説明

化粧品組成物およびケラチン性繊維を再整形する方法

一般式(I):
【化1】


[式中、Rは、H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化2】


−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化3】


を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるイオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す]
で示される少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する化粧品組成物により、パーマネントウェーブ処理の欠点を受けることなく、より永続的なスタイリングが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物およびケラチン性繊維を整形するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケラチン繊維の永続的な整形は、繊維を機械的に整形し、その形状を適当な補助剤で固定することによりもたらされる。この整形の前および/または後に、ケラチン還元物質の水性製剤で繊維を処理し、接触時間の最後に、水または水性溶液で洗い流す。その後、第2工程において、酸化剤の水性製剤で繊維を処理する。この接触時間の最後に、この製剤も洗い流し、機械的整形補助具(ローラー、フォームカーラー)から、繊維を解放する。この種の既知の方法は、人毛のパーマネントウェーブである。この方法は、ストレートヘアにおいてカールおよびウェーブを作るためにも、縮れた毛髪をまっすぐにするためにも、両方に使用することができる。
【0003】
スタイリング剤は、通常フィルム形成ポリマーの製剤形態であり、ケラチン性繊維を一時的に整形するために使用される。これらを、スプレー、ゲル、粉末、水性またはアルコール性溶液または分散体等として、繊維に塗布し、手でまたは櫛およびブラシで、毛髪を所望の形状に整える。
【0004】
パーマネントウェーブの欠点は、ヘアスタイルの形状を容易に変えることができないことである。その名称自体が示唆するように、この整髪方法は、比較的長期の間、持続するように設計されている。さらには、パーマネントウェーブ処理は、時間がかかり、例えば美容師によって、専門的に行わねばならない。この方法での毛髪のパーマネントウェーブの他の否定的な副作用は、ヘアスタイルの望ましくない「対称的な」外観であることが多い。カールは形状において非常に規則的であることが多く、ヘアスタイルに所望の「若々しい」外観を与えない。したがって、多くの利用者群は、パーマネントウェーブに関して年配の人を連想する。
【0005】
これに対し、従来のヘアスタイリング剤は、ヘアスタイルの形状をすばやく変えることができるという利点を有する。しかしながら、これは、所望のヘアスタイル形状の持続性が限られているという欠点を伴うことが多い。外部要因(湿度、風、ヘアスタイル保持者による動き)に応じて、所望の外観を維持するために、時として1日に数回、従来のヘアスタイリング剤を塗布せねばならない。習慣的な衛生手段、例えば洗髪で、従来のヘアスタイリング剤は、通常残らず、これは、シャワーを浴びるたびまたは洗髪するたびに、毛髪を再度整えねばならないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす課題は、より長い持続性を基準に毛髪構造を改良することであり、パーマネントウェーブ方法の欠点を有することなく、より永続的なスタイリングを可能にすることである。同時に、外部影響、例えば染毛または従来の脱色またはパーマネントウェーブ方法により損傷したケラチン性繊維を、理想的に強化し、修復すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
構造変化単位(スイッチ単位)を有する官能性ペプチドブロックを含有する合成ポリマーが、この課題を達成するために適当であることが、今や明らかとなった。上記スイッチ単位は正電荷を有し、そのため、ケラチン性繊維と特に効果的に相互作用することができる。pHを変えることにより、不可逆的な構造変化をもたらすことができ、ポリマーの構造部分をタンパク質構造に変化させる。これらは、一般に不溶性であり、強い凝集挙動を示す。このようにして、非常に長く持続し、かつ毛髪を修復する構造を作ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、まず、一般式(I):
【化1】

[式中、Rは、H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化2】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化3】

を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する化粧品組成物を提供する。
【0009】
きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-1)〜(I-29):
【化4】

【化5】

【化6】

で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する。
【0010】
式(I-1)〜(I-29)において、Xは、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す。
【0011】
一般式(I)で示される構造単位において、さらなる−C(O)基がアンモニウム基を有するC原子に結合することが好ましい。したがって、きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-a):
【化7】

[式中、RおよびXは、上記で定義したものである]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有するという特徴を有する。
【0012】
この態様の、きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-a-1)〜(I-a-29):
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する。
【0013】
式(I-a-1)〜(I-a-29)において、Xは、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す。
【0014】
一般式(I)または(I-a)で示される構造単位において、さらなる−CH(R)−基が、−O−C(O)基のC原子に結合することがさらになお好ましい。R基は、R基の残基と同じものから、独立して、選択することができる。
【0015】
したがって、きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-b):
【化12】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、
H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化13】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化14】

を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有するという特徴を有する。
【0016】
この態様のきわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-b-1)〜(I-b-29):
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する。
【0017】
式(I-b-1)〜(I-b-29)において、Xは、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表し、
は、H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化19】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化20】

を表す。
【0018】
前述の例のうち、一般式(I-b-2)で示されるものが、本発明の極めて好ましい態様である。
【0019】
一般式(I)または(I-a)で示される構造単位において、さらなる−CH(R)NH−基が、−O−C(O)基のC原子に結合することがさらになお好ましい。これは、式(I-b)において、R基を有するC原子上における追加の−NH−基に相当する。
【0020】
基は、R基の残基と同じものから、独立して、同様に選択することができる。したがって、きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-c):
【化21】

[式中、R、RおよびXは、上記で定義したものである]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有するという特徴を有する。
【0021】
この態様の、きわめて好ましい本発明の組成物は、一般式(I-c-1)〜(I-c-29):
【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する。
【0022】
式(I-c-1)〜(I-c-29)において、Xは、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表し、
は、H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化27】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化28】

を表す。
【0023】
前述の例のうち、一般式(I-c-2)で示されるものが、本発明の極めて好ましい態様である。
【0024】
好ましい本発明の組成物は、構造単位(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)が互いに複数結合している少なくとも1種の物質を含有する。式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)の2〜200の構造単位が、互いに続くことが好ましくあり得る。2〜90、好ましくは2〜80、より好ましくは2〜70、さらにより好ましくは2〜60、特に2〜50の繰り返し単位(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)が極めて好ましい。
【0025】
構造単位(I-c)を繰り返し単位として含有する組成物が、極めて好ましい。ここで、本発明の組成物は、一般式(I-d):
【化29】

[式中、R、RおよびXは、上記で定義したものであり、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の値を表す。式(I-d)においてnが1の場合、式(I-c)となる]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有することが好ましい。
【0026】
特に好ましい本発明の組成物は、優先権書類に挙げられている、式(1)〜(841)で示される少なくとも1種の構造単位を有する、少なくとも1種の物質を含有する。そこに挙げられている式(1)〜(841)において、Xは、それぞれの場合に、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表し、nは、2〜200、好ましくは2〜100、より好ましくは2〜50、特に2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の値を表す。
【0027】
前述の群のうち、極めて好ましい例は、式(30)〜(59)のものである。
【0028】
本発明の組成物に含有される、式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有する物質について、末端基として、全ての基が適当であり、例えば−H、直鎖状または分枝状および置換または非置換のアルキル残基、直鎖状または分枝状および置換または非置換のアルケニル残基、直鎖状または分枝状および置換または非置換のアルキニル残基、アリール残基、直鎖状または分枝状および置換または非置換のアラルキル残基、−NH、−OH、−NOなどの基等である。
【0029】
本発明の好ましい末端基は以下である:
−NH−CH−CH−OH、
−C(O)−CH(R)−NH、RはRおよびRが同様に選択される群から選択される、
−C(O)−CH(R)−NH−C(O)−CHCH−C(O)−NH−(EO)−H、n=1〜200、
−C(O)−CH(R)−NH−C(O)−CHCH−C(O)−NH−(PO)−H、n=1〜200、
−C(O)−CH(R)−NH−C(O)−CHCH−C(O)−NH−(EO)(PO)H、n+m=1〜200。
【0030】
きわめて好ましい本発明の組成物は、式(II):
【化30】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化31】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化32】

から選択される]
で示される少なくとも1種の物質を含有するという特徴を有する。
【0031】
式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を含有する化合物のアルコキシ化された例のうち、エトキシ化および/またはプロポキシ化化合物が特に好ましい。きわめて好ましい本発明の組成物は、式(III):
【化33】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化34】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化35】

から選択され、
kは1〜100、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有するという特徴を有する。
【0032】
式(IV):
【化36】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化37】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化38】

から選択され、
kは1〜50、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する本発明の組成物が、同様に特に好ましい。
【0033】
EOまたはPO単位または混合アルコキシ化基を、分子の他の末端に結合させることもできる。ここで、本発明の組成物は、式(V):
【化39】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化40】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化41】

から選択され、
mは1〜50、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有することが好ましい。
【0034】
式(VI):
【化42】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化43】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化44】

から選択され、
mは1〜100、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する本発明の組成物も同様に好ましい。
【0035】
式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有するいずれの特定の化合物が、本発明の剤に含有されるかにかかわらず、上記の剤は、250〜100,000ダルトンのモル質量を有することが好ましい。好ましい本発明の組成物は、上記で定義した一般式(I)で示される少なくとも1種の構造単位を含有する物質が、250〜100,000gmol−1、好ましくは500〜50,000gmol−1、より好ましくは750〜25,000gmol−1、特に1000〜10,000gmol−1のモル質量を有するという特徴を有する。
【0036】
同様に式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有するいずれの特定の化合物が、本発明の剤に含有されるかにかかわらず、および、それらのモル質量にかかわらず、式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有する化合物を、本発明の剤に、規定の量で含有させることが好ましい。ここで、本発明の組成物は、上記で定義したような一般式(I)で示される少なくとも1種の構造単位を含有する物質を、その重量に対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.0025〜7.5重量%、より好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜4重量%、より好ましくは0.05〜3重量%、特に0.1〜3重量%含有することが好ましい。
【0037】
特に好ましい本発明の組成物は、弱酸性〜酸性のpHを有する。本発明の組成物が、6.5未満、好ましくは6未満、より好ましくは5.5未満、特に5未満のpHを有することが極めて好ましい。
【0038】
これらのpH値は、例えば適切な酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、クエン酸、リン酸、メチル硫酸またはp−トルエンスルホン酸を用いて得ることができる。本発明によれば、緩衝系を使用することが極めて好ましく、本発明に関連して、クエン酸/クエン酸塩緩衝剤およびリン酸/リン酸塩緩衝剤が、非常に適することがわかった。
【0039】
低いpH値で、本発明の組成物に含まれる、式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有する化合物は、次のアンモニウム基を有する。
【化45】

【0040】
これは、高いpH値で脱プロトン化され:
【化46】

OからNのアシル転移によって、それ自身が不可逆的に再配置する:
【化47】


【0041】
このようにして得られたペプチド様構造は、ケラチン性繊維に高い親和性を有する。再配置した分子は、きわめて良好に付着し、毛髪に安定性、弾性および保持を与える。このようにして、より持続するスタイリング形状を達成することができ、以前に損傷した毛髪が修復される。
【0042】
本発明の組成物は、さらなる従来の化粧品成分、特にさらなるスタイリング剤成分を含有することができる。本発明により含まれる、式(I)または(I-a)または(I-b)または(I-c)または(I-d)または(1)〜(841)で示される構造単位を有する化合物は、さらなるポリマーを本発明の剤に含有させることにより、有利に補完される。
【0043】
本発明の組成物に特に有利に使用することができるポリマーを以下に示す:
【0044】
本発明により好ましい組成物は、以下を含有する少なくとも1種のコポリマーAを含有する:
・式(A-I):
【化48】

[式中、R1は−Hまたは−CHを表し、Rは−Hまたは−CHまたは−CHCHまたは−CHCHCHまたは−CH(CH)を表す]
で示される少なくとも1種の構造単位、
・および、式(II):
【化49】

[式中、R1およびR2は、互いに独立して、−CHまたは−CHCHまたは−CHCHCHまたは−CH(CH)を表し、R3は、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の炭化水素残基を表す]
で示される、構造単位(A-I)とは異なる少なくとも1種のさらなる構造単位。
【0045】
この好ましい態様の、本発明の組成物は、式(A-I)および(A-II)で示される少なくとも2種の異なるモノマーから構成されるポリマーを含有する。さらなるモノマーを重合によりさら組み込むこともできる。
【0046】
コポリマーAに含まれる第1のモノマーは、式(A-I)(上記参照)で記載することができ、式中、R1は−Hまたは−CHを表し、R2は−Hまたは−CHまたは−CHCHまたは−CHCHCHまたは−CH(CH)を表す。R1が−Hを表す場合、式(I)のモノマーは、アクリル酸またはアクリル酸エステルであり、R1が−CHを表す場合、式(I)のモノマーは、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルである。
【0047】
式(A-I)で示される極めて好ましいモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピルおよびメタクリル酸イソプロピルである。
【0048】
特に好ましい本発明の組成物は、アクリル酸またはアクリル酸エステルを、コポリマーAにおけるモノマー単位として含有する。このような組成物は、コポリマーAが式(A-Ia):
【化50】

[式中、Rは、−Hまたは−CHまたは−CHCHまたは−CHCHCHまたは−CH(CH)を表す]
で示される構造単位を含有するという特徴を有する。
【0049】
コポリマーAに含まれる第2のモノマーは、式(A-II)(上記参照)で記載することができ、式中、R1はよびR2は、互いに独立して、−CHまたは−CHCHまたは−CHCHCHまたは−CH(CH)を表し、R3は、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の炭化水素残基を表す。
【0050】
式(A-II)で示される例のうち、R1=R2であるモノマーが好ましい。特に好ましいモノマーは、次の式(A-IIa)、(A-IIb)および(A-IIc):
【化51】

[式中、R3は、それぞれの場合において、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の炭化水素残基を表す]
で記載される。
【0051】
極めて好ましいモノマーは、R1=R2=−CHであるものである。残基Rとして直鎖状アルキル残基を選択することがさらに好ましく、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルおよびn−デシル残基を有することが好ましい。
【0052】
きわめて好ましい本発明の組成物は、コポリマーAが式(A-IIa):
【化52】

で示される構造単位を含有するという特徴を有する。
【0053】
本発明の組成物は、10〜750kDa、好ましくは25〜500kDa、より好ましくは30〜400kDa、特に4〜250kDaのモル質量を有するコポリマー(A)を含有することが、さらにより好ましい。
【0054】
使用するコポリマーAの種類およびモル質量にかかわらず、本発明の組成物は、使用できる状態の組成物の重量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.5重量%、特に1〜5重量%のコポリマーAを含有するものが好ましい。
【0055】
式(A-I)および(A-II)で示されるモノマーを、コポリマーAに、規定の限度内で含有させることが好ましい。ここで、本発明により好ましい組成物は、以下を含有するコポリマーAを含有するという特徴を有する:
・式(A-I)で示されるモノマー、10〜95mol%、好ましくは15〜85mol%、特に20〜80mol%、
・式(A-II)で示されるモノマー、5〜90mol%、好ましくは7.5〜80mol%、特に10〜60mol%。
【0056】
特に好ましい本発明の組成物は、以下を含有する少なくとも1種のさらなるコポリマーBを含有するという特徴を有する:
・式(B-I):
【化53】

[式中、
・RはC〜C30アルキル基、C〜Cアラルキル基、C〜Cアルケニル基またはC〜Cヒドロキシアルキル基を表し、
・Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種の構造単位、および
・式(B-II):
【化54】

[式中、nは、メチレン単位の数として、1、2または3を表す]
で示される少なくとも1種のさらなる構造単位。
【0057】
フィルム形成および/または固定コポリマーBは既知である。これらのコポリマーは、式(B-I)で示される少なくとも1種の構造単位および式(B-II)で示される少なくとも1種の構造単位を有し、重合の間に対応するモノマーを添加することによって組み込まれた、さらなる構造単位をさらに有することもできる。
【0058】
式(B-I)において、Rは、C〜C30アルキル基、C〜Cアラルキル基、C〜Cアルケニル基またはC〜Cヒドロキシアルキル基を表す。好ましいR基は、例えば、−CH;−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)、−(CHCH、−CH−CH(CH)、CH(CH)CHCH、−C(CH)、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH(OH)CHCH、−CHCH(OH)CHである。
【0059】
は、生理学的に許容性のアニオンを表し、好ましいアニオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、サルフェート、メトサルフェート、エチルサルフェート、トシレートおよびテトラフルオロボレートである。
【0060】
式(B-II)において、nは、メチレン基の数を表す。n=1の場合、式(B-II)はビニルピロリドン単位を表し、n=2の場合、ビニルピペリジノン単位を表し、n=3の場合、ビニルカプロラクタム単位を表す。
【0061】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーBとして、以下を含有するコポリマーB1を含有するという特徴を有する:
・式(B-I)で示される少なくとも1種の構造単位(上記参照)、式中、Rはメチル基を表し、Xはメトサルフェートを表す、
・式(B-II)で示される少なくとも1種のさらなる構造単位(上記参照)、式中、nは1メチレン単位を表す。
【0062】
極めて好ましいコポリマーB1は、式(B-I)で示される構造単位を、10〜30mol%、好ましくは15〜25mol%、特に20mol%および式(B-II)で示される構造単位を、70〜90mol%、好ましくは75〜85mol%、特に80mol%を含有する。
【0063】
ここで、コポリマーB1が、式(B-I)および(B-II)で示される上記の構造単位をコポリマー中に組み込むことにより得られたポリマー単位に加えて、他のモノマーを組み込むことにより得られたポリマー単位を、最大5重量%、好ましくは最大1重量%含有することが特に好ましい。コポリマーB1を、式(B-I)および(B-II)の構造単位のみから構成させることが好ましく、次の一般式:
【化55】

[式中、添え字mおよびnは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。式(B-I)および式(B-II)で示される構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0064】
このようなN−メチルビニルイミダゾール/ビニルピロリドンコポリマーは、POLYQUATERNIUM-44のINCI名で称され、例えば、BASF社よりLuviquat(登録商標)UltraCareの商品名で入手できる。
【0065】
特に好ましい本発明の組成物は、所定の範囲内のモル質量を有するコポリマーB1を含有する。ここで、本発明の組成物は、コポリマーB1が、50〜400kDa、好ましくは100〜300kDa、より好ましくは150〜250kDa、特に190〜210kDaのモル質量を有することが好ましい。
【0066】
コポリマーB1に加えてまたはその代わりに、本発明の組成物は、追加の構造単位として式(B-II)で示される構造単位を含有するコポリマーB2(式中、nは3の数を表す)を含有することもできる。
【0067】
さらに特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーBとして、以下を含有するコポリマーB2を含有するという特徴を有する:
・式(B-I)(上記参照)で示される少なくとも1種の構造単位、式中、Rはメチル基を表し、Xはメトサルフェートを表す、
・式(B-I)(上記参照)で示される少なくとも1種の構造単位、式中、nは1メチレン単位を表す、
・式(B-I)(上記参照)で示される少なくとも1種の構造単位、式中、nは3メチレン単位を表す。
【0068】
ここでも、コポリマーB2が、式(B-I)および(B-II)で示される上記の構造単位をコポリマー中に組み込むことにより得られたポリマー単位に加えて、他のモノマーを組み込むことにより得られたポリマー単位を、最大5重量%、好ましくは最大1重量%含有することが特に好ましい。コポリマーB2は、式(B-I)および(B-II)の構造単位のみから構成されることが好ましく、次の一般式:
【化56】

[式中、添え字m、nおよびpは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。式(B-I)および式(B-II)で示される構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0069】
このような、N-メチルビニルイミダゾール/ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマーは、POLYQUATERNIUM-46のINCI名で称され、例えば、BASF社よりLuviquat(登録商標)Holdの商品名で入手できる。
【0070】
極めて好ましいコポリマー(B2)は、式(B-I)で示される構造単位を1〜20mol%、好ましくは5〜15mol%、特に10mol%、n=1を有する式(B-II)で示される構造単位を30〜50mol%、好ましくは35〜45mol%、特に40mol%、n=3を有する式(B-II)で示される構造単位を40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、特に60mol%含有する。
【0071】
特に好ましい本発明の組成物は、所定の範囲内のモル質量を有するコポリマーB2を含有する。ここで、本発明の組成物は、コポリマーB2が、100〜1000kDa、好ましくは250〜900kDa、より好ましくは500〜850kDa、特に650〜710kDaのモル質量を有することが好ましい。
【0072】
本発明の組成物は、コポリマーB1および/またはB2に加えてまたはその代わりに、コポリマーB3を含有することもでき、これは、追加の構造単位として、n=3である式(B−II)で示される構造単位、およびビニルイミダゾールの群から選択されるさらなる構造単位およびアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド単位の群から選択されるさらなる構造単位を含有する。
【0073】
さらに特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーBとして、以下を含有するコポリマーB3を含有するという特徴を有する:
・式(B-I)(上記参照)で示される少なくとも1種の構造単位、式中、Rはメチル基を表し、Xはメトサルフェートを表す、
・式(B-II)(上記参照)で示される少なくとも1種のさらなる構造単位、式中、nは1メチレン単位を表す、
・式(B-III):
【化57】

で示される少なくとも1種のさらなる構造単位、
・式(B-IV):
【化58】

で示される少なくとも1種のさらなる構造単位。
【0074】
ここでも、コポリマーB3が、式(B-I)、(B-II)、(B-III)および(B-IV)で示される上記の構造単位をコポリマー中に組み込むことにより得られたポリマー単位に加えて、他のモノマーの組み込みによって得られたポリマー単位を、最大5重量%、好ましくは最大1重量%含有することが特に好ましい。コポリマーB3は、式(B-I)、(B-II)、(B-III)および(B-IV)の構造単位のみから構成されることが好ましく、次の一般式:
【化59】

[式中、添え字m、n、oおよびpは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。式(B-I)、(B-II)、(B-III)および(B-IV)で示される構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0075】
このようなN-メチルビニルイミダゾール/ビニルピロリドン/ビニルイミダゾール/メタクリルアミドコポリマーは、POLYQUATERNIUM-68のINCI名で称され、例えば、BASF社よりLuviquat(登録商標)Supremeの商品名で入手できる。
【0076】
極めて好ましいコポリマーB3は、式(B-I)で示される構造単位を1〜12mol%、好ましくは3〜9mol%、特に6mol%、n=1を有する式(B-II)で示される構造単位を45〜65mol%、好ましくは50〜60mol%、特に55mol%、式(B-III)で示される構造単位を1〜20mol%、好ましくは5〜15mol%、特に10mol%、式(B-IV)で示される構造単位を20〜40mol%、好ましくは25〜35mol%、特に29mol%含有する。
【0077】
特に好ましい本発明の組成物は、所定の範囲内のモル質量を有するコポリマーB3を含有する。ここで、本発明の組成物は、コポリマーB3が、100〜500kDa、好ましくは150〜400kDa、より好ましくは250〜350kDa、特に290〜310kDaのモル質量を有することが好ましい。
【0078】
唯一のコポリマーBまたはいくつかのコポリマーBを使用するかどうかにかかわらず、特定のコポリマーBの選択にかかわらず、本発明の組成物は、コポリマーBの総量が、使用できる状態の組成物の重量に対して、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%であることが好ましい。
【0079】
フィルム形成コポリマーBに加えてまたはその代わりに、本発明の組成物は、アクリレートポリマー、すなわちアクリル酸および/またはメタクリル酸群および/またはそれらのエステルから選択される少なくとも1種のモノマー単位を含有するポリマーの群から選択される、さらなるフィルム形成ポリマーCを含有することができる。好ましい本発明の組成物は、以下から選択される少なくとも1種のアクリレートポリマーCを含有する:
c1)ポリアクリル酸、および/または、
c2)メタクリル酸とアクリルアミドプロパンスルホン酸とのコポリマー、および/または、
c3)アクリル酸とメタクリル酸およびアクリル酸エステルのコポリマー、および/または、
c4)アクリル酸とメタクリル酸とアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマー、および/または、
c5)アクリル酸エステルとメタクリル酸のコポリマー。
【0080】
したがって、本発明の組成物は、例えばポリマーCとしてポリアクリル酸を含有することが好ましい。これは、式:
【化60】

[式中、mはモル質量に応じて変化する]
で示される構造単位を有する。
【0081】
特に好ましい本発明の組成物は、ポリマーc1として、10〜250kDa、好ましくは25〜200kDa、より好ましくは50〜150kDa、特に70〜100kDaのモル質量を有するポリアクリル酸を含有するという特徴を有する。
【0082】
ポリマーc1を、所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、ポリマーc1を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%含有することが好ましい。
【0083】
本発明の組成物は、ポリマーc1に加えてまたはその代わりに、メタクリル酸とアクリルアミドプロパンスルホン酸とのコポリマーの群から選択されるポリマーc2を含有することもできる。
【0084】
これらは、一般式:
【化61】

[式中、添え字mおよびnは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0085】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーc2として、100〜2500kDa、好ましくは250〜2000kDa、より好ましくは500〜1750kDa、特に800〜1500kDaのモル質量を有する、メタクリル酸とアクリルアミドプロパンスルホン酸とのコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0086】
コポリマーc2を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーb2を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%の含有することが好ましい。
【0087】
メタクリル酸とアクリルアミドプロパンスルホン酸とのコポリマーは、例えば、Fixomer(登録商標)A-30(Nalco)の商品名で入手できる。
【0088】
本発明の組成物は、ポリマーc1および/またはコポリマーc2に加えてまたはその代わりに、アクリル酸とメタクリル酸およびアクリル酸エステルのコポリマーの群から選択されるポリマーc3を含有することもできる。
【0089】
これらは、一般式:
【化62】

[式中、添え字mおよびnは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる。R1は−Hまたは−CHを表す]
で記載することができる。
【0090】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーc3として、50〜500kDa、好ましくは100〜400kDa、より好ましくは150〜300kDa、特に200〜250kDaのモル質量を有する、アクリル酸とメタクリル酸およびアクリル酸エステルのコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0091】
コポリマーc3を、所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーc3を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%の含有することが好ましい。
【0092】
極めて好ましいコポリマーc3は、Acrylates CopolymerのINCI名で称される。このようなポリマーは、Aculyn(登録商標)33A(Rohm & Haas)の商品名で入手できる。
【0093】
本発明の組成物は、ポリマーc1および/またはコポリマーc2および/またはコポリマーc3に加えてまたはその代わりに、アクリル酸とメタクリル酸およびエトキシ化アクリル酸エステルおよびエトキシ化メタクリル酸エステルのコポリマーの群から選択されるポリマーc4を含有することもできる。
【0094】
これらは、一般式:
【化63】

[式中、添え字m、n、oおよびpは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる。R1はメチル基を表し、残基Rは1〜22個のC原子を有する炭化水素残基であり、Xは0〜50を表す]
で記載することができる。
【0095】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーc4として、100〜500kDa、好ましくは150〜400kDa、より好ましくは200〜300kDa、特に225〜275kDaのモル質量を有する、メタクリル酸およびエトキシ化アクリル酸エステルおよびエトキシ化メタクリル酸エステルを有するアクリル酸のコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0096】
コポリマーc4を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーc4を、使用できる状態の組成物の重量に対して、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%含有することが好ましい。
【0097】
特に好ましいコポリマーc4は、20〜30のEO単位(x=20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)を有し、残基Rとして、ステアリル残基またはベヘニル残基を有する。
【0098】
極めて好ましいコポリマーc4は、25EO単位を有し、ベヘニルアルコールでエステル化され、Acrylates/Beheneth-25 Methacrylate CopolymerのINCI名で称される。このようなポリマーは、例えば、Aculyn(登録商標)28(Rohm & Haas)の商品名で入手できる。
【0099】
本発明の組成物は、ポリマーc1および/またはコポリマーc2および/またはコポリマーc3および/またはコポリマーc4に加えてまたはその代わりに、アクリル酸エステルとメタクリル酸のコポリマーの群から選択されるポリマーc5を含有することもできる。
【0100】
好ましいアクリル酸エステルは、アクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルであり、後者が特に好ましい。
【0101】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーc5として、100〜500kDa、好ましくは150〜400kDa、より好ましくは200〜300kDa、特に225〜275kDaのモル質量を有する、アクリル酸エステルとメタクリル酸のコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0102】
コポリマーc5を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーc5を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%の含有することが好ましい。
【0103】
極めて好ましいコポリマーc5は、メタクリル酸とアクリル酸エチルとの重合により誘導され、Acrylates CopolymerのINCI名で称される。このようなポリマーは、例えばLuviflex(登録商標)Soft (BASF)の商品名で入手できる。
【0104】
したがって、きわめて好ましい本発明の組成物は、メタクリル酸およびアクリル酸エチルのコポリマーDを含有するという特徴を有する。
【0105】
メタクリル酸を10〜80mol%、好ましくは20〜70mol%、特に好ましくは30〜60mol%、特に40〜50mol%、および、アクリル酸エチルを20〜90mol%、好ましくは30〜80mol%、特に好ましくは40〜70mol%、特に50〜60mol%含有するコポリマーDを使用することが好ましい。
【0106】
本発明の組成物は、コポリマーDが、100〜800kDa、好ましくは200〜700kDa、より好ましくは300〜600kDa、特に450〜550kDaのモル質量を有することが、さらにより好ましい。
【0107】
本発明の組成物は、BASF AGよりLuviflex(登録商標)Soft(INCI名:Acrylates Copolymer)の名称で販売されるコポリマーを含有することが特に好ましい。
【0108】
コポリマーCまたはDのいずれを使用するかにかかわらず、本発明の組成物は、組成物において、コポリマーCまたはDの総量が、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%であることが好ましい。
【0109】
本発明は、追加して用いることができるコポリマーBおよびCまたはD(Dは、好ましくはポリマーc5)の選択に関して何ら制限されない。上記の個々の種類から選択される1つのポリマーおよび複数のポリマーの両方を、それぞれの場合において使用することができる。特に好ましい組成物は、コポリマーAに加えて、参考(1)〜(217)として優先権書類に挙げられているさらなるコポリマーを含有する。217の好ましいポリマーのいずれを組合せて選択するかにかかわらず、本発明の組成物は、組成物におけるポリマーB:ポリマーCの重量比が、10:1〜1:10、好ましくは8:1〜1:8、より好ましくは5:1〜1:5、特に4:1〜1:4であることが好ましい。
【0110】
互いのポリマーの性質および重量比にかかわらず、本発明の組成物は、組成物の合計ポリマー含量(B+C+D)が、1〜15重量%、好ましくは2.5〜12.5重量%、より好ましくは4〜10重量%、特に5〜8重量%であることがさらに好ましい。
【0111】
フィルム形成コポリマーBおよび/またはCおよび/またはDに加えてまたはその代わりに、本発明の組成物は、アクリレートポリマー、すなわちアクリル酸および/またはメタクリル酸基および/またはそれらのエステルから選択される少なくとも1種のモノマー単位を含有するポリマーの群から選択される、さらなるフィルム形成ポリマーEを含有することができる。好ましい本発明の組成物は、以下から形成される少なくとも1種のコポリマーEを含有する:
・アクリル酸および/またはメタクリル酸から選択される少なくとも1種のモノマーe1、および
・アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーe2、および
・N−置換アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーe3。
【0112】
このコポリマーEは、アクリル酸および/またはメタクリル酸から選択される少なくとも1種のモノマーe1、およびアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーe2、およびN−置換アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーe3を含有し、重合の間に対応するモノマーを添加することにより組み込まれたさらなる構造単位をさらに有することもできる。
【0113】
特に好ましいコポリマーAは、以下:
・アクリル酸およびアクリルアミドおよびN−置換アクリルアミド
・アクリル酸およびメタクリルアミドおよびN−置換アクリルアミド
・メタクリル酸およびアクリルアミドおよびN−置換アクリルアミド
・メタクリル酸およびメタクリルアミドおよびN−置換アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド
・アクリル酸およびアクリルアミドおよびN−置換メタクリルアミド
・アクリル酸およびメタクリルアミドおよびN−置換メタクリルアミド
・メタクリル酸およびアクリルアミドおよびN−置換メタクリルアミド
・メタクリル酸およびメタクリルアミドおよびN−置換メタクリルアミド
のコポリマーである。
【0114】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーEとして、モノマーe1としてアクリル酸を含むコポリマーE1を含有するという特徴を有する。アクリルアミドが好ましいモノマーである。したがって、好ましい本発明の組成物は、コポリマーEとして、モノマーe2としてアクリルアミドを含むコポリマーE1を含有するという特徴を有する。
【0115】
N−置換アクリルアミドでのN−置換を、単純なアルキル基(好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル)で行うことができるが、アニオン性の官能性を有する置換アルキル基が特に好ましい。スルホネート基を含有する置換基が極めて好ましい。
【0116】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーEとして、モノマーe3としてアクリロイルジメチルタウレートを含むコポリマーE1を含有するという特徴を有する。
【0117】
これらコポリマーE1は、一般式:
【化64】

[式中、添え字m、nおよびoは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0118】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーE1が、50〜500kDa、好ましくは100〜450kDa、より好ましくは150〜400kDa、特に200〜300kDaのモル質量を有するという特徴を有する。
【0119】
コポリマーEを所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーEの総量が、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%であることが好ましい。
【0120】
アクリルアミドとメタクリル酸およびアクリロイルジメチルタウレートのコポリマーは、例えば、Acudyne(登録商標)SCP(Rohm & Haas)の商品名で入手できる。
【0121】
フィルム形成コポリマーBおよび/またはCおよび/またはDおよび/またはEに加えてまたはその代わりに、本発明の組成物は、さらなるフィルム形成ポリマーFを含有することができる。好ましい本発明の組成物は、以下から選択される少なくとも1種のコポリマーFを含有する:
f1)ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とのコポリマーおよび/または
f2)ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーおよび/または
f3)ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびアルキルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウム塩とのコポリマー。
【0122】
したがって、本発明の組成物は、例えば、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とのコポリマー(b1)をポリマーFとして含有することが好ましい。
【0123】
これらは、一般式:
【化65】

[式中、添え字mおよびnは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0124】
特に好ましい本発明の組成物は、カチオン性ポリマーf1として、40〜95mol%、好ましくは42.5〜90mol%、より好ましくは45〜85mol%、特に50〜80mol%のビニルピロリドンを含有する、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とビニルピロリドンとのコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0125】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーf1が、10〜1000kDa、好ましくは25〜900kDa、より好ましくは50〜800kDa、特に100〜750kDaのモル質量を有するという、さらなる特徴を有する。
【0126】
コポリマーf1を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーf1を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%含有することが好ましい。
【0127】
極めて好ましいコポリマーf1は、Polyquaternium-28のINCI名で称される。このようなポリマーは、例えばGafquat(登録商標)HS-100(ISP)の商品名で入手できる。
【0128】
本発明の組成物は、ポリマーf1に加えてまたはその代わりに、ビニルピロリドンとジメチルアミノメタクリル酸エチルとのコポリマーの群から選択されるポリマーf2を含有することもできる。
【0129】
これらは、一般式:
【化66】

[式中、添え字mおよびnは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0130】
特に好ましい本発明の組成物は、カチオン性ポリマーf2として、40〜95mol%、好ましくは42.5〜90mol%、より好ましくは45〜85mol%、特に50〜80mol%のビニルピロリドンを含有する、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0131】
特に好ましい本発明の組成物は、コポリマーf2が、100〜2500kDa、好ましくは250〜2000kDa、より好ましくは500〜1750kDa、特に800〜1500kDaのモル質量を有するという、さらなる特徴を有する。
【0132】
コポリマーf2を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーf2を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%含有することが好ましい。
【0133】
極めて好ましいコポリマーf2は、Polyquaternium-11のINCI名で称される。このようなポリマーは、例えばGafquat(登録商標)755 N(ISP)の商品名で入手できる。
【0134】
本発明の組成物は、ポリマーf1および/またはポリマーf2に加えてまたはその代わりに、ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびアルキルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウム塩とのコポリマーの群から選択されるポリマーf3を含有することもできる。
【0135】
これらは、一般式:
【化67】

[式中、添え字m、nおよびoは、ポリマーのモル質量に応じて変化し、これらがブロックコポリマーであることを意味するものではない。構造単位は、むしろ、分子内にランダムに分布させることができる]
で記載することができる。
【0136】
特に好ましい本発明の組成物は、カチオン性ポリマーf3として、ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびラウリルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウム塩のコポリマーを含有するという特徴を有する。
【0137】
特に好ましい本発明の組成物は、カチオン性ポリマーf3として、40〜95mol%、好ましくは42.5〜90mol%、より好ましくは45〜85mol%、特に50〜80mol%のビニルピロリドンを含有する、ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびアルキルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウム塩のコポリマーを含有するという、さらなる特徴を有する。
【0138】
きわめて好ましい本発明の組成物は、コポリマーf3が、10〜1000kDa、好ましくは25〜900kDa、より好ましくは50〜800kDa、特に100〜750kDaのモル質量を有するという、さらなる特徴を有する。
【0139】
コポリマーf3を所定の量範囲で使用することが好ましい。ここで、本発明の組成物は、コポリマーf3を、使用できる状態の組成物の重量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、特に0.25〜3重量%含有することが好ましい。
【0140】
きわめて好ましいコポリマーf3は、Polyquaternium-55のINCI名で称される。このようなポリマーは、例えばStyleze(登録商標)W20(ISP)の商品名で入手できる。
【0141】
本発明の組成物に含有される全てのポリマーの互いの性質および重量比にかかわらず、本発明の組成物は、組成物のポリマー含量の合計が、1〜15重量%、好ましくは2.5〜12.5重量%、より好ましくは4〜10重量%、特に5〜8重量%であることがさらに好ましい。
【0142】
本発明の剤は、化粧品担体中に、式(I)で示される構造単位を有する化合物を含有する。クリーム、エマルジョン、ゲルまたは界面活性剤を含有する発泡溶液、例えばシャンプー、フォームエアゾールまたは他の製剤(特に毛髪において使用するためのものが適当である)が、化粧品担体として本発明に特に適当である。しかしながら、塗布前に水に溶解させる粉体または錠剤形状の製剤に、成分を配合することも考えられる。化粧品担体は、特に、水性または水性−アルコール性であり得る。水性化粧品担体は、少なくとも50重量%の水を含有する。
【0143】
本発明の意味する範囲において、水性−アルコール性化粧品担体は、C−Cアルコール、特にメタノール、エタノールまたはプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、グリコール、グリセロール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールを3〜70重量%含有する水性溶液であると理解される。本発明の剤は、さらなる有機溶媒、例えばメトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコールまたは1,2−プロピレングリコールをさらに含有することができる。ここで、すべての水溶性有機溶媒が好ましい。
【0144】
本発明の剤は、さらなる活性成分および補助物質を含有することができる。これらを以下に記載する。
【0145】
本発明の剤は、少なくとも1種の乳化剤または界面活性剤をさらに含有することが好ましく、界面活性な物質は用途分野に応じて界面活性剤または乳化剤と称され、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、両性および非イオン性界面活性剤および乳化剤から選択される。
【0146】
本発明により好ましい毛髪処理剤は、アニオン性および/または非イオン性および/またはカチオン性および/または両性界面活性剤を、それらの重量に対して0.5〜70重量%、好ましくは1〜60重量%、特に5〜25重量%含有するという特徴を有する。
【0147】
人体への使用に適する全てのアニオン性の界面活性物質が、本発明の組成物のアニオン性界面活性剤および乳化剤として適当である。これらは、水可溶化アニオン性基、例えばカルボキシレート基、サルフェート基、スルホネート基またはホスフェート基および約8〜30個のC原子を有する親油性のアルキル基を有するという特徴を有する。分子は、グリコール基またはポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基およびアミド基およびヒドロキシル基を、さらに含有することができる。好ましいアニオン性界面活性剤および乳化剤は、アシルグルタメート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネートおよびアシルタウレート(それぞれ、6〜22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する直鎖状または分枝状のアシル残基を有し、これは、特に好ましい態様において、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイルおよびスアロイル残基から選択される)、酒石酸、クエン酸またはコハク酸、または、これらの酸の塩と、アルキル化グルコースとのエステル(特にDisodium Coco-Glucoside Citrate、Sodium Coco-Glucoside Tartrate and Disodium Coco-Glucoside SulfosuccinateのINCI名を有する製品)、アルキルポリグリコールエーテルサルフェートおよびアルキル基において8〜18個のC原子および分子内に12個までのエトキシ基を有するエーテルカルボン酸、アルキル基において8〜18個のC原子を有するスルホコハク酸モノ−およびジアルキルエステルおよびアルキル基において8〜18個のC原子および1〜6個のエトキシ基を有するコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステルである。
【0148】
双性イオン性界面活性剤および乳化剤に分類される界面活性化合物は、分子中に、少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つの−COO(−)またはSO(−)基を有する化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤および乳化剤は、ベタイン、例えばN-アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれアルキルまたはアシル基において8〜18個のC原子を有する)、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名Cocamidopropyl Betaineで既知の、脂肪酸アミド誘導体である。
【0149】
両性界面活性剤および乳化剤は、少なくとも1つの遊離のアミノ基を含有するC−C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの−COOHまたはSOH基を含有し、分子内塩を形成することができる界面活性化合物であると理解される。適当な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルアミノプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(それぞれ、アルキル基において、約8〜24個のC原子を有する)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12−C18アシルサルコシンである。
【0150】
非イオン性界面活性剤および乳化剤は、親水性基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基またはポリオールおよびポリグリコールエーテル基の組合せを含有する。
【0151】
任意に脂肪アルコールと混合させたアルキルポリグリコシド、アルコキシ化ポリジアルキルシロキサン、飽和の直鎖状脂肪アルコールおよび脂肪酸のアルキレンオキシド付加生成物(それぞれ、脂肪アルコールまたは脂肪酸1モルあたりに2〜30モルのエチレンオキシドを含有する)が、好ましい非イオン性界面活性物質であることがわかっている。
【0152】
第四級アンモニウム化合物、エステルクォートおよびアミドアミン型のカチオン性界面活性剤も、本発明により使用するのに適当である。好ましい第四級アンモニウム化合物は、アンモニウムハロゲン化物、特に塩化物および臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリドである。これらの界面活性剤のアルキル長鎖は、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリドにおいて、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。さらに好ましい界面活性剤は、INCI名Quaternium-27およびQuaternium-83で既知のイミダゾリウム化合物である。
【0153】
本発明の剤が、さらに脂肪アルコールおよび/または脂肪アルコールアルコキシレート好ましくはC12−22脂肪アルコールおよび/または10〜30個のEO単位を有するC12−22脂肪アルコールエトキシレート、特に好ましくはC16−18脂肪アルコールおよび/または12〜20個のEO単位を有するC1618脂肪アルコールエトキシレートを、それぞれの場合において剤の重量に対して、好ましくは5〜20重量%、好ましくは7.5〜17.5重量%、特に10〜15重量%含有することがきわめて好ましい。
【0154】
つまり、本発明の毛髪処理剤は、それらの重量に対し0.1〜20重量%、好ましくは0.25〜17.5重量%、特に5〜15重量%のアニオン性界面活性剤、特に好ましくは式:
【化68】

[式中、nは、5〜21、好ましくは7〜19、特に好ましくは9〜17、特に11〜13の値を表し、kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10、好ましくは1、2または3、特に2の値を表し、MはNa、K、NH4、1/2Mg2+、1/2Zn2+の群から選択されるカチオン、好ましくはNaを表す]
で示される脂肪アルコールエーテルサルフェートを含有することが好ましい。
【0155】
好ましい本発明の毛髪処理剤は、好ましくはN−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル-N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、それぞれアルキル基において約8〜24個のC原子を有する2−アルキルアミノプロピオン酸、それぞれアルキル基において約8〜24個のC原子を有するアルキルアミノ酢酸酸、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、C12−C18アシルサルコシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、それぞれアルキルまたはアシル基において8〜18個のC原子を有する2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、INCI名Cocamidopropyl Betaineで知られる化合物、INCI名Disodium Cocoamphodiacetateで知られる化合物の群から選択される、両性界面活性剤をさらに含有するというさらなる特徴を有し、好ましい剤は、それぞれの場合において、完成した剤に対して両性界面活性剤を1〜15重量%、好ましくは2.5〜12重量%、特に5〜10重量%の量で含有する。
【0156】
好ましい本発明の毛髪処理剤は、両性界面活性剤として、式(B-I):
【化69】

[式中、Rは、直鎖状または分枝状、飽和またはモノ不飽和またはポリ不飽和の、8〜24個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル残基を表す]
で示されるベタインを含有する。
【0157】
これらの界面活性剤は、Amidopropylbetaine nomenclatureのINCI名で既知であり、ヤシ脂肪酸から誘導させたものが好ましく、Cocoamidopropylbetaineとして知られている。以下に示す例の混合物である式(B-I)で示される界面活性剤が、本発明により特に好ましく使用される:HC−(CH)−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO、HC−(CH)−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO、HC−(CH)11−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO、HC−(CH)13−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO、HC−(CH)15−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO、HC−(CH)−CH=CH−(CH)−C(O)−NH−(CH)N+(CH)CHCOO
【0158】
式(I)で示される界面活性剤を、狭い量範囲で使用することが特に好ましい。ここで、本発明の剤は、式(B-I)で示される界面活性剤を、それらの重量に対し0.25〜8重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、より好ましくは0.75〜6.5重量%、特に1〜5.5重量%含有することが好ましい。
【0159】
式(I)で示される両性界面活性剤に加えてまたはその代わりに、本発明の毛髪処理剤は、両性界面活性剤として式(B-II):
【化70】

[式中、Rは、直鎖状または分枝状、飽和またはモノ不飽和またはポリ不飽和の、8〜24個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル残基を表す]
で示されるベタインを含有することができ、特に好ましい。
【0160】
これらの界面活性剤は、AmphoacetateのINCI名で既知であり、ヤシ脂肪酸から誘導させたものが好ましく、Cocoamphoactetateとして知られている。
【0161】
この種の界面活性剤は、製造上の理由のために、式(B-IIa):
【化71】

[式中、Rは、直鎖状または分枝状、飽和またはモノ不飽和またはポリ不飽和の、8〜24個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル残基を表し、Mは、カチオンを表す]
で示されるベタインも常に含有する。
【0162】
これらの界面活性剤は、AmphodiacetateのINCI名で既知であり、ヤシ脂肪酸から誘導させたものが好ましく、Cocoamphodiacetateとして知られている。
【0163】
以下に示す例の混合物である式(B-II)で示される界面活性剤が、本発明により特に好ましく使用される:
C−(CH)−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
C−(CH)−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
C−(CH)11−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
C−(CH)13−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
C−(CH)15−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
C−(CH)−CH=CH−(CH)−C(O)−NH−(CH)NH(CHCHOH)CHCHCOO
【0164】
式(B-II)で示される界面活性剤を、狭い量範囲で使用することが特に好ましい。ここで、本発明の剤は、式(B-II)で示される界面活性剤を、それらの重量に対して0.25〜8重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、より好ましくは0.75〜6.5重量%、特に1〜5.5重量%含有することが好ましい。
【0165】
つまり、本発明の毛髪処理剤は、式(B-I)および(B-II)において、残基Rが、HC−(CH)−、HC−(CH)−、HC−(CH)11−、HC−(CH)13−、HC−(CH)15−、HC−(CH)−CH=CH−(CH)−またはそれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0166】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシドである。したがって、本発明の毛髪処理剤は、非イオン性界面活性剤として、一般式RO−(Z)、[式中、Rはアルキルを表し、Zは糖を表し、および、xは糖単位の数を表す]で示されるアルキルポリグリコシドを含有することが好ましい。
【0167】
一般式RO−(Z)[式中、Rはアルキルを表し、Zは糖を表し、および、xは糖単位の数を表す]に相当するアルキルポリグリコシドが、本発明により好ましく使用される。式中のRが、実質的にCおよびC10アルキル基、実質的にC12およびC14アルキル基、実質的にC〜C16アルキル基または実質的にC12〜C16アルキル基または実質的にC16〜C18アルキル基からなるアルキルポリグリコシドが特に好ましい。
【0168】
いずれの単糖またはオリゴ糖も、糖構造単位Zとして使用することができる。5または6個の炭素原子を有する糖および対応するオリゴ糖が、通常使用される。このような糖は、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースである。好ましい糖構造単位は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好ましい。
【0169】
本発明により使用するためのアルキルポリグリコシドは、平均して1.1〜5個の糖単位を含有する。1.1〜2.0のx値を有するアルキルポリグリコシドが好ましい。xが1.1〜1.8であるアルキルグリコシドがきわめて好ましい。
【0170】
上記の界面活性剤に加えて、本発明の剤は、アニオン性、カチオン性および任意にさらなる両性または双性イオン性または非イオン性の界面活性剤をも含有することができる。
【0171】
特に好ましい本発明の毛髪処理剤は、カチオン性ケア物質として、第四級アンモニウム化合物および/またはエステルクオートおよび/またはアミドアミンの群から選択されるカチオン性界面活性剤を、それらの重量に対して0.05〜7.5重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.2〜3.5重量%、特に0.25〜2.5重量%含有するという特徴を有し、ここで好ましいカチオン性界面活性剤は、以下から選択される:
・アルキル残基において好ましくは10〜18個の炭素原子を有するアルキルトリメチルアンモニウムクロリド
・アルキル残基において好ましくは10〜18個の炭素原子を有するジアルキルジメチルアンモニウムクロリド
・アルキル残基において好ましくは10〜18個の炭素原子を有するトリアルキルメチルアンモニウムクロリド
・セチルトリメチルアンモニウムクロリド
・ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド
・ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド
・ラウリルジメチルアンモニウムクロリド
・ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
・トリセチルメチルアンモニウムクロリド
・クオタニウム−27
・クオタニウム−83
・N−メチル-N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−(ジ獣脂アシルオキシエチル)アンモニウムメトサルフェート
・N−メチル-N−(2-ヒドロキシエチル)−N,N−(ジステアロイルオキシエチル)アンモニウムメトサルフェート
・N,N−ジメチル−N,N−ジステアロイルオキシエチルアンモニウムクロリド
・N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−(脂肪酸エステルエチル)アンモニウムクロリド。
【0172】
さらなる任意成分として、本発明の剤は、カチオン性および/または両性ポリマーの群から選択される少なくとも1つのポリマーを、0.01〜10重量%含有することができる。これらは、優先権書類の第227〜231頁に記載されている。
【0173】
つまり、本発明の毛髪処理剤は、それらの重量に対し、0.05〜7.5重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.2〜3.5重量%、特に0.25〜2.5重量%のカチオン性ポリマーを含有することが好ましく、ここで、好ましいカチオン性ポリマーは、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(INCI:Polyquaternium-37)および/または四級化セルロース誘導体(INCI: Polyquaternium 10)および/またはカチオン性アルキルポリグリコシドおよび/またはカチオン化蜂蜜および/またはカチオン化グアール誘導体および/または高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩およびそれらとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマーおよび/またはビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体とのコポリマーおよび/またはビニルピロリドン−ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマーおよび/または第四級化ポリビニルアルコールおよび/またはポリクオタニウム2および/またはポリクオタニウム7および/またはポリクオタニウム17および/またはポリクオタニウム18および/またはポリクオタニウム24および/またはポリクオタニウム27から選択される。
【0174】
カチオン性ポリマーに加えてまたはその代わりに、本発明の剤は、両性ポリマーを含有することができる。本発明に関して好ましく使用することができる両性ポリマーは、実質的に、
A)一般式(Z-I):
【化72】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、水素またはメチル基を表し、R、RおよびRは、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、ZはNH基または酸素原子を表し、nは2〜5の整数であり、A(−)は有機または無機酸のアニオンである]
で示される、第四級アンモニウム基を有するモノマー、
および
B)一般式(Z-II):
【化73】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、水素またはメチル基である]
で示される、単量体カルボン酸
から構成される。
【0175】
適当な出発モノマーは、例えば、ZがNH基を表す場合、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびジエチルアミノエチルアクリルアミドであり、またはZが酸素原子を表す場合、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルアクリレートである。
【0176】
第三級アミノ基を含有するモノマーを、その後、既知の方法で四級化させる、ここで、アルキル化試薬として、メチルクロリド、ジメチルサルフェートまたはジエチルサルフェートが特に適する。四級化反応を、水性溶液中または溶媒中で行うことができる。
【0177】
アクリルアミドまたはメタクリルアミドの誘導体である、式(Z-I)で示されるようなモノマーが、有利に使用される。対イオンとしてハロゲン化物、メトキシサルフェートまたはメトキシサルフェートイオンまたはエトキシサルフェートイオンを含有するモノマーがさらに好ましい。R、RおよびRがメチル基である式(Z-I)で示されるようなモノマーも同様に好ましい。
【0178】
アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが、式(Z-l)で示されるきわめて好ましいモノマーである。
【0179】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸および2−メチルクロトン酸が、式(Z-II)で示される単量体カルボン酸として適当である。アクリル酸またはメタクリル酸、特にアクリル酸を使用することが好ましい。
【0180】
本発明により使用することができる双性イオン性ポリマーは、式(Z-I)および(Z-II)で示されるモノマーから、それ自体既知の重合方法によって製造される。上記重合を、水性または水性アルコール性溶液中のいずれかで行うことができる。アルコールとして、重合調節剤としても同時に働く1〜4個の炭素原子を有するアルコール、好ましくはイソプロパノールが使用される。しかしながら、調節剤として他の成分、例えばギ酸またはメルカプタン、例えばチオエタノールおよびチオグリコオール酸をモノマー溶液に加えることもできる。重合は、ラジカル形成物質を用いて開始される。酸化還元系および/またはアゾ化合物型の熱分解ラジカル形成剤、例えばアゾイソ酪酸ニトリル、アゾビス−(シアノペンタン酸)またはアゾビス−(アミジノプロパン)ジヒドロクロリドを、この目的のために使用することができる。過酸化水素、カリウムまたはアンモニウムペルオキソジサルフェートおよび第3級ブチルヒドロペルオキシドと還元成分として亜硫酸ナトリウム、ジチオン酸ナトリウムまたはヒドロキシルアミン塩酸塩との組合せが、例えば酸化還元系として適当である。
【0181】
重合を、等温的にまたは断熱条件下で行うことができ、ここで、重合で発生する熱のために、反応過程における温度範囲は濃度比に応じて20〜200℃の間で変化し得り、反応を、任意に、設定された過圧下で行う。反応温度は、20〜100℃が好ましい。
【0182】
共重合の間、pHは幅広い範囲で変化し得る。重合を低いpH値で行うことが有利であるが、中性点より高いpH値も可能である。重合の後、塩基水溶液、例えばナトリウム水酸化物溶液、水酸化カリウム溶液またはアンモニアで、pHを5〜10、好ましくは6〜8の値に調整する。重合方法に関するさらなる詳細は、実施例から得ることができる。
【0183】
式(Z-II)で示されるモノマーと比較して、式(Z-I)で示されるモノマーが過剰に存在するようなポリマーが特に有効であることが示された。したがって、本発明によれば、60:40〜95:5、特に75:25〜95:5のモル比の式(Z-I)で示されるモノマーおよび式(Z-II)で示されるモノマーからなるポリマーを使用することが好ましい。
【0184】
好ましい本発明の剤は、両性ポリマーがモノマーA)およびB)を含むという特徴を有し、ここで、A)およびB)は以下から選択される:
A)一般式(Z-I):
【化74】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、水素またはメチル基を表し、R、RおよびRは、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、ZはNH基または酸素原子を表し、nは2〜5の整数であり、A(−)は有機または無機酸のアニオンである]
で示される、第四級アンモニウム基を有するモノマー、
および
B)一般式(Z-II):
【化75】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、水素またはメチル基である]
で示される、単量体カルボン酸。
【0185】
本発明の剤において使用する両性ポリマーは、アルキルアンモニウム基を有するアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドの群から選択されるモノマーを含有することが特に有利である。アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはクロトン酸および/または2−メチルクロトン酸が、ポリマー中にさらに含まれるアニオン性基を有するモノマーとして、有効であることが示されている。
【0186】
つまり、本発明の剤は、両性ポリマーが、トリメチルアンモニウムエチルアクリルアミドおよび/またはトリメチルアンモニウムエチルメタクリルアミドおよび/またはトリメチルアンモニウムプロピルアクリルアミドおよび/またはトリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドおよび/またはトリメチルアンモニウムエチルアクリルアミドおよび/またはトリメチルアンモニウムエチルアクリレートおよび/またはトリメチルアンモニウムエチルメタクリレートおよび/またはトリメチルアンモニウムエチルアクリレートおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルアクリルアミドおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルメタクリルアミドおよび/またはエチルジメチルアンモニウムプロピルアクリルアミドおよび/またはエチルジメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルアクリルアミドおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルアクリレートおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルメタクリレートおよび/またはエチルジメチルアンモニウムエチルアクリレートのモノマーの少なくとも1つと、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはクロトン酸および/または−メチルクロトン酸のモノマーの少なくとも1つとのコポリマーであることが好ましい。
【0187】
本発明により特に好ましい両性ポリマーは、優先権書類の第235頁および第236頁に記載されている。
【0188】
本発明の剤は、さらなる成分として、1つ以上のアミノ酸を含有することが特に有利であり得る。本発明により、特に好ましく使用できるアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、s−アラニン、4-アミノ酪酸(GABA)、ベタイン、L−シスチン(L−cys)、L−カルニチン、L−シトルリン、L−テアニン、3',4'−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(L−ドーパ)、5'−ヒドロキシ−L−トリプトファン、L−ホモシステイン、S−メチル−L−メチオニン、S−アリル−L−システインスルホキシド(L−アリイン)、L−トランス−4−ヒドロキシプロリン、L−5−オキソプロリン(L−ピログルタミン酸)、L−ホスホセリン、クレアチン、3-メチル-L−ヒスチジン、L−オルニチンを含む群から由来し、ここで、個々のアミノ酸および混合物の両方を使用することができる。好ましい本発明の剤は、1つ以上のアミノ酸を、狭い量範囲で含有する。好ましい本発明の毛髪処理剤は、ケア物質として、好ましくはグリシンおよび/またはアラニン、および/またはバリンおよび/またはリジンおよび/またはロイシンおよび/またはトレオニンを含む群から選択される、アミノ酸を、それらの重量に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜2.5重量%、特に好ましくは0.05〜1.5重量%、より好ましくは0.075〜1重量%、特に0.1〜0.25重量%含有するという特徴を有する。
【0189】
さらに好ましい本発明の剤の成分群は、ビタミン、プロビタミンまたはビタミン前駆体である。つまり、本発明の毛髪処理剤は、ケア物質として、好ましくはA、B、C、E、FおよびHの群に割り当てられる、ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはビタミン前駆体を、それらの重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、特に好ましくは0.25〜3.5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%、特に0.5〜2.5重量%、さらに含有することが好ましく、ここで、好ましい剤は、パンテノール((±)−2,4−ジヒドロキシ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3,3−ジメチルブチルアミド、プロビタミンB5)および/またはパントテン酸(ビタミンB3、ビタミンB5)および/またはナイアシン、ナイアシンアミドまたはニコチンアミド(ビタミンB3)および/またはL−アスコルビン酸(ビタミンC)および/またはチアミン(ビタミンB1)および/またはリボフラビン(ビタミンB2、ビタミンG)および/またはビオチン(ビタミンB7、ビタミンH)および/または葉酸(ビタミンB9、ビタミンBcまたはビタミンM)および/またはビタミンB6および/またはビタミンB12を含有する。
【0190】
特定のキノンの使用により、フケ防止および抗抜け毛作用を増加させ、櫛通りおよびつやに関して効果がもたらされることがわかった。したがって、さらなる成分として、本発明の剤は、式(Ubi):
【化76】

[式中、X、Y、Zは、互いに独立して、−O−または−NH−またはNR−または化学結合を表し、
、R、Rは、互いに独立して、水素原子または任意に置換されたアリール基または任意に置換された(C−C)アルキル基またはヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基または任意に置換された(C−C)アルキレン基、または(C−C)アシル残基を表し、ここで、好ましい残基は、互いに独立して、以下から選択される:−H、−CH、−CHCH、−(CH)CH、−CH(CH)、−(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH)、−C(CH)
は、−CH、−CHCH、−(CH)CH、−CH(CH)、−(CH)CH、−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH)、−C(CH)
nは、1〜20、好ましくは2〜15、特に5、6、7、8、9、10の値を表す]
で示される少なくとも1つのバイオキノンを0.0001〜5重量%含有することができる。
【0191】
本発明により好ましい、式(Ubi)で示される化合物は、例えば優先権書類において(Ubi-1)〜(Ubi-7)の名称で開示されている化合物である。
【0192】
特に好ましい本発明の毛髪処理剤は、ケア物質として、少なくとも1つのユビキノンおよび/または少なくとも1つのユビキノールおよび/または少なくとも1つのこれらの物質の誘導体を、その重量に対し、0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは0.005〜0.1重量%含有するという特徴を有し、ここで、好ましい剤は、式中のnが、6、7、8、9または10、特に好ましくは10(コエンザイムQ10)である、式(Ubi)(上記参照)で示されるユビキノンを含有する。
【0193】
特に好ましいユビキノンの代わりとして、または、それに加えて、本発明の剤は、プラストキノンを含有することもできる。好ましい本発明の剤は、式(Ubi Ib):
【化77】

[式中、nは、1〜20、好ましくは2〜15、特に5、6、7、8、9、10の値を表す]
で示される少なくとも1つのプラストキノンを、0.0002〜4重量%、好ましくは0.0005〜3重量%、特に好ましくは0.001〜2重量%、より好ましくは0.0015〜1、特に0.002〜0.5重量%含有するという特徴を有し、ここで、剤が、式:
【化78】

で示されるプラストキノンPQ−9を含有することが特に好ましい。
【0194】
本発明の剤で処理した毛髪の内部構造の弾力性および強度を改善するために、本発明の剤は、プリンおよび/またはプリン誘導体を含有することができる。特に、プリンおよび/またはプリン誘導体とユビキノンおよび/またはプラストキノンとの組合せは、対応する剤で処理した毛髪が、とりわけ示唆熱分析においてより高い測定値を示し、改善された湿潤および乾燥櫛通り性を示す。
【0195】
したがって、本発明の剤は、さらなる成分として、プリンおよび/またはプリン誘導体を含有することができる。好ましい本発明の剤は、プリンおよび/またはプリン誘導体を、狭い量範囲で範囲で含有する。本発明により好ましい化粧品剤は、プリンおよび/またはプリン誘導体を、その重量に対して0.001〜2.5重量%、好ましくは0.0025〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量%含有するという特徴を有する。
【0196】
プリン、プリンおよびプリン誘導体のいくつかの例が、本発明により、特に好ましい。本発明により好ましい毛髪処理剤は、その重量に対し、0.001〜2.5重量%、好ましくは0.0025〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量%のプリンおよび/またはプリン誘導体を、ケア物質として含有するという特徴を有し、ここで、好ましい剤は、式(Pur I):
【化79】

[式中、残基R、RおよびRは、互いに独立して、−H、−OH、NH、−SHから選択され、残基R、RおよびRは、互いに独立して、−H、−CHおよび−CH−CHから選択され、次に示す化合物が好ましい:プリン(R=R=R=R=R=R=H)、アデニン(R=NH、R=R=R=R=R=H)、グアニン(R=OH、R=NH、R=R=R=R=H)、尿酸(R=R=R=OH、R=R=R=H)、ヒポキサンチン(R=OH、R=R=R=R5=R6=H)、6−プリンthiol(R=SH、R=R=R=R=R=H)、6−チオグアニン(R=SH、R=NH、R=R=R=R=H)、キサンチン(R=R=OH、R=R=R=R=H)、カフェイン(R=R=OH、R=H、R=R=R=CH)、テオブロミン(R=R=OH、R=R=H、R=R=CH)、テオフィリン(R=R=OH、R=H、R=CH、R=CH、R=H)]
で示されるプリンおよび/またはプリン誘導体を含有する。
【0197】
本発明の剤の所望する用途に応じて、プリン誘導体の種類と量を変えることができる。毛髪化粧品製剤において、例えばシャンプーにおいて使用することができるカフェインが、(それぞれの場合において、シャンプーに対して)0.005〜0.25重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%、特に0.01〜0.05重量%の量であることが特に効果的であることが示された。
【0198】
プリンまたはプリン誘導体とバイオキノンを、互いに所定の割合で使用することがさらに有利である。ここで、本発明の剤は、成分a)とb)の重量比が10:1〜1:100、好ましくは5:1〜1:50、特に好ましくは2:1〜1:20、特に1:1〜1:10であることが好ましい。
【0199】
すでに述べたように、カフェインは特に好ましいプリン誘導体であり、コエンザイムQ10は特に好ましいバイオキノンである。したがって、特に好ましい本発明の剤は、その重量に対して、0.001〜2.5重量%、好ましくは0.0025〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量%のカフェイン、および、0.0002〜4重量%、好ましくは0.0005〜3重量%、特に好ましくは0.001〜2重量%、より好ましくは0.0015〜1重量%、特に0.002〜0.5重量%のコエンザイムQ10を含有するという特徴を有する。
【0200】
本発明の剤は、さらなる成分として、単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類の群から選択される少なくとも1種の炭水化物を含有することができる。本発明により好ましい毛髪処理剤は、ケア成分として、その重量に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜4.5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%、より好ましくは0.5〜3.5重量%、特に0.75〜2.5重量%の、単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類の群から選択される炭水化物を含有するという特徴を有し、ここで、好ましい炭水化物は、単糖類、特にD−リボースおよび/またはD−キシロースおよび/またはL−アラビノースおよび/またはD−グルコースおよび/またはD−マンノースおよび/またはD−ガラクトースおよび/またはD−フルクトースおよび/またはソルボースおよび/またはL−フコースおよび/またはL−ラムノース、二糖類、特にスクロースおよび/またはマルトースおよび/またはラクトースおよび/またはトレハロースおよび/またはセロビオースおよび/またはゲンチオビオースおよび/またはイソマルトースから選択される。
【0201】
特に好ましい本発明の剤は、その重量に対して、
・カフェインを0.005〜0.015重量%およびグルコース一水和物を0.75〜1.5重量%、
・カフェインを0.005〜0.015重量%およびスクロースを0.75〜1.5重量%、
・カフェインを0.005〜0.015重量%およびフルクトースを0.75〜1.5重量%
含有する。
【0202】
すでに述べたように、好ましい本発明の剤はアミノ酸を含有する。
【0203】
本発明により特に好ましく使用することができるアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、β−アラニン、4−アミノ酪酸(GABA)、ベタイン、L−シスチン(L−cys)、L−カルニチン、L−シトルリン、L−テアニン、3',4'−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(L−ドーパ)、5'−ヒドロキシ−L−トリプトファン、L−ホモシステイン、S−メチル−L−メチオニン、S−アリル−L−システインスルホキシド(L−アリイン)、L−トランス−4−ヒドロキシプロリン、L−5−オキソプリン(L−ピログルタミン酸)、L−ホスフォセリン、クレアチン、3−メチル−L−ヒスチジン、L−オルニチンを含む群に由来し、個々のアミノ酸および混合物のいずれも使用することもできる。
【0204】
好ましい本発明の剤は、1種以上のアミノ酸を狭い量範囲で含有する。本発明により好ましい化粧剤は、アミノ酸、好ましくはグリシンおよび/またはアラニン、および/またはバリンおよび/またはリジンおよび/またはロイシンおよび/またはトレオニンを含む群から選択されるアミノ酸を0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、特に好ましくは0.15〜1重量%、特に0.2〜0.5重量%、さらに含有するという特徴を有する。
【0205】
特に好ましい本発明の剤は、その重量に対して、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のグルコース一水和物および0.1〜0.25重量%のグリシン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のスクロースおよび0.1〜0.25重量%のグリシン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のフルクトースおよび0.1〜0.25重量%のグリシン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のグルコース一水和物および0.1〜0.25重量%のアラニン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のスクロースおよび0.1〜0.25重量%のアラニン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のフルクトースおよび0.1〜0.25重量%のアラニン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のグルコース一水和物および0.1〜0.25重量%重量%のバリン、
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のスクロースおよび0.1〜0.25重量%のバリン
・0.005〜0.015重量%のカフェインおよび0.75〜1.5重量%のフルクトースおよび0.1〜0.25重量%のバリン
を含有する。
【0206】
本発明により好ましい剤は、ケア成分として、優先権書類の第245〜250頁に記載されている式(Fur-I)および/または式(Fur-II)で示される、少なくとも1種の2−フラノン誘導体を、その重量に対して0.01〜15重量%、好ましくは0.025〜12.5重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜7.5重量%、特に0.5〜5重量%含有する。
【0207】
本発明の教示のきわめて好ましい態様において、式(Fur-I)に対応する化合物として、ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2(3H)−フラノンを使用する。
【0208】
好ましく使用することができる、活性化特性を有するさらなるケア成分は、タウリンである。好ましい本発明の毛髪処理剤は、ケア成分として、タウリン(2−アミノエタンスルホン酸)を、その重量に対して0.01〜15重量%、好ましくは0.025〜12.5重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜7.5重量%、特に0.5〜5重量%含有する。
【0209】
ビサボロールおよび/またはビサボロールオキシドを、本発明の剤中において、さらに使用することも好ましい。ここで、本発明の毛髪処理剤は、ビサボロールおよび/またはビサボロールのオキシド、好ましくは(-)−アルファ−ビサボロールを、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜4重量%、特に好ましくは0.02〜2.5重量%、特に0.1〜1.5重量%、さらに含有することが好ましい。
【0210】
本発明の剤は、脱毛を防止し、緩和し、または治すさらなる物質をさらに含有することができる。毛根を安定化させる活性成分を含有させることが、特に有利である。つまり、本発明の化粧剤は、毛根安定化成分、特にミノキシジルおよび/またはフィナステリドおよび/またはケトコナゾールを、その重量に対して0.001〜5重量%、さらに含有することが好ましい。
【0211】
追加の抗フケ活性成分(例えばクリンバゾール、ピロクトンオラミンまたはピリチオン亜鉛)のために、フケを引き起こす真菌酵母の量が選択的に減少し、細菌フローラが通常の割合組成に戻り、生理的なレベルまで落屑が減少する。しかしながら、実験室での試験において、抗フケ活性成分に対して、あらゆる種類のピチロスポルムオバーレの例が、あらゆる達成を示した。したがって、フケを引き起こす全てと最大の効力で戦うために、抗フケ活性成分を組み合わせることが最も効果的である。
【0212】
つまり、本発明の毛髪処理剤は、その重量に対して0.001〜5重量%の抗フケ活性成分、特にピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)ピリジン−2(1H)−オン、2−アミノエタノールとの混合物、1:1)および/またはピリチオン亜鉛および/または硫化セレニウムおよび/またはクリンバゾールおよび/またはサリチル酸またはフマル酸を、さらに含有することが好ましい。
【0213】
本発明の剤は、このような製剤に対して既知の、あらゆる活性成分、添加剤および補助物質をさらに含有することができる。多くの場合において、剤は、アニオン性および双性イオン性の両方と共に少なくとも1つの界面活性剤を含有し、原則として、両性、非イオン性およびカチオン性界面活性剤が適当である。しかしながら、アニオン性、双性イオン性または非イオン性界面活性剤から界面活性剤を選択することが有利である場合が多いことがわかった。これらの界面活性剤は、すでに詳細に記載されている。
【0214】
さらなる好ましい態様において、本発明の剤は乳化剤(F)を含有することができる。本発明の剤は、乳化剤を、完成した剤に対して、好ましくは0.1〜25重量%、特に0.5〜15重量%の量で含有する。
【0215】
本発明の組成物は、8〜18のHLB値を有する少なくとも1種の非イオノゲン性乳化剤を含有することが好ましくあり得る。本発明によれば、10〜15のHLB値を有する非イオノゲン性乳化剤が特に好ましくあり得る。
【0216】
したがって、カチオン性および/または両性ポリマーの群から選択されるポリマーに加えて、さらなるポリマー(G)を、本発明の剤が含有する場合、有利であることがさらに示された。したがって、好ましい態様において、さらなるポリマーが本発明の剤に添加され、アニオン性および非イオン性ポリマーのいずれもが効果的であることがわかった。
【0217】
アニオン性ポリマー(G2)は、カルボキシル基および/またはスルホネート基を有するアニオン性ポリマーである。このようなポリマーを構成することができるアニオン性モノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。ここで、その酸基のいくつかまたは全てが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−またはトリエタノールアンモニウム塩として存在することができる。好ましいモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびアクリル酸である。
【0218】
唯一のモノマーとしてまたはコ−モノマーとして、スルホン酸基のいくつかまたは全てが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−またはトリエタノールアンモニウム塩として存在することができる2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含有するアニオン性ポリマーが、きわめて有効であることがわかった。
【0219】
例えばRheothik(登録商標)11-80の名称で市販されている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーが特に好ましい。
【0220】
この態様において、少なくとも1種のアニオン性モノマーおよび少なくとも1種の非イオノゲン性モノマーからなるコポリマーを使用することが好ましくあり得る。アニオン性モノマーに関する上記物質については述べられている。好ましい非イオノゲン性モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルエーテルおよびビニルエステルである。
【0221】
好ましいアニオン性コポリマーは、アクリル酸−アクリルアミドコポリマーと同様に、特にスルホン酸基を含有するモノマーとのポリアクリルアミドコポリマーである。特に好ましいアニオン性コポリマーは、アクリルアミド70〜55モル%および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸30〜45モル%からなり、ここで、スルホン酸基のいくつかまたは全てが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−またはトリエタノールアンモニウム塩として存在する。このコポリマーを架橋させることもでき、ここで、架橋剤として、ポリオレフィン系不飽和化合物、例えばテトラアリルオキシエタン、アリルスクロース、アリルペンタエリスリトールおよびメチレンビスアクリルアミドを使用することが好ましい。このようなポリマーは、SEPPIC社製の市販製品であるSepigel(登録商標)305に含まれている。ポリマー成分に加えて炭化水素(C13−C14イソパラフィン)および非イオノゲン性乳化剤(Laureth−7)の混合物を含有するこの化合物の使用は、本発明の教示に関して特に有利であることがわかった。
【0222】
イソヘキサデカンとの混合物としてSimulgel(登録商標)600の名称で販売されているナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマーおよびPolysorbate-80が、本発明により特に効果的であることもわかった。
【0223】
同様に、好ましいアニオン性ホモポリマーは、非架橋および架橋のポリアクリル酸である。ここで、ペンタエリスリトール、スクロースおよびプロピレンのアリルエーテルが、架橋剤として好ましくあり得る。このような化合物は、例えば、商標名Carbopol(登録商標)の名称で市販されている。
【0224】
無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマー、特に架橋を有するものは、同様に色を保持するポリマーである。1,9−デカジエンで架橋させたマレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーが、Stabileze(登録商標)QMの名称で市販されている。
【0225】
さらなる態様において、本発明の剤は、非イオノゲン性ポリマー(G4)を含有することができる。
【0226】
適当な非イオノゲン性ポリマーは、例えば以下である:
・ビニルピロリドン/ビニルエステルコポリマー、例えば商標名Luviskol(登録商標)(BASF);Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73の商標名で販売されており、これらのいずれも、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーであり、同様に好ましい非イオン性ポリマーである;
・セルロースセルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース、例えばCulminal(登録商標)およびBenecelR(登録商標)(AQUALON)、およびNatrosol(登録商標)タイプ(Hercules)の商標名で販売されているもの;
・デンプンおよびその誘導体、特にデンプンエーテル、例えばStructure(登録商標)XL(National Starch)、多官能性、耐塩性デンプン;
・シェラック;
・ポリビニルピロリドン、例えばLuviskol(登録商標)(BASF)の名称で市販されているもの;
・シロキサン。これらのシロキサンは、水溶性および非水溶性の両方であり得る。揮発性および不揮発性シロキサンの両方が適当であり、ここで、不揮発性シロキサンとは、常圧下での沸点が200℃より高い化合物であると理解される。好ましいシロキサンは、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばポリフェニルメチルシロキサン、エトキシ化ポリジアルキルシロキサンならびにアミンおよび/またはヒドロキシル基を含有するポリジアルキルシロキサンである;
・グリコシド置換されたシリコーン。
【0227】
本発明により、製剤が、同一の電荷および/またはイオン性および両性および/または非イオン性ポリマーの、複数、特に2種の異なるポリマーを含有することも可能である。
【0228】
追加のポリマー(G)を、本発明の剤に、完成した剤に対して0.05〜10重量%の量で含有させることが好ましい。0.1〜5、特に0.1〜3重量%の量が、特に好ましい。
【0229】
シリコーンは、特に好ましい成分の群である。
【0230】
好ましい本発明の剤は、少なくとも1種のシリコーン、好ましくは以下から選択されるシリコーンを含有するという特徴を有する:
(i)ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、これらは揮発性または不揮発性であり、直鎖状、分枝状または環状であり、架橋または非架橋である;
(ii)一般構造中に1以上の有機官能基を含有するポリシロキサン、これは次から選択される:置換または非置換のアミノ化基;(パー)フッ素化基;チオール基;カルボキシレート基;ヒドロキシレート基;アルコキシレート基;アシルオキシアルキル基;両性基;亜硫酸水素基;ヒドロキシアシルアミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;および硫酸基またはチオ硫酸基;
(iii)(A−B)型(ここでn>3)の、直鎖状ポリシロキサン(A)−ポリオキシアルキレン(B)ブロックコポリマー;
(iv)シリコーンを含有しない有機モノマーから形成させたシリコーン不含有の有機主鎖からなる有機骨格を有するグラフト化シリコーンポリマーであって、有機主鎖上の鎖中および任意に少なくとも1つの鎖末端において、少なくとも1種のポリシロキサンマクロマーをグラフト化させたグラフト化シリコーンポリマー;
(v)シリコーン不含有の有機モノマーをグラフト化させたポリシロキサン骨格を有するグラフト化シリコーンポリマーであって、ポリシロキサン主鎖上の鎖中および任意に少なくとも1つの鎖末端において、シリコーンを含有しない少なくとも1種の有機マクロマーをグラフト化させたポリシロキサン主鎖を有するグラフト化シリコーンポリマー;
またはそれらの混合物。
【0231】
特に好ましい本発明の剤は、シリコーンを、それぞれの場合において、完成した剤に対して好ましくは0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜7重量%、特に0.5〜5重量%の量で含有する。好ましいシリコーンを、以下に記載する。特に好ましい本発明の剤は、式Si-I:
【化80】

[式中、xは、0〜100、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜20、特に0〜10の数を表す]
で示される少なくとも1種のシリコーンを含有するという特徴を有する。これらのシリコーンは、DIMETHICONESのINCI名で既知である。
【0232】
本発明により使用するシリコーンは、20℃で0.2〜2mm−1の粘度を有することが好ましく、0.5〜1mm−1の粘度を有するシリコーンが特に好ましい。
【0233】
特に好ましい本発明の剤は、1種以上のアミノ官能性シリコーンを含有する。このようなシリコーンは、例えば式:
【化81】

[上記の式中、Rは1〜約6個の炭素原子を有する炭化水素または炭化水素残基であり、Qは一般式−RHZ(式中、Rは水素および残基Zに結合される2価の連結基であり、炭素および水素原子、炭素、水素および酸素原子または炭素、水素および窒素原子からなり、Zは少なくとも1つのアミノ官能基を含有する有機アミノ官能性残基である)で示される極性残基であり、「a」は約0〜約2の範囲の数をとり、「b」は約1〜約3の範囲の数をとり、「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1〜約3の範囲の数であり、xは1〜約2000、好ましくは約3〜約50、最も好ましくは約3〜約25の範囲の数であり、yは約20〜約10,000、好ましくは約125〜約10,000、最も好ましくは約150〜約1000の範囲の数であり、Mは先行技術において知られているような適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルキシである]
で記載することができる。Rで示される残基の非限定例として、アルキル残基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルおよび同様のもの;アルケニル残基、例えばビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリル;シクロアルキル残基、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび同様のもの;フェニル残基、ベンジル残基、ハロゲン化炭化水素残基、例えば3−クロロプロピル、4−ブロモブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルおよび同様のもの、および硫黄含有残基、例えばメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルおよび同様のものが挙げられ、Rは、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含むアルキル残基であり、最も好ましくはメチルである。Rの例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、−CHCH(CH)CH−、フェニレン、ナフチレン、−CHCHSCHCH−、−CHCHOCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−CHCH(CH)C(O)OCH−、−(CH)CC(O)OCHCH−、−C−、−CCH−;および−(CH)C(O)SCHCH−が挙げられる。
【0234】
Zは少なくとも1つの官能性アミノ基を含有する、有機、アミノ官能性残基である。Zについて考え得る式は、NH(CH)NH[式中、zは1以上である]である。Zについて考え得る他の式は、−NH(CH)(CH)zzNH[式中、zおよびzzの両方が、独立して、1以上である]であり、この構造はジアミノ環状構造、例えばピペラジニルを含む。Zは、−NHCHCHNH残基であることが最も好ましい。Zについて考え得る他の式は、−N(CH)(CH)zzNXまたは−NXであり、XのそれぞれのXは、独立して、水素および1〜12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、zzは0である。
【0235】
Qは、式−CHCHCHNHCHCHNHで示される、極性、アミン官能性残基であることが最も好ましい。式において、「a」は約0〜約2の範囲の値をとり、「b」は約2〜約3の範囲の値をとり、「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1〜約3の範囲の数である。RSiO(4−a−b)/2単位の、RSiO(4−c)/2単位に対するモル比は、約1:2〜1:65、好ましくは約1:5〜約1:65、最も好ましくは約1:15〜約1:20である。上記の式で示される1種以上のシリコーンを使用する場合、上記の式において異なる可変の置換基は、シリコーン混合物中に存在する異なるシリコーン成分中で異なり得る。
【0236】
好ましい本発明の剤は、式(Si-II):
【化82】

[式中、
・Gは、−H、フェニル基、−OH、−O−CH、−CH、−O−CHCH、−CHCH、−O−CHCHCH、−CHCHCH、−O−CH(CH)、−CH(CH)、−O−CHCHCHCH、−CHCHCHCH、−O−CHCH(CH)、−CHCH(CH)、−O−CH(CH)CHCH、−CH(CH)CHCH、−O−C(CH)、−C(CH)であり;
・aは0〜3の数、特に0を表し;
・bは0〜1の数、特に1を表し;
・mおよびnは、合計(m+n)が1〜2000、好ましくは50〜150である数であり、ここで、nは、好ましくは0〜1999、特に49〜149であり、mは、好ましくは1〜2000、特に1〜10である、
・R'は、−Q−N(R")−CH−CH−N(R")、−Q−N(R")、−Q−N(R")、−Q−NH(R")、−Q−N(R")A、−Q−N(R")−CH−CH−NR"Hから選択される1価の残基であり、ここで、Qは、それぞれ、化学結合、−CH−、−CH−CH−、−CHCHCH−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CHC(CH)−、−CH(CH)CHCH−を表し、
R"は、−H、−フェニル、−ベンジル、−CH−CH(CH)Ph、C1−20アルキル残基を含む群から選択される同一のまたは異なる残基を表し、好ましくは−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)、−CHCHCH、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−C(CH)であり、Aは、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物またはメトサルフェートから選択される、アニオンを表す]
で示されるアミノ官能性シリコーンを含有するという特徴を有する。
【0237】
特に好ましい本発明の剤は、式(Si−IIa):
【化83】

[式中、mおよびnは、合計(m+n)が1〜2000、好ましくは50〜150である数であり、ここで、nは、好ましくは0〜1999、特に49〜149であり、mは、好ましくは1〜2000、特に1〜10である]
で示される少なくとも1種のアミノ官能性シリコーンを含有するという特徴を有する。
【0238】
これらのシリコーンは、TrimethylsilylamodimethiconeのINCI名で既知である。
【0239】
本発明の剤は、式(Si-IIb):
【化84】

[式中、Rは、−OH、−O−CHまたは−CH基を表し、m、n1およびn2は、合計(m+n1+n2)が1〜2000、好ましくは50〜150である数であり、ここで、合計(n1+n2)は、好ましくは0〜1999、特に49〜149であり、mは、好ましくは1〜2000、特に1〜10である]
で示されるアミノ官能性シリコーンを含有することも特に好ましい。
【0240】
これらのシリコーンは、AmodimethiconeのINCI名で既知である。
【0241】
どのアミノ官能性シリコーンを使用するかにかかわらず、本発明の剤は、0.25meq/gより大きい、好ましくは0.3meq/gより大きい、特に0.4meq/gより大きいアミン値であるアミノ官能性シリコーンを含有することが好ましい。アミン値は、アミノ官能性シリコーン1gあたりのアミンのミリ当量を表す。これは、滴定により測定することができ、単位mg KOH/gで特定することもできる。
【0242】
好ましい本発明の剤は、アミノ官能性シリコーンを、その重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、特に好ましくは0.25〜7.5重量%、特に0.5〜5重量%含有するという特徴を有する。
【0243】
CYCLOMETHICONEのINCIで称される環状ジメチコンを、本発明に有利に用いることもできる。ここで、本発明の剤は式Si−III:
【化85】

[式中、xは3〜200、好ましくは3〜10、より好ましくは30〜7、特に3、4、5または6の数を表す]
で示される少なくとも1種のシリコーンを含有することが好ましい。
【0244】
上記のシリコーンは、−Si−O−Si単位から構成される骨格を有する。これらのSi−O−Si単位は、もちろん、炭素鎖によって遮られていてもよい。対応する分子を、サ延長反応により得ることができ、水中シリコーンエマルジョンの形態で使用することが好ましい。
【0245】
本発明により同様に好ましい剤は、式Si−IV:
【化86】

[式中、Rは、−H、−フェニル、−ベンジル、−CH−CH(CH)PhC1−20アルキル残基を含む群から選択される同一のまたは異なる残基を表し、好ましくは−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)、−CHCHCH、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−C(CH)であり、xおよびyは、0〜200、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜7、特に0、1、2、3、4、5または6の数を表し、nは、0〜10、好ましくは1〜8、特に2、3、4、5、6の数を表す]
で示される少なくとも1種のシリコーンを含有するという特徴を有する。
【0246】
シリコーンは水溶性であることが好ましい。好ましい本発明の剤は、少なくとも1種の水溶性シリコーンを含有するという特徴を有する。
【0247】
美的理由のために、「透明」の製品が消費者に好ましい場合がある。したがって、好ましい本発明の毛髪処理剤は、透明または半透明であるという特徴を有する。本発明に関連して透明または半透明とは、100未満のNTU値を有する組成物であることを意味すると理解される。NTU単位(ネフェロメトリック濁度単位)は、液体中での濁度測定のための単位であり、水処理において使用される。それは液体の濁度に対する単位であり、較正したネフェロメーターを用いて測定する。
【0248】
本発明の剤は、有利な特性を有し、同様にそれらで処理した毛髪に有利な特性を付与する。特に毛髪および頭皮の処理において、利点が見られた。したがって、本発明の毛髪処理剤は、それらで処理した毛髪の弾力性を増加させ、毛髪繊維の内部構造の強化をもたらし、それは、例えば示差熱分析におけるより高い溶融温度に反映される。
【0249】
湿潤および乾燥櫛通り性における改善および処理した毛髪における枝毛の早期形成の防止も見られる。本発明の剤は、皮膚、特に頭皮における弾力性の増加、および、驚くべきことに皮脂調整作用をもたらす。このため、「脂ぎった」皮膚または毛髪の視覚的印象が防止または軽減される。
【0250】
すでに何度か述べたように、本発明の組成物は、毛髪処理剤、特にスタイリング剤であることが好ましい。特に好ましい本発明の組成物は、スタイリングゲル、ポンプ作動ヘアスプレー、エアゾールヘアスプレー、ポンプ作動ヘアフォームまたはエアゾールヘアフォームとして製剤化されているという特徴を有する。
【0251】
本発明は、ケラチン性繊維を一時的に整形するための方法も提供し、ここで、本発明の化粧品組成物を、ポンプ作動ヘアスプレー、エアゾールヘアスプレー、ポンプ作動ヘアフォーム、エアゾールヘアフォームまたはスタイリングゲルとして毛髪に塗布し、手の平および/または指で、毛髪内に任意に作用させる。
【0252】
上記で述べたように、この方法で使用する組成物は、好ましくは弱酸性から酸性のpHを有する。その後、中性から弱アルカリ性で前処理することにより、OからNへのアシル転移を可能にし、アンモニウム基をアミノ基に変換することができ、ケラチン繊維に長時間持続して固着できるようになる。
【0253】
したがって、好ましい本発明の方法は、本発明の組成物を毛髪中へ作用させた後に、6.5〜11、好ましくは7〜10.5、より好ましくは7.5〜10.5、特に8〜9.5のpHを有するさらなる組成物で毛髪を処理するという特徴を有する。
【0254】
組成物を、その後、毛髪から洗い流すことが好ましい。ここで、本発明の方法は、30〜1200秒、好ましくは60〜900秒、特に好ましくは120〜750秒、特に180〜600秒の接触時間の後に、さらなる組成物を毛髪から洗い流すことが好ましい。
【0255】
本発明の剤に関して述べた全てのことを、必要な変更を伴い、本発明の方法のさらに好ましい態様に適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中、Rは、H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化2】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化3】

を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるイオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を、適当な担体中に含有する化粧品組成物。
【請求項2】
一般式(I-a):
【化4】

[式中、RおよびXは、上記で定義したものである]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
一般式(I-b):
【化5】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、
H原子または−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化6】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化7】

を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンまたはm回荷電されるアニオンのm番目部分、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、1/2硫酸塩、1/3クエン酸塩、1/3リン酸塩、メトサルフェート、p−トルエンスルホネートを表す]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
一般式(I-c):
【化8】

[式中、R、RおよびXは、上記で定義したものである]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
一般式(I-d):
【化9】

[式中、R、RおよびXは、上記で定義したものであり、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の値を表す]
で示される少なくとも1種の構造単位を有する少なくとも1種の物質を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
式(II):
【化10】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化11】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化12】

から選択される]
で示される少なくとも1種の物質を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
式(III):
【化13】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化14】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化15】

から選択され、
kは1〜100、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
式(IV):
【化16】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化17】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化18】

から選択され、
kは1〜50、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
式(V):
【化19】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、R、RおよびRは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化20】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化21】

から選択され、
mは1〜50、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
式(VI):
【化22】

[式中、R、R、nおよびXは、上記で定義したものであり、残基R、R、Rおよび、Rは、互いに独立して、
−H、−CH、−CH(CH)、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH
−CH−COOH、−CHCH−COOH、−CH−CO(NH)、−CHCH−CO(NH)、CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCH−S−CH、−(CH)−N、−(CH)−NH−C=N(NH)、
【化23】

−CH−S−S−CH−CH(NH)COOH、−(CH)NH−C(O)NH、−CHCHC(O)NH(CHCH)、−CHCH−SH、−CH−S(O)−CH−CH=CH、−CH−OPO、−CHCHCHNH
【化24】

から選択され、
mは1〜100、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の値を表す]
で示される少なくとも1種の物質を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
上記で定義した一般式(I)で示される少なくとも1種の構造単位を含有する物質が、250〜100,000gmol−1、好ましくは500〜50,000gmol−1、より好ましくは750〜25,000gmol−1、特に1000〜10,000gmol−1のモル質量を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
上記で定義した一般式(I)で示される少なくとも1種の構造単位を含有する物質を、組成物の重量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.0025〜7.5重量%、より好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜4重量%、より好ましくは0.05〜3重量%、特に0.1〜3重量%含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の化粧品組成物を、ポンプ作動ヘアスプレー、エアゾールヘアスプレー、ポンプ作動ヘアフォーム、エアゾールヘアフォームまたはスタイリングゲルとして毛髪に塗布し、任意に手の平および/または指で毛髪内に作用させる、ケラチン性繊維を一時的に整形するための方法。
【請求項14】
組成物を毛髪中へ作用させた後に、6.5〜11、好ましくは7〜10.5、より好ましくは7.5〜10.5、特に8〜9.5のpHを有するさらなる組成物で毛髪を処理する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
30〜1200秒、好ましくは60〜900秒、特に好ましくは120〜750秒、特に180〜600秒の接触時間の後に、さらなる組成物を毛髪から洗い流す、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2012−527418(P2012−527418A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511205(P2012−511205)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051372
【国際公開番号】WO2010/133382
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【Fターム(参考)】