説明

半自動梱包機用バンド駆動装置

【課題】バンドの供給・引戻しロールと引締めロールを有する半自動梱包機は、夫々のロールをベルトとプーリによって減速駆動していたため、機体の小型・軽量化に限度があった他、組立て調整が容易でなく製造コストの低減が図れなかった。 本発明は、モータを直結して組込みが容易なバンド駆動装置を提供する。
【手段】モータM1に直結した減速機の取付面から供給・引戻しロール7Aの駆動軸8と引締めロール9Aの駆動軸10を並行突出させ、減速機ケース12の取付面12Aをシーラユニット取付基板20、21を共用して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半自動梱包機においてバンドを供給し又は引戻し、更に引締めを行うバンド駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動機においてはバンド送りロールと引戻しロールが独立して設けられている(特許文献1)が、半自動梱包機においては、機器の小型化や軽量化を図るため、バンド送りロールと引戻しロールを1個の正逆転フィードロールに兼用させ、これらをシーラユニットのカム軸モータでベルト伝動によって駆動させ、引締め用テンションロールは別個の専用モータによって駆動していた。
【0003】
この装置では、ベルトとプーリによって回転力を伝えている上、プーリ軸にクラッチブレーキを介装しているため、機器の小型化に限度があり、また、装置の組立てと調整に技術力と時間を要し、非能率で不経済であった。
【0004】

【特許文献1】特開2000−296809公報 (図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、バンドの引締めロールが常にバンド供給・引戻しロールの回転方向と同一であることに鑑み、これらのロールを共通のモータで減速駆動するようにしてユニット化し、更に該ユニットをシーラユニット取付板の延長部に固定することによって組立てと調整作業を容易化し、半自動梱包機全体の小型軽量化を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明バンド駆動装置は、バンド駆動用正逆転モータの回転軸に直結された歯車列減速機と、この減速機ケースの取付面から第1、第2の駆動軸が所定間隔で並行に突出し、前記第1の軸にはバンドフィードロールを軸着すると共に前記第2の軸にはテンションロールを軸着し、前記取付面を機枠に固定してなるものである。 更に、取付面をシーラユニットの取付板延長部に固定することによって一層の小型化を実現するものである。
【発明の効果】
【0007】
ケース取付面には予め取付孔が穿設されているから固定板に対する取付位置調整や軸心調整が不要になり、取付作業が大幅に改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図中、1は移動可能な半自動梱包機、2は作業天板、3はシーラユニットであってそれ自体の構成及び動作は周知であるから説明は割愛する。 4は自由回転するバンドリール、5は中間ガイドロール、6はバンド挿入口、7Aは正逆転フィードロール、8はその駆動軸、7Bは従動ロールであって常時一定の圧力又は引戻し時に強弱2段の切換え圧力で圧接されている。 9Aは引締め駆動ロール、10はその駆動軸、9Bは引締め従動ロールである。
【0009】
図2乃至図4において、2Aはバンド案内溝、M1はバンド駆動モータ、M2はシーラユニットのカム軸モータである。 11はモータM1に連結する減速機であってケース12内に減速歯車列Gと常に同方向に回転する2本の駆動軸8、10を収容支持してモータ軸13に連結している。 減速機は、5枚の中間歯車で構成され、供給・引き戻しロールを軸着している第1軸の回転数は、450〜550rpm(モータ軸回転数の約1/3)、第2軸の回転数は、25〜30rpmである。
【0010】
2本の駆動軸8、10は、ケース12の取付面12Aから突出され、夫々、正逆転フィードロール7Aと引締め駆動ロール9Aを軸着している。 フィードロール7Aに接する従動ロール7Bは、バンドBをリールから引出せるトルクが得られるような十分な圧力で圧接される。 ケース12の取付面12Aは、シーラユニット3の垂直取付基板20と一体の延長部21の取付面に固定するのがよい。 なお、減速機ケースのモータM1とカム軸モータM2を有するシーラユニット3の間隔及び位置関係は基板20の延長部21の設計によって任意に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】半自動梱包機の要部構成を示す正面図
【図2】梱包機の一部平面図
【図3】本発明バンド駆動装置の組付状態を示す斜視図
【図4】減速機の縦断側面図
【符号の説明】
【0012】
3 バンドリール
7A 供給・引戻しロール
7B 従動ロール
8 駆動軸
9A 引締めロール
10 駆動ロール
M1 バンド駆動モータ
M2 カム軸モータ
12 減速機ケース
20 シーラユニット取付基板
21 延長部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド駆動用正逆転モータに減速歯車列を収容した減速機が直結連結され、該減速機ケースの取付面から並行に突出されて同方向に回転する第1、第2の駆動軸と、前記取付面が固定部材に取付けられると共に前記第1の軸にバンド供給・引戻しフィードロールが軸着され、前記第2の軸に引締めテンションロールが軸着されてなる半自動梱包機用バンド駆動装置。
【請求項2】
固定部材がシーラユニット取付板の延長部である請求項1記載の半自動梱包機用バンド駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−84131(P2007−84131A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277686(P2005−277686)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000110398)ナイガイ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】