医用画像管理支援装置及びこれを備える超音波診断装置
【課題】 医用診断装置で作成した医用画像をデータ圧縮する技術に関し、特にデータ圧縮前に予め予想されるデータ圧縮後のデータサイズを報知する技術を提供する。
【解決手段】 コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出する。
【解決手段】 コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断装置で作成した医用画像をデータ圧縮する技術に関し、特にデータ圧縮前に予め予想されるデータ圧縮後のデータサイズを報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体内部の情報を収集し、この収集した情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を作成する医用診断装置が使用されている。
【0003】
この医用診断装置としては、超音波診断装置、X線装置、MRI装置(核磁気共鳴画像診断装置)、PET装置(核医学診断装置)等が知られている。超音波診断装置は、超音波を被検体内に送受信して得られたデータから被検体内部を画像化する装置である。X線装置は、X線を被検体内に曝射して透過X線を検出して得られたデータから被検体内部を画像化する装置であり、X線CTスキャンを行う装置が含まれる。MRI装置は、磁気と電磁波を使って被検体内に存在している水素原子核の様子を検出して得られたデータから被検体内を画像化する装置である。PET装置は、被検体内に注入したポジトロン放出核種を標識した化合物を検出し得られたデータから被検体内を画像化する装置である。
【0004】
これら医用診断装置が被検体内を画像化することで得られた医用画像は、読影されて診断の根拠として用いられ、また医療計画の参考とされる。この医用画像は、読影等の際、モニタを備えたコンピュータにより表示される。医用診断装置にもモニタを備えたコンピュータが配されているが、医用診断装置から他のコンピュータに医用画像を移して、そのコンピュータで表示されることも多い。また、他のコンピュータからまた別のコンピュータに医用画像を移送する場合もある。そのため、医用診断装置や、病院内のコンピュータには、医用画像をMOディスク、CD−Rディスク等の可搬記憶媒体に書き込む装置が配されている。
【0005】
医用診断装置による一度の検査では、非常に多くの医用画像が作成される。そこで、医用画像を効率よく保存するには、医用画像のデータ圧縮を行うことが有効である(例えば、特許文献1参照)。このデータ圧縮は、医用画像を可搬記憶媒体へ書き込む際も効率よく保存するために有効である。
【0006】
【特許文献1】特開平8−221557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来、データ圧縮後の医用画像のデータサイズは、実際にデータ圧縮してみるまでわからない。医用画像には、データ圧縮に影響を与える特性が存在するからである。従って、従来、書き込む医用画像をデータ圧縮してから、データ圧縮後の医用画像の合計サイズが可搬記憶媒体の記憶容量に収まるか否かを検討していた。
【0008】
データ圧縮には、非常に多くの時間を費やす。医用画像をデータ圧縮してからデータサイズの検討をしている現状では、可搬記憶媒体の記憶容量にデータ圧縮後の医用画像のデータサイズが収まらない場合、再度医用画像の選択をやり直し、データ圧縮を行わねばならなかった。これにより、医用画像の搬送において、多大なる時間のロスが生じ、作業効率の面で優れているとは言い難いものがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、医用診断装置で作成した医用画像をデータ圧縮する技術に関し、特にデータ圧縮前に予め予想されるデータ圧縮後のデータサイズを報知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出すること、を特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の発明は、コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、予め、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報及びデータ圧縮に利用可能なコーデックの種別の情報の組合せに対応して予想圧縮率を格納する予想圧縮率格納テーブルと、データ圧縮される医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用される前記コーデックの種別の情報の組合せに対応する予想圧縮率を、前記予想圧縮率格納テーブルから取得する予想圧縮率取得手段と、前記データ圧縮される医用画像のデータサイズ及び前記予想圧縮率取得手段により取得された予想圧縮率に基づき、当該医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出するサイズ算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えるようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0013】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズと圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率を、データ圧縮された医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用された前記コーデックの種別の情報の組合せに対応させて過去複数回分格納する過去圧縮率格納手段を更に備え、前記予想圧縮率更新手段は、前記過去圧縮率格納手段に格納された複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を、算出した平均値に更新するようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0014】
また、前記予想圧縮率取得手段は、データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想圧縮率を取得し、前記サイズ算出手段は、データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想データサイズを算出して、かつ算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0015】
また、前記合計予想データサイズを表示する表示画面を更に備えるようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0016】
また、データ圧縮された医用画像を可搬記憶媒体に書き込む書込み手段を更に備えるようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0017】
また、データ圧縮される医用画像に対応する前記特性の情報及びデータサイズを当該医用画像に付帯する付帯情報から取得するデータ取得手段を更に備えるようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0018】
また、超音波により被検体内を観察する超音波診断装置であって、請求項7記載の医用画像管理支援装置と、被検体に超音波を送受信するとともに、受信した超音波を信号処理することで、医用画像を作成する医用画像作成手段と、前記医用画像作成手段による医用画像の作成条件に基づき、作成された医用画像が有する前記特性の情報を作成し、当該医用画像に付帯させる特性情報作成手段と、を備えるようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0019】
また、前記特性の情報は、動画像、若しくは静止画像、又は医用画像を含む表示画面をキャプチャした静止画像のいずれかを含む画像種別の情報、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードのいずれか又はこれらの組合せを含むモード種別の情報、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査のいずれかを含むプローブ種別の情報、輝度レベルの値を含む輝度レベルの情報、スキャンレンジの値を含むスキャンレンジの情報、の少なくとも一つ又は組合せとしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るコーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援技術によっては、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出するようにした。
【0021】
従って、データ圧縮前に医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出することができ、装置操作者によるデータ圧縮前段階での当該予想データサイズと可搬記憶媒体の記憶可能容量との比較検討を可能とする。
【0022】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えることで、医用画像のデータ圧縮を行う度に、予想圧縮率が装置操作者の環境に合った数値に更新され、より正確な予想データサイズの算出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る医用画像管理支援装置及びこの装置を用いた超音波診断装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置の構成を示すブロック図である。医用画像管理支援装置1は、図1に示すように、コンピュータで構成され、処理部1Aと主記憶部1Bと外部記憶部1Cと画面構成部1Dと可搬記憶媒体読み書き部1Eとモニタ1Gと入力部1Fを備える。
【0025】
処理部1Aは、いわゆるCPUであり、プログラムに従った演算を行う。主記憶部1Bは、例えばRAMであり、処理部1Aの作業領域としてプログラム、処理部1Aの演算による演算結果、又は演算に必要なデータが展開される。画面構成部1Dは、処理部1Aの制御により表示画面のデータをビデオフォーマットに変換し、モニタ1Gに送出する。可搬記憶媒体読み書き部1Eは、MOディスク、CD−Rディスク等の可搬記憶媒体にデータを書き込む。入力部1Fは、キーボードやマウス等のユーザインターフェースであり、装置操作者の入力に対応する入力信号を処理部1A等へ送出する。
【0026】
外部記憶部1Cは、例えばHDDであり、本実施形態の場合、医用画像や医用画像管理支援プログラムが格納されている。外部記憶部1Cは、医用画像を記憶する際、患者名−検査名−シリーズ名−画像番号名の階層構造のパス名で記憶する。
【0027】
医用画像は、医用診断装置で作成された画像である。また、医用画像には、医用診断装置により、医用画像の属性を示す付帯情報がDICOM規格により付帯している。医用画像を作成する医用診断装置は、被検体内を画像化する装置であり、超音波診断装置、X線装置、MRI装置、PET装置等が挙げられる。画像には、動画像、静止画像、表示画面をキャプチャしたセカンダリキャプチャ画像等の各種画像が含まれる。付帯情報には、データ圧縮に影響を与える医用画像の特性を示す情報が含まれている。
【0028】
医用画像管理支援プログラムは、コンピュータを画像管理支援装置1として機能させる。図2は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の機能を示す機能ブロック図である。図2に示すように、医用画像管理支援装置1は、処理部1Aが医用画像管理支援プログラムに従った演算を行うことで、入力手段2と、サムネイル作成手段3と、データ圧縮手段4と、書込み制御手段5と、予想データサイズ取得手段6とを備える。
【0029】
入力手段2は、入力部1Fを含み、装置操作者が入力部1Fを用いた操作に応じた入力信号から指示情報を作成する。装置操作者の操作、すなわち指示情報の種類に応じてサムネイル作成手段3、データ圧縮手段4、書込み制御手段5、予想データサイズ取得手段6による処理が行われる。
【0030】
サムネイル作成手段3は、医用画像のサムネイルを並べたサムネイル表示画面をレイアウトし、画面構成部1Dに送出することで、モニタ1Gに当該サムネイル表示画面を表示させる。サムネイル表示画面のデータは、外部記憶部1Cにより予め保持されている。医用画像のサムネイルは、外部記憶部1Cに記憶されている医用画像を主記憶部1B上に展開して、低解像度化して作成する。その他、外部記憶部1Cに記憶されている医用画像の記憶構造から医用画像のパス名の一覧を作成する。これらサムネイル表示画面、サムネイル化した医用画像、及び医用画像のパス名の一覧をレイアウトして画面構成部1Dに送出する。
【0031】
データ圧縮手段4は、医用画像のデータ圧縮に利用される各種コーデック(COmpression/DECompression)を保持し、装置操作者により選択された医用画像をデータ圧縮する。コーデックは、圧縮伸長を行なうプログラムである。ここでは、特に圧縮を行うプログラムをいう。データ圧縮手段4は、データ圧縮に利用するコーデックの種別の情報を保持し、データ圧縮の際、この情報に対応するコーデックを用いてデータ圧縮を行う。
【0032】
書込み制御手段5は、医用画像を可搬記憶媒体に書き込むよう可搬記憶媒体読み書き部1Eを制御する。
【0033】
予想データサイズ取得手段6は、医用画像のデータ圧縮前に予想データサイズを取得する。予想データサイズは、医用画像がデータ圧縮されることにより予想されるデータ圧縮後のデータサイズである。この予想データサイズは、取得後、画面構成部1Dに送出されることでモニタ1Gに表示される。予想データサイズは、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性や、データ圧縮に利用するコーデックの種別により求める。複数の医用画像をデータ圧縮する場合は、それら医用画像の予想データサイズを順次合算し、合計予想データサイズを画面構成部1Dに送出する。
【0034】
この医用画像管理支援装置1の概略動作について図3に基づき説明する。図3は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の概略動作を示すフローチャート図である。まず、装置操作者が入力部1Fを用いてサムネイル表示を要求する操作を行う(S101,Yes)。この操作によって、入力部1Fが入力信号を生成し、サムネイル表示を要求する指示情報が作成される。
【0035】
サムネイル表示を要求する指示情報に従い、サムネイル表示画面を読み込み、医用画像の記憶構造からパス名の一覧を作成し、医用画像を読み出してサムネイル用に低解像度化し、これらをレイアウトし、画面構成部1Dに送出して、サムネイル表示画面とともに、パス名の一覧、サムネイル化した医用画像をモニタ1G上に表示させる(S102)。
【0036】
装置操作者がサムネイル化した医用画像を選択し、かつデータ圧縮して可搬記憶媒体に書き込む要求を入力部1Fを用いて行うと(S103,Yes)、選択された医用画像のデータサイズとデータ圧縮に影響する特性を取得し(S104)、かつデータ圧縮に利用されるコーデックの種別を取得し(S105)、データ圧縮後の予想データサイズを算出する(S106)。
【0037】
選択された医用画像に対して順次S104〜S106を行い、順次、合計予想データサイズに加算する(S107)。選択された全ての医用画像の予想データサイズが合計予想データサイズに加算されると(S108,Yes)、算出した各予想データサイズ、及び合計予想データサイズを画面構成部1Dに送出して、各予想データサイズ及び合計予想データサイズをモニタ1G上に表示させる(S109)。
【0038】
次に、装置操作者により、データ圧縮後の医用画像を可搬記憶媒体に書き込むことを許可する操作が入力部1Fを用いて行われると(S110,Yes)、利用するコーデックの種別の情報からデータ圧縮の際に利用するコーデックを選択し、選択された医用画像のデータ圧縮を行う(S111)。
【0039】
医用画像をデータ圧縮すると、可搬記憶媒体読み書き部1Eを制御し、データ圧縮した医用画像を可搬記憶媒体に書き込む(S112)。
【0040】
このように、医用画像管理支援装置1は、医用画像をサムネイル表示して、可搬記憶媒体に書き込む医用画像を選択させる。そして、データ圧縮を行ってから可搬記憶媒体への書き込みを行う場合は、予めデータ圧縮後の予想データサイズを表示してから、可搬記憶媒体への書き込みを行う。
【0041】
図4は、モニタ1Gに表示されるサムネイル表示画面を説明する図である。このサムネイル表示画面は、メディアとして可搬記憶媒体へのコピーを要求するボタンと、データ圧縮を行ってからコピーを行うボタンが配置され、また医用画像のパス名一覧と、パス名一覧から選択された医用画像のサムネイルが配置される。
【0042】
このサムネイル表示画面上で装置操作者によりサムネイル表示したい検査名がパス名の一覧から選択されると、記憶構造上そのパス名に属する医用画像をサムネイル化して表示する。
【0043】
図5は、サムネイル表示画面に予想データサイズ、及び合計予想データサイズを表示した状態を説明する図である。サムネイル表示画面から装置操作者によって可搬記憶媒体へコピーしたい医用画像が選択され、データ圧縮して可搬記憶媒体へコピーを行う要求のボタンが押下されると、選択された医用画像のオリジナルデータサイズ及び合計オリジナルデータサイズと、選択された医用画像の各予想データサイズ及び合計予想データサイズが表示される。
【0044】
予想データサイズ取得手段6について更に詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ取得6の機能を示す機能ブロック図である。予想データサイズ取得6は、図6に示すように、予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル61と医用画像の付帯情報と利用コーデック種別保持手段62とを参照する。
【0045】
まず、予想データサイズ取得手段6が参照するデータについて説明する。予想データサイズ取得手段6は、予め予想圧縮率格納テーブル61を備える。予想圧縮率格納テーブル62は、図7に示すように、利用されるコーデックの種別と医用画像のデータ圧縮に影響を与える特性との組合せに対応して予想圧縮率を格納するテーブルである。
【0046】
予想圧縮率は、データ圧縮後の医用画像のデータサイズとオリジナルのデータサイズの比率である。利用されるコーデックとデータ圧縮に影響を与える医用画像の特性に基づき予想されて設定されている。この予想圧縮率は、詳細は後述するが、利用されるコーデックの種別と医用画像のデータ圧縮に影響を与える各特性との組合せの環境下で実際に医用画像がデータ圧縮されることによって得られた過去の実際の圧縮率に応じて設定される。
【0047】
例えば、医用画像は、医用診断装置の種類によっても、また医用診断装置が作成した画像種別によってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル62は、画像種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。画像種別のパラメータとしては、医用診断装置の種類と、動画像、静止画像、セカンダリキャプチャ画像の組み合わせが挙げられる。
【0048】
また、例えば、医用画像は、医用診断装置が医用画像を作成する際のモードによってデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、モード種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。モード種別のパラメータとしては、例えば医用診断装置が超音波診断装置である場合、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードの各組合せがパラメータとして挙げられる。
【0049】
また、例えば、医用診断装置が超音波診断装置である場合、超音波を送受信するプローブ種別によってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、プローブ種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。プローブ種別のパラメータとしては、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査がパラメータとして挙げられる。
【0050】
また、例えば、医用画像は、医用診断装置が医用画像を作成する際に設定した輝度レベルによってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、輝度レベルの特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。輝度レベルのパラメータは、所定段階の輝度レベルの段階値である。
【0051】
また、例えば、医用画像は、医用画像診断装置が医用画像を作成する際のスキャンレンジによってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、スキャンレンジの特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。スキャンレンジのパラメータは、所定段階のスキャンレンジの段階値である。
【0052】
予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル62から予想圧縮率を取得するために医用画像の付帯情報と利用コーデック種別保持手段63を参照する。
【0053】
予想データサイズ取得手段6は、医用画像の付帯情報うち、データサイズとデータ圧縮に影響を与える医用画像の特性情報を参照する。例えば、図8に示すように、医用画像には、付帯情報としてDICOM規格により、データサイズ、及び画像種別、モード種別、プローブ種別、輝度レベル、スキャンレンジといった特性情報が付帯している。
【0054】
図8において、医用画像は、データサイズ、及び画像種別「US Image Storage(超音波による静止画像)」、モード種別「13」、プローブ種別「SECTOR_PHASED(セクタ走査)」、輝度レベル「4」、及びスキャンレンジ「5」の組み合わせのパラメータで構成される特性情報が付帯している。
【0055】
ここで、モード種別「19」とは、ビット表記「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「02」をMモード、「04」を連続波ドプラモード、「08」をパルスドプラモード、「10」をカラードプラモード、「20」をカラーMモードとした場合の複数のビット表記加算値である。ビット表記加算値によってこれらモード種別のいずれか又はこれらモード種別の組合せの特性情報を表す。すなわち、モード種別「19」とは、当該パス名で特定される医用画像がBモード、パルスドプラモード、カラードプラモードの組合せのモードの特性を有することを示す。
【0056】
利用コーデック種別保持手段62は、データ圧縮手段4が医用画像のデータ圧縮の際に利用するコーデックの種別の情報を保持する。尚、本実施形態の画像管理支援装置1では、データ圧縮手段4が利用コーデック種別保持手段62を備える。
【0057】
利用コーデック種別保持手段62に保持されているコーデックの種別としては、例えば、静止画像をデータ圧縮するためのJPEG High、JPEG Middle、JPEG LOW、動画像をデータ圧縮するMotion JPEG、Cinepak Codec、IndeoR video、Microsoft MPEG−4、Windows Media Video等が挙げられる。
【0058】
これらデータを参照する予想データサイズ取得手段6は、データ取得手段63と、予想圧縮率取得手段64と、サイズ算出手段65とを備える。
【0059】
データ取得手段63は、選択された医用画像のデータサイズ及び特性情報と、医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報を取得する。データサイズと特性情報は、医用画像の付帯情報を読み出して取得する。コーデックの種別の情報は、利用コーデック種別保持手段62から取得する。データ取得手段63は、装置操作者が選択した医用画像から付帯情報を読み出して、データサイズと特性情報を取得する。選択された医用画像が複数ある場合、データ取得手段63は、選択された複数の医用画像のそれぞれに対応するデータサイズと特性情報とコーデックの種別の情報を取得する。
【0060】
予想圧縮率取得手段64は、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報に対応する予想圧縮率を予想圧縮率格納テーブル61から取得する。データ取得手段63により、複数の医用画像に対応する特性情報及びコーデックの種別の情報が取得されている場合は、選択された医用画像毎に予想圧縮率を取得する。
【0061】
サイズ算出手段65は、データ取得手段63が取得したデータサイズに、予想圧縮率取得手段64が取得した予想圧縮率を乗じて、予想データサイズを算出する。選択された医用画像が複数ある場合は、選択された医用画像毎に予想データサイズを算出する。また、複数の予想データサイズを算出した場合、サイズ算出手段65は、同時に、算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出する。
【0062】
このような予想データサイズ取得手段6の動作を図9に基づき詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ表示制御手段6の動作を示すフローチャート図である。
【0063】
まず、装置操作者が入力部1Fを用いて、データ圧縮して可搬記憶媒体に書き込む医用画像を選択する(S201,Yes)。医用画像が選択されると、データ取得手段64は、選択された医用画像の付帯情報を外部記憶部1Cから読み出して、主記憶部1B上に展開し、データサイズと特性情報を取得する(S202)。
【0064】
例えば、図8の(a)及び(b)に示す医用画像が選択された場合、まず図8の(a)に示す医用画像から、データサイズ「123,456」バイト、画像種別「US Image Storage」、モード種別「01」、プローブ種別「SECTOR_PHASED」、輝度レベル「4」、及びスキャンレンジ「0」を取得する。これら情報は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。
【0065】
次に、取得した画像種別に対応する、すなわち静止画に対応するデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報を取得する(S203)。例えば、静止画のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報である「Jpeg」が取得される。取得したコーデックの種別の情報は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。
【0066】
選択された医用画像の付帯情報からデータサイズと特性情報を取得し、選択された医用画像に利用されるコーデックの種別の情報の取得が完了すると、これら情報の組合せを検索キーとして、予想圧縮率格納テーブル61を検索する(S204)。これら情報の組み合わせに該当するテーブルを検出すると(S205,Yes)、そのテーブルから予想圧縮率を取得する(S206)。予想圧縮率は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。尚、検出できなかった場合は(S205,No)、エラー表示して一連の処理を終了する。
【0067】
例えば、図8の(a)に示す医用画像と図7に示す予想圧縮率格納テーブル61からは、図7に示すように、予想圧縮率「58」%が取得される。
【0068】
次に、予想圧縮率が取得されると、主記憶部1B上に一時保持されているデータサイズと予想圧縮率を読み出し、データサイズに予想圧縮率を乗じて予想データサイズを算出する(S207)。算出された予想データサイズは、主記憶部1Bに選択された医用画像の予想データサイズとして記憶されるとともに、主記憶部1Bに合計予想データサイズの格納エリアを設けて当該エリアに格納された値に加算して合計予想データサイズを算出する(S208)。
【0069】
例えば、図8の(a)に示す医用画像においては、データサイズが「123,456」バイトであり、予想圧縮率が「58」%であるから、予想データサイズ「71,605」バイトが取得される。
【0070】
複数の医用画像が選択されており、選択された医用画像の全てについて予想データサイズを算出していない場合には(S209,Yes)、選択された全て医用画像に対して、予想データサイズを算出し、順次合計予想データサイズに加算するまでS202からS208の動作を繰り返し、一連の処理を終了する。
【0071】
例えば、図8の(b)に示す医用画像も選択されている場合、予想圧縮率が「37,531」バイトとなり、予想圧縮率が「37,531」となり、合計予想データサイズは、「109,136」バイトとなる。
【0072】
この取得した予想データサイズと合計予想データサイズは、画面構成部1Dに送出され、図5に示すようにサムネイル表示画面上に表示される。
【0073】
次に予想圧縮率格納テーブル61に格納される予想圧縮率の設定について図10に基づき説明する。図10は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ取得手段6の予想圧縮率を更新する機能を示す機能ブロック図である。
【0074】
予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル61に格納される予想圧縮率を更新することによって予想圧縮率を設定している。図10に示すように、予想圧縮率を更新する場合、予想データサイズ取得手段6は、データ取得手段63と過去圧縮率格納手段66と予想圧縮率更新手段67を備える。尚、図10に示すデータ取得手段63、データ圧縮手段4、予想圧縮率格納テーブル61については、前述につき詳細な説明を省略する。
【0075】
過去圧縮率格納手段66は、データ圧縮手段4が実際にデータ圧縮した結果である実際の圧縮率を過去複数回分格納する。図11は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える過去圧縮率格納手段66を説明する図である。
【0076】
図11に示すように、実際の圧縮率は、データ圧縮された医用画像の特性情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されたコーデックの種別の情報の組合せに対応して格納される。また、実際の圧縮率には、データ圧縮された日付が付帯する。本実施形態の場合は、過去10回分の実際の圧縮率が格納されている。
【0077】
予想圧縮率更新手段67は、医用画像のデータ圧縮結果より実際の圧縮率を算出し、算出した実際の圧縮率を過去圧縮率格納手段66に書き込む。また、予想圧縮率格納テーブル61に格納されている予想圧縮率を更新する。
【0078】
実際の圧縮率は、医用画像のデータ圧縮前であるオリジナルのデータサイズから、実際にデータ圧縮を行った後のデータサイズを除して算出する。データ圧縮前のデータサイズは、データ取得手段63が取得したデータサイズを主記憶部1Bから読み込む。実際にデータ圧縮を行った後の医用画像のデータサイズは、データ圧縮手段4によるデータ圧縮結果より取得する。
【0079】
過去圧縮率格納手段66への実際の圧縮率の書き込みは、実際の圧縮率でデータ圧縮された医用画像の特性情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されたコーデックの種別の情報の組合せに対応して書き込む。書き込みの際には、日付を参照して、複数回分格納されている実際の圧縮率のうち一番古いデータを消去し、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報の組合せの情報に対応する書き込み先に、新たにデータ圧縮時の日付を付帯させて書き込む。
【0080】
予想圧縮率の更新は、過去圧縮率格納手段66に格納されている複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、予想圧縮率格納テーブル61に格納されている予想圧縮率を、算出した平均値に置き換える。更新の際には、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報の組合せの情報を読み込んで、当該情報に対応する予想圧縮率を更新する。
【0081】
尚、実際の圧縮率の書き込みにおいて、古いデータを消去することは、平均値算出処理の負荷を軽減するものであるが、古いデータを消去せず、新しく算出した実際の圧縮率を順次追加してもよい。この場合算出された平均値は、装置操作者が使用する環境をより忠実に再現した予想圧縮率を設定することができる。
【0082】
予想圧縮率を更新する動作について図12に基づき詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の予想圧縮率を更新する動作を示すフローチャート図である。
【0083】
まず、装置操作者により選択された医用画像が実際にデータ圧縮されると(S301,Yes)、データ圧縮後のデータサイズと、利用したコーデックの種別の情報とを取得する(S302)。取得したデータサイズとコーデックの種別の情報は、主記憶部1Bに一時的に保持される。
【0084】
更にデータ圧縮された医用画像のデータ圧縮前のデータサイズと特性情報を予想データサイズ取得の際に展開した主記憶部1B上から取得する(S303)。
【0085】
次に取得したデータ圧縮前のデータサイズから、取得したデータ圧縮後の実際のデータサイズを除して、実際の圧縮率を算出する(S304)。
【0086】
実際の圧縮率を算出すると、主記憶部1Bに保持されている特性情報とコーデックの種別の情報を検索キーとして、過去圧縮率格納手段66を検索し、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する複数回分の実際の圧縮率のうち、日付を参照して一番古い実際の圧縮率を消去する(S305)。同時に、算出した実際の圧縮率を日付と共に書き込む(S306)。
【0087】
次に、新しく実際の圧縮率を過去圧縮率格納手段66に書き込むと、書き込んだ実際の圧縮率を含めて、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する複数回分の実際の圧縮率を平均し、平均値を算出する(S307)。
【0088】
平均値を算出すると、主記憶部1Bに保持されている特性情報とコーデックの種別の情報を検索キーとして、予想圧縮率格納テーブル61を検索し、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する予想圧縮率を、算出した平均値に更新する(S308)。
【0089】
このS302〜S308までの動作がデータ圧縮された全ての医用画像に対応して繰り返され(S309)、予想圧縮率の更新が終了する。
【0090】
次に医用画像に付帯する付帯情報の作成について説明する。付帯情報は、医用画像診断装置にて医用画像と同時に作成することが好適である。すなわち、医用画像管理支援装置1を医用画像診断装置に備えることで作業効率の向上を図ることができる。以下、医用画像管理支援装置1を医用画像診断装置に備えた場合を例に説明する。尚、前述した構成と同一な構成については同一名称、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0091】
図13は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1を備える医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、医用画像診断装置は、コンピュータで構成された処理部1Aと主記憶部1Bと外部記憶部1Cと画面構成部1Dと可搬記憶媒体読み書き部1Eとモニタ1Gと入力部1Fを備え、また医用画像作成部1Hを備える。外部記憶部1Cには、医用画像作成部1Hを制御するためのプログラムと、医用画像作成部1Hで作成された医用画像や医用画像管理支援プログラムが格納されている。
【0092】
医用画像作成部1Hは、医用画像診断装置が備えるコンピュータにより制御され、被検体内を観察して画像化する。医用画像診断装置が超音波診断装置である場合の医用画像作成部1Hの構成を図14に示す。図14は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1を超音波診断装置が備える場合の医用画像作成部1Hの構成を示すブロック図である。
【0093】
図14に示すように、医用画像作成部1Hは、コンピュータと電気的に接続され、コンピュータから制御のための制御信号が入力されて動作し、動作結果の信号をコンピュータへ出力する送受信部1Kと信号処理部1Lとイメージメモリ1Mを備え、送受信部1Kには、超音波探触子1Jが電気的に接続されている。
【0094】
超音波探触子1Jは、圧電セラミック等の圧電振動子を複数配列して備えるプローブである。複数の圧電振動子に電圧パルスが印加されることで超音波を被検体内に送信し、反射した超音波を受信してエコー信号に変換する。この超音波探触子1Jは、被検体内への超音波送受信において走査方式により複数種類に大別でき、例えば、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査の超音波探触子1Jが挙げられる。
【0095】
送受信部1Kは、超音波探触子1Jを制御するためのパルスを発生させ、また受信したエコー信号を増幅、量子化する。
【0096】
信号処理部1Lは、被検体内を画像化するための信号処理を行う。信号処理は、超音波診断装置に設定されたモードに従って行われ、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードの各組合せに応じた信号処理を行う。
【0097】
イメージメモリ1Mは、信号処理された被検体内の静止画像や、ビデオフォーマットに変換された動画像が記憶される。
【0098】
この超音波診断装置では、装置操作者によって画像種別、モード種別、プローブ種別、輝度レベル、スキャンレンジ等の作成条件が設定され、当該作成条件に従ってコンピュータが制御命令を生成する。生成した制御命令は、送受信部1K、信号処理部1L、及びイメージメモリ1Mに送出される。
【0099】
制御命令が送出されると、送受信部1Kは、制御命令に従ってパルスを発生させ、超音波探触子1Jに超音波を送受信させる。超音波探触子1Jが受信したエコー信号は、送受信部1Kにより増幅及び量子化され、信号処理部1Lにより制御信号に従って医用画像のデータに加工される。加工された医用画像のデータは、イメージメモリ1Mに静止画像又は動画像として記憶され、画面構成部1Dによってモニタ1Gに表示される。
【0100】
イメージメモリ1Mに記憶された静止画像又は動画像は、装置操作者が入力部1Fを用いて保存を要求すると、外部記憶部1Cに格納される。またモニタ1Gに表示された表示画面についてもセカンダリキャプチャ静止画像として外部記憶部1Cに格納される。
【0101】
本実施形態に係る超音波診断装置では、医用画像の外部記憶部1Cへの保存時に、装置操作者によって設定された作成条件に従って付帯情報を作成して医用画像に付帯させる。付帯情報は、特性情報に関する条件を含む設定された作成条件を監視し、また医用画像作成部1Hにより作成された医用画像のデータサイズを算出して取得する。すなわち、付帯情報には、特性情報が含まれ、超音波診断装置では、設定された作成条件に従って特性情報を作成して付帯情報として医用画像に付帯させる。
【0102】
尚、本実施形態においては医用画像診断装置として超音波診断装置を例に採り説明したが、その他医用画像診断装置としてX線装置、MRI装置、PET装置等に適用してもよい。その場合、X線装置、MRI装置、PET装置等に固有の医用画像作成条件を特性情報のパラメータとすればよい。
【0103】
この画像管理支援装置1により、データ圧縮前に医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出することができ、装置操作者によるデータ圧縮前段階での当該予想データサイズと可搬記憶媒体の記憶可能容量との比較検討を可能とする。従って、データ圧縮の時間を浪費した後に記憶可能容量にデータ圧縮後のデータサイズがそぐわないといった事態が発生することを防止する。
【0104】
尚、画像管理支援装置において、予想データサイズや合計予想データサイズの算出後、可搬記憶媒体の記憶可能容量を検出して、検出した記憶可能容量に予想データサイズや合計予想データサイズが収まるか否かを判定するようにしてもよい。
【0105】
また、この画像管理支援装置において、予想圧縮率の設定を過去複数回分の実際の圧縮率に基づき行うようにしたので、医用画像のデータ圧縮を行う度に、予想圧縮率が装置操作者の環境に合った数値に更新され、より正確な予想データサイズの算出が可能となる。
【0106】
以上、本実施形態においては、医用画像管理支援プログラムに従った処理をコンピュータが実行することで上述したような機能を備えるようにしたが、このような医用画像管理支援プログラムは、コンピュータが読取可能な記憶媒体、例えば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)に記憶されているようにしてもよい。
【0107】
また、本実施形態において医用画像管理支援装置1は、医用画像管理支援プログラムにより上述の機能を実現したが、上述の機能を有する専用回路を備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の概略動作を示すフローチャート図である。
【図4】本実施形態に係る医用画像管理支援装置がモニタに表示する表示画面を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る医用画像管理支援装置がモニタに表示する表示画面に予想データサイズを表示した状態を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施形態に係る医用画像管理支援装置に格納される予想圧縮率格納テーブルを説明する図である。
【図8】本実施形態に係る医用画像管理支援装置に格納される医用画像を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の予想圧縮率を更新する機能を示す機能ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える過去圧縮率格納手段を説明する図である。
【図12】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の予想圧縮率を更新動作を示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る医用画像管理支援装置を備える医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本実施形態に係る医用画像管理支援装置を超音波診断装置が備える場合の医用画像作成手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0109】
1 医用画像管理支援装置
1A 処理部
1B 主記憶部
1C 外部記憶部
1D 画面構成部
1E 可搬記憶媒体読み書き部
1F 入力部
1G モニタ
1H 医用画像作成部
1J 超音波探触子
1K 送受信部
1L 信号処理部
1M イメージメモリ
2 入力手段
3 サムネイル作成手段
4 データ圧縮手段
5 書込み制御手段
6 予想データサイズ取得手段
61 予想圧縮率格納テーブル
62 利用コーデック種別保持手段
63 データ取得手段
64 予想圧縮率取得手段
65 サイズ算出手段
66 過去圧縮率格納手段
67 予想圧縮率更新手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断装置で作成した医用画像をデータ圧縮する技術に関し、特にデータ圧縮前に予め予想されるデータ圧縮後のデータサイズを報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体内部の情報を収集し、この収集した情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を作成する医用診断装置が使用されている。
【0003】
この医用診断装置としては、超音波診断装置、X線装置、MRI装置(核磁気共鳴画像診断装置)、PET装置(核医学診断装置)等が知られている。超音波診断装置は、超音波を被検体内に送受信して得られたデータから被検体内部を画像化する装置である。X線装置は、X線を被検体内に曝射して透過X線を検出して得られたデータから被検体内部を画像化する装置であり、X線CTスキャンを行う装置が含まれる。MRI装置は、磁気と電磁波を使って被検体内に存在している水素原子核の様子を検出して得られたデータから被検体内を画像化する装置である。PET装置は、被検体内に注入したポジトロン放出核種を標識した化合物を検出し得られたデータから被検体内を画像化する装置である。
【0004】
これら医用診断装置が被検体内を画像化することで得られた医用画像は、読影されて診断の根拠として用いられ、また医療計画の参考とされる。この医用画像は、読影等の際、モニタを備えたコンピュータにより表示される。医用診断装置にもモニタを備えたコンピュータが配されているが、医用診断装置から他のコンピュータに医用画像を移して、そのコンピュータで表示されることも多い。また、他のコンピュータからまた別のコンピュータに医用画像を移送する場合もある。そのため、医用診断装置や、病院内のコンピュータには、医用画像をMOディスク、CD−Rディスク等の可搬記憶媒体に書き込む装置が配されている。
【0005】
医用診断装置による一度の検査では、非常に多くの医用画像が作成される。そこで、医用画像を効率よく保存するには、医用画像のデータ圧縮を行うことが有効である(例えば、特許文献1参照)。このデータ圧縮は、医用画像を可搬記憶媒体へ書き込む際も効率よく保存するために有効である。
【0006】
【特許文献1】特開平8−221557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来、データ圧縮後の医用画像のデータサイズは、実際にデータ圧縮してみるまでわからない。医用画像には、データ圧縮に影響を与える特性が存在するからである。従って、従来、書き込む医用画像をデータ圧縮してから、データ圧縮後の医用画像の合計サイズが可搬記憶媒体の記憶容量に収まるか否かを検討していた。
【0008】
データ圧縮には、非常に多くの時間を費やす。医用画像をデータ圧縮してからデータサイズの検討をしている現状では、可搬記憶媒体の記憶容量にデータ圧縮後の医用画像のデータサイズが収まらない場合、再度医用画像の選択をやり直し、データ圧縮を行わねばならなかった。これにより、医用画像の搬送において、多大なる時間のロスが生じ、作業効率の面で優れているとは言い難いものがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、医用診断装置で作成した医用画像をデータ圧縮する技術に関し、特にデータ圧縮前に予め予想されるデータ圧縮後のデータサイズを報知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出すること、を特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の発明は、コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、予め、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報及びデータ圧縮に利用可能なコーデックの種別の情報の組合せに対応して予想圧縮率を格納する予想圧縮率格納テーブルと、データ圧縮される医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用される前記コーデックの種別の情報の組合せに対応する予想圧縮率を、前記予想圧縮率格納テーブルから取得する予想圧縮率取得手段と、前記データ圧縮される医用画像のデータサイズ及び前記予想圧縮率取得手段により取得された予想圧縮率に基づき、当該医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出するサイズ算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えるようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0013】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズと圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率を、データ圧縮された医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用された前記コーデックの種別の情報の組合せに対応させて過去複数回分格納する過去圧縮率格納手段を更に備え、前記予想圧縮率更新手段は、前記過去圧縮率格納手段に格納された複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を、算出した平均値に更新するようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0014】
また、前記予想圧縮率取得手段は、データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想圧縮率を取得し、前記サイズ算出手段は、データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想データサイズを算出して、かつ算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0015】
また、前記合計予想データサイズを表示する表示画面を更に備えるようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0016】
また、データ圧縮された医用画像を可搬記憶媒体に書き込む書込み手段を更に備えるようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0017】
また、データ圧縮される医用画像に対応する前記特性の情報及びデータサイズを当該医用画像に付帯する付帯情報から取得するデータ取得手段を更に備えるようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0018】
また、超音波により被検体内を観察する超音波診断装置であって、請求項7記載の医用画像管理支援装置と、被検体に超音波を送受信するとともに、受信した超音波を信号処理することで、医用画像を作成する医用画像作成手段と、前記医用画像作成手段による医用画像の作成条件に基づき、作成された医用画像が有する前記特性の情報を作成し、当該医用画像に付帯させる特性情報作成手段と、を備えるようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0019】
また、前記特性の情報は、動画像、若しくは静止画像、又は医用画像を含む表示画面をキャプチャした静止画像のいずれかを含む画像種別の情報、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードのいずれか又はこれらの組合せを含むモード種別の情報、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査のいずれかを含むプローブ種別の情報、輝度レベルの値を含む輝度レベルの情報、スキャンレンジの値を含むスキャンレンジの情報、の少なくとも一つ又は組合せとしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るコーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援技術によっては、データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出するようにした。
【0021】
従って、データ圧縮前に医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出することができ、装置操作者によるデータ圧縮前段階での当該予想データサイズと可搬記憶媒体の記憶可能容量との比較検討を可能とする。
【0022】
また、データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えることで、医用画像のデータ圧縮を行う度に、予想圧縮率が装置操作者の環境に合った数値に更新され、より正確な予想データサイズの算出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る医用画像管理支援装置及びこの装置を用いた超音波診断装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置の構成を示すブロック図である。医用画像管理支援装置1は、図1に示すように、コンピュータで構成され、処理部1Aと主記憶部1Bと外部記憶部1Cと画面構成部1Dと可搬記憶媒体読み書き部1Eとモニタ1Gと入力部1Fを備える。
【0025】
処理部1Aは、いわゆるCPUであり、プログラムに従った演算を行う。主記憶部1Bは、例えばRAMであり、処理部1Aの作業領域としてプログラム、処理部1Aの演算による演算結果、又は演算に必要なデータが展開される。画面構成部1Dは、処理部1Aの制御により表示画面のデータをビデオフォーマットに変換し、モニタ1Gに送出する。可搬記憶媒体読み書き部1Eは、MOディスク、CD−Rディスク等の可搬記憶媒体にデータを書き込む。入力部1Fは、キーボードやマウス等のユーザインターフェースであり、装置操作者の入力に対応する入力信号を処理部1A等へ送出する。
【0026】
外部記憶部1Cは、例えばHDDであり、本実施形態の場合、医用画像や医用画像管理支援プログラムが格納されている。外部記憶部1Cは、医用画像を記憶する際、患者名−検査名−シリーズ名−画像番号名の階層構造のパス名で記憶する。
【0027】
医用画像は、医用診断装置で作成された画像である。また、医用画像には、医用診断装置により、医用画像の属性を示す付帯情報がDICOM規格により付帯している。医用画像を作成する医用診断装置は、被検体内を画像化する装置であり、超音波診断装置、X線装置、MRI装置、PET装置等が挙げられる。画像には、動画像、静止画像、表示画面をキャプチャしたセカンダリキャプチャ画像等の各種画像が含まれる。付帯情報には、データ圧縮に影響を与える医用画像の特性を示す情報が含まれている。
【0028】
医用画像管理支援プログラムは、コンピュータを画像管理支援装置1として機能させる。図2は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の機能を示す機能ブロック図である。図2に示すように、医用画像管理支援装置1は、処理部1Aが医用画像管理支援プログラムに従った演算を行うことで、入力手段2と、サムネイル作成手段3と、データ圧縮手段4と、書込み制御手段5と、予想データサイズ取得手段6とを備える。
【0029】
入力手段2は、入力部1Fを含み、装置操作者が入力部1Fを用いた操作に応じた入力信号から指示情報を作成する。装置操作者の操作、すなわち指示情報の種類に応じてサムネイル作成手段3、データ圧縮手段4、書込み制御手段5、予想データサイズ取得手段6による処理が行われる。
【0030】
サムネイル作成手段3は、医用画像のサムネイルを並べたサムネイル表示画面をレイアウトし、画面構成部1Dに送出することで、モニタ1Gに当該サムネイル表示画面を表示させる。サムネイル表示画面のデータは、外部記憶部1Cにより予め保持されている。医用画像のサムネイルは、外部記憶部1Cに記憶されている医用画像を主記憶部1B上に展開して、低解像度化して作成する。その他、外部記憶部1Cに記憶されている医用画像の記憶構造から医用画像のパス名の一覧を作成する。これらサムネイル表示画面、サムネイル化した医用画像、及び医用画像のパス名の一覧をレイアウトして画面構成部1Dに送出する。
【0031】
データ圧縮手段4は、医用画像のデータ圧縮に利用される各種コーデック(COmpression/DECompression)を保持し、装置操作者により選択された医用画像をデータ圧縮する。コーデックは、圧縮伸長を行なうプログラムである。ここでは、特に圧縮を行うプログラムをいう。データ圧縮手段4は、データ圧縮に利用するコーデックの種別の情報を保持し、データ圧縮の際、この情報に対応するコーデックを用いてデータ圧縮を行う。
【0032】
書込み制御手段5は、医用画像を可搬記憶媒体に書き込むよう可搬記憶媒体読み書き部1Eを制御する。
【0033】
予想データサイズ取得手段6は、医用画像のデータ圧縮前に予想データサイズを取得する。予想データサイズは、医用画像がデータ圧縮されることにより予想されるデータ圧縮後のデータサイズである。この予想データサイズは、取得後、画面構成部1Dに送出されることでモニタ1Gに表示される。予想データサイズは、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性や、データ圧縮に利用するコーデックの種別により求める。複数の医用画像をデータ圧縮する場合は、それら医用画像の予想データサイズを順次合算し、合計予想データサイズを画面構成部1Dに送出する。
【0034】
この医用画像管理支援装置1の概略動作について図3に基づき説明する。図3は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の概略動作を示すフローチャート図である。まず、装置操作者が入力部1Fを用いてサムネイル表示を要求する操作を行う(S101,Yes)。この操作によって、入力部1Fが入力信号を生成し、サムネイル表示を要求する指示情報が作成される。
【0035】
サムネイル表示を要求する指示情報に従い、サムネイル表示画面を読み込み、医用画像の記憶構造からパス名の一覧を作成し、医用画像を読み出してサムネイル用に低解像度化し、これらをレイアウトし、画面構成部1Dに送出して、サムネイル表示画面とともに、パス名の一覧、サムネイル化した医用画像をモニタ1G上に表示させる(S102)。
【0036】
装置操作者がサムネイル化した医用画像を選択し、かつデータ圧縮して可搬記憶媒体に書き込む要求を入力部1Fを用いて行うと(S103,Yes)、選択された医用画像のデータサイズとデータ圧縮に影響する特性を取得し(S104)、かつデータ圧縮に利用されるコーデックの種別を取得し(S105)、データ圧縮後の予想データサイズを算出する(S106)。
【0037】
選択された医用画像に対して順次S104〜S106を行い、順次、合計予想データサイズに加算する(S107)。選択された全ての医用画像の予想データサイズが合計予想データサイズに加算されると(S108,Yes)、算出した各予想データサイズ、及び合計予想データサイズを画面構成部1Dに送出して、各予想データサイズ及び合計予想データサイズをモニタ1G上に表示させる(S109)。
【0038】
次に、装置操作者により、データ圧縮後の医用画像を可搬記憶媒体に書き込むことを許可する操作が入力部1Fを用いて行われると(S110,Yes)、利用するコーデックの種別の情報からデータ圧縮の際に利用するコーデックを選択し、選択された医用画像のデータ圧縮を行う(S111)。
【0039】
医用画像をデータ圧縮すると、可搬記憶媒体読み書き部1Eを制御し、データ圧縮した医用画像を可搬記憶媒体に書き込む(S112)。
【0040】
このように、医用画像管理支援装置1は、医用画像をサムネイル表示して、可搬記憶媒体に書き込む医用画像を選択させる。そして、データ圧縮を行ってから可搬記憶媒体への書き込みを行う場合は、予めデータ圧縮後の予想データサイズを表示してから、可搬記憶媒体への書き込みを行う。
【0041】
図4は、モニタ1Gに表示されるサムネイル表示画面を説明する図である。このサムネイル表示画面は、メディアとして可搬記憶媒体へのコピーを要求するボタンと、データ圧縮を行ってからコピーを行うボタンが配置され、また医用画像のパス名一覧と、パス名一覧から選択された医用画像のサムネイルが配置される。
【0042】
このサムネイル表示画面上で装置操作者によりサムネイル表示したい検査名がパス名の一覧から選択されると、記憶構造上そのパス名に属する医用画像をサムネイル化して表示する。
【0043】
図5は、サムネイル表示画面に予想データサイズ、及び合計予想データサイズを表示した状態を説明する図である。サムネイル表示画面から装置操作者によって可搬記憶媒体へコピーしたい医用画像が選択され、データ圧縮して可搬記憶媒体へコピーを行う要求のボタンが押下されると、選択された医用画像のオリジナルデータサイズ及び合計オリジナルデータサイズと、選択された医用画像の各予想データサイズ及び合計予想データサイズが表示される。
【0044】
予想データサイズ取得手段6について更に詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ取得6の機能を示す機能ブロック図である。予想データサイズ取得6は、図6に示すように、予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル61と医用画像の付帯情報と利用コーデック種別保持手段62とを参照する。
【0045】
まず、予想データサイズ取得手段6が参照するデータについて説明する。予想データサイズ取得手段6は、予め予想圧縮率格納テーブル61を備える。予想圧縮率格納テーブル62は、図7に示すように、利用されるコーデックの種別と医用画像のデータ圧縮に影響を与える特性との組合せに対応して予想圧縮率を格納するテーブルである。
【0046】
予想圧縮率は、データ圧縮後の医用画像のデータサイズとオリジナルのデータサイズの比率である。利用されるコーデックとデータ圧縮に影響を与える医用画像の特性に基づき予想されて設定されている。この予想圧縮率は、詳細は後述するが、利用されるコーデックの種別と医用画像のデータ圧縮に影響を与える各特性との組合せの環境下で実際に医用画像がデータ圧縮されることによって得られた過去の実際の圧縮率に応じて設定される。
【0047】
例えば、医用画像は、医用診断装置の種類によっても、また医用診断装置が作成した画像種別によってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル62は、画像種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。画像種別のパラメータとしては、医用診断装置の種類と、動画像、静止画像、セカンダリキャプチャ画像の組み合わせが挙げられる。
【0048】
また、例えば、医用画像は、医用診断装置が医用画像を作成する際のモードによってデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、モード種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。モード種別のパラメータとしては、例えば医用診断装置が超音波診断装置である場合、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードの各組合せがパラメータとして挙げられる。
【0049】
また、例えば、医用診断装置が超音波診断装置である場合、超音波を送受信するプローブ種別によってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、プローブ種別の特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。プローブ種別のパラメータとしては、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査がパラメータとして挙げられる。
【0050】
また、例えば、医用画像は、医用診断装置が医用画像を作成する際に設定した輝度レベルによってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、輝度レベルの特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。輝度レベルのパラメータは、所定段階の輝度レベルの段階値である。
【0051】
また、例えば、医用画像は、医用画像診断装置が医用画像を作成する際のスキャンレンジによってもデータ圧縮率が異なる。予想圧縮率格納テーブル61は、スキャンレンジの特性情報に応じた予想圧縮率を格納する。スキャンレンジのパラメータは、所定段階のスキャンレンジの段階値である。
【0052】
予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル62から予想圧縮率を取得するために医用画像の付帯情報と利用コーデック種別保持手段63を参照する。
【0053】
予想データサイズ取得手段6は、医用画像の付帯情報うち、データサイズとデータ圧縮に影響を与える医用画像の特性情報を参照する。例えば、図8に示すように、医用画像には、付帯情報としてDICOM規格により、データサイズ、及び画像種別、モード種別、プローブ種別、輝度レベル、スキャンレンジといった特性情報が付帯している。
【0054】
図8において、医用画像は、データサイズ、及び画像種別「US Image Storage(超音波による静止画像)」、モード種別「13」、プローブ種別「SECTOR_PHASED(セクタ走査)」、輝度レベル「4」、及びスキャンレンジ「5」の組み合わせのパラメータで構成される特性情報が付帯している。
【0055】
ここで、モード種別「19」とは、ビット表記「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「01」をBモード、「02」をMモード、「04」を連続波ドプラモード、「08」をパルスドプラモード、「10」をカラードプラモード、「20」をカラーMモードとした場合の複数のビット表記加算値である。ビット表記加算値によってこれらモード種別のいずれか又はこれらモード種別の組合せの特性情報を表す。すなわち、モード種別「19」とは、当該パス名で特定される医用画像がBモード、パルスドプラモード、カラードプラモードの組合せのモードの特性を有することを示す。
【0056】
利用コーデック種別保持手段62は、データ圧縮手段4が医用画像のデータ圧縮の際に利用するコーデックの種別の情報を保持する。尚、本実施形態の画像管理支援装置1では、データ圧縮手段4が利用コーデック種別保持手段62を備える。
【0057】
利用コーデック種別保持手段62に保持されているコーデックの種別としては、例えば、静止画像をデータ圧縮するためのJPEG High、JPEG Middle、JPEG LOW、動画像をデータ圧縮するMotion JPEG、Cinepak Codec、IndeoR video、Microsoft MPEG−4、Windows Media Video等が挙げられる。
【0058】
これらデータを参照する予想データサイズ取得手段6は、データ取得手段63と、予想圧縮率取得手段64と、サイズ算出手段65とを備える。
【0059】
データ取得手段63は、選択された医用画像のデータサイズ及び特性情報と、医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報を取得する。データサイズと特性情報は、医用画像の付帯情報を読み出して取得する。コーデックの種別の情報は、利用コーデック種別保持手段62から取得する。データ取得手段63は、装置操作者が選択した医用画像から付帯情報を読み出して、データサイズと特性情報を取得する。選択された医用画像が複数ある場合、データ取得手段63は、選択された複数の医用画像のそれぞれに対応するデータサイズと特性情報とコーデックの種別の情報を取得する。
【0060】
予想圧縮率取得手段64は、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報に対応する予想圧縮率を予想圧縮率格納テーブル61から取得する。データ取得手段63により、複数の医用画像に対応する特性情報及びコーデックの種別の情報が取得されている場合は、選択された医用画像毎に予想圧縮率を取得する。
【0061】
サイズ算出手段65は、データ取得手段63が取得したデータサイズに、予想圧縮率取得手段64が取得した予想圧縮率を乗じて、予想データサイズを算出する。選択された医用画像が複数ある場合は、選択された医用画像毎に予想データサイズを算出する。また、複数の予想データサイズを算出した場合、サイズ算出手段65は、同時に、算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出する。
【0062】
このような予想データサイズ取得手段6の動作を図9に基づき詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ表示制御手段6の動作を示すフローチャート図である。
【0063】
まず、装置操作者が入力部1Fを用いて、データ圧縮して可搬記憶媒体に書き込む医用画像を選択する(S201,Yes)。医用画像が選択されると、データ取得手段64は、選択された医用画像の付帯情報を外部記憶部1Cから読み出して、主記憶部1B上に展開し、データサイズと特性情報を取得する(S202)。
【0064】
例えば、図8の(a)及び(b)に示す医用画像が選択された場合、まず図8の(a)に示す医用画像から、データサイズ「123,456」バイト、画像種別「US Image Storage」、モード種別「01」、プローブ種別「SECTOR_PHASED」、輝度レベル「4」、及びスキャンレンジ「0」を取得する。これら情報は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。
【0065】
次に、取得した画像種別に対応する、すなわち静止画に対応するデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報を取得する(S203)。例えば、静止画のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報である「Jpeg」が取得される。取得したコーデックの種別の情報は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。
【0066】
選択された医用画像の付帯情報からデータサイズと特性情報を取得し、選択された医用画像に利用されるコーデックの種別の情報の取得が完了すると、これら情報の組合せを検索キーとして、予想圧縮率格納テーブル61を検索する(S204)。これら情報の組み合わせに該当するテーブルを検出すると(S205,Yes)、そのテーブルから予想圧縮率を取得する(S206)。予想圧縮率は、一時的に主記憶部1Bに記憶させておく。尚、検出できなかった場合は(S205,No)、エラー表示して一連の処理を終了する。
【0067】
例えば、図8の(a)に示す医用画像と図7に示す予想圧縮率格納テーブル61からは、図7に示すように、予想圧縮率「58」%が取得される。
【0068】
次に、予想圧縮率が取得されると、主記憶部1B上に一時保持されているデータサイズと予想圧縮率を読み出し、データサイズに予想圧縮率を乗じて予想データサイズを算出する(S207)。算出された予想データサイズは、主記憶部1Bに選択された医用画像の予想データサイズとして記憶されるとともに、主記憶部1Bに合計予想データサイズの格納エリアを設けて当該エリアに格納された値に加算して合計予想データサイズを算出する(S208)。
【0069】
例えば、図8の(a)に示す医用画像においては、データサイズが「123,456」バイトであり、予想圧縮率が「58」%であるから、予想データサイズ「71,605」バイトが取得される。
【0070】
複数の医用画像が選択されており、選択された医用画像の全てについて予想データサイズを算出していない場合には(S209,Yes)、選択された全て医用画像に対して、予想データサイズを算出し、順次合計予想データサイズに加算するまでS202からS208の動作を繰り返し、一連の処理を終了する。
【0071】
例えば、図8の(b)に示す医用画像も選択されている場合、予想圧縮率が「37,531」バイトとなり、予想圧縮率が「37,531」となり、合計予想データサイズは、「109,136」バイトとなる。
【0072】
この取得した予想データサイズと合計予想データサイズは、画面構成部1Dに送出され、図5に示すようにサムネイル表示画面上に表示される。
【0073】
次に予想圧縮率格納テーブル61に格納される予想圧縮率の設定について図10に基づき説明する。図10は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える予想データサイズ取得手段6の予想圧縮率を更新する機能を示す機能ブロック図である。
【0074】
予想データサイズ取得手段6は、予想圧縮率格納テーブル61に格納される予想圧縮率を更新することによって予想圧縮率を設定している。図10に示すように、予想圧縮率を更新する場合、予想データサイズ取得手段6は、データ取得手段63と過去圧縮率格納手段66と予想圧縮率更新手段67を備える。尚、図10に示すデータ取得手段63、データ圧縮手段4、予想圧縮率格納テーブル61については、前述につき詳細な説明を省略する。
【0075】
過去圧縮率格納手段66は、データ圧縮手段4が実際にデータ圧縮した結果である実際の圧縮率を過去複数回分格納する。図11は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1が備える過去圧縮率格納手段66を説明する図である。
【0076】
図11に示すように、実際の圧縮率は、データ圧縮された医用画像の特性情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されたコーデックの種別の情報の組合せに対応して格納される。また、実際の圧縮率には、データ圧縮された日付が付帯する。本実施形態の場合は、過去10回分の実際の圧縮率が格納されている。
【0077】
予想圧縮率更新手段67は、医用画像のデータ圧縮結果より実際の圧縮率を算出し、算出した実際の圧縮率を過去圧縮率格納手段66に書き込む。また、予想圧縮率格納テーブル61に格納されている予想圧縮率を更新する。
【0078】
実際の圧縮率は、医用画像のデータ圧縮前であるオリジナルのデータサイズから、実際にデータ圧縮を行った後のデータサイズを除して算出する。データ圧縮前のデータサイズは、データ取得手段63が取得したデータサイズを主記憶部1Bから読み込む。実際にデータ圧縮を行った後の医用画像のデータサイズは、データ圧縮手段4によるデータ圧縮結果より取得する。
【0079】
過去圧縮率格納手段66への実際の圧縮率の書き込みは、実際の圧縮率でデータ圧縮された医用画像の特性情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されたコーデックの種別の情報の組合せに対応して書き込む。書き込みの際には、日付を参照して、複数回分格納されている実際の圧縮率のうち一番古いデータを消去し、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報の組合せの情報に対応する書き込み先に、新たにデータ圧縮時の日付を付帯させて書き込む。
【0080】
予想圧縮率の更新は、過去圧縮率格納手段66に格納されている複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、予想圧縮率格納テーブル61に格納されている予想圧縮率を、算出した平均値に置き換える。更新の際には、データ取得手段63が取得した特性情報及びコーデックの種別の情報の組合せの情報を読み込んで、当該情報に対応する予想圧縮率を更新する。
【0081】
尚、実際の圧縮率の書き込みにおいて、古いデータを消去することは、平均値算出処理の負荷を軽減するものであるが、古いデータを消去せず、新しく算出した実際の圧縮率を順次追加してもよい。この場合算出された平均値は、装置操作者が使用する環境をより忠実に再現した予想圧縮率を設定することができる。
【0082】
予想圧縮率を更新する動作について図12に基づき詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1の予想圧縮率を更新する動作を示すフローチャート図である。
【0083】
まず、装置操作者により選択された医用画像が実際にデータ圧縮されると(S301,Yes)、データ圧縮後のデータサイズと、利用したコーデックの種別の情報とを取得する(S302)。取得したデータサイズとコーデックの種別の情報は、主記憶部1Bに一時的に保持される。
【0084】
更にデータ圧縮された医用画像のデータ圧縮前のデータサイズと特性情報を予想データサイズ取得の際に展開した主記憶部1B上から取得する(S303)。
【0085】
次に取得したデータ圧縮前のデータサイズから、取得したデータ圧縮後の実際のデータサイズを除して、実際の圧縮率を算出する(S304)。
【0086】
実際の圧縮率を算出すると、主記憶部1Bに保持されている特性情報とコーデックの種別の情報を検索キーとして、過去圧縮率格納手段66を検索し、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する複数回分の実際の圧縮率のうち、日付を参照して一番古い実際の圧縮率を消去する(S305)。同時に、算出した実際の圧縮率を日付と共に書き込む(S306)。
【0087】
次に、新しく実際の圧縮率を過去圧縮率格納手段66に書き込むと、書き込んだ実際の圧縮率を含めて、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する複数回分の実際の圧縮率を平均し、平均値を算出する(S307)。
【0088】
平均値を算出すると、主記憶部1Bに保持されている特性情報とコーデックの種別の情報を検索キーとして、予想圧縮率格納テーブル61を検索し、特性情報とコーデックの種別の情報に対応する予想圧縮率を、算出した平均値に更新する(S308)。
【0089】
このS302〜S308までの動作がデータ圧縮された全ての医用画像に対応して繰り返され(S309)、予想圧縮率の更新が終了する。
【0090】
次に医用画像に付帯する付帯情報の作成について説明する。付帯情報は、医用画像診断装置にて医用画像と同時に作成することが好適である。すなわち、医用画像管理支援装置1を医用画像診断装置に備えることで作業効率の向上を図ることができる。以下、医用画像管理支援装置1を医用画像診断装置に備えた場合を例に説明する。尚、前述した構成と同一な構成については同一名称、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0091】
図13は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1を備える医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、医用画像診断装置は、コンピュータで構成された処理部1Aと主記憶部1Bと外部記憶部1Cと画面構成部1Dと可搬記憶媒体読み書き部1Eとモニタ1Gと入力部1Fを備え、また医用画像作成部1Hを備える。外部記憶部1Cには、医用画像作成部1Hを制御するためのプログラムと、医用画像作成部1Hで作成された医用画像や医用画像管理支援プログラムが格納されている。
【0092】
医用画像作成部1Hは、医用画像診断装置が備えるコンピュータにより制御され、被検体内を観察して画像化する。医用画像診断装置が超音波診断装置である場合の医用画像作成部1Hの構成を図14に示す。図14は、本実施形態に係る医用画像管理支援装置1を超音波診断装置が備える場合の医用画像作成部1Hの構成を示すブロック図である。
【0093】
図14に示すように、医用画像作成部1Hは、コンピュータと電気的に接続され、コンピュータから制御のための制御信号が入力されて動作し、動作結果の信号をコンピュータへ出力する送受信部1Kと信号処理部1Lとイメージメモリ1Mを備え、送受信部1Kには、超音波探触子1Jが電気的に接続されている。
【0094】
超音波探触子1Jは、圧電セラミック等の圧電振動子を複数配列して備えるプローブである。複数の圧電振動子に電圧パルスが印加されることで超音波を被検体内に送信し、反射した超音波を受信してエコー信号に変換する。この超音波探触子1Jは、被検体内への超音波送受信において走査方式により複数種類に大別でき、例えば、セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査の超音波探触子1Jが挙げられる。
【0095】
送受信部1Kは、超音波探触子1Jを制御するためのパルスを発生させ、また受信したエコー信号を増幅、量子化する。
【0096】
信号処理部1Lは、被検体内を画像化するための信号処理を行う。信号処理は、超音波診断装置に設定されたモードに従って行われ、Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードの各組合せに応じた信号処理を行う。
【0097】
イメージメモリ1Mは、信号処理された被検体内の静止画像や、ビデオフォーマットに変換された動画像が記憶される。
【0098】
この超音波診断装置では、装置操作者によって画像種別、モード種別、プローブ種別、輝度レベル、スキャンレンジ等の作成条件が設定され、当該作成条件に従ってコンピュータが制御命令を生成する。生成した制御命令は、送受信部1K、信号処理部1L、及びイメージメモリ1Mに送出される。
【0099】
制御命令が送出されると、送受信部1Kは、制御命令に従ってパルスを発生させ、超音波探触子1Jに超音波を送受信させる。超音波探触子1Jが受信したエコー信号は、送受信部1Kにより増幅及び量子化され、信号処理部1Lにより制御信号に従って医用画像のデータに加工される。加工された医用画像のデータは、イメージメモリ1Mに静止画像又は動画像として記憶され、画面構成部1Dによってモニタ1Gに表示される。
【0100】
イメージメモリ1Mに記憶された静止画像又は動画像は、装置操作者が入力部1Fを用いて保存を要求すると、外部記憶部1Cに格納される。またモニタ1Gに表示された表示画面についてもセカンダリキャプチャ静止画像として外部記憶部1Cに格納される。
【0101】
本実施形態に係る超音波診断装置では、医用画像の外部記憶部1Cへの保存時に、装置操作者によって設定された作成条件に従って付帯情報を作成して医用画像に付帯させる。付帯情報は、特性情報に関する条件を含む設定された作成条件を監視し、また医用画像作成部1Hにより作成された医用画像のデータサイズを算出して取得する。すなわち、付帯情報には、特性情報が含まれ、超音波診断装置では、設定された作成条件に従って特性情報を作成して付帯情報として医用画像に付帯させる。
【0102】
尚、本実施形態においては医用画像診断装置として超音波診断装置を例に採り説明したが、その他医用画像診断装置としてX線装置、MRI装置、PET装置等に適用してもよい。その場合、X線装置、MRI装置、PET装置等に固有の医用画像作成条件を特性情報のパラメータとすればよい。
【0103】
この画像管理支援装置1により、データ圧縮前に医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズを算出することができ、装置操作者によるデータ圧縮前段階での当該予想データサイズと可搬記憶媒体の記憶可能容量との比較検討を可能とする。従って、データ圧縮の時間を浪費した後に記憶可能容量にデータ圧縮後のデータサイズがそぐわないといった事態が発生することを防止する。
【0104】
尚、画像管理支援装置において、予想データサイズや合計予想データサイズの算出後、可搬記憶媒体の記憶可能容量を検出して、検出した記憶可能容量に予想データサイズや合計予想データサイズが収まるか否かを判定するようにしてもよい。
【0105】
また、この画像管理支援装置において、予想圧縮率の設定を過去複数回分の実際の圧縮率に基づき行うようにしたので、医用画像のデータ圧縮を行う度に、予想圧縮率が装置操作者の環境に合った数値に更新され、より正確な予想データサイズの算出が可能となる。
【0106】
以上、本実施形態においては、医用画像管理支援プログラムに従った処理をコンピュータが実行することで上述したような機能を備えるようにしたが、このような医用画像管理支援プログラムは、コンピュータが読取可能な記憶媒体、例えば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)に記憶されているようにしてもよい。
【0107】
また、本実施形態において医用画像管理支援装置1は、医用画像管理支援プログラムにより上述の機能を実現したが、上述の機能を有する専用回路を備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の概略動作を示すフローチャート図である。
【図4】本実施形態に係る医用画像管理支援装置がモニタに表示する表示画面を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る医用画像管理支援装置がモニタに表示する表示画面に予想データサイズを表示した状態を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施形態に係る医用画像管理支援装置に格納される予想圧縮率格納テーブルを説明する図である。
【図8】本実施形態に係る医用画像管理支援装置に格納される医用画像を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える予想データサイズ表示制御手段の予想圧縮率を更新する機能を示す機能ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る医用画像管理支援装置が備える過去圧縮率格納手段を説明する図である。
【図12】本実施形態に係る医用画像管理支援装置の予想圧縮率を更新動作を示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る医用画像管理支援装置を備える医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本実施形態に係る医用画像管理支援装置を超音波診断装置が備える場合の医用画像作成手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0109】
1 医用画像管理支援装置
1A 処理部
1B 主記憶部
1C 外部記憶部
1D 画面構成部
1E 可搬記憶媒体読み書き部
1F 入力部
1G モニタ
1H 医用画像作成部
1J 超音波探触子
1K 送受信部
1L 信号処理部
1M イメージメモリ
2 入力手段
3 サムネイル作成手段
4 データ圧縮手段
5 書込み制御手段
6 予想データサイズ取得手段
61 予想圧縮率格納テーブル
62 利用コーデック種別保持手段
63 データ取得手段
64 予想圧縮率取得手段
65 サイズ算出手段
66 過去圧縮率格納手段
67 予想圧縮率更新手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、
データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出すること、
を特徴とする医用画像管理支援装置。
【請求項2】
コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、
予め、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報及びデータ圧縮に利用可能なコーデックの種別の情報の組合せに対応して予想圧縮率を格納する予想圧縮率格納テーブルと、
データ圧縮される医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用される前記コーデックの種別の情報の組合せに対応する予想圧縮率を、前記予想圧縮率格納テーブルから取得する予想圧縮率取得手段と、
前記データ圧縮される医用画像のデータサイズ及び前記予想圧縮率取得手段により取得された予想圧縮率に基づき、当該医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出するサイズ算出手段と、
を備えること、
を特徴とする医用画像管理支援装置。
【請求項3】
データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項4】
データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズと圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率を、データ圧縮された医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用された前記コーデックの種別の情報の組合せに対応させて過去複数回分格納する過去圧縮率格納手段を更に備え、
前記予想圧縮率更新手段は、
前記過去圧縮率格納手段に格納された複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を、算出した平均値に更新すること、
を特徴とする請求項3記載の医用画像管理支援装置。
【請求項5】
前記予想圧縮率取得手段は、
データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想圧縮率を取得し、
前記サイズ算出手段は、
データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想データサイズを算出して、かつ算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項6】
前記合計予想データサイズを表示する表示画面を更に備えること、
を特徴とする請求項5記載の医用画像管理支援装置。
【請求項7】
データ圧縮された医用画像を可搬記憶媒体に書き込む書込み手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項8】
データ圧縮される医用画像に対応する前記特性の情報及びデータサイズを当該医用画像に付帯する付帯情報から取得するデータ取得手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項9】
超音波により被検体内を観察する超音波診断装置であって、
請求項7記載の医用画像管理支援装置と、
被検体に超音波を送受信するとともに、受信した超音波を信号処理することで、医用画像を作成する医用画像作成手段と、
前記医用画像作成手段による医用画像の作成条件に基づき、作成された医用画像が有する前記特性の情報を作成し、当該医用画像に付帯させる特性情報作成手段と、
を備えること、
を特徴とする超音波診断装置。
【請求項10】
前記特性の情報は、
動画像、若しくは静止画像、又は医用画像を含む表示画面をキャプチャした静止画像のいずれかを含む画像種別の情報、
Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードのいずれか又はこれらの組合せを含むモード種別の情報、
セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査のいずれかを含むプローブ種別の情報、
輝度レベルの値を含む輝度レベルの情報、
スキャンレンジの値を含むスキャンレンジの情報、
の少なくとも一つ又は組合せであること、
を特徴とする請求項9記載の超音波診断装置。
【請求項1】
コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、
データ圧縮される医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報、及び当該医用画像のデータ圧縮に利用されるコーデックの種別の情報に基づき、データ圧縮される医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出すること、
を特徴とする医用画像管理支援装置。
【請求項2】
コーデックを利用して医用画像をデータ圧縮する医用画像管理支援装置であって、
予め、医用画像が有するデータ圧縮に影響を与える特性の情報及びデータ圧縮に利用可能なコーデックの種別の情報の組合せに対応して予想圧縮率を格納する予想圧縮率格納テーブルと、
データ圧縮される医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用される前記コーデックの種別の情報の組合せに対応する予想圧縮率を、前記予想圧縮率格納テーブルから取得する予想圧縮率取得手段と、
前記データ圧縮される医用画像のデータサイズ及び前記予想圧縮率取得手段により取得された予想圧縮率に基づき、当該医用画像のデータ圧縮後の予想データサイズをデータ圧縮前に算出するサイズ算出手段と、
を備えること、
を特徴とする医用画像管理支援装置。
【請求項3】
データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズとデータ圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率に基づき、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を更新する予想圧縮率更新手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項4】
データ圧縮される医用画像の圧縮前のデータサイズと圧縮後の実際のデータサイズに基づく実際の圧縮率を、データ圧縮された医用画像の前記特性の情報と当該医用画像のデータ圧縮に利用された前記コーデックの種別の情報の組合せに対応させて過去複数回分格納する過去圧縮率格納手段を更に備え、
前記予想圧縮率更新手段は、
前記過去圧縮率格納手段に格納された複数回分の実際の圧縮率を平均して平均値を算出し、前記予想圧縮率格納テーブルに格納された予想圧縮率を、算出した平均値に更新すること、
を特徴とする請求項3記載の医用画像管理支援装置。
【請求項5】
前記予想圧縮率取得手段は、
データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想圧縮率を取得し、
前記サイズ算出手段は、
データ圧縮される複数の医用画像のそれぞれに対応して予想データサイズを算出して、かつ算出した複数の予想データサイズを合算して合計予想データサイズを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項6】
前記合計予想データサイズを表示する表示画面を更に備えること、
を特徴とする請求項5記載の医用画像管理支援装置。
【請求項7】
データ圧縮された医用画像を可搬記憶媒体に書き込む書込み手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項8】
データ圧縮される医用画像に対応する前記特性の情報及びデータサイズを当該医用画像に付帯する付帯情報から取得するデータ取得手段を更に備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像管理支援装置。
【請求項9】
超音波により被検体内を観察する超音波診断装置であって、
請求項7記載の医用画像管理支援装置と、
被検体に超音波を送受信するとともに、受信した超音波を信号処理することで、医用画像を作成する医用画像作成手段と、
前記医用画像作成手段による医用画像の作成条件に基づき、作成された医用画像が有する前記特性の情報を作成し、当該医用画像に付帯させる特性情報作成手段と、
を備えること、
を特徴とする超音波診断装置。
【請求項10】
前記特性の情報は、
動画像、若しくは静止画像、又は医用画像を含む表示画面をキャプチャした静止画像のいずれかを含む画像種別の情報、
Bモード、Mモード、カラーMモード、連続波ドプラモード、パルスドプラモード、又はカラードプラモードのいずれか又はこれらの組合せを含むモード種別の情報、
セクタ走査、リニア走査、コンベックス走査、又はベクタ走査のいずれかを含むプローブ種別の情報、
輝度レベルの値を含む輝度レベルの情報、
スキャンレンジの値を含むスキャンレンジの情報、
の少なくとも一つ又は組合せであること、
を特徴とする請求項9記載の超音波診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−296633(P2006−296633A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120850(P2005−120850)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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