説明

医用画像表示装置

【課題】より簡易かつ画一的に、異なる時期に収集されたMR画像をより同等なコントラストで表示させることが可能な医用画像表示装置を提供することである。
【解決手段】医用画像表示装置は、画像データ取得手段及びコントラスト調整手段を備える。画像データ取得手段は、ネットワークを介して医用画像データの通信規格の画像データを少なくとも1つ取得することによって同一の被検体の異なる時期に対応する複数の磁気共鳴画像データを取得する。コントラスト調整手段は、前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する領域における各画素値に基づいて、前記互いに対応する領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の磁気共鳴画像データの少なくとも1つに対するウィンドウパラメータの調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像表示装置の一つである磁気共鳴イメージング(MRI: Magnetic Resonance Imaging)装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR: nuclear magnetic resonance)信号からMR(magnetic resonance)画像データを再構成する装置である。
【0003】
MRI装置による検査では、しばしば患者の術前及び術後における画像の比較や病変部位の経過観察のための画像の比較が行われる。画像の比較を行う場合、過去に収集された画像データの撮像位置と同じ位置から画像データが繰り返し収集される。すなわち、過去に収集された画像データの撮像条件を参照して、画像データの収集条件が設定される。
【0004】
MRI装置で収集されたMR画像データは、通常、医用画像データの通信規格であるDICOM (Digital Imaging and Communication in Medicine)規格の医用画像データとして医用画像サーバに転送されて管理される。このため、MR画像データは、MRI装置のみならず、医用画像サーバの画像表示機能を利用して比較されたり、或いは医用画像サーバから医用画像処理用のワークステーションに取り込まれて比較されることもある。
【0005】
そこで、ネットワークで互いに接続された複数の医用システムにおいて撮像条件や画像処理条件等の医用画像データに付随する情報をDICOM規格の画像データと認識して処理することができるようにした技術が考案されている。この技術では、医用画像データの収集に用いられた座標情報等の撮像条件を付帯させたDICOM規格の位置決め画像データが生成される。このため、位置決め画像データに付帯する過去の撮像条件情報を、ネットワークを介して医用画像サーバなどから取得して参照すれば、過去に収集された画像データの撮像位置と同じ位置から画像データを収集するための撮像条件を設定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−167634号公報
【特許文献2】特開2010−142462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、過去に収集された画像データの撮像条件と同一の撮像条件で同一の撮像部位から画像データを収集したとしても、画像データのコントラストが変化する場合がある。これは、術前と術後との間における撮像部位の変化、造影剤の染まり具合の違い、装置の違いなど様々な要因に起因している。
【0008】
加えて、DICOM規格では、画像データのデータサイズに制限がある。このため、MRI装置で高解像度のMR画像データを収集しても、低解像度に圧縮された画像データとして医用画像サーバに転送される。この結果、MR画像データのコントラストが変わる恐れがある。
【0009】
特に、一旦、DICOM規格に変換された過去のMR画像データを医用画像サーバからMRI装置に取り込んで、収集直後の高解像度のMR画像データと比較する場合には、画像処理によって低解像度の過去のMR画像データを高解像度のMR画像データに復元することが必要となる。このような場合には、過去の画像データのコントラストがMRI装置によって収集された直後のコントラストから変わる恐れがある。
【0010】
このため、異なる時期に収集されたMR画像の比較検査を行う場合には、操作者が画像の比較を行って手動でコントラストの微調整を行っている。この結果、操作者にはコントラストの調整のための手間が発生する。また、操作者の主観に依存したコントラストの調整が行われる恐れがあるといった問題がある。
【0011】
本発明は、より簡易かつ画一的に、異なる時期に収集されたMR画像をより同等なコントラストで表示させることが可能な医用画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態に係る医用画像表示装置は、画像データ取得手段及びコントラスト調整手段を備える。画像データ取得手段は、ネットワークを介して医用画像データの通信規格の画像データを少なくとも1つ取得することによって同一の被検体の異なる時期に対応する複数の磁気共鳴画像データを取得する。コントラスト調整手段は、前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する領域における各画素値に基づいて、前記互いに対応する領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の磁気共鳴画像データの少なくとも1つに対するウィンドウパラメータの調整を行う。
【0013】
また、本発明の実施形態に係る医用画像表示装置は、画像データ取得手段及びコントラスト調整手段を備える。画像データ取得手段は、同一の被検体から異なる時期に対応する複数の磁気共鳴画像データを収集する。コントラスト調整手段は、前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する領域における各画素値に基づいて、前記互いに対応する領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の磁気共鳴画像データの少なくとも1つに対するウィンドウパラメータの調整を行う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の実施形態に係る医用画像表示装置の一例である磁気共鳴イメージング装置の機能ブロック図。
【図2】図1に示す磁気共鳴イメージング装置により同一の被検体から異なる時期に複数回イメージングを行って画像データを比較読影する際の流れを示すシーケンスチャート。
【図3】図1に示すコントラスト調整部によるウィンドウパラメータの調整方法を説明する図。
【図4】図1に示すコントラスト調整部によりコントラスト調整領域ごとに調整された複数のウィンドウパラメータを適用して画像を表示させた例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る医用画像表示装置について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る医用画像表示装置の一例である磁気共鳴イメージング装置の機能ブロック図である。
【0017】
医用画像表示装置は、MR画像データを取得して表示させる装置である。ここでは、医用画像表示装置がMR画像データを収集するための撮像系を備えた磁気共鳴イメージング装置である場合を例に説明するが、医用画像表示装置は、単にネットワークを介して取得したMR画像データを表示させるワークステーション等の医用画像処置装置や医用画像サーバであってもよい。
【0018】
図1に示すように磁気共鳴イメージング装置1は、ネットワーク2を介して医用情報管理システム3及び医用画像サーバ4と接続される。また、ネットワーク2には、他の磁気共鳴イメージング装置1Aを接続することができる。
【0019】
ネットワーク2は、単一の医療機関内における院内ネットワーク等のLAN (Local Area Network)に限らず、複数の医療機関の間において利用されるインターネットや専用の広域ネットワークであってもよい。複数の医療機関の間においてネットワーク2で磁気共鳴イメージング装置1等の医用画像表示装置同士を接続すれば、医用画像表示装置を用いた遠隔医療が可能となる。
【0020】
医用情報管理システム3は、患者の識別情報等の患者情報及び撮像部位等の撮像条件指定情報を含む検査オーダー情報を管理する放射線科情報システム(RIS: Radiology Information System)や病院情報システム(HIS: hospital information system)等のシステムである。
【0021】
医用画像サーバ4は、医用画像データの通信規格であるDICOM規格の画像データとして医用画像データを保存する画像保存通信システム(PACS: picture archiving and communication system)等の画像データ管理システムである。医用画像サーバ4は、画像データベース4A及びデータベース制御部4Bを有する。データベース制御部4Bは、コンピュータに制御プログラムを読み込ませて構築することができる。また、データベース制御部4Bを構成するために回路を用いることもできる。
【0022】
画像データベース4Aは、DICOM規格の医用画像データを保存するデータベースである。データベース制御部4Bは、磁気共鳴イメージング装置1,1A等の送信元からネットワーク2を介して送信された画像データを画像データベース4Aに書き込んで保存させる機能と、磁気共鳴イメージング装置1からネットワーク2を介して画像データ又は画像データに含まれる検査情報の送信要求が送信された場合に、送信要求に対する応答として対応する画像データ又は画像データに含まれる検査情報を画像データベース4Aから取得して磁気共鳴イメージング装置1に送信する機能とを有する。
【0023】
磁気共鳴イメージング装置1は、患者情報取得部5、撮像条件設定部6、撮像系7、コントラスト調整部8、画像データ送信部9、入力装置10及び表示装置11を有する。また、コントラスト調整部8は、領域設定部8A、過去画像取得部8B、解像度変換部8C及びWL/WW調整部8Dを有する。患者情報取得部5、撮像条件設定部6、撮像系7、コントラスト調整部8及び画像データ送信部9のうちデジタル情報を処理する構成要素は、コンピュータにプログラムを読み込ませて構築することができる。但し、これらの構成要素を構成するために回路を用いてもよい。
【0024】
患者情報取得部5は、医用情報管理システム3から患者及び検査ごとの検査オーダー情報がネットワーク2を介して磁気共鳴イメージング装置1に与えられた場合に、検査オーダー情報を登録する機能を有する。
【0025】
撮像条件設定部6は、患者情報取得部5において登録された検査オーダー情報及び入力装置10から入力された指示情報に基づいてパルスシーケンス及び撮像領域等の撮像条件を設定する機能を有する。
【0026】
特に、撮像条件設定部6は、検査オーダー情報に含まれる患者情報に対応する過去の検査情報を医用画像サーバ4から取得して、過去に収集された画像データと同等な位置において画像データを収集するための撮像条件を設定する機能を備えている。すなわち、撮像条件設定部6は、過去に設定された撮像領域と同一又は同一とみなせる撮像領域を撮像条件として設定することができるように構成されている。
【0027】
過去に収集された画像データや過去に収集された画像データに用いられた位置決め画像データ等の所望の画像データには、付帯情報として過去に収集された画像データの撮像領域を特定するための座標情報を付帯させることができる。従って、撮像条件設定部6には、過去の画像データに対応する座標情報又は座標情報を付帯する画像データの送信要求を医用画像サーバ4にネットワーク2を介して送信する機能と、送信要求に応答して医用画像サーバ4から送信された座標情報又は画像データを受信して取得する機能を有する。そして、撮像条件設定部6は、取得した座標情報に基づいて、同一の座標範囲を撮像領域として設定できるように構成されている。
【0028】
尚、撮像条件設定部6では、撮像領域以外のエコー時間(TE: echo time)、繰返し時間(TR: repetition time)、データ収集位置、マトリクスサイズ等の撮像パラメータについても過去の画像データの収集に用いられた撮像条件を参照して同等な撮像条件に設定することができる。この場合には、撮像条件設定部6では、実際には座標情報に加え、撮像条件の設定に参照される情報が医用画像サーバ4から取得される。座標情報以外の撮像条件についても所望の画像データの付帯情報として医用画像サーバ4から取得することができる。
【0029】
撮像系7は、撮像条件設定部6において設定された撮像条件に従ってイメージングを行うことによって患者である被検体のMR画像データを収集する機能と、収集したMR画像データを表示装置11に表示させる機能とを有する。そのために、撮像系7は、被検体からイメージングデータとしてNMR信号を収集するための静磁場用磁石、傾斜磁場コイル及びRFコイル等のハードウェア、これらのハードウェアを制御する静磁場電源、傾斜磁場電源、RF送信器、RF受信器、シーケンスコントローラ及びコンピュータ等の制御機器、収集されたNMR信号に対する画像再構成処理及び画像処理によってMR画像データを生成するコンピュータを備えている。
【0030】
コントラスト調整部8は、同一の被検体から異なる時期に収集された複数フレーム分の画像データについて指定された各領域が互いに同等の輝度で表示装置11に表示されるようにウィンドウ幅(WW: Window Width)及びウィンドウレベル(WL: Window Level)の調整を実行する機能と、WW及びWLの調整後における複数フレームの画像データを表示装置11に表示させる機能とを有する。すなわち、コントラスト調整部8は、適切なウィンドウパラメータを設定することによって、異なる時期において収集された複数の画像データを、輝度値を基準としてそのまま比較できるようにコントラストの調整を行う機能を有する。
【0031】
領域設定部8Aは、入力装置10からの情報に基づいて、同一の輝度で表示させる領域をコントラストの調整領域として撮像系7において収集された画像データ又は医用画像サーバ4からネットワーク2を介して取得した画像データに対して設定する機能を有する。
【0032】
尚、単一のスライス画像データに対して複数のコントラスト調整領域を設定することも可能である。また、スライス画像データに限らず、表示装置11に表示させた最大値投影(MIP: Maximum Intensity Projection)画像データやボリュームレンダリング(VR: Volume Rendering)画像データ等の3次元(3D: three dimensional)画像データを通じて2次元(2D: two dimensional)又は3Dのコントラスト調整領域を設定できるようにしてもよい。
【0033】
コントラスト調整領域の設定情報は、画像データに付帯情報として付加することができる。特に、画像データをDICOM規格の画像データに変換した場合には、プライベートタグ情報としてコントラスト調整領域の設定情報を画像データに付帯させることができる。
【0034】
プライベートタグ情報は、画像診断装置等のDICOM規格の画像データを出力する装置のメーカが独自に定義して画像データに付帯させることが可能な情報である。一方、DICOM規格の画像データの付帯情報のうち、メーカに依らず共通の付帯情報は標準タグ情報と呼ばれる。
【0035】
過去画像取得部8Bは、比較読影のために表示させる過去の画像データを医用画像サーバ4からDICOM規格の画像データとしてネットワーク2を介して取得する機能と、受信したDICOM規格の画像データを磁気共鳴イメージング装置1において処理可能なデータ構造を有する画像データに変換する機能とを有する。
【0036】
解像度変換部8Cは、過去画像取得部8Bにより医用画像サーバ4から取得された画像データの解像度を撮像系7において収集された画像データの解像度に合わせて変換する機能を有する。すなわち、DICOM規格では、画像データのデータサイズに上限があるため、医用画像サーバ4から取得された画像データの解像度が、撮像系7において収集された画像データの解像度よりも低くなる場合が多い。そこで、解像度変換部8Cには、医用画像サーバ4から取得された画像データの解像度を、撮像系7において収集された画像データの解像度に合わせて高くする機能が備えられる。解像度の変換は、補間処理等の公知の画像処理によって行うことができる。
【0037】
WL/WW調整部8Dは、比較読影の対象として異なる時期に収集された複数フレームの画像データ間において、各コントラスト調整領域の画素値の代表値を比較する機能、各コントラスト調整領域を互いに同等の輝度で表示させるためのウィンドウパラメータの調整条件を各コントラスト調整領域内における画素値の代表値の比較結果及び各フレームの画像データに付帯するウィンドウパラメータに基づいて求める機能及びウィンドウパラメータの調整条件に従ってWW及びWLを調整する機能を有する。
【0038】
あるフレームの画像データについてコントラスト調整領域が設定されている場合には、他のフレーム画像データの対応する領域を他のフレームの画像データにおけるコントラスト調整領域としてウィンドウパラメータの調整条件を設定することができる。
【0039】
すなわち、コントラスト調整領域が設定されていない画像データが、コントラスト調整領域が設定されたスライス画像データと同一スライス位置における画像データであれば、コントラスト調整領と同一の領域をコントラスト調整領域が設定されていない画像データのコントラスト調整領域とすることができる。
【0040】
一方、コントラスト調整領域が設定されていない画像データが、コントラスト調整領域が設定されたスライス画像データと同一スライス位置における画像データでない場合には、コントラスト調整領域に最も近い同形状の領域など、対応する領域をコントラスト調整領域が設定されていない画像データのコントラスト調整領域とすることができる。
【0041】
更に、比較読影の対象となる複数フレームの画像データにコントラスト調整領域が同一の領域又は比較対象となり得る領域としてそれぞれ設定されている場合には、設定された各コントラスト調整領域がウィンドウパラメータの調整条件を求めるための画素値の代表値の比較領域となる。
【0042】
画像データ送信部9は、画像データをDICOM規格の画像データに変換し、変換したDICOM規格の画像データを入力装置10から指定された送信先に送信する機能を有する。磁気共鳴イメージング装置1において生成された画像データは、通常、医用画像サーバ4に転送され、DICOM規格の画像データとして医用画像サーバ4に保存される。
【0043】
尚、領域設定部8Aにおいて設定されたコントラスト調整領域の特定情報は、DICOM規格の画像データのプライベートタグで識別される付帯情報として画像データとともに医用画像サーバ4に転送することができる。この場合、コントラスト調整領域の特定情報は、コントラスト調整領域の設定対象となった画像データに限らず、位置決め画像データ等の任意のDICOM規格の画像データの付帯情報として医用画像サーバ4に転送することができる。
【0044】
また、画像データに設定されたウィンドウパラメータもDICOM規格に沿って標準タグで識別される付帯情報としてDICOM規格の画像データに付加されるが、プライベートタグで識別される付帯情報としてDICOM規格の画像データに付加するようにしてもよい。従って、WL/WW調整部8Dにおける調整後のウィンドウパラメータは、DICOM規格の画像データにおける付帯情報として医用画像サーバ4に転送することができる。
【0045】
更に、他の磁気共鳴イメージング装置1Aにも磁気共鳴イメージング装置1が有するコントラスト調整部8等の構成要素を設けることができる。
【0046】
次に磁気共鳴イメージング装置1の動作及び作用について説明する。ここでは、説明簡易化のために磁気共鳴イメージング装置1において医用画像サーバ4から取得した過去の画像データと同一の撮像領域に対応する画像データを撮像系7により収集し、過去の画像データと撮像系7により収集された画像データとを比較読影する場合について説明する。
【0047】
図2は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置1により同一の被検体から異なる時期に複数回イメージングを行って画像データを比較読影する際の流れを示すシーケンスチャートである。
【0048】
まずステップS1において、医用情報管理システム3から検査オーダー情報がネットワーク2を介して磁気共鳴イメージング装置1に送信される。
【0049】
そうするとステップS2において、磁気共鳴イメージング装置1の患者情報取得部5は、検査オーダー情報を受信して検査オーダー情報に含まれる患者ID等の患者情報を取得する。すなわち、イメージングの対象として患者情報が登録される。また、検査オーダー情報は、患者情報取得部5から撮像条件設定部6に与えられる。
【0050】
次にステップS3において、検査オーダー情報により指定された撮像部位についてのイメージングが実行される。そのために、撮像条件設定部6は、患者情報取得部5により受信された検査オーダー情報及び入力装置10から入力された指示情報に基づいて撮像条件を設定する。そして、撮像系7は、撮像条件設定部6において設定された撮像条件に従ってイメージングを行う。これにより患者IDで特定される被検体のMR画像データが収集される。
【0051】
次にステップS4において、領域設定部8Aは、今後、同一の被検体のイメージングを行う場合に同一の輝度で表示させる領域を入力装置10からの情報に基づいて画像データに対してコントラスト調整領域として設定する。すなわち、ユーザは、画像データを観察し、所望のスライス画像データの所望の領域をコントラスト調整領域として入力装置10の操作によって指定することができる。
【0052】
コントラスト調整領域を設定する画像データは、画像データを繰り返し収集して比較読影すべき関心領域(ROI: region of interest)が含まれるスライス画像データとすることが、複数の画像データ間においてROIを同等なコントラストで観察する観点から望ましい。また、コントラスト調整領域は、被検体の術前術後又は経過に伴って画素値の変化が十分に小さいと判断される位置及び範囲に設定することがROIを同等なコントラストで観察する観点から望ましい。
【0053】
尚、上述したように単一のスライス画像データに対して複数のコントラスト調整領域を設定することができる。この場合、あるコントラスト調整領域において画素値が変化しても、他のコントラスト調整領域内における画素値に基づいて、同等なコントラストを有する画像データを繰り返し収集することが可能となる。
【0054】
次にステップS5において、画像データ送信部9は、撮像領域等の撮像条件及び領域設定部8Aにおいて設定されたコントラスト調整領域を付帯情報として含む画像データをDICOM規格の画像データに変換して医用画像サーバ4にネットワーク2を介して送信する。すなわち、撮像条件及びコントラスト調整領域は、DICOM規格の画像データに付随する標準タグ及びプライベートタグで識別される付帯情報として医用画像サーバ4に送信される。
【0055】
そうするとステップS6において、医用画像サーバ4のデータベース制御部4Bは、磁気共鳴イメージング装置1からネットワーク2を介して送信されたDICOM規格の画像データを受信して、患者IDに対応する検査情報として画像データベース4Aに書き込む。
【0056】
そして、医療計画に沿って、被検体の手術や治療を行うことができる。更に、被検体の術後など、画像データを収集して被検体の経過観察を要する場合には、磁気共鳴イメージング装置1による再検査が実施される。
【0057】
その場合には、ステップS7において、医用情報管理システム3から再検査オーダー情報がネットワーク2を介して磁気共鳴イメージング装置1に送信される。
【0058】
次にステップS8において、磁気共鳴イメージング装置1の患者情報取得部5は、再検査オーダー情報を受信して再検査オーダー情報に含まれる患者ID等の患者情報を取得する。すなわち、イメージングの対象として患者情報が登録される。また、再検査オーダー情報は、患者情報取得部5から撮像条件設定部6に与えられる。
【0059】
次にステップS9において、撮像条件設定部6は、患者情報取得部5から与えられたオーダー情報が再検査オーダー情報であることから、患者情報に対応する過去の画像データの収集に用いられた撮像条件又は撮像条件を付帯する画像データの送信要求を医用画像サーバ4にネットワーク2を介して送信する。
【0060】
次にステップS10において、医用画像サーバ4のデータベース制御部4Bは、画像データベース4Aに検査情報として保存されている過去の撮像条件又は過去の撮像条件を付帯する画像データを検索する。
【0061】
次にステップS11において、データベース制御部4Bは検索結果として得られた過去の撮像条件又は過去の撮像条件を付帯する画像データを、ネットワーク2を介して送信する。
【0062】
次にステップS12において、撮像条件設定部6は、医用画像サーバ4から送信された過去の撮像条件又は画像データを受信する。そして、撮像条件設定部6は、過去の撮像条件に含まれる座標情報に基づいて、過去に収集された画像データの撮像領域と同一の撮像領域を再検査用のイメージングの撮像条件として設定する。また、撮像条件設定部6は、過去の撮像条件を参照し、入力装置10から入力された指示情報に基づいて他の撮像条件を設定する。
【0063】
次にステップS13において、再検査オーダー情報により指定された撮像部位についてのイメージングが実行される。すなわち、撮像条件設定部6は、再検査用に設定した撮像条件を撮像系7に出力する。そして、撮像系7は、同一の撮像部位の画像データを収集する再検査用の撮像条件に従ってイメージングを行う。これにより同一の被検体から同一の撮像領域の画像データが再度収集される。
【0064】
次にステップS14において、コントラスト調整部8のWL/WW調整部8Dは、患者情報に対応する過去の画像データが既に医用画像サーバ4から磁気共鳴イメージング装置1に取得されている場合には、過去の画像データと再検査用のイメージングによって収集された画像データとを比較する。この際、必要に応じて解像度変換部8Cは、WL/WW調整部8Dにおける画像データの比較に先だって過去の画像データに対する解像度の変換を行う。
【0065】
一方、過去の画像データが医用画像サーバ4から取得されていない場合には、過去画像取得部8Bが医用画像サーバ4のデータベース制御部4Bにネットワーク2を介して検索要求を送信する。そして、検索要求に応答して医用画像サーバ4からネットワーク2を介して送信された過去のDICOM規格の画像データは、過去画像取得部8Bにより受信される。そうすると、過去画像取得部8Bは、過去のDICOM規格の画像データを磁気共鳴イメージング装置1において処理可能なデータ構造を有する画像データに変換する。
【0066】
次に、必要に応じて解像度変換部8Cは、医用画像サーバ4から取得された過去の画像データの解像度を、撮像系7による再検査用のイメージングによって収集された画像データの解像度に合わせて変換する。これにより高解像度の過去の画像データと再検査によって収集された画像データとが比較用に準備され、WL/WW調整部8Dにおいて過去の画像データと再検査によって収集された画像データとが比較される。
【0067】
更に、WL/WW調整部8Dは、過去の画像データに対して設定されたコントラスト調整領域を輝度表示させた場合に、過去の画像データと再検査において収集された画像データとの間において同等の輝度となるように過去の画像データ及び再検査において収集された画像データの少なくとも一方のウィンドウパラメータを調整する。尚、コントラスト調整領域は、過去の画像データの付帯情報として取得することができる。
【0068】
過去の画像データは、収集時における病変部位の観察に適したコントラストとなるような撮像条件で収集される。このため、再検査において収集された画像データを過去の画像データのコントラストに合わせることが望ましい場合が多い。
【0069】
そこで、ここでは、過去の画像データのコントラストに合わせて再検査において収集された画像データのコントラストを調整する場合を例に説明する。もちろん再検査において収集された画像データのコントラストに合わせて過去の画像データのコントラストを調整したり、過去の画像データ及び再検査において収集された画像データの双方のコントラストを調整することも可能である。
【0070】
図3は、図1に示すコントラスト調整部8によるウィンドウパラメータの調整方法を説明する図である。
【0071】
図3において縦軸は、画像データを表示装置10に表示させた場合の相対輝度値を示す。例えば図3の左側に示すように過去の画像データI0の画素値に合わせてウィンドウレベルWL0及びウィンドウ幅WW0をそれぞれWL0=10000, WW0=20000に設定すると、ウィンドウパラメータに応じた輝度値で過去の画像データI0が表示される。
【0072】
これに対して再検査によって収集された画像データI1の画素値が、病変部位の減少や造影剤の効果の低下等の様々な要因によって過去の画像データI0から変化すると、画像データI1の画素値に合わせたウィンドウレベルWL1'及びウィンドウ幅WW1'も過去の画像データI0に対するウィンドウレベルWL0及びウィンドウ幅WW0から変化する。図3に示す例では、再検査によって収集された画像データI1に合わせたウィンドウレベルWL1'及びウィンドウ幅WW1'は、それぞれWL1'=7500, WW1'=15000となっている。
【0073】
この結果、過去の画像データI0の収集時と再検査における画像データI1の収集時において変化がない部位であっても、画素値及びウィンドウパラメータの違いにより異なる輝度で表示されることとなる。そこで、変化がないと見なせるコントラスト調整領域の輝度が過去の画像データI0と再検査によって収集された画像データI1との間において同等となるように再検査によって収集された画像データI1に対するウィンドウレベルWL1'及びウィンドウ幅WW1'が調整される。
【0074】
すなわち、WL/WW調整部8Dは、過去の画像データI0と再検査によって収集された画像データI1のいずれにおいてもコントラスト調整領域を同等の輝度で表示させるための、再検査によって収集された画像データI1に対するウィンドウレベルWL1及びウィンドウ幅WW1を求める。そして、調整後のウィンドウレベルWL1及びウィンドウ幅WW1を適用して再検査によって収集された画像データI1を表示させれば、画素値の変化がキャンセルされた再検査の画像データI1'と同等な輝度で、画像データI1を表示させることができる。
【0075】
コントラスト調整領域を同等の輝度で表示させるための再検査の画像データに対するウィンドウパラメータの調整値は、過去の画像データと再検査によって収集された画像データのコントラスト調整領域における各画素値の代表値及び過去の画像データに対して設定されたウィンドウパラメータに基づいて求めることができる。尚、過去の画像データに対して設定されたウィンドウパラメータは、過去の画像データ又は対応する位置決め画像データ等の付帯情報として取得することができる。
【0076】
但し、コントラストの調整領域は、上述したように複数箇所に設定することができる。この場合、ウィンドウパラメータの調整によって1つのコントラストの調整領域について過去の画像データと再検査によって収集された画像データとの間で同等な輝度で表示できたとしても、他のコントラストの調整領域では異なる輝度となる可能性がある。
【0077】
そこで、ウィンドウパラメータの調整値を1つ求めても全てのコントラスト調整領域を同等な輝度で表示できない場合には、コントラスト調整領域ごとにそれぞれウィンドウパラメータの調整を行うようにすることができる。すなわち、コントラスト調整領域ごとにウィンドウパラメータの調整値を求め、複数のウィンドウパラメータを適用して得られる複数の画像データを表示させることができる。
【0078】
図4は、図1に示すコントラスト調整部8によりコントラスト調整領域ごとに調整された複数のウィンドウパラメータを適用して画像を表示させた例を示す図である。
【0079】
図4は過去の画像データ及びコントラストの調整後における再検査の画像データを表示装置10に並列表示させた例を示す。すなわち、図4に示す表示装置10の左側には過去の画像が表示され、右側にはコントラストの調整後における再検査の画像が表示されている。
【0080】
過去の画像データには、複数のコントラスト調整領域を設定することができる。図4は、ROIの周囲に3つのコントラスト調整領域R1, R2, R3を設定した例を示している。また、図4に示す例では、再検査で得られた画像データのROIが過去の画像データにおけるROIよりも縮小している。そして、再検査で得られた画像データのROIの周囲における対応位置に3つのコントラスト調整領域R1, R2, R3が表示されている。
【0081】
このように複数のコントラスト調整領域を設定した場合には、過去の画像データ及び再検査で得られた画像データにおいて全てのコントラスト調整領域が同等な輝度で表示されるようにウィンドウパラメータの調整を行うことができない可能性がある。
【0082】
そこで、コントラスト調整領域ごとにウィンドウパラメータの調整を行うことができる。図4の例では、3つのコントラスト調整領域R1, R2, R3がそれぞれ過去の画像データ及び再検査で得られた画像データのいずれにおいても同等な輝度で表示されるように3つの画像が切換可能に表示されている。
【0083】
すなわち、第1のコントラストの調整領域R1を過去の画像データ及び再検査で得られた画像データのいずれにおいても同等な輝度で表示させるためのウィンドウパラメータの調整値を適用して第1のコントラストの調整後の画像を表示させることができる。同様に、第2及び第3の各コントラスト調整領域R2, R3をそれぞれ過去の画像データ及び再検査で得られた画像データのいずれにおいても同等な輝度で表示させるためのウィンドウパラメータの各調整値を適用して第2及び第3のコントラストの調整後の画像を表示させることができる。また、第1、第2及び第3のコントラストの調整後の各画像は、図4に示すようにタブTAB1, TAB2, TAB3を用いて切換表示させることができる。
【0084】
一方、複数のコントラスト調整領域が設定されている場合であっても、各コントラスト調整領域を過去の画像データ及び再検査で得られた画像データにおいて同等な輝度で表示できれば、複数のコントラスト調整領域に共通のコントラストの調整後の画像を表示させることができる。この場合、コントラスト調整領域の数よりも少ない画像が切換表示される。
【0085】
複数のコントラスト調整領域が設定されている場合におけるウィンドウパラメータの調整処理は、例えば以下のアルゴリズム(1)によって行うことができる。
If(|I01/I11|, |I02/I12|, |I03/I13|≦T)
{
WL11= WL12= WL13= WL0
WW11= WW12= WW12= WW0
}
else
{
WL11= WL0×|I01/I11|
WW11= WW0×|I01/I11|
WL12= WL0×|I02/I12|
WW12= WW0×|I02/I12|
WL13= WL0×|I03/I13|
WW13= WW0×|I03/I13|
}
(1)
但し、アルゴリズム(1)において、
I01:過去の画像データにおける第1のコントラスト調整領域R1の代表画素値
I02:過去の画像データにおける第2のコントラスト調整領域R2の代表画素値
I03:過去の画像データにおける第3のコントラスト調整領域R3の代表画素値
I11:再検査で得られた画像データにおける第1のコントラスト調整領域R1の代表画素値
I12:再検査で得られた画像データにおける第2のコントラスト調整領域R2の代表画素値
I13:再検査で得られた画像データにおける第3のコントラスト調整領域R3の代表画素値
T:閾値
WL0:過去の画像データに対するウィンドウレベル
WW0:過去の画像データに対するウィンドウ幅
WL11':再検査で得られた画像データにおける第1のコントラストの調整用の領域R1に合わせて調整されたウィンドウレベル
WW11:再検査で得られた画像データにおける第1のコントラスト調整領域R1に合わせて調整されたウィンドウ幅
WL12:再検査で得られた画像データにおける第2のコントラスト調整領域R2に合わせて調整されたウィンドウレベル
WW12:再検査で得られた画像データにおける第2のコントラスト調整領域R2に合わせて調整されたウィンドウ幅
WL13:再検査で得られた画像データにおける第3のコントラスト調整領域R3に合わせて調整されたウィンドウレベル
WW13:再検査で得られた画像データにおける第3のコントラスト調整領域R3に合わせて調整されたウィンドウ幅
である。
【0086】
すなわち、第1、第2及び第3の各コントラスト調整領域R1, R2, R3内における再検査で得られた画像データの代表画素値I11, I12, I13に対する過去の画像データの代表画素値I01, I02, I03の比が閾値T以下(又は閾値T未満)であれば、再検査で得られた画像データにおける画素値の範囲の過去の画像データからの変化量が小さい。
【0087】
このため過去の画像データに適用されたウィンドウパラメータをそのまま再検査で得られた画像データに適用することによって、第1、第2及び第3の各コントラスト調整領域R1, R2, R3をそれぞれ同等の輝度で表示させることができる。つまり、過去の画像データの表示に用いられたウィンドウレベルWL0及びウィンドウ幅WW0を再検査で得られた画像データの表示用の共通のウィンドウレベルWL11, WL12, WL13及びウィンドウ幅WL11, WL12, WL13としてそのまま用いることができる。
【0088】
これに対して、第1、第2及び第3の各コントラスト調整領域R1, R2, R3内における再検査で得られた画像データの代表画素値I11, I12, I13に対する過去の画像データの代表画素値I01, I02, I03の比のいずれかが閾値Tを超える(又は閾値T以上となる)場合には、再検査で得られた画像データの画素値の範囲の変化量が大きい。このため、各代表画素値I01, I02, I03の比を画素値の範囲の変化量を表す指標としてウィンドウパラメータの調整を行う。
【0089】
すなわち、各代表画素値I01, I02, I03の比をそれぞれ係数として過去の画像データの表示に用いられた基準となるウィンドウレベルWL0及びウィンドウ幅WW0に乗じることによって、第1、第2及び第3の各コントラスト調整領域R1, R2, R3に対応する適切なウィンドウレベルWL11, WL12, WL13及びウィンドウ幅WL11, WL12, WL13をウィンドウパラメータの調整値として求めることができる。
【0090】
尚、閾値Tはユーザが任意に設定することが可能である。閾値Tの適切な値は経験的に決定することができる。
【0091】
そして、このようなコントラスト調整部8におけるコントラスト調整後の過去の画像データ及び再検査の画像データが表示装置10に表示される。すなわち、コントラスト調整領域が互いに同等の輝度で表示された過去の画像データ及び再検査で得られた画像データが表示装置10に表示される。
【0092】
このため、ユーザは、異なる時期に対応する画像データの比較読影を行うことができる。読影の対象となる画像データにはコントラスト調整領域の画素値を基準としてコントラストの調整が行われている。従って、過去の画像データ及び再検査で得られた画像データ間においてROIを同列に比較することができる。この結果、ROIの経過観察を適切に実行することができる。
【0093】
そして、必要に応じて再びステップS5においてコントラスト調整領域の特定情報を含む再検査の画像データを医用画像サーバ4に送信して保存させることができる。また、繰り返し再検査を実行することができる。その場合には、ステップS7において医用情報管理システム3から再検査オーダー情報が磁気共鳴イメージング装置1に送信される。そして、コントラストを調整した異なる時期の画像データの比較読影を同様な流れで繰り返し行うことができる。
【0094】
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置1は、異なる時期に収集された複数の画像データに、それぞれ互いに対応するコントラストの調整用の領域を設定し、設定したコントラストの調整用の領域が共に同等な輝度で表示されるようにウィンドウパラメータの調整を行うようにしたものである。
【0095】
このため、磁気共鳴イメージング装置1によれば、異なる時期に収集された複数の画像データを比較読影する場合に、同様なコントラストで複数の画像データを容易に表示させることができる。すなわち、コントラストの調整は自動で行われるため、ユーザの手動によるコントラストの調整を回避させることができる。このため、ユーザのワークフローを簡素化するとともに検査時間の短縮を図ることができる。
【0096】
また、ユーザの主観や技能に依存することなく画一的にコントラスト調整された画像データを比較読影用に表示させることができる。このため画像の比較検査を適切に行うことが可能となる。この結果、ユーザのみならず患者への負担を軽減させることができる。
【0097】
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
【0098】
例えば、上述の実施形態では、主として磁気共鳴イメージング装置1において収集された画像データと医用画像サーバ4から取得された画像データとを比較する場合について説明したが、同一の磁気共鳴イメージング装置1において収集及び保存された複数の画像データ同士を比較する場合においても同様に単一又は複数のコントラスト調整領域を設定してウィンドウパラメータの調整を行うことができる。
【0099】
一方、異なる磁気共鳴イメージング装置1、1Aにおいて収集された複数の画像データ同士を比較する場合においても同様に単一又は複数のコントラスト調整領域を設定してウィンドウパラメータの調整を行うことができる。この場合、1.5Tの磁気共鳴イメージング装置で収集された画像データと3Tの磁気共鳴イメージング装置で収集された画像データとを同等なコントラストを有する複数の画像データとして比較することが可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1、1A 磁気共鳴イメージング装置
2 ネットワーク
3 医用情報管理システム
4 医用画像サーバ
4A 画像データベース
4B データベース制御部
5 患者情報取得部
6 撮像条件設定部
7 撮像系
8 コントラスト調整部
8A 領域設定部
8B 過去画像取得部
8C 解像度変換部
8D WL/WW調整部
9 画像データ送信部
10 入力装置
11 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して医用画像データの通信規格の画像データを少なくとも1つ取得することによって同一の被検体の異なる時期に対応する複数の磁気共鳴画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する領域における各画素値に基づいて、前記互いに対応する領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の磁気共鳴画像データの少なくとも1つに対するウィンドウパラメータの調整を行うコントラスト調整手段と、
を備える医用画像表示装置。
【請求項2】
前記コントラスト調整手段は、前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する複数の領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の領域に対応する複数のウィンドウパラメータの調整値を求めるように構成される請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記コントラスト調整手段は、前記医用画像データの通信規格の画像データに基づいて得られた解像度の変換後における磁気共鳴画像データの対応する領域が他の磁気共鳴画像データの対応する領域と同等な輝度で表示されるように前記ウィンドウパラメータの調整を行うように構成される請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記コントラスト調整手段は、前記互いに対応する領域における各画素値の代表値間の比が閾値以上又は閾値を超える場合に基準となるウィンドウパラメータに前記比を乗じることによって前記ウィンドウパラメータの調整値を求めるように構成される請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
同一の被検体から異なる時期に対応する複数の磁気共鳴画像データを収集する画像データ取得手段と、
前記複数の磁気共鳴画像データに対してそれぞれ設定された互いに対応する領域における各画素値に基づいて、前記互いに対応する領域がそれぞれ互いに同等な輝度で表示されるように前記複数の磁気共鳴画像データの少なくとも1つに対するウィンドウパラメータの調整を行うコントラスト調整手段と、
を備える医用画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−223255(P2012−223255A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91598(P2011−91598)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】