説明

医用装置及び検査プロトコル取得方法

【課題】本発明は、データベースに登録された検査プロトコルの中から、所望の検査プロトコルを容易に取得可能にする技術を提供する。
【解決手段】医用検査機器と、検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置とを備えた医用装置において、前記医用管理装置は、複数の前記検査プロトコルがそれらの使用実績情報又は評価情報と共に対応付けて保存されているプロトコルデータベースと、前記プロトコルデータベース内に保存された前記検査プロトコルを前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索を行うプロトコル検索手段と、前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索した複数の前記検査プロトコルの前記使用実績情報又は前記評価情報に基づいてグラフを作成する第一グラフ作成手段とを備え、前記グラフを基に前記医用検査機器で検査プロトコルを選択可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用検査機器で利用される検査用のプロトコルを提供することが可能な医用装置及び検査プロトコル取得方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から医療分野では、医用検査機器を動作させる条件を含む検査用のプロトコル(医用検査機器メーカー及びユーザ等によって呼び名は様々である。例えば、「撮影プロトコル」という場合もある。ここでは、「検査プロトコル」に統一する。)を、医師や技師等といったユーザがネットワーク越しに共有利用することができる検査プロトコルの提供システムがある。これは、ユーザが独自に作成した検査プロトコル、或いはベンダー等により提供された検査プロトコル等を複数、登録し、その登録されている検査プロトコルをダウンロードして撮影に用いることができるシステムである。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、ユーザは検査プロトコルと、その検査プロトコルを利用して撮影された代表的な画像とを、共に検査プロトコル提供システムに登録することができ、ユーザがダウンロードする際には、登録されている検査プロトコルとその画像とを表示できることを特徴としている。ユーザは、検査プロトコルの画像により画質等を確認した上で検査プロトコルをダウンロードできるため、画質に関する検査プロトコルの選択する時の失敗をなくすことができる。しかし、検査プロトコルの選択方法は考慮されておらず、ユーザは登録された全ての検査プロトコルの一覧から、目的とする検査プロトコルを検索する必要がある。
【0004】
また、特許文献2に記載の発明は、検査プロトコルを各種のキーワードで検索し、表示される検査プロトコルを絞り込む機能及び並べ替える機能を有している。しかし、絞り込まれた検査プロトコルが一覧表示されるため、表示された検査プロトコルの違いを読み取ることが困難であり、目的とする検査プロトコルを検索するために多くの時間を要する。よって、検査プロトコルの登録数が多くなると、検索やその検索結果の一覧表から所望の検査プロトコルを探すことに膨大な時間を費やし、更に大量の検索結果が一覧表示されることから、現在利用している検査プロトコルよりも、使用目的(短時間で検査を終了させる、良質な画像を撮像する等)と合致しない検査プロトコルを、誤操作でダウンロードしてしまう危険性がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−52660号公報
【特許文献2】特開2004−154560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、検査プロトコルが保存されているデータベースに登録された複数の検査プロトコルの中から、ユーザが所望する検査プロトコルを容易に取得可能にする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用検査機器と、検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置とを備えた医用装置において、
前記医用管理装置は、
複数の前記検査プロトコルがそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて保存するプロトコルデータベースと、
前記プロトコルデータベース内に保存された前記検査プロトコルを前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索を行うプロトコル検索手段と、
前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索した複数の前記検査プロトコルの前記使用実績情報又は前記評価情報に基づいてグラフを作成する第一グラフ作成手段と、
を備え、前記グラフを基に前記医用検査機器で検査プロトコルを選択可能にしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項10に記載の発明は、医用検査機器と、被検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置を備えた医用装置において、
前記医用管理装置は、
複数の前記検査プロトコルがそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて保存され、登録又は修正若しくは削除の要求に対して書き換えられるプロトコルデータベースと、
グラフ記憶手段と、
前記複数の検査プロトコルの使用目的及び前記使用実績情報もしくは前記評価情報に基づいてグラフを作成して前記グラフ記憶手段に記憶させ、前記書き換えに応じて該グラフ記憶手段に記憶されたグラフを更新する第二グラフ作成手段と、
前記医用検査機器からの前記検査プロトコルの使用目的に基づく検索要求を受けて、前記グラフ記憶手段から該使用目的に該当するグラフを検索して、該医用検査機器へ送らせるプロトコル検索手段と、
を備え、前記グラフを基に前記医用検査機器で前記検査プロトコルを選択可能にしたことを特徴とする。
【0009】
更に、請求項12に記載の発明は、検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置から、前記医用検査機器側より所望の検査プロトコルを取得するための検査プロトコル取得方法であって、
前記医用管理装置が、複数の前記検査プロトコルをそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて、プロトコルデータベースとして保存する保存段階と、
前記医用検査機器から入力される該医用検査機器の機種及び前記検体を検査する目的を含む前記使用目的を受ける受付段階と、
前記プロトコルデータベースを基に、該使用目的に該当する検査プロトコルが前記使用実績情報もしくは前記評価情報に基づく座標上に分布するグラフを作成して、前記医用検査機器に表示させるグラフ作成表示段階と、
表示された前記グラフの該検査プロトコルの分布から所望の検査プロトコルが選択される段階と、
選択された前記所望の検査プロトコルをそれに基づいて前記撮影を行うために医用検査機器にロードするプロトコル記憶段階と、を備えたことを特徴する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの要求に応じて検索した複数の検査プロトコルの使用実績情報又は評価情報に基づいてグラフを作成し、そのグラフの中からユーザが所望する検査プロトコルを選択して取得することが可能である。よって、ユーザは表示されたグラフを見て、所望する検査プロトコルか否かを判断し、そのグラフが表示された画面上で検査プロトコルを選択して取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本発明の各実施の形態は、医用検査機器として、例えばMRI装置を用いることができる。このMRI装置とは、例えば磁場と高周波信号とコンピュータで画像を作るものであり、一般的には、磁石部と、高周波の送受信部と、寝台と、制御・画像処理部と、コンソール(ネットワークに接続され、モニターとキーボードを有する制御用コンピュータ)とで構成されている。高周波の送受信部の構成要素であるRFコイルは、被検体に高周波磁場を加え、次いで人体から放射される微弱な共鳴信号を検出するアンテナの機能を有している。RFコイルは、検査部位(例えば、頭部、頚部)に応じて様々な種別ものがあり、測定条件に応じてサドル形、ソレノイド形、サーフェイスコイル形、バードケイジ形等のコイルが使用される。このRFコイルの駆動条件が、撮影パラメータの一種となる。
【0013】
また、MRI装置以外に本発明に適応可能な医用検査機器としては、X線CT装置、超音波診断装置、PET装置、X線撮影装置、及びCR装置等の撮影可能な機器がある。本発明は、以下、これらを代表して、医用検査機器(以下、単に「機器」ということがある。)として説明する。
【0014】
尚、検査プロトコル(protocol)とは、少なくとも使用目的(例えば、使用する医用検査機器の機種、及び撮影部位を示す情報)に対応した医用検査機器により撮影を行うための撮影パラメータ及びその手順を含むものである。典型的には、撮影シーケンス、撮影手順、撮影パラメータ(項目と値)、及びそれらを特定するためのプロファイル情報を含む。プロファイル情報としては、プロトコルIDNo.(識別番号)、作成日付、作成者情報、適用機器種別、適応機器タイプ、プロトコル登録日、検査対象部位、対象検査日付等の少なくとも一部又は全部が含まれ、更に本発明では、所要検査時間、撮影画像の画質評価情報、X線の強度を示す線量、過去のダウンロード回数等の過去の検査に適用したときの使用実績情報又は評価情報の、何れか少なくとも二つを含む。
【0015】
[実施の形態1]
(全体及び各部の構成)
本発明の実施の形態1は、図1に示すように、医用検査機器1aと検査プロトコルを提供する医用管理装置としてのセンターサーバ2aとを構成要素として含む医用装置である。
【0016】
医用検査機器1aとセンターサーバ2aとは、それぞれが保有する通信手段5a1,5a2と、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)のようなネットワーク4aを介して、外部との通信を可能にされている。尚、ネットワーク4aがインターネットの場合は、セキュリティの観点から、例えばSSL(Secure Socket Layer Protocol)を利用するのが好ましい。なお、図1の通信手段5a1と通信手段5a2は、ネットワーク4aとは別に直接に両者間を結んでいる線があるが、これは情報の出所、行き先を明示するために表記したものであり、実際は、ネットワーク4aを介して伝達される。以下、図9も同じである。
【0017】
センターサーバ2a(医用管理装置)は、ネットワーク4aを介して検査プロトコルの登録及び更新(例えば、修正、削除に伴う更新)を行うプロトコル管理手段16aと、プロトコル管理手段16aにより登録及び更新された検査プロトコルを保存するデータベース17aと、表示制御手段8aからの検索要求に対してデータベース17aから保存している検査プロトコルの検索を行うプロトコル検索手段13aと、プロトコル検索手段13aが検索した検査プロトコルを読出してグラフを作成する第一グラフ作成手段14aと、グラフを見たユーザによって選択された検査プロトコルをデータベース17aから読み出してプロトコル記憶手段12aへ送信するプロトコル読出手段15aとを含んで構成されている。
【0018】
データベース17a(図示していないが、記憶手段に記憶されている。)は、図6に示すように、上述した検査プロトコルを、データベース化して検索又は選択可能に記憶している。図6は、その検査プロトコルに含まれる撮影シーケンスを含む条件等を特定するためのプロファイル情報を、項目ごとにまとめて表に示したものである。
【0019】
図6のデータベース17aには、使用目的を表す情報を含む。つまり、使用目的としては、少なくとも検査プロトコルを使用する機器である医用検査機器の機種、その型、さらに検査プロトコルを患者のどの部位に対して何を検査する目的を表す情報が含まれる(中でも機種と部位は必要な情報である。)。さらに、データベース17aには、使用実績情報、評価情報及びプロトコル作成者が含まれる。図6中の所要の検査時間(h)、X線の強度を示す線量(Gr)、利用コイル、及びダウンロード回数は、過去の実施に基づく使用実績情報である。検査時間(h)等は、プロトコル管理手段16aによって検査プロトコルをデータベース17aに登録するときに、過去に実施したときの検査時間が入力されたものである。線量(Gr)は、X線の照射量を示す。利用コイルは、例えばMRI装置の場合、多くのRFコイルを有するので、過去に使用したコイルの種別を示す。ダウンロード回数は、センターサーバ2aから医用検査機器1aに検査プロトコルがダウンロードされる度にその回数をカウントするカウンターを検査プロトコル別に有し、その最新のカウント回数値で更新される構成にされている。また、評価情報である撮影画像の画質評価情報は、過去に撮影した画像を視覚で認識したときの質、特に細かさを、例えば五段階で評価したときの評価値である。尚、図6に示すプロトコルIDNo.により引き出される検査プロトコル(図示せず)も併せて記憶している。
【0020】
プロトコル検索手段13aは、ユーザが所望する検査プロトコルを、データベース17aから検索するものである。ユーザが操作手段7aを用いて、入力画面である図3に示す検査プロトコル検索条件の使用目的に応じた各項目(例えば、機器種別、検査目的、プロトコル作成者及び検査対象の部位等)、グラフ作成条件の各項目(例えば、X軸)に所望の条件を入力する。尚、過去に利用した検査プロトコルをグラフ上に表示し、他の検査プロトコルと比較したい場合等は、図3に示す過去利用検査プロトコルの項目(利用プロトコルIDNo.)に、プロトコルIDNo.(図6参照)を入力する。この
【0021】
その入力された条件(使用目的に応じた検索要求)は、表示制御手段8aからネットワーク4a及び通信手段5a1,5a2を介してプロトコル検索手段13aに送信される。プロトコル検索手段13aは、データベース17aからそのユーザが入力した条件に該当する全ての検査プロトコルを検索する。尚、データベース17aから検索された検査プロトコルは、単数及び複数の何れの場合もある。
【0022】
第一グラフ作成手段14aは、前述したプロトコル検索手段13aによって検索された検査プロトコルに含まれる撮影シーケンス等を特定するためのプロファイル情報、ユーザが指定したグラフ作成条件、及び過去に利用した検査プロトコルのプロトコルIDNo.に基づいて、例えば図4、図5に示すようなグラフを作成するものである。これらのグラフは、ユーザが入力したグラフ作成条件に基づくものであり、ユーザは、例えば座標軸を図6に示すデータベース17aに記憶された使用実績情報の範囲内で、自由に決める等をすることができる。また、グラフの表示形式もX−Yの2次元座標に限らない。
【0023】
さらに、第一グラフ作成手段14aは、図4に示すように、検索された検査プロトコルの作成者をデータベース17aから受けて、図4に示すように作成者A(例えば、大学の先生の名称)又は作成者B(例えば、機器メーカの名称)を識別可能なグラフを作ることもできる。そうすれば、例えば、作成者Aに着目して検査プロトコルを選択することも可能になる。
【0024】
作成されたそのグラフと、そのグラフに含まれるプロファイル情報は表示手段6aに送られ、例えば画面上に表示される。作成されたグラフは、そのグラフに表示されたプロファイル情報を基に、ユーザがそのプロファイル情報を介して所望の検査プロトコルを選択することにより、検査プロトコルの検索を容易にするために用いられるものである。尚、第一グラフ作成手段14aは、センターサーバ2a内(図1の実線)又は医用検査機器1a内(図1の二点鎖線)の何れにあってもよい。表示手段6aに接続されていれば、その目的(グラフの作成)は果たせるからである。
【0025】
上記では、図3のようにグラフ作成条件を入力してグラフを作成する例を示したが、本発明としては、図3のグラフ作成条件が無く(つまり、グラフ作成条件を入力するのではなく)、検査プロトコル検索条件(使用目的に応じた検索項目)だけを入力すれば、画質評価、検査時間(h)、ダウンロード回数、X線の照射量を示す線量(Gr)の何れかの組合せの座標で構成されるグラフを予め決めておいて、表示させるだけでも良い。また、それらの組合せ、例えば、画質評価対検査時間、画質評価対ダウンロード回数、及び画質評価対X線の照射量を示す線量等のグラフの何れか一つ又は複数を操作手段7aで選択できるようにしても良い。なお、グラフとしては、検査時間対X線の照射量であっても良い。つまり、目的に応じたグラフを選べるようにしても良い。
【0026】
前述したグラフは、ユーザが使用実績情報又は評価情報に基づいて、自動で作成される。そして、そのグラフを閲覧することにより、例えば、検査プロトコルを画質を優先して選択するか、最短の検査時間を優先して選択する等の選択目的に応じて、容易に判断して選択しやすい。また、ユーザが所望のグラフ作成条件を入力して必要なグラフを作成できる構成にもすることができるので、検査プロトコルに合わせてグラフを作成することが可能となるので、検査プロトコルの数を絞って表示することが可能となり、検査プロトコルを検索する時間を削減することができる。また、表示するプロトコルの数を減らすことができるので、ユーザの誤操作でダウンロードしてしまう危険性を少なくすることができる。
【0027】
図4に示すグラフは、図6に示すデータベース17a内に保管している検査プロトコル等の集合体を基にして、第一グラフ作成手段14aによって作成したグラフである。検査プロトコル等の集合体の中には、検査プロトコルに含まれる撮影シーケンス等や、その撮影シーケンス等を特定するためのプロファイル情報も含まれる。
【0028】
図4に示すグラフは、検査目的が「下垂体検査」で検査部位が「頭部」に係る検査プロトコルの全て、及び過去に使用した検査プロトコルの利用プロトコルIDNo.を基に、プロファイル情報の一部である撮影画像の画質評価情報及び検査時間を用いて作成される。このグラフは、縦軸を画質の良し悪し(5段階評価)で、横軸を所要の検査時間で表した座標に、検査プロトコルの分布を表すように作成され、更に、ユーザが検査プロトコルを容易に選択可能にするために、例えば最小二乗法によって計算された補助線を図中に表示させているので、同一の検査目的の撮影画像の良し悪しと検査時間の分布傾向を知り、プロファイル情報を視覚的に選択し易くすることが可能である。これにより、ユーザが所望する検査プロトコルの取得が容易になる。尚、前述の補助線を表示するか否かは、ユーザによって決定される。補助線を表示させたい場合には、図3に示すグラフ作成条件の項目に、表示させたい補助線の種別を入力する。
【0029】
尚、図4に示す作成者A及び作成者Bとは、各検査プロトコルを作成した者(例えば、医者、技師、メーカー)であり、このグラフ上には作成者を識別可能に検査プロトコルを表示している。また、利用検査プロトコルとは、過去に利用した検査プロトコルを予め指定しておいたものであり、過去に利用した検査プロトコルのIDNo.である利用プロトコルIDNo.と共に図中に表示されている。例えば、検査プロトコルの検索を行うときに、図3に示す過去利用検査プロトコルの利用プロトコルIDNo.の欄に、過去に使用したことのある検査プロトコルのIDNo.を入力することにより、グラフ作成手段14aが該当するグラフ上の検査プロトコルを三角印で示す。これらはそれぞれプロット(ここでは、グラフ中に表示した検査プロトコルのこと。)及びマーカー(ここでは、マウスの動きに合わせて画面上を移動可能なマークであり、検査プロトコルを指定するために用いる。)の色や形状を変えて表示可能である。
【0030】
例えば、図4では作成者Aを丸型のプロットで表し、作成者Bを四角型のプロットで表し、及び利用検査プロトコルを三角型のプロットで表している。これは、作成者に着目して検査プロトコルを選択可能にするためである。また、撮影画像の画質評価情報及び過去のダウンロード回数の関係を示すグラフを作成したときに、過去のダウンロード回数が多いプロトコルほど濃い色のプロットで表したり、プロットの形状を三角型、丸形等に変えたりすることも可能である。また、図4の座標上の何れかの検査プロトコルに操作手段7aによりプロットをマーカーで指定すると、その詳細説明、及び撮影した検体の画像を縮小したサンプル画像を表示する構成にすることもできる。詳細な説明と共にサンプル画像を表示させたのは、ユーザが検査プロトコルを選択しやすくするためである。更に、操作手段7aにより、マーカーをプロットに指定してクリックすることにより、所望の検査プロトコルを選択できる。尚、図中のマーカーは矢印型であるが、この形状はユーザが分かりやすい形状、色等に適宜変更可能である。
【0031】
図5に示すグラフは、図4と同様に、図6に示すデータベース17a内にある検査プロトコルの集合体として保管している中から、撮影画像の画質評価情報及び検査時間を用いて、第一グラフ作成手段14aによって作成されたグラフである。図5に示すように、図中に補助線を表示させることによって、ユーザが検査プロトコルを容易に選択可能にすることができる。この場合の補助線は、図4の補助線とは異なり、例えば、撮影画像の画質評価情報をx、検査時間(分)をyとして、xy=kという関係が成り立つときの定数kの値を20、30、40としたときの各反比例曲線(図5中の補助線)を表示させる。この補助線を表示させるか否かは、図4と同様に、ユーザによって決定される。グラフ中の各補助線同士に挟まれた領域をAランク、Bランク、Cランクとしたとき、各検査プロトコルがどの領域内にあるか否かで、例えば、同一の検査目的で撮影した画像の良し悪し(画質)を判断する際の目安とすることが可能である。ここでは、前述した画質と他の要素(図5では検査時間)との関係が、一般的に逆比例の関係にあることを利用して、その程度(定数k)に応じてランク付け(図5ではAランク、Bランク、Cランク)し、それを画質の判断基準としている。
【0032】
尚、図中に示された作成者A、作成者B、及び利用検査プロトコルは、図4で説明したものと同様のものである。その他、詳細説明やサンプル画像の構成、後述する検査プロトコルの選択方法は図4と同じである。また、図4、図5は一例であり、操作手段7aにより図3に示すグラフ作成条件を入力する、又はグラフを選択することにより、画質評価対ダウンロード回数、画質評価対線量等のグラフも作成する構成にすることができる。
【0033】
プロトコル読出手段15aは、上述した第一グラフ作成手段14aが作成したグラフ(例えば、図4、図5)から、ユーザが所望する検査プロトコルを選択した結果(プロトコルIDNo.)を受けて、データベース17aからその選択された検査プロトコルを読出すものである。読み出された検査プロトコルの情報はプロトコル記憶手段12aに送信され、そこに記憶される。
【0034】
プロトコル読出手段15aは、読み出した検査プロトコルを通信手段5a2は、図1に示す医用検査機器1a以外に複数の医用検査機器がネットワーク4aに通信可能に接続されていれば(不図示)、その医用検査機器に送ることもできる。なお、その内の一つの医用検査機器からプロトコル検索手段13aに要求のあった場合は、その医用検査機器はもちろん、他の同種の検査機器においても予め送るよう請求されていれば、それを宛先として送ることができる。
【0035】
プロトコル管理手段16aは、検査プロトコルをデータベース17aへ登録(更新)する操作を制御するものである。また、登録(更新)する操作を行う者は、主としてセンターサーバ2aの管理者と契約を行っているユーザ(例えば、各機器の保有者)であり、後述するプロトコル管理手段16aへの接続を許可された者だけが行うことができる。ユーザが登録(更新)する操作を行うと、プロトコル管理手段16aは、その操作信号に基づいて、検査プロトコルをデータベース17aに登録(更新)を行う。尚、プロトコル管理手段16aは、図1に示すように、センターサーバ2a内(図1の一点鎖線)、又はネットワーク4aを介して外部(図1の実線)の何れに設置されてもよい。データベース17aに接続されていれば、その目的(検査プロトコルの登録及び更新)は果たせるからである。
【0036】
次に、医用検査機器1aについて説明する。医用検査機器1aは、ユーザ(例えば医者、技師)に対する情報の表示様式及びユーザのデータ(ここでは、検査プロトコル)入力方式等を規定し、医用検査機器1aの駆動の操作を行うユーザインターフェース3aと、プロトコル記憶手段12aに記憶された検査プロトコルに従って、撮影手段10aを制御する制御手段11aと、その撮影を行う撮影手段10aと、撮影手段10aから送られた撮影情報を受けて検体の画像を再構成する画像形成手段9aとを含んで構成されている。
【0037】
プロトコル記憶手段12aは、前述したように、ユーザが検査プロトコルを選択した結果を受けてプロトコル読出手段15aがデータベース17aから読み出した検査プロトコルを記憶するものである。そして、プロトコル記憶手段12aは、その選択された検査プロトコルの情報を、制御手段11aに送信する。
【0038】
制御手段11aは、プロトコル記憶手段12aから送信された、ユーザによって選択された検査プロトコルの情報を受信し、その情報を基に検体の撮影条件を制御するものである。
【0039】
ユーザインターフェース3aは、操作手段7aと、その操作手段7aからの操作信号に基づいて、画像形成手段9aから送信された検体の画像等の表示を制御する表示制御手段8aと、その表示制御手段8aの制御信号によって検体の画像等を表示する表示手段6aとを含んで構成されている。
【0040】
操作手段7aは、例えばキーボードやマウス等を備え、それらが操作されることで医用検査機器1aに含まれるコンピュータに情報等を入力し、ユーザが所望する駆動(検査)をさせるための命令を、医用検査機器1aに送信するものである。
【0041】
表示制御手段8aは、操作手段7a及び表示手段6aを介して、ユーザによって操作手段7aから送られた操作信号(命令)を各構成要素へ伝達するものである。図3のような入力画面はあらかじめ、表示制御手段8aが用意しておいて、表示してもよい。上記した、マーカ等も表示制御手段8aで生成、処理している。
【0042】
表示手段6aは、例えば液晶モニター、CRTモニター等の画像等を表示するものである。また、前述したように、その表示制御手段8aによって検査プロトコル検索画像、グラフ、及び検体の画像等を表示するものである。
【0043】
(作用・効果)
図2に示すフローチャート図を参照して、本発明の実施の形態1を用いてユーザ(例えば医者、技師)が所望の検査プロトコルを取得する手順について説明する。尚、ここでは、プロトコル管理手段16aがセンターサーバ2aの外に設置され、第一グラフ作成手段14aがセンターサーバ2b内に設置されたものを例に挙げて説明を行う。この場合のプロトコル管理手段16aは、個別のコンピュータで構成される。
【0044】
先ず、検査プロトコルの登録及び更新手順から、図2を参照して説明する。
【0045】
<ステップS1>検査プロトコルを登録(更新)しようとするユーザは、プロトコル管理手段16aからセンターサーバ2aにアクセスする。この際、センターサーバ2aは、ユーザが契約によって利用可能であるか否か確かめるために、例えば、パスワードを要求する。ユーザがパスワードを入力すると、センターサーバ2aは認証を行い、ユーザはセンターサーバ2aの利用を許可される。
【0046】
<ステップS2>センターサーバ2aは、プロトコル管理手段16aに対して、例えば検査プロトコルの登録及び更新画面を表示させる。
【0047】
<ステップS3>例えば、検査プロトコルの登録を行う場合は、その情報を画面の表示に従って入力する。その入力すべき情報としては、図6のデータベースに記憶されるプロファイル情報、及び該当する検査プロトコルである。入力が終了し、入力した内容を確認した後、内容を確定する。それにより、登録が完了した後、登録画面を終了させる。尚、更新を行う場合でも、基本的な入力操作は同様である。
【0048】
次に、検査プロトコルのプロファイル情報を用いてグラフを作成する手順について、図2から図6を参照して説明する。尚、このグラフを作成する手順は、前述した検査プロトコルの登録及び更新手順を終了した後に続けて行うものではなく、状況に応じてユーザが両手順の連続又は非連続を選択するものである。また、特に図面の指定がない場合は、図2を参照して説明しているものとする。
【0049】
<ステップS4>検査プロトコルを使用しようとするユーザは、操作手段7aを操作して表示制御手段8aから検索開始指示(制御信号)をプロトコル検索手段13aへ送る。この場合も、ステップS1と同様にセンターサーバ2aは、ユーザが契約によって利用可能であるか否か確かめるために、例えば、パスワードを要求する。
【0050】
<ステップS5>ユーザがパスワードを入力すると、センターサーバ2aは認証を行い、ユーザは利用を許可される。尚、プロトコル管理手段16aがセンターサーバ2a内にある場合であって同一人が検査プロトコルの登録と使用をする場合は一度認証を受ければよく、医用検査機器8aを立ち上げている間は、何度も認証を受ける必要はない。
【0051】
<ステップS6>センターサーバ2aの利用が許可されると、例えば、図3に示すような検査プロトコル検索画面20が表示手段6aに表示される。
【0052】
<ステップS7>ユーザは、図3に示すような画面の表示に従って、所望の検査プロトコルの情報、及びグラフ作成条件を入力する。尚、過去に使用した検査プロトコルを他の検査プロトコルと比較したい場合は、過去に使用した検査プロトコルのIDNo.を入力する。これにより、第一グラフ作成手段14aは、表示制御手段8aから送信されたプロファイル情報、即ち、前述した使用実績情報である検査時間、X線の強度を示す線量、過去のダウンロード回数、及び評価情報である撮影画像の画質評価情報を基にしてグラフを作成する。グラフは、検査プロトコルのプロファイル情報についての二次元の散布図として表示され、前述した使用実績情報と前述した評価情報の関係を示している。図5に示すグラフは、第一グラフ作成手段14aによって作成されたグラフの一例である。
【0053】
<ステップS8>第一グラフ作成手段14aは、作成したグラフ(例えば、図4、図5に示すグラフ)を表示制御手段8aに送信する。
【0054】
<ステップS9>同時に、第一グラフ作成手段14aは、作成したグラフに含まれる検査プロトコルの情報も表示制御手段8aに送信する。前述したグラフ及びそのグラフに含まれる検査プロトコルの情報を受信した表示制御手段8aは、ユーザが操作手段7aによって図3に示すグラフ表示ボタン21を押すことで発信される操作信号を受けて、表示手段6aにそのグラフを表示するように制御を行う。これにより、表示手段6aにそのグラフが表示される。ユーザは、前述のグラフ、例えば図5に示すグラフが表示手段6aに表示された際、グラフ中のプロットにマーカーを合わせる。表示制御手段8aは、マーカーを合わせた検査プロトコルの検査プロトコルIDNo.を、プロトコル読出手段15aに送信する。それにより、プロトコル読出手段15aがデータベース17aから読み出した検査プロトコルのプロファイル情報、及びその撮影画像(サンプル画像)をサブ画面として表示することができる(図8参照)。尚、マーカーをプロットから外すと、前述したプロファイル情報及びサンプル画像は画面表示されなくなる。
【0055】
<ステップS10>そして、マーカーを合わせた検査プロトコルをクリックする(操作手段7aによって操作される)と、検査プロトコルが確定される。検査プロトコルが確定されると、その操作信号が表示制御手段8aに送信され、それに基づいた制御信号がプロトコル読出手段15aに送信される。これにより、プロトコル検索手段13bは、図3に示す検査プロトコル検索画面20に従って入力された所望の検査プロトコルの情報を基にして、データベース17aからその内容に合致する検査プロトコルの全てを検索し、そのプロファイル情報を第一グラフ作成手段14aに送信する。
【0056】
<ステップS11>プロトコル読出手段15aは、ユーザが確定し、選択した検査プロトコルを、データベース17aから読み出し、その読み出した検査プロトコルをプロトコル記憶手段12aにダウンロードする。
【0057】
プロトコル記憶手段12aにダウンロードされた検査プロトコルは、制御手段11aがその検査プロトコルを用いて撮影手段10aを制御し、検体を撮影して画像形成手段9aによってその検体の画像が形成される。操作手段7aであるキーボード等によって装置制御部8aが操作され、それに基づいて形成された画像は表示手段6aであるモニター画面に表示され、ユーザは検体の撮影画像を見ることが可能になる。
【0058】
尚、認証するための認証情報(例えば、パスワード)や、図3のプロトコル検索画面のフォーマット等は、予めセンターサーバ2aに記憶している(図示せず)。また、これらをセンターサーバ2aではなく、医用検査機器1aが別に持っていて処理してもよい。
【0059】
[実施の形態2]
(全体及び各部の構成)
本発明の実施の形態2は、図7に示すように、実施の形態1で説明した医用機器1a(図1参照)とセンターサーバ2a(図1参照)とが一体的に構成され、医用検査機器1bとして実施の形態1で説明した各構成要素(例えば、プロトコル管理手段16a(図1参照))を含んで構成されている。実施の形態1と実施の形態2とは、実施の形態1の構成要素であったネットワーク4a(図1参照)及び通信手段5a1,5a2(図1参照)が、実施の形態2では構成要素として含まれない点で相違する。尚、プロトコル管理手段16bは医用機器装置1b内に含んで構成されている。
【0060】
また、実施の形態2の各構成要素(例えば、図7に示す制御手段11b)の機能は、実施の形態1の各構成要素の機能と同じであるので、ここでの説明は省略する。明細書中に記載した数字部と英字部で構成された図中の符号の中の数字部分が同じものは、特に説明をしない限り同じ機能である。例えば、図1に示す医用検査機器1aと図7に示す医用検査機器1bとは同じ機能を有する。尚、符号の中の英字部分は実施の形態ごとに異なり、aは実施の形態1の、bは実施の形態2の、及びcは実施の形態3の各構成要素であることを示している。以下、実施の形態1とは異なる機能を含む構成要素であるプロトコル管理手段16b(図7参照)について説明する。
【0061】
図7に示すプロトコル管理手段16bは、図1に示すプロトコル管理手段16aと機能が同一であり、検査プロトコルをデータベース17bに登録(更新)する操作を制御するものである。また、検査プロトコル及びそのプロファイル情報のそれぞれは、図1に示すプロトコル管理手段1a(実線)のように、外部から通信手段5a2を介して入力しても良いし、手入力でも良い。また、CD−R等の外部メモリからダウンロードするようにしても良い。
【0062】
また、プロトコル管理手段16bが、前述した外部メモリ等に記憶された検査プロトコルをデータベース17bへ登録(更新)する際は、図7に示す操作手段7bからの操作信号(命令)を受けた表示制御手段8bが制御信号を送る。そして、それを受けたデータベース17bが、前述した外部メモリ等に記憶された検査プロトコルの登録(更新)を行う。
【0063】
(作用・効果)
図11に示すフローチャート図を参照して、本発明の実施の形態2を用いてユーザ(例えば医者、技師)が所望の検査プロトコルを取得する手順について説明する。尚、図11は、図2中に示す符号の英字部のaをbと読み替えたものが含まれており、それらは図2のセンターサーバ2aという記載を医用検査機器1bと読み替えたものである。つまり、図1のセンターサーバ2aの機能を図7の医用検査機器1b内に備えたものである。また、図11のステップS40からステップS50までは、図2のステップS1からステップS11までに対応し、同様の動作を示す。よって、上述したプロトコル管理手段16b以外の構成要素に関しては、その機能は同じであり、作用効果も同じものであるので説明は省略する。ただし、実施の形態2は、外部との通信等に要する処理時間を節減することで、より早く検査プロトコルをユーザに提供することを可能とするものである。以下、プロトコル管理手段16bが関与する、検査プロトコルの登録及び更新手順について、図11に示すステップS51からステップS53を参照して説明する。
【0064】
<ステップS51>例えば、データベース17bを整理するために検査プロトコルを削除したいユーザは、図8に示すグラフが表示手段6bに表示されことを確認する。また、このグラフには「削除キー」(図示せず)が設けられている。先ずユーザは、操作手段7bによって「削除キー」を選択する。その選択信号が表示制御手段8bに送られ、それを受けた表示制御手段8bがプロトコル管理手段16bに制御信号を送る。
【0065】
<ステップS52>その制御信号を受けたプロトコル管理手段16bは、表示手段6bに表示しているグラフ(図8参照)を、検査プロトコルの削除グラフに切り替えるための切替信号を制御表示部8bに送る。それを受けた制御表示部8bは、制御信号を表示手段6bに送り、前述の表示しているグラフが検査プロトコルの削除グラフに切り替わるように制御される。
【0066】
<ステップS53>検査プロトコルを削除したいユーザは、そのグラフ中に表示してある削除したいプロットにマーカーを置き、クリックする。操作手段7bから操作信号(削除命令)を受けた表示制御手段8bは、プロトコル管理手段16bに制御信号を送り、それを受けたプロトコル管理手段16bはデータベース17bからその検査プロトコルを検索して削除するように制御される。
【0067】
このように、プロトコル管理手段16bはユーザ(例えば、医師、技師)によって、検査プロトコルの登録又は修正若しくは削除の操作を、制御表示部8bによって制御されることが可能となるので、データベース17b内の検査プロトコルの整理をすることができる。また、それによって、機器の処理速度を落とすことなく、容易に所望の検査プロトコルを取得することが可能となる。
【0068】
[実施の形態3]
(全体及び各部の構成)
本発明の実施の形態3は、図9に示すように、医用検査機器1cと、グラフ記憶手段18cを含んだセンターサーバ2c(医用管理装置)とを主たる構成要素として備えた医用装置である。
【0069】
実施の形態3は、実施の形態1とほぼ同様の構成要素を含んでいるので、ここでは、その相違する構成要素について説明する。実施の形態3は、図9に示すグラフ記憶手段18cを構成要素として含む点で、実施の形態1と相違する。また、第二グラフ作成手段14cには、実施の形態1及び実施の形態2の構成要素である第一グラフ作成手段とは異なる機能を有するので、それについても説明する。それ以外の構成要素については、各実施の形態で説明済みであるので、ここでは省略する。尚、実施の形態1と同様に、プロトコル管理手段16cは、図9に示すように、センターサーバ2c内(図9の実線)、又はネットワーク4aを介して外部(図9の一点鎖線)の何れに設置されてもよい。ここでは、センターサーバ2c内(図9の実線)にある場合を例に挙げて説明する。
【0070】
第二グラフ作成手段14cは、実施の形態1,2で説明した検査プロトコルを用いてグラフを作成する機能以外に、図9に示すプロトコル管理手段16cによってその時点でプロファイル情報を登録(追加)又は削除された検査プロトコルを、予め作成され保存されているグラフ(例えば、図8に示すグラフ)に上書きする、又はそのグラフから削除する機能を有するものである。そのグラフは、後述するグラフ記憶手段18cに記憶されており、第二グラフ作成手段14cはデータベース17cに検査プロトコルが登録(追加)されるごとに、グラフ記憶手段18cに記憶されたグラフ群から、登録(追加)された検査プロトコルに対応するグラフを検索し、そのグラフを読み出して検査プロトコルをグラフに上書きし、再度グラフ記憶手段18cに記憶させる。検査プロトコルを削除する場合は、その検査プロトコルに対応するグラフを検索し、そのグラフを読み出して検査プロトコルを選択し、データベース17cから削除され、再度グラフ記憶手段18cに記憶させる。
【0071】
グラフ記憶手段18cは、例えば図8に示すようなグラフを単数又は複数を予め記憶しており、第二グラフ作成手段14cが検査プロトコルを上書き又は削除して書き換えたグラフを記憶する機能を有するものである。前述した図8に示すグラフは、縦軸を画質の良し悪し(5段階評価)で、横軸を所要の検査時間で表した座標に、検査プロトコルの分布を表すように作成されている。また、検査目的や検査部位等のプロファイル情報毎に検査プロトコルを分別してグラフ化している。つまり、図3に示す検査プロトコル検索条件、及びグラフ作成条件を予め想定した複数のグラフを記憶しておく。登録(追加)された検査プロトコルは、第二グラフ作成手段14cによって、そのプロファイル情報に対応するグラフに上書きされる。検査プロトコルが登録(追加)された場合には、図8に示すように、登録(追加)プロトコルとして三角型のプロットが表示される。また、グラフから削除される場合は、データベース17cから選択された検査プロトコルが削除される。更に、検査プロトコルの検索要求がプロトコル検索手段13cから送られてきた場合には、対応するグラフを表示手段6cに送る。よって、上記構成により、グラフ記憶手段18cには、最新のグラフが記憶されている。
【0072】
(作用・効果)
図10に示すフローチャート図を参照して、本発明の実施の形態3を用いてユーザ(例えば医者、技師)が所望の検査プロトコルを取得する手順について説明する。尚、実施の形態2と同様に、図10は図2中に示す符号の英字部のaをcと読み替えたものであり、上述した第二グラフ作成手段14c及びグラフ記憶手段18c以外の構成要素に関しては、その機能及び作用効果は同じものであるので、説明は省略する。以下、第二グラフ作成手段14c及びグラフ記憶手段18cが関与する、検査プロトコルを用いてグラフを作成(追加)する手順について、図8から図11を参照して説明する。尚、特に断りが無い限り、図10を用いて説明することとする。
【0073】
<ステップS22>例えば、ユーザがセンターサーバ2cから認証を受け、検査プロトコルの登録画面に入力を終えると、その検査プロトコル及びプロファイル情報は、図9に示すプロトコル管理手段16cによってデータベース17cに登録(追加)される。データベース17cはその登録(追加)されたその通知を、図9に示す第二グラフ作成手段14cに送信する。第二グラフ作成手段14cはその新たに登録(追加)された検査プロトコルのプロファイル情報に対応するグラフを、図9に示すグラフ記憶手段18cから読み出し、そのグラフに登録(追加)された検査プロトコルを上書きする。上書きされたグラフは、グラフ記憶手段18cに送信され、そこに記憶される。
【0074】
尚、検査プロトコルを削除したい場合は、実施の形態2で説明したように、図11に示すステップ51からステップ53と同様にして削除作業を行う。ただし、ここで使用されるグラフは、図9に示すグラフ記憶手段18cに記憶されているグラフ群からユーザによって選択される。
【0075】
また、図10に示すステップS23からステップS25までの手順は、図2に示すステップ4からステップ6までの手順と同様であるので説明を省略し、ここでは、ステップ26以降について説明する。尚、ステップS25で表示手段6cに表示される検査プロトコル表示画面20内の検査プロトコル検索条件及びグラフ作成条件(図3参照)は、図9に示すグラフ記憶手段18cに記憶されているグラフ群から所望のグラフを読み出すために入力するものである。また、実施の形態1及び2と同様に、補助線を表示するか否かは、ユーザによって決定される。
【0076】
<ステップS26>図9に示す表示手段6cであるモニター画面上に表示される検査プロトコル検索画面20(図3参照)に、図9に示す操作手段7cによって入力された、ユーザが所望する検査プロトコルの検索条件を、図9に示す表示制御手段8cが、図9に示すプロトコル検索手段13cに送信する。
【0077】
<ステップS27>表示制御手段8cから送信された前述の検索条件を受けて、プロトコル検索手段13cが、その検索条件を図9に示すグラフ記憶手段18cへ送信し、送信された検索条件を基にして、グラフ記憶手段18cに記憶されている複数のグラフから該当するグラフを検索する。その検索によって該当するグラフを発見できれば、そのグラフを表示制御手段8cへ送信する。
【0078】
<ステップS28>同時に、グラフ記憶手段18cは、グラフに含まれた各検査プロトコルの情報も表示制御手段8cへ送信する。
【0079】
<ステップS29>表示制御手段8cは、送信されたグラフ、例えば図8に示すグラフに含まれる検査プロトコルを表示手段6cへ送信し、画面にグラフを表示させる。このグラフを見たユーザは、所望の検査プロトコルを選択し、グラフ内の検査プロトコルを示すプロットにマーカーを合わせてクリックする。この操作により、検査プロトコルが決定され、その検査プロトコルのプロトコルIDNo.(選択信号)が、表示制御手段8cから図9に示すプロトコル読出手段15cへ送信される。
【0080】
<ステップS30>プロトコル読出手段15cは、データベース17cから選択されたプロトコルIDNo.の検査プロトコルを検索し、合致した検査プロトコルをデータベース17cから読み出してダウンロードする。ダウンロードされた検査プロトコルは、図9に示すプロトコル記憶手段12cに保存される。
【0081】
プロトコル記憶手段12cに保存された検査プロトコルを用いて、ユーザは検体の撮影を行うことが可能となる。
【0082】
以上述べたように、本発明の実施の形態3は、予め作成されたグラフに検査プロトコルを登録(追加)する場合は、その登録(追加)ごとに上書きしていくので、検査プロトコル検索時にはグラフ作成時間が短縮でき、それに伴う処理時間も軽減することができる。
【0083】
なお、上記各発明を検査プロトコルの取得方法という見方からすると、上記実施形態は、大きく次の5段階に分かれるが、最初が使用目的からの検索する段階と、次にグラフ化された検索結果から使用実績を元に所望の検査プロトコルを選択する段階の2段階に別れて、決定するのが特徴である(以下、いずれの上記、実施形態にも適用されることなので、符号省略)。
(1)センターサーバ(医用管理装置)が、複数の前記検査プロトコルをそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて、プロトコルデータベースとして保存する保存段階。
(2)医用検査機器から入力される医用検査機器の機種及び検体を検査する目的を含む使用目的を受ける受付段階。
(3)データベースを基に、使用目的に該当する検査プロトコルが使用実績情報もしくは評価情報に基づく座標上に分布するグラフを作成して、医用検査機器に表示させるグラフ作成表示段階。
(4)表示されたグラフの検査プロトコルの分布から所望の検査プロトコルが選択される段階。この場合、ユーザは、表示された座標軸、例えば、その目的からして、画質評価対検査時間を見て、検査時間が長いとしても画質評価値の高い検査プロトコル選択する。
(5)選択された所望の検査プロトコルをそれに基づいて撮影を行うために医用検査機器にロードするプロトコル記憶段階。
【0084】
尚、上記の各実施の形態は本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置の動作を表すフローチャート図である。
【図3】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置のプロトコルを検索するための条件を入力する画面を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置のグラフ作成手段によって作成されたグラフのサンプルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置のグラフ作成手段によって作成されたグラフのサンプルを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1の医用検査機器及び医用管理装置のデータベースに保存されている検査プロトコルを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2の医用管理装置を含む医用検査機器の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2の医用管理装置を含む医用検査機器の検査プロトコルを整理するときに表示されるグラフを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3の医用検査機器及び医用管理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3の医用検査機器及び医用管理装置の動作を表すフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態2の医用検査機器及び医用管理装置の動作を表すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0086】
1a、1b、1c 医用検査機器
2a、2b、2c センターサーバ
3a、3b、3c ユーザインターフェース
4a、4c ネットワーク
5a1、5a2、5c1、5c2 通信手段
6a、6b、6c 表示手段
7a、7b、7c 操作手段
8a、8b、8c 表示制御手段
9a、9b、9c 画像形成手段
10a、10b、10c 撮影手段
11a、11b、11c 制御手段
12a、12b、12c プロトコル記憶手段
13a、13b、13c プロトコル検索手段
14a、14b 第一グラフ作成手段
14c 第二グラフ作成手段
15a、15b、15c プロトコル読出手段
16a、16b、16c プロトコル管理手段
17a、17b、17c データベース
18c グラフ記憶手段
20 検査プロトコル検索画面
21 グラフ表示ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用検査機器と、検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置とを備えた医用装置において、
前記医用管理装置は、
複数の前記検査プロトコルがそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて保存するプロトコルデータベースと、
前記プロトコルデータベース内に保存された前記検査プロトコルを前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索を行うプロトコル検索手段と、
前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索した複数の前記検査プロトコルの前記使用実績情報又は前記評価情報に基づいてグラフを作成する第一グラフ作成手段と、
を備え、前記グラフを基に前記医用検査機器で検査プロトコルを選択可能にしたことを特徴とする医用装置。
【請求項2】
前記医用検査機器と前記医用管理装置とは、ネットワークで通信可能に接続され、
前記医用管理装置は、前記第一グラフ作成手段が作成したグラフを表示可能に、且つ該グラフから前記検査プロトコルを選択可能にして前記医用検査機器へ送り、該医用検査機器により選択されたときは、前記選択された検査プロトコルを前記プロトコルデータベースから読み出して、前記医用検査機器へ送信することを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項3】
前記医用検査機器と前記医用管理装置とは、ネットワークで通信可能に接続され、
前記医用検査機器は、前記医用管理装置の代わりに前記第一グラフ作成手段を備え、前記第一グラフ作成手段が作成したグラフを自己の表示手段へ前記検査プロトコルを選択可能に表示させ、
前記医用管理装置は、前記医用検査機器により選択されたとき、その選択された検査プロトコルを指定して、前記プロトコルデータベースから読み出して前記医用検査機器へ送信することを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項4】
前記プロトコルデータベースは、複数の前記検査プロトコルをそれらの使用目的、作成者及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて保存し、
前記第一グラフ作成手段は、前記医用検査機器からの検索要求に応じて検索した複数の前記検査プロトコルの前記使用実績情報又は前記評価情報に基づいたグラフであって、該検査プロトコルの作成者を識別可能なグラフを作成する構成とし、
前記医用検査機器により前記作成者を基に前記検査プロトコルが選択可能にされたことを特徴とする請求項2又は3に記載の医用装置。
【請求項5】
前記医用管理装置は、複数の前記医用検査機器に前記ネットワークで通信可能に接続されており、選択された前記検査プロトコルを前記複数のうち全部又は一部に送信することを特徴とする請求項2、3又は4に記載の医用装置。
【請求項6】
前記プロトコル検索手段は、使用目的に応じた検索要求を受けて、該使用目的に該当する検査プロトコルを検索し、
前記第一グラフ作成手段は、検査プロトコルの実績情報または評価情報の座標上に前記使用目的に該当する検査プロトコルが分布するグラフを作成し、
前記医用検査機器は、
前記検体を撮影する撮影手段と、
表示手段と操作手段とを有し、該グラフを前記表示手段に表示させるとともに、該表示されたグラフ上に分布する検査プロトコルから前記操作手段により所望の検査プロトコルが選択されたとき、選択された該所望のプロトコルを前記医用管理装置に対して要求するユーザインタフェースと、
該要求に応じて前記医用管理装置から送られてきた該所望のプロトコルを記憶するプロトコル記憶手段と、
該プロトコル記憶手段に記憶され該所望の検査プロトコルを基に、前記撮影手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項7】
前記医用検査機器と前記医用管理装置とが、一体的に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の医用装置。
【請求項8】
前記プロトコルデータベースは、前記使用実績情報として、所要検査時間、X線の強度を示す線量、過去のダウンロード回数の少なくとも何れか一つを含み、及び前記評価情報として少なくとも撮影画像の画質を表す情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一つに記載の医用装置。
【請求項9】
前記第一グラフ作成手段は、一方を前記撮影画像の画質を表す情報とし、他方を前記検査時間、前記X線の強度を示す線量、又は前記ダウンロード回数の中の何れか一つとする二次元の座標上に検査プロトコルの分布を示すグラフを作成することを特徴とする請求項6に記載の医用装置。
【請求項10】
医用検査機器と、被検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置を備えた医用装置において、
前記医用管理装置は、
複数の前記検査プロトコルがそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて保存され、登録又は修正若しくは削除の要求に対して書き換えられるプロトコルデータベースと、
グラフ記憶手段と、
前記複数の検査プロトコルの使用目的及び前記使用実績情報もしくは前記評価情報に基づいてグラフを作成して前記グラフ記憶手段に記憶させ、前記書き換えに応じて該グラフ記憶手段に記憶されたグラフを更新する第二グラフ作成手段と、
前記医用検査機器からの前記検査プロトコルの使用目的に基づく検索要求を受けて、前記グラフ記憶手段から該使用目的に該当するグラフを検索して、該医用検査機器へ送らせるプロトコル検索手段と、
を備え、前記グラフを基に前記医用検査機器で前記検査プロトコルを選択可能にしたことを特徴とする医用装置。
【請求項11】
前記第二グラフ作成手段は、前記使用目的毎に、検査プロトコルの実績情報または評価情報で示される座標上に複数の検査プロトコルが分布するグラフを作成し、
前記医用検査機器は、
検体を撮影する撮影手段と、
表示手段と操作手段とを有し、前記プロトコル検索手段により検索されたグラフを前記表示手段に表示させるとともに、該表示されたグラフ上に分布する検査プロトコルから前記操作手段により所望の検査プロトコルが選択されたとき、選択された該所望のプロトコルを前記医用管理装置に対して要求するユーザインタフェースと、
該要求に応じて前記医用管理装置から送られてきた該所望のプロトコルを記憶するプロトコル記憶手段と、
該プロトコル記憶手段に記憶され該所望の検査プロトコルを基に、前記撮影手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項10に記載の医用装置。
【請求項12】
検体を撮影する医用検査機器により検査するための条件を少なくとも含む検査プロトコルを提供する医用管理装置から、前記医用検査機器側より所望の検査プロトコルを取得するための検査プロトコル取得方法であって、
前記医用管理装置が、複数の前記検査プロトコルをそれらの使用目的及び使用実績情報もしくは評価情報と共に対応付けて、プロトコルデータベースとして保存する保存段階と、
前記医用検査機器から入力される該医用検査機器の機種及び前記検体を検査する目的を含む前記使用目的を受ける受付段階と、
前記プロトコルデータベースを基に、該使用目的に該当する検査プロトコルが前記使用実績情報もしくは前記評価情報に基づく座標上に分布するグラフを作成して、前記医用検査機器に表示させるグラフ作成表示段階と、
表示された前記グラフの該検査プロトコルの分布から所望の検査プロトコルが選択される段階と、
選択された前記所望の検査プロトコルをそれに基づいて前記撮影を行うために医用検査機器にロードするプロトコル記憶段階と、を備えたことを特徴する検査プロトコル取得方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−143719(P2007−143719A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340259(P2005−340259)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】