説明

半解凍麺の喫食方法

【課題】 この発明は、喫食前の調理を比較的短時間にすることにより、客を待たせる時間、又は喫食前の調理時間を可及的に短縮することを目的としたものである。
【解決手段】 この発明は、調理麺を半解凍状態にした後、電子レンジで加熱することを特徴とした半解凍麺の喫食方法により目的を達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンビニエンスストアなどの店頭において、半解凍麺を買った顧客が、店員又は自ら調理し、又は加熱することにより茹で立て麺と同等の食感の良い麺を店頭又は持ち帰って喫食することを目的とした半解凍麺の喫食方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、麺食品は、袋入りやカップ入りの乾燥させた麺を熱湯で戻して(さらに茹でることなく)喫食状態とするタイプや、冷凍した麺を鍋で火にかけたり電子レンジで調理したりするタイプ等、種々の商品が知られている。
【0003】
また、通常、鍋等で調理する麺を袋内に入れて電子レンジで加熱調理し、店内の客席で麺料理を提供する麺類等提供店の発明が提案されている(特開2002−262800公報)。
【特許文献1】特開2002−262800公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近、コンビニエンスストアの店頭にポットが備え付けられており、乾燥させた麺をカップに入れて販売する形式のインスタント麺は、そのポットから熱湯を注ぎ、数分後には食すことができる。
【0005】
しかし、麺食品を美味しく食すためには、打ち立ての生麺を熱湯で茹で、直ちに食すのがよく、このようなカップ入りのインスタント麺では、本格的な茹で立ての麺と同等の食感を得ることは困難である。
【0006】
さらに、袋入りの麺では、別に丼を用意しなければならず、通常のコンビニエンスストア等の店頭では食することが困難である。
【0007】
また、冷凍麺は、乾燥した麺を湯で戻しただけのものよりは食感のよいものが多いが、冷凍してあることから、湯を注いだだけでは、喫食可能な状態とすることはできない。また、電子レンジで加熱して喫食可能な状態とする製品もあるが、出来上がるまでに例えば5分〜7分間程度の時間を要し、店頭ですぐに食したい場合には、時間がかかっていた。
【0008】
さらに、前記麺類等提供店の発明(特開2002−262800公報)では、素早く調理を完了することができ、客がセルフサービスで調理を行えるものであるが、使用する麺は通常の冷凍されていない麺であり、麺の品質管理や衛生面では改善の余地があった。
【0009】
従来知られているチルド調理パスタは、製造後10℃前後で保管し、12時間乃至72時間後に喫食することを考慮して、品質を保持するようにしてある。然し乍ら、経時的に麺内に水分移行を生じ、所謂麺伸びが生じる。そこで、前記時間中の品質保持の為に、パスタに小麦たんぱく等を加えて麺に硬さを持たせ、食感の劣化を防止している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
半解凍状態の調理麺を店頭で買い求め、ソース共用のものはそのまま、ソース別封のものは、その容器にソースをかけて、店員又は顧客が電子レンジで加熱した後、喫食することにより、前記従来の問題点を解決したのである。
【0011】
前記半解凍麺の最大の特徴は、昼のピークに合わせ作り置きが可能なことであり、完全解凍したパスタは15分も経過すると麺が伸びることと、ソース表面が乾燥して皮張ることで商品価値がなくなる事と、解凍に時間がかかり客を待たせることになるが、半解凍麺は麺伸びによる品質劣化が少なく、ソースも乾燥しないので、3時間前の作り置きが可能となり、60秒の調理で提供できるので、昼のピーク時にスムースに対応できる。
【0012】
即ちこの発明は、調理麺を半解凍状態にした後、電子レンジで加熱することを特徴とした半解凍麺の喫食方法であり、容器に入れた半解凍状態にした調理麺にソースをかけ、電子レンジで加熱することを特徴とした半解凍麺の喫食方法である。また、別容器に収容されていた半解凍状態にした調理麺と、ソースを別々に電子レンジで加熱したことを特徴とする半解凍麺の喫食方法であり、別容器に収容されていた半解凍状態にした調理麺とソースとを合わせた後、電子レンジで加熱するものである。前記ソースには、必要に応じ具を加えてあってもよい。又調理麺にソースをかける際に具を添えることもできる。
【0013】
次に、電子レンジにかけるのは、店員又は顧客とするものである。
【0014】
この発明において、調理麺は半解凍状態で店頭に陳列される。
【0015】
この発明において、調理麺とは、麺を単に茹でただけの茹で麺、麺にオリーブオイル等の食用油をまぶしたもの、麺にソースをかけた茹で麺および麺にミートソース、カルボナーラソース等のソースと具をかけたもの等をいう。
【0016】
前記調理麺は、調理麺のみで、又は調理麺にミートソース、カルボナーラソース等のソースおよび具をかけた状態で冷凍される。
【0017】
前記における冷凍麺は、例えば次のようにして作る。即ちミートソース、カルボナーラソースは麺に油をまぶし、ソースをかけ、具がある場合は載せる。またナポリタンは、一部のソースを麺にまぶし、残りのソースをかけ、具がある場合は具を載せる。ペペロンチーノは、麺に下味をつけて具を載せる。ソース別封の場合は、ソース、具を一緒のトレーに計量して凍結し、凍結したパスタのトレーとセットする。
【0018】
冷凍の方法は特に限定されないが、急速冷凍が好ましい。
【0019】
この発明において半解凍状態とは、前記冷凍した調理麺および調理麺とソース並びに具を一体として冷凍したものを一部解凍して冷凍状態が残っている状態をいう。
【0020】
半解凍状態にするには、例えば、電子レンジ(例えば1400W)で60秒間程度加熱する。
【0021】
加熱終了後の状態は、温度分布にむらがあるが、麺の中心部分の温度は−5℃〜20℃程度となり、表面部分は2℃〜50℃程度になる。
【0022】
この発明においては、半解凍処理するので、爾後の電子調理はきわめて短時間(60秒程度)で十分目的を達成することができる。
【0023】
前記において、電子レンジにかけて半解凍する前の冷凍麺は、凍結によって水分移行が抑えられ、麺伸びが殆んど生じないものである。また、半解凍麺は、麺の温度を0℃付近にすることにより、麺の水分移行が抑えられ、冷凍麺の解凍直後の食感が得られるから、前記半解凍処理によっても、良好な品質を保つことができる。
【発明の効果】
【0024】
(1)冷凍麺を凍結した状態から喫食状態まで1400W電子レンジで加熱すると3分程度かかり客を待たせることになるが、半解凍しておくことにより60秒程度喫食状態となり、客を待たせないなどの効果がある。
【0025】
(2)昼の繁忙時に合わせ事前に完全加熱しておくと、15分程度で麺が伸びてしまい商品価値を失うが、半解凍状態にしておくと、3時間は食味に変化がないので、作り置きができる効果がある。
【0026】
(3)また、半解凍にすると中心部で0℃前後、周辺部で20℃前後となり、細菌の繁殖が抑えられる効果がある。
【0027】
(4)冷凍麺は店頭に展示できなく、顧客が気がつかない場合があるが、半解凍にして店頭に出すことにより、顧客の気を引くことができる効果がある。
【0028】
(5)販売時点での容器入りの商品の為移し変えの手間/ヒマが省ける為、顧客を待たせないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明は、容器に入った冷凍調理麺を半解凍状態にし、ソース及び具をつけて販売し、これを買った際、前記容器入り半解凍麺を店員又は顧客が電子レンジにかけて調理すると、短時間(例えば1400Wで60秒間)でできあがる。
【0030】
前記において、電子レンジにかける前にソース及び具を容器に入れる。
【0031】
前記は店頭で喫食する場合であるが、顧客は電子レンジ調理後持ち帰って、店頭以外の場所で喫食できることは勿論である。また、購買後持ち帰る時間が掛る(例えば30分以上)場合には、半解凍のまま持ち帰り、喫食前に電子レンジにかけることが好ましい。
【0032】
要するに、店頭販売時には、半解凍状態で容器に入れてあって、顧客の要求に応じ、電子レンジ調理し、又は調理することなく販売する。そこで顧客は、店員に電子レンジ調理をしてもらうか、自ら好む時間に調理することになる。
【実施例】
【0033】
この発明の実施例を図1に基づいて説明すると、容器入り冷凍麺の適数(当日販売数)を電子レンジで加熱(例えば1400Wで60秒)し、半解凍状態で店頭に陳列する。この場合に、麺芯は0℃、外側は15℃〜20℃位で、所謂茹で麺の冷蔵品のような外観である。
【0034】
前記の状態で販売されるので、店頭で電子レンジ調理(例えば1400Wで60秒間)すれば、茹で上りと同一状態になり、おいしく喫食することができる。
【0035】
店頭喫食できない場合(例えばスーパーなど)には、電子レンジ調理後持ち帰って喫食し、又は調理することなく持ち帰り後、電子レンジ調理して喫食する。
【0036】
前記において、ソース類は、通常電子レンジ調理時に容器に入れ、又は容器に入っていればそのまま加熱して支障はない。前記のようにすれば、販売、電子レンジ調理及び喫食がスムースに行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施例のブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理麺を半解凍状態にした後、電子レンジで加熱することを特徴とした半解凍麺の喫食方法。
【請求項2】
容器に入れた半解凍状態にした調理麺にソースをかけると共に具を入れて、電子レンジで加熱することを特徴とした半解凍麺の喫食方法。
【請求項3】
別容器に収容されていた半解凍状態にした調理麺と、ソースを別々に電子レンジで加熱したことを特徴とする半解凍麺の喫食方法。
【請求項4】
別容器に収容されていた半解凍状態にした調理麺とソースとを合わせた後、電子レンジで加熱することを特徴とした請求項1記載の半解凍麺の喫食方法。
【請求項5】
電子レンジにかけるのは、店員又は顧客とすることを特徴とした請求項1乃至4の何れか1項記載の半解凍麺の喫食方法。
【請求項6】
調理麺は、茹で麺をそのまま冷凍し、又は茹で麺にソースを直接かけて冷凍することを特徴とした請求項1又は2記載の半解凍麺の喫食方法。

【図1】
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