説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の製造方法において、ヒューズ素子の製造を安定して行えるようにする
【解決手段】ヒューズ素子103と配線層106とをコンタクト窓105を通じて接続し、保護膜107の開口後この開口部108をマスクとして配線層106をエッチング除去する
【効果】ヒューズ素子上部に開口部を設ける際、ヒューズ素子そのものがエッチング除去されてしまうのを防止して、安定して製造することが可能になった

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路の素子の1部にヒューズ素子を有する半導体装置の製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の進歩に伴い、回路特性に要求される精度はますます厳しくなってきている半導体集積回路は通常製造工程数は100を越え、中には200〜300というものも珍しくないそのような中では、各工程のバラツキが出来上がった素子のバラツキに影響し、通常の製造工程だけでは所望の精度を得ようとすることが困難になりつつあるこの場合、特に高精度を保証するために、ヒューズ素子をあらかじめ何個か半導体装置上に設けておき、そのうちの任意の個数を過電流を流すことにより溶断して回路定数を合わせ込む方法が取られれている従来のヒューズ素子の断面図を図3に示す半導体基板301の上に第1の層間絶縁膜302を形成し、その上部に例えば多結晶シリコンによりヒューズ素子303を形成するその後第2の層間絶縁膜304、第3の層間絶縁膜305、保護膜306を形成する従来のヒューズ素子においては電流により溶断しやすいようにヒューズ素子上部に開口部を設ける図3はヒューズ素子上部の第3の層間絶縁膜305と保護膜306に開口部307を設け、保護膜306の開口の際、オーバーエッチにより第2の層間絶縁膜304が一部エッチングされている状態を示している
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術においては保護膜及び層間絶縁膜両方の膜に開口するため、各々の膜厚のバラツキ、各々のエッチングレートのバラツキが存在し、ヒューズ上部の残膜厚のバラツキにつながるたとえば、第2の層間絶縁膜4の膜厚が薄めの場合、上記2回のオーバーエッチのバラツキ、また、保護膜6の膜厚のバラツキによっては第2の層間絶縁膜4が全てエッチング除去される可能性があり、その場合、ヒューズ素子そのものがエッチング除去されてしまうことが起こり、結果として歩留まりの低下につながるまた、それを避けるために第1、第2の層間絶縁膜は開口せず保護膜のみを開口すると、ヒューズ素子上部の残膜厚が厚くなりすぎヒューズが溶断出来ず、この場合も結果として歩留まりが低下するという問題点を有する
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体装置の製造方法は第1の層間絶縁膜上に形成されたヒューズ素子上に第2の層間絶縁膜を形成し、第2の層間絶縁膜のヒューズ素子部にコンタクト窓を形成し、第2の層間絶縁膜とコンタクト窓上に第1の配線層を形成して第1の配線層とヒューズ素子とを接続した後、保護膜を形成し、ヒューズ素子上の第1の配線層部に保護膜の窓を形成し、保護膜の窓をマスクとしてヒューズ素子上の第1の配線層をエッチング除去する工程を含む
【0005】
【作用】以上説明した本発明の半導体装置の製造方法によれば、ヒューズ素子と第1の配線層が接続され、その後保護膜の形成と開口とが行われるため第1の配線層が保護膜の開口の際のエッチングバリアとなるその結果、保護膜の開口の際ヒューズ素子そのものがエッチング除去されるということはなくなるまた、その後保護膜の開口をマスクとして第1の配線層をエッチング除去するのでヒューズ素子上に第2の層間絶縁膜と保護膜が残らない開口部が形成されるヒューズが溶断する際には溶けたヒューズ素子が周辺に飛ぶので、開口部があることでヒューズ素子が飛びやすくなりヒューズの溶断が安定するその結果、歩留まりが安定する
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について図面を参照して説明する図1は本発明の一実施例を示す半導体装置の製造工程断面図である図1(a)に示すように半導体基板101上に第1の層間絶縁膜102を形成し、その後例えば多結晶シリコンでヒューズ素子103を形成するその後、図1(b)に示すようにヒューズ素子103を第2の層間絶縁膜104で被覆し、ヒューズ素子の幅より小さいコンタクト窓105を開けるその後第1の配線層106を例えばアルミニウムで形成してヒューズ素子103と接続する次に図1(c)に示すように第2の層間絶縁膜104と第1の配線層106を保護膜107で被覆し、保護膜107に第1の配線層106より幅の小さな開口部108を形成する次に図1(d)に示すように開口部108をマスクとしてヒューズ素子と接続した第1の配線層106をエッチング除去するこの実施例の場合、保護膜の開口部108をマスクとして第1の配線層106をエッチング除去する際ウェットエッチング液により配線層を除去すれば、ヒューズ素子が多結晶シリコンの場合、ヒューズ素子はエッチングせずに配線層のみをエッチングすることができるので、ヒューズ素子形成をより安定させることができる上記実施例においては配線層が1層のみの半導体装置について説明したが、本発明は第2の配線層を持つ多層配線構造の半導体装置についても応用可能である以下、図面を参照して多層配線構造の半導体装置について本発明の一実施例を説明する図2はこの実施例を示す製造工程断面図である図2(a)は第1の配線層206をヒューズ素子203と接続した後の図で、製造工程では図1(b)と同じ段階での図であるすなわち、201は半導体基板、202は第1の層間絶縁膜、204は第2の層間絶縁膜、205は第2の層間絶縁膜に開けられたコンタクト窓を示している次に図2(b)に示すように第2の層間絶縁膜204と第1の配線層206を第3の層間絶縁膜207で被覆し、ヒューズ素子の幅より小さい第2のコンタクト窓208をヒューズ素子上に開ける次に図2(c)に示すように第2の配線層209を例えばアルミニウムで形成して第1の配線層206と接続した後、第3の層間絶縁膜207と第2の配線層209を保護膜210で被覆し、保護膜210に第2の配線層209より幅の小さな開口部211を形成する次に図2(d)に示すようにヒューズ素子と接続した第1の配線層206と第1の配線層206と接続した第2の配線層209とを共に開口部211をマスクとしてエッチング除去する以上配線層が1層の場合と2層の場合について説明したが、配線層が3層以上ある半導体装置にも本発明を応用してヒューズ素子を形成することはもちろん可能である
【0007】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれば、ヒューズ素子と配線層とを接続後、配線層上の層間絶縁膜や保護膜に開口部を設け、その開口部をマスクとしてヒューズ素子と接続した配線層をエッチング除去するため、保護膜の開口の際ヒューズ素子がエッチングされることなくヒューズ素子上に開口部が形成されるこの開口があることで電流によるヒューズの溶断が安定し、結果として歩留まり向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における半導体装置の製造方法をしめす製造工程断面図。
【図2】本発明のもう1つの実施例における半導体装置の製造方法をしめす製造工程断面図
【図3】従来のヒューズ素子の断面図。
【符号の説明】
101、201、301・・・半導体基板
102、202、302・・・第1の層間絶縁膜
103、203、303・・・ヒューズ素子
104、204、304・・・第2の層間絶縁膜
105、205・・・コンタクト窓
106、206・・・第1の配線層
107・・・保護膜
108・・・保護膜の開口部
207・・・第3の層間絶縁膜
208・・・第2のコンタクト窓
209・・・第2の配線層
210・・・保護膜
211・・・保護膜の開口部
305・・・第3の層間絶縁膜
306・・・保護膜
307・・・保護膜の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】ヒューズ素子の製造方法において、第1の層間絶縁膜上に形成されたヒューズ素子上に第2の層間絶縁膜を形成し、第2の層間絶縁膜のヒューズ素子部にコンタクト窓を形成し、第2の層間絶縁膜とコンタクト窓上に第1の配線層を形成して第1の配線層とヒューズ素子とを接続した後、保護膜を形成し、ヒューズ素子上の第1の配線層部に保護膜の窓を形成し、保護膜の窓をマスクとしてヒューズ素子上の第1の配線層をエッチング除去することを特徴とする半導体装置の製造方法

【図3】
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【図1】
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【図2】
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