説明

医療機器管理システム

【課題】人的過誤による作業漏れや、医療機器の移動時の事故などに適切に対応することができ、さらに、このような異常を未然に防ぐことのできる医療機器管理システムを提供する。
【解決手段】医療機器の通過経路を管理サーバで把握することにより、管理サーバにおいて、時系列に基づき医療機器の使用状況や移動状況などを一括管理し、規定どおりの手順により医療機器の使用、洗浄、および保管が行われていない場合は、指示情報を発信することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の処置内容や移動経路を設定および管理して、病院内における医療機器の使用、洗浄、保管などの集中管理を行う医療機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、病院などに備えられている内視鏡やカテーテル、腹腔鏡、関節鏡などの医療機器は、人体等の生体内に挿入されて、臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される。
これらの医療機器は、複数の患者に共通して、かつ、繰り返し使用される。そのため、使用後は、徹底した衛生管理を行って、医療機器を媒介とする細菌の感染等を完全に防止する必要がある。
このため、医療機器を衛生管理するためのシステムが、各種、実用化されている。
【0003】
一例として、特許文献1には、個々の医療器具の保管管理を簡略化することができる医療器具の保管管理システムが開示されている。特許文献1のシステムでは、内視鏡と内視鏡保管庫との間で通信を行うことにより、内視鏡保管庫を閉じた状態でも、保管庫の中の内視鏡の状態を把握することができる。これにより、保管庫に保管されている内視鏡の使用状況の確認や使用予約、洗浄状況の確認などを行うことができる。
【0004】
また、特許文献2には、ユーザの負担を軽くし、確実かつ迅速に処理を行うことができる内視鏡の滅菌装置が開示されている。
特許文献2では、内視鏡にタグが設置され、洗浄装置や滅菌装置に、このタグと通信を行うユニットが設置されている。内視鏡に対して洗浄や滅菌などの処理が行われると、各装置のユニットは、実行した処理に関する情報を、処理を実行した内視鏡のタグに書き込む。さらに、各ユニットは、他のユニットによりタグに書き込まれた処理情報を読み取り、異常を検知した場合は、ユーザに警告を発する。
【0005】
さらに、医療機器の使用履歴情報を管理するシステムも考案されている。
例えば、特許文献3には、処理具や内視鏡の情報を容易に保存し、電子データとして有効活用するための医療具管理支援システムおよびプログラムが開示されている。特許文献3の医療具管理支援システムでは、スコープや処置具などの医療具にIDタグを設置して、これらの医療具を使用した際には、IDタグに記録されている各医療具の識別情報と医療行為情報とが読み取られて、画像ファイリング装置に送信され、管理される。
【0006】
【特許文献1】特開2002−282200号公報
【特許文献2】特開2002−325826号公報
【特許文献3】特開2004−344216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、医療機器の管理システムにおいて、医療機器を洗浄する場合は、各機器を洗浄器にセットする作業や、洗浄後、洗浄器から取り出し保管場所へ移動させる作業などは、通常、人間の手作業によって行われる。このため、人的過誤により、未洗浄の機器を再び使用してしまう作業漏れや、未洗浄の機器と洗浄済の機器との接触などの事故が起こる可能性がある。
例えば、医療機器を使用して、その後洗浄を行い、保管場所への保管を行う一連の流れにおいて、医療機器は複数の区画や処置室などの間を移動する。この時に、洗浄済の機器が、未洗浄の医療機器と直接的または人間を介して間接的に接触することで、洗浄済の機器が汚染され、そのままの状態で使用することにより、患者に感染する危険がある。
しかし、上記従来技術では、装置に対して行われた処理を検知することはできるが、人的過誤による作業漏れや、医療機器の移動時の事故などに対応することはできない。
【0008】
さらに、上記従来技術では、医療機器に関する情報を取得し、異常が起きた場合に検出することができるが、これはあくまでも異常発生の後に検出されるものであり、ミスや事故などの異常を未然に防ぐことはできない。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、人的過誤による作業漏れや、医療機器の移動時の事故などに適切に対応することができ、さらに、このような異常を未然に防ぐことのできる医療機器管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、1回の使用ごとに洗浄し、繰り返し使用する医療機器の管理システムであって、前記医療機器に施すべき処置種類および処置順序を含む処置情報と、前記医療機器が移動すべき移動経路情報とを組み合わせた、前記医療機器の工程を規定する規定情報を、前記医療機器の識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記医療機器の識別情報、前記医療機器に施された処置の情報、および、前記医療機器が移動した経路の情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した情報に基づいて前記医療機器の処置履歴情報および移動履歴情報を生成する履歴生成部と、前記医療機器の次工程に関する指示情報を発信する指示情報発信部と、前記規定情報と、前記処置履歴情報および前記移動履歴情報とを比較して、前記規定情報に従って次工程が実行されるように前記指示情報発信部を制御する制御部とを有することを特徴とする医療機器管理システム・を提供する。
【0011】
また、本発明においては、さらに、前記医療機器の前記処置履歴情報および前記移動履歴情報に基づいて、その医療機器、または、その医療機器とその医療機器に付随して移動する部材とを含む移動機器に対してクリーン度を設定する設定部を有し、前記制御部は、前記設定部により設定された前記医療機器または前記移動機器のクリーン度を参照して、異なるクリーン度を有する前記医療機器または前記移動機器が同一の区画に混在することのないように、前記指示情報発信部を制御することが好ましい。
【0012】
さらに、前記取得部は、前記医療機器を運搬する作業者の識別情報、前記作業者が実施した処置の情報、および、前記作業者が移動した経路の情報を取得し、前記履歴生成部は、前記取得部が取得した情報に基づいて前記作業者の処置履歴情報および移動履歴情報を生成し、前記設定部は、前記作業者に対して前記クリーン度を設定し、前記制御部は、前記設定部により設定された前記作業者のクリーン度に応じて、前記区画への入退を規制するように、前記指示情報発信部を制御することが好ましい。
【0013】
また、前記規定情報は、前記医療機器の移動経路における所定の区画での許容滞在時間枠の情報を含むことが好ましい。
さらに、前記指示情報発信部は、前記指示情報として、前記次工程への誘導情報の発信、他の区画への移動禁止を報じる警告情報の発信、および、前記医療機器の作動装置の停止信号の発信のいずれか1以上を行うことが好ましい。
【0014】
また、前記医療機器がその識別情報を有するICタグを備え、前記取得部は、前記医療機器の移動経路の前記区画の境界付近、および、前記医療機器の処置部に配されたICタグリーダであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の医療機器管理システムによれば、医療機器の通過経路を管理サーバで把握することにより、管理サーバにおいて、時系列に基づき医療機器の使用状況や移動状況などを一括管理することができる。
このため、規定どおりの手順により医療機器の使用、洗浄、および保管を行うことができ、人的過誤による作業漏れや、医療機器の移動時の事故などに適切に対応することができ、さらに、医療機器間の接触による機器の汚染を未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に係る医療機器管理システムについて、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態における医療機器管理システムの装置構成の一実施形態を示すブロック図である。
本発明の医療機器管理システムは、病院内で内視鏡やカテーテルなどの医療機器を使用して患者の診察を行い、その後、医療機器の洗浄を行い、保管場所に保管して、再度診察に使用するという一連の流れを、管理サーバにおいて一元管理するものである。
図1に示す医療機器管理システム10は、内視鏡12、内視鏡12に設置されているICタグ14、複数のICタグリーダ16、管理サーバ18、および指示情報発信部26を有する。
【0018】
内視鏡12は、患者の体内に挿入され、診察に用いられる内視鏡である。内視鏡12には、ICタグ14が設置されている。
ICタグ14は、自身の識別情報(以下、タグ識別情報という)を有しているICタグである。本実施形態においては、一例として、ICタグはROM型のものとする。
【0019】
ICタグリーダ16は、ICタグ14の有するタグ識別情報を取得する取得部である。
ICタグリーダ16は、内視鏡12の使用場所、洗浄場所、および保管場所への出入り口や、その他の内視鏡12が運搬される際の移動経路に複数設置され、内視鏡12が各ICタグリーダ16が設置された場所を通過する時に、ICタグ14の有するタグ識別情報を読み取り、これらを、内視鏡12に施された処置の情報、および、内視鏡12が移動した経路の情報として、管理サーバ18に送信するものである。ICタグ14を備えた内視鏡12が各ICタグリーダ16の設置場所を通過すると、ICタグリーダ16は、ICタグ14のタグ識別情報を読み取り、これを、自身が設置されている地点の位置情報とタグ識別情報の読取時刻情報と共に、管理サーバ18に送信する。
【0020】
また、ICタグリーダ16は、内視鏡サーバおよび内視鏡洗浄機にも設置される。これらに設置されたICタグリーダ16は、内視鏡サーバまたは内視鏡洗浄機に内視鏡12が接続され、診察または洗浄が行われると、ICタグ14のタグ情報を読み取り、管理サーバ18に送信する。なお、内視鏡サーバおよび内視鏡洗浄機に設置されているICタグリーダ16は、自身が設置されている地点の情報に加えて、自身が内視鏡サーバまたは内視鏡洗浄機に設置されている旨の情報も、位置情報として、合わせて送信する。
【0021】
管理サーバ18は、履歴生成部20、記憶部22、および、制御部24を有している。
履歴生成部20は、ICタグリーダ16から受信したタグ識別情報、タグリーダの位置情報、およびタグ識別情報の読取時刻情報に基づき、内視鏡12の処置履歴情報および移動履歴情報を含む履歴情報を作成し、内視鏡12の移動状況および使用状況などを管理するものである。
【0022】
記憶部22は、予め定められた、内視鏡12の規定情報を有している。
規定情報は、内視鏡12の処置情報および移動経路情報を組み合わせた、内視鏡12の工程を規定する情報である。
処置情報とは、内視鏡12について予め設定された、内視鏡12の使用、洗浄消毒、保管など、内視鏡12に施すべき処置種類およびこれらの処置を施す順序についての情報である。処置情報は、例えば「使用→洗浄→保管」などというように設定される。
移動経路情報とは、処置情報に基づいて処置を行う際に内視鏡12が移動すべき経路についての情報である。移動経路情報は、どのルートを通過して、各処置を行う場所まで運搬するかが設定される。
規定情報は、内視鏡12のタグ情報に関連付けられて、記憶部22に記憶されている。また、規定情報は、病院内のレイアウト、内視鏡の数、混雑度などの実績データを考慮して、設定される。さらに、これらの実績データに変更があった場合は、その都度、実績データに基づき、新しい規定情報が設定される。なお、規定情報は、複数パターン存在していてもよい。
【0023】
制御部24は、履歴生成部20において生成された履歴情報と、記憶部22に記憶されている規定情報とを比較して、規定情報に従って次工程の処置が施されているかを確認し、規定情報と異なる工程が実行されている場合には、後述する指示情報発信部26に、適切な指示を行うように制御するものである。
【0024】
指示情報発信部26は、制御部24からの指示に従って、内視鏡12が規定情報に従って次工程の処置を行うように、作業者に対して指示情報を発信するものである。指示情報は、例えば、規定情報に従った次工程への誘導情報、他の区画への移動禁止を報じる警告情報、内視鏡による処置を行う際に用いる各装置への停止信号などが挙げられる。
指示情報発信部26に用いる装置としては、特に限定はないが、例えば、館内アナウンスを行うためのスピーカー、作業者が携帯する携帯電話、電光掲示板などを用いることができる。
指示情報発信部26は、ICタグリーダ16の近傍に設置されることが好ましい。
【0025】
次に、本発明の医療機器管理システムの第1の実施形態における、具体的な装置の配置および作用を、図2を基に詳述する。
ICタグリーダ16a〜16fは、内視鏡12の移動経路の各区画の境界付近、および、内視鏡による処置を行うための各装置に設けられており、本実施形態では、診察室30、洗浄室32、および保管室34の各処置室の出入り口と、診察室30に設置されている内視鏡サーバ36、および洗浄室32に設置されている内視鏡洗浄機38および内視鏡滅菌機40に備えられている。
【0026】
ここで、各処置室の出入り口に設置されているICタグリーダ16a、16cおよび16fは、ICタグとの距離が1〜2mの範囲でタグ識別情報の読み取りを行うことが可能なICタグ読取装置である。ICタグリーダ16a、16cおよび16fは、例えば、CD販売店などの出入り口に設置されている盗難防止用ゲートと同様のものを用いることができる。
ICタグ14を設置された内視鏡12がICタグリーダ16a、16cおよび16f付近を通過すると、ICタグが読み取られる。読み取られたタグ識別情報は、タグリーダの位置情報と、タグ識別情報の読取時刻情報と共に、管理サーバ18へ送信される。
【0027】
内視鏡サーバ36、内視鏡洗浄機38、および内視鏡滅菌機40に設置されているICタグリーダ16b、16dおよび16eは、各装置の動作に連動して、ICタグの読取および情報の送信を行う。
例えば、内視鏡サーバ36のICタグリーダ16bは、内視鏡12がサーバのコネクタに接続されることを合図として、ICタグ14の読取を行い、さらに、タグ識別情報を管理サーバ18に送信する。これにより、管理サーバ18は、内視鏡12が使用済となったものと判断し、履歴生成部20において、履歴情報を作成する。
また、内視鏡洗浄機38のICタグリーダ16dは、内視鏡12が内視鏡洗浄機38にセットされ、洗浄が完了した時点で、ICタグ14の読取を行い、さらに、タグ識別情報を管理サーバ18に送信する。これにより、管理サーバ18は、内視鏡12が洗浄済となったものと判断し、履歴情報を作成する。内視鏡滅菌機40のICタグリーダ16eについても、内視鏡洗浄機38のICタグリーダ16dと同様に、滅菌処理が完了した時点で、ICタグ14の読取および送信を行い、管理サーバ18は、内視鏡12が滅菌済となったものと判断し、履歴生成部20において履歴情報を作成する。
【0028】
本実施例では、一例として、内視鏡12の規定情報は、「使用→洗浄→滅菌→保存」という順序で各工程の処置を行うものであり、各工程において「保管室→診察室→洗浄室→保管室」という経路を取るものとする。つまり、内視鏡12の移動経路は、各ICタグリーダが、16f→16a→16b→16a→16c→16d→16e→16c→16fという順序でICタグ14を読み取るものとなる。
【0029】
内視鏡12が各ICタグリーダを通過するか、または各装置における処置を実行されると、ICタグリーダ16a〜16fは、ICタグ14のタグ識別情報を読み取り、これを、タグ識別情報の読取時刻情報と自身の位置情報と共に、管理サーバ18に送信する。
管理サーバ18の履歴生成部20は、受け取ったタグ識別情報とタグ識別情報の読取時刻情報とタグリーダの位置情報とを基に、内視鏡12の処置情報および移動経路情報を判断する。また、これを内視鏡12の履歴情報として保存する。
【0030】
さらに、制御部24において、記憶部22から、内視鏡12の規定情報を読み出し、履歴情報と内視鏡12の規定情報とを比較する。履歴情報が規定情報の各工程に沿って作成されていない場合は、内視鏡12は規定情報にしたがった移動経路で各ICタグリーダに識別情報の読み取りをされていない。このような時は、制御部24は、指示情報発信部26に対して、内視鏡12を使用または運搬している作業者に対し、警告、誘導、機器制御などの指示情報を発信するように制御を行う。
【0031】
指示情報発信部26による指示は、例えば、内視鏡12が規定情報と異なるICタグリーダを通過した時に、そのICタグリーダが設置されている処置室またはその付近において、館内アナウンスなどを行う、ICタグリーダから音声情報を出力する、作業者が携帯している携帯電話などの端末に通知する、ICタグリーダ付近に予め設置されている電光掲示板などの表示手段により表示するなどの方法により、誤った経路または処置を行っているとの通知をすることにより行えばよい。また、このとき、正しい経路または処置を誘導情報として通知してもよい。
図2に示す実施例においては、指示情報発信部26a〜26fは、各ICタグリーダ16a〜16fに対応して、その近傍に、それぞれ設置されており、例えば、ICタグリーダ16aを通過時に、制御部24において、内視鏡12が規定情報に従った次工程を実行していないと判断した場合は、制御部24は、ICタグリーダ16aの近傍に設置されている指示情報発信部26aに対して、指示情報を発信するように指示を出す。
また、診察室30において使用された後、洗浄室32を通過せずに再び診察室30へ運搬された時には、内視鏡12の操作部や、処置順序を制御する制御部などの機能を停止させ、内視鏡12を使用不可能な状態としてもよい。
【0032】
なお、図2に示す例においては、診察室30および洗浄室32の出入り口には、必ずしもICタグリーダは必要ではなく、内視鏡サーバ36、内視鏡洗浄機38および内視鏡滅菌機40にICタグリーダが設置されていれば、診察室30および洗浄室32の出入り口には、設置されていなくてもよい。
【0033】
また、規定情報は、上述した情報に加えて、さらに内視鏡12の移動に要する時間を許容滞在時間枠として有していてもよい。例えば、ICタグリーダ16aを通過して診察室30を退出してから、ICタグリーダ16cを通過して洗浄室32に入室するまでの時間を、許容滞在時間枠として予め規定情報で有しておく。各ICタグリーダでのICタグ14の読取時には、読み取り時刻情報を基に、この移動に要した時間を算出して、これを許容滞在時間枠と照らし合わせて、許容滞在時間枠を過ぎても、目的のICタグリーダをICタグが通過しなかった場合には、運搬中に何らかの事故により運搬が中止されているとみなし、管理サーバ18の制御部24は、内視鏡12の作業者に対して警告などを行うように、指示情報発信部26を制御する。
【0034】
さらに、制御部24は、履歴生成部20で生成された履歴情報を基に、一定時間ごとに各内視鏡の位置情報をチェックすることができる。
ここで、例えば、保管室34で所定時間保管される予定の内視鏡12が、作業者のミスなどにより、所定時間を経過する前に外部へ運搬された場合は、制御部24は、これを検知して、内視鏡12の機能を停止させ、さらに、内視鏡12を再洗浄するように作業者に指示情報を発信するように、指示情報発信部26を制御する。
【0035】
上述した第1の実施形態では、内視鏡12が1台である場合について、運搬および処置順序の制御を行う方法を述べたが、通常、病院内では、複数台の医療機器が存在する。例えば、内視鏡が複数台ある場合には、使用後で未洗浄のものと、洗浄済みのものとが混在することが考えられる。それらが直接または間接的に接触することにより、洗浄済みの医療機器が汚染され、これを診察に用いることで院内感染が起こる危険性がある。このような事態を防ぐための方法を、第2の実施形態として、以下に詳述する。
【0036】
第2の実施形態では、第1の実施形態に加えて、さらに、各内視鏡について、処置状態を示すクリーン度を設定し、これを用いて複数の機器を管理する。
なお、第2の実施形態は、内視鏡12が複数存在する点以外については、図1および図2に示す第1の実施形態と同一の構成をとるので、同一の部分については詳細な説明を省略する。
【0037】
クリーン度とは、内視鏡12の処置状態を示すものである。本実施形態においては、一例として、0〜2までの3段階のクリーン度を設定する。
本実施形態では、管理サーバ18は、クリーン度を設定するための設定部を有している。設定部は、管理サーバ18内に独立した機能として存在してもよいし、制御部24が設定部の機能を有していてもよい。ここでは、一例として、制御部24が、設定部の機能を有しているものとする。
【0038】
クリーン度は、例えば図3に示すクリーン度の設定例のように設定すればよい。まず、診察室30において診察に使用した後の内視鏡12のクリーン度は0とする。次に、洗浄室32において洗浄消毒が行われた内視鏡12のクリーン度は1とする。さらに、同じく洗浄室32において滅菌処理を行った内視鏡12は、クリーン度を2とする。
クリーン度は、各処置を行うごとに再設定される。例えば、診察室30において、内視鏡サーバ36に設置されているICタグリーダ16bにより内視鏡12のICタグ14が読み取られ、読み取られた情報が管理サーバ18に送信されると、管理サーバ18の設定部では、この内視鏡12のクリーン度を0に設定する。同様にして、洗浄室32の内視鏡洗浄機38が備えるICタグリーダ16dにより読み取られたICタグ情報が管理サーバ18に送信されると、設定部は、該当するICタグ14を備える内視鏡12のクリーン度を1に設定する。また、洗浄室32において、内視鏡滅菌機40により滅菌処理が行われた場合についても、洗浄処理を行う場合と同様に、ICタグ情報が管理サーバ18に送信され、これに基づき、設定部において、内視鏡12のクリーン度が2に設定される。
【0039】
また、本実施形態では、病院内の内視鏡12が通過する可能性のある全ての場所を区画に区切り、これに基づき管理を行う。区画は、例えば、診察室を区画K1、診察室と洗浄室とを繋ぐ廊下をK2、洗浄室をK3、洗浄室と保管室とを繋ぐ廊下をK4、保管室をK5、保管室と診察室とを繋ぐ廊下をK6、などというように設定すればよい。
管理サーバ18の制御部24は、履歴生成部20で生成された内視鏡12の履歴情報を基に、現在内視鏡12がどの区画に存在するかを判断することができる。例えば、図2において、内視鏡12のICタグ14が、ICタグリーダ16f→16aの順に読み取られていれば、内視鏡12は、診察室30に存在していることがわかる。
【0040】
制御部24は、全ての内視鏡について設定されるクリーン度、および、病院内の各場所を区切って設定される区画に基づき、同じ区画内における複数の内視鏡の混在の許可または回避の制御を行う。つまり、異なるクリーン度の内視鏡同士が、同じ区画内に混在することのない様に、病院内全体の内視鏡の運搬および処置の各区画への入退を規制する。
【0041】
図4を基に、クリーン度に基づく内視鏡の各区画への入退の規制の一例を示す。
図4において、病院内のある区画K1にクリーン度0の内視鏡Aが存在し、K1と隣接する区画K2にクリーン度1の内視鏡Bが存在するものとする。また、区画K1とK2との出入り口には、ICタグリーダが設置されている。
このとき、内視鏡Aが、区画K1から出入り口を通過して区画K2に入ろうとすると、出入り口に設置されているICタグリーダが内視鏡AのICタグを読み取り、タグ識別情報を自身の位置情報および読み取り時刻情報と共に管理サーバ18に送信する。管理サーバ18の制御部24では、受け取ったタグ識別情報を基に、内視鏡Aのクリーン度を調べ、さらに、内視鏡Aの履歴情報、タグリーダの位置情報および読み取り時刻情報から、内視鏡Aが区画K1からK2に運搬されることを判断する。そして、区画K2に内視鏡が存在するか否か、また、存在する場合は、その内視鏡のクリーン度を検索する。ここでは、区画K2にはクリーン度1の内視鏡Bが存在している。制御部24は、内視鏡Aと内視鏡Bとのクリーン度を比較し、両者が異なる場合は、内視鏡Aに対して警告の指示情報を発信するように、指示情報発信部26に指示を出す。
【0042】
警告を受けた内視鏡Aの作業者は、内視鏡Aの区画K2への運搬を中止して、内視鏡Bが区画K2から搬出されるまで待機するか、別の区画を通過して運搬を行うなどの処置をとればよい。
また、内視鏡Aへ警告を行うと共に、内視鏡Bの作業者に向けても、区画K1への運搬を行わないように警告を発したり、内視鏡Aが区画K2に搬入できるように、内視鏡Bを他の区画へ移動させるように回避指示を発してもよい。
このように、管理サーバ18において、各内視鏡の状態および移動経路を把握して、適宜指示情報を発信することにより、クリーン度の異なる内視鏡同士が同一区画に混在することを防ぐことができる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、クリーン度は3段階としているが、内視鏡の使用後は、洗浄消毒を行う前に、作業者による手作業で、予備洗浄を行うことがある。このため、本発明では、クリーン度は3段階に限定はされず、内視鏡に施す各処置に応じて、適宜クリーン度の段階設定を行えばよい。
例えば、予備洗浄を行った場合のクリーン度を新たに設定する場合には、クリーン度が、診察に使用後に0、予備洗浄後に1、洗浄消毒後に2、滅菌処理後に3となるように段階設定を変更し、さらに、予備洗浄を行う場所にICタグリーダを設置すればよい。
また、本実施形態では、洗浄消毒の後に滅菌処理を行っているが、滅菌処理は、必ずしも行う必要はなく、処理を省略することもできる。この場合は、上述の例とは逆に、滅菌処理後のクリーン度の段階を減らすように、段階設定を変更すればよい。
【0044】
また、警告や回避指示などの指示情報の発信は、各内視鏡の優先度に応じて行ってもよい。例えば、クリーン度が0の使用済み内視鏡は、最短経路や規定情報に従った経路で洗浄室へ運搬できるように、他の内視鏡に優先して運搬を行うようにすることができる。
【0045】
なお、上述の例では、クリーン度は、内視鏡の状態について設定されているが、本発明はこれに限定されず、その他の要因に応じてクリーン度を設定してもよい。例えば、処置内容や、患者の情報などを考慮して、さらに細かくクリーン度を設定することができる。
例えば、単なる診察に使用するのと、出血を伴う手術などに使用するのとでは、内視鏡を介した感染の危険度は異なる。処置内容に基づくクリーン度の設定は、こうした処置内容によって、内視鏡への付着物、つまり感染する病原体の危険度が増加する場合、クリーン度に差をつけるようにすればよい。
また、患者に基づくクリーン度の設定は、患者の症状によって、同じく内視鏡への付着物の危険度が増加する場合、クリーン度に差をつけるようにすればよい。
【0046】
さらに、クリーン度に基づく各区画への入退の規制は、内視鏡についてだけでなく、内視鏡を移動させ、または操作する作業者についても行ってもよい。
例えば、内視鏡を使用した作業者のクリーン度は0とし、所定の作業所において、消毒をした、あるいは消毒済みの衣服に着替えた作業者については、クリーン度を2にするなどというように、作業者についてクリーン度を設定する。作業者のクリーン度および移動経路は、各作業者の名札などにICタグを設置して、各ICタグリーダでこれを読み取ることで、内視鏡と同様に管理することができる。
制御部24は、所定の作業区画を通過した作業者のみに、洗浄済みの内視鏡へのアクセスを許可する。これにより、消毒前作業者と消毒済み作業者とを完全分離し、作業者の衣服などを通しての付着物による汚染を防止することができる。
また、ICタグは、内視鏡を運搬する運搬用機器や、内視鏡に付随して移動する部材などにも設置して、全てのICタグから読み取った情報により、内視鏡の運搬を制御するようにしてもよい。
【0047】
次に、第3の実施形態として、第2の実施形態で用いたクリーン度を、各区画に設定することで、内視鏡の各区画への運搬の制御を行う。
つまり、第2の実施形態では、個々の内視鏡、あるいはさらに作業者のクリーン度を設定し、これらを比較して、内視鏡の移動経路の制御および管理を行ったが、本実施形態では、さらに、ある区画内に存在する内視鏡の中で、最もクリーン度の低い内視鏡のクリーン度を、その内視鏡が存在する区画のクリーン度に設定し、これに基づき内視鏡の移動経路の制御および管理を行う。
【0048】
例えば、ある区画に、クリーン度が1の内視鏡Cとクリーン度が2の内視鏡Dとが混在している場合、その区画のクリーン度は、最もクリーン度の低い内視鏡Cと同じ、1とする。
他区画からこのクリーン度が1の区画に、新たに内視鏡Eが運搬されてきた場合、この区画の出入り口に設置されているICタグリーダは、内視鏡Eのクリーン度を読取り、管理サーバ18に送信する。管理サーバ18の制御部24は、内視鏡Eのクリーン度が、その区画のクリーン度の1よりも下回る場合、内視鏡Eに対して、搬入禁止の指示情報を発信するなどの処置により、搬入を阻止する。
【0049】
さらに、各区画ごとに予め、区画内に内視鏡が存在しない時の空室時許容クリーン度を設定してもよい。これにより、その区画内に内視鏡が存在しない時には、空室時許容クリーン度に基づき、その区画への内視鏡の搬入の可否を判断する。
また、区画ごとに、その区画に搬入する前に行っておくべき処置内容を設定し、搬入時に、履歴情報を基に、その処置がなされているかをチェックして、処置が行われていない内視鏡については、搬入しないように警告などの指示情報を発信するようにしてもよい。
さらに、ある区画内において、洗浄処理などの処置が行われた結果、その区画内に存在する内視鏡のクリーン度が変更された場合は、区画のクリーン度もそれに応じて変更されるようにしてもよい。
【0050】
次に、第4の実施形態として、上述した第1〜第3の実施形態において、内視鏡に加速度センサを設置することにより、内視鏡の移動状況をトレースする方法について詳述する。
図5は、第4の実施形態における内視鏡42の概略図である。内視鏡42は、複数の加速度センサ44を備えている。なお、図5では、加速度センサは複数設置されているが、本発明はこれに限定されず、内視鏡42に設置される加速度センサの数は、1つのみであってもよい。
さらに、内視鏡42は、管理サーバ18と通信を行うための図示しない無線通信機能を備えている。
【0051】
内視鏡42は、各ICタグリーダを通過時にICタグを読み取られ、これを管理サーバ18に送信される。また、内視鏡42は、管理サーバ18と定期的に通信を行い、加速度センサ44により測定された自身の加速度データを管理サーバ18に送信する。管理サーバ18では、受け取ったタグ識別情報および読取時刻情報により、履歴生成部20において内視鏡42の履歴情報を作成すると共に、加速度データを累積し、病院内での内視鏡42の動きをトレースし、内視鏡42の現在位置情報を得ることができる。また、各ICタグリーダの通過時に、内視鏡42の現在位置情報を補正することで、加速度データの累積による誤差をなくすことができる。
ここで、管理サーバ18は、内視鏡42の現在位置情報を用いて、内視鏡42と、病院内の壁や障害物などとの接触を避けるために、両者が所定値以上の距離を保つように管理する。管理サーバ18の制御部24は、内視鏡42の現在位置情報を基に、内視鏡42と病院内の壁や障害物などとの間の距離を検知し、所定の距離以上の間隔が空いていない場合は、接触を回避するため、所定以上の距離を置くように作業者に指示情報を発信する。
これにより、管理サーバ18において、より精度の高い制御を行うことが可能となる。
【0052】
また、管理サーバ18は、初期設定として、理想的な処置順序および移動経路によって内視鏡42を使用、運搬した場合の加速度データを、基準となる基準加速度データとして有している。例えば、図6に示すような経路を、理想的な処置順序および移動経路として、この経路の各地点における加速度データを、基準加速度データとして設定する。
内視鏡42の使用、運搬時には、制御部24は、加速度センサ44から送信される加速度データに基づき、実際の加速度データと基準加速度データとを比較し、異なる場合は、衝突や接触などの危険性を推定して、指示情報発信部26を制御することにより、作業者に対して指示情報を発信する。
【0053】
例えば、内視鏡42の運搬中に、基準加速度以上の加速度が発生したり、急激に進行方向が変化した場合には、内視鏡42は、何らかの物体と接触したものとみなし、作業者に、内視鏡42の機能チェックを行うよう、指示情報を発信する。さらに、壁や障害物などの、内視鏡42と接触した箇所を、加速度データから推定し、該当箇所の消毒指示を発信する。あるいは、内視鏡42から飛沫が発生した可能性があることを警告し、接触が起こった区画全域の消毒指示を発信してもよい。
【0054】
このように、本発明の医療機器管理システムによれば、内視鏡の移動経路を管理サーバで把握することにより、管理サーバにおいて、時系列に基づき医療機器の使用状況や移動状況などを一括管理することができる。
このため、規定情報に則った処置順序により内視鏡の使用、洗浄、および保管を行うことができ、人的過誤による作業漏れや、医療機器の運搬時の事故などに適切に対応することができる。さらに、未洗浄の内視鏡と洗浄済みの内視鏡との接触による、洗浄済みの内視鏡の汚染を未然に防ぐことができる。
【0055】
また、上述した各実施形態では、内視鏡にICタグを設けて、各処置室の出入り口などにICタグリーダを設けた構成としたが、本発明はこれに限定されず、上述の各実施形態とは逆に、内視鏡にICタグリーダを設置して、出入り口などにICタグを設置する構成としてもよい。この時は、内視鏡は、常に管理サーバと交信を行う。
さらに、上述の各実施形態では、ICタグは、ROM型としているが、本発明はこれに限定されず、RAM型のICタグを用いてもよい。RAM型のICタグを用いた場合は、内視鏡のクリーン度などの情報を、ICタグが有する構成とすることで、管理サーバにおいて行う処理が軽減される。
【0056】
また、上述した各実施形態では、内視鏡について述べたが、本発明はこれに限定されず、内視鏡だけでなく、カテーテルや腹腔鏡など、人体の内部に挿入されて用いられる医療器具であれば、各種の機器において、本発明の医療機器管理システムによる管理が可能である。
【0057】
また、本発明における内視鏡、運搬用機器、作業者などの位置検出方法は、上述した手法に限定されず、公知の各種の手法を用いることができる。
例えば、ICタグリーダを、各処置室の出入り口に限らず、各区画において、床一面に所定間隔で設置して、これらによりICタグを読み取って、位置を検出してもよい。
あるいは、RFIDタグを利用する手法として、内視鏡にアクティブICタグを設置して、タグリーダにおいてアクティブICタグの電波強度を測定することによって、内視鏡の位置を算出することもできる。
【0058】
以上、本発明の医療機器管理システムについて詳細に説明したが、本発明は上記種々の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の医療機器管理システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の医療機器管理システムの機能の一例を示す模式図である。
【図3】医療機器のクリーン度を表す表である。
【図4】医療機器と読取装置との作用の一例を示す模式図である。
【図5】医療機器に備え付けられた加速度センサを示す図である。
【図6】医療機器と読取装置との作用の他の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
10 医療機器管理システム
12、42 内視鏡
14 ICタグ
16 ICタグリーダ
18 管理サーバ
20 履歴生成部
22 記憶部
24 制御部
26 指示情報発信部
30 診察室
32 洗浄室
34 保管室
36 内視鏡サーバ
38 内視鏡洗浄機
40 内視鏡滅菌機
44 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回の使用ごとに洗浄し、繰り返し使用する医療機器の管理システムであって、
前記医療機器に施すべき処置種類および処置順序を含む処置情報と、前記医療機器が移動すべき移動経路情報とを組み合わせた、前記医療機器の工程を規定する規定情報を、前記医療機器の識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記医療機器の識別情報、前記医療機器に施された処置の情報、および、前記医療機器が移動した経路の情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した情報に基づいて前記医療機器の処置履歴情報および移動履歴情報を生成する履歴生成部と、
前記医療機器の次工程に関する指示情報を発信する指示情報発信部と、
前記規定情報と、前記処置履歴情報および前記移動履歴情報とを比較して、前記規定情報に従って次工程が実行されるように前記指示情報発信部を制御する制御部とを有することを特徴とする医療機器管理システム。
【請求項2】
さらに、前記医療機器の前記処置履歴情報および前記移動履歴情報に基づいて、その医療機器、または、その医療機器とその医療機器に付随して移動する部材とを含む移動機器に対してクリーン度を設定する設定部を有し、
前記制御部は、前記設定部により設定された前記医療機器または前記移動機器のクリーン度を参照して、異なるクリーン度を有する前記医療機器または前記移動機器が同一の区画に混在することのないように、前記指示情報発信部を制御する請求項1に記載の医療機器管理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記医療機器を運搬する作業者の識別情報、前記作業者が実施した処置の情報、および、前記作業者が移動した経路の情報を取得し、
前記履歴生成部は、前記取得部が取得した情報に基づいて前記作業者の処置履歴情報および移動履歴情報を生成し、
前記設定部は、前記作業者に対して前記クリーン度を設定し、
前記制御部は、前記設定部により設定された前記作業者のクリーン度に応じて、前記区画への入退を規制するように、前記指示情報発信部を制御する請求項2に記載の医療機器管理システム。
【請求項4】
前記規定情報は、前記医療機器の移動経路における所定の区画での許容滞在時間枠の情報を含む請求項1〜3のいずれかに記載の医療機器管理システム。
【請求項5】
前記指示情報発信部は、前記指示情報として、前記次工程への誘導情報の発信、他の区画への移動禁止を報じる警告情報の発信、および、前記医療機器の作動装置の停止信号の発信のいずれか1以上を行う請求項1〜4のいずれかに記載の医療機器管理システム。
【請求項6】
前記医療機器がその識別情報を有するICタグを備え、
前記取得部は、前記医療機器の移動経路の前記区画の境界付近、および、前記医療機器の処置部に配されたICタグリーダである請求項1〜5のいずれかに記載の医療機器管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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