説明

医用情報管理装置、及び医用情報管理方法

【課題】ナースコールを受けた時点で診察に対応可能な医師を優先度を識別可能に表示する医用情報管理装置を提供する。
【解決手段】特定の入力装置001から容体変化の情報及び入力装置001の識別情報の入力を受けて、患者情報記憶部102を検索し、入力装置001に対応した患者Pの識別情報を取得する患者識別部101と、患者Pの識別情報を基に診療情報記憶部104を検索し、患者Pのカルテ情報を取得する患者情報取得部103と、カルテ情報を基にスケジュール記憶部107を参照し、医師に診察要求の優先度をつけて通知する通知部105と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者からのナースコールを受けた際に、該患者の診察を行うことが可能な医師の情報を提供する医用情報管理装置及び医用情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現状のナースコールシステムは、ナースステーションでナースコールを受信すると、看護師が応対し患者の症状を確認する。その後、症状を確認した患者に対して医師の診察が必要と看護師が判断した場合、看護師が診察可能な医師を探し、その患者の診察を要求する。診察を担当する医師はその患者のカルテや診療記録を参照し、該患者の診察に必要な情報を得た後に診察を開始する。
【0003】
このようなナースコールシステムでは、ナースコールをナースステーションにのみ送信した場合、看護師はナースステーションでしか応答することができないことになる。このため、万が一ナースステーションに看護師が不在の時には、応対できないという問題点も存在する。
【0004】
そこで従来、ナースコールに確実かつ速やかに対応するために、ナースコールを担当の看護師が持つ携帯端末あてに直接送信する技術(例えば、特許文献1参照。)が提供されている。また、担当看護師だけでなく、その他の看護師のスケジュールなどからナースコールのあった病室に最も適切な看護師を決定し、その看護師の端末にコールを送る技術(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−278776号公報
【特許文献2】特開2001−237959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の特許文献1または特許文献2に記載されている技術では、ナースコールの受信から検査開始までの各工程が別々に機能しているため、ナースコールへの看護師の対応は迅速になるが、看護師がナースコールを受信してから医師が診察を開始するまでの時間にタイムラグが発生してしまう。また、現在どの医者が対応可能なのかが分かりにくいため複数の医師に要請を行うこともあり、迅速な診察の開始を行うことができないといった事態が発生してしまう。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ナースコールを受けた時点で診察に対応可能な医師を、診察要求の優先度を識別可能に表示する医用情報管理装置及び医用情報管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の医用情報管理装置は、患者の容体情報を通知する複数の入力装置の識別情報と該入力装置に対応する患者の識別情報とを予め記憶している患者情報記憶手段と、前記患者の識別情報に対応する少なくとも患者名、主治医の識別情報、及び該患者を担当する担当科の情報を含むカルテ情報を予め記憶している診療情報記憶手段と、複数の医師の担当科及びそのスケジュールを予め記憶しているスケジュール記憶手段と、特定の前記入力装置から前記容体変化の情報及び前記入力装置の識別情報の入力を受けて、前記患者情報記憶手段を検索し、該入力装置に対応した患者の識別情報を取得する患者識別手段と、前記カルテ情報に含まれる前記患者の識別情報を基に前記診療情報記憶手段を検索し、該患者の前記カルテ情報を取得する患者情報取得手段と、
前記主治医及び担当科の情報を基にスケジュール記憶手段を参照し、前記特定の入力装置から入力を受けた時の前記各医師のスケジュール並びに前記主治医及び前記担当科医の情報を基に、各医師に対する診察要求の優先度をつけて通知する通知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項8に記載の医用情報管理方法は、患者の容体情報を通知する複数の入力装置の識別情報と該入力装置に対応する患者の識別情報とを記憶する患者情報記憶段階と、前記患者の識別情報に対応する少なくとも患者名、主治医の識別情報、及び該患者を担当する担当科の情報を含むカルテ情報を記憶する診療情報記憶段階と、複数の医師の担当科及びスケジュールを予め記憶するスケジュール記憶段階と、特定の前記入力装置から前記容体変化の情報及び前記入力装置の識別情報の入力を受けて、前記患者情報記憶段階で記憶された患者情報を検索し、該入力装置に対応した患者の識別情報を取得する患者識別段階と、前記患者の識別情報を基に前記診療情報記憶段階で記憶された診療情報を検索し、該患者の前記カルテ情報を取得する患者情報取得段階と、前記主治医及び担当科の情報を基にスケジュール記憶手段を参照し、前記特定の入力装置から入力を受けた時の前記各医師のスケジュール並びに前記主治医及び前記担当科医の情報を基に、各医師に対する診察要求の優先度をつけて通知する通知段階と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の医用情報管理装置及び請求項8に記載の医用情報管理方法は、患者の容体情報の入力を受けた時に、その時点で該患者の診察を行わせる医師の情報に優先度を付して該医師の一覧の通知を行う構成である。これにより、患者の容体情報の入力を受けてから医師による診察までの時間を短縮することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医用情報管理装置にについて説明する。図1は本発明に係る医用情報管理装置の機能を表すブロック図である。
【0012】
本実施形態に係る医用情報管理装置100は図1に示すように、入力装置(ナースコール入力装置)001(以下では、「ナースコール入力装置001」という。)と情報の送受信が可能に構成されている。
【0013】
本実施形態に係る医用情報管理装置100は、患者識別部101、患者情報記憶部102、患者情報取得部103、診察情報記憶部104、通知部105、スケジュール記憶部107、及びユーザインタフェース108を有している。ユーザインタフェース108は表示部109及び入力部110を備えている。図1における点線で示された機能部は第2の実施形態及び第3の実施形態で説明する。
【0014】
ナースコール入力装置001は、患者Pが載置されているベッドの脇に設置されている。そして、ナースコール入力装置001は1つのベッドに1つ設置されている。本実施形態では、ナースコール入力装置001はボタンを有する入力装置である。患者Pは該ボタンを押下することでナースステーションへの通知を行うとともに医用情報管理装置100へ自己の容体情報の入力(以下では、この容体情報の入力を「ナースコールの入力」ということがある。)を行う。そして、ナースコール入力装置001からは、医用情報管理装置100の患者識別部101へ、容体情報を出力するとともにナースコール入力装置001の識別情報が出力される。ここで、本実施形態では入力方法としてボタンを用いたが、これは他の方法でもよく、例えば紐を引くことで入力が行われるような構成でもよい。このナースコール入力装置001が本発明における「入力装置」にあたる。
【0015】
患者情報記憶部102は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体で構成されている。患者情報記憶部102には、前述したナースコール入力装置001がどのベッドの脇に設置されており、現在そのベッドにどの患者が載置されているかが予め記憶させられている。この情報は患者Pの載置されるベッドが決定した段階で、医師や看護師などが入力部110を用いて患者Pを載置したベッドの識別情報に対応させて患者Pの識別情報を入力し、患者情報記憶部102に記憶させる。ここで、上述したように、ナースコール入力装置001とベッドとは一対一の関係であるので、ベッドの識別情報に対応させて患者Pの識別情報を入力することで、ナースコール入力装置001と患者Pとは一対一に対応することになる。すなわち、患者情報記憶部102には、ナースコール入力装置001の識別情報と該ナースコール入力装置001を現在使用する患者Pの識別情報が対応づけられて記憶されているといえる。この患者情報記憶部102が本発明における「患者情報記憶手段」にあたる。
【0016】
患者識別部101は、ナースコール入力装置001から入力された、容体情報の入力とナースコール入力装置001の識別情報の入力を受ける。患者識別部101は、入力されたナースコール入力装置001の識別情報を基に、患者情報記憶部102を検索し、ナースコール入力装置001に対応する患者Pの識別情報を取得する。患者識別部101は、取得した患者Pの識別情報を患者情報取得部103へ出力する。この患者識別部101が、本発明における「患者情報識別手段」にあたる。
【0017】
診察情報記憶部104は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体で構成されている。診察情報記憶部104は、患者(患者Pを含む)の識別情報に対応させて該患者のカルテ情報を記憶している。カルテ情報には患者のカルテに記載されている情報や診療記録などが含まれている。具体的には、患者のカルテ情報には、患者名、患者の識別情報、患者の主治医の名前及び識別情報、及びその患者を担当する担当科(具体的には、内科、外科、整形外科、及び眼科など。たとえば、けがで入院している患者の場合、担当科は外科となる。)が記載されている。この、患者カルテに記載されている情報は患者が過去に診察を受けたときに、その診察結果を基に医師や看護師によって入力部110を用いて入力される。この診察情報記憶部104が、本発明における「診察情報記憶手段」にあたる。
【0018】
ここで、本実施形態では診察情報記憶部104は、医用情報管理装置100の内部に設けられているが、これは外部に配置されていてもよく、例えばHIS(Hospital Information System)などに記憶されている患者カルテの情報を使用する構成でもよい。
【0019】
患者情報取得部103は、患者識別部101から患者Pの識別情報の入力を受ける。患者情報取得部103は、入力された患者Pの識別情報を基に、診察情報記憶部104を検索し、患者Pのカルテ情報を取得する。患者情報取得部103は、取得したカルテ情報に記載されている、患者Pの主治医の識別情報及び患者Pの担当科の情報を通知部105へ出力する。本実施形態では、患者Pの主治医は「医師A」であり、患者Pの担当科は「外科」であるとして説明する。すなわち、本実施形態では、患者情報取得部103は、主治医「医師A」、担当科「外科」という情報を通知部105へ出力する。この患者情報取得部103が、本発明における「患者情報取得手段」にあたる。
【0020】
スケジュール記憶部107は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体で構成されている。スケジュール記憶部107は、登録されている各医師のスケジュール(少なくともその日一日のスケジュール)を記憶している。具体的には、本実施形態では図2に示すスケジュールテーブルを記憶している。ここで、図2は各医師のスケジュールが記載されているスケジュールテーブルの一例の図である。図2における黒い太い矢印201は在室の時間を表しており、白抜きの太い矢印202は診療中の時間を表しており、黒い細い矢印203は帰宅中の時間を表している。ここで、矢印201で表わされる「在室」の場合、その医師はすぐに診察に対応できるため最も患者Pの診察の対応が可能な状態である。また、矢印202で表わされる「診療中」の場合、現在行っている診療が終了すれば次の診療に取り掛かれるため、患者Pへの対応が2番目に可能な状態である。矢印203で表わされる「帰宅」の場合、家に帰ってしまっており、病院に出てこられるか否かわからない状態であり、患者Pへの対応が最もしにくい状態である。すなわち、担当させる医師のスケジュールの優先度としては、「在室」>「診療中」>「帰宅」という順序である。ここで、スケジュールの優先度とは、距離的時間的な患者との関係及び、医師のその時点での業務の状態を基準とし、患者の診察に対応しやすい勤務状態を優先度が高いとしたものである。さらに、スケジュール記憶部107は、図3で表わされるように、各医師の担当科を記載した担当科テーブルを記憶している。図3は各医師の担当科が記載されている担当科テーブルの一例の図である。図3の列301に記載されている医師の担当科が、対応する列302に記載されている。例えば、医師Aの担当科は「外科」であり、医師Eの担当科は「内科」である。さらにスケジュール記憶部107は、各医師の連絡先も記憶している。また、スケジュール記憶部107は、各医師の各スケジュールにおける居場所も記憶している。すなわち、医師Aの診療中というスケジュールの時は、医師Aは第1診療室を使用しているといったスケジュールも記憶している。ここで、本実施形態では、後で説明するように、対応可能な医師が表示された後に、看護師が各医師への連絡を迅速に行えるように、各医師の連絡先や各医師の居場所を記憶しているが、これらの情報を有さなくても本発明は動作可能である。また、本実施形態では、各医師の担当科、連絡先、及び居場所などをスケジュール記憶部107に記憶させているが、これは外部の装置に記憶されていてもよく、例えば前述したHISに記憶されている各医師の情報を使用してもよい。このスケジュール記憶部107が、本発明における「スケジュール記憶手段」にあたる。
【0021】
通知部105は、表示制御部106を備えており、さらに時計(不図示)を内部に有している。また、通知部105は、メモリなどの記憶領域(不図示)を有している。そして、通知部105は、各スケジュールの優先度を判断するための重みづけの数値を記憶している。具体的には、本実施形態では、通知部105は、「在室」=5、「診療中」=3、「帰宅」=1という重みづけの数値を記憶している。さらに、通知部105は、担当医及び担当科(以下では、各医師が主治医、担当科医、又は担当科以外の医師のいずれであるかを表す情報を「医師種別」という。)の優先度を判断するための重みづけの数値を記憶している。ここで、医師種別の優先度とは、いずれの医師種別の医師が患者の診察に適切かを基準とし、より適切な医師種別を優先度が高いとしたものである。具体的には、本実施形態では、通知部105は、「主治医」=3、「患者Pを担当する担当科医」=2、「患者Pを担当する担当科以外の医師」=1という重みづけの数値を記憶している。この通知部105が、本発明における「通知手段」にあたる。
【0022】
通知部105は、患者情報取得部103から、患者Pの主治医の識別情報(本実施形態では「医師A」)及び患者Pの担当科の情報(本実施形態では「外科」)の入力を受ける。また、通知部105は、患者情報取得部103から上述の情報の入力を受けた時点で内部の時計を参照し、入力を受けた時点での時刻を取得する。本実施形態では、通知部105は入力を受けた時点の時刻として「19:00」を取得したとして説明する。
【0023】
通知部105は、取得した時刻「19:00」を基にスケジュール記憶部107に記憶されている図2に示すスケジュールテーブルを参照し、19:00における各医師のスケジュールを取得する。図2において、点線204が19:00の時刻を表している。すなわち、通知部105は、点線204における各医師のスケジュール、具体的には、医師A:帰宅、医師B:在室、医師C:診察中、医師D:帰宅、医師E:在室、医師F:帰宅、という情報を取得する。
【0024】
さらに、通知部105は、患者Pの主治医の識別情報及び患者Pの担当科の情報の入力を基にスケジュール記憶部107に記憶されている図3に示す各医師の担当科を参照し、各医師が主治医、担当科医、又は担当科以外の医師のいずれであるか(医師種別)の情報を取得する。本実施形態では、医師A:担当医、医師B、医師C、医師D:担当科医、医師E、医師F:担当科以外の医師、という医師種別の情報を取得する。
【0025】
そして、通知部105は、各医師における、スケジュールの優先度の重みづけ数値と医師種別の優先度を判断するための重みづけの数値を加算して患者Pの診察を行わせる優先度の数値を求める。ここで、患者Pの診察を行わせる優先度とは、どの医師が患者Pの診察を要請するのに適切かを基準とし、患者Pの診察を要請するのにより適切な医師を優先度が高い医師としたものである。具体的は、医師Aは「帰宅」(1)(ここで、カッコ内の数値は重みづけの数値を表す。以下同じ。)かつ「担当医」(3)であるので、優先度の数値は1+3=4。医師Bは「在室」(5)かつ「担当科医」(2)であるので、優先度の数値は5+2=7。医師Cは「診察中」(3)かつ「担当科医」(2)であるので3+2=5。医師Dは「帰宅」(1)かつ「担当科医」(2)であるので、優先度の数値は1+2=3。医師Eは「在室」(5)かつ「担当科以外の医師」(1)であるので、優先度の数値は5+1=6。医師Fは「帰宅」(1)かつ「担当科以外の医師」(1)であるので、優先度の数値は1+1=2。したがって、患者Pの診察を行わせる優先度は医師B>医師E>医師C>医師A>医師D>医師F、という順番になる。ここで、複数の医師の優先度の数値が同じ値になった場合には、予め決められた順序に従って並べられる。ここで、予め決められた順序とは、例えば、本実施形態では、重なった医師をスケジュールの優先度順に並べ、さらに重なっている場合にはそれらの医師を医師種別の優先度順にならべ、さらに重なっている場合には辞書式に並べる方法をとる。
【0026】
ここで、本実施形態ではスケジュールと医師種別とのバランスをとるため、スケジュールと医師種別とのそれぞれに優先度の重みづけをして、それらを加えて患者Pの診察を行わせる医師の優先度を求めている。(ただし、本実施形態の重みづけはスケジュールの優先度を優先させるように重みづけを大きくしている。)しかし、この患者Pの診察を行わせる優先度の求め方は他の方法でもよく、例えば、スケジュールを第1に優先する場合には、まずスケジュール順に医師を並べてそのスケジュールの中で医師種別の優先度順に医師の順位を変更する方法でもよい。さらに本実施形態ではスケジュールを3つの種別に分けているが、この分類はさらに細かく分けてもよく(例えば、「手術中」などを加える。)、細かく分けることでより適切な優先度の決定が可能となる。
【0027】
通知部105は、スケジュール記憶部107から各医師の連絡先の情報及び居場所を取得する。そして、通知部105の表示制御部106は、図4に示すように、患者Pの診察を行わせる優先度順に各医師の識別情報(担当科、医師種別、及び名前など)、スケジュール、居場所、及び連絡先、とともに、患者Pの情報を表示部109及び看護師などが携帯している携帯端末002に表示させる。図4は本実施形態に係る患者Pの診察の対応可能な医師を優先順位をつけて通知する医師の一覧の一例の図である。表示制御部106は、各医師を患者Pの診察を行わせる優先度順に上から並べて一覧で表示させている。この表示が本発明における「医師の一覧表示」にあたる。ここで、前述したように、本実施形態では患者Pの診察を行わせる医師への迅速な連絡のため居場所や連絡先を表示しているが、これらは表示しなくてもよく、例えば単に優先順に医師の名前のみの一覧を表示させてもよい。また、本実施形態では、表示部109と携帯端末002の両方に患者Pの診察を行わせる医師の情報を表示しているがこれはいずれか一方でもよい。
【0028】
そして、看護師は患者Pからのナースコールの入力(容体情報の入力)を受けて、ナースコールを入力した患者Pの観察および患者Pへの適切な対応を行い、患者Pに医師の診察が必要か否かを判断する。例えば、患者Pがいたずらでナースコールを押した場合には医師の診察は不必要と判断される。そして、看護師は医師の診察が必要と判断した場合、ユーザインタフェース108の表示部109に表示制御部106が表示させた医師の一覧を参照する。医師の一覧を見た看護師は、優先度の高い医師の順に連絡先へ連絡を行い患者Pの診察を依頼する。
【0029】
次に、図5を参照して本実施形態に係る医用情報管理装置100における診察に対応させる医師の通知及び操作者による医師への連絡について説明する。ここで、図5は本実施形態に係る医用情報管理装置100における診察に対応させる医師の優先度をつけた通知及び操作者による医師への連絡のフローチャート図である。
【0030】
ステップS001:患者Pにより、ナースコール入力装置001を利用した容体情報の入力及びナースコール入力装置001の識別情報の入力が行われる。
【0031】
ステップS002:患者識別部101は、ナースコール入力装置001から容体情報の入力及びナースコール入力装置001の識別情報の入力を受信する。患者識別部101は、ナースコール入力装置001の識別情報を基に患者情報記憶部102を検索し患者Pの識別情報を取得する。
【0032】
ステップS003:患者情報取得部103は、患者識別部101から患者Pの識別情報の入力を受信する。患者情報取得部103は、患者Pの識別情報を基に診察情報記憶部104を検索し、患者Pのカルテ情報を取得する。
【0033】
ステップS004:通知部105は、患者情報取得部103から患者Pの担当医の識別情報及び患者Pを担当する担当科の情報の入力を受信する。さらに、通知部105は、自己が有する時計を参照し入力を受信した時刻を取得する。
【0034】
ステップS005:通知部105は、取得した受信時刻を基にスケジュール記憶部107に記憶されているスケジュールテーブルを参照し、受信時刻における各医師のスケジュールを取得する。
【0035】
ステップS006:通知部105は、受信した担当医の識別情報及び担当科の情報を基に、各医師の医師種別を取得する。
【0036】
ステップS007:通知部105は、各医師のスケジュール及び医師種別に優先度の重みづけの数値を付し、それぞれの重みづけの数値を加えることで患者Pの診察を行わせる優先度の数値を求め医師の優先順位を決定する。さらに、数値が同じで重なった場合には、通知部105は、まずスケジュールの優先順、次に医師種別の優先順、最後に辞書式に医師の優先順位を決定する。
【0037】
ステップS008:表示制御部106は、表示部109及び携帯端末002に患者Pの診察を行わせる優先度の高い医師から順に表示させる。
【0038】
ステップS009:操作者は、患者Pの容体確認及びその他の適切な対応を施す。
【0039】
ステップS010:操作者は、患者Pに対する医師の診察要請が必要か否かを判断する。診察要請が必要な場合にはステップS010に進む。診察要請が必要でない場合には医師への連絡を行わずに患者Pへの対応を終了する。
【0040】
ステップS011:操作者は、表示部109を参照し優先度の高い医師から順に患者Pの診察を行わせる医師を決定し、該医師に対し連絡を行う。
【0041】
以上の説明では、ステップS008の後にステップS009の操作者による患者Pの容体確認及びその他の適切な対応を行うことを説明しているが、ナースコールと医用情報管理装置への通知が同時に行われることで、実際にはステップS002〜ステップS008までの医用情報管理装置の処理とステップS009の操作者による対応は並行して進められるものである。このように患者Pへの対応と医師の選択を並行して行うことにより患者Pの診察までの時間を短縮できる。
【0042】
ここで、本実施形態では、スケジュール記憶部107に記憶されているすべての医師に対して、患者Pの診察を行わせる優先順位を求めているが、予め関係の薄い担当科(例えば、「外科」に対して「眼科」など。)を記憶させておき、患者Pの担当科に対する関係の薄い担当分野の医師を除いて優先順位を求めてそれらの医師を表示させる構成にしてもよい。この様な構成することで、表示される医師の数を減らすことができ、表示を見易くすることができる。
【0043】
以上で説明したように、本実施形態に係る医用情報管理装置は、患者の容体情報の入力が行われると自動で該患者の診察を行わせる医師に優先順位をつけて表示する構成である。これにより、看護師などは、患者の診察を要請する医師を悩まずに、診察可能な適切な医師に迅速に連絡することが可能になり、ナースコールを受信してから診察までの時間を短縮することが可能となる。
【0044】
〔第2の実施形態〕
以下、この発明の第2の実施形態に係る医用情報管理装置について説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置は、容体情報の入力方法が第1の実施形態と異なるものである。そこで、以下の説明では容体情報の入力方法について主に説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置のブロック図も図1に記載されたブロック図で表わされる。以下の説明では、第1の実施形態と同一の符号を付された機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
【0045】
本実施形態に係る医用情報管理装置100は、第1の実施形態に係る医用情報管理装置に、異常通知部111、変化計測部112、及び生体情報取得部113がさらに備えられた構成である。ここで、図1では説明の都合上、生体情報取得部113を1つだけ記載しているが、これは複数あってもよく、例えば、生体情報の取得が必要な患者の数だけ設けられてもよい。本実施形態では生体情報取得部113は、心電計を用いているので以下では生体情報取得部113を心電計113と呼ぶ。この生体情報取得部113が、本発明における「生体情報取得手段」にあたる。
【0046】
心電計113は、患者Pに取り付けられた電極から送られてくる電気信号を基に、患者Pの心電図を取得する。心電計113は、生成した心電図を変化計測部112へ出力する。ここで、本実施形態では生体情報取得部113として心電計を使用しているが、これは生体情報を取得する装置であれば他の装置でもよく、例えば脈拍計、体温計、呼気検出器などでもよい。
【0047】
変化計測部112は、心電計113から心電図の入力を受信する。変化計測部112は、心電図における毎分の心拍数を計算し、異常通知部111へ出力する。ここで、本実施形態では、生体情報として心電図を取得しているため変化計測部112は心拍数を計測しているが、これは他の数値を計測してもよく、例えば脈拍数、呼吸回数でもよく、また心電計を利用する場合であっても他の不整脈を検出する数値でもよい。この変化計測部112が、本発明における「変化計測手段」にあたる。
【0048】
異常通知部111は、メモリなどの記憶領域(不図示)を有している。異常通知部111は自己の記憶領域に、心電波形の閾値を記憶している。心拍は一般的に毎分60回を下回ると徐脈、毎分100回を上回ると頻脈といわれるものである。そこで、本実施形態では異常通知部111は、毎分60回より小さい値及び毎分100回より大きい値を閾値として記憶している。この異常通知部111が、本発明における「異常通知手段」にあたる。
【0049】
異常通知部111は、変化計測部112から毎分の心拍数の入力を受ける。異常通知部111は、毎分60回を下回る又は毎分100回を上回った場合、生体情報取得部113から識別情報を取得し、患者Pの容体情報及び生体情報取得部113の識別情報を患者識別部101へ出力する。
【0050】
患者情報記憶部102は、生体情報取得部113の識別情報を入力装置の識別情報として患者Pの識別情報と対応させて記憶している。
【0051】
患者識別部101は、異常通知部111から患者の容体情報及び生体情報取得部113の識別情報の入力を受信する。患者識別部101は、生体情報取得部113の識別情報を基に患者情報記憶部102を検索し、患者Pの識別情報を取得する。患者識別部101は、取得した患者Pの識別情報を患者情報取得部103へ出力する。
【0052】
以上で説明したように、本実施形態に係る医用情報管理装置は、生体情報取得部から取得した生体情報の変化を監視し、生体情報に異常が発生したと判断した場合に、自動的に容体情報の入力(すなわち、ナースコールの入力)が行われ、該患者の診察を行わせる医師に優先順位をつけて表示させる構成である。これにより、ICUなどで治療中の動けない患者でも、自動的にナースコールの入力が行われ、看護師は迅速に対応する医師を探すことができ、患者の容体の異常発生から診察までの時間を短縮することが可能となる。
【0053】
また、以上の説明では、患者Pの容体情報の入力として、異常通知部111からの入力のみで説明したが、これは、第1の実施形態で説明した入力装置001を使用した患者Pによる容体情報の入力と併用した構成にすることも可能である。その構成の場合には、入力装置001又は異常通知部111のいずれかからの入力を受けて患者Pの診察を行うことが可能な医師の優先度付きの一覧を表示させることになる。
【0054】
(変形例)
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。この変形例は第2の実施形態の医用情報管理装置100の異常通知部111に、緊急時の閾値がさらに記憶されている構成である。緊急時の閾値とは、その閾値を超えた患者に対しては即時の対応が必要とされる値である。以下では、第2実施形態での閾値を「通常の閾値」と呼ぶ。そして、緊急時の閾値は通常の閾値を超える値として設定されている。ここで、閾値を超える値とは、閾値が下限の場合にはそれを下回る値、閾値が上限の場合にはそれを上回る値のことをいう。この緊急時の閾値が本発明における「緊急閾値」にあたる。
【0055】
本変形例においても、生体情報取得部113は患者Pの生体情報を取得し、変化計測部112は患者Pの生体情報の状態を計測している。
【0056】
異常通知部111は、変化計測部112から入力された計測値と通常の閾値及び緊急時の閾値とを比較する。計測値が通常の閾値を超えており緊急時の閾値を超えていない場合には、異常通知部111は、上述の第2実施形態で説明したように患者識別部101へ容体情報の出力及び生体情報取得部113の識別情報の出力を行う。この場合、以降の患者Pの診察を行うことが可能な医師の一覧の表示は第1の実施形態と同様である。
【0057】
以下では、計測値が緊急時の閾値を超えている場合について説明する。異常通知部111は、計測値が緊急時の閾値を超えている場合には、患者識別部101へ緊急の通知及び生体情報取得部113の識別情報の出力を行う。
【0058】
患者識別部101は、生体情報取得部113の識別情報を基に患者情報記憶部102を参照し、患者Pの識別情報を取得し、該識別情報とともに緊急の通知を患者情報取得部103へ出力する。
【0059】
患者情報取得部103は、患者Pの識別情報を基に診察情報記憶部104を参照し、患者Pのカルテ情報を取得し、患者Pの主治医の識別情報、患者Pの担当科の情報とともに緊急の通知を通知部105へ出力する。
【0060】
通知部105は、患者情報取得部103からの入力を受けて、その入力を受けた時刻を取得し、スケジュール記憶部107に記憶されているスケジュールテーブルを参照してその時刻の各医師のスケジュールを取得するとともに、各医師の医師種別を取得する。そして、通知部105は、取得したスケジュール及び医師種別を基に、患者Pの診察を行わせる医師の優先順位を求める。そして、緊急の通知の入力を受けている通知部105は、スケジュール記憶部107に記憶されている各医師の連絡先の情報を参照して、求めた優先順位の高い順に医師に対し自動的に診察要請を送信する。この通知は、医師による医用情報端末010の入力部012からの診察受諾の情報が通知部105へ入力されるまで行われる。そして、この通知は、一人の医師に対し予め決められた回数(本変形例では5回)行われ、それに対する医師からの診察受諾の入力が行われない場合には、次の優先順位の医師への連絡が繰り返され、優先順位の一番低い医師の後はまた優先順位の一番高い医師への連絡が繰り返される。また、本実施形態では、医用情報端末010からの診察要請の入力によって通知を終了しているが、この入力方法は他の方法でもよくたとえば、医師がナースステーションに診察受諾の連絡を行い、その連絡を受けた看護師が入力部110を使用して診察受諾の入力を行ってもよい。
【0061】
次に、本変形例に係る医用情報管理装置100を用いた診察要求を行う医師の決定及び該医師への通知の流れを図6を参照して説明する。図6は本変形例に係る医用情報管理装置100を用いた診察要求を行う医師の決定及び該医師への通知の流れを表すフローチャート図である。図6のフローチャートは容体情報の入力として入力装置001及び異常通知部111のいずれも使用する構成の医用情報管理装置の場合で説明している。また、図6のフローチャートでは医師の一覧の生成については第1の実施形態における生成方法と同様であるためステップS107及びステップS112において省略して記載している。
【0062】
ステップS101:生体情報取得部113は、患者Pの心電図や脈拍といった生体情報を取得し、該生体情報を変化計測部112へ出力する。
【0063】
ステップS102:変化計測部112は、心拍数の計測や、脈拍数の計測といった生体情報の状態の計測を行う。変化計測部112は、計測値を異常通知部111へ出力する。
【0064】
ステップS103:異常通知部111は、予め記憶している通常の閾値と変化計測部112から入力された計測値を比較し、計測値が閾値を超えているか(ここで、「超えている」とは上限の閾値を上回っている又は下限の閾値を下回っていることを指す。)否かを判断する。計測値が閾値を超えている場合には、ステップS105に進む。計測値が閾値を超えていない場合には、ステップS101からステップS103を繰り返す。
【0065】
ステップS104:異常通知部111は、予め記憶している緊急時の閾値と変化計測部112から入力された計測値が緊急時の閾値を超えているか否か判断する。計測値が緊急時の閾値を超えていない場合には、ステップS106に進む。計測値が緊急時の閾値を超えている場合には、ステップS111に進む。
【0066】
ステップS105:異常通知部111は、患者識別部101へ容体情報の入力及び生体情報取得部113の識別情報の入力を行う。
【0067】
ステップS106:患者Pにより、入力装置001を利用した容体情報の入力及び入力装置001の識別情報の入力が行われる。
【0068】
ステップS107:生体情報取得部113の識別情報又は入力装置001の識別情報を基に、患者識別部101、患者情報取得部103、及び通知部105によって患者Pの診察を行うことが可能な医師の、患者Pの診察を要請する優先順位が決定される。
【0069】
ステップS108:表示制御部106は、表示部109及び携帯端末002に患者Pの診察を行わせる優先度の高い医師から順に表示させる。
【0070】
ステップS109:操作者は、患者Pに対する医師の診察要請が必要か否かを判断する。診察要請が必要な場合にはステップS110に進む。診察要請が必要でない場合には医師への連絡を行わずに患者Pに適切な対応を行った後、患者Pへの対応を終了する。
【0071】
ステップS110:操作者は、表示部109を参照し優先度の高い医師から順に患者Pの診察を行わせる医師を決定し、該医師に対し連絡を行う。
【0072】
ステップS111:異常通知部111は、患者識別部101へ緊急の通知及び生体情報取得部113の識別情報の入力を行う。
【0073】
ステップS112:生体情報取得部113の識別情報を基に、患者識別部101、患者情報取得部103、及び通知部105によって患者Pの診察を行うことが可能な医師の、患者Pの診察を要請する優先順位が決定される。
【0074】
ステップS113:通知部105は、優先度の高い順に医師に対し診察要請を通知する。
【0075】
〔第3の実施形態〕
以下、この発明の第3の実施形態に係る医用情報管理装置について説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置は、患者Pの診察要請を受けた医師に患者Pのカルテ情報へのアクセス権を与え、該医師が患者Pのカルテ情報を閲覧することができるようにアクセス権の管理を行う構成であることが第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものである。そこで、以下の説明ではアクセス権の管理について主に説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置のブロック図も図1に記載されたブロック図で表わされる。以下の説明では、第1の実施形態と同一の符号を付された機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
【0076】
本実施形態に係る医用情報管理装置100は、第1の実施形態又は第2の実施形態に係る医用情報管理装置に、アクセス権管理部114及びカルテ表示制御部115がさらに備えられた構成である。さらに、本実施形態に係る医用情報管理装置100は、ネットワーク003を介して医用情報端末010とデータの送受信可能に接続されている。また、以下の説明では、既に第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の方法で生成された患者Pの診察を行うことが可能な医師の一覧が表示部109に表示されているものとする。
【0077】
看護師は、表示部109に表示されている患者Pの診察を行うことが可能な医師のリストを参照し、患者Pの診察を行わせる医師を決定する。そして、看護師は、決定した医師に患者Pの診察要請の連絡を行うとともに、入力部110を用いて患者Pの診察を行わせる医師の識別情報を入力する。
【0078】
アクセス権管理部114は、スケジュール記憶部107に記憶されている各医師の診察情報記憶部104に記憶されている各患者のカルテ情報へのアクセス権を記憶し管理している。アクセス権管理部114は、入力部110から患者Pの診察を行わせる医師の識別情報の入力を受信する。アクセス権管理部114は、入力された医師の識別情報を基に、該医師に対し患者Pのカルテ情報へのアクセス権を与える。
【0079】
患者Pの診察要請を受けた医師は、医用情報端末010の入力部012を使用して医用情報管理装置100のカルテ表示制御部115に患者Pのカルテ情報の表示を要請の入力を行う。この要請の入力には患者Pの診察要請を受けた医師の識別情報が含まれている。
【0080】
カルテ表示制御部115は、入力部012から患者Pのカルテ情報の表示の要請を受けて、アクセス権管理部114に、患者Pの診察要請を受けた医師の識別情報を基に、アクセス権管理部114を参照し、該医師が患者Pのカルテ情報へのアクセス権を有しているか否かを確認する。カルテ表示制御部115は、該医師が患者Pのカルテ情報へのアクセス権を有している場合には、診察情報記憶部104よりカルテ情報を取得し、医用情報端末010に該カルテ情報を送信し、表示部011に患者Pのカルテ情報を表示させる。また、該医師が患者Pのカルテ情報へのアクセス権を有していない場合には、医用情報端末010に表示不可の情報を送信し、表示部011に表示不可の情報を表示させる。
【0081】
以上で説明したように、本実施形態における医用情報管理装置は、患者の診察を行わせる医師へ該患者のカルテ情報へのアクセス権を与えることができる構成である。これにより、必要な医師のみにカルテ情報へのアクセスを許可でき、患者の個人情報のセキュリティを高めることができるとともに、アクセス権を与えられた医師は迅速にカルテ情報を閲覧できるため、患者の診察の効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る医用情報管理装置のブロック図
【図2】各医師のスケジュールが記載されているスケジュールテーブルの一例の図
【図3】各医師の担当科が記載されている担当科テーブルの一例の図
【図4】第1の実施形態に係る患者の診察の対応可能な医師に優先順位をつけて通知する医師の一覧の一例の図
【図5】第1の実施形態に係る医用情報管理装置における診察に対応させる医師の優先度をつけた通知及び操作者による医師への連絡のフローチャート図
【図6】第2の実施形態の変形例に係る医用情報管理装置を用いた診察要求を行う医師の決定及び該医師への通知の流れを表すフローチャート図
【符号の説明】
【0083】
001 入力装置
002 携帯端末
003 ネットワーク
010 医用情報端末
011 表示部
012 入力部
100 医用情報管理装置
101 患者識別部
102 患者情報記憶部
103 患者情報取得部
104 診察情報記憶部
105 通知部
106 表示制御部
107 スケジュール記憶部
108 ユーザインタフェース
109 表示部
110 入力部
111 異常通知部
112 変化計測部
113 生体情報取得部(心電計)
114 アクセス権管理部
115 カルテ表示制御部
P 患者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の容体情報を通知する複数の入力装置の識別情報と該入力装置に対応する患者の識別情報とを予め記憶している患者情報記憶手段と、
前記患者の識別情報に対応する少なくとも患者名、主治医の識別情報、及び該患者を担当する担当科の情報を含むカルテ情報を予め記憶している診療情報記憶手段と、
複数の医師の担当科及びそのスケジュールを予め記憶しているスケジュール記憶手段と、
特定の前記入力装置から前記容体変化の情報及び前記入力装置の識別情報の入力を受けて、前記患者情報記憶手段を検索し、該入力装置に対応した患者の識別情報を取得する患者識別手段と、
前記カルテ情報に含まれる前記患者の識別情報を基に前記診療情報記憶手段を検索し、該患者の前記カルテ情報を取得する患者情報取得手段と、
前記主治医及び担当科の情報を基にスケジュール記憶手段を参照し、前記特定の入力装置から入力を受けた時の前記各医師のスケジュール並びに前記主治医及び前記担当科医の情報を基に、各医師に対する診察要求の優先度をつけて通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする医用情報管理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記特定の入力装置から入力を受けた時の診察に対応しやすいスケジュール順、かつ前記主治医、前記担当科医、その他の医師の順で前記診察要求の優先度をつけることを特徴とする請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項3】
表示手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記表示手段に前記診察可能な医師を一覧表示させるとともに優先度を識別可能に表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医用情報管理装置。
【請求項4】
前記医師の一覧を看護師の携帯端末に送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理装置。
【請求項5】
前記医師の一覧に記載されている医師の識別情報の入力を受けて、該医師に対して前記取得した患者カルテ情報へのアクセス権を設定するアクセス権管理手段と、
前記識別情報が入力された医師による前記取得した患者カルテの表示要求を受けて、該患者カルテを前記表示手段に表示させるカルテ表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の医用情報管理装置。
【請求項6】
患者の生体情報の変化の閾値を予め記憶している閾値記憶手段と、
患者からの生体情報を受ける生体情報取得手段と、
前記取得した生体情報の変化を計測する変化計測手段と、
前記生体情報の変化の計測値を基に前記閾値記憶手段を参照し、前記計測値が閾値を超えた場合に、前記患者情報取得手段へ前記患者の識別情報の入力を行う異常通知手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の医用情報管理装置。
【請求項7】
前記閾値記憶手段は緊急時の閾値である緊急閾値をさらに記憶しており、
前記異常通知手段は、前記計測値が前記緊急閾値を超えた場合に、前記通知手段へ緊急事態発生の情報を出力し、
前記通知手段は、前記緊急事態発生の情報の入力を受けて、前記優先度の高い順に前記医師へ緊急の通知を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の医用情報管理装置。
【請求項8】
患者の容体情報を通知する複数の入力装置の識別情報と該入力装置に対応する患者の識別情報とを記憶する患者情報記憶段階と、
前記患者の識別情報に対応する少なくとも患者名、主治医の識別情報、及び該患者を担当する担当科の情報を含むカルテ情報を記憶する診療情報記憶段階と、
複数の医師の担当科及びスケジュールを予め記憶するスケジュール記憶段階と、
特定の前記入力装置から前記容体変化の情報及び前記入力装置の識別情報の入力を受けて、前記患者情報記憶段階で記憶された患者情報を検索し、該入力装置に対応した患者の識別情報を取得する患者識別段階と、
前記患者の識別情報を基に前記診療情報記憶段階で記憶された診療情報を検索し、該患者の前記カルテ情報を取得する患者情報取得段階と、
前記主治医及び担当科の情報を基にスケジュール記憶手段を参照し、前記特定の入力装置から入力を受けた時の前記各医師のスケジュール並びに前記主治医及び前記担当科医の情報を基に、各医師に対する診察要求の優先度をつけて通知する通知段階と、
を有することを特徴とする医用情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−117969(P2010−117969A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291865(P2008−291865)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】