説明

半径方向に小型のNMRフローセルアセンブリ

【課題】サンプル液体と接着剤とが接触しないフローセルアセンブリを提供する。
【解決手段】NMRフローセルアセンブリ22は、サンプルを保持するためのフローセル26と、このフローセルに対して流体的にアクセスできるようにする入口および出口サンプル管と、フローセル26に対して入口および出口サンプル管30a、30bを接続する1対のコネクター32a、32bとを含む。コネクターはそれぞれ接着剤の領域によってフローセルに固定されている。接着剤の領域は環状の接着剤隔離障壁によってフローセルの内部から隔離されており、この隔離障壁は、フローセルと前記各1対のコネクターとの間に延びている。該障壁はOリング52a、またはフローセル壁の形成されている隆起152aによって形成されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して核磁気共鳴(NMR)分光法、特にNMRフローセルアセンブリおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴(NMR)分光計は、通常は静磁場B0を生成するための超伝導磁石、およびこの磁石のボア(穴)の内部に位置しているNMRプローブを含む。このNMRプローブは1個以上の特殊目的の(高周波(RF))コイルを含んでおり、これが対象のサンプルに対して経時的に変動する静磁場B0に垂直な磁界B1を印加し、この印加した磁界に対するサンプルのレスポンスを検出する。対象とするサンプルは、通常はサンプルチューブまたはフローセルの中に保持されている。サンプルチューブまたはフローセルを、NMRプローブのアクセスボアの内部に位置させ、サンプルが静磁場の中心、またはその中心部の近くに位置するようにこのプローブを磁石へ差し込む。NMRプローブアクセスボアを介してサンプルチューブまたはフローセルに沿って所定温度の空気を流すことにより、サンプル温度を制御することができる。
【0003】
NMRプローブおよび関連するフローセルの設計は、通常は空間的な制約を受ける。高分解能NMR磁石のアクセスボアは、内径が数cm(たとえば45mm)程度、および長さが1メートル程度である。NMRプローブ内では、通常内部アクセスボアは内径が約1cm以下であり、長さは磁石のアクセスボアの長さになる。ある商用装置の一例では、NMRプローブアクセスボアは長さ0.75m、および直径1cm未満である。通常は、フローセルとRFコイルとの間の距離を最小限にすることは望ましいが、これは、NMR測定の品質が、コイル充填率、またはサンプルが占めるコイル容量の画分と直接関連するからである。同時に、サンプル温度を制御するために気流を使用する場合には、フローセルとプローブ内壁との間に空気の流路を提供するために十分な空間を残さなければならない。
【0004】
NMRプローブ内で通常利用可能な狭い空間においては、サンプル入口および出口管にフローセルを接続すると、設計に大幅な障害が起こる場合がある。Haner等の下記特許文献1に、サンプル管にフローセルを接続する1つの手法が記述されている。ある貫通NMRプローブが、圧縮式取り付け器具を使用するサンプル管に連結された交換可能なNMRフローセルを備えている。Haner等が記述している連結部は不活性であり、サンプルと化学的に反応しない。同時に、このフロー管アセンブリはフローセル自体の直径より実質的に大きい直径を有することができる。
【0005】
下記非特許文献1においては、フローセルを入口および出口管にエポキシ樹脂で固定するフローセルアセンブリについて記述されている。下記非特許文献1の図2の中のその結果得られるアセンブリの外径は、ほぼフローセル直径によって規定される。同時に、下記非特許文献1によれば、少なくとも、それらのセルのうちのいくつかについては、材料と溶媒との間の相溶性が深刻な問題として残り、また使用しているエポキシ系接着剤は理想的ではない。
【0006】
下記特許文献2において、Hoffmann等は、NMR分光法のための貫通型サンプルヘッドについて記述している。この部品は、NMR容器(すなわち交換可能な石英セル(キュベット))と、円筒状のガラスケースと、カバーと、基部とで構成されており、下記特許文献2の図2−Aに示されているように、これらは単一の締付け装置と共に締付けることができる。
【特許文献1】米国特許第6,177,798号明細書
【特許文献2】米国特許第5,258,712号明細書
【非特許文献1】Barjat外、"Adaptation of Commercial 500 MHz Probes for LCNMR," Journal of Magnetic Resonance A, 1996, 119, p.115-119
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2の系の石英セルを交換するためには、エンドユーザは、締付け装置、および蓋と基部との間の空間に対してアクセスして、古いセルを取り出し、カバーと基部との間に新規のセルを配置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態においては、本発明では、核磁気共鳴サンプルを保持するための核磁気共鳴フローセルアセンブリを提供する。該アセンブリは、核磁気共鳴サンプルを保持するためのフローセルと、該フローセルに対して流体的にアクセスができるような入口および出口サンプルフロー管と、1対のコネクターであってフローセルに入口サンプルフロー管を接続するための第1のコネクターおよびフローセルに出口サンプルフロー管を接続するための第2のコネクターを含む1対のコネクターとを備えている。前記1対のコネクターの各々は、接着剤領域によってフローセルに固定されており、該接着剤領域は、1対のコネクターの各々とフローセルとの間に延びている環状の接着剤隔離壁によってフローセルの内部から隔離されている。
【0009】
他の実施形態においては、本発明は核磁気共鳴サンプルを保持するために核磁気共鳴フローセルアセンブリを提供する。該アセンブリは、核磁気共鳴サンプルを保持するためのフローセルと、フローセルに対して流体的にアクセスできるようにするサンプルフロー管と、サンプルフロー管をフローセルに流体的に接続するためのコネクターと、フローセルの横断端面とコネクターの横断表面との間に位置するシーリング障壁とを備えている。このコネクターは、フローセルの端部に適合するように寸法を合わせたフローセルコネクターボアを含んでいる。フローセルにはこのフローセルの外側面に沿って第1の螺旋ねじ山が設けられている。このコネクターは、フローセルにコネクターを取り付けるために、第1の螺旋ねじ山と整合する第2の螺旋ねじ山を有している。シーリング障壁はフローセルとコネクターとをねじ締めする場合に、フローセルとコネクターとの間で締めつけられ、フローセルとコネクターとの間のインターフェースを密閉する。
【0010】
本発明の前述の実施形態および利点は、以下の詳細な記述および、図面を参照することにより一層よく理解されるようになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の説明では、1セットの構成要素は1つ以上の構成要素を含んでいる。ある構成部品に対する参照は、いかなるものも1つ以上の構成要素を包含するとする。サンプルに対して核磁気測定を行なうためにあるコイルを使用するという記述があれば、それはそのコイルは発信、受信、またはその双方として使用されるものと理解されたい。横断表面はフローセルアセンブリによって規定された長手方向の軸に垂直である必要はなく、横断成分を有するテーパー面を含んでいてもよいものとする。
【0012】
以下の説明は、発明の実施形態を示すものであるが、これらは例として用いるものであり必ずしも限定を意図していない。
NMRプローブの中には、組み合わせるフローセルアセンブリの設計に特に過酷な制約を課するものがある。たとえば、ある一例の極低温に冷却されるプローブ設計では、標準室温プローブボアの直径の半分のプローブボアを使用する。さらに、低温プローブはフローセルを交換するに際し、磁石から容易に除去できないかもしれない。そこで、この種のプローブは、プローブを磁石内に保持している状態で、フローセルアセンブリを交換するのが好ましいことになる。通常は、室温プローブはそのプローブが作業台上にあるうちに、フローセルアセンブリが容易に交換できるようにエンドユーザが磁石から取り出すことができる。
【0013】
上で参照した特許文献1の中でHaner等が触れている従来の圧縮方式取り付け器具は、あるNMRプローブの内部のボアの中に入れる(適合させる)ことができない。圧縮方式取り付け器具の寸法を単に縮小するだけでは、狭いプローブボアの中でコネクターを使用できるようにはならないことがわかった。取り付け器具寸法を縮小すると、取り付け器具によって達成されているシールを弱めることになるかもしれず、サンプルが連結部から漏れることもあり得る。シールが弱まると、比較的高いサンプル圧力が必要な用途において特に不適当であることがある。
【0014】
これまで述べた接着剤を用いる連結手法は、また望ましくない問題を惹起することがわかった。サンプルとの接触によってエポキシ樹脂が膨潤するため、Barjat等が述べている従来の接着剤を用いるアセンブリ設計は使用可能期間が短く、商用の用途では受け入れがたいものである。さらに、エポキシ樹脂とサンプルとの間の接触によって、分析サンプルおよび洗浄溶媒が化学的に汚染される結果を招くことがある。
【0015】
以下に述べる好ましいフローセルアセンブリ構成では、NMRフローセルと関連するサンプル管との間において、半径方向に小型であり、長い耐用年数を有し、高度なシール力を有する連結部を提供でき、分析用サンプルおよび洗浄溶媒を深刻な汚染の危険にさらすことがない。本フローセルアセンブリは、このプローブをNMR分光計磁石の中に保持している状態で、エンドユーザがNMRプローブ中央ボアを介して交換できる。本発明の好ましいフローセルアセンブリは、空間的に強い制限を受けかつ/またはアクセスするのに制限を受ける用途、および高圧用途に特に適している。
【0016】
図1は、本発明の実施形態による例示的な核磁気共鳴(NMR)分光計12を示す概略図である。分光計12は、磁石16と、磁石16の円筒穴中に挿入されたNMRプローブ20と、磁石16およびプローブ20に電気的に接続された制御/取得系18とを含む。磁石16はアクセス/案内管27aを含んでおり、それによって磁石16の上部からのNMRプローブ20に対してアクセスできるようになっている。プローブ20は1つ以上の高周波(RF)コイル24を含んでいる。フローセルアセンブリ22は、プローブ20内に位置させて、サンプルを測定している間、1つ以上のコイル24内で対象NMRサンプルを保持する。フローセルアセンブリ22は、フローセル26と、フローセル26の入口端に流体的に接続されたサンプル入口管30bと、フローセル26の出口端に流体的に接続されたサンプル出口管30aとを含む。サンプル入口管30bは、液体クロマトグラフィー(LC)装置または他のこれまで知られているサンプル源に接続されていてもよい。図の形態では、サンプル出口管30aは、サンプル入口管30bに対して逆側でプローブ20からアクセスチューブ27aを通って外へ延びている。サンプル出口管は、またプローブ20を介して下後方へ延びていてもよい。
【0017】
上部サポートディスク25aおよび下部サポートディスク25bは、プローブ20内で、フローセルアセンブリ22、1つ以上のコイル24、および関連する構成部品を保持するのに使用する。2つの案内管27aおよび27bをディスク25aおよび25bの反対側に配置し、プローブ20の中へ、およびそのプローブ20から、プローブアセンブリ22を挿入したり、取り出したりすることができるようにする。フローセルアセンブリ22は、サポートディスク25aおよび25bの中に規定されている中央のアパーチャを通して、プローブ20に対して上部より挿入したり、取り出したりできる。エンドユーザは、NMRプローブがNMR磁石の中に位置しているうちに、中央のNMRプローブボアを介してフローセルアセンブリ22を交換することができる。この方法では、エンドユーザは上側からフローセルアセンブリ22を挿入し取り出す。代替方法においては、エンドユーザは上側および/または下側からフローセルアセンブリを挿入および/または除去できる。
【0018】
測定を行なうためには、入口管30bを通して、サンプルがフローセル26の中へ挿入される。磁石16は、フローセル26内で保持されているサンプルに静磁場B0を印加する。制御/取得系18は、必要な無線周波パルスをプローブ20に印加し、かつプローブ20内のサンプルの核磁気共鳴特性を示すデータを取得するように構成された電子構成部品を含む。コイル24はサンプルに高周波磁場B1を印加するためにおよび/または印加磁界に対するサンプルの応答を測定するために使用する。RF磁界は前記静磁場に垂直とする。RF磁界の印加、および印加磁界に対するサンプル応答の測定の双方のために同じコイルを使用してもよい。あるいは、1つのコイルはRF磁場の印加のために使用し、かつ他のコイルを印加磁界に対するサンプルの応答を測定するために使用してもよい。一旦必要なNMRデータを収集したら、サンプルは入口管30b、または出口管30aのいずれかを通してフローセル26から取り出す。洗浄(フラッシング)用の溶媒を管30aおよび30bとフローセル26とに流して、他のNMRサンプルが挿入される前に、フローセルアセンブリ22を掃除する。
【0019】
図2−Aは、本発明の実施形態によるフローセルアセンブリ22の等角図であり、図2−Bは、フローセルアセンブリ22の相互接続部分のフローセル26と出口管30aとの間のインターフェースにおける縦方向の断面図である。図2−B中に示すものと同様な接続構成を、フローセル26と入口管30bとの間のインターフェースに使用してもよい。フローセル26は、対応するコネクター32aおよび32bを通して、入口および出口サンプル管30aおよび30bに接続されている。コネクター32aおよび32bは、それぞれその外側表面上で縦方向のチャネルを規定して、温度制御ガス(たとえば空気または窒素)がフローセル26に沿って縦に流れられるようにしてもよい。コネクター32aおよび32bの片方または双方は、プローブ20の支持本体にフローセルアセンブリ22を取り付けるために使用できる。たとえば、コネクター32aおよび32bは、図1に示す上部サポートディスク25aによって規定された、適合するテーパーを有する表面(たとえば、截頭錐体)に載せてもよい。
【0020】
図2−Bに示すように、フローセル26は対象サンプルの保持のために、サンプル保持用のチャンバ33、およびサンプル保持チャンバ33と外部開口36との間にわたるアクセスチャンネル34を規定している。アクセスチャンネル34は、サンプル保持チャンバ33より内径が小さい。その末端でフローセル26の壁が厚くなっているので、フローセル26の機械的安定性が増すことになる。出口コネクター32aは、フローセル26に出口管30aを流体的に接続している。コネクター32aは、円筒状のフローセルコネクターボア40を囲む側面の壁と、円筒状のサンプル管コネクターボア44と、2つの逆向きのボア40および42を隔離する環状ブロック46とを有する。フローセルコネクターボア40はフローセル26の端部に適合するように寸法を合わせられており、一方サンプル管コネクターボア44は、出口管30aの端部に適合するように寸法を合わせられている。環状ブロック46には、それを通って延びる中央の縦方向のアパーチャ48があり、これがサンプル流体の流路となる。
【0021】
フローセル26は、フローセル26の外側表面とコネクターボア40の内部表面との間に介在している封入接着剤50によってコネクター32aに固定されている。接着剤50は、フローセル26の外側表面からコネクターボア40の内部表面に達する2つの環状の横断障壁によって、縦方向の両端部で仕切られている。環状の障壁は、Oリング52aおよび52bによって形成するのが好ましい。コネクターボア40の内部表面に沿ってコネクター32aに形成された対応する環状のカウンターボア(溝)53aおよび53bの内に、Oリング52aおよび52bが部分的に封入されている。カウンターボア53aおよび53bの深さ(Oリング52aおよび52bの封入されている半径方向の範囲)は、Oリング52aおよび52bの断面積の1/4と3/4との間にあることが好ましい。内部Oリング52aは、フローセル26を介して流れるサンプル液体から接着剤50を隔離する働きをする。外部Oリング52bは、サンプル液体とフローセル26の外部との間で付加的な障壁になり、またコネクター32aにフローセル26を取り付けるプロセス中に、コネクターボア40内でフローセル26を中心に据える働きをする。Oリング52bの外部に接着剤51が追加されており、コネクター32aに対してフローセル26がさらに確実に取り付けられている。
【0022】
同様に、管30aは、管30の外側表面とコネクターボア42の内部表面との間に入れる封入接着剤60によってコネクター32aに固定されている。接着剤60は、Oリング62aおよび62bによって縦方向の両末端部で封入されている。Oリング62aおよび62bは、コネクターボア44の内部表面に沿ってコネクター32aに形成された対応する環状のカウンターボア63aおよび63bの内に部分的に封入されている。接着剤61がOリング62bの外部に追加されている。この構成は、入口および出口コネクターの32aおよび32bの片方または双方に使用してもよい。
【0023】
フローセル26は、石英またはホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、サファイア、セラミクス、高機能プラスチック等のNMRに適合する材料で製作されていることが好ましい。管30aおよび30bは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、またはテフロン(登録商標))または融解石英等の柔軟なLCに適合した材料で製作されていることが好ましい。管30aおよび30bもステンレス鋼のような剛性材料で製作されていてもよい。コネクター32aおよび32bは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE、またはKel−F(登録商標))または他のLCに適合した材料で製作されていてもよい。コネクター32に対してフローセル26ならびに管30aおよび30bに固定するために使用する接着剤は、エポキシ系接着剤等の二液型接着剤が使用でき、たとえばEPON(登録商標)高機能エポキシがある。Oリング52aおよび52b(62aおよび62b)は、不活性な非吸収材料で製作されていてもよく、例としてはSimriz(登録商標)等のフルオロカーボン/過フルオロエラストマーがある。
【0024】
フローセル26と、管30aおよび30bとコネクター32との寸法は、予見できる特定のNMR用途に従って選択することができる。例示的な形態としては、フローセル26は外径が約2mm〜5mm、末端の内径が約0.5mm〜1mm、長さが10cm〜20cmであってもよい。管30は外径が約1mm〜3mmで、内径が0.1mm〜0.5mmであってもよい。コネクター32は、外部壁厚さが0.25mm〜2.5mmであってもよく、縦方向の長さが2.5mm〜75mmであってもよい。接着剤によって被覆される縦方向の長さは5mm〜40mmであってもよい。Oリング52a、52b、62aおよび62bは、横断面が1mm〜2mm程度であってもよく、内径は0.5mm〜3mm程度であってもよい。
【0025】
フローセルアセンブリ22はプローブ20の外部で組み立ててもよく、それにはOリング52aおよび52bとOリング62aおよび62bとを対応するコネクターボア50および44の中へ挿入し、Oリング52aおよび52bとOリング62aおよび62bとを、対応する環状のカウンターボア53aおよび53bとカウンターボア63aおよび63bとの中へ配置する。接着剤は、内部Oリング52aおよび62aとそれらに対応する外部Oリング52bおよび62bとの間の内部外側面に沿って均一に塗布する。フローセル26と管30aおよび30bとは、Oリング52aおよび52b、ならびにOリング62aおよび62bの内部を通してコネクター32aおよび32bの対応するボアへ挿入する。アセンブリ中には、内部Oリング52aおよび62aが、未硬化の接着剤がコネクターボア40および44の底部部分へ移動しないようにし、一旦、接着剤が硬化したならば、Oリング52a、62aは、フローセル26の中へ挿入されたサンプル流体から接着剤を隔離する働きをするようになる。接着剤が硬化した後、フローセルアセンブリ22を案内管27を通してプローブ20へ挿入し、上部サポートディスク25aおよび/または下部サポートディスク25b(図1中に示す)に対して固定する。次いで、対象サンプルは、入口管30aを通してフローセル26へ挿入し、フローセル26から入口管30bおよび出口管30aのいずれかを通して除去する。洗浄用溶媒を、フローセル26に通してフローセル26を清浄にする。
【0026】
図3−Aに、本発明の他の実施形態によるフローセル126とコネクター132との間のインターフェースを含むフローセルアセンブリ122の一部の縦方向の断面図を示す。コネクター132は、滑りばめでフローセル126を適合させるように寸法を合わせた2セットの放射状の隆起(リッジ)152aおよび152bを含んでいる。隆起152aおよび152bはコネクター132に一体化して製作する、すなわち、単一のモノリシック構造の一部とすることが好ましい。あるいは、隆起152aおよび152bは、コネクター132に固定された1つまたは2つのスリーブの一部として製作してもよい。接着剤150が、フローセル126を、隆起152aおよび152bによって、縦方向に境界のある表面に沿ってコネクター132に結合する。サンプルまたは洗浄用溶媒等の流体と接着剤150との接触を防ぐ障壁として、隆起152aおよび152bが働く。また2組の隆起を使用することにより、コネクター132内でフローセル126を中心に据えることができるようになる。実施形態の一例においては、隆起152aおよび152bの各組は、横断寸法が0.25mm〜1.25mmであってもよく、また、長さ2.5mm〜12.5mmにわたって延びていてもよい。隆起状の接触面は、また上述のように、サンプル入口および/または出口管を固定するために使用する接着剤を隔離するために使用してもよい。上述のように位置する接着剤を隔離する隆起は、コネクターの内部表面上に製作する隆起の代わりに、またはその隆起に加えて、フローセルおよび/またはサンプル管の外側表面上に製作してもよい。隆起を含む接着剤を隔離する障壁はOリングより製造するのが困難かもしれないが、しかしこれによって、組立工程中にOリングを配置する必要性がなくなるので、フローセルアセンブリを単純化できるようになる。さらに、隆起を使用すると、Oリングを使用するために起こるかもしれないサンプル汚染の可能性を減じることになる。
【0027】
図3−Bは、本発明の別の実施形態によるコネクター232の一部の縦方向の断面図を示す。コネクター232はおおむね放射状の接着剤挿入チャネル255を含んでおり、このチャネル255は、コネクター232の外表面からコネクター232のボアのうちの1つの内表面に達している。コネクター232は、このコネクター232に沿って異なる方位角の位置に配置されたこの種のチャンネルを複数個含んでいてもよい。この種のチャンネルは、コネクター232、すなわちフローセルまたはサンプル管の外側表面と、上述のようにOリングまたは隆起によって形成された放射状の障壁との間に規定された接続空隙内に接着剤を注入するために使用できる。典型的な実例では、チャンネル255の直径は約0.25mm〜1.25mmである。
【0028】
図3−Cは、接着剤リザーバとして働く環状のカウンターボア(溝)355があるコネクター332を示す。このカウンターボア355は半円形の縦方向の横断面を有する。このカウンターボア355は、コネクター332、フローセルまたはサンプル管の外側表面と、Oリングで形成された放射状の壁または隆起との間で規定された接続空隙に沿って位置している。カウンターボア355は、図3−B中に示すような接着剤挿入チャネルに接続されていてもよい。典型的な実例では、カウンターボア355の深さは、約0.1mm〜1mmであり、たとえば約0.5mmである。適切なカウンターボアは平坦であるよりむしろ螺旋状であってもよい。螺旋状のカウンターボアは、コネクター332の対応するコネクターボアの内のタッピング工具をねじることにより、コネクター332に形成するのが好都合である。環状または螺旋状の接着剤保持カウンターボアによって、コネクター332とその対応するフローセルまたはサンプル管との間で規定される接触面において、ある方位角の部分から、接着剤が完全に押し出されてしまうという危険性が減ずる。このようにしてこの種のカウンターボアを使用すると、コネクター332とフローセルまたはサンプル管との間の一定の確実な連結部を容易に作製することができる。上述のような環状または螺旋状のサンプル保持リザーバは、コネクター332の内部表面に沿ってではなくフローセルまたはサンプル管の外側表面に沿って規定されていてもよい。
【0029】
図4−Aは、本発明の別の実施形態にによるフローセル426とコネクター432との間のインターフェースを含むフローセルアセンブリ422の一部の縦方向の断面図を示す。コネクター432およびフローセル426は、それぞれコネクター432の側面の内部ボア表面と、フローセル426の外側面とに沿って規定される対応する螺旋ねじ山450aおよび450bを有する。コネクター432には、Oリング溝462として働くねじ山のない側面の内部ボア表面の部分がある。コネクター432が、横からフローセル426の縦方向の末端区間に沿ってフローセル426を囲んでいる。フローセル426の端部の横断面に沿って、フローセル426とコネクター432との間にOリング452が配置されている。Oリング452は、フローセル426とコネクター432とをねじで締め付けると両者間で圧縮されることになる。図4−Aでは、圧縮下のOリングを示すが、その横断面は、商用Oリングの典型的な非圧縮時の丸形断面から多少歪んでいる。本実施形態では、非圧縮時のOリング452の外径寸法は、コネクター432のOリング溝462の内壁に密着するように選択し、Oリング452の横位置が組立および圧縮中に著しくずれないようにされている。本実施形態では、非圧縮時のOリング452の内径寸法を圧縮下のその内径寸法がフローセル426の内径寸法とほぼ等しくなるように選択されている。このようにOリング452の内径および外径寸法を選択することにより、フローセル426の内径寸法との重なりによって流体の流れが制限を受けたり封鎖されたりするいかなる可能性をも減じることができる。さらに、Oリング452の内径寸法をこのように選択することにより、コネクター432とフローセル426との間の軸方向の隙間472の容積を最小限にできることになる。Oリング452の内径および外径寸法を最適に設計することにより、コネクター432およびフローセル426の横断端面に沿ってより強くシールするための最大のコンタクト域が得られる。Oリング452は、それがフローセル426とコネクター432とをねじ止めするときに過度のねじれ力にさらされないように、十分な滑りやすさを有することが好ましい。Oリング452およびフローセル426上のシール力は縦方向に作用する。このようにして、Oリング452によって、フローセル426とコネクター432との間の耐漏れ性を有するシールを確立できる。外側表面ではなく、横断表面に沿ってシールのインターフェースを配置することにより、シールを確立するために必要となる側圧を低減できる。
【0030】
図4−Bは、本発明の別の実施形態によるフローセル526とコネクター532との間のインターフェースを含む、フローセルアセンブリ522の一部の縦方向の断面図を示す。フローセルアセンブリ522は、Oリング452の代わりに、フェルール552を使用しており、フローセルとコネクターとの間の耐漏れ性のシールを設けているという点で、図4−Aに示すアセンブリ452と異なっている。フェルール552およびフローセル526に対して働くシール力には、縦方向の成分および横断方向外部に向く成分がある。フェルール552に適する材料の例としては、Tefzel(登録商標)、PEEK、Kel−F(登録商標)、PTFEが挙げられる。一実施形態の例では、フェルール552は、内径寸法約が2.5mm〜5mm、たとえば3.2mmであり、かつ外径寸法が2.5mm〜12.5mm、たとえば4mmである。フェルールは、Oリングに比較して汚染物質を吸収したり放出する危険性が低い。
【0031】
図4Cは、本発明の別の実施形態によるフローセル626とコネクター632との間にインターフェースを含んでいるフローセルアセンブリ622の一部の縦方向の断面図を示す。サンプル管630は、これまで知られている方法でコネクター632内に固定されている。コネクター632およびフローセル626は、それぞれコネクター632の側面の外表面およびフローセル626の側面の内部ボアに沿って規定される対応する螺旋ねじ山650aおよび650bを有する。フローセル626は、フローセル626の縦方向の末端区間に沿って横からコネクター632を囲んでいる。フェルール652は、横からサンプル管630を囲み、外面の末端にテーパーを有する表面を備えており、この表面はフローセル626の横方向のテーパーを有する内部ボア表面654に対応するようになっている。コネクター632およびフローセル626をねじ締めすると、フェルール652はサンプル管630に対して締めつけられるようになる。この2つの部品をねじ込むと、コネクター632の下部横断表面とフローセル626のテーパー面654との間でフェルール652が締めつけられることになる。あるいは、内部に面する横方向テーパー面をコネクター632の底部に沿って設けて、図4Cに示す向きに関してテーパー面とフェルールの配置を上下逆さまにしてもよい。
【0032】
本発明の別の実施形態では、図4−Aのねじ接続部の形態を、コネクターとフローセルとの間のインターフェースに使用し、一方で図2−Bの封入接着剤の形態をコネクターと対応するサンプル管との間のインターフェースに使用する。サンプル管が比較的小径であれば、サンプル管の壁の中にねじ山をつけるのは困難かもしれない。フローセルは対応するサンプル管より径が通常は大きいので、この種のねじ山は、フローセルの外部壁に形成するのがより簡単かもしれない。
【0033】
図5−Aは、本発明の別の実施形態によるコネクター832の等角図法による図を示す。図5−Bおよび図5−Cに、コネクター832の横断方向および縦方向の断面図を示す。コネクター832は、主本体860、およびこの本体860より小さな断面寸法の管状の側面のカバー862を含んでいる。本体860の横断端面864はサポートディスクのテーパーを有する横断表面に載せてもよい。複数の縦方向の温度制御ガスチャンネル880が、本体860の外側表面に沿って規定されており、コネクター832に沿って温度制御ガスが通過できるようになっている。図5Cに示すように、コネクター832bの1つの端に面するフローセルコネクターボア840は、対応するフローセルに適合するような寸法に合わせてあり、一方で別のコネクター端部に面するサンプル管コネクターボア842は、対応するサンプル管に適合するような寸法にしてある。螺旋状の連結部ねじ山850が、フローセルコネクターボア840の近い(内部)領域内に規定されており、対応するフローセル螺旋ねじ山に対応するようになっている。このサンプル管は、ねじ山か封入接着剤を使用して、コネクター832に上述のようにして接続してもよい。
【0034】
図5−Dは、コネクター832、およびコネクター832に固定された管状の外延部933を組み込んであるツーピースのコネクター932の縦方向の断面図を示す。この外延部933は、横から管状の延長部862を囲み、接着剤によって管状の延長部862に固定されていてもよい。外延部933はその遠位端部に末端テーパー状の外側表面935を有する。複数の温度制御ガスチャンネルが、外延部933に沿って延びており、これはテーパー面935にも沿っている。外延部933に沿った温度制御ガスチャンネルおよびコネクター832に沿った対応する温度制御用ガスチャンネルのそれぞれが、コネクター932の縦方向の長さ全体に延びるより長いチャンネルの一部を形成している。外側表面935はサポートディスクのテーパー面と一致するように載せてもよい。この外延部933によって、与えられたNMRプローブの最適合点において、所定長さを有する標準フローセルが中心になることができるようになる。コネクター832の内部表面に沿ったねじ山850の機械加工を容易にするために、2つの部品に分けた設計はコネクター932用に好ましいものである。深いボアの内部の螺旋ねじ山の機械加工は実際上困難かもしれない。コネクター832と外延部933とを固定する前に、ねじ山850を機械加工してもよい。図5−Dに示すようなツーピースのコネクター設計は、フローセルおよび/またはサンプル管にコネクターを固定するステップを容易にするために、図2−Aに示すような隔離−接着剤タイプのフローセルアセンブリの中に使用してもよい。
ねじ山は、また外延862の内部表面に沿って設けてもよい。
【0035】
上述の好ましい封入接着剤および終端面シーリング連結部の設計によって、一方では長時間にわたるNMRフローセルアセンブリの操作の信頼性があがり、他方ではエンドユーザは、空間的に厳しい制約下でのフローセルアセンブリの交換ができるようになる。図2−B中に示す設計に類似している連結部設計を接着剤なしで静止状態に保持したところ、大気圧下で3か月の期間漏れなしで作動することが確認できた。さらに上述の種々の好ましい設計によって、高圧力、たとえば3MPaを超えるような圧力でのNMRフローセルアセンブリの操作、およびNMR磁石の内部に保持したNMRプローブの中へフローセルアセンブリ挿入したり、かつそのプローブから取り出したりする操作が可能となる。本発明の好ましいねじ構造の設計によっても、エンドユーザが、その分野でアセンブリを組み立て、さらに再組み立てすることができるようになる。
【0036】
上記の諸実施形態は、発明の範囲から逸脱することなしに、多くの方法で変更してもよい。たとえば、上述の隔離した接着剤および端面シールの連結部は、フローセルおよび/またはサンプル管コネクター端部に使用してもよい。接着剤はねじ接続と共に使用してもよい。単一のOリング、もしくは2を超えるOリング、または他の障壁を、コネクターとフローセルまたはサンプル管との間に使用してもよい。上述のサンプルフローの方向を逆にしてもよい。たとえば、入口管はフローセルの上から設置し、かつ対応する出口管はフローセルより下方に、またはそのフローセルの上方に設置してもよい。コネクターに沿って延びる温度制御ガスチャンネルは、コネクターを通しておよび/またはコネクターの外表面に沿って通してもよい。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの法的な均等物によって決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例による例示的なNMR分光計の概略図である。
【図2−A】本発明の一実施形態による図1の分光計のフローセルアセンブリの等角図法による図である。
【図2−B】本発明の一実施形態によるフローセルとサンプル管との間の連結部を含む図1のフローセルアセンブリの一部の縦方向の断面図である。
【図3−A】本発明の一実施形態による、封入接着剤を使用するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図3−B】本発明の一実施形態による、封入接着剤を使用するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図3−C】本発明の一実施形態による、封入接着剤を使用するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図4−A】本発明の一実施形態による横断面の軸方向のシールを確立するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図4−B】本発明の一実施形態による横断面の軸方向のシールを確立するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図4−C】本発明の一実施形態による横断面の軸方向のシールを確立するのに適するフローセル接続構成の縦方向の断面図の例である。
【図5−A】本発明の一実施形態によるコネクターの等角投影図である。
【図5−B】本発明の一実施形態によるコネクターの横断面図である。
【図5−C】本発明の一実施形態によるコネクターの縦方向の断面図である。
【図5−D】本発明の一実施形態による図5−Aから図5−Cのコネクターおよび延長部品を含むツーピースのコネクターの縦方向の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核磁気共鳴サンプルを保持するための核磁気共鳴フローセルアセンブリであって、
核磁気共鳴サンプルを保持するためのフローセルと、
このフローセルに流体的にアクセスできるようにするためのサンプルフロー管と、
このサンプルフロー管を前記フローセルに流体的に接続するためのコネクターと、
前記コネクターの表面に前記フローセルの側面を固定するフローセル接着剤と、
前記フローセルの表面と前記コネクターの前記表面との間に延びており、前記フローセルの内部から前記フローセル接着剤を隔離するために配置されている内部フローセル接着剤隔離障壁とを備えた核磁気共鳴フローセルアセンブリ。
【請求項2】
前記内部フローセル接着剤隔離障壁がOリングを含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項3】
前記内部フローセル接着剤隔離障壁が複数の環状の隆起を含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項4】
前記フローセルの前記表面と前記コネクターの前記表面との間に延びており、前記フローセルの外部環境から前記フローセル接着剤を隔離し、かつ前記コネクターに対して前記フローセルを中心に配置させるように位置している外部フローセル接着剤隔離障壁をさらに含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項5】
前記コネクターの内表面に前記サンプルフロー管の外側面を固定するサンプルフロー管接着剤と、
前記サンプルフロー管の前記外側面と前記コネクターの前記内表面との間に延びており、前記サンプルフロー管の内部から前記サンプルフロー管接着剤を隔離するように位置している内部サンプルフロー管接着剤隔離障壁とをさらに含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクターが、前記コネクターの外側表面からフローセルコネクターボアに沿った前記コネクターの内表面に延びている半径方向の接着材挿入チャネルを含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項7】
前記コネクターが、前記フローセルと前記コネクターとの間の接着剤インターフェースに沿って延びる接着材保持リザーバを含む請求項1に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項8】
核磁気共鳴フローセルアセンブリに核磁気共鳴サンプルを挿入する工程と、
当該サンプルがフローセル中に位置している間に、当該サンプルに対して核磁気共鳴測定を行なう工程とを含む核磁気共鳴方法であって、
前記核磁気共鳴フローセルアセンブリが、
核磁気共鳴サンプルを保持するための前記フローセルと、
このフローセルに流体的にアクセスできるようにする入口および出口サンプルフロー管と、
1対のコネクターであって、前記フローセルに前記入口サンプルフロー管を接続するための第1のコネクターと、前記フローセルに前記出口サンプルフロー管を接続するための第2のコネクターとを含み、前記1対のコネクターの各々が接着剤領域によって前記フローセルに固定されており、前記フローセルと前記1対のコネクターの各々との間に延びている環状の接着材隔離障壁によって前記接着剤領域が前記フローセルの内部から隔離されている1対のコネクターとを含む方法。
【請求項9】
核磁気共鳴サンプルを保持するための核磁気共鳴フローセルアセンブリであって、
核磁気共鳴サンプルを保持するためのフローセルであって、このフローセルの外側面に沿った第1の螺旋ねじ山を有するフローセルと、
前記フローセルに流体的にアクセスできるようにするためのサンプルフロー管と、
前記フローセルに前記サンプルフロー管を流体的に接続するためのコネクターであって、前記フローセルの末端領域に適合するように寸法を合わせられているフローセルコネクターボアを含み、前記フローセルに前記コネクターを固定するための第2螺旋ねじであって、前記第1の螺旋ねじ山と適合する第2の螺旋ねじ山を有するコネクターと、
前記フローセルの横断端面と前記コネクターの横断表面との間に位置するシーリング障壁であって、前記フローセルと前記コネクターとの間のインターフェースを密閉するために、前記フローセルと前記コネクターとが互いに固定されている場合に、前記フローセルと前記コネクターとの間で押圧されているシーリング障壁とを含む、
核磁気共鳴フローセルアセンブリ。
【請求項10】
前記シーリング障壁がOリングを含む請求項9に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項11】
前記シーリング障壁がフェルールを含む請求項9に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項12】
前記コネクターが、コネクター本体およびこのコネクター本体に固定された別個の管状の外延部を含み、この管状の外延部が、この管状の外延部の遠位端部にテーパー状の外側表面を有する請求項9に記載のフローセルアセンブリ。
【請求項13】
核磁気共鳴サンプルを核磁気共鳴フローセルアセンブリに挿入する工程と、
当該サンプルがフローセル中に位置している間に、当該サンプルに対して核磁気共鳴測定を行なう工程とを含む核磁気共鳴方法であって、
前記核磁気共鳴フローセルアセンブリが、
核磁気共鳴サンプルを保持するためのフローセルであって、このフローセルの外側面に 沿う第1の螺旋ねじ山を有するフローセルと、
前記フローセルに流体的にアクセスできるようにするサンプルフロー管と、
前記フローセルに前記サンプルフロー管を流体的に接続するためのコネクターであって、前記フローセルの末端領域に適合するように寸法を合わせられているフローセルコネクターボアを含み、前記フローセルに前記コネクターを固定するための第2の螺旋ねじ山であって、前記第1の螺旋ねじ山と適合する第2の螺旋ねじ山を有するコネクターと、
前記フローセルの横断端面と前記コネクターの横断表面との間に位置するシーリング障壁であって、前記フローセルと前記コネクターとの間のインターフェースを密閉するために、前記フローセルと前記コネクターとが互いに固定されている場合に、前記フローセルと前記コネクターとの間で押圧されているシーリング壁とを含む方法。

【図1】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図3−C】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図5−C】
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【図5−D】
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【公表番号】特表2007−505291(P2007−505291A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525343(P2006−525343)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/026530
【国際公開番号】WO2005/026763
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)