半固形物用容器
【課題】ポンプを使用して容器内の半固形物を吸引・圧送した場合に容器内の半固形物の残存量を少なくする。
【解決手段】半固形物用容器1は、形状保持性を有する材料からなる容器本体10とフロート部材20とを備える。容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口14が形成された底板12を有する。フロート部材は、容器本体内で上下動可能である。容器本体内に半固形物を注入後、半固形物上にフロート部材を浮かべる。流出口を通じて半固形物を吸引したとき、半固形物に流出口に通じる空気の流通路が形成されるのをフロート部材が阻止する。従って、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【解決手段】半固形物用容器1は、形状保持性を有する材料からなる容器本体10とフロート部材20とを備える。容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口14が形成された底板12を有する。フロート部材は、容器本体内で上下動可能である。容器本体内に半固形物を注入後、半固形物上にフロート部材を浮かべる。流出口を通じて半固形物を吸引したとき、半固形物に流出口に通じる空気の流通路が形成されるのをフロート部材が阻止する。従って、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経腸栄養剤で代表される半固形物の移送に適した容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食道や口腔の外傷、疾患、又は手術等によって食物を口腔から胃に送り込むことが困難となった患者に栄養剤、流動食、又は薬剤など(一般に「経腸栄養剤」と呼ばれる。以下、「栄養剤」という)を投与する方法として経腸栄養療法が知られている。経腸栄養療法では、栄養剤を可撓性を有するカテーテル(一般に「経腸栄養カテーテル」と呼ばれる)を介して患者の体内に送り込む。経腸栄養療法に用いられるカテーテルとしては、その挿入経路によって、経鼻チューブ、PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)チューブ、PTEG(Percutaneus Trans Esophageal Gastro-tubing)チューブなどが知られている。
【0003】
栄養剤の粘度が低いと、胃内の栄養剤が食道に逆流して肺炎を併発したり、栄養剤の水分が体内で吸収しきれずに下痢したりする等の問題がある。この問題を防止するために、トロミ剤や増粘剤を加えることで粘度を高め栄養剤を半固形化することが多い(例えば、特許文献1、特許文献2)。このような粘調な栄養剤は流動性が悪いので、患者に投与する場合には、栄養剤に何らかの外力を加えて患者に向かって圧送する必要がある。
【0004】
ところで、栄養剤は、チアーパック等に所定量ごとに予め充填して販売される場合や、患者に投与するたびに調整し所定の容器に注入する場合がある。後者において使用される容器としては、パウチのような変形可能なソフト容器と、形状保持性を有する材料からなり実質的に変形しないハード容器とがある。このうち、ソフト容器は、粘調な栄養剤を充填するのが難しいことや、容器を再使用する際の洗浄・乾燥がしにくいことなどの問題がある。そこで、ハード容器が好ましく使用される場合がある。
【0005】
ハード容器を使用する場合、容器に貯留された粘調な栄養剤を吸引し且つ患者に向かって圧送するためにポンプが使用される。ポンプは、患者の体内に挿入した経腸栄養カテーテル(例えばPEGチューブ)と容器とを接続するチューブ上に設置される。ポンプとしては、手動式(例えば特許文献3)や機械式(例えば特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−248981号公報
【特許文献2】特開2006−273804号公報
【特許文献3】特開2009−106359号公報
【特許文献4】特開2000−312722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12は、ポンプを用いてハード容器90内の栄養剤99を吸引した場合において、ハード容器90内の栄養剤99の残量が少なくなった状態を示した断面図である。容器90の底板92の中央には、栄養剤90が流出する流出ポート93が形成されている。流出ポート93には、可撓性を有するチューブ97の一端が接続されている。チューブ97の他端は患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテル(図示せず)に接続されている。チューブ97上には、容器90内の栄養剤99を吸引し患者に向かって圧送するポンプ(図示せず)が設置されている。
【0008】
栄養剤99は、粘調で流動性に欠けるため、残量が少なくなると図12に示すように容器90の底板92近傍の内周面に付着し、中央の流出ポート93内に流入しない。従って、ポンプは空気を吸引し患者に送り出すことになる。
【0009】
このように、ハード容器を用いた場合、容器内に栄養剤が残存してしまい、その全量を患者に投与することが困難であるという問題がある。ソフト容器であれば容器を押し潰して残存した栄養剤を押し出すことができるが、ハード容器ではこれは不可能である。
【0010】
本発明は、上記の従来の問題を解決し、半固形物を貯留するための容器であって、ポンプを使用して当該半固形物を吸引・圧送した場合に容器内の半固形物の残存量を少なくすることができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半固形物用容器は、形状保持性を有する材料からなる容器本体と、フロート部材とを備える。前記容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口が形成された底板を有する。前記フロート部材は、前記容器本体内で上下動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容器本体内に注入した半固形物上にフロート部材を載置する(浮かべる)ことにより、流出口を通じて半固形物を吸引したとき、半固形物に流出口に通じる空気の流通路が形成されるのを防止することができる。従って、容器本体内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る半固形物用容器の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1,2に係る半固形物用容器を構成する容器本体の断面図である。
【図3】図3Aは本発明の実施形態1に係る半固形物用容器を構成するフロート本体の上面図、図3Bは図3Aの3B−3B線に沿ったフロート本体の組み合わせ断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1において、容器本体内に、所定量の栄養剤を注入し、次いでフロート部材を挿入した状態を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態1において、容器本体内の栄養剤の残量が僅かになった状態を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態1において、容器本体内の栄養剤がほぼ流出してしまった状態を示した断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態2に係る半固形物用容器の概略構成を示した斜視図である。
【図8】図8Aは本発明の実施形態2に係る半固形物用容器を構成するフロート本体の上面図、図8Bは図8Aの8B−8B線に沿ったフロート本体の断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態2において、容器本体内に、所定量の栄養剤を注入し、次いでフロート部材を挿入した状態を示した断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態2において、容器本体内の栄養剤の残量が僅かになった状態を示した断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態2において、容器本体内の栄養剤がほぼ流出してしまった状態を示した断面図である。
【図12】図12は、従来のハード容器において、栄養剤が残存してしまう様子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、図12のように従来のハード容器90内に栄養剤99が残存してしまうのは、ポンプが流出ポート93の上方の栄養剤99を吸引しても、栄養剤99は粘調であるためにすぐに流出ポート93に向かって流動することができないので、流出ポート93の上方に空気の流通路95が形成されてしまうためであることを見出した。従って、ハード容器90内に栄養剤99が残存しているときに空気の流通路95が形成されるのを阻止することができれば、より多くの栄養剤99を吸い出すことができ、栄養剤99の残存量を少なくすることができると考え、本発明を完成した。
【0015】
本発明の半固形物用容器は、容器本体とフロート部材とを備える。
【0016】
容器本体は、チアーパックやパウチのようなソフト容器とは異なり、形状保持性を有する材料からなる。形状保持性とは、重力や外力によって容易に形状が変化せず、当初の形状を維持し続ける性質をいう。外力によって弾性変形することはかまわない。容器本体が形状保持性を有することにより、粘調な半固形物を容器本体内に注入する作業が容易になる。また、容器本体を再使用するために必要な容器本体の内面の洗浄・乾燥が容易である。
【0017】
容器本体の上端は、半固形物を注入したり、フロート部材を出し入れしたりするために、開口している。
【0018】
容器本体の下端には、半固形物が流出する流出口が形成された底板を備える。流出口は、底板のほぼ中央に設けられていることが好ましい。流出口には、半固形物を移送するためのチューブが接続される。例えば当該チューブをしごく動作を行うポンプをチューブ上に設置することにより、容器本体内に注入された半固形物は流出口から吸い出される。容器本体内の半固形物上にフロート部材を載置する(浮かべる)と、半固形物の上面がフロート部材で覆われるので、半固形物に図12に示した空気の流通路95が形成されるのが防止される。その結果、容器本体内の半固形物をほとんど残らず吸い出すことができる。
【0019】
フロート部材は、容器本体内で上下動可能である。これにより、容器本体内の半固形物の上面が下降するにともなって、半固形物上のフロート部材も下降することができる。例えばフロート部材の容器本体の内面に対する摺動抵抗が大きいと、半固形物を吸い出すことが困難となり、半固形物の流量が低下したり、半固形物を吸い出すのに大きな力が必要となったりする。
【0020】
前記フロート部材の下面が、前記容器本体の前記底板の内面形状にほぼ沿った形状を有することが好ましい。「ほぼ沿う」とは、フロート部材の下面と底板の内面とが少なくとも一部で実質的に面接触可能であることを意味する。この好ましい構成により、容器本体内の半固形物の量が少なくなると、フロート部材の下面と容器本体の底板の内面とが密着するので、容器本体内の半固形物の残存量を更に少なくすることができる。
【0021】
前記フロート部材の下面の少なくとも一部が、変形可能な柔軟なシートで構成されていてもよい。これにより、容器本体内の半固形物の量が少なくなると、柔軟なシートが、容器本体の底板の内面に吸い付くように変形し、好ましくは密着するので、容器本体内の半固形物の残存量を更に少なくすることができる。
【0022】
この場合、前記シートの上面に環状のリブが設けられていることが好ましい。これにより、シートの上面に半固形物が浸入するのを防止できるので、フロート部材が半固形物中に沈むのを防止できる。また、シートを半固形物上に載置するときや、容器本体内の半固形物の残存量が少なくなったときに、シートが折れ曲がったり、過度に変形したりするのを防止することができる。
【0023】
前記フロート部材は、前記容器本体内に収納された半固形物上に浮かぶことができることが好ましい。これにより、半固形物に図12に示した空気の流通路95が形成されるのを効果的に防止することができる。フロート部材が半固形物上に浮かぶために、フロート部材を、その上面に凹陥部が形成された船型形状にしたり、中空形状にしたり、低比重の材料で構成したりすることが好ましい。フロート部材が、上記の柔軟なシートを含む場合には、シートの上面に、半固形物が浸入するのを防ぐための環状のリブを形成することが好ましい。
【0024】
前記フロート部材は、その上面側に取っ手を有することが好ましい。これにより、フロート部材を、半固形物上に、沈まないように静かに載置することが容易になる。また、半固形物の上面が平坦でない場合でも、取っ手を利用してフロート部材を半固形物に軽く押し付けて、フロート部材の下面を半固形物の上面に密着させることができる。更に、容器本体内の半固形物が流出した後に、取っ手を利用してフロート部材を容器本体内から引き上げることができる。取っ手の形状、材料、取付位置等は、このような作業を考慮して設定されることが好ましい。フロート部材が上述したように柔軟なシートを含み、その上面にリブが形成されている場合には、このリブに取っ手を取り付けること好ましい。これにより、柔軟なシートを半固形物上に載置する作業を更に容易に行える。
【0025】
本発明において、半固形物とは、半固形化された又は粘調な流動物(例えば、糊状物、ペースト状物、クリーム状物など)を意味し、その粘度は特に制限はないが1,000mPa・s以上20,000mPa・s以下が好ましい。例えば経腸栄養剤、造影剤、ヒアルロン酸等の医療分野の他、食品分野、工業分野など、各種分野で使用される半固形物が含まれる。
【0026】
以下に本発明を好ましい実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る半固形物用容器1の概略構成を示した斜視図である。本実施形態1の半固形物用容器1は、容器本体10とフロート部材20とを備える。半固形物用容器1は図1に示す向きに使用される。
【0028】
容器本体10の断面図を図2に示す。容器本体10は、いわゆる「ボトル状コンテナ」であって、略円筒形状の筒状部11を有し、その上端は開口し、その下端にはその内面が略円錐面形状である底板12が接合されている。底板12の中央には下方に向かって突出した流出ポート13が形成されている。流出ポート13の中央には、容器本体10内に貯留された半固形物が流出するための貫通孔である流出口14が形成されている。
【0029】
容器本体10は、形状保持性を有する材料からなる。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて射出成形等により一体に製造することができる。容器本体10は、その内部に貯留された半固形物の状態や残量、半固形物上のフロート部材20の位置等を目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。
【0030】
本発明において、容器本体10は上記の構成に限定されない。例えば、半固形物を貯留するために使用される公知のハード容器を用いることができる。流出ポート13の外周面には、半固形物を移送するためのチューブを接続するのに好適な公知の形状が形成されていることが好ましい。
【0031】
容器本体10は、筒状部11の上端の開口を塞ぐための蓋体(図示せず)や、流出ポート13を下側にして容器本体10を吊り下げるための治具やベルト等を更に有していてもよい。
【0032】
図1に戻り、フロート部材20は、フロート本体21と取っ手29とからなる。図3Aはフロート本体21の上面図である。図3Bは図3Aの一点鎖線で示した3B−3B線に沿ったフロート本体21の組み合わせ断面図である。
【0033】
フロート本体21は、略円筒面である外周面を備えた柱状部22を有し、その下面23は略円錐面形状を有している。柱状部22の外径は、容器本体10の筒状部11の内径より僅かに小さい。フロート本体21の高さ(上下方向寸法)は、特に制限はないが、10〜50mmであることが好ましい。フロート本体21が高すぎると、フロート部材20が重くなるので、半固形物中に沈む可能性が高くなる。フロート本体21が低すぎると、フロート本体21の上面に半固形物が浸入しやすくなるので、半固形物中に沈む可能性が高くなる。
【0034】
フロート本体21の下面23は、容器本体10の底板12の内面形状とほぼ同じ形状を有していることが好ましい。具体的には、フロート本体21の下面23のテーパ角度は、容器本体10の底板12の内面のテーパ角度とほぼ同一であることが好ましい。
【0035】
フロート部材20を半固形物上に載置したとき、フロート部材20が半固形物上に浮かぶことができるように、フロート本体21は軽量化されていることが好ましい。本実施形態ではフロート本体21に上面から肉盗み24を形成することでフロート本体21の軽量化を実現している。
【0036】
フロート本体21は、容器本体10と同様に形状保持性を有する材料からなることが好ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料を用いて射出成形等により一体に製造することができる。フロート本体21は、その下側の半固形物の状態や残量を上方から目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。
【0037】
フロート本体21の上面には、取っ手29を取り付けるための一対の孔25が形成されている。一対の孔25に図1に示すように取っ手29の両端を挿入して接着、融着等により取っ手29をフロート本体21に一体化させる。本実施形態では取っ手29は塩化ビニル等からなる柔軟な中空チューブを用いている。
【0038】
以上のように構成された本実施形態1の半固形物用容器1に貯留した粘調な栄養剤をポンプを用いて経腸栄養カテーテルを通じて患者に投与する方法の一例を以下に説明する。
【0039】
容器本体10の下端の流出ポート13に、栄養剤を移送するためのチューブ7(図1参照)の上流側端を接続する。チューブ7の下流側端は、患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテルに接続される。チューブ7には、粘調な栄養剤を半固形物用容器1から吸引し且つ患者に向かって圧送するためのポンプが設けられる。ポンプとしては、特に制限はないが、例えばチューブ7をしごく動作を行うものを使用できる。しごく動作は手動式又はモータ等の動力源を用いた機械式のいずれであってもよい。
【0040】
流出ポート13を下側にして容器本体10を保持した状態で、容器本体10内に所定量の栄養剤を注入する。次いで、容器本体10内にフロート部材20を挿入する。図4はこの状態を示した断面図である。図示したように、フロート部材20は、栄養剤99の上面に浮かんでいる。このとき、フロート部材20を下方に軽く押さえるなどして、フロート本体21の下面23のほぼ全面を栄養剤99に密着させることが好ましい。
【0041】
次いで、ポンプを駆動して、容器本体10内の栄養剤99を流出口14を通じて吸引する。栄養剤99が流出口14より流出するにしたがってフロート部材20は下降する。栄養剤99の残量が少なくなっても、図5に示すようにフロート本体21の下面23のほぼ全面は栄養剤99に密着し続ける。フロート本体21の下面23と栄養剤99とが密着している限り、栄養剤99に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されることはない。
【0042】
栄養剤99の残量が更に少なくなると、図6に示すようにフロート本体21の下面23と容器本体10の底板12の内面とが接触する。容器本体10内には栄養剤99はほとんど残っていない。フロート本体21の下面23が容器本体10の底板12の内面に沿った形状を有していると、両者の隙間が小さくなるので、容器本体10内の栄養剤99の残存量を更に少なくすることができる。栄養剤99の残存量は、フロート本体21の上方から、または、容器本体10の側方から視認することができる。この段階でポンプを停止し、患者への栄養剤99の投与が終了する。
【0043】
以上のように、本実施形態1では、容器本体10内に栄養剤99等の半固形物を注入したのち、半固形物上にフロート部材20を浮かべるという極めて簡単な手法により、容器本体10内の半固形物に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されるのを防止することができる。したがって、容器本体10内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【0044】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係る半固形物用容器2の概略構成を示した斜視図である。本実施形態2の半固形物用容器2は、容器本体10とフロート部材30とを備える。半固形物用容器2は図7に示す向きに使用される。
【0045】
本実施形態2の半固形物用容器2は、容器本体10に関しては実施形態1の半固形物用容器1と同じである。従って、実施形態1との相違点であるフロート部材30を中心に本実施形態2を説明する。
【0046】
フロート部材30は、フロート本体31と取っ手39とからなる。
【0047】
図8Aはフロート本体31の上面図である。図8Bは図8Aの8B−8B線に沿ったフロート本体31の断面図である。フロート本体31は、シート32と、シート32の上面に設けられた円環状のリブ(畝状の隆起)33とを備える。シート32は、変形可能且つ柔軟な略円形のシートであり、その外径は容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きいことが好ましい。シート32の厚さは、特に制限はないが1mm以上、更には2mm以上であることが好ましい。シート32がこれより薄いと、たとえリブ33を設けたとしても、容器本体10内の半固形物の残存量が少なくなったときに、閉じた傘のようにフロート本体31が変形して流出口14に吸い込まれてしまうことがある。
【0048】
リブ33は、シート32に一体化され、シート32が折れ曲がったり、過度に変形したりするのを防止する。また、リブ33がシート32の上面に円環状に形成されていることにより、フロート部材30を半固形物上に載置したときに、半固形物がシート32の上面にリブ33を乗り越えて浸入する可能性を低減するので、フロート部材30が半固形物中に沈むのを防ぐ。図8A及び図8Bでは、リブ33は、シート32の外周端縁32aから僅かに後退した位置に設けられているが、シート32の外周端縁32aに沿って設けられていてもよい。リブ33の外径は、容器本体10の筒状部11の内径より小さいことが好ましい。また、半固形物の密度やフロート部材30の重量などの条件よりフロート部材30が半固形物中に沈む可能性が低いと判断される場合には、リブ33は円環状である必要はなく、例えばシート32の中心から放射状に(例えばX字状に)延びていてもよい。
【0049】
フロート本体31は、柔軟で可撓性を有する材料からなることが好ましい。例えば、ブチルゴム、ポリ塩化ビニル、各種エラストマなどを用いてシート32とリブ33とを一体に成形することができる。フロート本体31は、その下側の半固形物の状態や残量を上方から目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。なお、本実施形態2ではシート32とリブ33とを同一材料で一体に形成しているが、両者を別材料で形成してもよい。例えば、シート32をブチルゴム、ポリ塩化ビニル、各種エラストマなどの柔軟な材料で形成し、リブ33をポリプロピレン、ポリカーボネートなどの形状保持性を有する材料で形成してもよい。
【0050】
リブ33の上面には、取っ手39を取り付けるための一対の孔35が形成されている。一対の孔35に図7に示すように取っ手39の両端を挿入して接着、融着等により取っ手39をフロート本体31に一体化させる。本実施形態では取っ手39は塩化ビニル等からなる柔軟な中空チューブを用いている。
【0051】
以上のように構成された本実施形態2の半固形物用容器2に貯留した粘調な栄養剤をポンプを用いて経腸栄養カテーテルを通じて患者に投与する方法の一例を以下に説明する。
【0052】
実施形態1と同様に、容器本体10の下端の流出ポート13に、栄養剤を移送するためのチューブ7(図7参照)の上流側端を接続する。チューブ7の下流側端は、患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテルに接続される。チューブ7には、粘調な栄養剤を半固形物用容器1から吸引し且つ患者に向かって圧送するためのポンプが設けられる。
【0053】
流出ポート13を下側にして容器本体10を保持した状態で、容器本体10内に所定量の栄養剤を注入する。次いで、容器本体10内にフロート部材30を挿入する。図9はこの状態を示した断面図である。図示したように、フロート部材30は、栄養剤99の上面に浮かんでいる。このとき、フロート部材30を下方に軽く押さえるなどして、フロート本体31のシート32の下面のほぼ全面を栄養剤99に密着させることが好ましい。シート32の外径が容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きいので、シート32の外周端縁32aが筒状部11の内周面に接触し上方に僅かに屈曲している。これにより、シート32の上面に栄養剤99が浸入するのを防止できる。
【0054】
次いで、ポンプを駆動して、容器本体10内の栄養剤99を流出口14を通じて吸引する。栄養剤99が流出口14より流出するにしたがってフロート部材30は下降する。このとき、シート32の外周端縁32aが容器本体10の筒状部11の内周面上を摺動し、当該内周面に付着した栄養剤99を掻き取る。したがって、内周面に付着して容器本体10内に残存ずる栄養剤99の量を低減することができる。
【0055】
栄養剤99の残量が少なくなると、図10に示すようにシート32が容器本体10の底板12に接触し、その外周端縁32aが底板12の内面形状に応じて変形する。この状態でも、フロート本体31の下面のほぼ全面は栄養剤99に密着し続ける。フロート本体31の下面と栄養剤99とが密着している限り、栄養剤99に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されることはない。
【0056】
栄養剤99の残量が更に少なくなると、図11に示すように、シート32の外周端縁32aが容器本体10の底板12の内面に密着する。更に、シート32のリブ33よりも内側の部分が流出口14に吸い込まれ、好ましくは容器本体10の底板12の内面に密着するように伸び変形する。容器本体10内には栄養剤99はほとんど残っていない。栄養剤99の残存量は、フロート本体31の上方から、または、容器本体10の側方から視認することができる。この段階でポンプを停止し、患者への栄養剤99の投与が終了する。
【0057】
以上のように、本実施形態2では、容器本体10内に栄養剤99等の半固形物を注入したのち、半固形物上にフロート部材30を浮かべるという極めて簡単な手法により、容器本体10内の半固形物に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されるのを防止することができる。したがって、容器本体10内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【0058】
上記の実施形態2では、シート32の外径は容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きかったが、本発明はこれに限定されず、シート32の外径は筒状部11の内径と同じか、またはこれより小さくてもよい。
【0059】
上記の実施形態1,2は例示に過ぎず、本発明は種々に変更することができる。
【0060】
上記の実施形態1,2では容器本体10の流出ポート13をチューブ7に挿入することで流出ポート13とチューブ7とを接続したが、流出ポート13とチューブ7との接続形式はこれに限定されない。例えば、チューブ7の上流側端に雌コネクタを取り付け、この雌コネクタを流出ポート13に接続してもよい。このとき、雌コネクタ及び流出ポート13として公知の形状のものを用いることができる。
【0061】
上記の実施形態1,2では流出ポート13とチューブ7とが着脱可能であったが、流出ポートとチューブとが取り外しできないように一体化されていてもよい。流出ポートとチューブとの一体化の方法は、特に制限はなく、例えば融着、接着等を用いることができる。
【0062】
フロート部材が備える取っ手の形状、材質、取り付け位置、取り付け方法などは上記に限定されず、任意に変更可能である。例えば、フロート本体の上面の中央に立設したポール状の取っ手であってもよい。取っ手は、軽量化するために、中空体であることが好ましい。
【0063】
上記の実施形態1,2では、容器本体の筒状部の内周面及びフロート部材の外周面の上方から見た形状はいずれも円形であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、四角形、六角形などの多角形や楕円形などであってもよい。但し、フロート部材が容器本体内で自由に上下動することができ、また、半固形物に空気の流通路が形成されるのを確実に防止するために、両者は相似形又は少なくとも一方は円形であることが好ましい。容器本体の筒状部の内径は、上記の実施形態1,2のように上下方向位置にかかわらず一定である必要はなく、例えばテーパ状に上側に比べて下側で内径が僅かに小さくなっていてもよい。
【0064】
実施形態1に示した形状保持性を有するフロート本体21の外周面に、実施形態2に示したシート32と同じ材料からなる柔軟なシートを全周にわたって突出して設けてもよい。これにより、シート32の外周端縁32aと同様に、フロート本体21が下降するとき、当該シートが容器本体10の筒状部11の内周面上を摺動し、内周面に付着した半固形物を掻き取ることができる。また、フロート本体21が半固形物中に沈む可能性を更に低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の利用分野は特に制限はないが、半固形化された又は粘調な流動物をポンプを用いて吸引・圧送する際に、ポンプの上流側に配置されて、当該流動物を一時的に貯留するための容器として好ましく利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1,2 半固形物用容器
10 容器本体
11 筒状部
12 底板
13 流出ポート
14 流出口
20,30 フロート部材
21,31 フロート本体
22 柱状部
23 フロート本体の下面
24 肉盗み
25,35 孔
29,39 取っ手
32 シート
32a シートの外周端縁
33 リブ
99 栄養剤(半固形物)
【技術分野】
【0001】
本発明は、経腸栄養剤で代表される半固形物の移送に適した容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食道や口腔の外傷、疾患、又は手術等によって食物を口腔から胃に送り込むことが困難となった患者に栄養剤、流動食、又は薬剤など(一般に「経腸栄養剤」と呼ばれる。以下、「栄養剤」という)を投与する方法として経腸栄養療法が知られている。経腸栄養療法では、栄養剤を可撓性を有するカテーテル(一般に「経腸栄養カテーテル」と呼ばれる)を介して患者の体内に送り込む。経腸栄養療法に用いられるカテーテルとしては、その挿入経路によって、経鼻チューブ、PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)チューブ、PTEG(Percutaneus Trans Esophageal Gastro-tubing)チューブなどが知られている。
【0003】
栄養剤の粘度が低いと、胃内の栄養剤が食道に逆流して肺炎を併発したり、栄養剤の水分が体内で吸収しきれずに下痢したりする等の問題がある。この問題を防止するために、トロミ剤や増粘剤を加えることで粘度を高め栄養剤を半固形化することが多い(例えば、特許文献1、特許文献2)。このような粘調な栄養剤は流動性が悪いので、患者に投与する場合には、栄養剤に何らかの外力を加えて患者に向かって圧送する必要がある。
【0004】
ところで、栄養剤は、チアーパック等に所定量ごとに予め充填して販売される場合や、患者に投与するたびに調整し所定の容器に注入する場合がある。後者において使用される容器としては、パウチのような変形可能なソフト容器と、形状保持性を有する材料からなり実質的に変形しないハード容器とがある。このうち、ソフト容器は、粘調な栄養剤を充填するのが難しいことや、容器を再使用する際の洗浄・乾燥がしにくいことなどの問題がある。そこで、ハード容器が好ましく使用される場合がある。
【0005】
ハード容器を使用する場合、容器に貯留された粘調な栄養剤を吸引し且つ患者に向かって圧送するためにポンプが使用される。ポンプは、患者の体内に挿入した経腸栄養カテーテル(例えばPEGチューブ)と容器とを接続するチューブ上に設置される。ポンプとしては、手動式(例えば特許文献3)や機械式(例えば特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−248981号公報
【特許文献2】特開2006−273804号公報
【特許文献3】特開2009−106359号公報
【特許文献4】特開2000−312722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12は、ポンプを用いてハード容器90内の栄養剤99を吸引した場合において、ハード容器90内の栄養剤99の残量が少なくなった状態を示した断面図である。容器90の底板92の中央には、栄養剤90が流出する流出ポート93が形成されている。流出ポート93には、可撓性を有するチューブ97の一端が接続されている。チューブ97の他端は患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテル(図示せず)に接続されている。チューブ97上には、容器90内の栄養剤99を吸引し患者に向かって圧送するポンプ(図示せず)が設置されている。
【0008】
栄養剤99は、粘調で流動性に欠けるため、残量が少なくなると図12に示すように容器90の底板92近傍の内周面に付着し、中央の流出ポート93内に流入しない。従って、ポンプは空気を吸引し患者に送り出すことになる。
【0009】
このように、ハード容器を用いた場合、容器内に栄養剤が残存してしまい、その全量を患者に投与することが困難であるという問題がある。ソフト容器であれば容器を押し潰して残存した栄養剤を押し出すことができるが、ハード容器ではこれは不可能である。
【0010】
本発明は、上記の従来の問題を解決し、半固形物を貯留するための容器であって、ポンプを使用して当該半固形物を吸引・圧送した場合に容器内の半固形物の残存量を少なくすることができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半固形物用容器は、形状保持性を有する材料からなる容器本体と、フロート部材とを備える。前記容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口が形成された底板を有する。前記フロート部材は、前記容器本体内で上下動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容器本体内に注入した半固形物上にフロート部材を載置する(浮かべる)ことにより、流出口を通じて半固形物を吸引したとき、半固形物に流出口に通じる空気の流通路が形成されるのを防止することができる。従って、容器本体内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る半固形物用容器の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1,2に係る半固形物用容器を構成する容器本体の断面図である。
【図3】図3Aは本発明の実施形態1に係る半固形物用容器を構成するフロート本体の上面図、図3Bは図3Aの3B−3B線に沿ったフロート本体の組み合わせ断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1において、容器本体内に、所定量の栄養剤を注入し、次いでフロート部材を挿入した状態を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態1において、容器本体内の栄養剤の残量が僅かになった状態を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態1において、容器本体内の栄養剤がほぼ流出してしまった状態を示した断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態2に係る半固形物用容器の概略構成を示した斜視図である。
【図8】図8Aは本発明の実施形態2に係る半固形物用容器を構成するフロート本体の上面図、図8Bは図8Aの8B−8B線に沿ったフロート本体の断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態2において、容器本体内に、所定量の栄養剤を注入し、次いでフロート部材を挿入した状態を示した断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態2において、容器本体内の栄養剤の残量が僅かになった状態を示した断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態2において、容器本体内の栄養剤がほぼ流出してしまった状態を示した断面図である。
【図12】図12は、従来のハード容器において、栄養剤が残存してしまう様子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、図12のように従来のハード容器90内に栄養剤99が残存してしまうのは、ポンプが流出ポート93の上方の栄養剤99を吸引しても、栄養剤99は粘調であるためにすぐに流出ポート93に向かって流動することができないので、流出ポート93の上方に空気の流通路95が形成されてしまうためであることを見出した。従って、ハード容器90内に栄養剤99が残存しているときに空気の流通路95が形成されるのを阻止することができれば、より多くの栄養剤99を吸い出すことができ、栄養剤99の残存量を少なくすることができると考え、本発明を完成した。
【0015】
本発明の半固形物用容器は、容器本体とフロート部材とを備える。
【0016】
容器本体は、チアーパックやパウチのようなソフト容器とは異なり、形状保持性を有する材料からなる。形状保持性とは、重力や外力によって容易に形状が変化せず、当初の形状を維持し続ける性質をいう。外力によって弾性変形することはかまわない。容器本体が形状保持性を有することにより、粘調な半固形物を容器本体内に注入する作業が容易になる。また、容器本体を再使用するために必要な容器本体の内面の洗浄・乾燥が容易である。
【0017】
容器本体の上端は、半固形物を注入したり、フロート部材を出し入れしたりするために、開口している。
【0018】
容器本体の下端には、半固形物が流出する流出口が形成された底板を備える。流出口は、底板のほぼ中央に設けられていることが好ましい。流出口には、半固形物を移送するためのチューブが接続される。例えば当該チューブをしごく動作を行うポンプをチューブ上に設置することにより、容器本体内に注入された半固形物は流出口から吸い出される。容器本体内の半固形物上にフロート部材を載置する(浮かべる)と、半固形物の上面がフロート部材で覆われるので、半固形物に図12に示した空気の流通路95が形成されるのが防止される。その結果、容器本体内の半固形物をほとんど残らず吸い出すことができる。
【0019】
フロート部材は、容器本体内で上下動可能である。これにより、容器本体内の半固形物の上面が下降するにともなって、半固形物上のフロート部材も下降することができる。例えばフロート部材の容器本体の内面に対する摺動抵抗が大きいと、半固形物を吸い出すことが困難となり、半固形物の流量が低下したり、半固形物を吸い出すのに大きな力が必要となったりする。
【0020】
前記フロート部材の下面が、前記容器本体の前記底板の内面形状にほぼ沿った形状を有することが好ましい。「ほぼ沿う」とは、フロート部材の下面と底板の内面とが少なくとも一部で実質的に面接触可能であることを意味する。この好ましい構成により、容器本体内の半固形物の量が少なくなると、フロート部材の下面と容器本体の底板の内面とが密着するので、容器本体内の半固形物の残存量を更に少なくすることができる。
【0021】
前記フロート部材の下面の少なくとも一部が、変形可能な柔軟なシートで構成されていてもよい。これにより、容器本体内の半固形物の量が少なくなると、柔軟なシートが、容器本体の底板の内面に吸い付くように変形し、好ましくは密着するので、容器本体内の半固形物の残存量を更に少なくすることができる。
【0022】
この場合、前記シートの上面に環状のリブが設けられていることが好ましい。これにより、シートの上面に半固形物が浸入するのを防止できるので、フロート部材が半固形物中に沈むのを防止できる。また、シートを半固形物上に載置するときや、容器本体内の半固形物の残存量が少なくなったときに、シートが折れ曲がったり、過度に変形したりするのを防止することができる。
【0023】
前記フロート部材は、前記容器本体内に収納された半固形物上に浮かぶことができることが好ましい。これにより、半固形物に図12に示した空気の流通路95が形成されるのを効果的に防止することができる。フロート部材が半固形物上に浮かぶために、フロート部材を、その上面に凹陥部が形成された船型形状にしたり、中空形状にしたり、低比重の材料で構成したりすることが好ましい。フロート部材が、上記の柔軟なシートを含む場合には、シートの上面に、半固形物が浸入するのを防ぐための環状のリブを形成することが好ましい。
【0024】
前記フロート部材は、その上面側に取っ手を有することが好ましい。これにより、フロート部材を、半固形物上に、沈まないように静かに載置することが容易になる。また、半固形物の上面が平坦でない場合でも、取っ手を利用してフロート部材を半固形物に軽く押し付けて、フロート部材の下面を半固形物の上面に密着させることができる。更に、容器本体内の半固形物が流出した後に、取っ手を利用してフロート部材を容器本体内から引き上げることができる。取っ手の形状、材料、取付位置等は、このような作業を考慮して設定されることが好ましい。フロート部材が上述したように柔軟なシートを含み、その上面にリブが形成されている場合には、このリブに取っ手を取り付けること好ましい。これにより、柔軟なシートを半固形物上に載置する作業を更に容易に行える。
【0025】
本発明において、半固形物とは、半固形化された又は粘調な流動物(例えば、糊状物、ペースト状物、クリーム状物など)を意味し、その粘度は特に制限はないが1,000mPa・s以上20,000mPa・s以下が好ましい。例えば経腸栄養剤、造影剤、ヒアルロン酸等の医療分野の他、食品分野、工業分野など、各種分野で使用される半固形物が含まれる。
【0026】
以下に本発明を好ましい実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る半固形物用容器1の概略構成を示した斜視図である。本実施形態1の半固形物用容器1は、容器本体10とフロート部材20とを備える。半固形物用容器1は図1に示す向きに使用される。
【0028】
容器本体10の断面図を図2に示す。容器本体10は、いわゆる「ボトル状コンテナ」であって、略円筒形状の筒状部11を有し、その上端は開口し、その下端にはその内面が略円錐面形状である底板12が接合されている。底板12の中央には下方に向かって突出した流出ポート13が形成されている。流出ポート13の中央には、容器本体10内に貯留された半固形物が流出するための貫通孔である流出口14が形成されている。
【0029】
容器本体10は、形状保持性を有する材料からなる。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて射出成形等により一体に製造することができる。容器本体10は、その内部に貯留された半固形物の状態や残量、半固形物上のフロート部材20の位置等を目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。
【0030】
本発明において、容器本体10は上記の構成に限定されない。例えば、半固形物を貯留するために使用される公知のハード容器を用いることができる。流出ポート13の外周面には、半固形物を移送するためのチューブを接続するのに好適な公知の形状が形成されていることが好ましい。
【0031】
容器本体10は、筒状部11の上端の開口を塞ぐための蓋体(図示せず)や、流出ポート13を下側にして容器本体10を吊り下げるための治具やベルト等を更に有していてもよい。
【0032】
図1に戻り、フロート部材20は、フロート本体21と取っ手29とからなる。図3Aはフロート本体21の上面図である。図3Bは図3Aの一点鎖線で示した3B−3B線に沿ったフロート本体21の組み合わせ断面図である。
【0033】
フロート本体21は、略円筒面である外周面を備えた柱状部22を有し、その下面23は略円錐面形状を有している。柱状部22の外径は、容器本体10の筒状部11の内径より僅かに小さい。フロート本体21の高さ(上下方向寸法)は、特に制限はないが、10〜50mmであることが好ましい。フロート本体21が高すぎると、フロート部材20が重くなるので、半固形物中に沈む可能性が高くなる。フロート本体21が低すぎると、フロート本体21の上面に半固形物が浸入しやすくなるので、半固形物中に沈む可能性が高くなる。
【0034】
フロート本体21の下面23は、容器本体10の底板12の内面形状とほぼ同じ形状を有していることが好ましい。具体的には、フロート本体21の下面23のテーパ角度は、容器本体10の底板12の内面のテーパ角度とほぼ同一であることが好ましい。
【0035】
フロート部材20を半固形物上に載置したとき、フロート部材20が半固形物上に浮かぶことができるように、フロート本体21は軽量化されていることが好ましい。本実施形態ではフロート本体21に上面から肉盗み24を形成することでフロート本体21の軽量化を実現している。
【0036】
フロート本体21は、容器本体10と同様に形状保持性を有する材料からなることが好ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料を用いて射出成形等により一体に製造することができる。フロート本体21は、その下側の半固形物の状態や残量を上方から目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。
【0037】
フロート本体21の上面には、取っ手29を取り付けるための一対の孔25が形成されている。一対の孔25に図1に示すように取っ手29の両端を挿入して接着、融着等により取っ手29をフロート本体21に一体化させる。本実施形態では取っ手29は塩化ビニル等からなる柔軟な中空チューブを用いている。
【0038】
以上のように構成された本実施形態1の半固形物用容器1に貯留した粘調な栄養剤をポンプを用いて経腸栄養カテーテルを通じて患者に投与する方法の一例を以下に説明する。
【0039】
容器本体10の下端の流出ポート13に、栄養剤を移送するためのチューブ7(図1参照)の上流側端を接続する。チューブ7の下流側端は、患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテルに接続される。チューブ7には、粘調な栄養剤を半固形物用容器1から吸引し且つ患者に向かって圧送するためのポンプが設けられる。ポンプとしては、特に制限はないが、例えばチューブ7をしごく動作を行うものを使用できる。しごく動作は手動式又はモータ等の動力源を用いた機械式のいずれであってもよい。
【0040】
流出ポート13を下側にして容器本体10を保持した状態で、容器本体10内に所定量の栄養剤を注入する。次いで、容器本体10内にフロート部材20を挿入する。図4はこの状態を示した断面図である。図示したように、フロート部材20は、栄養剤99の上面に浮かんでいる。このとき、フロート部材20を下方に軽く押さえるなどして、フロート本体21の下面23のほぼ全面を栄養剤99に密着させることが好ましい。
【0041】
次いで、ポンプを駆動して、容器本体10内の栄養剤99を流出口14を通じて吸引する。栄養剤99が流出口14より流出するにしたがってフロート部材20は下降する。栄養剤99の残量が少なくなっても、図5に示すようにフロート本体21の下面23のほぼ全面は栄養剤99に密着し続ける。フロート本体21の下面23と栄養剤99とが密着している限り、栄養剤99に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されることはない。
【0042】
栄養剤99の残量が更に少なくなると、図6に示すようにフロート本体21の下面23と容器本体10の底板12の内面とが接触する。容器本体10内には栄養剤99はほとんど残っていない。フロート本体21の下面23が容器本体10の底板12の内面に沿った形状を有していると、両者の隙間が小さくなるので、容器本体10内の栄養剤99の残存量を更に少なくすることができる。栄養剤99の残存量は、フロート本体21の上方から、または、容器本体10の側方から視認することができる。この段階でポンプを停止し、患者への栄養剤99の投与が終了する。
【0043】
以上のように、本実施形態1では、容器本体10内に栄養剤99等の半固形物を注入したのち、半固形物上にフロート部材20を浮かべるという極めて簡単な手法により、容器本体10内の半固形物に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されるのを防止することができる。したがって、容器本体10内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【0044】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係る半固形物用容器2の概略構成を示した斜視図である。本実施形態2の半固形物用容器2は、容器本体10とフロート部材30とを備える。半固形物用容器2は図7に示す向きに使用される。
【0045】
本実施形態2の半固形物用容器2は、容器本体10に関しては実施形態1の半固形物用容器1と同じである。従って、実施形態1との相違点であるフロート部材30を中心に本実施形態2を説明する。
【0046】
フロート部材30は、フロート本体31と取っ手39とからなる。
【0047】
図8Aはフロート本体31の上面図である。図8Bは図8Aの8B−8B線に沿ったフロート本体31の断面図である。フロート本体31は、シート32と、シート32の上面に設けられた円環状のリブ(畝状の隆起)33とを備える。シート32は、変形可能且つ柔軟な略円形のシートであり、その外径は容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きいことが好ましい。シート32の厚さは、特に制限はないが1mm以上、更には2mm以上であることが好ましい。シート32がこれより薄いと、たとえリブ33を設けたとしても、容器本体10内の半固形物の残存量が少なくなったときに、閉じた傘のようにフロート本体31が変形して流出口14に吸い込まれてしまうことがある。
【0048】
リブ33は、シート32に一体化され、シート32が折れ曲がったり、過度に変形したりするのを防止する。また、リブ33がシート32の上面に円環状に形成されていることにより、フロート部材30を半固形物上に載置したときに、半固形物がシート32の上面にリブ33を乗り越えて浸入する可能性を低減するので、フロート部材30が半固形物中に沈むのを防ぐ。図8A及び図8Bでは、リブ33は、シート32の外周端縁32aから僅かに後退した位置に設けられているが、シート32の外周端縁32aに沿って設けられていてもよい。リブ33の外径は、容器本体10の筒状部11の内径より小さいことが好ましい。また、半固形物の密度やフロート部材30の重量などの条件よりフロート部材30が半固形物中に沈む可能性が低いと判断される場合には、リブ33は円環状である必要はなく、例えばシート32の中心から放射状に(例えばX字状に)延びていてもよい。
【0049】
フロート本体31は、柔軟で可撓性を有する材料からなることが好ましい。例えば、ブチルゴム、ポリ塩化ビニル、各種エラストマなどを用いてシート32とリブ33とを一体に成形することができる。フロート本体31は、その下側の半固形物の状態や残量を上方から目視可能なように、透明又は半透明であることが好ましい。なお、本実施形態2ではシート32とリブ33とを同一材料で一体に形成しているが、両者を別材料で形成してもよい。例えば、シート32をブチルゴム、ポリ塩化ビニル、各種エラストマなどの柔軟な材料で形成し、リブ33をポリプロピレン、ポリカーボネートなどの形状保持性を有する材料で形成してもよい。
【0050】
リブ33の上面には、取っ手39を取り付けるための一対の孔35が形成されている。一対の孔35に図7に示すように取っ手39の両端を挿入して接着、融着等により取っ手39をフロート本体31に一体化させる。本実施形態では取っ手39は塩化ビニル等からなる柔軟な中空チューブを用いている。
【0051】
以上のように構成された本実施形態2の半固形物用容器2に貯留した粘調な栄養剤をポンプを用いて経腸栄養カテーテルを通じて患者に投与する方法の一例を以下に説明する。
【0052】
実施形態1と同様に、容器本体10の下端の流出ポート13に、栄養剤を移送するためのチューブ7(図7参照)の上流側端を接続する。チューブ7の下流側端は、患者の体内に挿入された経腸栄養カテーテルに接続される。チューブ7には、粘調な栄養剤を半固形物用容器1から吸引し且つ患者に向かって圧送するためのポンプが設けられる。
【0053】
流出ポート13を下側にして容器本体10を保持した状態で、容器本体10内に所定量の栄養剤を注入する。次いで、容器本体10内にフロート部材30を挿入する。図9はこの状態を示した断面図である。図示したように、フロート部材30は、栄養剤99の上面に浮かんでいる。このとき、フロート部材30を下方に軽く押さえるなどして、フロート本体31のシート32の下面のほぼ全面を栄養剤99に密着させることが好ましい。シート32の外径が容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きいので、シート32の外周端縁32aが筒状部11の内周面に接触し上方に僅かに屈曲している。これにより、シート32の上面に栄養剤99が浸入するのを防止できる。
【0054】
次いで、ポンプを駆動して、容器本体10内の栄養剤99を流出口14を通じて吸引する。栄養剤99が流出口14より流出するにしたがってフロート部材30は下降する。このとき、シート32の外周端縁32aが容器本体10の筒状部11の内周面上を摺動し、当該内周面に付着した栄養剤99を掻き取る。したがって、内周面に付着して容器本体10内に残存ずる栄養剤99の量を低減することができる。
【0055】
栄養剤99の残量が少なくなると、図10に示すようにシート32が容器本体10の底板12に接触し、その外周端縁32aが底板12の内面形状に応じて変形する。この状態でも、フロート本体31の下面のほぼ全面は栄養剤99に密着し続ける。フロート本体31の下面と栄養剤99とが密着している限り、栄養剤99に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されることはない。
【0056】
栄養剤99の残量が更に少なくなると、図11に示すように、シート32の外周端縁32aが容器本体10の底板12の内面に密着する。更に、シート32のリブ33よりも内側の部分が流出口14に吸い込まれ、好ましくは容器本体10の底板12の内面に密着するように伸び変形する。容器本体10内には栄養剤99はほとんど残っていない。栄養剤99の残存量は、フロート本体31の上方から、または、容器本体10の側方から視認することができる。この段階でポンプを停止し、患者への栄養剤99の投与が終了する。
【0057】
以上のように、本実施形態2では、容器本体10内に栄養剤99等の半固形物を注入したのち、半固形物上にフロート部材30を浮かべるという極めて簡単な手法により、容器本体10内の半固形物に流出口14に通じる空気の流通路(図12の流通路95)が形成されるのを防止することができる。したがって、容器本体10内の半固形物をほぼ全量吸い出すことができ、半固形物の残存量を少なくすることができる。
【0058】
上記の実施形態2では、シート32の外径は容器本体10の筒状部11の内径より僅かに大きかったが、本発明はこれに限定されず、シート32の外径は筒状部11の内径と同じか、またはこれより小さくてもよい。
【0059】
上記の実施形態1,2は例示に過ぎず、本発明は種々に変更することができる。
【0060】
上記の実施形態1,2では容器本体10の流出ポート13をチューブ7に挿入することで流出ポート13とチューブ7とを接続したが、流出ポート13とチューブ7との接続形式はこれに限定されない。例えば、チューブ7の上流側端に雌コネクタを取り付け、この雌コネクタを流出ポート13に接続してもよい。このとき、雌コネクタ及び流出ポート13として公知の形状のものを用いることができる。
【0061】
上記の実施形態1,2では流出ポート13とチューブ7とが着脱可能であったが、流出ポートとチューブとが取り外しできないように一体化されていてもよい。流出ポートとチューブとの一体化の方法は、特に制限はなく、例えば融着、接着等を用いることができる。
【0062】
フロート部材が備える取っ手の形状、材質、取り付け位置、取り付け方法などは上記に限定されず、任意に変更可能である。例えば、フロート本体の上面の中央に立設したポール状の取っ手であってもよい。取っ手は、軽量化するために、中空体であることが好ましい。
【0063】
上記の実施形態1,2では、容器本体の筒状部の内周面及びフロート部材の外周面の上方から見た形状はいずれも円形であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、四角形、六角形などの多角形や楕円形などであってもよい。但し、フロート部材が容器本体内で自由に上下動することができ、また、半固形物に空気の流通路が形成されるのを確実に防止するために、両者は相似形又は少なくとも一方は円形であることが好ましい。容器本体の筒状部の内径は、上記の実施形態1,2のように上下方向位置にかかわらず一定である必要はなく、例えばテーパ状に上側に比べて下側で内径が僅かに小さくなっていてもよい。
【0064】
実施形態1に示した形状保持性を有するフロート本体21の外周面に、実施形態2に示したシート32と同じ材料からなる柔軟なシートを全周にわたって突出して設けてもよい。これにより、シート32の外周端縁32aと同様に、フロート本体21が下降するとき、当該シートが容器本体10の筒状部11の内周面上を摺動し、内周面に付着した半固形物を掻き取ることができる。また、フロート本体21が半固形物中に沈む可能性を更に低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の利用分野は特に制限はないが、半固形化された又は粘調な流動物をポンプを用いて吸引・圧送する際に、ポンプの上流側に配置されて、当該流動物を一時的に貯留するための容器として好ましく利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1,2 半固形物用容器
10 容器本体
11 筒状部
12 底板
13 流出ポート
14 流出口
20,30 フロート部材
21,31 フロート本体
22 柱状部
23 フロート本体の下面
24 肉盗み
25,35 孔
29,39 取っ手
32 シート
32a シートの外周端縁
33 リブ
99 栄養剤(半固形物)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状保持性を有する材料からなる容器本体と、フロート部材とを備え、
前記容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口が形成された底板を有し、
前記フロート部材は、前記容器本体内で上下動可能であることを特徴とする半固形物用容器。
【請求項2】
前記フロート部材の下面が、前記容器本体の前記底板の内面形状にほぼ沿った形状を有する請求項1に記載の半固形物用容器。
【請求項3】
前記フロート部材の下面の少なくとも一部が、変形可能な柔軟なシートで構成されている請求項1に記載の半固形物用容器。
【請求項4】
前記シートの上面に環状のリブが設けられている請求項3に記載の半固形物用容器。
【請求項5】
前記フロート部材は、前記容器本体内に収納された半固形物上に浮かぶことができる請求項1〜4のいずれかに記載の半固形物用容器。
【請求項6】
前記フロート部材は、その上面側に取っ手を有する請求項1〜5のいずれかに記載の半固形物用容器。
【請求項7】
前記フロート部材は、透明又は半透明な材料からなる請求項1〜6のいずれかに記載の半固形物用容器。
【請求項1】
形状保持性を有する材料からなる容器本体と、フロート部材とを備え、
前記容器本体は、上端が開口し、下端に半固形物が流出する流出口が形成された底板を有し、
前記フロート部材は、前記容器本体内で上下動可能であることを特徴とする半固形物用容器。
【請求項2】
前記フロート部材の下面が、前記容器本体の前記底板の内面形状にほぼ沿った形状を有する請求項1に記載の半固形物用容器。
【請求項3】
前記フロート部材の下面の少なくとも一部が、変形可能な柔軟なシートで構成されている請求項1に記載の半固形物用容器。
【請求項4】
前記シートの上面に環状のリブが設けられている請求項3に記載の半固形物用容器。
【請求項5】
前記フロート部材は、前記容器本体内に収納された半固形物上に浮かぶことができる請求項1〜4のいずれかに記載の半固形物用容器。
【請求項6】
前記フロート部材は、その上面側に取っ手を有する請求項1〜5のいずれかに記載の半固形物用容器。
【請求項7】
前記フロート部材は、透明又は半透明な材料からなる請求項1〜6のいずれかに記載の半固形物用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−62239(P2011−62239A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213076(P2009−213076)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】
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