながら、上に説明したように、一旦配置されると、反応容器3は過度には移動せず、結果は毛細管40と同様に影響されないだろう。
【0075】
図15は、図14と同様のさらなる実施形態を示し、同じ要素は同じ参照数字を有している。この場合、加熱ブロック要素39のウェル2の側面が、開口38を通過する光以外の光がファイバ7に達するのを防ぐべくマスキングプレートを形成するように、孔38が比較的小さくされ、ファイバ端部は孔38の中に取り付けられている。図15には図示されていないが、先の実施形態におけるように、励起光の1または複数の供給源からの励起光を案内する励起ファイバ31により、励起光が提供され得ることが理解される。図17に示されるように、放射ファイバ7と同じ孔38に励起ファイバ31を提供することが可能であるが、受容42の角度および放射45の角度がいずれも中心から外れているため、これは反応容器にとって励起ファイバ31も放射ファイバ7も理想的な位置にはないことを意味する。図19と20は、発光ファイバ7に入りうる励起光の量を最小限にすべく2つのファイバ7,31の端部が90°離れて反応容器に隣接するよう2つのファイバ7,31をいかにヒータブロック内で分離させることが可能であるかを示している。図19で理解されるように、受容42の角度および放射45の角度はいずれも、ここでは反応容器3に中心があり、反応流体43はその全体がそれぞれのファイバ7,31の受容角度および発光角度の範囲内にある。
【0076】
本発明のほんの少数の特定の実施形態を詳しく説明してきたが、本発明の範囲から逸脱せずに様々な改変および改良をなし得ることが当業者には理解されるだろう。例えば、図1のプレート9から平面13までの経路にはより多くの光学要素を有することが多くの場合有用であろう。例えば、1つまたは複数のミラーを加えることにより、光学経路11を「折り曲げる」ことが有用な場合もあり得る。これは光学アセンブリ全体のサイズを縮小しつつ、システムの実際の動作および性能にはほとんど違いがない。追加構成要素の別の例は、光路のさらに補正するためにプリズム8の前または後に1または複数の追加のレンズを有することである。繰り返しになるが、これは必須ではなく、様々な収差の補正等のための周知の工学技術である。そのような追加の光学要素は、分散要素の一部を形成してもよいが、別の構成要素であってもよい。
【0077】
図1の画像面13は検出器10の前方に示されているが、代わりに、検出器がその前方に適切なカメラレンズモジュールを備えたCMOSセンサから成る場合、画像面13は検出器の後方にあってもよいことも理解される。図14および15に示される実施形態では
、ファイバがブロック4を垂直方向に通過しているが、場合により、ファイバの垂直方向の部分はブロックの外部にあるようにすることが可能であることが理解される。例えば、複数のウェルからなる1つの列を有するブロックでは、途中に他のウェルがないため、ファイバは単にブロックの「側面」からウェルを水平に通過すればよい。複数のウェルからなる2つの列を備えた取付部も明らかに同様に配置されることができ、ファイバは取付部の2つのより長い垂直方向の側面から入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反応容器のうちの少なくとも1つの反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、
各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、
前記装置は、
光が通過可能な複数の小開口のアレイを備えたマスキング要素であって、各小開口は反応容器の受容部分の放射領域よりも実質的に小さく、1または複数の小開口は反応容器の各々に隣接して配置される、マスキング要素と、
前記小開口のアレイを介して、化学または生化学反応から生じた複数の光の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、
を備えた装置。
【請求項2】
マスキング要素の小開口から出た光を、分散スペクトルへと分散させる光分散装置をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
光分散装置は光発散装置を有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
光分散装置はプリズムを有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
光分散装置は回折格子を有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
マスキング要素の小開口からの光を光分散装置まで案内する複数の光導波管をさらに備える請求項2〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
光検出装置は、開口からの光の分散スペクトルが生成される平面と、分散スペクトル内の特定のスペクトルを検出する1または複数の検出器とを備える請求項2〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
光分散装置は、異なる周波帯へ光を分散させる光分割装置を有する請求項2に記載の装置。
【請求項9】
マスキング要素の小開口からの光を光検出装置まで案内する複数の光導波管をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
マスキング要素は、1つの反応容器当たり少なくとも2つの小開口を有し、複数の光導波管の各々はそれぞれの小開口からの光を光検出装置まで案内し、1つの反応容器当たり1つの導波管が、光の1つの特定のスペクトルの検出のために光検出装置のある部分まで光を案内し、1つの反応容器当たりの別の導波管が、光の1つの特定のスペクトルの検出のために光検出装置の別の部分まで光を案内する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
光検出装置の複数の異なる部分が、光の複数の異なるスペクトルに対して感度のある光センサを備える請求項10に記載の装置。
【請求項12】
光導波管と、光検出装置の異なる部分の間との間に配置されたフィルタをさらに備え、各フィルタは、光の異なるスペクトルを、光検出装置のそれぞれの部分へ通過させる請求項10に記載の装置。
【請求項13】
各反応容器に隣接するマスキング要素中のさらなる開口と、励起光源から反応容器の各々まで励起光を案内する励起光源との間に配置された各反応容器に対するさらなる導波管をさらに備える請求項9〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
同じであっても異なっていてもよいスペクトルの励起光を提供可能な複数の励起光源を備え、各励起光源からの励起光は、1または複数のさらなる光導波管を通じて反応容器の各々に案内される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
1または複数の励起光源から光検出装置まで光を案内する1または複数の追加の光導波管をさらに備える請求項9〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
複数の反応容器のうちの少なくとも1つの反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、
各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、
前記装置は、
光が通過可能な、各反応容器に隣接する開口を備えたマスキング要素と、
マスキング要素の開口からの光を、各導波管からの光を分散スペクトルへ分散する光分
散装置まで案内する複数の光導波管と、
光の分散スペクトルの複数の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、
を備えた装置。
【請求項17】
光分散装置はプリズムを有する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
光分散装置は回折格子を有する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
光分散装置に隣接して所定の配列に配置された複数の出力開口を有する出力アレイ要素をさらに備え、
各光導波管は、マスキング要素のそれぞれの開口からの光を受け取るように拘束された第1の端部と、光を光分散装置へ向けるようにアレイ要素中のそれぞれの開口で拘束された第2端部とを備える請求項16〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
マスキング要素中の前記開口は、反応容器の受容部分の放射領域より実質的に小さなサイズを有し、光導波管は小開口から出た光を捕捉する請求項16〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
各反応容器に隣接するマスキング要素中のさらなる開口と、励起光源からの励起光を各反応容器まで案内する励起光源との間に配置された、各反応容器に対するさらなる光導波管をさらに備える請求項20に記載の装置。
【請求項22】
マスキング要素の前記開口は、反応容器の受容部分の放射領域と実質的に同様なサイズを有し、光導波管は、反応容器の受容部分の上部領域の直径と実質的に同様な直径を有する第1端部から直径がテーパ状になっており、それにより光導波管の第2端部は第1端部より直径が実質的に小さい請求項19に記載の装置。
【請求項23】
光検出装置は、各開口からの光の分散スペクトルが生成される平面と、分散スペクトル内の特定のスペクトルを検出する1または複数の検出器とを備える請求項19〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
光検出装置の平面上の複数の分散スペクトルが、反応容器からかなりの光が放出されてセンサを通過すると共に該センサがかなりの感度を有する少なくともスペクトル範囲内で、重なり合わないように出力アレイ要素中の出力開口の配列が配置される請求項23に記載の装置。
【請求項25】
出力アレイ要素の出力開口の配列は、反応容器の配列に対応する開口の配列より小さい面積を有する請求項23または請求項24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
同じであっても異なっていてもよいスペクトルの励起光を提供可能な複数の励起光源を備え、各励起光源からの励起光は、反応容器の各々に案内される請求項16〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
1または複数の励起光源から光検出装置まで光を案内する1または複数の追加の光導波管をさらに備える請求項9〜26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの反応容器が概ねテーパ形状に形成されている請求項1〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの反応容器が毛細管により形成される請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記放射領域が受容部分の上部にある請求項28または請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記放射領域が受容部分の側部にある請求項28または請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記放射領域が受容部分の底部にある請求項28または請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記マスキング要素が、反応容器の配列が装着される加熱取付部材により提供される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
複数の反応容器のアレイの複数の反応容器で起こる化学または生化学反応から生じた光のスペクトルを検出する装置であって、
各反応容器は、光が発出し得る放射領域を有する受容部分を備え、
前記装置は、前記放射領域からの光を、導波管から分散スペクトルへと光を分散させる
光分散装置まで案内する、各反応容器に対する少なくとも1つの光導波管と、
前記光の分散スペクトル中の複数の複数のスペクトルをほぼ同時に検出する光検出装置と、
励起光を反応容器の受容部分へ提供する少なくとも1つの励起装置と、
を備える装置。
【請求項35】
励起配置は、励起光源から反応容器の受容部分まで励起光を案内するための、1つの反応容器当たりの第2の光導波管を備える請求項34に記載の装置。
【請求項36】
励起配置は、反応容器の受容部分内または反応容器の受容部分に隣接して配置された励起光源を有する請求項34に記載の装置。
【請求項37】
励起光源は発光ダイオード(LED)を有する請求項36に記載の装置。
【請求項38】
光分散装置はプリズムを有する請求項34〜38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
光分散装置は回折格子を有する請求項34〜38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項40】
前記放射領域が受容部分の上部にある請求項34〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記放射領域が受容部分の側部にある請求項34〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記放射領域が受容部分の底部にある請求項34〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
光検出装置はCCDまたはCMOS検出器を有する請求項1〜 のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
複数の反応容器がマルチウェルプレート内に含まれる請求項1〜 のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記マルチウェルプレートを保持するヒータブロックを有するサーマルサイクラーをさらに備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
特定のスペクトルは反応容器内の特定の試薬または特定の試薬の状態の特性である請求項34〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
特定のスペクトルは、反応中に存在する蛍光団の単一の種に由来する請求項34〜46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
化学または生化学反応は少なくとも1つの蛍光団の存在下で行われたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、該少なくとも1つの蛍光団は、
挿入染料等の、核酸が間に挿入された蛍光団、
標識されたハイブリダイゼーションプローブ等の、核酸とハイブリダイズする蛍光団、
標識された消化プローブ等の、PCRプロセスにより修飾される蛍光団、
蛍光性の標識プローブ等の、自身の間の蛍光エネルギー伝達を提供する蛍光団、および
他の蛍光プローブ、
からなる群から選択された1または複数の蛍光団であってよい請求項34〜48のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記蛍光団は、PCRの標的核酸配列に特異的にハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドプローブに取り付けられた蛍光標識であり、
第1のオリゴヌクレオチドプローブは、プローブ上で同時に存在する場合に前記蛍光標識と蛍光エネルギーを交換可能な第2の蛍光団を備え、
反応の伸長期の間に標的核酸に結合した任意の第1のプローブを消化するために、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼがPCRに使用される、請求項48に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−514747(P2012−514747A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544920(P2011−544920)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000028
【国際公開番号】WO2010/079338
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511166839)アイティ−アイエス インターナショナル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】IT−IS INTERNATIONAL LTD
【Fターム(参考)】