説明

医療ライン用バルブコネクタ

【課題】密封部材の弾性中空要素の弾性変形状態において、100psiのオーダーでの値をはるかに超える内部の過剰圧に対しても、コネクタの気密性のある密封性を増加させるバルブコネクタを提供する。
【解決手段】入口端4と出口端10とを有する外側の管状本体1、内側の中空スパイク2、及び中間密封部材3を備えた医療ライン用の輸液のためのバルブコネクタである。中間密封部材は、プレスリット38を有する弾性ヘッド35、及び、中空スパイク2と接触し、弾性ヘッドを閉塞状態に維持する傾向にある弾性スラスト手段を有する密封部材47、48が形成された弾性中空要素36を備えている。環状部材55は弾性中空要素36を取り囲み、コネクタの閉塞状態と開放状態との間で弾性ヘッド35が動くことにより管状本体1の中で軸方向にスライドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療ライン、例えば、導入器によって流体輸液物質を導入するための輸液用のラインに用いるバルブコネクタ、典型的には、例えば針無しシリンジのルアーコネクタ又はルアーロックコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1のプリアンブルに記載のバルブコネクタは、同一の出願人による欧州特許出願EP1834665A1により知られている。バルブコネクタには、キャビティと、液体の導入器と係合するために設けられた入口端と、出口端と、を有する管状本体が、設けられている。中空スパイクが、管状本体のキャビティ内に軸方向にセットされており、管状本体の入口端と向かい合い且つこれからある軸方向距離だけ離してセットされた、閉じた先端を有している。中空スパイクは、管状本体の出口端と連通しており、管状本体のキャビティと連通するための、上述の閉じた先端からある距離だけ離してセットされた1つの側孔を有している。コネクタは、更に、弾性の密封部材を具備しており、それは、プレスリットを有する弾性ヘッドを有し、そのヘッドは、通常は、管状本体の入口端内に閉塞状態(又は解除状態)にセットされ、その状態においては、プレスリットは閉じている。弾性ヘッドは、導入器が管状本体の入口端内に挿入されると、中空スパイクの閉じた先端に向かってこの先端と相互作用するように軸方向に移動し、弾性的に変形して開放状態(作動状態)を取るが、この状態において、プレスリットは開く。バルブコネクタの密封部材は、更に、ヘッドに連結された弾性中空要素を含み、それは、管状本体と中空スパイクとの間にセットされ、中空スパイクと接触する密封手段を有する。ヘッドが変形していない閉塞状態にセットされると、上述の側孔は、管状本体のキャビティから隔離される。弾性中空要素は、弾性スラスト手段を含み、それは、密封部材のヘッドを上述の閉塞状態に維持する傾向がある。そのような弾性スラスト手段は、中空スパイクから径方向にある距離だけ離れた概ね円筒状の軸方向の壁を有する基部を含み、該基部とともに環状チャンバーを画定している。基部は、概ね横方向の環状の壁を通じて弾性中空要素と結合されている。その環状の壁は、閉塞状態から開放状態になるまで弾性ヘッドが軸方向に動く間、環状チャンバーの内側で曲がる。
【0003】
欧州特許出願EP−1834665A1に記載のコネクタは、入口端側からの掃除及び消毒(綿棒により行うことができる)が容易であり、医療産業における使用を考慮したいくつかの基礎的な要求を容易に満たしている。
【0004】
第1に、密封部材のヘッドから操作する管状本体の入口端を効果的に密封して閉じることを保証するのに適している。従って、バルブコネクタを複数回にわたって開けたり再び閉じたりした後でさえ、完全な抗菌バリアを確保している。
【0005】
第2に、導入器の挿入及び引き抜きの際のコネクタの入口端と出口端との間の連通の開閉操作は、バルブコネクタに接続された患者を重大な危険に晒す機能不良の危険が全くなしに、それぞれ繰り返し行うことができ完全に信用できる。このことは、動く機構のある部材の数を可能な限り最小限に減らすということにも由来している。
【0006】
第3に、この公知のコネクタは、使用の際にそれらの内部で生成されることがある少し高圧となった過剰圧に十分に耐えられるようになっており、閉塞状態又は解除状態において、正及び負の圧力に対する効果的な密封を保証している。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以前に述べたEP−1834665A1により公知のバルブコネクタの改良であり、特に、その作動状態、すなわち、密封部材の弾性中空要素の弾性変形状態において、100psiのオーダーでの値をはるかに超える内部の過剰圧に対してであっても、コネクタの気密性のある密封性を増加させる目的がある。
【0008】
そのような目的は、ほとんど伸長することのない環状部材が弾性中空要素を取り囲み、かつ、前記閉塞状態と開放状態の間を弾性ヘッドが移動する間に、管状本体の内部で軸方向にスライドすることによって実質的に達成される。
【0009】
さらに、中空スパイクは、都合が良いことに、弾性中空要素の密封手段と相互作用するのに適した外側の環状突出部を有している。そして、弾性ヘッドの開放状況において、上述した弾性中空要素を取り囲む環状部材は、軸方向における外側の環状突出部の位置あたりでセットされている。
【0010】
このような解決策によって、本発明のバルブコネクタは、作動状態において、300psi以上のオーダーの値に到達する過剰圧が発生した場合であっても、気密性を保証して信頼性を改善している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】解除状態で表された本発明の第1実施形態のバルブコネクタの軸方向概略断面図。
【図2】完全な作動状態になるまでの連続する様々な操作状態におけるバルブコネクタを表す類似した図。
【図3】完全な作動状態になるまでの連続する様々な操作状態におけるバルブコネクタを表す類似した図。
【図4】完全な作動状態になるまでの連続する様々な操作状態におけるバルブコネクタを表す類似した図。
【図5】本発明にかかるバルブコネクタの変形例である図1に類似した図。
【図6】90度回転した図1の軸方向断面図。
【図7】コネクタの1つの要素が別の要素の形状をより良く見えるようにするために削除された図6と全く同一の図。
【図8】図7の細部を示した拡大図。
【図9】図1又は図5の細部を示した拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これから、本発明を添付図面を参照して詳細に説明するが、図面は単なる例示であり、これによって目的は限定されない。
【0013】
図1乃至図4、図8、図9で示した実施形態において、本発明の医療輸液ライン用のバルブコネクタは、上記のEP−1834665A1で説明及び図示したバルブコネクタと概ね類似しており、基本的には、4つの要素、すなわち、外側の管状本体1と、管状本体1のキャビティ内に軸方向にセットされた内側の中空スパイク2と、弾性密封部材3と、さらにこの後で述べるものとを備えている。典型的には、管状本体1及び中空スパイク2は、硬質成形プラスチック材から作られており、その一方で、密封部材3は、弾性材、例えばシリコンゴムから作られている。
【0014】
管状本体1は、例えば、針無しシリンジによって示した流体用の導入器の雄のルアー又はルアーロック接続部材に、概ね従来の方法で係合するための雌のルアーロック接続部材のように形成された入口端4を有している。入口端4は概ね円筒状の中間部分5に接続され、それに拡幅された最終部分6が続くが、これも概ね円筒状である。
【0015】
入口端4の内側面は、軸方向チャネル7が形成された頭位円筒部を有しており、中間部分5の内側面は、最終部分6に向かって連続して、円筒状部分、円錐台形状を有する部分を有している。中間円筒部が符号8で示されており、以下で説明する摺動ガイド面を規定している。
【0016】
中空スパイク2は、全体として符号9で示される基部を有している。基部の外側には、保持リングが形成されている。基部の内側は、雄のルアーロック接続部材のような形状にされている。基部9は、幾分円錐形の外側面を有する中央の管状軸部10を有しており、バルブコネクタ1の出口端を画定している。このような端部もまた、別のタイプのコネクタのように揺動し得る。
【0017】
基部9には、管状本体1の拡幅された終端部分6の自由端のエッジと連結するための、より大きな直径の第1の環状フランジ25と、より小さな直径の環状フランジ26とが形成されている。この環状フランジ26からは、一体化された状態で、唯一の側面貫通の孔31が形成された円筒状部分30に続き、コネクタの出口端10に向かって広がる円錐状の面を有する初期部分29を含む管状ポスト28が分岐している。円筒状部分30は、その自由端の所に、管状本体1の入口端4に面しており、かつ、それから軸方向にある距離だけ離れた所に位置する閉じた先端32を有している。閉じた先端32からは、ある角距離だけ離してセットされ且つ環状に配置された径・軸方向突出部33が突出しており、これによって、それらの間に、これまでに述べたEP−1834665A1で説明及び図示したものに相当する方法で流れの軸・径方向チャネルが画定されている。
【0018】
図1乃至図4を参照してここで説明した実施形態において、閉じた先端32は、円錐状の面を通して円筒状部分30に適合されている。
【0019】
密封部材3は、1つの部品であり、弾性ヘッド35と、弾性中空要素36と、弾性基部37とを備えている。密封部材3の概ねの形状、特にその外側の形状は、管状本体1のキャビティの形状とほぼ一致しており、密封部材3はキャビティ内に収容される。したがって、弾性ヘッド35は、図2及び図3に示されるように、径方向に少し遊びがあるように、すなわち、ヘッド35がほとんど変形せず、かつ、実質的に入口端4を水で洗い流せる閉塞状態においてほとんど支障なく、それを収容できるように、入口端4の内側面と相補的な円筒状の外側面を有している。
【0020】
弾性ヘッド35は、都合の良いことに、図9においてさらに詳細に示す形状を有している。端壁35aは少し窪んだ外側面を有し、内側の環状凹部35bは図示したような形状をし、概ね円筒状部分35cを介して密封部材3の内壁と接続され、円錐度がより低い円錐状の面を有する第1部分35dに続き、円錐度がより高い円錐状の面を有する第2部分35eに続いている。
【0021】
ヘッド35の壁35aを貫通するように、プレスリットすなわち軸方向のノッチ38が形成されている。それは、入口端4内の弾性ヘッド35が変形していない閉塞状態においては、ヘッド35の弾性の結果として、グリップして締められた状態に維持されている。この状態においては、バルブコネクタの内部と外部との間に抗菌保護バリアが形成され、同時に、従来のように殺菌剤に浸された綿棒によって洗浄を効果的に行う可能性が保証される。
【0022】
弾性中空要素36の外側面は、円筒状部分と円錐台状部分を有し、管状本体1の内側面に対してクリアランスを備えた概ね相補的な形状を有している。中間円筒状部分が、符号42で示されている。
【0023】
弾性基部37は、概ね横方向の壁45を通じて弾性中空要素36に適合されている。その壁45は、密封部材3の変形していない状態において、円錐台形状を有している。
【0024】
弾性基部37は、弾性ヘッド35とは反対の側において、外側環状フランジ46に終端しており、それによって、弾性基部37は、把持され、そして、中空スパイク2の基部9の環状の肩部26に対して、軸方向に封鎖されている。
【0025】
内部においては、密封部材3には、第1の環状突出部47と第2の環状突出部48とが形成されており、これらは、互いに軸方向にある距離だけ離れるようにセットされており、それぞれ、後に明らかにされるような方法で、第1の流体密封部材と第2の流体密封部材とを画定するように設計されている。図1で表したバルブコネクタの閉塞状態においては、密封部材3の第1の内側密封部材47は、中空スパイク2の先端32の表面に対して密封接触するようにセットされる。一方、第2の密封部材48は、円錐状部分29に隣接した円筒状部分30の領域に対して密封接触するようにセットされている。図8でさらに詳細に示した30aの領域は、円筒状部分30の直径よりも少し大きな外側の直径を有しており、後で説明する方法で、密封部材47と協働する外側環状突出部56が形成されている。
【0026】
中空スパイク2の側孔31は、密封部材47,48によって、コネクタの入口端4に対して通常は密封状態に隔離されている。したがって、入口端4の出口端10との連通は閉じられている。
【0027】
弾性密封部材3の基部37と中空スパイク2の円錐台状部分29との間には、中空スパイク2の基部9に形成された1つ以上の通路を通じてバルブコネクタの外部と連通する環状チャンバー50が画定されている。それ故に、その内圧は大気圧となっている。
【0028】
符号55は、ほとんど伸長できないリングを示す。そのリングは、例えば、硬質プラスチック材で作られている。そして、そのリングはコネクタの第4要素を表し、密封部材3の弾性中空要素36の外側を取り囲んでいる。リング55は、密封部材47に対して概ね軸方向の位置で、弾性中空要素36の円筒状部分42と係合している。そして、管状本体1の内側の円筒状部分8に沿って、軸方向に摺動する方法で、クリアランスを有しつつ案内される。リング55は、中央の領域に、弾性中空要素36上での把持を向上させる機能を有する、図で見えない環状突出部を内側に設けてもよい。
【0029】
説明したように、図1は、バルブコネクタの水漏れのない閉塞状態を表している。
【0030】
針無しシリンジすなわちコーン形状のルアー導入器(図9において図式的及び部分的には符号Sで示す)の端部が、弾性ヘッド35に対して正面に置かれ、そして、入口コネクタ4の中に挿入されるとすると、弾性ヘッド35は、密封部材3の弾性変形のために、更に詳しくは、環状のチャンバー50内での弾性基部37の壁45の撓みのために、コネクタの内側に向かって軸方向に押される。その結果生じた弾性中空要素36の変形は、中空スパイク2の円錐台部分29に向かって、変形と対応するリング55の動きを引き起こす(図2)。
【0031】
導入器の挿入を続けると(図3)、壁45は、環状のチャンバー50内で撓みを受け続け、段階的に変形を受ける。密封部材3の弾性ヘッド35及び弾性中空要素36は、第1密封部材47が先端32の円錐状の面32aから離れて動き、第2密封部材48が円錐状部分29に沿ってスライドする方法で、管状本体1の中へ、そして、中空スパイク2の管状ポスト28に沿って徐々にスライドしていく。
【0032】
同時に、中空スパイク2の先端32の突出部が、弾性ヘッド35と内側から相互作用し始める。弾性ヘッド35は、その特徴的な形状と、特に、環状のキャビティ形状35b及び円錐状の面35dを有する部分の存在と、先端の壁35aに対して導入器Sによって与えられた軸方向の強い押し出しとによって、先端の壁35aを形成する径方向軸方向の弾性変形を免れることはできず、径方向には外側に広がる形状を得る。結果として、プレスリット38を開き始める。
【0033】
導入器の挿入が完了すると(図4)、プレスリット38は完全に開かれるが、第1の密封部材47は、中空スパイク2の側孔31の下側へと移動する。第2の密封部材48は、中空スパイク2の円錐状部分29の、最も大きな直径の領域まで滑るように移動し、そして、壁45は、環状のチャンバー50の中へ完全に撓んだ状態となっている。こうしてバルブコネクタは開いた状態となり、結果として、入口端4は、プレスリット38、側孔31、及び管状ポスト28を通じて、出口端10と連通する。
【0034】
この状態において、弾性中空要素36の密封部材47及び外側リング55は、中空スパイク2の外側の環状突出部56の所にほぼ位置しており、リング55が出口端10に向かってさらに変形すると、中空スパイク2の円錐状部分29に対して密封部材3の壁をさらにグリップさせるので、コネクタの内側で300psi以上のオーダーでの異常な過剰圧が発生したとしても、きっちりと安全に密封した閉塞状態を確保している。
【0035】
導入器Sが入口端4から引き抜かれると、壁45と密封部材3との弾性の戻りが一体となって、バルブコネクタの閉じた形状を速やかに回復させる。この状態においては、弾性ヘッド35は、入口端4内において変形されていない状態へと戻り、プレスリット38を再び閉じ、そして、側孔31は、密封部材47,48によって再び隔離される。このようにして、リング55は、最初の位置に戻る。
【0036】
図5乃至図7で示した変形例は、これまでに述べた実施形態と全体として類似である。したがって、同一又は類似部分に対しては同じ参照番号を使用して、異なる点のみを詳細に説明する。
【0037】
そのような変形例において、中空スパイク2の管状ポスト28は、内部で円筒状である、すなわち、以前の実施形態の先端ヘッド32と接続するための円錐状面を有する部分を備えていない。内部の管状ポスト28の円筒形状は、図6で示したものと同様に、図7においてより良く示されている。大気と連通するチャンバー50に、符号34で示された通路が設けられている。
【0038】
構造の細部及び実施形態は、請求項で明示した本発明の範囲から逸脱することなしに、これまで提供した説明及び図に関して大きく変更してもよいのは明らかである。
【符号の説明】
【0039】
1 管状本体(バルブコネクタ)
2 中空スパイク
3 弾性密封部材
4 入口端
5 中間部分
6 最終部分
7 軸方向チャネル
8 中間円筒部
9 基部
10 管状軸部(出口端)
25 第1の環状フランジ
26 環状フランジ
28 管状ポスト
29 初期部分
30 円筒状部分
31 孔(側孔)
32 先端
32a 面
33 径・軸方向突出部
34 通路
35 弾性ヘッド
35a 壁
35b 環状凹部
35c 円筒状部分
35d 第1部分
35e 第2部分
36 弾性中空要素
37 弾性基部
38 ノッチ(プレスリット)
42 中間円筒状部分
45 壁
46 外側環状フランジ
47 第1の環状突出部
48 第2の環状突出部
50 環状チャンバー
55 リング
56 外側環状突出部
S 導入器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の導入器(S)を介する輸液のための、医療ライン用バルブコネクタであって、
管状本体(1)を備え、該管状本体(1)は、前記導入器(S)と係合するよう設けられた入口端(4)と、出口端(10)とを備えており、
中空スパイク(2)を備え、該中空スパイク(2)は、前記管状本体(1)のキャビティ内に軸方向にセットされており、前記管状本体(1)の入口端(4)に面し且つ前記入口端(4)から軸方向にある距離だけ離してセットされた、閉じた先端(32)を有し、前記出口端(10)と連通し、前記管状本体(1)のキャビティと連通するために前記閉じた先端(32)からある距離だけ離してセットされた1つの側孔(31)を有しており、
密封部材(3)を備え、該密封部材(3)は弾性ヘッド(35)と弾性中空要素(36)とを具備しており、
前記弾性ヘッド(35)は、プレスリット(38)を有し、通常は前記管状本体(1)の入口端(4)内に閉塞状態でセットされており、前記入口端(4)内に前記導入器(S)を挿入されると、前記プレスリット(38)が弾性変形した開放状態を取り、前記閉じた先端(32)と相互作用するために、前記中空スパイク(2)の閉じた先端(32)に対して軸方向に移動可能であり、
前記弾性中空要素(36)は、前記ヘッド(35)に連結されており、前記管状本体(1)と前記中空スパイク(2)との間にセットされており、前記ヘッド(35)が上記変形していない閉塞状態にセットされている時に前記側孔(31)を前記管状本体(1)のキャビティから隔離するための、前記中空スパイク(2)と接触する密封手段(47,48)を有しており、前記ヘッド(35)を前記閉塞状態に維持する傾向を有する弾性スラスト手段(36,45)を具備しており、前記弾性スラスト手段(36,45)は、前記密封部材(3)の基部(37)を備えており、前記基部(37)は、前記中空スパイク(2)との間に環状のチャンバー(50)を画定するよう、前記中空スパイク(2)から径方向にある距離だけ離してセットされた、概ね円筒状の軸方向の壁を有し、概ね横方向の環状の壁(45)を通じて前記弾性中空要素(36)に連結されており、前記弾性ヘッド(35)が前記閉塞状態から前記開放状態へと軸方向に移動する間に前記環状のチャンバー(50)内で曲がるようになっており、
ほとんど伸長しない環状部材(55)をさらに有し、該環状部材(55)は、前記弾性中空要素(36)を取り囲み、かつ、前記閉塞状態と開放状態の間を前記弾性ヘッド(35)が移動する間に、前記管状本体(1)の内部で軸方向にスライドすることを特徴とするバルブコネクタ。
【請求項2】
前記中空スパイク(2)が、前記弾性中空要素(36)の密封手段(47)と相互作用するようになっている外側の環状突出部(56)を備え、前記弾性ヘッド(35)の前記開放状態において、前記弾性中空要素(36)を取り囲む前記環状部材(55)が、前記外側の環状突出部(56)に対して軸方向での位置に実質的にセットされていることを特徴とする請求項1に記載のバルブコネクタ。
【請求項3】
前記環状部材(55)が硬質であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルブコネクタ。
【請求項4】
前記密封部材(3)の弾性中空要素(36)の密封手段が、第1の内側環状突出部(47)と第2の内側環状突出部(48)とを備えており、これらは、互いに軸方向に、ある距離だけ離してセットされており、且つ、前記弾性ヘッド(35)の上記閉塞状態において前記中空スパイク(2)の側孔(31)に対して反対側に配置され、前記弾性ヘッド(35)の前記開放状態において、前記第1の内側環状突出部(47)が前記中空スパイク(2)の外側の環状突出部(56)と相互作用するようになっていることを特徴とする請求項2に記載のバルブコネクタ。
【請求項5】
前記第1の環状突出部(47)が、前記弾性ヘッド(35)の閉塞状態において、前記中空スパイク(2)の閉じた先端(32)の近傍に形成された円錐状面に対して密封接触するように保たれていることを特徴とする請求項4に記載のバルブコネクタ。
【請求項6】
前記第1の環状突出部(47)が、前記弾性ヘッド(35)の閉塞状態において、前記中空スパイク(2)の閉じた先端(32)の近傍にセットされた円筒状面に対して密封接触するように保たれていることを特徴とする請求項4に記載のバルブコネクタ。
【請求項7】
前記第2の内側環状突出部(48)が、前記中空スパイク(2)の円錐状面(29)を有する部分に対して密封接触してスライドするようにセットされ、内側に前記環状のチャンバー(50)を画定し、前記コネクタの出口端(10)に向かって拡がっていることを特徴とする請求項5に記載のバルブコネクタ。
【請求項8】
前記環状のチャンバー(50)が、前記コネクタの外部と連通していることを特徴とする請求項1に記載のバルブコネクタ。
【請求項9】
前記密封部材(3)の弾性スラスト手段の基部(37)が、前記管状本体(1)と前記中空スパイク(2)の基部(9)との間で、軸方向に封鎖されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブコネクタ。
【請求項10】
前記密封部材(3)の弾性ヘッド(35)が、前記閉塞状態において、前記管状本体(1)の入口端(4)内において実質的に支障なくセットされていることを特徴とする請求項1に記載のバルブコネクタ。
【請求項11】
前記管状本体(1)の入口端(4)が、軸方向のチャネル(7)が形成された内壁を有していることを特徴とする請求項10に記載のバルブコネクタ。
【請求項12】
前記中空スパイク(2)の閉じた先端(32)が、前記プレスリット(38)を通過することなく前記密封部材(3)の弾性ヘッド(35)を前記開放状態にさせる形状となっていることを特徴とする請求項1に記載のバルブコネクタ。
【請求項13】
前記弾性ヘッド(35)が、内側の環状凹部(35b)を有する端壁(35a)を備え、前記環状凹部(35b)は、概ね円筒状部分(35c)を通じて、円錐度がより低い円錐状の面を有する第1部分(35d)に続き、前記第1部分(35d)が円錐度がより高い円錐状の面を有する第2部分(35e)に続く密封部材3の内壁と接続されていることを特徴とする請求項12に記載のバルブコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−12234(P2010−12234A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−123235(P2009−123235)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(507028619)インドゥストリー・ボルラ・ソシエタ・ペル・アチオニ (10)
【氏名又は名称原語表記】Industrie Borla S.p.A.
【Fターム(参考)】