説明

化学工程

本発明は、式(I)の化合物(式中、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、有機基として定義される)の調製方法に関し、該方法は、式(II)の化合物を式(III)の化合物RcCHO及び酸化剤と反応させることを含んで成る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺昆虫性、殺ダニ性、殺軟体動物性及び殺線虫性化合物として有用なアゾール誘導体を作製するための改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有用な殺昆虫性特質を有するアゾール誘導体は、WO00/06566、WO00/63207、WO01/55144及びWO03/011861に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、本化合物を改良した収率で作製するための方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、ここでは式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、
【化1】

(式中、RaはC1-3アルキルであり;Rbはハロゲンであり;RcはC1-6アルコキシ(C1-6)アルキルであり、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり、或いは基
【化2】

であり、
R1は水素、C1-2アルキル、(C1-6)アルコキシメチルまたはプロパルギルであり;R2は水素、メチルまたはフルオロであり;R3、R4及びR5は、独立して、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシまたはC1-2ハロアルキルであり;R6及びR10は、独立して、水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2ハロアルコキシ、C-1-8アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-3アルキルアミノまたはジ(C1 -3)アルキルアミノであり;R7、R8及びR9は、独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ハロアルケニルオキシ、S(O)PR11、OSO2R12、NR13SO2R14、NR15R16、NR17COR18、COR19、SiR20R21R22、SCN、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルであり;R11、R12及びR14は、独立して、C1-6アルキル、C1-6 ハロアルキルまたは任意に置換されたアリールであり;R13及びR17は、独立して、水素またはC1-2アルキルであり;R15及びR16は、独立して、水素またはC1-3 アルキルであり;或いはR15及びR16はそれらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、当該ヘテロ環はO及びSから選定されたさらなるヘテロ原子を含んでよく;R18及びR19は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、またはNR23R24であり;R20、R21及びR22は、独立して、C1-4アルキルまたはアリールであり;R23及びR24は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR23及びR24はそれらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、当該ヘテロ環はO及びSから選定されたさらなるヘテロ原子を含んでよく;並びにpは0、1または2である)、当該方法は式IIの化合物
【化3】

(式中、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4及びR5は、式(I)に関連して定義されたとおりである)を式III の化合物
RCCHO (III )
(式中Rcは、式(I)に関連して定義したとおりである)及び酸化剤と反応させることを含んで成る。
【0005】
当該反応は、以下に示す式(IV)の化合物を介して進行する。
【化4】

【0006】
式(IV)の中間化合物は、正確な反応条件及びRcの基に依存して、示したようなSchiff塩基として、または式(IV')
【化5】

の環状アミドの形態において形成され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の好適な態様では、当該反応は、式(IV)または(IV')の中間体が最初に形成され、その後、当該中間体が酸化剤での処理によって式Iの化合物に変換されるように、段階的に行われる。
【0008】
式(IV)または(IV')の中間体は単離されてよく、または当該方法は、当該中間体を単離せずに行うこともできる。
【0009】
特定の式(IV)及び(IV')の化合物は新規であるので、本発明のさらなる観点を成す。
【0010】
当該反応において使用するための適切な酸化剤は、UV光;空気;酸素;臭素;酢酸鉛、ヨードソベンゼンジアセテート及び三酢酸マンガン等の酢酸塩;過塩素酸ナトリウム及びチアントレンカチオンラジカル過塩素酸塩等の過塩素酸塩;マンガン酸バリウム等のマンガン酸塩;過酸化ニッケル等の過酸化物;二酸化マンガン等の酸化物;ジクロロ-5,6-ジシアノ-l,4-ベンゾキノン及びN-ブロモスクシンイミドを含む。
【0011】
好適な酸化剤は、空気、酸素、臭素、酢酸鉛等の酢酸塩、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸塩及びN-ブロモスクシンイミドである。
【0012】
酸化反応は、適切には0〜100℃、好適には10〜50℃、より好適には15〜30℃の温度で行われる。
【0013】
酸化反応は、好適には溶媒中で行われる。好適な溶媒は、酸、好適にはカルボン酸、例えば酢酸または四塩化炭素等のハロゲン化アルカンである。
【0014】
酸化反応は、任意にラジカル開始剤の存在中で行われ得る。適切なフリーラジカル開始剤は当業者に周知であり、且つ例えば特に好適である過酸化ジベンゾイル等のアロイル過酸化物、及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を含む。
【0015】
アルデヒドの式IIの化合物への付加は、適切には20〜150℃で行われ得る。当該反応は、適切にはトルエン、キシレン等の適切な溶媒中で行われる。
【0016】
それぞれのアルキル部位は、直鎖または分岐鎖であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチルまたはneo-ペンチルである。
【0017】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0018】
ハロアルキル基は、1種以上の同一または異なるハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、例えばCF3、CF2Cl、CF3CH2またはCHF2CH2である。
【0019】
アルケニル及びアルキニル部位は、直鎖または分岐鎖の形態にあってよい。適宜アルケニル部位は、(E)-または(Z)-立体配置のいずれかであり得る。それらの例は、ビニル、アリル、エチニル及びプロパルギルである。
【0020】
ハロアルケニル部位は、1種以上の同一または異なるハロゲン原子で置換されるアルキル部位であり、例えばCH2CH=CCl2である。
【0021】
アリールは、ナフチル、アントラシル(anthracyl)、フルオレニル及びインデニルを含むが、好適にはフェニルである。
【0022】
用語ヘテロアリールとは、O、S及びNから選定される1種以上のヘテロ原子(好適には1個か2個のヘテロ原子)を含む10個までの原子を含む芳香族環を言う。かかる環の例は、ピリジン、ピリミジン、フラン、キノリン、キナゾリン、ピラゾール、チオフェン、チアゾール、オキサゾール及びイソオキサゾールを含む。
【0023】
用語へテロ環及びヘテロシクリルとは、O、S及びNから選定される1個以上(好適には1個か2個)のヘテロ原子を含む10個までの原子を含む非芳香族環を言う。かかる環の例は、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン及びモルホリンを含む。
【0024】
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0025】
アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル上に任意の置換基が存在する場合は、独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C1-2アルキルチオ、SO2CH3、SO2CH2CH3、OSO2CH3及びSCNから選定される。
【0026】
ジアルキルアミノ置換基は、ジアルキル基がそれらに結合したN原子と一緒になって5員、6員または7員のヘテロ環を形成する場合の置換基を含むと理解される。当該へテロ環は、1個か2個のO、NまたはSから選定される更なるヘテロ原子を含んでよく、且つ当該へテロ環は、任意に1個か2個の独立して選定される(C1-6)アルキル基によって置換される。ヘテロ環がN原子上で2つの基を連結することによって形成される場合に得られる環は、適切にはピロリジン、ピペリジン、チオモルホリン及びモルホリンであり、それぞれが1個か2個の独立して選定される(C1-6)アルキル基によって置換され得る。
【0027】
Ra、Rb、Rc、R1、R2、R3、R4及びR5に関するそれらの任意の組み合せにおける好適な基を以下に示す。
【0028】
好適には、Raは、メチルまたはエチルである。
【0029】
Rbは、ブロモまたはクロロ、特にクロロであることが好適である。
【0030】
基Rcは、基
【化6】

であり、または C1-6アルキルであり、またはC1-6ハロアルキルであることが好適である。より好適にはRcは、C1-6アルキルまたはC1-6 ハロアルキルであり、より詳細にはC1-3ハロアルキルである。
【0031】
好適には、R1は、水素、C1-2 アルキルまたは(C1-6)アルコキシメチルである。R1が水素、エチル、CH2OCH3またはCH2OC2H5であることがより好適である。さらにより好適には、R1は水素、エチル、またはCH2OC2H5である。R1が水素またはCH2OC2H5、特に水素であることがさらにより好適である。
【0032】
好適にはR2は、水素またはフルオロである。本発明の1つの観点では、R2がフルオロであることが好適である。
【0033】
好適には、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素またはハロゲンである。
【0034】
R3が水素またはフッ素であることが好適である。より好適にはR3は水素である。
【0035】
R4が水素またはフッ素であることが好適である。より好適にはR4は水素である。
【0036】
R5が水素またはフッ素であることが好適である。より好適にはR5は水素である。
【0037】
R7、R8及びR9は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルホニルまたはC2-6ハロアルケニルオキシであることが好適である。
【0038】
R7が水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、ニトロまたはシアノであることが好適である。より好適にはR7は、水素、塩素、フッ素、メチル、OC2H4OCH3、ニトロまたはシアノである。R7が水素または塩素であることがさらにより好適である。R7が水素であることがさらにより好適である。
【0039】
R8が水素、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、シアノ、C1-6アルキルスルホニルまたはC2-6ハロアルケニルオキシであることが好適である。より好適にはR8は、水素、塩素、フッ素、臭素、CF3、エトキシ、OC2H4OCH3、OCH2C≡CH、シアノ、SO2CH3またはOCH2CH=CCl2である。R8が水素、塩素、CN、CF3またはSO2CH3であることがさらにより好適である。さらにより好適にはR8は、水素である。
【0040】
R9が水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルチオであることが好適である。より好適にはR9は、水素、塩素、フッ素、ヨウ素またはSCH3である。R9が水素、塩素またはフッ素であることがさらにより好適である。さらにより好適には、R9は水素である。
【0041】
R6及びR10は、独立して水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2 ハロアルコキシ、C1-8アルキルチオまたはC1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルであることが好適であり;ただしR6とR10の少なくとも1つは水素ではない。
【0042】
本発明の1つの観点では、R6とR10は、独立して水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2ハロアルコキシまたはC1-2アルキルチオであることが好適であり、ただしR6とR10の少なくとも1つは水素ではない。
【0043】
R6が水素、メチル、塩素、フッ素または臭素であり、且つR10が水素、メチル、塩素、フッ素、OCH3、SCH3、CF3またはニトロであることが好適であり、ただしR6とR10の少なくとも1つは水素ではない。R6が水素、塩素、フッ素または臭素であり、且つR10が水素、塩素、フッ素、OCH3、SCH3、CF3またはニトロであることがさらにより好適であり、ただしR6とR10の少なくとも1つは水素ではない。
【0044】
R6が水素、塩素、フッ素または臭素であり、且つR10が塩素、フッ素または臭素であることがさらにより好適である。R6が水素であり、R10がフッ素、塩素または臭素であり、またR6が塩素またはフッ素であり、R10がフッ素である場合が最適である。
【0045】
本発明を以下の実施例によって説明する。
【実施例1】
【0046】
本実施例は、N-(4-クロロ-3-エチルイソチアゾール-5-イル)-2-[2-(2,6-ジクロロフェニル)ベンゾオキサゾール-5-イル]プロピオンアミドの調製を説明する。
【0047】
ステップa)
WO03/011861に発表されたように調製したN-(4-クロロ-3-エチルイソチアゾール-5-イル)-2-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド(20.0 gm、0.06 モル)をトルエン(520 ml)中に溶かし、そして2,6-ジクロロベンズアルデヒド(12.0 gm、0.068モル)を付加した。得られた混合物を12時間還流した。当該反応物を冷却し、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、中間体を淡黄色の結晶として残した(32.4 gm)。
【0048】
ステップb)
ステップa)からの中間体を、酢酸(400 ml)中に懸濁し、そこに酢酸鉛(33.6 gm、0.076モル)を滴下付加した。当該酸化剤を付加する間に、氷槽を使用することにより外部を冷却し、ほぼ室温で発熱を維持した。室温で3時間撹拌した後、当該反応混合物を撹拌した氷水(1.61)に注ぎ、その後、酢酸エチルで3回抽出した。その後、有機相を水で4回、飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、そして最終的に硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過及び減圧下での溶媒除去後に、得られた産物をエーテルから再結晶し、N-(4-クロロ-3-エチルイソチアゾール-5-イル)-2-[2-(2,6-ジクロロフェニル)ベンゾオキサゾール-5-イル]プロピオンアミドを8.5 gm得た。溶媒をろ液から取り除き、そして残渣を1:2の酢酸エチル:ヘキサンの混合物を用いて、シリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製した。さらなる9.1 gmの産物を得て、計17.6 gmの収量の180〜183℃の融点を有するN-(4-クロロ-3-エチルイソチアゾール-5-イル)-2-[2-(2,6-ジクロロフェニル)ベンゾオキサゾール-5-イル]プロピオンアミドを得た。
【実施例2】
【0049】
N-(4-クロロ-3-エチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0050】
ステップa)
WO03/011861に発表されたように調製したN-(4-クロロ-3-エチルイソチアゾール-5-イル)-2-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)アセトアミド(3.1 gm、lO.O mmol)を、トルエン(100ml)中に溶かし、そしてヘプタフルオロブチルアルデヒド水和物(2.6 gm、11.2 mmol)を付加し、引き続きパラ-トルエンスルホン酸(0.19 gm、1 mmol)を室温で付加した。得られた混合物をDean-Stark装置に取り付け、そして12時間還流して水を分離した。当該反応物を冷却し、少量の粘着性物質をろ過によって取り除き、そしてろ液を減圧下で濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチル(3:1.8)の混合物を用いて、クロマトグラフィーによって精製した。クロマトグラフィーの後に、産物を温ヘキサン(20 ml)の中で撹拌し、酢酸エチル(10 ml)を付加し、-2O℃まで冷却し、そしてろ過によって産物を単離することによってさらに精製し、122〜124℃の融点を有する白色結晶を得た。
【0051】
ステップb)
ステップa)からの産物(0.393 gm、0.8 mmol)を四塩化炭素(20 ml)中に懸濁し、そしてN-ヨードスクシンイミド(0.36 gm、1.6 mmol)を付加した。得られた混合物を1時間、還流で加熱した。当該反応混合物を冷却し、そして10%の亜硫酸ナトリウム溶液(20 ml)と共に撹拌し、いかなる形成されたヨウ素も破壊した。有機層を分離し、希釈生理食塩水で2回洗浄し、その後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の除去後、残渣をヘキサン:酢酸エチル(3:1)の混合物を用いて、クロマトグラフィーによって精製し、産物を白色の結晶として得た。1H nmr: δ 1.3 (3H, t), 2.75 (2H, q), 4.0 (2H, s), 7.55 (1H, d), 7.7 (1H, d), 7.9 (1H, s), 8.2 (1H, br.s)。
【0052】
実施例2A
N-(4-クロロ-3-エチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0053】
実施例2、ステップa)からの産物(0.393 gm、0.8 mmol)を、アセトニトリル(10 ml)中に懸濁し、そして(ジアセトキシヨード)ベンゼン(0.283 gm、0.88 mmol)を付加した。得られた混合物を、室温で、0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をクロマトグラフィーにより精製して、実施例2、ステップb)で得られたものと同一の産物を得た。
【0054】
実施例2B
N-(4-クロロ-3-エチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0055】
実施例2、ステップa)からの産物(0.393 gm、0.8 mmol)を、酢酸(5 ml)中に懸濁し、そして酢酸鉛を5滴(0.391 gm、0.88 mmol)付加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。その後、当該混合物を氷/水上に注ぎ、そして酢酸エチル(2×15 ml)で2回洗浄することによって有機相へ抽出した。組み合せた有機層を乾燥させて、溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をクロマトグラフィーによって精製して、実施例2、ステップb)において得られたものと同一の産物を得た。
【実施例3】
【0056】
N-(4-クロロ-3-メチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-α’-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0057】
ステップa)
WO01/055139に記載されたように調製したN-(4-クロロ-3-メチルイソチアゾール-5-イル)-2-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド(6.2 gm、20.0 mmol)をトルエン(200ml)中に溶かし、そしてヘプタフルオロブチルアルデヒド水和物(5.2 gm、24 mmol)を室温で付加し、続けてパラ-トルエンスルホン酸(0.3 gm、1.7 mmol)を付加した。得られた混合物をDean-Stark装置に取り付け、そして12時間還流して、水を分離した。当該反応物を冷却し、少量の粘着性物質をろ過によって取り除き、そしてろ液を減圧下で濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチル(1:1)の混合物を用いて、クロマトグラフィーによって精製した。産物を140℃の融点を有する白色の結晶として得た。
【0058】
ステップb)
ステップa)からの産物(0.492 gm、1.0 mmol)を四塩化炭素(25 ml)中に懸濁させ、そしてN-ヨードスクシンイミド(0.45 gm、2.0 mmol)を付加した。得られた混合物を1時間、還流で加熱した。当該反応物を冷却し、そして10%の亜硫酸ナトリウム溶液(20 ml)と共に撹拌し、形成されたいかなるヨウ素も破壊した。有機層を分離し、希釈生理食塩水で2回洗浄し、その後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒除去後、残渣をヘキサン:酢酸エチル(3:1)の混合物を用いて、クロマトグラフィーで精製し、産物を白色結晶として得た。1H nmr: δ 1.7 (3H, d), 2.4 (3H, s), 4.0 (1H, q), 7.55 (1H, d), 7.7 (1H, d), 7.9 (1H, s), 8.0 (1H, br.s)。
【0059】
実施例 3A
N-(4-クロロ-3-メチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-α’-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0060】
実施例3、ステップa)からの産物(0.492 gm、1.0 mmol)をアセトニトリル(10 ml)中に懸濁し、そして(ジアセトキシヨード)ベンゼン(0.354 gm、1.1 mmol)を付加した。得られた混合物を室温で0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をクロマトグラフィーにより精製して、実施例3、ステップb)において得られたものと同一の産物を得た。
【0061】
実施例3B
N-(4-クロロ-3-メチル-5-イソチアゾリル)-2-(ヘプタフルオロプロピル)-α’-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセトアミドの調製
【0062】
実施例3、ステップa)からの産物(0.492 gm, 1.0 mmol)を酢酸(6 ml)中に懸濁し、そして酢酸鉛(0.488 gm、1.1 mmol)を5滴加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。その後、当該混合物を氷/水に注ぎ、そして酢酸エチルで2回洗浄することによって(2×15 ml)、有機相に抽出した。組み合せた有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、残渣をクロマトグラフィーにより精製して、実施例3、ステップb)において得られたものと同一の産物を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物の調製方法
【化1】

(式中Raは、C1-3アルキルであり;Rbは、ハロゲンであり;RCは、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルもしくはC1-6アルコキシであり、または基
【化2】

であり、
R1は、水素、C1-2アルキル、(C1-6)アルコキシメチルまたはプロパルギルであり;R2は、水素、メチルまたはフルオロであり;R3、R4及びR5は、独立して、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシまたはC1-2ハロアルキルであり;R6とR10は、独立して、水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2 ハロアルコキシ、C1-8アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-3アルキルアミノまたはジ(C1-3)アルキルアミノであり;R7、R8及びR9は、独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ハロアルケニルオキシ、S(O)pR11、OSO2R12、NR13SO2R14、NR15R16、NR17COR18、COR19、SiR20R21R22、SCN、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルであり;R11、R12及びR14は、独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキルまたは任意に置換されたアリールであり;R13とR17は、独立して、水素またはC1-2アルキルであり;R15とR16は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR15とR16は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定される更なるヘテロ原子を含んでよく;R18とR19は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリールまたはNR23R24であり;R20、R21及びR22は、独立して、C1-4アルキルまたはアリールであり;
R23とR24は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR23とR24は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定される更なるヘテロ原子を含んでよく;並びにpは、0、1または2である)であって、式IIの化合物
【化3】

(式中Ra、Rb、R1、R2、R3、R4及びR5は、式(I)に関して定義されたとおりである)を式III の化合物
RCCHO (III )
(式中Rcは、式(I)に関して定義されたとおりである)及び酸化剤と反応させることを含んで成る方法。
【請求項2】
Rcが、基
【化4】

(式中、R6とR10は、独立して、水素、ハロゲン、C1--3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2ハロアルコキシ、C1-2アルキルチオ、アミノ、C1-3アルキルアミノまたはジ(C1-3)アルキルアミノであり、ただしR6とR10の少なくとも1つが水素ではなく;且つR7、R8及びR9は、独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、S(O)pR11、OSO2R12、NR13SO2R14、NR15R16、NR17COR18、COR19、SiR20R21R22、SCN、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールである)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rcが、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
R1が、水素、C1-2アルキルまたは(C1-6)アルコキシメチルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
R2が、水素またはフルオロである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
R3、R4及びR5が、それぞれ独立して水素またはハロゲンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1において定義された式IIの化合物を、請求項1において定義された式III の化合物と反応させて、式(IV)または式(IV')の化合物
【化5】

(式中Raは、C1-3 アルキルであり;Rbは、ハロゲンであり;Rcは、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルもしくはC1-6アルコキシであり、または基
【化6】

であり、R1は、水素、C1-2アルキル、(C1-6)アルコキシメチルまたはプロパルギルであり;R2は、水素、メチルまたはフルオロであり;R3、R4及びR5は、独立して、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシまたはC1-2ハロアルキルであり;R6とR10は、独立して、水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2 ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2ハロアルコキシ、C1-8アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-3アルキルアミノまたはジ(C1-3)アルキルアミノであり;R7、R8及びR9は、独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ハロアルケニルオキシ、S(O)pR11、OSO2R12、NR13SO2R14、NR15R16、NR17COR18、COR19、SiR20R21R22、SCN、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルであり;R11、R12及びR14は、独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキルまたは任意に置換されたアリールであり;R13とR17は、独立して、水素またはC1-2アルキルであり;R15とR16は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR15とR16は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定されるさらなるヘテロ原子を含んでよく;R18とR19は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリールまたはNR23R24であり;R20、R21及びR22は、独立して、C1-4アルキルまたはアリールであり;R23とR24は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR23とR24は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定されるさらなるヘテロ原子を含んでよく;並びにpは、0、1または2である)を生成し、そして式(IV)または(IV')の化合物を酸化剤と反応させることを含んで成る、請求項1において定義された式Iの化合物の調製方法。
【請求項8】
前記酸化剤が、UV光;空気;酸素;臭素;酢酸鉛、ヨードソベンゼンジアセテート及び三酢酸マンガン等の酢酸塩;過塩素酸ナトリウム及びチアントレンカチオンラジカル過塩素酸塩等の過塩素酸塩;マンガン酸バリウム等のマンガン酸塩;過酸化ニッケル等の過酸化物;二酸化マンガン等の酸化物;ジクロロ-5,6-ジシアノ-l,4-ベンゾキノン及びN-ブロモスクシンイミドである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
式IVまたは式IV'の化合物
【化7】

(式中、Raは、C1-3アルキルであり;Rbは、ハロゲンであり;Rcは、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり、または基
【化8】

であり、R1は、水素、C1-2アルキル、(C1-6)アルコキシメチルまたはプロパルギルであり;R2は、水素、メチルまたはフルオロであり;R3、R4及びR5は、独立して、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシまたはC1-2ハロアルキルであり;R6とR10は、独立して、水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-2ハロアルキル、C1-2アルコキシ、ニトロ、シアノ、C1-2ハロアルコキシ、C1-8アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-3アルキルアミノまたはジ(C1-3)アルキルアミノであり;R7、R8及びR9は、 独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C]-6アルコキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ハロアルケニルオキシ、S(O)pR11、OSO2R12、NR13SO2R14、NR15R16、NR17COR18、COR19、 SiR20R21R22、SCN、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルであり;R11、R12及びR14は、独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキルまたは任意に置換されたアリールであり;R13とR17は、独立して、水素またはC1-2アルキルであり;R15とR16は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR15とR16は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されるヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定されたさらなるヘテロ原子を含んでよく;R18とR19は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリールまたはNR23R24であり; R20、R21及びR22は、独立して、C1-4アルキルまたはアリールであり;R23とR24は、独立して、水素またはC1-3アルキルであり;或いはR23とR24は、それらに結合したN原子と一緒になって、5員または6員の任意に置換されたヘテロ環を形成し、該へテロ環は、O及びSから選定されるさらなるヘテロ原子を含んでよく;並びにpは、0、1または2である)。

【公表番号】特表2009−504721(P2009−504721A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526554(P2008−526554)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003101
【国際公開番号】WO2007/020460
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】