説明

医療画像化技術用の造影剤及びその使用

医療画像化技術用の造影剤が記載されている。該造影剤は、少なくともコアからなる粒子を有し、該コアは特定の元素の少なくとも酸化物、混合酸化物又は水酸化物を有する。上記粒子は、オプションとして、貴金属、放射性アイソトープ、生体適合性薬剤及び/又は抗体を含む(又はからなる)シェルを有する。適用される画像化技術は、特に、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)、磁性粒子画像化法、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)、コンピュータ・トモグラフィ(CT)及び超音波法(US)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、医薬及び非侵襲性画像化の分野に関する。本発明は、細胞、組織及び器官を生体内及び生体外で画像化する組成物及び方法を提供する。特には、例えばポジトロン放射トモグラフィ(PET)、コンピュータ・トモグラフィ(CT)、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)、磁性粒子画像化法又は超音波法(US)による細胞及び組織の画像化を向上させるための組成物及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
造影剤(contrast agents)は、非侵襲性画像化に、特には癌及び膿瘍を診断するために広く使用されている。幾つかのタイプの画像化手順が実行されている。ポジトロン放射トモグラフィ(PET)においては、崩壊する放射性核種から放射される2つのベータ線が検出される。単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)においては、崩壊する放射性核種から放射される1つのベータ線が検出される。PETが検査領域の一層正確な位置を提供する一方、SPECTは使用するのが簡単且つ容易であるので、一層頻繁に使用されることが分かっている。磁気共鳴画像化法(MRI)は、放射の代わりに磁界を使用して、器官、人体領域又は全身の詳細な、コンピュータにより発生される画像を生成する。新たな型式の画像化技術である磁性粒子画像化法は、ハンブルグのフィリップス・リサーチ社により発明された。基本原理は、従来の磁気共鳴画像化法(MRI)に基づいている。コンピュータ・トモグラフィ(CT)は、人体、組織及び構造の詳細な画像を生成するために複雑なX線機械及びコンピュータを使用する。超音波(US)画像化法は、斯様な画像を発生するために超音波を使用する。
【0003】
これらの技術は、患者の検査が非侵襲的であり、痛みが無いことを共通としている。従って、これら技術は、しばしば、予防診断のために及び異なる疾病パターンの診断のために使用される。
【0004】
これら全ての画像化技術にとり、医療画像の診断を好ましくは早期の段階で、高い感度で且つ高い特定性で可能にすることが主要な関心事である。高い感度とは、誤った否定的診断が排除されることを意味する。高い特定性とは、疾病パターンの信頼性のある検出、即ち誤った肯定的診断の排除を意味する。更に、好ましくは細胞又は分子レベルでの、可能な限り高い解像度が望ましい。
【0005】
造影剤は、一般的に、上述した技術の感度を上昇させるために使用される。これらの造影剤は、検査される組織又は人体の異なる領域を区別する能力を向上させるために使用される。幾つかの造影剤が説明されている。現在のところ、PET技術における放射診断のためには、市販の薬剤として18F標識2フルオロ2デオキシ・グルコース[18F-marked 2-fluoro-2-deoxy-glucose (18F-FDG)]が殆ど専ら使用されている。更に、最近では、磁気共鳴画像化法(MRI)用にGd3+系の金属複合体が成功裏に使用されている。これによれば、許容Gd3+濃度は驚くほど高い(kg体重当たり、数百mg)。更に、これらの分子複合体の構成(setup)は、比較的大きいが不活性な配位子(ligand)の母材(数百〜1000原子)内の幾つかの活性中心(1〜5原子)の存在を特徴とする。コンピュータ・トモグラフィ(CT)の分野では、現在のところ如何なる造影剤も殆ど使用されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術の造影剤は、上述した非侵襲性画像化技術に対して充分な感度を提供するものではない。更に、これら造影剤は、通常は、特定の1つの画像化技術に各々限定される。1つの診断は、異なる画像化技術で検証することが望ましいから、現在のところ、幾つかの薬剤を患者に投与しなければならない。従来技術の造影剤の低感度のために、斯かる造影剤は比較的多い量で投与されなければならない。
【0007】
本発明の目的は、従来技術の造影剤の欠点を克服すると共に、生体内及び生体外において高感度で細胞、組織及び器官を画像化するための組成物及び方法を提供することにある。更に、単一の造影剤のみを使用しながら異なる画像化技術を使用することができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明の独立請求項による組成物及び方法により解決される一方、有効な実施例は従属請求項に含まれるフィーチャにより説明される。
【0009】
本発明は、MRI、磁性粒子画像化法、PET、SPECT、CT及び/又はUS技術に使用するのに適した新たな画像化薬剤を提供する。これらの薬剤は、単一の造影剤を使用して、例えば、診断のためのMRI、CT及びPET等の複数の画像化技術を使用することを可能にする。したがって、異なる方法により検査を実行するために異なる造影剤を投与する必要がない。更に、推奨される造影剤を使用した、これら画像化技術の感度は、記載される本発明の薬剤中の(又は上の)多数の活性中心により、従来技術と比較して大幅に向上される。
【0010】
特に、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)における従来のGd3+系造影剤と比較した感度は、造影剤として使用される粒子の表面における多数のGd3+イオンにより向上される。同様のことがポジトロン放射トモグラフィ(PET)技術にも当てはまり、該技術は、使用された場合には、粒子のシェルの表面における多数の19Fイオンにより改善される。更に、ナノ寸法粒子における多数の重原子により充分なX線吸収が提供され、これによりコンピュータ・トモグラフィ(CT)を使用した画像化を可能にする。推奨される薬剤の幾つかは、これら薬剤の磁気特性により、特にはヒステリシス効果の不存在及び零フィールド領域近傍の急峻ではあるが連続した経路により特徴付けられる。後者は、速い磁気反転を生じさせ、小さな外部磁界で飽和磁化を達成する助けとなる。これは、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)及び磁性粒子画像化法を適用する場合に、特に有利となる。使用される材料に依存して、ナノ寸法粒子に99Tc原子を蓄積することが可能であり、これにより、これら粒子の単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)の感度を改善する。最後ではあるが大事なことに、貴金属の使用は、推奨された粒子に、従来使用されているマイクロ寸法の気泡(gas blisters)に匹敵するような、超音波(US)の固有の反射能力を付与する。
【0011】
更に、抗体をナノ寸法粒子の表面上に固定化することができる。斯様な対策により、特定の抗体/抗原反応を確立することができ、冒された組織(例えば、癌細胞、コロナル・プラック(coronar plaques))内への造影剤の特定の吸収/集中につながる。結果として、造影剤及び画像化処理が、各々の場合に対して高度に特有的となる。更に、医療画像化が、細胞レベルで、又は分子レベルでさえ可能となる。
【0012】
一般的に言って、本発明は医療画像化技術用の造影剤であって、少なくともコアからなる粒子を有し、該コアがMg, Ca, Sr, Ba, Y, Lu, Ti, Zr, Hf, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Mo, W, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Si及びBiからなる群から選択された少なくとも1つの元素の少なくとも酸化物、混合酸化物又は水酸化物を有するような造影剤を提供する。これらの粒子は、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)、磁性粒子画像化法、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)、コンピュータ・トモグラフィ(CT)及び超音波法(US)等の医療画像化技術に対して向上された感度を提供する。
【0013】
好ましい実施例においては、当該造影剤の上記コアはMO, M(OH)2, M2O3若しくはM(OH)3又はこれらの混合物を有し、M = Ca, Sr, Ba, Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu又はBiである。一方、これらの材料は、或る画像化技術に対して活性な、シェルのための支持体として作用することができる。これらの材料の該目的のための使用は、粒径(particle size)を後述するような製造方法を使用して正確且つ簡単に調整することができる故に有利である。ナノ粒子の製造は、しばしば、寸法精度及び歩留まりの問題を被るが、該好ましい実施例による金属酸化物は、高い歩留まりでの高度に均一なナノ粒子につながる。
【0014】
他方、該好ましい実施例による酸化物及び水酸化物からなるコアは、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)及び/又はコンピュータ・トモグラフィ(CT)自体用の造影剤として使用することができる。
【0015】
好ましくは、当該造影剤のコアは、Gd2O3, Gd(OH)3, (Gd,M)2O3, (Gd,M)(OH)3又はこれらの混合物を有し、M = Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu又はBiである。この造影剤は、磁気共鳴トモグラフィ(MRI)測定用に特に有効である。MRI用の従来のGd3+系造影剤とは対照的に、該酸化物コアは多数のGd3+及び可能性として追加の金属イオンを含み、これは同等の体積で1000〜100000倍高い。結果として、MRIの感度は大幅に増加される。更に、該推奨されるコアのX線吸収度は、含まれる多数の重原子により高いものとなる。この多数の重原子(数千〜数十万原子)は、X線放射を充分に吸収し、コンピュータ・トモグラフィ(CT)でのコントラストの発生を可能にする。従って、当該好ましい実施例による材料からなる粒子は、例えばMRI及びCTに対するように、2以上の画像化技術に対する造影剤として作用することができる。これは、異なる造影剤を投与することなく、人体又は組織の検査から異なる技術の異なる結果を得ることができる故に、特に有利である。これは、生体での異なる活性化合物の投与は、可能性のある免疫反応及び副作用により決まって厳しいものであるので、特に有用である。投与される薬剤の数が少なく、その量が少ないほど、これらの望ましくない副作用又は免疫反応が現れる可能性が少なくなる。
【0016】
好ましくは、上記造影剤のコアはGd2O3, Gd(OH)3, (Gd,Bi)2O3若しくは(Gd,Bi)(OH)3又はこれらの混合物を有する。これらの材料は、当該粒子表面上のGd3+イオンの数(数百〜万の原子)が、このコアのMRI測定に対する感度を著しく増加させる故に特に有利である。特に、Gdイオンの存在は、上述した効果に有利に影響する。
【0017】
本発明の他の好ましい実施例によれば、上記コアは、M'M''O4 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = P, Nb, Ta)若しくはM'2M''2O7 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'2M''O5 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'4(M''O4)3 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'2(M''O4)3 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Mo, W)若しくはM'2M''O6 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Mo, W)又はこれらの混合物を有する。
【0018】
これらの混合された酸化物は、一方では、特定の寸法及び形状のナノ粒子を製造するための良好な処理特性を提供する。他方、これらの酸化物は、該コアがGd3+を含む故にMRI測定用の造影剤として採用するのに適している。MRI用の従来のGd3+系造影剤とは対照的に、該酸化物コアの表面は多数のGd3+イオンを含み、これは同等の体積で1000〜100000倍高い。結果として、MRIの感度を大幅に増加させることができる。更に、当該X線吸収度は、コンピュータ・トモグラフィ(CT)でのコントラスト発生を可能にするほど充分に高い。結果として、1つのみの造影剤に基づくMRIとCTとの組み合わせが、2つの独立した方法の固有の強度に基づいて医療診断を検証するのを可能にする。
【0019】
好ましくは、当該好ましい実施例によるコアは、98Moを含む。このアイソトープは、格子材料として、またはそれによりドーピングされた格子として作用することができる。これは、98Moを従来の原子炉技術により99Tcに変換することができる故に、特に有利である。結果として、該コアは単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)に対しても敏感となる。SPECT用の従来の99Tc系造影剤とは対照的に、該酸化物コアは、同等の体積で100〜10000倍も高いような多数の99Tc原子を含むことができる。結果的に、SPECTの感度も、現状技術の造影剤と比較して増加させることができる。この様に、この好ましい実施例によるナノ粒子は、3つの画像化技術、即ちMRI、CT及びSPECT用の造影剤として作用することができる。1つのみの造影剤に基づくMRIと、CTと、SPECTとの組み合わせは、3つの独立した方法の固有の強度に基づいて医療診断を検証するのを可能にする。これは、幾つかの薬剤の投与の欠点が、該好ましい実施例による薬剤の多機能的使用可能性により克服される故に、特に有利である。
【0020】
好ましくは、該コアは、0.01モル%〜50モル%のMoの量の98Moでドーピングされる。この量は、上述した用途に特に有効であり、所望の量の98Mo及び99Tcが各々提供されるのを保証する。
【0021】
この前後状況において、当該コアはGdPO4:Mo (1.0 mol-%), Gd2Si2O7:Mo (5.0 mol-%)及びGd2(WO4)3:Mo (10 mol-%)からなる群から選択された配合(formulation)の1つを有することが特に好ましい。これらの配合は、可能性のある画像化技術、MRI、CT及びSPECTに対して固有の特性を有する。この特定の実施例による造影剤によれば、可能性のある画像化技術に対する感度の相互作用(co-action)を特に有利な態様で利用することができる。
【0022】
本発明の他の好ましい実施例において、コアは、元素Fe, g-Fe2O3, Fe3O4, スピネル, ガーネット若しくは磁気プランバイト構造又は他の何らかの六角フェライト構造を持つフェライト材料からなる群のうちの少なくとも1つを有する。MRI用の従来のGd3+系造影剤とは対照的に、同等の体積目盛り上において、当該鉄酸化物コアは1000〜100000倍高い多数の磁気中心を含む。結果的に、MRIの感度を大幅に増加させることができる。更に、当該好ましい実施例で推奨される造影剤は、磁性粒子画像化法なる医療画像化技術の特別な要件を満たす。当該造影剤は、その磁気特性を特徴とする磁性鉄酸化物コアからなる。特に、ヒステリシス効果の不存在が有益である。更に、該コアは零フィールドの周辺で磁化の急峻ではあるが連続した過程を提供する。この結果、速い再磁化挙動が得られると共に、低い外部磁界により磁化の飽和が達成される。本発明の該好ましい実施例によるコアは、非集塊的であり、1つの磁区のみを伴う。
【0023】
好ましくは、前記スピネル構造はMFe2O4から形成され、ここでM = Mn, Co, Ni, Cu, Zn又はCdであり、前記ガーネット構造はM3Fe5O12から形成され、ここでM = Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb又はLuであり、前記磁気プランバイト構造はMFe12O19から形成され、ここでM = Ca, Sr, Ba又はZnであり、前記六角フェライト構造はBa2M2Fe12O22から形成され、ここでM = Mn, Fe, Co, Ni, Zn又はMgである。これらの組成物のうちの1つのコアは、好ましい態様において上述した利点を提供する。
【0024】
この好ましい実施例によるコアがMn, Co, Ni, Cu, Zn又はFにより付加的にドーピングされると更に有益である。ドーピングの量は、好ましくは、0.01モル%と5.00モル%との間の範囲である。このドーピングは、該コアのMRI用の、特には磁性粒子画像化法用の造影剤としての使用を支援する。
【0025】
本発明の特に好ましい実施例によれば、上記造影剤は、当該粒子コアの周囲に少なくとも1つの任意選択的なシェルを更に有する。シェルを導入することにより、別の作用効果を達成することができる。第1に、1以上の追加の画像化技術にとり特に有効であるような追加の材料を上記シェル内で処理することができ、かくして、2以上の画像化技術を用いた検査が可能になる。更に、被検体の造影剤粒子に対する免疫反応を防止するようなシェル材料を選択することにより、高い適合性を確立することができる。更に、シェルを、抗体等の生物学的に活性な化合物を含んで形成することができ、これにより、被験組織内での当該造影剤の好ましい分布をサポートする。
【0026】
上述した少なくとも1つの任意選択的なシェルは、更に、異なる画像化技術もサポートするように作用する。好ましくは、斯かる任意選択的シェルの少なくとも1つは放射性アイソトープを含む。これは、請求される斯かる粒子の、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)又は単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)測定のための造影剤としての使用を可能にする。これによれば、放射性アイソトープとして19Fを使用するのが特に有利である。これは、PET測定に対する高感度につながる。
【0027】
現状技術の造影剤は、放射線診断用の市販薬剤として、18F標識2フルオロ2デオキシ・グルコース[18F-marked 2-fluoro-2-deoxy-glucose (18F-FDG)]を主に使用している。特徴的に、これら分子複合体の集合のためのものは、なかでも、比較的大きいが不活性なリガンドの母材(数百〜万原子)中の少ない活性中心(1〜5原子)の存在である。ポジトロンの検出は原理的に可能ではあるが、高感度、即ち多くの放射性崩壊、及び対応する結果的ポジトロンは、測定期間を短く保つと検出することができず、これにより、PET測定の感度を低下させる。
【0028】
前記任意選択的シェルの少なくとも1つに含まれる当該推奨される放射性アイソトープ19Fは、この従来技術の問題を、PET測定に対して向上された感度を提供することにより克服する。何故なら、活性19Fイオンの数が、PET用の従来の造影剤と比較して、100〜10000倍多いからである。結果的に、選択された体積要素からのポジトロンの検出に対する確率は、1つ又は他のポジトロンが検出器遮蔽体による広角度入口により吸収されたとしても、大幅に増加される。
【0029】
PET及びSPECT画像化技術にとり有効な19F含有シェルを、前述したコア材料の1つと組み合わせで設けることにより、上記コア及び/又は何れかの更なるシェル内で処理される材料に依存して、PET及びSPECT以外の、磁気共鳴画像化法(MRI)、磁性粒子画像化法、コンピュータ・トモグラフィ(CT)又は超音波法(US)等の他の画像化技術を実行することが更に可能となる。これは、単一の造影剤を用いて異なる画像化技術を適用する可能性から結果として得られるような、前述した利点につながる。
【0030】
これによれば、上記放射性アイソトープが0.001〜50モル%の量で存在することが特に有利である。これは、当該ナノ粒子に充分な量の活性中心が存在することを保証する。
【0031】
更に、放射性アイソトープを含む上記少なくとも1つの任意選択的シェルは、好ましくは、1〜50nm、特に好ましくは1nmと10nmとの間の厚さを有する。この厚さは、接着特性を可能にさせる。更に、上記厚さのシェルは所望の数の活性19Fイオンを保持することができる。
【0032】
本発明の一層好ましい実施例においては、前記コアは、貴金属、好ましくはAu, Pt, Ir, Os, Ag, Pd, Rh又はRu、より好ましくはAuからなる少なくとも1つのシェルを更に有する。これは、超音波(US)を使用したコントラストの発生を可能にし、これにより当該好ましい実施例による粒子が超音波測定のための造影剤として使用されるのを可能にする。斯かる粒子は、これにより、従来使用されている気体マイクロバブルに匹敵するような、超音波(US)に対する反射能力を提供する。
【0033】
好ましくは、貴金属の上記少なくとも1つの任意選択的シェルは、前述したようなFe, g-Fe2O3, Fe3O4又はフェライト材料からなるコアに適用される。これは、1つのみの造影剤に基づいてMRI及びUSの組み合わせを可能にし、2つの独立した方法の固有の強度に基づく医療診断の検証を可能にする。
【0034】
好ましくは、上記貴金属の少なくとも1つの任意選択的シェルは上記コアを完全に覆う。そうする場合において、上記シェルは、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜10nmの厚さを有する。この設計は、超音波測定に対する特別に有効な反射能力を特徴とする。
【0035】
本発明の他の好ましい実施例によれば、少なくとも1つの更なるシェルが存在し、生体適合性(biocompatibility)を提供する。これは、生物体に造影剤を投与した後に、この薬剤に対して免疫反応が生じないことを保証し、これは生体内での適用を可能にする。このシェルは、特には、SiO2、ポリリン酸塩(polyphosphate)(例えば、カルシウム・ポリリン酸塩)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸(asparagin acid))、有機ポリマ(例えば、ポリエチレン・グリコール/PEG、ポリビニル・アルコール/PVA、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリ尿素(polyurea))、バイオポリマ(例えば、デキストラン(dextrane)、キシラン(xylane)グリコーゲン(glycogene)、ペクチン(pectine)、セルローズ(cellulose)等の多糖類、又はコラーゲン(collagene)、グロブリン(globuline)等のポリペプチド(polypeptide))、システイン(cysteine)、又は大量のアスパラギンを伴うペプチド、又はホスホリピド(phospholipide)からなる。
【0036】
好ましくは、この生体適合性シェルは、前記コアを完全に覆い、1〜50nm、好ましくは10〜50nmの厚さを有する。これにより、上記シェルの上記コアに対する接着特性が適切になり、かくして、如何なる免疫反応も防止することが保証される。
【0037】
本発明の他の好ましい実施例によれば、少なくとも1つの更なるシェルが存在し、少なくとも1つの抗体を含む。ナノ寸法粒子の表面上に抗体を固定化することにより、固有の抗体/抗原反応を確立することができる。これは、冒された組織(例えば、癌細胞、コロナル・プラック(coronar plaques))内への造影剤の固有の吸着/濃縮につながる。結果として、造影剤及び画像化過程が対応する場合に高度に固有のものとなる。更に、医療画像化が細胞レベルで、又は分子レベルでさえ可能となる。所望の目的に依存して、1以上の抗体を使用することができる。以下においては、抗体の幾つかのサンプルが与えられ、これらを所望の用途に使用することができる。しかしながら、このリストは全てを網羅することを意図するものではない。何故なら、他の抗体、特には、いつか未来の時にのみ利用可能となるような抗体も適用可能であるからである。
Trastuzumab (乳癌の検出)
Rituximab (Non-Hodgkin lymphomeの検出)
Alemtuzumab (chronical-lymphocytic leukemiaの検出)
Gemtuzumab (acute myelogene leukemiaの検出)
Edrecolomab (腸の癌の検出)
Ibritumomab (Non-Hodgkin-lymphomeの検出)
Cetuximab (腸の癌の検出)
Tositumomab (Non-Hodgkin-lymphomeの検出)
Epratuzumab (Non-Hodgkin-lymphomeの検出)
Bevacizumab (肺及び腸の癌の検出)
anti-CD33 (急性myelogene leukemiaの検出)
Pemtumomab (卵巣及び胃の癌の検出)
Mittumomab (肺及び皮膚の癌の検出)
anti-MUC 1 (Adenocarcinomaの検出)
anti-CEA (Adenocarcinomaの検出)
anti-CD 61 (コロナル(coronar)被着/プラークの検出)
【0038】
好ましくは、上記少なくとも1つの抗体は腫瘍固有の抗体とする。これは、固有の腫瘍の識別及び位置特定を含む、腫瘍の防止及び処置に対する造影剤の使用を可能にする。
【0039】
上記少なくとも1つの抗体を含むシェルは、更に、1以上のタンパク質、好ましくはHIV-tatタンパク質を含むことができる。これは、これら薬剤の例えば細胞膜の通過を容易にする。これは、有利にも、細胞内処理手順及び物質交代を含む検査を可能にする。
【0040】
本発明の好ましい実施例によれば、当該造影剤のコアは球、卵又はレンズの形状を有する。これによれば、最適な体積対表面面積比が得られる。更に、被験組織又は人体内での上記粒子の分配が容易化される。好ましくは、当該コアは1〜500nm、好ましくは5〜50nmの直径を有するものとする。これは、人及び動物の生体に存在する数個のタンパク質及び生物有機化合物の寸法となる。これにより、これら粒子は、例えば細胞間交換反応のような物質交代過程に容易に含まれるようになり、これにより当該造影剤の関心領域における移送及び吸着を容易化する。
【0041】
更に、本発明は、本発明による上記造影剤と薬学的に許容可能な付形剤(excipient)とを有する薬学的製薬物(pharmaceutical formulations)であって、上記造影剤が前述した実施例の何れかにより形成され、当該製薬物が画像化向上剤として投与するのに適しており、上記造影剤が磁気共鳴トモグラフィ(MRI)画像、磁性粒子画像化法画像、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)画像、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)画像、コンピュータ・トモグラフィ画(CT)像又は超音波(US)画像を向上させるのに充分な量で存在するような製薬物も提供する。
【0042】
本発明の当該製薬物は、例えば当該組成物を安定化させる、又は当該薬剤及び/又は薬学的組成物の吸収を増加若しくは減少させるように作用する生理学的に許容可能な化合物を含み得るような薬学的に許容可能な担体を含むことができる。生理学的に許容可能な化合物は、例えば、グルコース、スクロース若しくはデキストラン等の炭水化物、アスコルビン酸若しくはグルタチオン等の酸化防止剤、キレート化剤、低分子重量タンパク質、如何なる同時投与薬剤のクリアランス若しくは加水分解も低減する組成物、又は付形剤若しくは他の安定剤及び/又は緩衝剤を含むことができる。当該組成物を安定化させ、又は当該薬学的組成物の吸収を増加若しくは減少させるために、界面活性剤を使用することもできる。他の生理学的に許容可能な化合物は、湿潤剤、乳化剤、分散剤、又は微生物の成長若しくは活動を防止するのに特に有効な防腐剤を含む。例えばアスコルビン酸等の、種々の防腐剤が良く知られている。当業者であれば、生理学的に許容可能な化合物を含む薬学的に許容可能な担体の選択は、例えば投与の経路に、及び如何なる同時投与薬剤の特定の物理化学(physio-chemical)特性にも依存することを理解するであろう。
【0043】
一態様によれば、投与のための当該組成物は、例えば水性担体等の薬学的に許容可能な担体内に本発明の造影剤を有する。例えば緩衝化塩類溶液(buffered saline)等の種々の担体を使用することができる。これらの溶液は無菌で、一般的に望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の、pH調整及び緩衝剤及び毒性調整剤のような生理学的条件を近似するために要する薬学的に許容可能な補助物質を含むことができる。これらの製薬物内の活性薬剤の濃度は、広範囲に変化し、選択される投与モード及び画像化様式に従って、主に流体体積、粘度、体重等に基づいて選択されるであろう。
【0044】
本発明は、細胞、組織、器官又は全身を生体内又は生体外で画像化する方法であって、a)本発明の造影剤と薬学的に許容可能な付形剤とを有する薬学的製薬物であって、上記造影剤が前記磁性粒子の何れかにより形成され、上記製薬物が画像化向上剤として投与するのに適しており、上記造影剤が磁気共鳴トモグラフィ(MRI)画像、磁性粒子画像化法画像、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)画像、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)画像、コンピュータ・トモグラフィ(CT)画像又は超音波(US)画像を向上させるのに充分な量で存在するような薬学的製薬物を準備するステップと、b)磁気共鳴トモグラフィ(MRI)装置、磁性粒子画像化装置、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)装置、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)装置、コンピュータ・トモグラフィ(CT)装置、超音波(US)装置又は同等の装置であるような画像化装置を準備するステップと、c)前記薬学的製薬物を前記細胞、組織又は人体の画像を発生させるのに充分な量で投与するステップと、d)前記ステップa)の薬学的製薬物の分布を前記画像化装置により画像化し、これにより前記細胞、組織又は人体を画像するステップとを有するような方法により適用することができる。
【0045】
本発明の薬学的製薬物は、画像化されるべき特定の細胞若しくは組織又は癌、各患者の一般的な医療的条件及び投与方法等に依存して、種々の単位用量の形態で投与することができる。用量に対する詳細は、科学及び特許文献によく記載されている。本発明の造影剤又は薬剤の正確な量及び濃度及び所与の用量における製薬物の量、即ち“有効用量”は、例えば医師により定型手順的に決定することができる。“用量規則(dosing regimen)”は、例えば画像化されるべき細胞若しくは組織又は腫瘍が拡散されているか又は局部的か、当該患者の全般的健康状態及び年齢等の、種々の要因に依存するであろう。代わりの用量規則を記載した指針を利用して、例えば他の画像化造影剤の使用から、当業者であれば、定例的な試行により、本発明の薬学的組成物の最適な有効な濃度を決定することができる。
【0046】
本発明の薬学的組成物は、如何なる従来既知の手段によっても、例えば動脈内(intra-arterial)、腫瘍内(intra-turmoral)、静脈内(iv)、腸外(parenteral)、神経空洞内(intra-pneural cavity)、局所的(topical)、皮下ザチェラル内(sub-cutaneous intra-zacheral)(例えばエアロゾルによる)若しくは経粘膜(例えば、ヴォカル(voccal)、膀胱、膣、子宮、直腸、鼻、粘膜)等の 経口若しくは局部投与、腫瘍内(例えば、経皮供給又は局部注射)により、全身的に(例えば、静脈的に)、区域的に又は局部的に(例えば膀胱癌を画像化するための、例えば腫瘍内若しくは周腫瘍的又は嚢胞内注入)供給することができる。例えば、動脈内注入は、“区域的効果”を有するために(例えば、特定の器官(例えば、脳、肝臓、脾臓、肺)に集中させるために)使用することができる。例えば、肝動脈内注入又は頸動脈内注入である。当該調合剤を脳に供給することにした場合、該調合剤は頸動脈又は頸動脈系の動脈(例えば、オシピタル(ocipital)動脈、耳動脈、側頭動脈、脳動脈、顎動脈等)に注入することができる。
【0047】
本発明の、これら及び他の態様は、以下に説明する実施例から明らかとなり、斯かる実施例を参照して解説されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1は、本発明による粒子の断面図である。該粒子1はコア2を有し、オプションとしてシェル3ないし5により被覆される。
【0049】
以下に、本発明を達成することが可能な幾つかの実施例を示す。
【実施例1】
【0050】
0.92gのGd(CH3COO)3 x H2Oが、50 mlのジエチレングリコール(Diethylenglycole)中に懸濁された。該懸濁液は一様に攪拌されて、140℃まで加熱され、0.2 mlの1モル苛性ソーダが添加される。続いて、4時間にわたり蒸留条件下で180℃まで加熱される。冷却の後、約20nmの粒径を持つナノ分法Gd2O3を含む懸濁液が得られる。適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により、上記ナノ寸法粒子は一次懸濁液から分離され、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転される。これは、既に、MRI及び/又はCT用の造影剤として使用することができる。
【0051】
ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、当該ナノ寸法Gd粒子は更に改変することができる。50mgのアスパラギン酸及び100mgのテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate)を含む10mlの水溶液を添加することができる。これにより、アスパラギン酸を含むSiOの第1シェルを、当該ナノ粒子上に形成することができる。これによる第1シェルの厚さは、約15nmとなる。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスシジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスシジン改変抗CEA)の2mlの10−4モル水溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記アスパラギン酸/SiO層に第2シェルとして付加することができる。この中間体は、MRI及び/又はCT用の固有の造影剤として使用することができる。
【0052】
この懸濁液に、2.5mlの0.1モルNa19F溶液が10分にわたり添加される。更に10分後に、固体が遠心分離され、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)に再び懸濁される。約20モル%の酸化物イオンの、当該ナノ粒子の表面におけるフッ化物イオンとの交換が達成される。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はPET用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例2】
【0053】
1.85gのGd(CHCOO)xHO及び1.95gのLu(CHCOO)xHOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱され、0.5mlの1モル苛性ソーダが添加される。次いで、該懸濁液は4時間の間、蒸留条件下で190℃まで加熱される。冷却の後、約45nmの粒径を持つナノ寸法GdLuOを含む懸濁液が得られる。適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により、一次懸濁液内の当該ナノ寸法粒子を、分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、既に、MRI及び/又はCT用の造影剤として使用することができる。
【0054】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、当該ナノ寸法GdLuO粒子は更に改変することができる。アスパラギン酸改変デキストラン(dextrane)を含む20mlの水性10−3モル溶液を添加することができる。これにより、デキストランを含む第1シェルを、当該ナノ粒子上に形成することができる。これによる第1シェルの厚さは、約20nmとなる。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の3mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記アスパラギン酸/デキストラン層に第2シェルとして付加することができる。この中間体は、MRI及び/又はCT用の固有の造影剤として使用することができる。
【0055】
この懸濁液に、4mlの0.1モルH19F溶液が10分にわたり添加される。更に10分後に、固体が遠心分離され、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)に再懸濁される。約20モル%の酸化物イオンの、当該ナノ粒子の表面におけるフッ化物イオンとの交換が達成される。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はPET用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例3】
【0056】
1.48gのGd(CHCOO)xHO及び0.35gのBiClが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱され、0.2mlの1モル苛性ソーダが添加される。続いて、該懸濁液は4時間の間、蒸留条件下で180℃まで加熱される。冷却の後、約30nmの粒径を持つナノ寸法Gd1.6Bi0.4を含む懸濁液が得られる。ナノ寸法粒子は、上記一次懸濁液から適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。2.5mlの0.1モルH19F溶液が10分にわたり添加される。更に10分後に、固体が再び遠心分離され、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)に再懸濁される。約20モル%の酸化物イオンの、当該ナノ粒子の表面におけるフッ化物イオンとの交換が達成される。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はPET用の造影剤として使用することができる。
【実施例4】
【0057】
1.48gのGd(CHCOO)xHO及び12mgのMoClが、15mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱される。5mlの、水での0.6gの(NH)HPOの溶液が添加される。続いて、該懸濁液は4時間の間、蒸留条件下で180℃まで加熱される。冷却の後、約20nmの粒径を持つナノ寸法のGdPO:Mo(1モル%)を含む懸濁液が得られる。該ナノ寸法粒子は、上記一次懸濁液から適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。適切な反応炉内で照射することにより、所望量の98Moを99Tcに変換することができる。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はSPECT用の造影剤として使用することができる。
【実施例5】
【0058】
0.92gのGd(CHCOO)xHO、0.87gのBiCl及び38mgのMoClが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱される。0.63gのテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate)が添加される。続いて、該懸濁液は8時間の間、蒸留条件下で190℃まで加熱される。冷却の後、約35nmの粒径を持つナノ寸法の(Gd,Bi)SiO:Mo(5モル%)を含む懸濁液が得られる。該ナノ寸法粒子は、上記一次懸濁液から適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。適切な反応炉内で照射することにより、所望量の98Moを99Tcに変換することができる。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はSPECT用の造影剤として使用することができる。
【0059】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記ナノ寸法の(Gd,Bi)SiO:Mo(99Tc)粒子を更に規定することができる。当該懸濁液には、50mgのアスパラギン酸及び100mgのテトラエチルオルトケイ酸塩を含む、10mlの水溶液を各々1時間にわたり添加することができる。これにより、アスパラギン酸を含むSiOの第1シェルを、当該ナノ粒子上に形成することができる。これによる第1シェルの厚さは、約15nmとなる。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の2mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記アスパラギン酸/SiO層に結合することができる。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はSPECT用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例6】
【0060】
1.85gのGd(CHCOO)xHO、2.56gの WOCl及び0.21gのMoOClが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、4時間にわたり蒸留条件下で190℃まで加熱される。冷却の後、約30nmの粒径を持つナノ寸法のGd(WO:Mo(10モル%)を含む懸濁液が得られる。該ナノ寸法粒子は、上記一次懸濁液から適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。
【0061】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記ナノ寸法のGd(WO:Mo粒子を更に改変することができる。20mlの、アスパラギン酸改変デキストランの水性10−3モル溶液を添加することができる。これにより、デキストランの第1シェルを、当該ナノ粒子上に約20nmの厚さで形成することができる。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の3mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記アスパラギン酸/デキストラン層に結合することができる。
【0062】
適切な反応炉内で照射することにより、所望量の98Moを99Tcに変換することができる。結果としての懸濁液は、MRI及び/又はCT及び/又はSPECT用の造影剤として使用することができる。
【実施例7】
【0063】
5gのFe(CHCOO)及び125mgのFe(C)x2HOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は還元雰囲気(N:H=95:5)中で一様に攪拌され、140℃まで加熱される。0.5mlの1モル苛性ソーダ溶液が添加される。続いて、該懸濁液は2時間の間、還元気体中で180℃まで加熱される。冷却の後、約15nmの粒径を持つナノ寸法Feを含む懸濁液が得られる。冷却後、適切な洗浄工程が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により、鉄酸化物粒子を斯かる粒子の一次懸濁液から分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、既に、MRI及び/又は磁性粒子画像化法用の造影剤として使用することができる。
【0064】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記ナノ寸法のFe粒子を更に改変することができる。100mgのアスパラギン酸及び500mgのテトラエチルオルトケイ酸塩を含む10mlの水溶液を、1時間にわたり当該懸濁液に各々添加することができる。これにより、アスパラギン酸を含むSiOのシェルを、当該ナノ粒子上に形成することができる。これによる該シェルの厚さは、約15nmである。最後に、抗体(例えばベバシズバム(bevacizumab))又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変ベバシズバム)の2mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記アスパラギン酸/SiO層に結合することができる。この生成物は、MRI及び/又は磁性粒子画像化法用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例8】
【0065】
10gのFe(CHCOO)及び250mgのFe(C)x2HOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱される。1.0mlの1モル苛性ソーダ溶液が添加される。続いて、該懸濁液は2時間の間、180℃まで加熱される。約35nmの粒径を持つナノ寸法のγ-Feを含む懸濁液が得られる。この懸濁液に、水による420mgのNaAuClx2HOの溶液が1時間にわたり180℃で添加される。これにより、鉄酸化物表面の約5nmの厚さの元素金による一様な被覆を達成することができる。冷却の後、適切な洗浄処理が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により、金で被覆された鉄酸化物粒子を上記一次懸濁液から分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、既に、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の造影剤として使用することができる。
【0066】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記金被覆ナノ寸法鉄酸化物粒子を更に改変することができる。当該懸濁液に、50mgのシステイン(cysteine)及び100mgのテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate)による10mlの水溶液を各々添加することができる。これにより、システインを含むSiOのシェルを、上記金層上に形成することができる。該第2層の厚さは、約10nmである。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の2mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記システイン/SiO層に結合することができる。この生成物は、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例9】
【0067】
20gのFe(CHCOO)及び450mgのFe(C)x2HOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱される。2mlの1モル苛性ソーダ溶液が添加される。続いて、該懸濁液は3時間の間、180℃まで加熱される。約50nmの粒径を持つナノ寸法のγ-Feを含む懸濁液が得られる。冷却の後、適切な洗浄処理が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により、鉄酸化物粒子を上記一次懸濁液から分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、既に、MRI及び/又は磁性粒子画像化法用の造影剤として使用することができる。
【0068】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記ナノ寸法γ-Fe粒子を更に改変することができる。当該懸濁液に、20mlのデキストラン(dextrane)の水性10−3モル溶液を添加することができる。これにより、デキストランのシェルを、当該ナノ粒子上に約20nmの厚さで形成することができる。この生成物は、MRI及び/又は磁性粒子画像化法用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例10】
【0069】
5gのFe(CHCOO)及び25mgのFe(C)x2HOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は還元ガス雰囲気(N:H=95:5)中で一様に攪拌され、140℃まで加熱される。0.2mlの1モル苛性ソーダ溶液が添加される。続いて、該懸濁液は2時間の間、還元ガスの下で180℃まで加熱される。冷却の後、約20nmの粒径を持つナノ寸法Feを含む懸濁液が得られる。この懸濁液に、水による680mgのNaAuClx2HOの溶液が1時間にわたり室温で添加される。これにより、鉄酸化物表面の約8nmなる層厚の元素金による一様な被覆を達成することができる。該金で被覆された鉄酸化物粒子は、適切な洗浄処理が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により上記一次懸濁液から分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、既に、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の造影剤として使用することができる。
【0070】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記金被覆ナノ寸法鉄酸化物粒子を更に改変することができる。当該懸濁液に、システイン(cysteine)改変デキストラン(dextrane)による10mlの水性10−3モル溶液を添加することができる。これにより、デキストランの第2シェルを、AuS架橋を達成することにより上記金層上に形成することができ、該第2シェルは約15nmの厚さを有する。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の10mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記システイン/デキストラン層に結合することができる。この生成物は、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の固有の造影剤として使用することができる。
【実施例11】
【0071】
10gのFe(CHCOO)及び150mgのFe(C)x2HOが、50mlのジエチレングリコールに懸濁される。該懸濁液は一様に攪拌され、140℃まで加熱される。0.2mlの1モル苛性ソーダ溶液が添加される。続いて、該懸濁液は2時間の間、180℃まで加熱される。約35nmの粒径を持つナノ寸法γ-Feを含む懸濁液が得られる。この懸濁液に、水による420mgのNaAuClx2HOの溶液が1時間にわたり180℃で添加される。これにより、鉄酸化物表面の約5nmなる層厚での元素金による一様な被覆が達成される。冷却の後、該金で被覆された鉄酸化物粒子は、適切な洗浄処理が続く遠心分離(例えば、固体のエタノール及び/又はアセトン内での繰り返しの再懸濁、繰り返しの遠心分離)により上記一次懸濁液から分離し、水性懸濁液(例えば、等張液又はリン酸緩衝液)へ移転することができる。これは、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の造影剤として使用することができる。
【0072】
上記ジエチレングリコールを基材とする一次懸濁液及び二次の水性懸濁液から開始して、上記金被覆ナノ寸法鉄酸化物粒子を更に改変することができる。当該懸濁液に、50mgのシステイン(cysteine)及び100mgのテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate)による10mlの水溶液を各々添加することができる。これにより、第2のシステインを含むSiOのシェルを、上記金層上に形成することができる。該第2シェルの厚さは約10nmである。最後に、抗体(例えば抗CEA)又はヒスチジン(histidine)改変抗体(例えば、ヒスチジン改変抗CEA)の2mlの水性10−4モル溶液を添加することができ、該抗体をアミド架橋により上記システイン/SiO層に結合することができる。この生成物は、MRI及び/又は磁性粒子画像化法及び/又はUS用の固有の造影剤として使用することができる。
【0073】
以上、本発明を特定の好ましい実施例を参照して説明した。しかしながら、当業者にとっては、本発明に対する自明の変形例が明らかとなるであろうから、本発明は、これら実施例に限定されるものと見なしてはならない。特に、上記実施例の1つに記載されたもの以外の金属酸化物の組み合わせ及び調製も、本発明による造影剤として作用し得る。更に、本発明により使用することができる抗体の所与の例は、全てを網羅することを意図するものではない。何故なら、他の抗体、特に何時か将来にのみ利用可能となるような抗体も、適用可能であるからである。また、請求項における如何なる符号も本発明の範囲を限定するものではない。また、“有する”なる用語は他の構成要素又はステップを排除するものではないと理解されるべきであり、単数形は複数形を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明による粒子の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療画像化技術用の造影剤であって、少なくともコアからなる粒子を有し、該コアがMg, Ca, Sr, Ba, Y, Lu, Ti, Zr, Hf, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Mo, W, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Si及びBiからなる群から選択された少なくとも1つの元素の少なくとも酸化物、混合酸化物又は水酸化物を有することを特徴とする造影剤。
【請求項2】
請求項1に記載の造影剤において、前記コアがMO, M(OH)2, M2O3若しくはM(OH)3又はこれらの混合物を有し、M = Ca, Sr, Ba, Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu又はBiであることを特徴とする造影剤。
【請求項3】
請求項1に記載の造影剤において、前記コアがGd2O3, Gd(OH)3, (Gd,M)2O3若しくは(Gd,M)(OH)3又はこれらの混合物を有し、M = Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu又はBiであることを特徴とする造影剤。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の造影剤において、前記コアがGd2O3, Gd(OH)3, (Gd,Bi)2O3若しくは(Gd,Bi)(OH)3又はこれらの混合物を有することを特徴とする造影剤。
【請求項5】
請求項1に記載の造影剤において、前記コアがM'M''O4 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = P, Nb, Ta)若しくはM'2M''2O7 (M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'2M''O5
(M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'4(M''O4)3
(M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Si, Ti, Zr, Hf)若しくはM'2(M''O4)3
(M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Mo, W)若しくはM'2M''O6
(M' = Gd, Bi, Fe; M'' = Mo, W)又はこれらの混合物を有することを特徴とする造影剤。
【請求項6】
請求項5に記載の造影剤において、前記コアが格子材料として98Moを含み、及び/又は前記格子が98Moによりドーピングされることを特徴とする造影剤。
【請求項7】
請求項6に記載の造影剤において、前記ドーピングの量が0.01モル%と50モル%との間の範囲であることを特徴とする造影剤。
【請求項8】
請求項5ないし7の何れか一項に記載の造影剤において、前記コアがGdPO4:Mo (1.0モル%), Gd2Si2O7:Mo (5.0モル%)又はGd2(WO4)3:Mo (10モル%)からなる群から選択された製薬物の1つを有していることを特徴とする造影剤。
【請求項9】
請求項1に記載の造影剤において、前記コアが、元素Fe, g-Fe2O3, Fe3O4及びスピネル、ガーネット若しくは磁気プランバイト構造又は何らかの他の六角フェライト構造を持つフェライト材料からなる群のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする造影剤。
【請求項10】
請求項9に記載の造影剤において、前記スピネル構造がMFe2O4から形成され、M = Mn, Co, Ni, Cu, Zn又はCdであることを特徴とする造影剤。
【請求項11】
請求項9に記載の造影剤において、前記ガーネット構造がM3Fe5O12から形成され、M = Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb又はLuであることを特徴とする造影剤。
【請求項12】
請求項9に記載の造影剤において、前記磁気プランバイト構造がMFe12O19から形成され、M = Ca, Sr, Ba又はZnであることを特徴とする造影剤。
【請求項13】
請求項9に記載の造影剤において、前記六角フェライト構造がBa2M2Fe12O22から形成され、M = Mn, Fe, Co, Ni, Zn又はMgであることを特徴とする造影剤。
【請求項14】
請求項9ないし13の何れか一項に記載の造影剤において、前記コアがMn, Co, Ni, Cu, Zn又はFにより付加的にドーピングされることを特徴とする造影剤。
【請求項15】
請求項14に記載の造影剤において、前記ドーピングの量が0.01モル%と5.00モル%との間の範囲であることを特徴とする造影剤。
【請求項16】
請求項1ないし15の何れか一項に記載の造影剤において、前記粒子が前記コア上に少なくとも1つの任意選択的なシェルを更に有することを特徴とする造影剤。
【請求項17】
請求項16に記載の造影剤において、前記任意選択的なシェルのうちの少なくとも1つが放射性アイソトープを含むことを特徴とする造影剤。
【請求項18】
請求項17に記載の造影剤において、前記放射性アイソトープが19Fであることを特徴とする造影剤。
【請求項19】
請求項17ないし18の何れか一項に記載の造影剤において、前記放射性アイソトープが0.001モル%ないし50モル%の量で存在することを特徴とする造影剤。
【請求項20】
請求項17ないし19の何れか一項に記載の造影剤において、前記放射性アイソトープを含む前記少なくとも1つの任意選択的なシェルが1nmないし50nm、好ましくは1nmないし10nmの厚さを有することを特徴とする造影剤。
【請求項21】
請求項16に記載の造影剤において、前記少なくとも1つの任意選択的なシェルが貴金属、好ましくはAu, Pt, Ir, Os, Ag, Pd, Rh又はRu、より好ましくはAuからなることを特徴とする造影剤。
【請求項22】
請求項21に記載の造影剤において、貴金属からなる前記少なくとも1つの任意選択的なシェルが前記コアを完全に覆うことを特徴とする造影剤。
【請求項23】
請求項21又は22の何れかに記載の造影剤において、貴金属からなる前記少なくとも1つの任意選択的なシェルが1nmないし50nm、好ましくは1nmないし10nmの厚さを有することを特徴とする造影剤。
【請求項24】
請求項16に記載の造影剤において、生体適合性を提供する少なくとも1つの更なるシェルが存在することを特徴とする造影剤。
【請求項25】
請求項24に記載の造影剤において、前記少なくとも1つの生体適合性シェルが1nmないし50nm、好ましくは10nmないし50nmの厚さを有することを特徴とする造影剤。
【請求項26】
請求項16に記載の造影剤において、少なくとも1つの抗体を含む少なくとも1つの更なるシェルが存在することを特徴とする造影剤。
【請求項27】
請求項26に記載の造影剤において、前記少なくとも1つの抗体が腫瘍固有の抗体であることを特徴とする造影剤。
【請求項28】
請求項26に記載の造影剤において、前記少なくとも1つの抗体を含むシェルが、1以上のタンパク質、好ましくはHIV-tatタンパク質を更に含むことを特徴とする造影剤。
【請求項29】
請求項1ないし28の何れか一項に記載の造影剤において、前記コアが球、卵又はレンズの形状を有していることを特徴とする造影剤。
【請求項30】
請求項1ないし29の何れか一項に記載の造影剤において、前記コアが1nmないし500nm、好ましくは5nmないし50nmの直径を有することを特徴とする造影剤。
【請求項31】
造影剤と、薬学的に許容可能な付形剤とを有する製薬物であって、前記造影剤は請求項1ないし30の何れか一項に記載のものであり、当該製薬物は画像化向上剤として投与するのに適しており、前記造影剤が磁気共鳴トモグラフィ(MRI)画像、磁性粒子画像化画像、ポジトロン放射トモグラフィ(PET)画像、単光子放射コンピュータ・トモグラフィ(SPECT)画像、コンピュータ・トモグラフィ(CT)画像又は超音波(US)画像を向上させるのに充分な量で存在することを特徴とする製薬物。
【請求項32】
請求項31に記載の製薬物において、前記薬学的に許容可能な付形剤が緩衝化塩類溶液であることを特徴とする製薬物。

【図1】
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【公表番号】特表2007−511503(P2007−511503A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539048(P2006−539048)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052348
【国際公開番号】WO2005/046733
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】