説明

医療情報処理装置、医療情報処理システム、医療情報処理方法、及び、医療情報処理プログラム

【課題】
利用者が治療目的で使用した薬品の効果を、装置が自動的に記録出来ない。
【解決手段】
装置は、位置と体調評価指数を対応付けて予め記憶する位置属性記憶手段と、薬品IDと効果点数を対応付けて記憶する薬歴記憶手段と、
利用者が使用した薬の薬品IDを検知する薬検知手段と、薬検知手段による薬品ID検知後の一定時間内の、利用者の位置を取得する行動履歴記録手段と、行動履歴記録手段が取得した利用者の位置に対応する体調評価指数を位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、薬検知手段が検知した薬品IDと対応付けて薬歴記憶手段に格納する薬効評価手段、を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報処理装置、医療情報処理システム、医療情報処理方法、及び、医療情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、センサやタグを利用せずにユーザのコンディションを推定するコンディション推定装置を開示する。当該装置は、ユーザの行動履歴ログに基づいてコンディション指数を算出する。コンディション指数は、ユーザのコンディションを推定するための指標であり、「睡眠指数」、「労働指数」、「元気指数」等である。「睡眠指数」はユーザの推定睡眠時間から、「労働指数」はユーザの推定労働時間から、それぞれ算出される。「元気指数」は「睡眠指数」と「労働指数」を加算して得られる。
【0003】
特許文献2は、ユーザが食事を開始又は終了したことが検知されたときに、当該検知後の所定の時間の後に当該ユーザに食事内容を問い合わせて、その回答を取得し、分析するシステムを開示する。
【0004】
特許文献3は、患者に投薬する薬を患者毎の投薬データとして記憶し、薬の名称、用量・用法及び効能・効果を含む薬データを記憶する投薬データ管理装置を開示する。当該装置は、対象となる患者の投薬データに対応した薬データを選択して印刷する。
【0005】
特許文献4は、服用すべき個別薬物ごとの独立した薬物容器を設け、センサにより当該容器が開けられたことを検知すると、ホストに検知報告を送信する薬物治療管理装置を開示する。
【0006】
非特許文献1および非特許文献2は、患者の薬歴や病歴、アレルギー歴をICカードに記録する電子お薬手帳を開示する。市販薬品のパッケージにはICタグが取り付けられている。サーバは、リーダ装置がICタグから読み取った薬品IDを基に、薬品情報を検索・出力する。電子お薬手帳は、サーバから得られた薬品情報と患者が保持するICカードに記録された情報を突き合わせることで、不適切な飲み合わせを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−181478号公報
【特許文献2】特開2003−173375号公報
【特許文献3】特開平11−056972号公報
【特許文献4】特表2007−524175号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】http://www.t-engine.org/news/pdf/TEP051213_u13.pdf
【非特許文献2】http://www.t-engine.org/japanese.html (p.31)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
利用者が治療目的で使用した薬品の効果を、装置が自動的に記録出来ない。上述の文献に記載された技術はいずれも、使用した薬品の効果を記録するものではない。本発明の目的は、上述の課題を解決する時述を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の医療情報処理装置は、位置と体調評価指数を対応付けて予め記憶する位置属性記憶手段と、薬品IDと効果点数を対応付けて記憶する薬歴記憶手段と、
利用者が使用した薬の薬品IDを検知する薬検知手段と、前記薬検知手段による薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得する行動履歴記録手段と、前記行動履歴記録手段が取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、前記薬検知手段が検知した薬品IDと対応付けて前記薬歴記憶手段に格納する薬効評価手段、を包含する。
【0011】
本発明の一実施形態の医療情報処理プログラムは、位置と体調評価指数を対応付けて予め記憶する位置属性記憶手段と薬歴記憶手段を備えるコンピュータに、利用者が使用した薬の薬品IDを検知する薬検知処理と、前記薬検知処理による薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得する行動履歴記録処理と、前記行動履歴記録処理で取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、前記薬検知処理で検知した薬品IDと対応付けて前記薬歴記憶手段に格納する薬効評価処理、を実行させる。
【0012】
本発明の一実施形態の医療情報処理方法は、位置と体調評価指数を対応付けて位置属性記憶手段に記憶し、利用者が使用した薬の薬品IDを検知し、薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得し、取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、検知した薬品IDと対応付けて薬歴記憶手段に格納する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る医療情報処理装置は、利用者が治療目的で使用した薬品の効果を記録する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。
【図2】薬歴記憶部12が記憶するデータを示す図である。
【図3】行動履歴記録部13が取得するデータを示す図である。
【図4】位置属性記憶部15が記憶するデータを示す図である。
【図5】医療情報処理装置10の動作を示す流れ図である。
【図6】行動履歴記録部13の動作を示す流れ図である。
【図7】薬効評価部14の動作を示す流れ図(1/2)である。
【図8】薬効評価部14の動作を示す流れ図(2/2)である。
【図9】第2の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。
【図10】薬品属性記憶部16が記憶するデータを示す図である。
【図11】医療情報処理システム70の構成を示す図である。
【図12】第4の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。医療情報処理装置10は、薬検知部11と、薬歴記憶部12と、行動履歴記録部13と、薬効評価部14と、位置属性記憶部15と、表示部17を包含する。
【0016】
薬検知部11、行動履歴記録部13、及び、薬効評価部14は、論理回路、半導体メモリ等から構成されるハードウェア装置である。薬検知部11、行動履歴記録部13、及び、薬効評価部14の一部又は全部は、医療情報処理装置10の図示されないプロセッサが、図示されない記憶装置に格納されている医療情報処理プログラム19を読み込んで実行することで実現されても良い。
【0017】
薬歴記憶部12、及び、位置属性記憶部15は、半導体メモリ、ディスク等の記憶装置である。表示部17は液晶ディスプレイ等である。
【0018】
薬検知部11は、利用者の薬の使用を検知し、使用された薬品の識別子(薬品ID)を取得する。薬検知部11は、取得した薬品IDと日時を薬歴記憶部12に格納する。薬は、飲み薬、貼り薬、目薬等、その種類を問わない。
【0019】
薬検知部11は、例えば、特許文献4に記載された薬物治療管理装置から個別薬物ごとの独立した薬物容器が開けられたことの検知信号を受診する通信装置を包含する。薬検知部11は、開けられた薬物容器から薬品IDを特定する。
【0020】
薬検知部11は、薬品パッケージのバーコードから薬品IDを読み取るバーコードリーダ、あるいはパッケージに付されたICタグから薬品IDを読み取るタグリーダの制御部を包含しても良い。この場合、利用者は、薬の使用時、当該リーダで薬品IDを読み取る。
【0021】
薬検知部11は、携帯端末等のキーパッド等の入力制御部を包含しても良い。この場合、利用者は、薬の使用時、キーを操作して薬品IDを入力する。
【0022】
図2は、薬歴記憶部12が記憶するデータ例を表形式で示す。薬歴記憶部12は、使用インデックス20と、使用薬品ID21と、使用日時22と、効果点数23を対応付けて記憶する。薬歴記憶部12は、初期状態では、有効なデータを記憶していない。
【0023】
薬検知部11は、上述のように取得した薬品IDを使用薬品ID21に、その取得日時を使用日時22に、薬品IDの取得通番を使用インデックス20に格納する。後述する薬効評価部14は、使用薬品ID21、使用日時22で特定される薬品の使用の効果度合いを示す値を求めて効果点数23に格納する。
【0024】
行動履歴記録部13は、薬検知部11による薬の使用検知後(薬品IDの取得後)、オフセット時間経過後の一定時間内の利用者の行動履歴を取得する。図3は、行動履歴記録部13が取得するデータ例を表形式で示す。行動履歴記録部13は、一定期間内、例えば定期的に利用者の緯度・経度等の位置(測定位置33)とそのときの日時(測定日時32)を取得し、取得通番(測位インデックス31)を付して出力する。
【0025】
薬検知部11が薬品IDを取得するごとに、一連の行動履歴が時系列順に取得される。使用インデックス20と履歴インデックス30が、薬品IDの取得と行動履歴の対応付けを示す。例えば、図3の履歴インデックス30の値が”1”である、一連の測定位置33の時系列データは、図2の使用インデックス20が”1”である行が示す薬品IDの取得に対応して取得された行動履歴である。
【0026】
なお、行動履歴記録部13は、一定時間内の利用者の行動履歴を図3に示すような表形式で一括して出力しても良いし、測定インデックス31の行単位に順次出力しても良い。
【0027】
履歴を取得する一定時間のオフセット時間、時間長、履歴取得の周期は、医療情報処理装置10の管理者等が設定し、行動履歴記録部13に与えられる。薬品ID取得後、オフセット時間が経過すると一定時間が開始し、指定した時間長継続する。医療情報処理装置10の管理者等は、例えば、薬を使用してから効果が出てくるまでの時間等を考慮してオフセット時間を設定し、薬の効果が持続する時間等を考慮して時間長を設定する。
【0028】
時間長は、直接指定されても良いし、履歴取得の周期と回数(一以上)の組み合わせで指定しても良い。
【0029】
なお、オフセット時間の指定はなくても良い。この場合、行動履歴記録部13は、薬品ID取得後すぐに行動履歴の取得を開始する。
【0030】
図3は、行動履歴を15分周期で96回取得する例、即ち、履歴を取得する一定時間の時間長を24時間(15分x96)とする例を示している。また、図2と図3は、履歴インデックス30が”1”の履歴はオフセット時間が2時間、履歴インデックス30が”2”の履歴はオフセット時間が0時間であることを示す。
【0031】
医療情報処理装置10が利用者に携帯される装置である場合、行動履歴記録部13はGPS(Global Positioning System)機能等の測位機能を備えることで、利用者の位置を取得する。医療情報処理装置10が家等に固定的に設置される装置である場合、行動履歴記録部13は、利用者に携行されている位置センサ等から携帯電話網等を通じて利用者の位置を受信する。
【0032】
薬効評価部14は、行動履歴記録部13によって取得された行動履歴及び位置属性記憶部15に記憶されているデータから利用者の体調、薬品の効果を推定し、薬歴記憶部12に効果点数23を格納する。
【0033】
図4は、位置属性記憶部15に記憶されるデータの例を表形式で示す。位置属性記憶部15は、ランドマーク番号40、存在位置42、体調評価指数43を対応させて記憶する。ランドマーク番号40はランドマークの通番を示す。存在位置42は、対応するランドマークの緯度・経度等の位置を示す。
【0034】
体調評価指数43は、対応するランドマークにいる利用者の体調を示す指数の推定値である。体調評価指数43は、ランドマークの性質に応じて割り振られる。例えば、利用者が病院や薬局に滞在している場合、利用者の体調は悪いと推定される。従って、病院や薬局というランドマークには、体調の悪さを示す値(例えば、負の値)が割り振られる。逆に遊園地やショッピングモールに滞在している場合、利用者の体調は比較的よいと推定される。従って、遊園地やショッピングモールというランドマークには、体調の良さを示す値(例えば、正の値)が割り振られる。体調評価指数43は、例えば、−5〜+5の値である。
【0035】
位置属性記憶部15は、ランドマーク番号40に対応させてランドマーク名41を記憶しても良い。ランドマーク名41は、対応するランドマークの名称である。
【0036】
位置属性記憶部15に記憶される情報は、医療情報処理装置10の管理者等が利用者の使用に先立ち、予め設定しておく。医療情報処理装置10は、利用者が位置属性記憶部15の情報を変更する為の位置属性変更部等を備えていても良い。
【0037】
図5は、医療情報処理装置10の全体的な動作を示す流れ図である。まず、薬検知部11が、利用者の薬の使用を検知し、使用された薬品の薬品IDを取得する(S1)。薬検知部11は取得した薬品IDを薬歴記憶部12に送信し、薬歴記憶部12は受け取った薬品IDを日時とともに薬歴記憶部12に格納する(S2)。
【0038】
薬検知部11が薬の使用を検知した後の一定時間内、行動履歴記録部13は、利用者の行動履歴を取得する。(S3)。
【0039】
一定時間が経過して行動履歴の記録が完了すると、行動履歴記録部13は履歴情報を図3に示すような形式で、薬効評価部14に出力する。一定時間中、行動履歴記録部13は順次、測位インデックス31に対応する行を薬効評価部14に出力し、薬効評価部14が履歴情報を図3に示すような形式で保持しても良い。
【0040】
薬効評価部14は、図3で示すような行動履歴を基に当該薬品の薬効を評価し評価点数sを算出する(S4)。
【0041】
最後に薬効評価部14は、S4で得られた評価点数sをS2で記録した使用薬品ID21に関連付けて、薬歴記憶部12の効果点数23に記録する(S5)。
【0042】
図6は、行動履歴記録部13の動作を示す流れ図である。本図は、図5におけるS3の動作を詳細に示す。本図は、利用者の薬使用が検知され薬品IDが取得された後、利用者の位置を、行動履歴記録部13が一定周期(15分毎等)で一定回数(96回等)記録する例の流れ図を示す。
【0043】
検知後、行動履歴記録部13は、指定されたオフセット時間待機する(S30)。即ち、行動履歴記録部13は、オフセット時間が経過するまで履歴の取得は行わない。
【0044】
オフセット時間が経過すると、行動履歴記録部13は利用者の位置を取得して、履歴インデックス30、測定インデックス31、測定日時32および測定位置33を内部メモリ等に保存する(S31)。履歴インデックス30は、例えば、薬検知部11から受信する。測定インデックス31は、例えば、行動履歴記録部13が履歴取得の通番を生成する。
【0045】
次に、行動履歴記録部13は、位置情報の記録回数が所定回数(96回等)に達しているか確認する(S32)。
【0046】
記録回数が所定回数に達していない場合(S32でNO)、行動履歴記録部13は、一周期時間(15分等)待機(S34)後に、再びS31を実行する。所定回数に達していた場合(S32でYES)、行動履歴記録部13は、内部メモリ等に格納していた行動履歴を図3のような形式で薬効評価部14に出力して(S33)、動作を終了する。
【0047】
図7は、薬効評価部14の動作を示す流れ図(1/2)である。本図は、図5におけるS4の動作を詳細に示す。
【0048】
薬効評価部14は、はじめに図3に示すような行動履歴から利用者の滞留点Xを検出する。薬効評価部14は、変数i及び変数sを0とした後(S41)、変数iに1を加算する(S42)。次に薬効評価部14は、時系列上の連続する3点、例えば測位インデックス31の値が変数iの値、変数iの値+1、変数iの値+2に対応する3行の各測定位置33が半径rの円内にあるかどうかを確認する(S43)。半径rの値は、医療情報処理装置10の管理者等が設定したパラメータ値であり、例えば500mである。
【0049】
時系列上連続する3点の位置が半径rの円内になければ(S43でNO)、薬効評価部14はS46に進む。時系列上の連続する3点の位置が半径rの円内にあれば(S43でYES)、薬効評価部14はこの3点の測定位置33から滞留点Xの位置を算出する(S44)。薬効評価部14は、例えば、3点の緯度・経度をそれぞれ平均することで滞留点Xの位置を得る。
【0050】
次に薬効評価部14は、位置属性記憶部15の存在位置42を参照し、滞留点Xに対する体調評価指数43を取得して変数sに加算する(S45)。次に薬効評価部14は、変数iの値を履歴取得の回数−2(例えば、96−2=94)と比較し、変数iの値が小さければ(S46でYES)S42に戻り、iの値が小さくなければ(S46でNO)動作を終了する。
【0051】
薬効評価部14は、3以外の個数の測定位置33から滞留点Xの位置を算出しても良い。
【0052】
図8は、薬効評価部14の動作を示す流れ図(2/2)である。本図は、図7におけるS45の動作を詳細に示す。
【0053】
薬効評価部14は、変数kを0とした後(S451)、変数kに1を加算する(S452)。次に、薬効評価部14は、ランドマーク番号40の値が変数kの値と一致する行の存在位置42(図4)と滞留点Xの位置から2点間の距離dを算出する(S453)。
【0054】
薬効評価部14は、距離dの値を、あらかじめ与えられた値Rと比較する(S454)。値Rは、医療情報処理装置10の管理者等が設定したパラメータ値であり、例えば200mである。
【0055】
距離dの値がRと同じかRより大きければ(S454でNO)、薬効評価部14は滞留点Xの周りにランドマークはないものと判断し、S456に進む。距離dの値が値Rより小さければ(S454でYES)、薬効評価部14は利用者が当該ランドマークに滞在していたものと判断し、ランドマーク番号40の値が変数kの値と一致する行の体調評価指数43(図4)の値を変数sに加算する(S455)。
【0056】
薬効評価部14は、位置属性記憶部15に保持されたランドマークの数だけ、上記S452〜S455の処理繰り返した後(S456でNO)、動作を終了する。
【0057】
なお、各ランドマークが互いに充分離れている場合、薬効評価部14はS455を一回実行したら、動作を終了しても良い。薬効評価部14は、図5のS5において、効果点数23だけでなく、S3で記録した行動履歴(図3)も合わせて使用薬品ID21に関連付けて記録してもよい。後日、位置属性記憶部15に記憶されている情報が更新された際、新たに薬効を評価し直すことが可能になる。
【0058】
表示部17は、利用者の操作等に基づいて、薬歴記憶部12に記憶された使用薬品ID21、効果点数23等を表示する。薬歴記憶部12に記憶された使用薬品ID21、効果点数23等は、通信回線を通じて他の装置に送信されても良い。
【0059】
本実施の形態の医療情報処理装置10は、利用者が治療目的で使用した薬品の効果を記録することが出来る。その理由は、薬効評価部14が利用者の行動履歴の測定位置33に基づいて、使用した薬品の効果点数23を取得するからである。
【0060】
<第2の実施の形態>
図9は、第2の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。本実施形態の医療情報処理装置10は、第1の実施形態の医療情報処理装置10の構成に加えて、薬品属性記憶部16を包含する。薬品属性記憶部16は、半導体メモリ、ディスク等の記憶装置である。
【0061】
薬品属性記憶部16は、対応する行動履歴の記録パラメータを保持する。図10は、薬品属性記憶部16が記憶するデータを表形式で示す図である。薬品属性記憶部16は、薬品ID(登録薬品ID50)対応に、登録オフセット時間51、周期52、回数53を記憶する。登録オフセット時間51は、上述した履歴を取得する一定時間のオフセット時間である。周期52、回数53は、履歴取得の周期と回数である。即ち、周期52と回数53の積が、履歴を取得する一定時間の時間長となる。
【0062】
薬品属性記憶部16に記憶される情報は、医療情報処理装置10の管理者等が利用者の使用に先立ち、予め設定しておく。医療情報処理装置10は、利用者が薬品属性記憶部16の情報を変更する為の薬品属性変更部等を備えていても良い。
【0063】
本実施の形態の行動履歴記録部13は、行動履歴の取得に先立ち(図6のS30の前)、薬検知部11が取得した薬品IDに一致する登録薬品ID50を有する行を薬品属性記憶部16から検索する。行動履歴記録部13は、当該行から、登録オフセット時間51、周期52、回数53の値を取得し、それらの値をパラメータとして行動履歴を取得する。
【0064】
他の点については、本実施の形態の医療情報処理装置10は第1の実施形態と同じである。
【0065】
本実施の形態の医療情報処理装置10は、薬品の効果を、精度を向上させて記録できる。その理由は、利用者が治療目的で使用した薬品の種類に応じた、適切な一定時間の行動履歴に基づいて効果点数23を取得するからである。
【0066】
使用後、薬が効果を発揮する迄の時間や、効果が持続する期間は、薬品の種類によって変わる。医療情報処理装置10の管理者等は、例えば、登録オフセット時間51を、遅効性の薬品については大きく、即効性の薬については小さく設定する等の調整が可能である。
【0067】
<第3の実施の形態>
図11は、第3の実施形態に係る医療情報処理システム70の構成を示す。医療情報処理システム70は、薬品属性提供サーバ60と、当該サーバと通信ネットワーク71で接続されている一台以上の医療情報処理装置10を包含する。
【0068】
本実施形態の医療情報処理装置10は、第2の実施形態に於ける薬品属性記憶部16の代わりに装置通信部18aを備える。薬品属性提供サーバ60は、第2の実施形態で説明した薬品属性記憶部16及びサーバ通信部18bを包含する。
【0069】
本実施の形態の医療情報処理装置10の行動履歴記録部13は、装置通信部18a及びサーバ通信部18bを経由して薬品IDを薬品属性提供サーバ60に送信し、薬品属性記憶部16から、登録オフセット時間51、周期52、回数53の値を取得する。
【0070】
他の点については、本実施の形態の医療情報処理装置10は第2の実施形態と同じである。
【0071】
本実施の形態の医療情報処理装置10は、薬品の効果を更に精度を向上させて記録できる。その理由は、薬品メーカ等が運営する薬品属性提供サーバ60が、薬品メーカ等の専門知識に基づく適切な登録オフセット時間51、周期52、回数53を医療情報処理装置10に送信出来るからである。
【0072】
<第4の実施の形態>
図12は、第4の実施形態の医療情報処理装置10の構成を示す図である。医療情報処理装置10は、位置属性記憶部15と、薬歴記憶部12と、薬検知部11と、行動履歴記録部13と、薬効評価部14、を包含する。位置属性記憶部15は存在位置42と体調評価指数43を対応付けて記憶する。薬歴記憶部12は、使用薬品ID21と効果点数23を対応付けて記憶する。薬検知部11は、利用者が使用した薬の薬品IDを入力する。行動履歴記録部13は、薬検知部11による薬品ID入力後の一定時間内の、利用者の位置を取得する。薬効評価部14は、行動履歴記録部13が取得した利用者の位置に対応する体調評価指数43を位置属性記憶部15から取得して、効果点数23を算出し、薬検知部11が入力した薬品IDと対応付けて薬歴記憶部12に格納する。
【0073】
本実施の形態の医療情報処理装置10は、利用者が治療目的で使用した薬品の効果を記録することが出来る。その理由は、薬効評価部14が利用者の行動履歴の測定位置33に基づいて、使用した薬品の効果点数23を取得するからである。
【0074】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、医療情報を管理する携帯型情報端末、およびその動作を制御するプログラム、医療情報を管理するシステム等に適用できる。本発明は、無線ICカードとの通信機能を有する携帯型情報端末、およびその動作を制御するプログラム、ICカードリーダー/ライターを含めたシステム等にも適用できる。
【符号の説明】
【0076】
11 薬検知部
12 薬歴記憶部
13 行動履歴記録部
14 薬効評価部
15 位置属性記憶部
16 薬品属性記憶部
17 表示部
18a 装置通信部
18b サーバ通信部
19 医療情報処理プログラム
20 使用インデックス
21 使用薬品ID
22 使用日時
23 効果点数
30 履歴インデックス
31 測位インデックス
32 測定日時
33 測定位置
40 ランドマーク番号
41 ランドマーク名
42 存在位置
43 体調評価指数
50 登録薬品ID
51 登録オフセット時間
52 周期
53 回数
60 薬品属性提供サーバ
70 医療情報処理システム
71 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置と体調評価指数を対応付けて予め記憶する位置属性記憶手段と、
薬品IDと効果点数を対応付けて記憶する薬歴記憶手段と、
利用者が使用した薬の薬品IDを検知する薬検知手段と、
前記薬検知手段による薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得する行動履歴記録手段と、
前記行動履歴記録手段が取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、前記薬検知手段が検知した薬品IDと対応付けて前記薬歴記憶手段に格納する薬効評価手段、を包含する医療情報処理装置。
【請求項2】
前記行動履歴記録手段は、前記薬検知手段による薬品ID検知後、さらにオフセット時間経過後の前記一定時間内の前記利用者の位置を取得する、請求項1の医療情報処理装置。
【請求項3】
前記行動履歴記録手段は、薬品ID、オフセット時間及び時間長を対応付けて記憶する薬品属性記憶手段から、前記薬検知手段が検知した薬品IDに対応するオフセット時間及び時間長を取得して、前記薬検知手段による薬品ID検知後、取得したオフセット時間経過後の、取得した時間長の前記一定時間内の前記利用者の位置を取得する、請求項1の医療情報処理装置。
【請求項4】
前記行動履歴記録手段は、前記一定時間内に所定周期で、前記利用者の複数の位置を取得し、
前記薬効評価手段は、前記複数の位置のおのおのに対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得、及び、合計して、合計値を効果点数とする請求項1乃至3の何れかの医療情報処理装置。
【請求項5】
請求項3の医療情報処理装置と、
前記医療情報処理装置とネットワークで接続され、前記薬品属性記憶手段を備え、前記医療情報処理装置から薬品IDを受信して、当該薬品IDに対応付けられたオフセット時間及び時間長を返信する薬品属性提供サーバを包含する、医療情報処理システム。
【請求項6】
位置と体調評価指数を対応付けて予め記憶する位置属性記憶手段と薬歴記憶手段を備えるコンピュータに、
利用者が使用した薬の薬品IDを検知する薬検知処理と、
前記薬検知処理による薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得する行動履歴記録処理と、
前記行動履歴記録処理で取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、前記薬検知処理で検知した薬品IDと対応付けて前記薬歴記憶手段に格納する薬効評価処理、を実行させる医療情報処理プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、前記薬検知処理による薬品ID検知後、さらにオフセット時間経過後の前記一定時間内の前記利用者の位置を取得する前記行動履歴記録処理を実行させる、請求項6の医療情報処理プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、薬品ID、オフセット時間及び時間長を対応付けて記憶する薬品属性記憶手段から、前記薬検知処理で検知した薬品IDに対応するオフセット時間及び時間長を取得して、前記薬検知処理による薬品ID検知後、取得したオフセット時間経過後の、取得した時間長の前記一定時間内の前記利用者の位置を取得する前記行動履歴記録処理を実行させる、請求項6の医療情報処理プログラム。
【請求項9】
位置と体調評価指数を対応付けて位置属性記憶手段に記憶し、
利用者が使用した薬の薬品IDを検知し、
薬品ID検知後の一定時間内の、前記利用者の位置を取得し、
取得した前記利用者の位置に対応する体調評価指数を前記位置属性記憶手段から取得して、取得した体調評価指数に基づいて効果点数を算出し、検知した薬品IDと対応付けて薬歴記憶手段に格納する医療情報処理方法。
【請求項10】
薬品ID検知後、さらにオフセット時間経過後の前記一定時間内の前記利用者の位置を取得する、請求項9の医療情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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