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医薬的に活性なリン酸結合剤、その製造、それを含む組成物およびその使用
説明

医薬的に活性なリン酸結合剤、その製造、それを含む組成物およびその使用

医薬としての使用のための物質は、式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む。
物質は、200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより製造することができ、式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;x = Σyn、0<x≦0.5、0<y≦1および0<m≦10である]
で示される化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特にリン酸結合剤としての薬剤活性を有する混合金属化合物に関する。そのような化合物を製造する方法ならびに該化合物を含む医薬組成物にも拡張される。さらにそれらの医薬的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
血液透析における腎不全の患者において、血漿中のリン酸濃度は劇的に上昇しうり、高リン血症として知られているこの病態は軟組織中にリン酸カルシウム沈着をもたらしうる。血漿リン酸レベルは、無機および有機リン酸結合剤の経口摂取により軽減することがある。最も一般的な治療の一つは、不溶性リン酸アルミニウムを形成する水酸化アルミニウムゲルを投与することを含む。しかし、これは、アルミニウム蓄積によりさらに毒性の合併症、例えばヘモグロビン産生の軽減、自然治癒障害および骨産生障害、および神経/認知機能の障害の可能性を引き起こしうる。微結晶性水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト)およびいくつかのハイドロタルサイトなどの他のアルミニウム化合物が、この使用のために提案されており、例えば文献(Ookubo et al, Journal Pharmaceutical Sciences (November 1992), 81(11), 1139-1140)に開示されている。しかし、これらは同じ欠点を有する。
【0003】
高リン血症の治療のための多くの知られている無機製剤は、制限されたpH範囲、特に約3-5の酸性pH範囲にわたってのみ有効なリン酸結合剤である。pH3において有効なそのようなリン酸結合剤は、より高いpH、例えば≧7においては、有効なものとして必ずしも結合せず、このようなpHは、例えば十二指腸およびそれより下の下方にある消化管にて見られ、少なくともいくつかのリン酸結合が起こりうる。さらに、特にアルカリ性結合剤は、リン酸結合能力を有さない高レベルにまで胃pHを緩衝することができる。
【0004】
アルミニウムが関与する欠点および制限されたpH範囲にわたる有効性の課題を克服するために、WO-A-99/15189は、アルミニウムを含まず、2-8のpH範囲にわたって、存在するリン酸塩の総重量の少なくとも30重量%のリン酸結合能力を有する、混合金属化合物の使用を開示する。
【0005】
典型的に、そのような混合金属化合物は、鉄(III)と少なくとも一つのマグネシウム、カルシウム、ランタンおよびセリウムとを含むことができる。好ましくは該化合物はまた、少なくとも一つのヒドロキシルおよび炭酸アニオンも含み、さらに適宜少なくとも一つの硫酸塩、硝酸塩、塩化物および酸化物も含んでもよい。しかし我々は、WO-A-99/15189の混合金属化合物が使用中にその二価金属含有物の一部を可溶性形態にて放出することを見出した。
【0006】
JP-A-2004-89760は、一般式:
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-はn価アニオンであり;
x、yおよびmは0<x≦0.67、0<y≦1、0≦m≦2を満たす]
を有するとして定義されている化合物の結晶の熱処理による、家庭用または産業用廃水からのリンの除去のためのいくつかの混合金属化合物の脱リン活性の増強を開示する。
そのような化合物は、水に溶解した「リンの硫酸イオン」について少なくとも5の選択係数を有すると言われている。
【0007】
そのような熱処理された化合物を製造する好ましい方法は、無機または有機酸の水溶性塩と水酸化アルカリとの混合水溶液を用い、これを二価金属の水溶性化合物および三価金属または二価マンガンの水溶性化合物を含む水溶液に滴加し、0〜90℃に維持された温度にて反応させ、沈殿により上記一般式で示される金属水酸化物化合物の結晶を得ることを伴う。この沈殿を分離し、200〜500℃にて熱処理する。
リン酸脱離中のMgAl LDHからの(三価)アルミニウムの喪失ならびにMgMn LDH化合物の熱処理は、Tezuka, S., Bull. Chem. Soc. Jpn., 77 (2004). 2101-7に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
我々は、適切な混合金属化合物、例えば層状複水酸化物またはハイドロタルサイト構造を有する化合物の熱処理により、WO-A-99/15189の化合物の医薬的使用と関連する二価金属、例えばマグネシウムの放出を有意に軽減することができることを発見した。MIIがマグネシウム以外のときには、他の二価金属の放出を同様に軽減することができる。
【0009】
用語「混合金属化合物」は、2以上の異なる金属タイプを含む単一物質を意味する。単一物質は一般に、物理的分離法によってその組成成分に分離することができず、化学反応を必要とする。
【0010】
本明細書において、用語「層状複水酸化物」(LDH)は、主層およびアニオン種を含む中間層ドメインに二種の金属カチオンを有する合成または天然層状水酸化物を指定するために用いる。化合物のこの広いファミリーはまたときどき、層間ドメインがカチオン種を含むより通常のカチオン性クレイと比較して、アニオン性クレイをも意味する。LDHはまた、対応する[Mg-Al]ベース無機物の多形の一つを参照することによりハイドロタルサイト様化合物としても報告されている(文献「Layered Double Hydroxides: Present and Future」, ed, V Rives, 2001 pub. Nova Scienceを参照のこと)。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の定義
本発明の第一態様は、式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属(すなわち二つの正電荷を有する)であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属(すなわち三つの正電荷を有する)であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
2+a = 2b+Σcnであり;
a = M'''のモル数/(M''のモル数+M'''のモル数)であり;
Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む、医薬としての使用のための物質を提供する。
【0012】
上記式(I)において、Aが2以上のアニオンを示すとき、それぞれの価数(すなわちアニオンの電荷)(n)は変化することができる。
上記式(I)において、「Σcn」は、それぞれの価数と乗じた式(I)の化合物のモルあたりの各アニオンのモル数の合計を意味する。
【0013】
zの値は、適切には2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である。zの値は1未満であることができる。
aの値は、適切には0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4である。
【0014】
bの値は、適切には1.5未満、好ましくは1.2未満である。bの値は好ましくは0.2より大きく、より好ましくは0.4より大きく、さらにより好ましくは0.6より大きく、最も好ましくは0,9より大きい。
【0015】
aが≧0.3であるとき、Σcn<0.5aであるのが好ましい。aが≦0.3であるとき、Σcn<0.7aであるのが好ましい。
【0016】
各アニオンについてcの値は、式:2+a = 2b+Σcnで示される電荷の中立性の必要性により決定される。
【0017】
本発明の第一態様による物質は好ましくは、該物質の30重量%より多くの、より好ましくは50重量%より多くの、例えば95重量%または90重量%までの式(I)の化合物を含む。
【0018】
式(I)の化合物を製造する方法は、出発物質である化合物の構造細部における変化をもたらす。それゆえ記載された式(I)はその基本的な構成のみを記載するものであり、構造の定義としてみなすべきではない。
【0019】
式(I)の化合物がMIIとしてマグネシウムを、MIIIカチオンとして鉄を、アニオンとして炭酸塩を含むとき、好ましくは34°2θにおいてx線回折ピークを示す。温度が上昇する(≧400℃)一方で層状複水酸化物からの相反するピークが低温(≦250℃)にて存在し、酸化物MIIOによる相反するピークが現れるが、これらのピークは解析法を用いて分離することができる。
【0020】
本発明の第一態様の物質および化合物についてのこれらの好ましい値は、本明細書に記載の本発明の他の態様に適用される。
本発明の第二態様は、式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属(すなわち2価の正電荷を有する)であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属(すなわち3価の正電荷を有する)であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
x=Σnyであり;
xおよびmは0<x≦0.5、0≦m≦10を満たす]
で示される化合物を200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られるか、または得られうる固体混合金属化合物を含む、医薬としての使用のための物質を提供する。
式(II)は、総電荷の中性を維持するように解釈されるものであることに留意すべきである。式(I)および/または式(II)において、いずれかの式の化合物のサブクラスは、それぞれaまたはxが次のいずれかの値よりも小さい化合物、およびaまたはxがそのいずれかの値以上の化合物を含むことができ、これらの値は0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45である。そのような一つの例は、aがそれぞれ0.3以上および0.3未満である、サブクラスを含む。xの値は適切に0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4である。
式(II)において、Σnyはそのそれぞれの価数を乗じた各アニオンの数の合計である。
【0021】
式(II)の化合物の本明細書に詳細に記載されている条件下200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度における加熱は好ましくは、未加熱の式(II)の化合物からの損失と比較して、少なくとも50重量%の金属MIIの溶液への損失量の軽減をもたらす。この優先傾向は、式(II)を含む本発明のいずれかの態様に適用する。
【0022】
加熱は、200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度における加熱環境にて、1分間以上、より好ましくは5分間以上、より好ましくは1時間以上適切に行う。化合物は好ましくは、10時間以下、より好ましくは5時間以下、さらにより好ましくは3時間以下の加熱環境にある。
【0023】
上記の加熱は、式(II)の化合物の焼成をもたらす。焼成は本発明の第一態様による物質の形成をもたらすと考えられる。これは、式(I)の化合物に対応する未処理の化合物についてのxの値以下である、式(I)の化合物についてのaの値をもたらす。
【0024】
焼成は好ましくは、温度および/または焼成時間に関して過度でなく、これにより焼成温度が3時間以上600℃を超えるべきではないことを意味し、そうでなければ、最適よりも低いリン酸結合能力が見られうる。
【0025】
過度の焼成は、式(I)からのΣcn/aの値の0.03未満への軽減をもたらす。従って、Σcn/aが0.03より大きく、より好ましくは0.05より大きく、さらにより好ましくは0.09より大きく、もっとも好ましくは0.10より大きいのが好ましい。過度の焼成はまた、スピネル結晶構造の形成を引き起こすことができ、従って、本発明の物質がx線回折によりスピネル構造を示さないことが好ましい。スピネルはaが0.67の値を有するので、式(I)の化合物が0.66以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.5以下のa値を有することが好ましい。
【0026】
好ましくは、式(II)の化合物の焼成は、物質が焼成により得られるか、または得られうる式(II)の化合物と比較して、少なくとも10%高いリン酸結合能力を有する物質をもたらす。上記の好ましい値はまた、以下に記載の本発明の他の態様にも適用される。
【0027】
焼成の程度をモニターする適切な方法は、105℃における結晶表面水の損失百分率の測定による。これは、常温条件(20℃, 20% RH)にて数日間貯蔵することによりサンプルを平衡含水量に到達させ、サンプルの重量を量り、次いで105℃にて4時間加熱し、重量を再び量り、重量損失を定めることにより測定し、百分率として表す。105℃での乾燥は、表面吸着水(すなわち非化学結合水または結晶表面上の水)を除去する。
【0028】
適切に、焼成後の混合金属化合物は、2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の結晶表面吸着水を有する。
【0029】
便宜のため、本発明の第一または第二態様に従って先に定義される医薬としての使用のためのいずれの物質も、「本発明の物質」として本明細書において称される。本発明の第一または第二態様の物質および化合物についての好ましいこれらの値は、本明細書に記載されているように、本発明の他の態様に適用する。
【0030】
本発明の第三態様は、必要とする動物、好ましくはヒトにおけるリン酸結合のための、好ましくは高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における、式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり;a = M'''/(M''+M''')であり;Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む物質の使用を提供する。
【0031】
医薬は動物、好ましくはヒトに用いることができる。
本発明の第四態様は、必要とする動物、好ましくはヒトにおけるリン酸結合のための、好ましくは高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における、式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;x=Σnyであり;xおよびmは0<x≦0.5、0≦m≦10を満たす]
で示される化合物を200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られるか、または得られうる物質の使用を提供する。xの値は、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4である。
【0032】
発明の詳細な記載
活性物質の製造
本発明の物質は好ましくは、先に定義される式(II)の適切な出発物質の熱処理により製造される。固体状態合成、固体−固体反応または熱水経路もしくは低温経路を用いた単一もしくは混合金属の酸化物もしくは水酸化物の非常に激しい製粉などの他の製造方法を適宜用いて、本発明の物質を製造してもよい。
【0033】
先に定義される式(II)の適切な出発物質の熱処理により製造される本発明の物質は、金属MIIの水溶性化合物および金属MIIIの水溶性化合物の第一溶液を提供することにより製造することができ、アニオンは該第一溶液から沈殿を生じないように選択される。水溶性水酸化物(例えばNaOH)およびアニオンAn-の水溶性塩の第二溶液(カチオンは水酸化物または水酸化物からの金属とのアニオンと沈殿しないように選択される)もまた、提供される。次いで二つの溶液を混合し、混合金属化合物出発物質を共沈により形成させる。これは固体結晶物質を含み、通常、いくらか固体非晶質物質も存在する。好ましくは、少なくともこのように形成されるいくつかの物質は、層状複水酸化物および/またはハイドロタルサイト構造であり、通常、好ましくは共沈後、いくらか非晶質および/または不完全な結晶物質も含み、次いで該物質をろ過するか、または遠心分離し、洗浄し、次いで加熱により乾燥する。
【0034】
沈殿反応の副生成物である水溶性塩を除去するために物質を洗浄することが好ましい。これらの有意な量の可溶性塩を固体沈殿物と混合して放置するならば、続く物質の加熱は可溶性塩の得られた固体への結合をもたらすことができ、そのリン酸結合挙動への悪影響を有する可能性がある。物質は好ましくは、水溶性塩(1g/リットル以上の水に対して可溶性を有する)の残存レベルが以下に記載の乾燥後の固体混合金属化合物の15重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは5重量%未満であるように洗浄する。
【0035】
ろ過するか、または遠心分離し、洗浄した後、乾燥は好ましくは低温(例えば120℃まで)にて、例えばオーブン乾燥、スプレー乾燥または流動床乾燥により行う。
【0036】
適宜、乾燥物質は、熱処理の前に、製粉および/または篩いにかけ、および/または他の任意の適切な技術により大きな粒子を除去することができ、例えば熱処理すべき物質を実質的に直径100μm以下の粒子に制限することができる。好ましくは、篩いにかけることにより測定されるような直径106μmより大きい粒子が10重量%未満、より好ましくは5重量%未満である。最も好ましくは、篩いにかけることにより測定されるような直径106μmより大きい粒子がないことである。次いで得られた乾燥物質は、例えばオーブン乾燥するか、または回転焼炉もしくは流動床乾燥機にて乾燥することにより、200℃から好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度にて必要な熱処理を直接受ける。
【0037】
湿ケーキ物質は適宜、低温乾燥(例えば120℃まで)および製粉しないで200℃を超える温度を直接受けることができる。
【0038】
それゆえ本発明の第五態様は、医薬としての使用のための物質を製造する方法であって、式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;x=Σnyであり;xおよびmは0<x≦0.5、0≦m≦10を満たす]
で示される化合物を含む物質を200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することを含む方法を提供する。xの値は、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4である。
【0039】
好ましくは、加熱は、本明細書に記載の試験を用いて金属MIIの損失を測定するときに、未処理化合物からの損失と比較して、少なくとも50重量%の熱処理化合物からの金属MIIの損失量の軽減をもたらす。
【0040】
本発明の物質は少なくとも一つの式(I)の化合物を含むことができるが、出発物質を製造するための上記工程はまた、中間生成物、例えば式(II)および最終生成物、例えば共沈工程中にも形成されうる単一(混合の対語として)金属化合物にて存在すべき他の物質ももたらしうる。
【0041】
固体混合金属化合物
式(I)および式(II)において、MIIは好ましくはMg、Zn、Fe(II)、Cu(II)およびNi(II)から選択される。これらのうち、Mgが特に好ましい。MIIIは好ましくはMn(III)、Fe(III)、La(III)およびCe(III)から選択される。これらのうち、特にMIIがMgであるときには、Fe(III)が特に好ましい。MIIおよびMIIIは異なる金属であることがあるか、または同じ金属であるが異なる原子価状態であることができる。例えばMIIがFe(II)であり、MIIIがFe(III)であることができる。しかし、MIIおよびMIIIが異なる金属であることが非常に好ましい。M(III)はまた、アルミニウム蓄積および毒性合併症が問題ではない、治療用Al(III)であることもできる。
【0042】
An-は、好ましくは炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物および水酸化物から選択される少なくとも一つのアニオンを含む。これらのうち、炭酸塩が特に好ましい。
【0043】
好ましくは、本発明のいずれの物質も、実質的にまたは全体的にアルミニウムを含まない。
【0044】
リン酸結合能力の測定
リン酸結合能力を測定する具体的な方法は、本明細書により詳細に与えられる。これは実施例に実際に用いられた方法であった。しかし概して、本明細書の至る所において特に反対に明記されていなければ、リン酸結合能力の百分率へのいずれの言及も、好ましくは以下の方法により決定されるものである。本発明の物質0.4グラムを、10ml、40 mmol l-1リン酸ナトリウム緩衝液に加えて、選択pHに調節する。好ましくは、本明細書におけるリン酸結合能力の百分率のいずれの引用も、3〜7、より好ましくは2〜8の範囲にわたるpH値における測定のために維持される。サンプルを均質化し、室温(20℃)にて30分間穏やかに撹拌する。5分間3000 rpmにおける遠心分離後、上清を0.22μmミリポアフィルターによりろ過する。可溶性リン酸塩を上清中にて測定する。次いでリン酸結合剤によりリン酸結合百分率を、未処理リン酸出発溶液に対して算出する。
【0045】
製剤
本発明はまた、有効成分として少なくとも一つの本発明の物質をそのための医薬的に許容される担体とともに含む医薬組成物にも関する。
【0046】
従って、本発明の第六態様は、本発明の第一態様の物質、すなわち式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり;a = M'''のモル数/(M''のモル数+M'''のモル数)であり;Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む医薬製剤を提供する。
本発明の第七態様は、本発明の第二態様の物質、すなわち式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;x=Σnyであり;xおよびmは0<x≦0.5、0≦m≦10を満たす]
で示される化合物を200℃〜600℃、好ましくは225℃〜550℃、より好ましくは250℃〜600℃の温度にて加熱することにより得られるか、または得られうる固体混合金属化合物を含む医薬製剤を提供する。
【0047】
上記に定義される医薬組成物の製造方法はまた、本発明の少なくとも一つの物質を、医薬的に許容される担体、および適宜有効成分の製造により得られる副生成物など他の任意の成分と混合する工程を含む方法も提供する。
【0048】
医薬的に許容される担体は、本発明の物質が製剤化され、その投与が容易となるような任意の物質であることができる。担体は、通常気体であるが、圧縮されて液体を形成する物質などの固体または液体であることができ、医薬組成物の製剤化に通常用いられる任意の担体を用いることができる。好ましくは、本発明の組成物は0.5重量%〜95重量%の有効成分を含む。用語「医薬的に許容される担体」は、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを包含する。
【0049】
本発明の別の態様は、動物、特にヒトにおいて過剰のリン酸塩を結合させる方法を提供する。特に、動物、特にヒトにおいて高リン血症を予防または治療する方法を提供する。該方法は、本発明の物質を、好ましくは経口投与により投与する工程を含む。
【0050】
本発明の別の態様は、必要とする動物、好ましくはヒトにおけるリン酸結合のための医薬の製造における、好ましくは動物、好ましくはヒトにおける高リン血症の予防または治療のための本発明の物質の使用を提供する。
本発明の物質は、いずれの適切な医薬組成物形態にも製剤化することができるが、特に、例えば錠剤、カプセルなどの固形単位投与形態または液体懸濁液、特に水性懸濁液などの液体形態における経口投与に適切な形態に製剤化することができる。しかし、体外またはさらに静脈内投与に適合した剤形もまた可能である。適切な製剤は、従来の、例えばラクトース、デンプンもしくはタルカムなどの固形担体または例えば水、脂肪油もしくは流動パラフィンなどの液体担体を用いた既知の方法により産生することができる。用いうる他の担体としては、ゼラチン、デキストリンおよび大豆、小麦およびオオバコの種子タンパク質などの動物または野菜タンパク質に由来する物質;アカシア、グアー、寒天およびキサンタンなどのゴム;多糖類;アルギン酸塩;カルボキシメチルセルロース;カラギナン;デキストラン;ペクチン;ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマー;ゼラチン-アカシア複合体などのポリペプチド/タンパク質または多糖類複合体;マンニトール、デキストロース、ガラクトースおよびトレハロースなどの糖類;シクロデキストリンなどの環状糖類;リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびケイ酸アルミニウムなどの無機塩;およびグリシン、L-アラニン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、L-ヒドロキシプロリン、L-イソロイシン、L-ロイシンおよびL-フェニルアラニンなどの2〜12の炭素原子を有するアミノ酸が挙げられる。
【0051】
錠剤崩壊剤、可溶化剤、保存剤、抗酸化剤、界面活性剤、粘性増強剤、着色料、着香料、pH調節剤、甘味料または味覚マスキング剤などの補助成分もまた、組成物に組み込むことができる。適切な着色料としては、赤、黒および黄色酸化鉄およびEllis&Everardから入手可能なFD&CブルーNo. 2およびFD&CレッドNo. 40などのFD&C染料が挙げられる。適切な着香料としては、ミント、ラズベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、チェリーおよびグレープフレーバーおよびこれらの組合せが挙げられる。適切なpH調節剤としては、炭酸水素ナトリウム、クエン酸、酒石酸、塩酸およびマレイン酸が挙げられる。適切な甘味料としては、アスパルテーム、アセサルフェームKおよびタウマチンが挙げられる。適切な味覚マスキング剤としては、炭酸水素ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン含有化合物、吸着質またはマイクロカプセル化された活性物質が挙げられる。
【0052】
高リン血症の治療または予防のために、活性化合物として好ましくは0.1〜500 mg、より好ましくは1〜200 mg/体重kgの量の本発明の物質が毎日投与され、所望の結果を得る。それにもかかわらず、患者の体重、適用方法、患者の動物種、および薬物への個々の反応または製剤の種類または薬物が適用される時間もしくは間隔に応じて、上記の量から逸脱することが時々必要となることがある。特別な場合には、上記の最小量よりも少ない量を使用することが十分であることがあるが、他の場合には、最大用量を超えなければならないことがある。より大きな用量について、用量をより少量のいくつかの単一用量に分割することが望ましいことがある。最終的に、用量は係りの医師の裁量に依存するだろう。食事の直前、例えば食事の前または食物の摂取の前1時間以内の投与が通常好ましい。
【0053】
ヒト大人投与のための典型的な単一固形単位用量は、1 mg〜1 g、好ましくは10 mg〜800 mgの本発明の物質を含むことができる。
【0054】
固形単位投与形態はまた、放出速度制御添加剤を含むこともできる。例えば本発明の物質は、体液と接触する際にマトリクスから段階的に該物質が浸出するように、疎水性ポリマーマトリクス内に保持することができる。あるいは、本発明の物質は、体液の存在下にて段階的にまたは急速に溶解する親水性マトリクス内に保持することができる。錠剤は異なる放出特性を有する2以上の層を含むことができる。層は、親水性層、疎水性層または親水性および疎水性層の混合物であることができる。多層錠の隣接層は不溶性障壁層または親水性分離層により分離することができる。不溶性障壁層は、不溶性包装を形成するために用いられる物質を形成することができる。親水性分離層は、分離層が溶解するにつれて錠剤コアの放出層がさらされるような、錠剤コアの他の層よりも可溶な物質から形成されうる。
【0055】
適切な放出速度制御ポリマーとしては、ポリメタクリレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、アクリル酸ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、カラギナン、酢酸セルロース、ゼインなどが挙げられる。
【0056】
水性液体と接触して膨潤する適切な物質としては、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルアミド、メタクリル酸カリウム ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリビニルピロリドンおよび高分子量ポリビニルアルコールから選択される高分子材料が挙げられる。
本発明の物質を含む固形単位投与形態は、容器に一緒に包装されるか、または例えば患者への手引きのためにそれぞれの用量に対して週の日数でマークされた箔片、ブリスター包装などにて与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明は、以下の番号付けされた項目にてさらに記載する:
【0058】
1. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される、医薬としての使用のための化合物。
【0059】
1a. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aであり、zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、医薬としての使用のための化合物。
【0060】
1b. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;aは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4であり、bは1.5未満、好ましくは1.2未満であり、それぞれのアニオンについてのcの値は式2+a = 2b+Σcnで示される電荷の中立性のための必要性により決定され、zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、医薬としての使用のための化合物。
【0061】
2. 式(I)において、aが>0.3である、項目1、1aまたは1b記載の化合物。
【0062】
3. 式(I)において、aが<0.3である、項目1、1aまたは1b記載の化合物。
【0063】
4. 式(I)において、0.03a<Σcn<0.5aである、項目2記載の化合物。
【0064】
5. 式(I)において、03a<Σcn<0.7aである、項目3記載の化合物。
【0065】
6. 2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の結晶表面吸着水を有する、先のいずれかの項目に記載の化合物。
【0066】
7. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる、医薬としての使用のための化合物。
【0067】
7a. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られる、医薬としての使用のための化合物。
【0068】
8. 出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;0<x≦0.5、0<y≦1および0<m≦10であり;好ましくはx = Σynである]
で示される化合物を含む、項目7または7a記載の化合物。
【0069】
9. 式(II)において、xが>0.3である、項目8記載の化合物。
【0070】
10. 式(II)において、xが<0.3である、項目8記載の化合物。
【0071】
11. 物質が、それが得られうる式(II)の化合物と比較して、10%高いリン酸結合能力を有する、項目7〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【0072】
12. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される、リン酸結合のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0073】
12a. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aであり;zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、リン酸結合のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0074】
12b. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;aは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4であり、bは1.5未満、好ましくは1.2未満であり、それぞれのアニオンについてのcの値は、式2+a = 2b+Σcnで示される電荷の中立性のための必要性により決定され、zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、リン酸結合のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0075】
13. 化合物が式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される、高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0076】
13a. 式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aであり;zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0077】
13b. 式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;aは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4であり、bは1.5未満、好ましくは1.2未満であり、それぞれのアニオンについてのcの値は、式2+a = 2b+Σcnで示される電荷の中立性のための必要性により決定され、zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される、高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0078】
14. 式(I)において、aが>0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.5aである、項目12〜13bのいずれか一項に記載の使用。
【0079】
15. 式(I)において、aが<0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.7aである、項目12〜13bのいずれか一項に記載の使用。
【0080】
16. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる、リン酸結合のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0081】
16a. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られる、リン酸結合のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0082】
17. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる、高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0083】
17a. 化合物が層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られる、高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における化合物の使用。
【0084】
18. 出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;0<x≦0.5、0<y≦1および0<m≦10であり;好ましくはx = Σynである]
で示される化合物を含む、項目16、16a、17または17a記載の使用。
【0085】
19. 式(II)において、xが>0.3である、項目18記載の使用。
【0086】
20. 式(II)において、xが<0.3、項目18記載の使用。
【0087】
21. (i) 式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aであり;zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される化合物;および
(ii) 医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、医薬組成物。
【0088】
22. (i) 式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;aは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4であり、bは1.5未満、好ましくは1.2未満であり、それぞれのアニオンについてのcの値は、式2+a = 2b+Σcnで示される電荷の中立性のための必要性により決定され、zは2未満、より好ましくは1.8未満、さらにより好ましくは1.5未満である]
で示される化合物;および
(ii) 医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、医薬組成物。
【0089】
23. 式(I)において、aが>0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.5aである、項目21または22記載の医薬組成物。
【0090】
24. 式(I)において、aが<0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.7aである、項目21または22記載の医薬組成物。
【0091】
25. (i) 層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる化合物;および
(ii) 医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、医薬組成物。
【0092】
26. (i) 層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られる化合物;および
(ii) 医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、医薬組成物。
【0093】
27. 出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、MIIは少なくとも一つの二価金属であり;MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;0<x≦0.5、0<y≦1および0<m≦10であり;好ましくはx = Σynである]
で示される化合物を含む、項目26記載の医薬組成物。
【0094】
28. 式(II)において、xが>0.3である、項目27記載の医薬組成物。
【0095】
29. 式(II)において、xが<0.3である、項目27記載の医薬組成物。
【0096】
上記明細書に記載のすべての開示は本明細書に引用される。本発明に記載の方法および系の種々の改変および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱せず、当業者に明らかであろう。本発明は具体的に好ましい具体的態様に関連して記載されるが、特許請求されている本発明はそのような具体的な具体的態様に不当に限定されるべきではないことは理解されるべきである。実に、化学または関連分野の当業者に明らかである、本発明を実行するために記載された形態の種々の改変は、特許請求の範囲内にあるものである。
【0097】
本発明は以下の非限定の実施例により、より詳細に説明されよう。
【実施例】
【0098】
実施例
方法1(M1)
(a) 出発物質の製造
バッチAおよびバッチBと示された二つの出発物質を、以下に記載の方法により製造した。
【0099】
炭酸ナトリウム(21 kg固体)および水酸化ナトリウム(25 kg固体)を脱イオン水158 kg(DIW)に溶解した。分液漏斗中にて、脱イオン水129 kg、硫酸マグネシウム52 kg(MgSO4・7H2O; 固体)および硫酸鉄溶液50 kg(Kemiraより取得)43% w/wを溶解させてバッチA(2:1比 Mg:Fe)を製造するか、あるいは、脱イオン水143 kgを用いて硫酸マグネシウム62 kgおよび硫酸鉄溶液30 kgを溶解し、バッチB(4:1比 Mg:Fe)を製造した。次いで30℃を超えない反応温度にて反応混合物中にてpH 10.3(+/- 0.2pHユニット)を維持するのに十分な制御された流速にて、その溶液を60分にわたり撹拌した冷水プール68 kgに加えた。添加完了時に、反応混合物をさらに30分間混合した後、フィルタープレスを用いてろ過した(プレートおよびフレームプレス)。次いでろ過した生成物を冷脱イオン水(DIW)で3回(39リットル/回)洗浄し、圧縮空気をあてて固体を脱水した。単離後、生成物を100-120℃にてラージトレーオーブンを用いて乾燥した。
【0100】
溶液を清潔な200リットルプラスチックドラム内に高せん断ミキサーを用いて調製し、DIWに固体を溶解した。
【0101】
苛性ソーダ溶液について、ミキサーのスイッチをいれる前に混合ヘッドを水で完全に覆った。次いで真珠色の水酸化ナトリウムを一度に加え、次いで炭酸ナトリウムを加えた。完全に固体が溶解するまで、溶液を撹拌した。
【0102】
硫酸マグネシウム/硫酸鉄溶液について、ミキサーのスイッチをいれる前にUnishear混合ヘッドを水で完全に覆った。硫酸マグネシウム、次いで硫酸鉄溶液を水に加えた。すべての硫酸マグネシウムが溶解するまで、溶液を撹拌した。
【0103】
沈殿について、反応容器内の撹拌翼をちょうど覆うのに十分なDIW(脱イオン水)を用いた(これは水約68kgであった)。
流量制御ユニットを用いて、適当な流速のアルカリ炭酸塩および金属硫酸塩溶液を送達した。
【0104】
100ガロン(約455リットル)反応容器内のプロペラ翼ミキサーを始動させた後、フィードポンプを始動させた。次いでアルカリ炭酸塩および金属硫酸塩溶液を反応容器中に流し始めた。沈殿中に、pHメーターを用いて反応混合物のpHをモニターした。目標pHは10.3とした(+/- 0.2pHユニット)。pHが所望の範囲内に安定化するまで約5-10分かかった。pHを1時間の添加時間中一定の間隔にてチェックし、pHを変化および制御するために必要に応じて炭酸塩または硫酸塩の流速を調節した。温度もまた、一定の間隔にてチェックした。反応温度は一部反応熱によって、また、フィード溶液が反応物の溶解中もしくは加熱中の高せん断ミキサーの作用により昇温することによって、ゆっくりと上昇した。温度が30℃に近づいたとき、冷却水を流した。全添加時間は60分であった。次いでバッチは30分間25-30℃にて撹拌した。
【0105】
次いでバッチをフィルタープレスでろ過した。次いでプレスバッチを約30-60分間圧縮空気にあてた後、排出した。次いでケーキをトレーオーブン中100-120℃にて16時間乾燥した。
【0106】
焼成前のサンプルの分析のために、すり鉢とすりこぎを用いることにより少量の生成物サンプルをすりつぶした。サンプルを焼成させるために、より大量のサンプルを市販のワーリングブレンダー(blender 800 E)にて8分以内ですりつぶした。
【0107】
200mm直径、ステンレス鋼、保証付106μm シーブ/蓋/レシーバーを用いてサンプルを分類した。サンプルを手で篩いにかけ、過剰サイズの物質をストック乾燥サンプルに戻し、再度すりつぶした。完全にサンプルが<106μmのサイズになるまで続けた。すりつぶした生成物を封付プラスチックバッグに移し、サンプルを振盪し、徹底的に混合した。
【0108】
バッチAおよびバッチBの物質を、それぞれ2:1と4:1のMg:Fe比を有するように標的化し、分析により実測された実際の分子式は以下のとおりであった:
バッチA: [Mg0.67Fe0.33(OH)2][(CO3)0.17(SO4)0.01・0.43H2O][Na2SO4]0.03
バッチB: [Mg0.80Fe0.20(OH)2][(CO3)0.16(SO4)0.01・0.60H2O][Na2SO4]0.03
【0109】
(b) 本発明による実施例の物質の製造
異なる方法、すなわち回転焼成、流動床焼成および標準的な静電気オーブン(static oven)焼成によりサンプルを焼成した(1000℃までのサンプルの熱処理)。10 g〜100 gのすりつぶし、篩いにかけたサンプルを方法4aおよび4bに従い、オーブン内に置いた。方法および条件に応じて変化する改善により、2:1および4:1サンプルを500℃、3時間の異なる焼成方法により試験し、未焼成物質よりも高いリン酸結合および低い可溶性Mgをもたらした。流動床処理は500℃にて15時間過熱させる実験を含み、これにより未焼成よりもリン酸結合が減少した。一方、すべてのサンプルを500℃にて3時間熱処理し、未焼成物質と比較してリン酸結合の増大および可溶性マグネシウムの減少が見られた。静電気オーブン方法を用い、オーブン内に3時間だけサンプルを置くことにより異なる温度にてサンプルを焼成した。
【0110】
10-30グラムの重量の混合金属化合物サンプルを磁器製皿(500℃以下)またはシリカ製皿(500℃を超える温度)に置いた。皿またはボウルの直径は7〜16 cmの間で変化した。すべての実験において、サンプルベッドを1 cm以下の深さに維持した。4つの標準タイプのオーブン、すなわち500℃までの温度にてGallenkamp(Oven300プラスシリーズ)およびVectstar(ML016)、500℃を超える温度にてVectstar(HTL3およびSP14)を用いた。3時間予め加熱したオーブンにサンプルを置いた。3時間後、焼成したサンプルをデシケーター内に置き、冷却した。次いでサンプルを乾燥および冷却条件下にて貯蔵した。
【0111】
次いでこのように得られた熱処理物質は、リン酸結合能力、可溶性マグネシウム、表面吸着水の含水量について試験し、X線回折分析も行った。用いた方法は以下に記載する。
【0112】
試験方法1: 105℃における結晶表面水の百分率損失の測定
20℃および20% RHにて数日間平衡にしたサンプルを105℃にて4時間乾燥し、重量の損失を百分率で表した。105℃における乾燥により、表面吸着水(すなわち非化学結合水)を除去する。
【0113】
きれいな乾燥重量皿(るつぼ)は正確に重量を量り、記録した(W1)。るつぼにサンプル1.0〜3.0 gを充填し、全重量を記録した(W2)。るつぼを105℃にて4時間オーブンセット内に置いた。4時間後、るつぼをオーブンから除去し、デシケーター内で室温まで冷却し、再度重量を量り、最終重量を記録した(W3)。
105℃における%損失 = (W2 - W3)×100/(W2 - W1)%
【0114】
試験方法2: リン酸結合能力および可溶性マグネシウムの測定
40mM リン酸ナトリウム溶液(pH 4)を製造し、リン酸結合剤で処理した。次いで遠心分離したリン酸溶液および結合剤混合物の上清を希釈し、Fe、MgおよびP含有量についてICP-OESにより分析した。後者の分析技術は当業者によく知られている。ICP-OESは誘導結合プラズマ発光分析の頭文字である。
【0115】
この方法に用いられる試薬は:リン酸二水素ナトリウム一水和物(アルドリッチ)、1M 塩酸、AnalaR(登録商標)水、標準的なリン溶液(10.000μg/ml, Romil Ltd)、標準的なマグネシウム溶液(10,000μg/ml, Romil Ltd)、標準的な鉄溶液(1.000μg/ml)、塩化ナトリウム(BDH)であった。
【0116】
用いられる具体的な器具は、遠心分離機(Metler 2000E)、血液チューブ回転機(Stuart Scientific)、ミニシェーカー(MS1)、ICP-OES、血液収集チューブであった。
リン酸緩衝液(pH = 4)は、リン酸二水素ナトリウム5.520 g(+/-0.001 g)を量りとり、次いでAnalaR(登録商標)水を加え、1リットル容積フラスコに移すことにより製造した。
【0117】
次いで1リットル容積フラスコに、1 M HClを滴加して、添加の間混合しながらpH 4(+/-0.1)に調節した。次いでAnalaR(登録商標)水を用いて容積を正確に1リットルとし、徹底的に混合した。
【0118】
各サンプル0.4g(+/- 0.005g)を提供されている血液収集チューブに量りとり、ホールディングラックに置いた。すべてのサンプルを二つ調製した。予め重量を量った試験物質を含む各血液収集チューブにリン酸緩衝液の10ml アリコートをピペットで入れ、ねじ蓋をしめた。容器を約10秒間ミニシェーカーで振盪した。容器を血液チューブ回転機に移し、30分間(+/- 2分)混合した。次いで容器を3000rpm、20℃にて5分間遠心分離した。サンプルを遠心分離機から取り出し、アリコート2.5mlを上清からピペットで取り、新たな血液収集チューブに移した。それぞれのアリコート2.5mlにAnalaR(登録商標)水7.5 mlをピペットで取り、ねじ蓋で閉め、徹底的に混合した。次いで溶液を目盛り付のICP-OESで分析した。
【0119】
リン酸結合能力は:
リン酸結合(%)= 100 - (TP/SP×100)
により測定した。
マグネシウム放出は:
マグネシウム放出(mmol/l)= TMg - SMg
により測定した。
[式中、
TP = リン酸結合剤との反応後のリン酸溶液中のリン酸塩の分析値
SP = リン酸結合剤との反応前のリン酸溶液中のリン酸塩の分析値
TMg = リン酸結合剤との反応後のリン酸溶液中のマグネシウムの分析値
SMg = リン酸結合剤との反応前のリン酸溶液中のマグネシウムの分析値]
【0120】
試験方法3: X線回折(XRD)測定
40kVおよび55mAにて生成した銅Kアルファ照射を用いたフィリップス自動粉末X線回折メーターにて2-70°2θの微粒子サンプルのデータを集めた。
【0121】
実験的試験結果
バッチAおよびバッチBの出発物質から得られた熱処理物質について行った上記試験結果を以下の第1表に与える。熱処理の温度により、いずれにしても、第1表のa〜mまで示されている。実施例「a」は対照実施例であり、それぞれの場合において未熱処理出発物質を示す。
【0122】
【表1】

【0123】
以下に詳述するように、さらなる製造方法を用いてさらなる実施例の化合物を製造した。
方法2(M2)
溶液1および溶液2と示された二つの出発物質を以下に示される方法により製造した。
【0124】
硫酸マグネシウムおよび硫酸鉄をAnalaR(登録商標)水に溶解し、溶液1を製造した。別々の容器にて、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムをAnalaR(登録商標)水に溶解し、溶液2を製造した。用いられる重量を計算し、金属カチオンの所望の比を得た。次いで反応混合物のpH 10.3(+/- 0.2 pHユニット)を維持し、反応温度が30℃を超えないように十分に制御された流速にて、溶液を50分にわたり、撹拌したヒール水(heel water)に同時に加えた。添加が完了し、反応混合物をさらに30分間混合し、次いでブフナー漏斗を用いてろ過した。次いでろ過した生成物を220 mlの冷却したAnalaR(登録商標)水で洗浄した。単離後、生成物を予め加熱したオーブンを用いて乾燥した。
【0125】
溶液1の製造について、AnalaR(登録商標)水を容器に量りとり、オーバーヘッドミキサーを用いて撹拌し、これに適当量の硫酸鉄溶液(Ferripure, ex Kemira)を溶解した。溶解してすぐに、硫酸マグネシウム(Epsom Salt, ex William Blythe)を撹拌した硫酸鉄溶液に定量的に移し、溶解した。
【0126】
溶液2の製造について、AnalaR(登録商標)水を容器に量りとり、オーバーヘッドミキサーを用いて撹拌し、これに適当量の炭酸ナトリウム(Pharmakarb, ex Brunner Mond)を溶解した。溶解してすぐに、水酸化ナトリウム(Pearl Caustic Soda, ex INEOS Chlor)を撹拌した炭酸ナトリウム溶液に定量的に移し、溶解した。
【0127】
計算した重量のAnalaR(登録商標)水を容器に入れた。流量制御ユニットを用いて、適当な流速でアルカリ炭酸塩および金属硫酸塩溶液を送達した。
【0128】
水を含む容器中のプロペラ翼ミキサーを始動させた後、フィードポンプを始動した。次いでアルカリ炭酸塩および金属硫酸塩溶液を容器内に流し始めた。pHメーターを用いて、沈殿の間の反応物のpHをモニターした。標的pHは10.3(+/- 0.2 pHユニット)であった。pHが所望の範囲内で安定化するまで約5-10分かかった。50分添加時間中、pHを1分間隔でチェックし、必要に応じて炭酸流の流速を調節し、pHを制御した。温度もまた、1分間隔でチェックした。全添加時間は50分であった。次いでバッチを添加段階後30分間撹拌した。
【0129】
次いで真空ポンプおよびWhatman(登録商標)硬質無灰ろ紙(No 541)付ブフナーフラスコを用いて、生成物スラリーをろ過した。ろ過後、フィルターケーキをAnalaR(登録商標)水で洗浄した。単離後、洗浄した生成物を容器に移し、120℃にて予め加熱したオーブン内にて乾燥した。
【0130】
分析のための生成物サンプルは、ボールミル(Retsch PM 100)を用いてすりつぶした。
【0131】
分析のための生成物サンプルは、シーブシェーカー(Retsch AS-200)を用いて、ステンレス鋼、直径200mm、106μmシーブに通して製粉した。すべての物質が<106μmになるまで、オーバーサイズの物質をストック乾燥サンプルに戻し、再度すりつぶした。
【0132】
方法M2により製造された実施例1および3の化合物を製造するために用いられた溶液1および2の成分は以下のとおりであった:
実施例 溶液1 溶液2
実施例1 570 g MgSO4・7H2O 277 g NaOH
552 g 硫酸鉄溶液 230 g Na2CO3
1415 g AnalaR(登録商標)水 1735 g AnalaR(登録商標)水
実施例2 412 g MgSO4・7H2O 167 g NaOH
199 g 硫酸鉄溶液 138 g Na2CO3
928 g AnalaR(登録商標)水 1044 g AnalaR(登録商標)水
【0133】
実施例1の反応は、以下の式で示すことができる:
4MgSO4 + Fe2(SO4)3 + 12NaOH + Na2CO3−>Mg4Fe2(OH)12・CO3・nH2O + 7Na2SO4
MII:MIIIカチオンの比を2:1、3:1、4:1に変化させることにより、異なる成分の物質を得ることができた。
【0134】
方法3(M3)
〜2リットルまでのオーバーフローで一定に混合しながら二つの溶液をポンプすることを除いて、M2に詳述された方法と同様に生成物の製造を行った。
最初のリットルを廃棄した後、3-4リットルのオーバーフローしたスラリーを集めた。
【0135】
方法4(M4)
溶液1および2の添加まで、M2に詳述された方法と同様に生成物の製造を行った。スラリーの生成および続くろ過において、生成物の洗浄工程を行わなかった。単離後、未洗浄の生成物を容器に移し、120℃にて予め加熱したオーブンにて乾燥した。
【0136】
方法5(M5)
溶液AおよびBの添加まで、M2にて詳述される方法と同様に、4:1の比の物質の製造を行った。スラリーが生成して、バッチを半分に分けた。スラリーの二分の一は、ブフナーろ過器具を用いたろ過を含むM2の方法と同様に処理し、相当のAnalaR(登録商標)水で洗浄し、120℃にて予め加熱されたオーブン中にて乾燥した。スラリーの残りの二分の一は、ガラスビーカーに移して60℃にて4時間過熱マントルで加熱する熟成工程を行った。M2と同様に、生成物をろ過し、洗浄し、乾燥した。次いで熟成サンプルを実施例5として用いた。
【0137】
方法6(M6)
実施例6の化合物は、Ineos Silicas Ltd UKから得られる市販のMgAl混合金属化合物(Macrosorb CT-100)であった。
【0138】
方法(M7)
この経路は塩化物イオンとのアニオン交換を含む。
3:1の比の物質(方法M3により製造)の撹拌したスラリーに、反応混合物においてpH 9.5〜10.5を維持するのに十分な制御された流速にて、塩酸の溶液を20分にわたり加えた。この添加は窒素雰囲気下にて行われ、添加工程を通じてスラリーを窒素流でパージすることにより達成した。添加が完了し、反応混合物をさらに5分間窒素でパージしながら撹拌した後、ブフナーろ過装置を用いてろ過した。次いでろ過した生成物を冷却したAnalaR(登録商標)水の9×220ml分で洗浄した。単離後、生成物を予め加熱したオーブンを用いて乾燥した。
【0139】
ストックスラリーの製造について、3:1の比の物質22gの重量を量りとり、オーバーヘッドミキサーを用いて撹拌したAnalaR(登録商標)水200mlを含む容器に定量的に移した。得られたスラリーは連続的に窒素でパージした。
【0140】
塩酸溶液の製造について、1Mストック溶液を希釈し、適切な0.05M溶液を得た。溶液を30分間窒素でパージした後、使用した。
【0141】
ストックスラリーを含む容器にオーバーヘッドミキサーを始動した後、フィードポンプを始動し、塩酸溶液を容器に誘導した。添加段階中、pHメーターを用いて反応のpHおよび温度をモニターした。全添加時間は20分であった。次いで添加段階後、バッチを連続的に窒素でパージしながら5分間撹拌した。
【0142】
次いで真空ポンプおよびWhatman(登録商標)硬質無灰ろ紙(No 541)付ブフナーフラスコを用いて、生成物スラリーをろ過した。ろ過後、フィルターケーキをAnalaR(登録商標)水220mlで9回洗浄した。単離後、洗浄した生成物を容器に移し、120℃にて予め加熱したオーブンにて乾燥した。
【0143】
分析のための生成物サンプルは、ボールミル(Retsch PM 100)を用いてすりつぶした。
分析のための生成物サンプルは、シーブシェーカー(Retsch AS-200)を用いて、ステンレス鋼、直径200mm、106μmシーブに通して製粉した。すべての物質が<106μmとなるまで、オーバーサイズの物質をストック乾燥サンプルに戻し、再度すりつぶす。
【0144】
試験方法4 炭酸塩分析
既知の質量のサンプルは約1350℃の加熱炉にて純粋な酸素雰囲気下燃焼させる。サンプル中のいずれの炭素もCO2に変換して湿度トラップに通した後、赤外線検出器により測定する。標準の既知の濃度と比較することにより、サンプルの炭素含有量を知ることができる。
【0145】
酸素供給を含むLeco SC-144DR炭素および硫黄分析器、セラミック製燃焼ボート、ボート・ランスおよびトングを用いた。
サンプル0.2g(+/- 0.01g)を燃焼ボートに量りとった。次いでボートをLeco加熱炉に置き、炭素含有量を分析した。
分析は2度行った。
【0146】
炭酸塩%を以下の式:
%C(サンプル)=(%C1 + %C2)/2
[式中、C1およびC2は個々の炭素結果である]
%CO3 = %C×60/12
により測定した。
【0147】
試験方法5 XRF分析
Philips PW2400 Wavelength Dispersive XRF分光計を用いることにより、生成物のXRF分析を行った。サンプルを50:50 テトラホウ酸リチウム/メタホウ酸リチウム(高純度)と融合し、ガラス様ビーズとして器具に入れた。
【0148】
用いたすべての試薬は明記されなければ、分析グレードまたはそれと均等なものである。
AnalaR(登録商標)水、テトラホウ酸リチウム50% メタホウ酸リチウム50%フラックス(高純度グレードICPH Fluore-X 50)。
【0149】
1025℃まで加熱可能なマッフル加熱炉、拡張トング、ハンドトング、Pt/5%Auキャスティング・トレーおよびPt/5%/Au皿を用いた。
サンプル1.5g(+/- 0.0002g)およびテトラ/メタホウ酸7.5000g(+/- 0.0002g)をPt/5%/Au皿に正確に量りとった。二成分はスパチュラを用いて皿内を軽く混合した後、1025℃に設定した加熱炉内に12分間置いた。皿を6分および9分にてかき混ぜ、サンプルの均質性を確認した。また9分にてキャスティング・トレーを加熱炉内に置き、温度を平衡にした。12分後、溶融サンプルをキャスティング・トレーに注ぎ、これを加熱炉から取り出し、冷却した。分光計を用いて、ビーズ成分を測定した。
【0150】
MII:MIII比および製造方法の詳細は、オリジナルサンプルAおよびB、さらにサンプル1〜7について第2表に記載する。
【0151】
【表2】

第3表は未焼成および焼成物質についての実施例の組成分析結果(名目上、酸化物百分率で示す)を示す。
【0152】
【表3−1】

【表3−2】

【0153】
【表4−1】

【表4−2】

【0154】
未焼成物質について、式(II)の形態には、x、yおよびmの値はa、cおよびzの代わりに表に示されていることに留意する。
第4表において、%H2Oは以下のように計算する:
【0155】
%H2O = 100% - (%Na2O + %MgO + %Fe2O3 + %SO3 + %CO2)
%は%重量/重量を意味する。
%Na2O + %MgO + %Fe2O3 + %SO3はXRFにより測定した。
%CO2はLECO炭素分析により測定した
%CO2 = (Mw CO2/Mw CO3)×(%CO3) = 44/60* %CO3
【0156】
第4表において、a、b、cおよびzの値は以下の第3表の値に由来した(式中、Mwは分子量を示す)。
aの計算
【数1】

この式においてモル比の置換は以下の式を与える:
【数2】

Mw Fe2O3 = 159.6
Mw MgO = 40.3
第4表からの%Fe2O3および%MgO値
【0157】
cの計算
三価金属(FeIII)のモル比割るアニオン(CO3)のモル比=a割るcである。
【数3】

上記式において、aおよび分子量および%w/w(第3表)の値をFe2O3およびCO3の値に置き換えるとcを得る。
【数4】

層間アニオンとして得られうるSO4のモル比は、SO4の全量から、Na2SO4の形態にてNa2Oと結合するSO4の量を引くことにより計算した。次いで上記計算において、交換可能なSO4の値を炭酸アニオンの値のモル比に加えた。
【0158】
bの計算
式[MII(1-a)MIII(a)ObAn-c・zH2O]が中性の電荷を有すると仮定することにより、bを計算する。
これは、各要素および定数a、b、cと関連する生成物全体の電荷が以下の式:
2(1-a) + 3a +(-2b) +(-nc) = 0
において得られる零であるべきであり、
これは、上記式においてn = 2(炭酸アニオンの電荷)およびaおよびcの値を代入するとbが得られる、以下の式:
【数5】

に書き換えることができることを意味する。
【0159】
zの計算
三価金属(FeIII)のモル比割るH2Oのモル比=a割るz
【数6】

上記式において、aおよび分子量および%w/w(第4表)をH2OおよびFe2O3で置き換えるとzを得る。
【数7】

【0160】
Σcn/aの計算
c、nおよびaの値を代入することにより計算する。
【0161】
pH効果
以下の第6表は、結合およびマグネシウム放出においてリン酸溶液のpHの効果を示す。
【表5】

【0162】
第6表からの結果は、試験方法2に記載のリン酸結合試験により得られたが、以下の変形を伴った:リン酸結合剤0.5 gを4 mmol/l リン酸溶液125 mlに溶解した。次いでサンプルは、37℃および200 rpmにて30分間振動水浴中のストッパ付ポリプロピレン三角フラスコ中にてインキュベーションした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
2+a = 2b + Σcnであり、Σcnは<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む、医薬としての使用のための物質。
【請求項2】
式(I)において、aが≧0.3である、請求項1記載の物質。
【請求項3】
式(I)において、aが<0.3である、請求項1記載の物質。
【請求項4】
式(I)において、0.03a<Σcn<0.5aである、請求項2記載の物質。
【請求項5】
式(I)において、0.03a<Σcn<0.7aである、請求項3記載の物質。
【請求項6】
2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の結晶表面吸着水を有する、先の請求項のいずれか一項に記載の固体混合金属化合物。
【請求項7】
層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られるか、または得られうる固体混合金属化合物を含む、医薬としての使用のための物質。
【請求項8】
出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
x = Σyn、0<x≦0.5、0<y≦1および0<m≦10である]
で示される化合物を含む、請求項7記載の物質。
【請求項9】
式(II)において、xが≧0.3である、請求項8記載の物質。
【請求項10】
式(II)において、xが<0.3である、請求項8記載の物質。
【請求項11】
物質が、それが得られうる式(II)の化合物と比較して、10%高いリン酸結合能力を有する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の物質。
【請求項12】
必要とする動物におけるリン酸結合のための医薬を製造する方法における、式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む物質の使用。
【請求項13】
高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における、式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物を含む物質の使用。
【請求項14】
式(I)において、aが≧0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.5aである、請求項12または13記載の使用。
【請求項15】
式(I)において、aが<0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.7aである、請求項12または13記載の使用。
【請求項16】
必要とする動物におけるリン酸結合のための医薬を製造する方法における、層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる物質の使用。
【請求項17】
高リン血症の予防または治療のための医薬を製造する方法における、層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる物質の使用。
【請求項18】
出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
x=Σnyであり;0<x≦0.5であり;0≦m≦10である]
で示される化合物を含む、請求項16または17記載の使用。
【請求項19】
式(II)において、xが≧0.3である、請求項18記載の使用。
【請求項20】
式(II)において、xが<0.3である、請求項18記載の使用。
【請求項21】
層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することを含む、医薬としての使用のための物質を製造する方法。
【請求項22】
出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
x=Σnyであり;0<x≦0.5であり、0≦m≦10である]
で示される化合物を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
式(II)において、xが≧0.3である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
式(II)において、xが<0.3である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
出発物質が100μmより大きい粒子を実質的に含んでいない、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
式(I):
MII1-aMIIIaObAn-c・zH2O (I)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
2+a = 2b+Σcnであり、Σcn<0.9aである]
で示される固体混合金属化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬製剤。
【請求項27】
式(I)において、aが≧0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.5aである、請求項26記載の医薬製剤。
【請求項28】
式(I)において、aが<0.3であり、好ましくは0.03a<Σcn<0.7aである、請求項26記載の医薬製剤。
【請求項29】
層状複水酸化物構造を含む出発物質を200℃〜600℃、好ましくは250℃〜500℃の温度にて加熱することにより得られうる固体混合金属化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬製剤。
【請求項30】
出発物質が式(II):
MII1-xMIIIx(OH)2An-y・mH2O (II)
[式中、
MIIは少なくとも一つの二価金属であり;
MIIIは少なくとも一つの三価金属であり;
An-は少なくとも一つのn価アニオンであり;
x=Σnyであり;0<x≦0.5、0≦m≦10である]
で示される化合物を含む、請求項27記載の医薬製剤。
【請求項31】
式(II)において、xが≧0.3である、請求項30記載の医薬製剤。
【請求項32】
式(II)において、xが<0.3である、請求項30記載の医薬製剤。
【請求項33】
固体混合金属化合物、医薬的に許容される担体および適宜他の任意の成分を混合することを含む、請求項26〜32のいずれか一項に記載の医薬製剤を製造する方法。

【公表番号】特表2008−530065(P2008−530065A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554635(P2007−554635)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000452
【国際公開番号】WO2006/085079
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(507272290)イネオス・ヘルスケア・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】INEOS HEALTHCARE LIMITED
【Fターム(参考)】