説明

化粧造作部材の製造方法

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、外観に優れ、加工時の突板の剥離や、熱や水の影響による突板の剥離を抑制できる化粧造作部材を連続的に生産でき、従来よりも生産性を向上させることを可能にした化粧造作部材の製造方法を提供することである。
【解決手段】
本発明は基材上に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、該塗布面に突板を載置し、次いで前記突板の上に平板を載置して得られたものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性ホットメルト接着剤を用いて基材と突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築分野では、基材の保護と美観性の向上を目的として、木材、合板、パーチクルボード、MDF等の基材に、化粧紙、塩化ビニルシート、突板等の化粧材を貼り合わせた化粧造作部材を、床材、壁材及び天井材等として使用することが多い。特に、基材に突板を接着した化粧造作部材は、高級感のある外観を有することからその需要が高まっている。
【0003】
しかし、突板は天然木を薄くスライスしたものであるから、大気中の温度及び湿度条件によって、しわが生じたり、力を加えた場合にひび割れしやすいという問題がある。したがって、通常、基材に化粧紙を貼り合わせる工程として採用されている方法、即ち接着剤を塗布した化粧紙を連続的に基材に貼り合わせる方法と同様の方法で前記突板を基材に貼り合わせようとすると、突板のひび割れ等が生じてしまい、得られる化粧造作部材の外観不良を引き起こす場合があった。
【0004】
外観不良を引き起こさずに突板と基材とを貼り合わせる方法は、従来より検討がなされており、例えば、基材にカルボキシル基を有するエチレン酢酸ビニル共重合エマルジョン、有機系増量剤、及びオキサゾリン環を有するポリマーを含有する水系接着剤を用いて天然木薄単板と木質系ボードを熱圧接着させる天然木化粧木質板の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、前記突板と基材とを貼り合わせた化粧造作部材の需要が高まるなかで、特許文献1に記載の方法、即ち合板状に水系接着剤を塗布し、その表面に突き板を重ね合わせホットプレスで圧力を加えながら熱プレスする方法では、化粧造作部材を連続的に大量生産することが困難である。また、接着後の化粧造作部材の表面には、塗装や切削等の加工が施される場合が多いが、前記水性接着剤は初期接着性が十分でなく、更には最終硬化するまでにある程度長い時間を要する為、突板と基材とが十分に接着する前に前記加工を施すと、加工時の応力や熱等によって突板が剥離してしまう場合がある。前記加工時の突板の剥離を防止するためには、前記熱圧接着後の化粧造作部材を、堆積プレス等によって圧締した状態で、目安として約1〜2日程度養生させる必要があるが、該方法では、化粧造作部材の生産性の向上、即ち生産工程の効率化を図ることができないという問題がある。
【0006】
一方で、予め加熱処理と冷却処理とを交互に繰り返し行った突板を、ホットメルト型接着剤で合板に貼り合わせる床材の製造方法によれば、耐クラック性を有する塗装面を有する床材を製造できることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
しかし、特許文献2に記載の方法では、床材表面のひび割れ等を防止するために、予め突板に加熱処理と冷却処理とを施すという煩雑な作業工程が必要となる為、化粧造作部材の生産性を向上させることは困難である。また、特許文献2に記載の方法は、ホットプレスを用いた貼り合わせ方法、即ちバッチ式のフラットホットプレス法によるものであると考えられ、化粧造作部材を連続的に生産できる方法ではないことから、かかる方法では、化粧造作部材の生産性を向上させることは困難である。
【0008】
【特許文献1】特開2003−147309号公報
【特許文献2】特開2004−216811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、外観に優れ、加工時の突板の剥離や、熱や水の影響による突板の剥離を抑制できる化粧造作部材を連続的に生産でき、従来よりも生産性を向上させることを可能にした化粧造作部材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、化粧造作部材の生産性を向上させるための各種検討を行い、基材表面に接着剤として加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、その塗布面に突板を載置したものをロールプレス法やベルトプレス法により圧締することで、前記基材と突板とを貼り合わせることを検討したところ、化粧造作部材を連続的に生産性できることを見出した。
【0011】
しかし、前記方法で得られた化粧造作部材の表面には、突板由来のしわやひび割れが一部分で発生し、得られる化粧造作部材の外観が損なわれるという問題があった。
【0012】
そこで、発明者等は、基材と突板とをロールプレス法等によって圧締する際の、基材や突板に対する垂直方向以外の圧力負荷が、突板に発生するしわやひび割れの大きな要因となっていることに着目し検討を進め、突板と基材との圧締を、平板を介して行うことで、前記問題を解決し、外観に優れた化粧造作部材を連続的に生産できることを見出した。
【0013】
即ち、本発明は基材上に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、該塗布面に突板を載置し、次いで前記突板の上に平板を載置して得られた積層物を、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外観に優れ、突板の剥離を抑制できる化粧造作部材を連続的に生産でき、従来よりも生産性を向上させることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、基材に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布することによって基材表面に接着剤層を形成し、次いで該接着剤層の上、即ち接着剤塗布面に突板を重ね、更にこの突板の上に平板を重ねたものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することによって、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、平板上に突板を置き、その突板の表面、即ち基材を貼り合わせる面に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布することにより接着剤層を形成し、次いで該接着剤層の上、即ち接着剤塗布面に基材を重ねたものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することによって、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法である。
【0017】
本発明では、プレスロール等を用いて基材と突板とを貼り合わせる際に、平板を使用するところに特徴を有するものである。
平板を使用しない場合、即ち基材表面に前記加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、その塗布面に突板を重ねたものをプレスロールなどで圧締した場合、得られる化粧造作部材の表面に突板由来のひび割れやしわが生じる場合がある。
そこで、圧締時に前記平板を使用することにより、前記突板と基材とのズレを引き起こす方向に働く力を緩和でき、化粧造作部材表面の突板由来のひび割れやしわの発生を抑制することができる。
【0018】
反応性ホットメルト接着剤を基材に塗布する方法としては、各種方法が挙げられるが、ロールコーターで塗布する方法が好ましい。ロールコーターによれば、前記基材がロールコーターと接触した場合のみ、前記基材上に前記反応性ホットメルト接着剤が塗布され、ロールコーターが前記基材から離れることで、塗布を停止することができる。したがって、ロールコーターによる反応性ホットメルト接着剤の塗布方法は、基材がシート状の巻物の様に連続したものでなく、一定の間隔を空けて間欠投入される様な板状のものである場合に適した塗布方法である。また、前記ロールコーターによる塗布方法は、スプレーやダイコーターによる塗布方法と異なり、基材の幅方向のサイズが変更した場合に、装置の設定を変更することなく塗布することができる。
【0019】
前記ロールコーターのロールは、反応性ホットメルト接着剤が溶融する温度以上に調整されている必要があり、その温度は、使用する反応性ホットメルト接着剤により異なるが、概ね100〜130℃であることが好ましい。前記反応性ホットメルト接着剤の塗布量は、接着性とコスト等を考慮すると、50〜200g/mの範囲が好ましい。前記ロールコーターの温度及び前記反応性ホットメルト接着剤の基材への塗布量が、かかる範囲内であれば、基材に塗布された前記反応性ホットメルト接着剤が適度な粘着性を発現し、良好な初期接着強さ及び最終接着強さを発現することができる。
【0020】
次に、基材の接着剤塗布面に突板を載置し、さらに前記基材と前記突板とを貼り合わせる部分を完全に覆う大きさの平板を重ね、4層からなる複層物を形成する。前記複層物は基材、反応性ホットメルト接着剤、突板、平板を順に重ね合わせることによって得られる。前記圧締工程の前段階では、前記複層物を構成する前記突板と前記基材とは、前記反応性ホットメルト接着剤によって完全に固着されていない。該複層物は、例えば2個のロールからなる一対のプレスロールを少なくとも1つ有するプレス機の、ロールの間に搬送され、ロールとロールの間を通過する際に圧力が加えられる。その結果、前記突板と前記基材とが十分に固着され、圧締後、前記平板を取り除くことによって外観等に優れた化粧造作部材を得ることができる。
【0021】
前記圧締工程は、前記複層物を構成する基材が下側の状態で行っても良く、また前記平板が下側の状態で行っても良い。つまり、平板上に載置した突板表面に加熱溶融させた反応性ホットメルトを塗布し、その塗布面に基材を重ねて得られた複層物を、前記同様の方法で圧締し、圧締後に平板を取り除くことによっても化粧造作部材を得ることができる。
【0022】
前記圧締工程では、前記1対のプレスロールの代わりに、2個のプレスベルトからなる1対のプレスベルトを有するプレス機を使用し、ベルトプレス法により圧締しても良い。前記プレスベルトは、例えばゴムなどの樹脂や金属、皮などからなるベルトと、それを回転させる複数のロールとから構成されるものである。
【0023】
前記圧締工程で使用できるプレス機は、前記複層物を圧締するうえで少なくとも1対の前記プレスロール又はプレスベルトを有することが必要であるが、得られる化粧造作部材表面に生じうる突板の剥離を防止するうえで2対以上有するものを使用することが好ましい。
【0024】
前記圧締工程は、基材と突板とを反応性ホットメルト接着剤により完全に接着させるうえで必要な工程である。このとき、前記プレスロール等によって前記複層物に加えられる圧力は、1〜30MPaの範囲であることが好ましく、10〜20MPaであることがより好ましい。
【0025】
前記プレスロールとしては、例えば鉄などの金属や、ゴム及びナイロンなどの樹脂からなるものを使用することができる。
【0026】
前記プレスロール、及び前記プレスベルトを構成するロールの直径は、50mm〜1000mmの範囲であることが好ましい。前記範囲内の直径を有するロールを使用することにより、得られる化粧造作部材表面の突板の剥離を抑制することができる。
【0027】
本発明の製造方法によって得られた化粧造作部材は、突板由来の表面に塗装や切削等の加工を施すことができる。本発明で得られた化粧造作部材は、前記切削等の加工を施す前に1〜2日間養生させる必要が無く、突板と基材とを本発明の方法で貼り合わせた後に、常温、常湿度下でわずか1〜2時間養生させるだけで、化粧造作部材の表面に塗装や切削等の加工を施しても、突板の基材からの剥離を抑制することができる。
【0028】
本発明の製造方法によれば、基材と突板とを連続的に貼り合わせることが可能となり、従来のバッチ式のフラットホットプレス法と比較して、得られる化粧造作部材の生産性を著しく向上させることができる。また、本発明の製造方法によって得られる化粧造作部材は、突板のひび割れやしわのない、良好な外観を有し、加工時の突板の剥離や、熱や水などの影響による突板の剥離を抑制できるものである。
【0029】
本発明の製造方法で得られた化粧造作部材は、突板のひび割れやしわがなく、外観の優れたものであるから、例えば床、天井、壁などの化粧造作部材として使用することができる。
【0030】
次に、本発明で使用する平板について説明する。
本発明において平板を使用することは、前記プレスロール等で基材と突板とを貼り合わせる際の突板由来のしわやひび割れの発生を抑制するうえで重要である。前記圧締工程において平板を使用すると、前記プレスロール等により基材や突板に対して垂直方向以外の方向にはたらく圧力を抑制でき、得られる化粧造作部材の表面に発生しうる突板由来のしわやひび割れを十分に抑制することができる。
【0031】
本発明で使用する平板は、その表面が平滑な板状のものであり、その表面に0.5N/mm以下の応力が加えられても変形しないものが好ましい。ここで変形とは、平板の表面に対して垂直方向に0.5N/mmの力を加えた際に、平板の表面が部分的に変形し平板の平滑性が損なわれることをいう。
前記平板としては、例えば金属、樹脂、木材、セメント等で構成される板状の成形物やこれらの複合材からなるものを使用することが好ましい。
前記平板に使用できる金属としては、例えば、鉄、アルミ、ステンレス、鋼板が挙げられる。
また、樹脂としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂や、繊維強化プラスチック(FRP)等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0032】
前記平板としては、1mm〜100mmの厚さを有するものを使用することが好ましく、1.5mm〜50mmのものを使用することが好ましい。前記範囲の厚さを有する平板を使用することによって、得られる化粧造作部材表面に発生しうる突板由来のしわやひび割れを抑制することができ、また、平板の良好な取り扱い性を維持できる。
【0033】
前記平板は、前記基材と前記突板とを貼り合わせる範囲を完全に覆う表面積を有するものが好ましい。
【0034】
次に、本発明で使用する基材及び突板について説明する。
【0035】
本発明で使用する基材としては、例えば木材、合板、パーチクルボード、MDF(ミディアムデンシティファイバーボード)等の木質基材、ベークライト、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、FRP、塩化ビニル等の樹脂からなる基材、ステンレス、鋼板等の金属基材、珪酸カルシウム板、スレート板、石膏ボード等の窯業系基材及びこれらの複合基材等を使用することができる。前記基材の形状は、突板を貼り合わせる面及びそれと反対側の面とが平行な平面であり、例えば四角柱や円柱であっても良い。
【0036】
本発明で使用できる突板としては、例えば楢、椛、オーク、栓等の天然木を、約0.15mm〜1.2mm程度の厚さで薄く削りだしたものを使用することができる。また、前記突板の裏面、即ち前記基材と貼り合わせる面に、不織布や、ポリエチレンテレフタレート等からなるフィルム等を貼り合わせたものを使用することもできる。また、前記突板としては、複数の種類の木材を積層して得られる木質基材を、積層面から90°方向に約0.15mm〜1.2mm程度の厚さで薄く削りだしたものを使用することもできる。
【0037】
次に、本発明で使用する反応性ホットメルト接着剤について説明する。
【0038】
本発明で使用する反応性ホットメルト接着剤は、常温では固体であるが加熱によって溶融して塗布可能となり、溶融状態で塗布し、冷えると固化し接着性を発現する性質を有するものである。
【0039】
前記反応性ホットメルト接着剤は、溶融状態の樹脂が冷却する際の、樹脂の凝集力により、優れた初期接着強さを発現することができる。また、前記反応性ホットメルト接着剤は、硬化する際に架橋反応するため、最終接着強さに優れ、熱や水の影響により接着強さの低下が起こりにくい、いわゆる耐熱性及び耐水性に優れた接着層を形成できる。
【0040】
前記反応性ホットメルト接着剤は、約100〜130℃という比較的低温で溶融状態になる。そのため、前記反応性ホットメルト接着剤で基材と突板とを貼り合わせる際の、熱による基材等への悪影響、例えば基材の変形や変色等を最小限に抑制することができる。
【0041】
本発明で使用できる反応性ホットメルト接着剤としては、例えば、反応性官能基としてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含んでなる湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤、反応性官能基としてアルコキシシリル基を有するウレタンプレポリマーを含んでなるシラン架橋型反応性ホットメルト接着剤、紫外線や電子線で反応する官能基を有する化合物を含んでなる紫外線硬化型反応性ホットメルト接着剤や電子線硬化型反応性ホットメルト接着剤等が挙げられ、これらを単独で使用又は2種以上併用して使用することができる。
【0042】
前記反応性ホットメルト接着剤のなかでも、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含んでなる湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を使用することが、優れた初期接着強さ、最終接着強さ、及び硬化後の耐熱性等を発現できることから好ましい。
【0043】
前記湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤としては、例えば分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーや、必要に応じて分子末端にアルコキシシリル基を有するウレタンプレポリマー等を含有するものを使用することができる。なお、一般に、ウレタンプレポリマーとは、比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても、数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを含むものである。
【0044】
前記したウレタンプレポリマーのなかでも、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤は、前記イソシアネート基が突板中に含まれる水分(湿気)と反応し、最終接着強さ及び硬化後の耐熱性等を発現できることから好ましい。
【0045】
本発明で使用できるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、以下に説明する各種のポリオールとポリイソシアネートとを、前記ポリイソシアネートの有するイソシアネート基が、前記ポリオールの有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって製造することができる。
【0046】
前記ポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、多価アルコール及びこれらの共重合物等が挙げられ、これらを単独で使用又は2種以上併用することができる。
【0047】
前記ポリオールとしては、ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、直鎖脂肪族ジオールと直鎖脂肪族ジカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール等を使用することができる。
【0048】
前記直鎖脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、10−デカンジオール等を使用することができ、好ましくは1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールを使用することができる。
【0049】
前記直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等を使用することができ、好ましくはセバシン酸、ドデカメチレンジカルボン酸を使用することができる。
【0050】
前記直鎖脂肪族ジオールと前記直鎖脂肪族ジカルボン酸との組み合わせは、適時選択することができるが、例えば、前記直鎖脂肪族ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを、前記直鎖脂肪族ジカルボン酸としてアジピン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸又はセバシン酸を反応させて得られる長鎖脂肪族ポリエステルポリオール等の40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0051】
前記40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールは、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10〜60質量%使用することが好ましく、10〜35質量%使用することがより好ましい。前記40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールを前記範囲内だけ使用することによって、得られる化粧造作部材を構成する接着剤層の初期接着性や接着強度、耐久性(耐熱性等)を向上させることができる。
【0052】
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用できるポリエステルポリオールとしては、前記40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールに、−70℃〜−10℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルポリオールを併用して使用することが好ましい。前記−70℃〜−10℃の範囲のガラス転移温度を有するポリエステルポリオールは、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10〜60質量%の範囲で使用すること好ましい。前記範囲内の−70℃〜−10℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルポリオールを併用して得られる反応性ホットメルトウレタン接着剤は、好適な長さのオープンタイムを有することから、前記圧締工程で発生しうる化粧造作部材表面の突板由来のしわやひび割れを抑制でき、且つ接着剤層の耐熱性を向上させることができることから好ましい。
【0053】
前記−70℃〜−10℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルポリオールとしては、例えばジカルボン酸成分としてo−フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸を、ジオール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等を適時組み合わせ、縮合反応させて得られるものを使用することができる。
【0054】
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用できるポリオールとしては、ポリエーテルポリオールを使用することもできる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、低分子量アルコール、前記ポリエステルポリオールなど公知の各種ポリオールを開始剤として使用し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びスチレンオキサイドなどから選ばれる1種又は2種以上を、開環重合させて得られる開環重合物が挙げられる。また、得られた開環重合物のうちのポリエーテル系ジオールにγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどを付加して得られる開環付加重合物等も使用することができる。
【0055】
前記ポリエーテルポリオールは、前記40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールと併用して使用することが好ましく、このとき使用できるポリエーテルポリオールとしては、−10℃〜−70℃の範囲のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましい。−10℃〜−70℃の範囲のガラス転移温度を有するポリエーテルポリオールは、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10〜60質量%の範囲で使用することが好ましく、20〜45質量%の範囲で使用することが、得られる化粧造作部材表面に発生しうる突板由来のしわやひび割れを抑制でき、且つ接着剤層の耐熱性を向上させることができることからより好ましい。
【0056】
また、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用できるポリオールとしては、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールを使用することもできる。前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールとしては、例えば芳香族ポリカルボン酸と低分子量の脂肪族ポリオールとを縮合反応させて得られたものを使用することができる。
【0057】
前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールを製造する際に使用できる前記芳香族ポリカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などが挙げられ、それらを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
【0058】
前記低分子量の脂肪族ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等を使用することができる。
【0059】
前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールとしては、前記低分子量の脂肪族ポリオールとしてエチレングリコールやネオペンチルグリコールを、前記芳香族ポリカルボン酸としてイソフタル酸やテレフタル酸を適時組み合わせ、縮合反応させて得られるポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0060】
前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールは、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオールとして、前記40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールと、前記−10℃〜−70℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルポリオール又は前記−10℃〜−70℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶性ポリエーテルポリオールとを併用して使用することが好ましい。この時、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールは、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10〜40質量%の範囲で使用することが好ましく、10〜15質量%の範囲で使用することが、好適な初期接着強さとオープンタイムとを発現させるうえでより好ましい。
【0061】
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用できる前記ポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネート、及びこれらのカルボジイミド変性体等が挙げられ、これらを単独で使用又は2種以上併用することができる。これらのなかでも、加熱溶融時の蒸気圧が低い前記4,4’−MDIや2,4−MDIを使用することが好ましい。
【0062】
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオールとポリイソシアネートとの使用割合は、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と前記ポリオールが有する水酸基との当量比(以下、[イソシアネート基/水酸基]の当量比という。)が、1.1〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0の範囲内であることがより好ましい。
【0063】
前記湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤中における前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、及び前記分子末端にアルコキシシリル基を有するウレタンプレポリマーの質量割合は、優れた初期接着強さ、最終接着強さ、及び硬化後に優れた耐熱性を発現させるうえで30〜100質量%の範囲内であることが好ましい。
【0064】
前記ウレタンプレポリマー中におけるイソシアネート基の質量割合は、1.5〜3.5質量%の範囲内であることが好ましい。イソシアネート基の質量割合が前記範囲であれば、前記湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤の溶融粘度が好適な範囲となり、良好な塗工適性が得られ、且つ、初期凝集力及び初期接着強さに優れた湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を得ることができる。
【0065】
本発明で使用する反応性ホットメルト接着剤は、前記基材表面に塗布する際の塗工性及び前記基材と前記突板との接着性を向上させるうえで、125℃において、6000〜40000mPa・sの範囲の溶融粘度を有することが好ましい。
【0066】
前記反応性ホットメルト接着剤は、前記基材表面に塗布する際の塗工性を向上させるうえで、例えば100〜130℃の溶融温度を有することが好ましい。
【0067】
以上のように、本発明において前記反応性ホットメルト接着剤を使用すれば、硬化反応が早く進行させることができ、圧締後の化粧造作部材を、長期間養生せずとも耐熱性及び耐水性に優れた接着剤層を形成できる。
【実施例】
【0068】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
また、以下で説明する図面は、本発明の一実施形態であり、その目的を達成していれば、各部位の位置などを限定するものではない。
【0069】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0070】
<外観>
圧締した直後の化粧造作部材の表面を目視で観察し、その外観を評価した。
【0071】
外観の判定基準
○:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0072】
<機械的後加工性>
基材と突板とを圧締した直後の化粧造作部材の突板面側から、基材に達するまでの深さの溝をパネルソーを用いて切削加工した。切削後の溝を突板側から観察し、溝の周囲における突板の剥がれ、割れ及びしわの有無を観察した。
【0073】
機械的後加工性の判定基準
○:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0074】
<熱的後加工性>
基材と突板とを圧締した後、20℃で相対湿度60%の雰囲気下で1時間養生した化粧造作部材を、80℃の雰囲気下で2時間放置した。放置後、化粧造作部材の突板面側から、基材に達するまでの深さの溝をパネルソーを用いて切削加工した。切削後の溝を突板側から観察し、溝の周囲における突板の剥がれ、割れ及びしわの有無を観察した。
【0075】
熱的後加工性の判定基準
○:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0076】
<耐熱性>
20℃で相対湿度60%の雰囲気下で72時間静置することで接着剤層を完全に硬化させた化粧造作部材を、80℃の雰囲気下で192時間放置した。放置後の化粧造作部材において、突板の剥離や割れが生じたか否かを目視で判定した。
【0077】
耐熱性の判定基準
○:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0078】
<耐水性>
20℃で相対湿度60%の雰囲気下で72時間静置することで接着剤層を完全に硬化させた化粧造作部材を、70℃の温水中に2時間浸漬した。次いで、浸漬後の化粧造作部材を60℃に調整した乾燥機で3時間乾燥した後の化粧造作部材において、突板の剥離や割れが生じたか否かを目視で判定した。
【0079】
耐水性の判定基準
○:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、突板の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0080】
(製造例1)反応性ホットメルト接着剤の調製例
2リットル4ツ口フラスコに、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール190質量部と、1,12−ドデカン二酸/1,6−ヘキサンジオール由来の水酸基当量質量1750の脂肪族ポリエステルポリオール380質量部と、アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール由来の水酸基当量質量2000の脂肪族ポリエステルポリオール200質量部と、エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/イソフタル酸/テレフタル酸由来の水酸基当量質量1500の芳香族系ポリエステルポリオール380質量部とを混合し、減圧下100℃で加熱して、2リットル4ツ口フラスコ中に含まれる水分が0.05質量%になるまで脱水した。
【0081】
次いで、それらを70℃に冷却後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート226質量部を加え、120℃まで昇温し、生成するウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の質量割合が一定となるまで3時間反応させ、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(数平均分子量1622)を得た。
【0082】
得られた分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、添加剤として2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル(商品名:U−CAT 660M、サンアプロ社製)1質量部を加えて均一に攪拌することで、前記ウレタンプレポリマー中におけるイソシアネート基の質量割合が2.3質量%で、コーンプレート粘度計(ICI型、20Pコーン)を用いて測定した125℃における溶融粘度が11000mPa・sである反応性ホットメルト接着剤を得た。なお、前記イソシアネート基含有量は、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに過剰のアミンを添加し、イソシアネート基反応させた後、残ったアミンを塩酸で滴定することで、前記ウレタンプレポリマー中におけるイソシアネート基の質量割合を求めた。
【0083】
(実施例1)
図3は、本発明の一実施形態にかかる化粧造作部材の製造方法を示す模式図である。この製造方法において、製造例1で得られた反応性ホットメルト接着剤を、図3中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター5(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)の間に流下し、前記反応性ホットメルト接着剤を基材1(合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)の表面に120g/m塗布した。
【0084】
次に、前記反応性ホットメルト接着剤の塗布面に、直ちに突板3(ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更にこの突板の上に平板4(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ね、複層物7を形成した(図1及び図2)。これを鉄製の3対のプレスロール6により12MPaの圧力で圧締し、前記基材と前記突板とを貼り合わせた後、平板4を取り除くことで化粧造作部材を得た(図4)。
【0085】
(実施例2)
製造例1で得られた反応性ホットメルト接着剤を、図3に記載の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター5(松下工業(株)製、DTW−420、プレスロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)の間に流下し、基材1(合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)上に120g/m塗布した。
次に、前記反応性ホットメルト接着剤の塗布面に、直ちに突板3(ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更に平板4(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ね複層物7を得た。それをプレスベルトを用いて10MPaの圧力で圧締し、前記基材と前記突板とを貼り合わせた後に平板4を取り除くことで化粧造作部材を製造した。
【0086】
(実施例3)
前記基材と前記突板とを圧締する際に用いる平板を(アクリル板:厚さ6mm、幅320mm、長さ1820mm)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で化粧造作部材を製造した。
【0087】
(実施例4)
前記基材と前記突板とを圧締する際に用いる平板を(鋼板:厚さ1.5mm、幅320mm、長さ1820mm)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で化粧造作部材を製造した。
【0088】
(比較例1)
前記基材と前記突板とを圧締する際、平板を介さない以外は、実施例1と同様の方法で化粧造作部材を製造した。得られた化粧造作部材の表面は、突板の著しいひび割れを有しており、一部で突板の剥がれが見られた。したがって、機械的加工性等の評価は行っていない。
【0089】
(比較例2)
前記基材1上に製造例1で得られた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、その塗布面に前記突板3を重ね、1平方センチメートルあたり10kgの圧力、70℃の温度で、1分間フラットプレスし、化粧造作部材を製造した。
【0090】
比較例3に記載のフラットプレス法によれば、化粧造作部材を1分あたり1枚製造できるのに対し、実施例1に記載の方法によれば、化粧造作部材を1分あたり5枚製造することができ、且つ、得られる化粧造作部材は、各種評価に優れるものである、以下、第1表に各種評価結果を示す。
【0091】
【表1】

【0092】
※基材の周囲の一部に実用上問題にならない程度の僅かな皺が入る
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】基材1、接着剤層2、突板3及び平板4からなる複層物7の模式図を示す。
【図2】基材1、接着剤層2、突板3及び平板4からなる複層物7の断面図を示す。
【図3】化粧造作部材をロールプレス法で製造する工程の概略図を示す。
【図4】得られた化粧造作部材8の断面図を示す。
【符号の説明】
【0094】
1 基材1
2 反応性ホットメルト接着剤からなる接着剤層2
3 突板3
4 平板4
5 ロールコーター5
6 プレスロール6
7 基材1、接着剤層2、突板3及び平板4からなる複層物7
8 化粧造作部材8


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、該塗布面に突板を載置し、次いで前記突板の上に平板を載置したものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法。
【請求項2】
平板上に突板を載置し、次いで前記突板の上に加熱溶融させた反応性ホットメルト接着剤を塗布し、該塗布面に基材を載置したものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材と前記突板とを貼り合わせる化粧造作部材の製造方法。
【請求項3】
前記平板が、該平板の表面に対して垂直方向に0.5N/mmの力を加えた時に変形しないものである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記プレスロールが、50mm〜1000mmの範囲の直径を有するものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記圧締工程において前記プレスロール又はプレスベルトによって加えられる圧力が1〜30MPaの範囲である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記反応性ホットメルト接着剤が、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有してなるものである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるものである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールと−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有する非晶性のポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール、及び、ポリイソシアネートを反応させて得られるものである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、前記ポリオール及び前記ポリイソシアネートの全量に対して40℃〜130℃の融点を有する結晶性ポリエステルポリオールを10〜60質量%、−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有する非晶性ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを10〜60質量%用いて得られるものである、請求項6に記載の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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