化粧料用二重容器
【課題】定形的に収縮する内容器部を外容器部を介して観察することで内容器部の収縮度合いから内容物の残存量の変化を知ることができる化粧料用二重容器を提供する。
【解決手段】化粧料用二重容器は、定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首30付きでほぼ有底円筒状の内容器部18aと、内容器部18を収容する外容器部20を備え、内容器部18aが、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部20が、内容器部18aの少なくとも一部を観察可能な観察機構を有する。定形変形機構は、例えば、18a内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する、リブ24からなる変形阻止構造である。
【解決手段】化粧料用二重容器は、定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首30付きでほぼ有底円筒状の内容器部18aと、内容器部18を収容する外容器部20を備え、内容器部18aが、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部20が、内容器部18aの少なくとも一部を観察可能な観察機構を有する。定形変形機構は、例えば、18a内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する、リブ24からなる変形阻止構造である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体化粧量を収容する容器として、内容物を定量吐出するディスペンサーを備え、パウチ袋を内容器としてこの内容器を外容器で覆った二重容器や、多層構造の容器の内層が収縮するデラミ容器等がある(例えば、特許文献1参照)。また、例えば内容器と外容器の間に圧縮ガスを充填することで内容器を加圧して内容物を吐出させるエアゾール容器もある。
【0003】
これらの二重構造の容器は、使用によって内容物である化粧料の残存量が減少するのに伴って、内容器がいびつな不定形形状に押しつぶされた形態となり、見苦しい。このこともあって、通常、外容器を不透明な材料で形成し、内容器を直視できないようにしている。
【0004】
また、液体化粧量は、保存時に可視光に触れ、あるいは保存時に温度が上昇すると、内容物が品質劣化するものが多い。このため、上記の二重容器の場合であれば、外容器を不透明とするとともに必要に応じて内容器をも不透明にして遮光することにより、内容物を保護している。
【特許文献1】特開平8−85556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来の化粧料用二重容器は、いずれも、外容器を不透明な材料で形成しており、内容器を目視することができないため、使用によって減少する化粧料の残存量を、手に容器を持ったときの容器の重量変化の感触や容器を振ったときの音等の感覚で漠然と判断することができるに過ぎず、直接的に確認することができない。また、このため、使用時に容器が突然に空になって困ることも起こりえる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、定形的に収縮する内容器部を外容器部を介して観察することで内容器部の収縮度合いから内容物の残存量の変化を知ることができる化粧料用二重容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る化粧料用二重容器は、定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首付きでほぼ有底円筒状の内容器部と、該内容器部を収容する外容器部を備えた化粧料用二重容器であって、該内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、該外容器部が、該内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部に設けられる直線状のリブであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部に収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて前記直線部を内側から支持する支持部材であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部と前記外容器部の内面とを接着する接着部であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブ、または該側面に設けられる螺旋状リブであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の底面が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されてなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の底面が、直線状のシール部に形成されてなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の前記側面と前記首との接続部がテーパ状に形成されてなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記観察機構が、不透明な外容器部に設けられた、前記内容器部の側面を透視できる窓であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る化粧料用二重容器は、内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部が、内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有するため、定形的に収縮する内容器部の変形状態を外容器部を介して観察することで、内容器部に収容される液体化粧料の残存量の変化を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0020】
基本構成を図1に示すように、本実施の形態に係る化粧料用二重容器10は、定量吐出機構12を用いた吐出により内容物(中味)である液体化粧量14が減少するのに伴って収縮する、首(頸部)16付きでほぼ有底円筒状の内容器部18と、内容器部18を収容する外容器部20を備え、内容器部18が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部20が、内容器部18の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有する。
内容物である液体化粧量14は、特に限定するものではなく、例えば、美容液、乳液、ヘアトリートメント等の広範囲の粘度のものを用いることができる。
化粧料用二重容器10の定量吐出機構12の種類は特に限定するものではなく、例えばディスペンサーを用いることができる。また、化粧料用二重容器10は、例えばディスペンサーによって内容物である液体化粧量14が定量吐出されることにより、外容器部20に形成された、例えば孔部22を介して外容器部20と内容器部18の間の隙間Cに侵入する外気によって、内容器部18が押圧されて収縮する。内容器部18は、例えば、半透明や不透明な、光透過を抑制する材料で形成されることで、内容物である液体化粧料14を保護、隠蔽することができる。また、化粧料用二重容器10を例えばレフィル対応容器や高粘度用容器として用いる場合は、内容器部18を透明材料で形成してもよい。
このとき、従来の化粧料用二重容器であれば、円筒形に形成された内容器部がいびつな不定形形状に、言い換えれば不規則に押しつぶされた形態となり、仮に外容器部を透明材料で形成して透視したときに見苦しい。また、内容器部が不定形に変形するため、変形状態を見て液体化粧料の残存量の変化を知ることは容易ではない。これに対して、本実施の形態に係る化粧料用二重容器10は、定形変形機構(あるいは規則的変形機構)によって内容器部18の側面が定形的に、言い換えれば規則的に変形するため、見苦しさはなく、むしろ一定の美観を奏する。このため、外容器部20に内容器部18の側面の少なくとも一部を観察可能な観察機構を設けても不都合がない。そして、内容物である液体化粧料14を直接透視することができない内容器部18の収縮変形状態を、観察機構によって観察することで、内容器部18に収容される液体化粧料14の残存量の変化を知ることができ、不意に液体化粧料14の残存量が零となるような不都合を生じることがない。また、これにより、液体化粧料14を最後まで使い切ったという感覚を得ることができる。
【0021】
以下、本実施の形態に係る化粧料用二重容器について、具体例を挙げてさらに説明する。
【0022】
本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器は、前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有するものである。
【0023】
例えば図2および図3に示す第一実施例の内容器部18aは、水平視でほぼ等間隔に離間し(図2参照)、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造として、それぞれの直線部に直線状のリブ24が設けられる。なお、変形阻止構造を設ける内容器部18aの側面の直線部を3本として、これに対応する3本のリブ24を設けると、後述するように、内容器部18aが収縮したときに、リブ24を設けた箇所以外の側面26が内部空間が完全になくなる程度にまでほぼ完全に収縮するため、もっとも好ましいが、これに限らず側面の線を4本以上としてこれに対応する4本以上のリブを設けてもよい。
このような、リブ24は、例えばリブ24を成形するための凹部をキャビテイに設けた金型で樹脂をブロー成形して内容器部18aを成形することで容易に得ることができる。また、ブロー成形法によって成形した内容器部18aは、一定の剛性、強度を有するリブ24と、十分に収縮して内容物である液体化粧料14を確実に押し出すことのできる、リブ24を除く、肉厚の薄い側面26を適度の強度バランスで形成することができる。ただし、これに限らず、内容器部18aをブロー成形以外の他の成形法で成形してもよく、あるいはまた、成形した内容器部18aの外面にリブを固着等してもよい。
リブを含む内容器部の成形に用いる樹脂の種類は特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PE同士の積層品、PP同士の積層品、ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体(PVOH)の積層品等を好適に用いることができる。積層品を用いる場合、好ましくは、中間層に遮光性の高いグレー色を配置する。
また、内容器部は、リブを除き、液体化粧料を収容した状態で破壊しない程度の強度を持ち、内容器部の内部が真空となったときに外部からの気圧で十分に変形する程度の強度とする必要があるが、この強度は、用いる樹脂の種類の選定と形成する内容器部の厚みを選定することで設定することができる。内容器部の厚みは、例えば、200μm〜600μm程度とする。一方、リブについては、内容器部の内部が真空となったときにおいても変形しない程度の強度を持つことが必要であり、例えば、リブの幅を0.5mm〜3mm程度、リブの高さを0.5mm〜3m程度とすることで、実現することができる。
【0024】
また、内容器部18aは、底面28が外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成される。ただし、これに代えて、底面を直線状のシール部に形成してもよく、あるいはまた他の形状、例えば円形状の底面の外周にリブ等の肉厚の厚い部分を設けた形状等してもよい。また、底部を三角柱の底面に凹部を有する形状としてもよい。これら、内容器部の底面の形態については、以下に説明する他の実施の形態や実施例についても同様である。
また、内容器部18aは、側面26と首30との接続部がテーパ状に形成される(図2中、矢印T部分)。ただし、この接続部を他の形状としてもよい。この接続部の形態については、以下に説明する他の実施の形態や実施例についても同様である。
【0025】
上記のように構成される第一実施例の内容器部18aは、使用によって内容物である液体化粧量14が減少すると、図4および図5に示すように、内容器部18aがリブ24を残して他の側面の部分が収縮して、いわば絞った筒状となる。このため、外容器部に設けた観察機構によって内容器部18aを観察するときに顕著な見苦しさがない。そして、観察機構によって内容器部18aの収縮状態を観察することで、液体化粧量14の残存量の変化を知ることができる。
なお、この場合、内容器部を多角円筒状に形成し、その角部にリブを設けると、内容器部が収縮する際にリブの変形をより確実に阻止することができる。
また、第一実施例の内容器部18aは、底面28が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されるため、収縮時に側面26と底面28が連続的に変形し、異形部分を生じることがない。また、底面28を直線状のシール部や円形状の底面の外周にリブ等の肉厚の厚い部分を設けた形状等とすると、内容器部が収縮する際に底面は原形が実質的にそのまま保持される。
また、第一実施例の内容器部18aは、側面26と首30との接続部がテーパ状に形成されるため、収縮時に側面26と側面26に続く首30の接続部分が連続的に変形し、異形部分を生じることがない。
【0026】
つぎに、本実施の形態の第一の例の第二実施例は、定形変形機構として設けられる変形阻止構造が、図6に示すように、内容器部18bに収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて内容器部18bの側面の軸方向に延出する直線部を内側から支持する支持部材32である。支持部材32を内容器部18bに収容する方法としては、例えば、底面の無い内容器部に支持部材32を底側から挿入した後、内容器部に底面を形成する等の適宜の方法を用いることができる。なお、この場合、内容器部18bは、液体化粧料を収容した状態で破壊しない程度の強度を持ち、内容器部の内部が真空となったときに外部からの気圧で十分に変形する程度の強度を持てばよく、例えば、内容器部の厚みを200μm〜600μm程度とすることで、これを実現することができる。
上記第二実施例の内容器部18aは、支持部材32が第一実施例のリブ24と同様の作用効果を奏する。
【0027】
つぎに、本実施の形態の第一の例の第三実施例は、定形変形機構として設けられる変形阻止構造が、図7に示すように、内容器部18cの側面の軸方向に延出する直線部を外容器部20aの内面と接着する接着部34である。この場合、内容器部の強度は、上記第二実施例と同様でよい。
上記第三実施例の化粧料用二重容器は、接着部34が第一実施例のリブ24と同様の作用効果を奏する。
【0028】
つぎに、本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器は、図8に示すように、化粧料用二重容器の前記定形変形機構が、内容器部18dの側面26に所定間隔離間して設けられる複数の環状のリブ36である。環状リブ36の本数に特に限定はないが、少なくとも3本以上設けることが好ましく、また、内容器部18dの長さ(深さ)が長くなるに連れて適宜本数を増やすことが好ましい。
このような、リブ36は、本実施の形態の第一の例の第一の実施例と同様に、例えばリブ36を成形するための凹部をキャビテイに設けた金型でブロー成形して内容器部18dを成形することで容易に得ることができる。また、ブロー成形法によって成形した内容器部18dは、一定の剛性、強度を有するリブ36と、十分に収縮して内容物である液体化粧料14を確実に押し出すことのできる、リブ36を除く、肉厚の薄い側面26を適度のバランスで形成することができる。ただし、これに限らず、内容器部18dをブロー成形以外の他の成形法で成形してもよく、あるいはまた、成形した内容器部18dの外面にリブを固着等してもよい。また、この場合、内容器部の強度は、前記本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例と同様でよい。
【0029】
上記のように構成される本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部18dは、使用によって内容物である液体化粧量が減少すると、図9に示すように、内容器部18dが蛇腹状に収縮する。このため、外容器部に設けた観察機構によって内容器部18dを観察するときに顕著な見苦しさがない。そして、観察機構によって内容器部18aの収縮状態を観察することで、液体化粧量の残存量の変化を知ることができる。
本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部18dにおいて、環状リブ36に代えて、螺旋状リブを設けてもよい。
【0030】
つぎに、本実施の形態に係る化粧料用二重容器の外容器部に設けられる、内容器部の側面の少なくとも一部を観察可能な観察機構について具体例を挙げてさらに説明する。
【0031】
まず、本実施の形態の第三の例に係る化粧料用二重容器の前記観察機構は、外容器部を透視可能な透明または半透明な材料で形成したものである。この観察機構は、前記した各実施の形態例や実施例に適宜適用できる。
これにより、使用によって内容物である液体化粧量が減少することに伴って収縮する内容器部の収縮状態を外容器部を通して観察することで、内容器部に収容される液体化粧料の残存量の変化を確認することができる。
なお、外容器部を形成する材料は特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂を用いることができる。また、外容器部の厚みは、樹脂の種類にもよるが、外部からの衝撃等によって破壊しない程度の、例えば、0.8mm以上とすることができる。なお、厚みの上限は特になく、例えば2mm程度にしてもよく、意匠上、さらに厚くしてもよい。
【0032】
つぎに、本実施の形態の第四の例に係る化粧料用二重容器の前記観察機構は、不透明な外容器部に設けられた、内容器部の側面を透視できる窓である。この観察機構は、前記した各実施の形態例や実施例に適宜適用できる。
この場合、窓は、外容器部に形成された開口であってもよく、あるいはまた、外容器部の一部に設けられた透明部であってもよい。
例えば、本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の場合であれば、図10に示すように、外容器部20bの高さ方向(深さ方向)中央部分に窓38aを設けると、内容器部18aの収縮状態をより的確に観察することができる。ただし、これに限定するものではない。
一方、本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の場合であれば、図11に示すように、外容器部20cの高さ方向(深さ方向)に延出するスリット上の窓38bを設けると、内容器部18dが液体化粧料の減少に応じて高さ方向(深さ方向)に順次収縮する様子を確実に観察することができる。ただし、これに限定するものではない。
なお、外容器部を形成する材料は特に限定するものではなく、例えば上記本実施の形態の第三の例と同様の樹脂を用い、この樹脂を適宜の手段で着色したものであってもよく、あるいはまた、適宜の金属材料であってもよい。
【0033】
以上説明した本実施の形態例に係る化粧料用二重容器は、使用済みの内容器部を新品の内容器部と交換可能な着脱構造とすると、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態例に係る化粧料用二重容器の基本構成を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側面図である。
【図2】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図3】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部を説明するためのものであり、内容器の図2中III−III線上断面図である。
【図4】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図5】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器の図4中V−V線上断面図断面図である。
【図6】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第二実施例の内容器部を説明するためのものであり、支持部材を透視して示した内容器部の斜視図である。
【図7】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第三実施例を説明するためのものであり、化粧料用二重容器を径方向に切断して示す断面図である。
【図8】本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図9】本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図10】本実施の形態の第三の例に係る化粧料用二重容器の観察機構を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側断面図である。
【図11】本実施の形態の第四の例に係る化粧料用二重容器の観察機構を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 化粧料用二重容器
12 定量吐出機構
14 液体化粧量
16、30 首
18、18a、18b、18c、18d 内容器部
20、20a、20b 外容器部
24 リブ
26 側面
28 底面
32 支持部材
34 接着部
36 環状リブ
38a、38b 窓
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体化粧量を収容する容器として、内容物を定量吐出するディスペンサーを備え、パウチ袋を内容器としてこの内容器を外容器で覆った二重容器や、多層構造の容器の内層が収縮するデラミ容器等がある(例えば、特許文献1参照)。また、例えば内容器と外容器の間に圧縮ガスを充填することで内容器を加圧して内容物を吐出させるエアゾール容器もある。
【0003】
これらの二重構造の容器は、使用によって内容物である化粧料の残存量が減少するのに伴って、内容器がいびつな不定形形状に押しつぶされた形態となり、見苦しい。このこともあって、通常、外容器を不透明な材料で形成し、内容器を直視できないようにしている。
【0004】
また、液体化粧量は、保存時に可視光に触れ、あるいは保存時に温度が上昇すると、内容物が品質劣化するものが多い。このため、上記の二重容器の場合であれば、外容器を不透明とするとともに必要に応じて内容器をも不透明にして遮光することにより、内容物を保護している。
【特許文献1】特開平8−85556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来の化粧料用二重容器は、いずれも、外容器を不透明な材料で形成しており、内容器を目視することができないため、使用によって減少する化粧料の残存量を、手に容器を持ったときの容器の重量変化の感触や容器を振ったときの音等の感覚で漠然と判断することができるに過ぎず、直接的に確認することができない。また、このため、使用時に容器が突然に空になって困ることも起こりえる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、定形的に収縮する内容器部を外容器部を介して観察することで内容器部の収縮度合いから内容物の残存量の変化を知ることができる化粧料用二重容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る化粧料用二重容器は、定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首付きでほぼ有底円筒状の内容器部と、該内容器部を収容する外容器部を備えた化粧料用二重容器であって、該内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、該外容器部が、該内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部に設けられる直線状のリブであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部に収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて前記直線部を内側から支持する支持部材であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部と前記外容器部の内面とを接着する接着部であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブ、または該側面に設けられる螺旋状リブであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の底面が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されてなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の底面が、直線状のシール部に形成されてなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記内容器部の前記側面と前記首との接続部がテーパ状に形成されてなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る化粧料用二重容器は、好ましくは、前記観察機構が、不透明な外容器部に設けられた、前記内容器部の側面を透視できる窓であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る化粧料用二重容器は、内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部が、内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有するため、定形的に収縮する内容器部の変形状態を外容器部を介して観察することで、内容器部に収容される液体化粧料の残存量の変化を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0020】
基本構成を図1に示すように、本実施の形態に係る化粧料用二重容器10は、定量吐出機構12を用いた吐出により内容物(中味)である液体化粧量14が減少するのに伴って収縮する、首(頸部)16付きでほぼ有底円筒状の内容器部18と、内容器部18を収容する外容器部20を備え、内容器部18が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、外容器部20が、内容器部18の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有する。
内容物である液体化粧量14は、特に限定するものではなく、例えば、美容液、乳液、ヘアトリートメント等の広範囲の粘度のものを用いることができる。
化粧料用二重容器10の定量吐出機構12の種類は特に限定するものではなく、例えばディスペンサーを用いることができる。また、化粧料用二重容器10は、例えばディスペンサーによって内容物である液体化粧量14が定量吐出されることにより、外容器部20に形成された、例えば孔部22を介して外容器部20と内容器部18の間の隙間Cに侵入する外気によって、内容器部18が押圧されて収縮する。内容器部18は、例えば、半透明や不透明な、光透過を抑制する材料で形成されることで、内容物である液体化粧料14を保護、隠蔽することができる。また、化粧料用二重容器10を例えばレフィル対応容器や高粘度用容器として用いる場合は、内容器部18を透明材料で形成してもよい。
このとき、従来の化粧料用二重容器であれば、円筒形に形成された内容器部がいびつな不定形形状に、言い換えれば不規則に押しつぶされた形態となり、仮に外容器部を透明材料で形成して透視したときに見苦しい。また、内容器部が不定形に変形するため、変形状態を見て液体化粧料の残存量の変化を知ることは容易ではない。これに対して、本実施の形態に係る化粧料用二重容器10は、定形変形機構(あるいは規則的変形機構)によって内容器部18の側面が定形的に、言い換えれば規則的に変形するため、見苦しさはなく、むしろ一定の美観を奏する。このため、外容器部20に内容器部18の側面の少なくとも一部を観察可能な観察機構を設けても不都合がない。そして、内容物である液体化粧料14を直接透視することができない内容器部18の収縮変形状態を、観察機構によって観察することで、内容器部18に収容される液体化粧料14の残存量の変化を知ることができ、不意に液体化粧料14の残存量が零となるような不都合を生じることがない。また、これにより、液体化粧料14を最後まで使い切ったという感覚を得ることができる。
【0021】
以下、本実施の形態に係る化粧料用二重容器について、具体例を挙げてさらに説明する。
【0022】
本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器は、前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有するものである。
【0023】
例えば図2および図3に示す第一実施例の内容器部18aは、水平視でほぼ等間隔に離間し(図2参照)、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造として、それぞれの直線部に直線状のリブ24が設けられる。なお、変形阻止構造を設ける内容器部18aの側面の直線部を3本として、これに対応する3本のリブ24を設けると、後述するように、内容器部18aが収縮したときに、リブ24を設けた箇所以外の側面26が内部空間が完全になくなる程度にまでほぼ完全に収縮するため、もっとも好ましいが、これに限らず側面の線を4本以上としてこれに対応する4本以上のリブを設けてもよい。
このような、リブ24は、例えばリブ24を成形するための凹部をキャビテイに設けた金型で樹脂をブロー成形して内容器部18aを成形することで容易に得ることができる。また、ブロー成形法によって成形した内容器部18aは、一定の剛性、強度を有するリブ24と、十分に収縮して内容物である液体化粧料14を確実に押し出すことのできる、リブ24を除く、肉厚の薄い側面26を適度の強度バランスで形成することができる。ただし、これに限らず、内容器部18aをブロー成形以外の他の成形法で成形してもよく、あるいはまた、成形した内容器部18aの外面にリブを固着等してもよい。
リブを含む内容器部の成形に用いる樹脂の種類は特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PE同士の積層品、PP同士の積層品、ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体(PVOH)の積層品等を好適に用いることができる。積層品を用いる場合、好ましくは、中間層に遮光性の高いグレー色を配置する。
また、内容器部は、リブを除き、液体化粧料を収容した状態で破壊しない程度の強度を持ち、内容器部の内部が真空となったときに外部からの気圧で十分に変形する程度の強度とする必要があるが、この強度は、用いる樹脂の種類の選定と形成する内容器部の厚みを選定することで設定することができる。内容器部の厚みは、例えば、200μm〜600μm程度とする。一方、リブについては、内容器部の内部が真空となったときにおいても変形しない程度の強度を持つことが必要であり、例えば、リブの幅を0.5mm〜3mm程度、リブの高さを0.5mm〜3m程度とすることで、実現することができる。
【0024】
また、内容器部18aは、底面28が外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成される。ただし、これに代えて、底面を直線状のシール部に形成してもよく、あるいはまた他の形状、例えば円形状の底面の外周にリブ等の肉厚の厚い部分を設けた形状等してもよい。また、底部を三角柱の底面に凹部を有する形状としてもよい。これら、内容器部の底面の形態については、以下に説明する他の実施の形態や実施例についても同様である。
また、内容器部18aは、側面26と首30との接続部がテーパ状に形成される(図2中、矢印T部分)。ただし、この接続部を他の形状としてもよい。この接続部の形態については、以下に説明する他の実施の形態や実施例についても同様である。
【0025】
上記のように構成される第一実施例の内容器部18aは、使用によって内容物である液体化粧量14が減少すると、図4および図5に示すように、内容器部18aがリブ24を残して他の側面の部分が収縮して、いわば絞った筒状となる。このため、外容器部に設けた観察機構によって内容器部18aを観察するときに顕著な見苦しさがない。そして、観察機構によって内容器部18aの収縮状態を観察することで、液体化粧量14の残存量の変化を知ることができる。
なお、この場合、内容器部を多角円筒状に形成し、その角部にリブを設けると、内容器部が収縮する際にリブの変形をより確実に阻止することができる。
また、第一実施例の内容器部18aは、底面28が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されるため、収縮時に側面26と底面28が連続的に変形し、異形部分を生じることがない。また、底面28を直線状のシール部や円形状の底面の外周にリブ等の肉厚の厚い部分を設けた形状等とすると、内容器部が収縮する際に底面は原形が実質的にそのまま保持される。
また、第一実施例の内容器部18aは、側面26と首30との接続部がテーパ状に形成されるため、収縮時に側面26と側面26に続く首30の接続部分が連続的に変形し、異形部分を生じることがない。
【0026】
つぎに、本実施の形態の第一の例の第二実施例は、定形変形機構として設けられる変形阻止構造が、図6に示すように、内容器部18bに収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて内容器部18bの側面の軸方向に延出する直線部を内側から支持する支持部材32である。支持部材32を内容器部18bに収容する方法としては、例えば、底面の無い内容器部に支持部材32を底側から挿入した後、内容器部に底面を形成する等の適宜の方法を用いることができる。なお、この場合、内容器部18bは、液体化粧料を収容した状態で破壊しない程度の強度を持ち、内容器部の内部が真空となったときに外部からの気圧で十分に変形する程度の強度を持てばよく、例えば、内容器部の厚みを200μm〜600μm程度とすることで、これを実現することができる。
上記第二実施例の内容器部18aは、支持部材32が第一実施例のリブ24と同様の作用効果を奏する。
【0027】
つぎに、本実施の形態の第一の例の第三実施例は、定形変形機構として設けられる変形阻止構造が、図7に示すように、内容器部18cの側面の軸方向に延出する直線部を外容器部20aの内面と接着する接着部34である。この場合、内容器部の強度は、上記第二実施例と同様でよい。
上記第三実施例の化粧料用二重容器は、接着部34が第一実施例のリブ24と同様の作用効果を奏する。
【0028】
つぎに、本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器は、図8に示すように、化粧料用二重容器の前記定形変形機構が、内容器部18dの側面26に所定間隔離間して設けられる複数の環状のリブ36である。環状リブ36の本数に特に限定はないが、少なくとも3本以上設けることが好ましく、また、内容器部18dの長さ(深さ)が長くなるに連れて適宜本数を増やすことが好ましい。
このような、リブ36は、本実施の形態の第一の例の第一の実施例と同様に、例えばリブ36を成形するための凹部をキャビテイに設けた金型でブロー成形して内容器部18dを成形することで容易に得ることができる。また、ブロー成形法によって成形した内容器部18dは、一定の剛性、強度を有するリブ36と、十分に収縮して内容物である液体化粧料14を確実に押し出すことのできる、リブ36を除く、肉厚の薄い側面26を適度のバランスで形成することができる。ただし、これに限らず、内容器部18dをブロー成形以外の他の成形法で成形してもよく、あるいはまた、成形した内容器部18dの外面にリブを固着等してもよい。また、この場合、内容器部の強度は、前記本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例と同様でよい。
【0029】
上記のように構成される本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部18dは、使用によって内容物である液体化粧量が減少すると、図9に示すように、内容器部18dが蛇腹状に収縮する。このため、外容器部に設けた観察機構によって内容器部18dを観察するときに顕著な見苦しさがない。そして、観察機構によって内容器部18aの収縮状態を観察することで、液体化粧量の残存量の変化を知ることができる。
本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部18dにおいて、環状リブ36に代えて、螺旋状リブを設けてもよい。
【0030】
つぎに、本実施の形態に係る化粧料用二重容器の外容器部に設けられる、内容器部の側面の少なくとも一部を観察可能な観察機構について具体例を挙げてさらに説明する。
【0031】
まず、本実施の形態の第三の例に係る化粧料用二重容器の前記観察機構は、外容器部を透視可能な透明または半透明な材料で形成したものである。この観察機構は、前記した各実施の形態例や実施例に適宜適用できる。
これにより、使用によって内容物である液体化粧量が減少することに伴って収縮する内容器部の収縮状態を外容器部を通して観察することで、内容器部に収容される液体化粧料の残存量の変化を確認することができる。
なお、外容器部を形成する材料は特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂を用いることができる。また、外容器部の厚みは、樹脂の種類にもよるが、外部からの衝撃等によって破壊しない程度の、例えば、0.8mm以上とすることができる。なお、厚みの上限は特になく、例えば2mm程度にしてもよく、意匠上、さらに厚くしてもよい。
【0032】
つぎに、本実施の形態の第四の例に係る化粧料用二重容器の前記観察機構は、不透明な外容器部に設けられた、内容器部の側面を透視できる窓である。この観察機構は、前記した各実施の形態例や実施例に適宜適用できる。
この場合、窓は、外容器部に形成された開口であってもよく、あるいはまた、外容器部の一部に設けられた透明部であってもよい。
例えば、本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の場合であれば、図10に示すように、外容器部20bの高さ方向(深さ方向)中央部分に窓38aを設けると、内容器部18aの収縮状態をより的確に観察することができる。ただし、これに限定するものではない。
一方、本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の場合であれば、図11に示すように、外容器部20cの高さ方向(深さ方向)に延出するスリット上の窓38bを設けると、内容器部18dが液体化粧料の減少に応じて高さ方向(深さ方向)に順次収縮する様子を確実に観察することができる。ただし、これに限定するものではない。
なお、外容器部を形成する材料は特に限定するものではなく、例えば上記本実施の形態の第三の例と同様の樹脂を用い、この樹脂を適宜の手段で着色したものであってもよく、あるいはまた、適宜の金属材料であってもよい。
【0033】
以上説明した本実施の形態例に係る化粧料用二重容器は、使用済みの内容器部を新品の内容器部と交換可能な着脱構造とすると、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態例に係る化粧料用二重容器の基本構成を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側面図である。
【図2】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図3】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部を説明するためのものであり、内容器の図2中III−III線上断面図である。
【図4】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図5】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第一実施例の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器の図4中V−V線上断面図断面図である。
【図6】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第二実施例の内容器部を説明するためのものであり、支持部材を透視して示した内容器部の斜視図である。
【図7】本実施の形態の第一の例に係る化粧料用二重容器の第三実施例を説明するためのものであり、化粧料用二重容器を径方向に切断して示す断面図である。
【図8】本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図9】本実施の形態の第二の例に係る化粧料用二重容器の内容器部が収縮する状態を説明するためのものであり、内容器部の側面図である。
【図10】本実施の形態の第三の例に係る化粧料用二重容器の観察機構を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側断面図である。
【図11】本実施の形態の第四の例に係る化粧料用二重容器の観察機構を説明するためのものであり、化粧料用二重容器の側面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 化粧料用二重容器
12 定量吐出機構
14 液体化粧量
16、30 首
18、18a、18b、18c、18d 内容器部
20、20a、20b 外容器部
24 リブ
26 側面
28 底面
32 支持部材
34 接着部
36 環状リブ
38a、38b 窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首付きでほぼ有底円筒状の内容器部と、該内容器部を収容する外容器部を備えた化粧料用二重容器であって、
該内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、
該外容器部が、該内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有することを特徴とする化粧料用二重容器。
【請求項2】
前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有することを特徴とする請求項1記載の化粧料用二重容器。
【請求項3】
前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部に設けられる直線状のリブであることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項4】
前記変形阻止構造が、前記内容器部に収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて前記直線部を内側から支持する支持部材であることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項5】
前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部と前記外容器部の内面とを接着する接着部であることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項6】
前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブ、または該側面に設けられる螺旋状リブであることを特徴とする請求項1記載の化粧料用二重容器。
【請求項7】
前記内容器部の底面が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項8】
前記内容器部の底面が、直線状のシール部に形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項9】
前記内容器部の前記側面と前記首との接続部がテーパ状に形成されてなることを特徴とする請求項7または8記載の化粧料用二重容器。
【請求項10】
前記観察機構が、前記外容器部を透視可能な透明または半透明な材料で形成したものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項11】
前記観察機構が、不透明な外容器部に設けられた、前記内容器部の側面を透視できる窓であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項1】
定量吐出機構を用いた吐出により内容物である液体化粧量が減少するのに伴って収縮する、首付きでほぼ有底円筒状の内容器部と、該内容器部を収容する外容器部を備えた化粧料用二重容器であって、
該内容器部が、側面を定形的に変形させる定形変形機構を有し、
該外容器部が、該内容器部の少なくとも一部を観察可能な観察機構を有することを特徴とする化粧料用二重容器。
【請求項2】
前記定形変形機構が、前記内容器部の、水平視でほぼ等間隔に離間し、側面の軸方向に延出する少なくとも3つの直線部の変形を実質的に阻止する変形阻止構造を有することを特徴とする請求項1記載の化粧料用二重容器。
【請求項3】
前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部に設けられる直線状のリブであることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項4】
前記変形阻止構造が、前記内容器部に収容して用いられ、水平視で軸心から多突起状に形成されて前記直線部を内側から支持する支持部材であることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項5】
前記変形阻止構造が、前記内容器部の前記直線部と前記外容器部の内面とを接着する接着部であることを特徴とする請求項2記載の化粧料用二重容器。
【請求項6】
前記定形変形機構が、前記内容器部の前記側面に所定間隔離間して設けられる複数の環状リブ、または該側面に設けられる螺旋状リブであることを特徴とする請求項1記載の化粧料用二重容器。
【請求項7】
前記内容器部の底面が、外に向けて突出するほぼ球殻形状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項8】
前記内容器部の底面が、直線状のシール部に形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項9】
前記内容器部の前記側面と前記首との接続部がテーパ状に形成されてなることを特徴とする請求項7または8記載の化粧料用二重容器。
【請求項10】
前記観察機構が、前記外容器部を透視可能な透明または半透明な材料で形成したものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【請求項11】
前記観察機構が、不透明な外容器部に設けられた、前記内容器部の側面を透視できる窓であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧料用二重容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−189315(P2008−189315A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22176(P2007−22176)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
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